JPH1043947A - 加工液供給ノズル及びこれを用いた加工液噴流装置 - Google Patents

加工液供給ノズル及びこれを用いた加工液噴流装置

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JPH1043947A
JPH1043947A JP21411196A JP21411196A JPH1043947A JP H1043947 A JPH1043947 A JP H1043947A JP 21411196 A JP21411196 A JP 21411196A JP 21411196 A JP21411196 A JP 21411196A JP H1043947 A JPH1043947 A JP H1043947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 供給噴射圧力を高い状態に維持したまま十分
な量の加工液を加工間隙に供給でき加工液供給圧を正確
に測定することができるようにした加工液供給ノズル、
及びこれを用いた加工液噴流装置を提供すること。 【解決手段】 被加工物Wの加工済みの溝に大量の加工
液62を無駄なく注入するためにノズル11の端面に圧
力ポケット14を設けた。また、それぞれが、被加工物
Wと近接して対向する端面外周縁に形成されたランド1
5と、ランド15と被加工物表面に囲まれるように形成
された加圧加工液のための圧力ポケット14とを備えて
成る上下一対の加工液供給ノズル11、12を用い、圧
力センサ67により検出された圧力ポケット14内の加
工液圧力が所要の値となるよう、ポンプ63を制御する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤカット放電
加工において加工間隙に加工液を供給するための加工液
供給ノズル及びこれを用いた加工液噴流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤカット放電加工を行う場合、被加
工物とワイヤ電極との間に形成される放電加工間隙に所
要の加工液を供給して加工屑を加工間隙から速やかに排
除すると共に被加工物とワイヤ電極との冷却を行ってい
る。このため、従来の加工液噴流装置では流量計または
圧力計が設けられており、操作者は説明書等に記載され
ている推奨値に噴流圧及び流量を設定することができる
ようになっている。この種の装置に用いられている従来
の加工液供給ノズルは、実開昭58−36032号公報
に示されているように、加工液供給ノズルに半径方向外
方に大きく延出した円板状フランジ部を設け、この円板
状フランジ部を被加工物と近接対向させることにより、
ノズルからの供給加工液が被加工物の表面に沿って放射
状に散失するのを防ぎ、供給加工液を間隙領域に集中し
て供給する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来公知のワイヤカッ
ト放電加工機の加工液噴流装置は、このように、供給圧
力、供給管路流量を計測表示しているがこれには次のよ
うな欠点がある。すなわち、加工液供給の目的は加工溝
になるべく多量の加工液を供給することであるから加工
液供給ノズル端面と被加工物上面とで形成される空間の
圧力状態を正しく知ることが重要であるが従来装置には
その工夫がなく、供給圧力、供給管路流量などの二次的
間接情報を指標としているから加工液供給ノズル端面と
被加工物上面と形成される空間の実際の圧力状態を知る
ことができない。
【0004】このため、実際には加工間隙に十分な圧力
で加工液を供給できるよう散失分を見込んで必要以上に
加工流を供給している。すなわち、加工速度を上げたい
場合には、噴流圧を高めに設定したり、流量を多めに設
定したり、或いはノズル径を大きくして加工液の圧力の
降下が起こりにくくして、加工間隙に十分な圧力をかけ
た状態で加工液を供給するように設定し、加工屑の排出
効果等を高めている。
【0005】また、従来装置において用いられている加
工液圧を測定するための圧力計が加圧ポンプと加工液供
給ノズルとの間の配管に設けられているため、その供給
系統の流路抵抗、ノズル吐出口の直径、形状が考慮され
ておらず、測定結果に普遍性がなく、加工結果の比較や
改善のためには役に立たないという問題をも有してい
る。
【0006】このように、設定する噴流圧や流量の測定
は、ポンプからノズルまでの間で行われているので、実
際に加工間隙に供給されている加工液の圧力や流量を示
しておらず、被加工物とノズルとの間隔の設定の仕方に
よっては余分な加工液を供給することになってしまう。
いずれにしても、従来装置では、実際に必要な量以上の
加工液を加工間隙に供給していることになり、したがっ
て、加工液供給装置は十分な加工液供給能力を有するも
のを用意しなければならず、そのため加工液の液温管理
や加工液の伝導度管理も容量の高いものを用意すること
が必要となる。
【0007】本発明の目的は、したがって、ワイヤカッ
ト放電加工において、供給噴射圧力を高い状態に維持し
たまま十分な量の加工液を加工間隙に供給でき、また、
加工間隙に供給する加工液供給圧を正確に測定すること
ができるようにした、加工液供給ノズルを提供すること
にある。
【0008】本発明の他の目的は、加工液における加工
液供給圧を正確に測定することができるようにした加工
液供給ノズルを用いて、加工液供給装置の容量を大きく
することなく、より少ない加工液供給量で加工屑の排出
効果を高めると共に、加工間隙の冷却を効果的に行い加
工速度を向上させることのできる加工液噴流装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】従来の加工液供給ノズル
の構成は、加工液供給ノズルから供給された加工液をワ
イヤ電極を囲む同軸流として放電加工間隙に集中して流
すようにし、そこでの加工屑排除と冷却とを行うものと
されていた。したがって、ワイヤ電極の進行方向の後背
部に生じた加工溝に流れ込む加工液は副次的或いは支援
的とされていた。しかし、本発明者は充分な観察を行っ
た結果、加工供給ノズル吐出孔から直接に同軸流となっ
て加工間隙に流入してワイヤ電極を包む込む加工液の量
は極めて少量であり、むしろ、加工済みの溝に一旦注入
された加工流こそがワイヤ電極の回りに旋回して加工屑
の洗い流しと放電加工間隙の冷却とに大きく貢献してい
ることが判った。
【0010】この旋回流が生ずるメカニズムは明らかで
はないが、上下一対の加工液供給ノズルから加工溝に注
入される加工液が被加工物の厚みの中央部で衝突すると
きワイヤ電極の後背部に向けての流れを生じてワイヤ電
極を軸とする旋回流となると考えられる。このとき加工
溝は大気に通じていることが多く溝の中の加工液はワイ
ヤ電極と反対方向へ脱れやすい。したがって、効果的な
加工液の作用のためにはノズル内径をできるだけ太くし
てワイヤ電極後背部の溝をできるだけ長く加工液で充満
することが望ましい。しかしノズル径を太くすることは
供給源ポンプの能力を大きくすることに外ならないから
限界がある。従来のノズルの先端形状は平面であってノ
ズル内径を2R1 、ノズル外径を2R2 としたときノズ
ルの先端と被加工物との間の距離をTとおいてT>R1
2 /(2R2 )のときを噴流加工、T<R1 /(2
2 )のときを密着加工と称している。噴流加工ではノ
ズル端面の形状は問われないが、密着加工ではノズル端
面と被加工物表面にはさまれたギャップを加工液が放射
状に流れる。
【0011】上記課題を解決するため、請求項1の発明
は、上記知見に基づいて、被加工物の加工済みの溝に大
量の加工液を無駄なく注入するためにノズルの端面に圧
力ポケットを設けたものである。好ましい実施の形態と
して次のような構成をあげることができる。ワイヤ放電
加工機において被加工物の上下に配する加工液円筒状吐
出ノズルの端面に円すい形又は円形平板状或いは円筒状
の彫り込みを設け密着加工において被加工物表面とは縁
部(ランド)により近接することにより前記彫り込みが
圧力室を形成するようにした加工液供給ノズル。
【0012】すなわち、その特徴は、ワイヤカット放電
加工を密着加工で行う場合に用いられる上下一対の加工
液供給ノズルにおいて、加工液供給ノズルの各端面に圧
力ポケットをそれぞれ設け、各ノズル開口から上下に向
けて吐出する加工液を被加工物の加工済みの溝に多量に
注入するよにしたものである。圧力ポケットは被加工物
に形成された加工済みの溝を広く覆うように形成され、
加工液供給手段から加圧供給される加工液がこの圧力ポ
ケットに一旦送られ、ここから被加工物の溝にに向けて
圧送される。密着加工であると加工液供給ノズルの端面
のランドは被加工物表面に近接しており、加工液供給ノ
ズルの端面ランドと被加工物表面との間の隙間は小さ
く、加工液の一部は被加工物表面に放射状に散失しつつ
も、圧力ポケットの加工液は加工済みの溝に効果的にポ
ケット圧力を減失することなく供給される。従来公知の
平端面ノズルでは溝の直上で圧力が低下するが、圧力ポ
ケットを備えた本発明のノズルではポケット内で溝に向
かう流れが生じ溝の直上での圧力降下がない。これによ
り、溝内に充分な加工液が供給されワイヤ電極の後背か
らの流れが生じてワイヤ電極の回りに加工液の旋回流が
形成され、加工領域における加工屑の排除及び冷却が有
効に行われる。なお、圧力ポケット内の加工液圧力はほ
ぼ均一であり、それを測定するための計測手段を加工液
供給ノズルに容易に設けることができるので、加工間隙
への加工液供給圧を従来に比べ正確に測定することがで
きる。
【0013】請求項2の発明の特徴は、ワイヤ電極と被
加工物との間に形成される放電加工間隙に加工液を供給
する加工液噴流装置において、それぞれが、被加工物と
近接して対向する端面外周縁に形成されたランドと、該
ランドと被加工物表面に囲まれるように形成された加圧
加工液のための圧力ポケットとを備えて成る上下一対の
加工液供給ノズルと、該加工液供給ノズルに加工液を加
圧供給するための加圧供給手段と、前記圧力ポケット内
の加工液の圧力を検出するための圧力検出手段と、該圧
力検出手段に応答し前記圧力ポケット内の加工液圧力が
所要の値となるように前記加圧供給手段を制御するため
の制御手段とを備えた点にある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0015】図1には、請求項1の発明による加工液供
給ノズルの実施の形態の一例が示されている。図1に示
した加工液供給ノズル10は上側加工液供給ノズル11
と下側加工液供給ノズル21とから成っている。上側加
工液供給ノズル11と下側加工液供給ノズル21とは全
く同一の構成であり、被加工物Wを挟んで対向配置され
ている。したがって、以下の説明では、上側加工液供給
ノズル11のみについてその構成を詳しく説明するが、
下側加工液供給ノズル21の構成もそれと全く同一であ
るから、下側加工液供給ノズル21については上側加工
液供給ノズル11の各部に対応する部分に同一の符号を
付してその説明は省略する。
【0016】上側加工液供給ノズル11は、筒状の本体
12の中空通路13の一端部に圧力ポケット14が被加
工物Wの上面と対向して形成され、本体12の一端面1
2Aの外縁部には圧力ポケット14を囲むようにランド
15が形成されている。本実施の形態では、圧力ポケッ
ト14は中空通路13の一端部の径を漸次拡大して形成
され、本体12内は漏斗状に形成されている。この形状
の利点は圧力ポケット内の流速が一様でキャビテーショ
ンを発生せず加工溝W1内に気泡を注入する虞がないこ
とである。中空通路13の他端からはワイヤ電極Eが挿
通され、被加工物W及び下側加工液供給ノズル21の中
空通路13を貫通して取り出される。
【0017】上側加工液供給ノズル11及び下側加工液
供給ノズル21において、各中空通路13の他端に加工
液が図示しない加工液供給ポンプによって加圧されて供
給され、圧力ポケット14に一旦送り込まれた加圧加工
液が被加工物Wとワイヤ電極Eとの間の放電加工領域に
以下のようにして供給される。
【0018】加工液供給ノズル10は密着加工のために
用いられるものであり、したがって、本体12の一端面
12Aは被加工物Wと極めて近接して配置される。この
ため、圧力ポケット14内に送り込まれた加工液はラン
ド15と被加工物Wの表面とに囲まれて被加工物Wの表
面に放射状に散失しにくくなっており、圧力ポケット1
4内の加工液は被加工物Wに形成された加工溝W1内に
流れ込むことになる。
【0019】ここで、密着加工の条件について説明す
る。一般に、図1に示したような構造の加工液供給ノズ
ルから放出される流量Q1は、Q1=V0 πR1 2 (こ
こで、V0 は供給流速、2R1 はノズル内径)と表さ
れ、加工液供給ノズル外縁から放散する流量Q2は、Q
2=V’0 ×2πR2 T(ここで、V’0 は放射流速、
2R2 はノズルのランド外径)と表される。ノズル対向
面で圧力を失わないためにはV0 =V’0 でなければな
らないからQ1 =Q2 及びV0 =V’0 の条件が成立し
なければならない。従って、加工液供給ノズル端面と被
加工物表面との距離Tが、T≦R1 2 /2R2 であるこ
とが圧力低下しない条件、すなわち、密着加工条件とな
る。
【0020】図2には、横軸にワイヤ電極Eからの距離
をとり、縦軸に圧力の大きさをとって圧力ポケット14
内の加工液の圧力分布が示されている。この図から、圧
力ポケット14に対向する被加工物Wの表面においては
ほぼ均一な力で加工液が押し付けられていることが判
る。なお、図2において点線で示されるのは、加工溝W
1の入口における圧力分布である。加工溝W1の入口で
の圧力はワイヤ電極Eに近い程高くなることが判る。
【0021】図3には、図2に示した本発明の加工供給
ノズルによる圧力分布と比較するため、(A)に圧力ポ
ケットを有しない従来の加工液供給ノズルの断面図が示
され、(B)にその場合の圧力分布が図2の場合と同様
にして示されている。図3の(B)から判るように、従
来の構成では半径方向に圧力低下が著しくノズルの対向
面全面に亘って均一な圧力で加工液を押し付けることは
できない。したがって、加工液は放射方向へ放散されて
エネルギーを失う。図3の(B)の点線は被加工物Wに
形成された加工溝W1の入口での圧力であって溝へ向か
う周方向の流れが不足しており、図2の場合に比較して
著しく低いことが判る。
【0022】次に、図1に示した加工液供給ノズル10
による加工間隙への加工液供給動作について図4及び図
5を参照して説明する。図4を参照すると、中空通路1
3の他端から供給された加圧加工液は中空通路13を通
って圧力ポケット14に入り、圧力ポケット14内に加
工液が閉じ込められるので、加工液は加工済みの加工溝
W1に向けて円周流Xを生じる。この結果、圧力ポケッ
ト14内に閉じ込められた充分な量の加工液が加工溝W
1に注入されることになる。このようにして生じる加工
液の加工溝W1への注入は、上側加工液供給ノズル11
と下側加工液供給ノズル21とにより同時に行われる。
【0023】すなわち、図5に示すように、上側加工液
供給ノズル11の圧力ポケット14から加工溝W1に上
から流入した加工液と本体12の圧力ポケット14から
加工溝W1に下から流入した加工液とが被加工物Wの厚
みの中央付近で衝突し、ワイヤ電極Eを廻る旋回流Yと
なって加工溝W1内のワイヤ電極Eの回りにある加工屑
を洗い流し加工間隙を冷却する。
【0024】次に具体的な実施例について述べると、ノ
ズル内径6mm、ノズル外径16mmの従来型の加工液
供給ノズルで加工液供給圧力(吐出部で)8kg/cm
2 の場合、80mm2 /minの加工能率であった。ま
た、図1の加工液供給ノズルにおいて、ノズル内径6m
m、ノズル外径20mm、ランド15の巾を1mmとし
て同様の加工液圧8kg/cm2 とした場合、120m
2 /minの加工能率を得ることができた。すなわ
ち、1.5倍の加工能率となった。従来型の平坦な端面
のノズルでは加工物表面に放射状流れが支配的になり加
工溝W1に流入できるのは加工溝W1の近傍の加工液の
みである。放射状流れの流速はノズル内径から放射流出
に変わったところで最大となり外径では流速、圧力とも
に低下する。したがって加工溝W1に流入する量は少な
い。
【0025】ところで、加工液供給ノズルを被加工物か
ら離した状態で加工する場合も多い。これは噴流条件と
称されている。図6と図7が噴流条件の加工状態であ
る。噴流コラムC1、C2は被加工物Wに射突して加工
部位に加工液を供給する。図6は図1に示した圧力ポケ
ット付のノズルの場合、図7は図3に示したノズルの内
径を拡げたノズルの場合である。噴流コラムの圧力及び
流速は次のようになる。図6の場合の噴流速度Vは V=(2P/ρ)1/2 (P:供給圧力、V:噴流速度、ρ:加工液の比重) となる。また、供給流量Q6 は、 Q6 =πR1 2 V =πR1 2 (2P/ρ)1/2 となる。同様にして、図7の場合の供給流量Q7 は、 Q7 =πR3 2 (2P/ρ)1/2 である。
【0026】実験例ではR1 =3mm、R2 =10mm
程度が用いられて良い効果を納めた。図7のノズルを用
いたとするとR3 =10mmとなるからQ6 とQ7 では
約10倍の供給流量の差となる。噴流加工は加工作業の
開始直後や二次仕上げに用いられるから噴流コラムの直
径は太くなくても良いという事情もあるのでいたづらに
供給流量、動力を増加させる図7の例は不利である。
【0027】図8、図9、図10は、請求項1の発明の
他の実施の形態を示す断面図である。図8の加工液供給
ノズル31は、圧力ポケット32が円形、平板状の例で
あり、圧力ポケット32の外周部にランド33が設けら
れている。この構成によると、ランド33を被加工物W
に接通させた密着加工の場合、圧力ポケット内部で円周
方向流れを生じ加工済みの溝に大量の加工液を注入する
ことができランド33からの放射状の流速を低下するこ
とができる。図9に示す加工液供給ノズル41も圧力ポ
ケット42が円形平板状の例であり、圧力ポケット42
の外縁部にランド43が設けられている。この場合の利
点は図8に示した加工液供給ノズル31のそれと同様で
ある。
【0028】図10に示す加工液供給ノズル51は、ノ
ズル先端52を垂下させて被加工物Wの表面に近づける
と共に圧力ポケット53を充分に大きくし、ランド54
で閉じ込められた加工液が静水圧により加工部位に注入
される。これは恰もワイヤ放電加工が浸漬タンク内で行
われるのと同様になるわけで、加工が安定し、ランド5
4から排出されて放射状流れの加工液速度が減ぜられて
作業性を良好にすることができる。
【0029】次に、請求項2の発明の実施の形態の一例
について図11を参照して説明する。
【0030】図11は、ワイヤカット放電加工機に用い
る請求項2の発明による加工液噴流装置の構成図であ
る。加工液噴流装置60は、図1に示した上側加工液供
給ノズル11を有し、加工液タンク61内の加工液62
がポンプ63によって加圧され、配管64を介して上側
加工液供給ノズル11に供給されている。上側加工液供
給ノズル11は、図示しない通電素子及びワイヤ電極E
を位置決め案内するためのダイス等が収納されているハ
ウジング65に取付けられており、その加工液供給口6
6に配管64が接続されている。したがって、ポンプ6
3で加圧された加工液は配管64を介してハウジング6
5内に供給され、上側加工液供給ノズル11から被加工
物Wに向けて加工液を噴流させることができる。なお、
上側加工液供給ノズル11が図示していない本体12と
協働して、上側加工液供給ノズル11及び下側加工液供
給ノズル21からの加工液が各圧力ポケット14の働き
によりワイヤ電極Eと被加工物Wとによって形成される
加工間隙に旋回流として能率よく供給されること自体は
すでに説明した通りである。
【0031】符号67で示されるのは上側加工液供給ノ
ズル11の圧力ポケット14内の加工液圧力を測定する
ための圧力センサである。本実施の形態では、圧力セン
サ67は通路16によって圧力ポケット14内の圧力を
検知できるように上側加工液供給ノズル11の本体12
に適宜の手段で固着されている。圧力センサ67は圧力
検出器68に連結されており、圧力検出器68からは圧
力ポケット14内の加工液圧力を示す圧力信号Sが出力
され、ポンプ圧制御装置69に入力されている。設定器
70は圧力ポケット14内の加工液圧力の設定値を入力
するための手段であり、設定器70からの設定圧力信号
Mもまたポンプ圧制御装置69に入力されている。ポン
プ圧制御装置69は圧力信号S及び設定圧力信号Mに応
答し、圧力ポケット14内の圧力が設定圧力信号Mで示
される値となるようポンプ63の運転を制御する。この
構成により、圧力ポケット14内の加工液圧力は設定器
70によって設定された値に制御される。
【0032】この構成によると、圧力ポケット14を設
けた上側加工液供給ノズル11によって被加工物Wの加
工溝W1に供給される加工液圧力を圧力センサによって
正確に検出することができる。すなわち、圧力ポケット
14を設けた上側加工液供給ノズル11を用いた場合に
は圧力ポケット14の内部圧力分布はほぼ均一であり、
圧力ポケット14の内部のどの場所を測定しても加工溝
W1の部分の圧力と見做すことができるからである。し
たがって、設定器70で設定した圧力で加工液を加工溝
W1に供給できるので、従来の場合と異なり、加工液圧
力の値に普遍性を持たせることができ、加工液圧力をパ
ラメータとして加工結果の比較、改善を行うことが可能
である。また、圧力ポケット14またはその入力付近の
圧力を検出して加工パラメータとして用いることもでき
るし、その値をパラメータとして他の加工条件を調節、
制御する構成としてもよい。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、加工液供給ノ
ズルの一端に圧力ポケットを設けることにより該一端が
対向する被加工物表面において加工液圧を均一にするこ
とができるので、この加工液供給ノズルを被加工物を挟
んで一対設けて密着加工を行えば、加工溝から注入され
る加工液がワイヤ電極の周囲に旋回流として回り込み放
電加工領域における加工屑の排除及び冷却を極めて効率
よく行うことができる。この結果、加工速度の著しい改
善を期待することができる。
【0034】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の加工液供給ノズルを用いて放電加工領域に加工液を供
給することにより、その圧力ポケット内の圧力を検出し
て加工溝に供給される加工液の圧力を正確に検知し、加
工液数供給手段をこの圧力検出結果に基づいて制御して
放電加工領域における加工液の圧力を精度よく調節する
ことができる。したがって、加工液を常に適正な圧力、
流量に制御でき、極めて効率のよい加工液供給を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明による加工液供給ノズルの実施
の形態の一例を示す断面図。
【図2】図1に示した加工液供給ノズルの圧力ポケット
内の圧力分布を示すグラフ。
【図3】従来の加工液供給ノズルの断面図及びこの加工
液供給ノズルによって生じる被加工物先端の加工液圧力
分布を示すグラフ。
【図4】図1に示した加工液供給ノズルの圧力ポケット
内で生じる加工液流を説明するための説明図。
【図5】図1に示す構成において加工溝での加工液の流
れを説明するための説明図。
【図6】図1に示した加工液供給ノズルを用いて噴流加
工する場合の加工液の様子を示す断面図。
【図7】従来型の加工液供給ノズルを用いて噴流加工す
る場合の加工液の様子を示す断面図。
【図8】請求項1の発明による加工液供給ノズルの他の
実施の形態を示す断面図。
【図9】請求項1の発明による加工液供給ノズルの別の
実施の形態を示す断面図。
【図10】請求項1の発明による加工液供給ノズルのさ
らに別の実施の形態を示す断面図。
【図11】ワイヤカット放電加工機に用いる請求項2の
発明による加工液噴流装置の構成図。
【符号の説明】
10 加工液供給ノズル 11 上側加工液供給ノズル 12 本体 13 中空通路 14 圧力ポケット 15 ランド 21 下側加工液供給ノズル 60 加工液噴流装置 62 加工液 63 ポンプ 67 圧力センサ 68 圧力検出器 69 ポンプ圧制御装置 70 設定器 E ワイヤ電極 W 被加工物 W1 加工溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極と被加工物との間に形成され
    る放電加工間隙に加工液を供給するための加工液供給ノ
    ズルにおいて、 被加工物と近接して対向する端面外周縁に形成されたラ
    ンドと、該ランドと被加工物表面に囲まれるように形成
    された加圧加工液のための圧力ポケットとを備えて成る
    ことを特徴とする加工液供給ノズル。
  2. 【請求項2】 ワイヤ電極と被加工物との間に形成され
    る放電加工間隙に加工液を供給する加工液噴流装置にお
    いて、 それぞれが、被加工物と近接して対向する端面外周縁に
    形成されたランドと、該ランドと被加工物表面に囲まれ
    るように形成された加圧加工液のための圧力ポケットと
    を備えて成る上下一対の加工液供給ノズルと、 該加工液供給ノズルに加工液を加圧供給するための加圧
    供給手段と、 前記圧力ポケット内の加工液の圧力を検出するための圧
    力検出手段と、 該圧力検出手段に応答し前記圧力ポケット内の加工液圧
    力が所要の値となるように前記加圧供給手段を制御する
    ための制御手段とを備えたことを特徴とする加工液噴流
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7078645B2 (en) * 2002-03-28 2006-07-18 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Working liquid ejector of wire electric discharge machine
EP2862660A2 (en) 2013-10-21 2015-04-22 Fanuc Corporation Wire electric discharge machine with means for detecting fluid pressure
EP2898973A2 (en) 2014-01-23 2015-07-29 Fanuc Corporation Working fluid supply control apparatus for a wire electric discharge machine

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