JPH1044340A - 樹脂加工布及びその製造法 - Google Patents
樹脂加工布及びその製造法Info
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- JPH1044340A JPH1044340A JP8256574A JP25657496A JPH1044340A JP H1044340 A JPH1044340 A JP H1044340A JP 8256574 A JP8256574 A JP 8256574A JP 25657496 A JP25657496 A JP 25657496A JP H1044340 A JPH1044340 A JP H1044340A
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- cloth
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- Manufacturing Of Multi-Layer Textile Fabrics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光透過性に優れ、長寿命で軽量な樹脂加工布
を提供する。 【解決手段】 150〜2000デニール、糸強度6g
/d以上、強度保持率が60%以上のアクリル系フィラ
メント糸を15重量%以上含む布帛の少なくとも片面に
付着率80重量%以下で樹脂を付着させ、光透過率を1
0%以上とした樹脂加工布及び樹脂加工布の製造法。
を提供する。 【解決手段】 150〜2000デニール、糸強度6g
/d以上、強度保持率が60%以上のアクリル系フィラ
メント糸を15重量%以上含む布帛の少なくとも片面に
付着率80重量%以下で樹脂を付着させ、光透過率を1
0%以上とした樹脂加工布及び樹脂加工布の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天候や太陽光に暴
露される用途に供されても、長寿命で且つ光透過性に優
れた樹脂加工布及びその製造法に関する。
露される用途に供されても、長寿命で且つ光透過性に優
れた樹脂加工布及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】天候、太陽光、有害な人工光に暴露して
使用される用途としては、例えば野外テント、建築物用
膜体、仮設膜体、遮光減光用膜体、採光室内のカーテ
ン、農業用メッシュ、防鳥ネット、防虫ネット、防球ネ
ット、安全ネット、スポーツ用ネット、案内や仕切りメ
ッシュ、建築用養生メッシュなどがある。
使用される用途としては、例えば野外テント、建築物用
膜体、仮設膜体、遮光減光用膜体、採光室内のカーテ
ン、農業用メッシュ、防鳥ネット、防虫ネット、防球ネ
ット、安全ネット、スポーツ用ネット、案内や仕切りメ
ッシュ、建築用養生メッシュなどがある。
【0003】このような用途に置かれた樹脂加工布は、
主に光源に含まれる紫外線の影響を受け、樹脂及び樹脂
中の繊維が劣化し、機能を喪失する。
主に光源に含まれる紫外線の影響を受け、樹脂及び樹脂
中の繊維が劣化し、機能を喪失する。
【0004】従来の樹脂加工布としは、ポリエステル、
ナイロン6、ナイロン6・6、ポリエチレン等の汎用の
産資用マルチフィラメント糸を用いた布帛に樹脂加工を
施したものが多い。高強力を要求しないものとしては、
糸強度の低い衣料用マルチフィラメント糸からなる布帛
に樹脂加工を施したものがある。これらの汎用繊維素材
は、それ自身の耐候性が小さく1年間の野外使用でその
強度が1/5以下に、直射日光の当る室内では1/2以
下に低下し、長期の使用に耐えられない。このため、長
期の使用に耐えられる様、次の工夫がなされてきた。
ナイロン6、ナイロン6・6、ポリエチレン等の汎用の
産資用マルチフィラメント糸を用いた布帛に樹脂加工を
施したものが多い。高強力を要求しないものとしては、
糸強度の低い衣料用マルチフィラメント糸からなる布帛
に樹脂加工を施したものがある。これらの汎用繊維素材
は、それ自身の耐候性が小さく1年間の野外使用でその
強度が1/5以下に、直射日光の当る室内では1/2以
下に低下し、長期の使用に耐えられない。このため、長
期の使用に耐えられる様、次の工夫がなされてきた。
【0005】すなわち、布帛に樹脂フイルムを張り合わ
せたり、ディップや各種コーティングの方法により布帛
を被覆することにより防水性や耐摩耗性、メッシュ状布
帛では目ずれ防止性の機能を付加すると同時に耐候性を
高め長寿命を図ることが行なわれている。また、耐候性
を高めるため、使用する樹脂量を増やしたり、樹脂に紫
外線吸収剤や紫外線の透過を減少させる色剤等を配合す
る方法が採用されてきた。
せたり、ディップや各種コーティングの方法により布帛
を被覆することにより防水性や耐摩耗性、メッシュ状布
帛では目ずれ防止性の機能を付加すると同時に耐候性を
高め長寿命を図ることが行なわれている。また、耐候性
を高めるため、使用する樹脂量を増やしたり、樹脂に紫
外線吸収剤や紫外線の透過を減少させる色剤等を配合す
る方法が採用されてきた。
【0006】しかし、大きな光透過性が要求される用途
では、樹脂の透明度を大きくするため樹脂中の布帛に到
達する光量を遮蔽することが困難となり、そのため樹脂
付着量を増やして樹脂膜厚を大きくしたり、また、樹脂
への紫外線吸収剤の配合量を増やしたりする方法がとら
れている。しかし、樹脂加工布の重量が大きくなった
り、配合樹脂が高価となる問題があり、これらの改善が
待たれていた。
では、樹脂の透明度を大きくするため樹脂中の布帛に到
達する光量を遮蔽することが困難となり、そのため樹脂
付着量を増やして樹脂膜厚を大きくしたり、また、樹脂
への紫外線吸収剤の配合量を増やしたりする方法がとら
れている。しかし、樹脂加工布の重量が大きくなった
り、配合樹脂が高価となる問題があり、これらの改善が
待たれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大きな光透
過性を有し、長寿命で軽量に優れた樹脂加工布及びその
製造法を提供することを課題とする。
過性を有し、長寿命で軽量に優れた樹脂加工布及びその
製造法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、次の手段をとる。すなわち、本発明は、
糸の太さ150〜2000デニール、糸強度6g/d以
上、糸の強度保持率が60%以上のアクリル系フィラメ
ント糸が少なくとも15重量%以上含まれた布帛の少な
くとも片面に樹脂が付着されてなる樹脂加工布であっ
て、布帛に対する樹脂付着率が80重量%以下であり、
光透過率が10%以上であることを特徴とする樹脂加工
布である。また、本発明は、糸の太さ150〜2000
デニール、糸強度6g/d以上、糸の強度保持率が60
%以上のアクリル系フィラメント糸を用いて15重量%
以上含むように布帛を形成し、ついで該布帛の少なくと
も片面に樹脂を付着して、布帛に対する樹脂付着率が8
0重量%以下にし、光透過率が10%以上にすることを
特徴とする樹脂加工布の製造法である。
決するために、次の手段をとる。すなわち、本発明は、
糸の太さ150〜2000デニール、糸強度6g/d以
上、糸の強度保持率が60%以上のアクリル系フィラメ
ント糸が少なくとも15重量%以上含まれた布帛の少な
くとも片面に樹脂が付着されてなる樹脂加工布であっ
て、布帛に対する樹脂付着率が80重量%以下であり、
光透過率が10%以上であることを特徴とする樹脂加工
布である。また、本発明は、糸の太さ150〜2000
デニール、糸強度6g/d以上、糸の強度保持率が60
%以上のアクリル系フィラメント糸を用いて15重量%
以上含むように布帛を形成し、ついで該布帛の少なくと
も片面に樹脂を付着して、布帛に対する樹脂付着率が8
0重量%以下にし、光透過率が10%以上にすることを
特徴とする樹脂加工布の製造法である。
【0009】
【発明の実施形態】樹脂加工布は、野外で使用されるこ
とが多く、布帛に高い力学特性が要求される。そこで、
本発明では、特定の物性を有するアクリル系フィラメン
ト糸を用いることが重要である。アクリル系フィラメン
ト糸の繊度が150デニール未満では布帛の力学特性が
不足し、また、糸や布帛の製造コストが高くなるため好
ましくない。他方、2000デニールをこえると、布帛
の力学特性は満足されても布帛重量や表面凹凸の増大を
招き、均一に被覆するために必要な樹脂付着量が多くな
り好ましくない。繊度のより好ましい範囲は250〜1
500デニールである。
とが多く、布帛に高い力学特性が要求される。そこで、
本発明では、特定の物性を有するアクリル系フィラメン
ト糸を用いることが重要である。アクリル系フィラメン
ト糸の繊度が150デニール未満では布帛の力学特性が
不足し、また、糸や布帛の製造コストが高くなるため好
ましくない。他方、2000デニールをこえると、布帛
の力学特性は満足されても布帛重量や表面凹凸の増大を
招き、均一に被覆するために必要な樹脂付着量が多くな
り好ましくない。繊度のより好ましい範囲は250〜1
500デニールである。
【0010】次に、使用するフィラメント糸の強度は大
きい方が布帛の重量や厚さを小さくすることが可能とな
り好ましい。6g/d未満では本用途において所定の力
学的特性を得るために多くの糸を使用する必要があり好
ましくない。好ましくは7g/d以上が良い。
きい方が布帛の重量や厚さを小さくすることが可能とな
り好ましい。6g/d未満では本用途において所定の力
学的特性を得るために多くの糸を使用する必要があり好
ましくない。好ましくは7g/d以上が良い。
【0011】また、アクリル系フィラメント糸の強度保
持率は大きい方が布帛の耐候性を高め長寿命を得るた
め、また、樹脂の配合や付着量の制約が少なくなり好ま
しい。強度保持率が60%未満では長寿命化に対して不
十分であり、樹脂への高耐候性を補助するための配慮が
必要となり好ましくない。強度保持率60%以上のアク
リル系フィラメント糸を用いると高耐候性の配慮はもっ
ぱら樹脂について行えば良いことになる。好ましくは7
0%以上である。より好ましくは80%以上である。
持率は大きい方が布帛の耐候性を高め長寿命を得るた
め、また、樹脂の配合や付着量の制約が少なくなり好ま
しい。強度保持率が60%未満では長寿命化に対して不
十分であり、樹脂への高耐候性を補助するための配慮が
必要となり好ましくない。強度保持率60%以上のアク
リル系フィラメント糸を用いると高耐候性の配慮はもっ
ぱら樹脂について行えば良いことになる。好ましくは7
0%以上である。より好ましくは80%以上である。
【0012】アクリル系フィラメント糸のアクリル系は
アクリロニトリルを85%以上含むものである。また、
フィラメント糸はマルチフィラメント糸又はモノフィラ
メントの双方を含むものである。
アクリロニトリルを85%以上含むものである。また、
フィラメント糸はマルチフィラメント糸又はモノフィラ
メントの双方を含むものである。
【0013】以上述べた物性を満足するアクリル系フィ
ラメント糸は布帛に15重量%以上含まれていなければ
ならない。好ましくは20重量%以上である。前記アク
リル系フィラメント糸を布帛に含ませるには、合糸又は
合撚糸又は混繊糸にして用いても良く、布帛製造工程の
準備機の段階で複合して用いても良く、布帛製造時にお
いて複合して用いても良い。その他、前記アクリル系フ
ィラメント糸を含んだ布帛と他の布帛とを積層しても良
い。
ラメント糸は布帛に15重量%以上含まれていなければ
ならない。好ましくは20重量%以上である。前記アク
リル系フィラメント糸を布帛に含ませるには、合糸又は
合撚糸又は混繊糸にして用いても良く、布帛製造工程の
準備機の段階で複合して用いても良く、布帛製造時にお
いて複合して用いても良い。その他、前記アクリル系フ
ィラメント糸を含んだ布帛と他の布帛とを積層しても良
い。
【0014】また、複合の状態は均一に複合されても良
く、また、リップ織物(不規則緯畝織を応用した織物)
や格子柄織物の様に部分的に複合された状態のものでも
良い。また使用時に外部に暴露される部分にアクリル系
フィラメント糸を多く偏在させる複合状態でも良い。な
お、アクリル系フィラメント糸に対応するものとして、
カーボン繊維やガラス繊維や金属繊維などがあるが、高
価であったり、布帛製造における取扱いが容易でなかっ
たり、製品が重くなったり柔軟性に欠けるなどの問題が
あり、好ましくない。
く、また、リップ織物(不規則緯畝織を応用した織物)
や格子柄織物の様に部分的に複合された状態のものでも
良い。また使用時に外部に暴露される部分にアクリル系
フィラメント糸を多く偏在させる複合状態でも良い。な
お、アクリル系フィラメント糸に対応するものとして、
カーボン繊維やガラス繊維や金属繊維などがあるが、高
価であったり、布帛製造における取扱いが容易でなかっ
たり、製品が重くなったり柔軟性に欠けるなどの問題が
あり、好ましくない。
【0015】ここでいう布帛は、織編物のみならず、綱
類、長繊維不織布、短繊維不織布、フィラメント糸を布
帛の長手及び/または長手方向に直角な方向に配列した
もの、さらには斜めに配列したもの、樹脂シートに接着
剤を用いて直接フィラメント糸を複合させたものをも含
む。フィラメント糸の配列密度や直行性が異なるなどに
より本発明が制約を受けるものではない。なお、織編物
として好ましいものとしては、平織、綾織、朱子織、マ
ット織、からみ織、パナマ織、ラッセル編物、ダブルラ
ッセ編物、経緯挿入編物、メッシュ状編物等が挙げられ
る。
類、長繊維不織布、短繊維不織布、フィラメント糸を布
帛の長手及び/または長手方向に直角な方向に配列した
もの、さらには斜めに配列したもの、樹脂シートに接着
剤を用いて直接フィラメント糸を複合させたものをも含
む。フィラメント糸の配列密度や直行性が異なるなどに
より本発明が制約を受けるものではない。なお、織編物
として好ましいものとしては、平織、綾織、朱子織、マ
ット織、からみ織、パナマ織、ラッセル編物、ダブルラ
ッセ編物、経緯挿入編物、メッシュ状編物等が挙げられ
る。
【0016】前記布帛に付着される樹脂の付着量すなわ
ち樹脂付着率は布帛に対して80重量%以下でなければ
ならない。80重量%をこえると樹脂加工布の重さが重
くなり好ましくない。65重量%以下が樹脂厚さが薄く
なり好ましい。好ましくは6〜65重量%が良い。
ち樹脂付着率は布帛に対して80重量%以下でなければ
ならない。80重量%をこえると樹脂加工布の重さが重
くなり好ましくない。65重量%以下が樹脂厚さが薄く
なり好ましい。好ましくは6〜65重量%が良い。
【0017】さらに、樹脂加工布の光透過率は10%以
上でなければならない。10%未満の場合には光透過性
が乏しくなり好ましくない。光透過率は15%以上、さ
らに20%以上が好ましい。なお、樹脂加工布の強度保
持率は60%以上が好ましい。
上でなければならない。10%未満の場合には光透過性
が乏しくなり好ましくない。光透過率は15%以上、さ
らに20%以上が好ましい。なお、樹脂加工布の強度保
持率は60%以上が好ましい。
【0018】本発明において用いられる樹脂としては、
塩化ビニール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹
脂などの熱可塑性樹脂またはポリウレタン系等の熱硬化
性樹脂等が挙げられる。
塩化ビニール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹
脂などの熱可塑性樹脂またはポリウレタン系等の熱硬化
性樹脂等が挙げられる。
【0019】布帛への樹脂の付着は、ディップコート
法、ナイフコート法、ローラコート法、またはフイルム
を接着剤や熱融着により貼り合わせるなどの方法によっ
て行われる。
法、ナイフコート法、ローラコート法、またはフイルム
を接着剤や熱融着により貼り合わせるなどの方法によっ
て行われる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例にもとづいて説明す
る。なお、本明細書において用いた測定方法は下記のと
おりである。
る。なお、本明細書において用いた測定方法は下記のと
おりである。
【0021】イ、繊度(デニール) JIS L 1013−1981の7.3の正量繊度の
方法によった。
方法によった。
【0022】ロ、糸の乾強伸度(g/d、%) JIS L 1013−1981の7.5.1の標準時
試験方法によった。なお、引張試験機として定速伸長形
タイプを用い、つかみ間隔を20mmとし、引張速度と
して1分間当たりつかみ間隔の約100%の伸長速度を
用いた。
試験方法によった。なお、引張試験機として定速伸長形
タイプを用い、つかみ間隔を20mmとし、引張速度と
して1分間当たりつかみ間隔の約100%の伸長速度を
用いた。
【0023】ハ、糸の強度保持率(%) 下記の方法で採取したサンプルをサンシヤインウエザー
メーター(JISB 7753−1977)によって耐
候性処理(ブラックパネル温度63℃、300時間連続
照射、連続照射中1時間当たり12分間スプレー降雨)
した後の糸強度(DTa)と処理前の糸強度(DTb)
との比を百分率であらわしたものを強度保持率(%)と
する(3回の平均)。なお、つかみ間隔は20cmとす
る。サンプルの採取:長さ25cm、幅4cmのステン
レス鉄板2に1mmピッチで糸1が重ならないように長
手方向に巻きつける(図1参照)。なお、サンプルの糸
の長さは30cmとする。なお、図1の3の部分にスプ
レー降雨と照射とを付与する。アルミホイル4でカバー
される。
メーター(JISB 7753−1977)によって耐
候性処理(ブラックパネル温度63℃、300時間連続
照射、連続照射中1時間当たり12分間スプレー降雨)
した後の糸強度(DTa)と処理前の糸強度(DTb)
との比を百分率であらわしたものを強度保持率(%)と
する(3回の平均)。なお、つかみ間隔は20cmとす
る。サンプルの採取:長さ25cm、幅4cmのステン
レス鉄板2に1mmピッチで糸1が重ならないように長
手方向に巻きつける(図1参照)。なお、サンプルの糸
の長さは30cmとする。なお、図1の3の部分にスプ
レー降雨と照射とを付与する。アルミホイル4でカバー
される。
【0024】ニ、織物密度(本/in.) JIS L 1096−1990の6・6の密度測定方
法による。なお、区間として5cmを採用した。
法による。なお、区間として5cmを採用した。
【0025】ホ、布帛の質量(g/m2 ) JIS L 1096−1990の6.4.2の標準状
態における単位面積当たりの質量の測定方法によった。
態における単位面積当たりの質量の測定方法によった。
【0026】ヘ、樹脂塗布量(g/m2 ) 樹脂付着前後の布帛の質量の増加量を単位面積当たりに
換算した。
換算した。
【0027】ト、樹脂付着率(%) 樹脂加工布から繊維からなる布帛の重量を差し引いたも
のを樹脂加工布の重量で除し、百分率であらわすことに
よって求めた。
のを樹脂加工布の重量で除し、百分率であらわすことに
よって求めた。
【0028】チ、樹脂加工布の引張り強力(kgf/
2.5cm) JIS L1096−1990の6.12.1A法(ス
トリップ法)のカットストリップ法によった。なお、試
験片の作成は、切断採取時の試験片の大きさを幅3cm
×長さ20cmにし、試験片の幅を2.5cmとし、試
験片の数を3枚とした。なお、試験条件は定速伸長形試
験機を用い、つかみ間隔10cm、伸長速度は1分間に
5cmとした。
2.5cm) JIS L1096−1990の6.12.1A法(ス
トリップ法)のカットストリップ法によった。なお、試
験片の作成は、切断採取時の試験片の大きさを幅3cm
×長さ20cmにし、試験片の幅を2.5cmとし、試
験片の数を3枚とした。なお、試験条件は定速伸長形試
験機を用い、つかみ間隔10cm、伸長速度は1分間に
5cmとした。
【0029】リ、樹脂加工布の強度保持率(%) サンプルとして大きさ幅2.5cm×長さ20cmの樹
脂加工布を図1のステンレス鉄板2に張り(糸は除去す
る)、サンシャインウエザーメーター(JISB775
3−1977)によって耐候性処理(ブラックパネル温
度63℃、300時間連続照射、連続照射中1時間当た
り12分間スプレー降雨。なお、照射とスプレー降雨
は、糸の場合と同じく3のところに行なう)した後の樹
脂加工布の強度(DTa′)と処理前の樹脂加工布の強
度(DTb′)との比を百分率であらわしたものを樹脂
加工布の強度保持率(%)とする(3回の平均)。な
お、つかみ間隔は20cmとした。
脂加工布を図1のステンレス鉄板2に張り(糸は除去す
る)、サンシャインウエザーメーター(JISB775
3−1977)によって耐候性処理(ブラックパネル温
度63℃、300時間連続照射、連続照射中1時間当た
り12分間スプレー降雨。なお、照射とスプレー降雨
は、糸の場合と同じく3のところに行なう)した後の樹
脂加工布の強度(DTa′)と処理前の樹脂加工布の強
度(DTb′)との比を百分率であらわしたものを樹脂
加工布の強度保持率(%)とする(3回の平均)。な
お、つかみ間隔は20cmとした。
【0030】ヌ、光透過率(%) JIS L 1055−1987の6.1A法によっ
た。
た。
【0031】実施例1〜2 油溶性触媒として2.2−アゾビス−(2、4−ジメチ
ルバレロニトリル)を使用してアクリルニトリルの水系
懸濁液重合を行ない重量平均分子量42万のポリマーを
作成し、得られたポリマーを温湯で洗浄し、乾燥、粉砕
した後、減圧脱泡し50%ロダンソーダ水溶液に溶解し
紡糸原液とした。該紡糸原液を80℃に保ち、湿式紡糸
法により紡出した。凝固液はロダンソーダ濃度15%を
用いた。凝固液を出たゲル糸を洗浄しつつ延伸し、洗浄
後は熱水中でさらに延伸し、さらにエチレングリコール
浴中で2段階延伸した。エチレングリコール浴を出た延
伸糸を60℃の湯で洗浄し残留エチレングリコール量を
0.7重量%以下にし、ついで140℃で緊張乾燥し
た。アクリル系マルチフィラメント糸の強度はエチレン
グリコール浴中の延伸率を変更して作成し、右撚150
t/mの撚数を施した糸を試験に供した。
ルバレロニトリル)を使用してアクリルニトリルの水系
懸濁液重合を行ない重量平均分子量42万のポリマーを
作成し、得られたポリマーを温湯で洗浄し、乾燥、粉砕
した後、減圧脱泡し50%ロダンソーダ水溶液に溶解し
紡糸原液とした。該紡糸原液を80℃に保ち、湿式紡糸
法により紡出した。凝固液はロダンソーダ濃度15%を
用いた。凝固液を出たゲル糸を洗浄しつつ延伸し、洗浄
後は熱水中でさらに延伸し、さらにエチレングリコール
浴中で2段階延伸した。エチレングリコール浴を出た延
伸糸を60℃の湯で洗浄し残留エチレングリコール量を
0.7重量%以下にし、ついで140℃で緊張乾燥し
た。アクリル系マルチフィラメント糸の強度はエチレン
グリコール浴中の延伸率を変更して作成し、右撚150
t/mの撚数を施した糸を試験に供した。
【0032】ついで、強度を種々変更したマルチフィラ
メント糸を用いてレピア織機にて平織物を製織し、ポリ
塩化ビニール樹脂(PVC)、可塑剤DOP、バリュー
ム亜鉛安定剤、ベンゾフェノン系耐候性向上剤の各々を
100、60、1.0、1.0重量部の混合物(以下
「PVC混合物」という。)を、得られた織物の両面に
コートし、80℃×10分の予備加熱を行い、つづいて
180℃×10分の加熱を行なって樹脂加工布を作成し
た。なお、樹脂付着量は樹脂膜厚によって加減した。次
いで、樹脂加工布のその他の物性を測定し表1に示し
た。なお、表1でACはアクリル系マルチフィラメント
糸を、PETはポリエステルマルチフィラメント糸を、
PVCはポリ塩化ビニール樹脂を、RDTは強度保持率
を示す。表2においても同様である。
メント糸を用いてレピア織機にて平織物を製織し、ポリ
塩化ビニール樹脂(PVC)、可塑剤DOP、バリュー
ム亜鉛安定剤、ベンゾフェノン系耐候性向上剤の各々を
100、60、1.0、1.0重量部の混合物(以下
「PVC混合物」という。)を、得られた織物の両面に
コートし、80℃×10分の予備加熱を行い、つづいて
180℃×10分の加熱を行なって樹脂加工布を作成し
た。なお、樹脂付着量は樹脂膜厚によって加減した。次
いで、樹脂加工布のその他の物性を測定し表1に示し
た。なお、表1でACはアクリル系マルチフィラメント
糸を、PETはポリエステルマルチフィラメント糸を、
PVCはポリ塩化ビニール樹脂を、RDTは強度保持率
を示す。表2においても同様である。
【0033】
【表1】
【0034】比較例1〜3 250デニール48フィラメントの産資用ポリエステル
マルチフィラメント糸を用い右撚150t/mの撚数を
施してレピア織機を用いて平織物を製織した。ついで、
PVC混合物を平織物の両面に実施例1と同様にしてコ
ートし、塗布量80g/m2 、300g/m2 の樹脂加
工布を製造した(比較例1、2)。前記PVC混合物に
炭素粉体の顔料を5重量部追加したものを300g/m
2 塗布した(比較例3)。これらの樹脂加工布の物性を
測定し、表1に示した。
マルチフィラメント糸を用い右撚150t/mの撚数を
施してレピア織機を用いて平織物を製織した。ついで、
PVC混合物を平織物の両面に実施例1と同様にしてコ
ートし、塗布量80g/m2 、300g/m2 の樹脂加
工布を製造した(比較例1、2)。前記PVC混合物に
炭素粉体の顔料を5重量部追加したものを300g/m
2 塗布した(比較例3)。これらの樹脂加工布の物性を
測定し、表1に示した。
【0035】表1から次のことが確認された。すなわ
ち、実施例1は、糸強度の大きいアクリル系マルチフィ
ラメント糸を用い、塗布量も255g/m2 としたもの
で、樹脂加工布の強度保持率、光透過率もともに満足で
きるものであった。実施例2は、実施例1よりさらに糸
強度の大きい糸を使用し、樹脂付着量を少なくしたメッ
シュ状の外観をもつものであるが、樹脂加工布の強度保
持率、光透過率とも優れていた。実施例1、2は、樹脂
加工布の強度保持率が高いことから、長寿命であること
を物語っている。比較例1は、光透過率は35%で良好
であるものの樹脂加工布の強度保持率が43×44%と
低く、寿命が短いことを示していた。比較例2は、比較
例1に対して樹脂付着量を約3倍増加したもので、光透
過率が26%に低下し、樹脂加工布の強度保持率は51
×52%と少し増加したもののまだ不充分であり、また
軽量にほど遠いものであつた。比較例3は、PVC混合
物に顔料として微粉炭素を3.0重量%添加したもの
で、樹脂加工布の強度保持率は申し分なかったが、光透
過率に乏しかった。
ち、実施例1は、糸強度の大きいアクリル系マルチフィ
ラメント糸を用い、塗布量も255g/m2 としたもの
で、樹脂加工布の強度保持率、光透過率もともに満足で
きるものであった。実施例2は、実施例1よりさらに糸
強度の大きい糸を使用し、樹脂付着量を少なくしたメッ
シュ状の外観をもつものであるが、樹脂加工布の強度保
持率、光透過率とも優れていた。実施例1、2は、樹脂
加工布の強度保持率が高いことから、長寿命であること
を物語っている。比較例1は、光透過率は35%で良好
であるものの樹脂加工布の強度保持率が43×44%と
低く、寿命が短いことを示していた。比較例2は、比較
例1に対して樹脂付着量を約3倍増加したもので、光透
過率が26%に低下し、樹脂加工布の強度保持率は51
×52%と少し増加したもののまだ不充分であり、また
軽量にほど遠いものであつた。比較例3は、PVC混合
物に顔料として微粉炭素を3.0重量%添加したもの
で、樹脂加工布の強度保持率は申し分なかったが、光透
過率に乏しかった。
【0036】実施例3、4、比較例4 比較例1〜3で用いたポリエステルマルチフィラメント
糸と実施例2で用いたアクリル系マルチフィラメント糸
とを格子状に複合した密度25本/in×25本/i
n.の平織物をレピア織機にて織成した。ポリエステル
マルチフィラメント糸とアクリル系マルチフィラメント
糸の使用比は、11本:1本(アクリル系マルチフィラ
メント糸の含有率8.3重量%)(比較例4)、5本:
1本(同17重量%)(実施例3)、3本:1本(同2
5重量%)(実施例4)であり、樹脂塗布量は80g/
m2 とした。これらの樹脂加工布についても物性を測定
し、表2に示した。
糸と実施例2で用いたアクリル系マルチフィラメント糸
とを格子状に複合した密度25本/in×25本/i
n.の平織物をレピア織機にて織成した。ポリエステル
マルチフィラメント糸とアクリル系マルチフィラメント
糸の使用比は、11本:1本(アクリル系マルチフィラ
メント糸の含有率8.3重量%)(比較例4)、5本:
1本(同17重量%)(実施例3)、3本:1本(同2
5重量%)(実施例4)であり、樹脂塗布量は80g/
m2 とした。これらの樹脂加工布についても物性を測定
し、表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】表2から次のことが確認された。比較例4
は、アクリル系マルチフィラメント糸の含有率は8.3
重量%と低いため樹脂加工布の強度保持率が低く、満足
のできるものではなかった。実施例3、4は、アクリル
糸の含有率を各々17、25重量%と大きくしたため加
工布のRDTは満足できるものになっている。このよう
に低いアクリル糸の含有率でも加工布のRDTを満足で
きた理由は次による。使用したポリエステル糸とアクリ
ル糸の破断伸度に差があり、アクリル糸の含有率の増加
と共に糸の強力の利用率が低下し耐候試験前の加工布の
引張り強力が低くなったこと、及び、耐候試験によりポ
リエステル糸の劣化が速く、破断伸度が高耐候性のアク
リル糸の破断伸度に接近し両糸の強力利用率が大きくな
った事にある。
は、アクリル系マルチフィラメント糸の含有率は8.3
重量%と低いため樹脂加工布の強度保持率が低く、満足
のできるものではなかった。実施例3、4は、アクリル
糸の含有率を各々17、25重量%と大きくしたため加
工布のRDTは満足できるものになっている。このよう
に低いアクリル糸の含有率でも加工布のRDTを満足で
きた理由は次による。使用したポリエステル糸とアクリ
ル糸の破断伸度に差があり、アクリル糸の含有率の増加
と共に糸の強力の利用率が低下し耐候試験前の加工布の
引張り強力が低くなったこと、及び、耐候試験によりポ
リエステル糸の劣化が速く、破断伸度が高耐候性のアク
リル糸の破断伸度に接近し両糸の強力利用率が大きくな
った事にある。
【0039】
【発明の効果】本発明の樹脂加工布は、光透過率に優れ
るとともに強度保持率が高いために長寿命であり、さら
に樹脂付着率が少なくてすみ軽量という効果をあわせ有
するものである。また、本発明方法によれば、かかる樹
脂加工布が容易に得られる。
るとともに強度保持率が高いために長寿命であり、さら
に樹脂付着率が少なくてすみ軽量という効果をあわせ有
するものである。また、本発明方法によれば、かかる樹
脂加工布が容易に得られる。
【図1】糸の強度保持率の測定のためのサンプル採取の
説明図である。
説明図である。
1 糸 2 板 3 スプレー降雨と照射の付与部分 4 アルミホイル
Claims (3)
- 【請求項1】 糸の太さ150〜2000デニール、糸
強度6g/d以上、糸の強度保持率が60%以上のアク
リル系フィラメント糸が少なくとも15重量%以上含ま
れた布帛の少なくとも片面に樹脂が付着されてなる樹脂
加工布であって、布帛に対する樹脂付着率が80重量%
以下であり光透過率が10%以上であることを特徴とす
る樹脂加工布。 - 【請求項2】 樹脂付着率が6〜65重量%である請求
項1に記載の樹脂加工布。 - 【請求項3】 糸の太さ150〜2000デニール、糸
強度6g/d以上、糸の強度保持率が60%以上のアク
リル系フィラメント糸を用いて15重量%以上含むよう
に布帛を形成し、ついで該布帛の少なくとも片面に樹脂
を付着して、布帛に対する樹脂付着率が80重量%以下
にし、光透過率が10%以上にすることを特徴とする樹
脂加工布の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8256574A JPH1044340A (ja) | 1996-05-30 | 1996-09-27 | 樹脂加工布及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13682796 | 1996-05-30 | ||
JP8-136827 | 1996-05-30 | ||
JP8256574A JPH1044340A (ja) | 1996-05-30 | 1996-09-27 | 樹脂加工布及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1044340A true JPH1044340A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=26470323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8256574A Pending JPH1044340A (ja) | 1996-05-30 | 1996-09-27 | 樹脂加工布及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1044340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009027549A1 (es) * | 2007-08-01 | 2009-03-05 | Textilin S.L. | Estructura para bolsos o mochilas, cortes para calzados y similares |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP8256574A patent/JPH1044340A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009027549A1 (es) * | 2007-08-01 | 2009-03-05 | Textilin S.L. | Estructura para bolsos o mochilas, cortes para calzados y similares |
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