JPH1040573A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JPH1040573A
JPH1040573A JP8213263A JP21326396A JPH1040573A JP H1040573 A JPH1040573 A JP H1040573A JP 8213263 A JP8213263 A JP 8213263A JP 21326396 A JP21326396 A JP 21326396A JP H1040573 A JPH1040573 A JP H1040573A
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prism
stamper
air layer
optical pickup
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回析格子を用いた光ピックアップ装置を含む
光学素子の波面収差を小さくすること。 【解決手段】 回析格子を用いた光ピックアップ装置に
おいて,プリズム101とプリズム102と,プリズム
101とプリズム102との斜面間に所定の空気層をも
って配置され,回析格子が施された平行平板103と,
から構成され,上記回析格子は,回析格子の領域以外に
所定の凸部形状が施された原盤からスタンパを作製し,
スタンパから平行平板103に複製されたものであり,
回析格子部分とプリズム101とプリズム102との斜
面によっって形成される上記空気層が所定の傾きで設定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は,オーディオ用CD
装置やコンピュータ用のCD−ROMドライブ装置およ
びDVD装置に利用され,特に,回析格子を用いたホロ
グラム光学素子の空気層を傾斜させることにより,光学
素子の波面収差を低減する光ピックアップ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の光ピックアップ装置の構成を図6
に示す。この光ピックアップ装置は,PD(フォトディ
テクタ)付きのLD(レーザダイオード)601と,回
析格子が施されたホログラム光学素子602と,コリメ
ートレンズ603と,アクチュエータに付いた対物レン
ズ604とから構成されている。なお,605は光ディ
スクである。
【0003】また,ホログラム光学素子602は,4分
の1波長板606と,2つのプリズム607〜608
と,両面に回析格子が施された平行平板609とにより
構成されている。
【0004】回析格子は,たとえばLD側に等ピッチの
回析格子が施され,光ディスク605側に複数個の格子
ピッチや格子の方向の異なる格子領域が存在している。
【0005】次に,以上のように構成された光ピックア
ップ装置の動作について説明する。LD601から出射
された光は,ホログラム光学素子602に入射する。平
行平板609で回析格子に入射する。この回析格子が偏
光依存性の回析格子であれば,光利用効率が高くなる。
入射光は,4分の1波長板606により円偏光になり,
さらにコリメートレンズ603で平行光となって,対物
レンズ604により光ディスク605に集光される。
【0006】光ディスク605からの反射光は,対物レ
ンズ604,コリメートレンズ603を経て戻り,4分
の1波長板606により元のLD光の偏光方向とは90
°回転した偏光方向,つまり,元の偏光方向とは直交し
た偏光方向となる。さらに,この反射光は,回析格子で
回析され,それぞれの回析光は各PDに入射する。
【0007】また,光ディスク605側の回析格子は図
7に示すように,LD光の約半分がLD出射後の偏光方
向に垂直な格子方向をもち(領域1),LD光の4分の
1は偏光方向に対し垂直からわずかに傾く格子方向をも
つ回析格子(領域2)に,残りの4分の1は反対側に傾
く格子方向をもつ回析格子(領域3)に入射する。
【0008】一方,LD側の回析格子は,その格子方向
はディスク側の領域1の格子方向とは平行であって,平
行平板の一部領域に施されている。この回析格子は,復
路の光を2度目の回析をさせることにより,波長変動に
よる復路の光路の位置変動を抑える機能をもっている。
【0009】また,PDは図8に示すように4分割で構
成されている。領域1からの回析光は中央の2分割PD
(2)の中央の分割付近に入射する。この2分割PDの
差分信号を見ることにより,光ディスクへのフォーカス
信号を得ることができる。このフォーカシングはナイフ
エッジ法と呼ばれる方法を利用している。
【0010】一方,回析格子の領域2および領域3から
の回析光は,OD(1),(3)に入射され,プッシュ
プル法によるトラッキング信号を得ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記に示されるような
従来の光ピックアップ装置は,ホログラム光学素子が2
つのプリズムで平行平板を挟む構造であるので,素子の
波面収差(特に非点収差)を低減させている。しかしな
がら,図7に示すようにホログラム光学素子が発散光路
中に配置されているため,斜めに配置した平板のみでは
非点収差が発生するという問題点があった。
【0012】また,回析格子部分はプリズムの斜面に直
接触れることがないように,奥まったところに位置す
る。これは空気と回析格子部分との屈折率差を利用する
ためである。すなわち,この空気層はホログラム光学素
子の機能上において必須である。しかし,ホログラム光
学素子の作製時に,上記空気層が厚くなったり,あるい
は空気層が(特にプラス側に)に傾くと波面収差が大き
くなるという問題点があった。
【0013】本発明は,上記に鑑みてなされたものであ
って,回析格子を用いた光ピックアップ装置を含む光学
素子の波面収差を小さくすることを第1の目的とする。
【0014】また,回析格子を用いた光ピックアップ装
置で回析格子を含む光学素子の波面収差を小さくし,さ
らに二光束干渉法によって容易に回析格子を作製可能に
することを第2の目的とする。
【0015】また,原盤を露光するときに特別な方法を
とることなく,回析格子を用いた光ピックアップ装置で
回析格子を含む光学素子の波面収差を小さくすることを
第3の目的とする。
【0016】また,原盤を露光するときに特別な方法を
とることなく,回析格子を用いた光ピックアップ装置で
回析格子を含む光学素子の波面収差を小さくし,さらに
二光束干渉法によって容易に回析格子を作製可能にする
ことを第4の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る光ピックアップ装置にあっては,
回析格子を用いた光ピックアップ装置において,第1の
プリズムと第2のプリズムと,前記第1のプリズムと第
2のプリズムとの斜面間に所定の空気層をもって配置さ
れ,回析格子が施された平行平板と,から構成され,前
記回析格子は,回析格子の領域以外に所定の凸部形状が
施された原盤からスタンパを作製し,前記スタンパから
前記平行平板に複製されたものであり,前記回析格子部
分と前記第1のプリズムと第2のプリズムとの斜面によ
っって形成される前記空気層が所定の傾きで設定される
ものである。
【0018】すなわち,原盤を露光する際に回析格子の
領域以外に所定の段差を設けることにより,ホログラム
光学素子の空気層が所定の方向に傾くので,空気層によ
るホログラム光学素子の波面収差が低減される。
【0019】また,請求項2に係る光ピックアップ装置
にあっては,回析格子を用いた光ピックアップ装置にお
いて,第1のプリズムと第2のプリズムと,前記第1の
プリズムと第2のプリズムとの斜面間に所定の空気層を
もって配置され,回析格子が施された平行平板と,から
構成され,前記回析格子は,レジストを塗布した基板に
二光束干渉法で前記回析格子を作製し,前記レジスト回
析格子と所定領域とを遮蔽するマスクを用いて一様露光
することによりレジスト面上に凸起上箇所を残したレジ
スト基板を用い,前記レジスト基板にスパッタ処理と電
鋳処理と施してレジスト基板を剥離して得たスタンパに
より前記平行平板に複製され,前記スタンパから複製さ
れた回析格子部分と前記第1のプリズムと第2のプリズ
ムとの斜面によって形成される前記空気層が所定の傾き
で設定されるものである。
【0020】すなわち,原盤を露光する際に回析格子形
状部を二光束干渉法で作製した後,マスクで回析格子部
と凸部形状とを残して一様露光し,凸部形状を形成する
ことにより,ホログラム光学素子の空気層が所定の方向
に傾くので,空気層によるホログラム光学素子の波面収
差が低減される。
【0021】また,請求項3に係る光ピックアップ装置
にあっては,回析格子を用いた光ピックアップ装置にお
いて,第1のプリズムと第2のプリズムと,前記第1の
プリズムと第2のプリズムとの斜面間に所定の空気層を
もって配置され,回析格子が施された平行平板と,から
構成され,前記回析格子は,回析格子の領域以外の所定
位置に溝状の領域が施されたスタンパにより平行平板に
複製され,前記スタンパから複製された回析格子部分と
前記第1のプリズムと第2のプリズムとの斜面によって
形成される前記空気層が所定の傾きで設定されるもので
ある。
【0022】すなわち,スタンパを作製した後で回析格
子付近の所定位置に溝状加工を施すことにより,このス
タンパから複製には凸部形状が存在するので,ホログラ
ム光学素子の空気層が所定の方向に傾くので,空気層に
よるホログラム光学素子の波面収差が低減される。
【0023】また,請求項4に係る光ピックアップ装置
にあっては,回析格子を用いた光ピックアップ装置にお
いて,回析格子を含む光学部品が2つのプリズムと回析
格子が施された平行平板と,から構成され,前記回析格
子は,レジストを塗布したガラス原盤に二光束干渉法で
前記回析格子を作製し,スパッタ処理および電鋳処理
後,前記ガラス原盤を剥離し,さらに回析格子付近の所
定位置の溝形状の加工を施したスタンパで複製され,前
記スタンパから複製された回析格子部分と前記第1のプ
リズムと第2のプリズムとの斜面によって形成される前
記空気層が所定の傾きで設定されるものである。
【0024】すなわち,スタンパの所定位置に溝状加工
を施すことによって,ホログラム光学素子の空気層が所
定の方向に傾き,ホログラム光学素子の波面収差が低減
されると共に,回析格子は二光束干渉法で作製するの
で,容易に作製することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下,本発明の光ピックアップ装
置について添付図面を参照し,〔実施の形態1〕,〔実
施の形態2〕,〔実施の形態3〕,〔実施の形態4〕の
順に詳細に説明する。
【0026】〔実施の形態1〕図1は,光ピックアップ
装置のホログラム光学素子の構成を示す説明図であり,
101および102はプリズム,103は回析格子が設
けられている平行平板である。
【0027】平行平板103のほぼ中央付近に回析格子
が施されている場合,空気層を傾けるため,たとえばプ
リズム101〜102の鈍角側になる端部に凸部を形成
させる。この凸部形状は原盤の露光工程で形成すること
ができる。
【0028】たとえば,レジストを塗布したガラス基板
(レジスト原盤)に回析格子を作製する。この回析格子
の作製は,電子線描画でも二光束干渉でもいずれの方法
を用いてもよい。次に,回析格子の領域と一部領域とを
遮蔽するマスクを用いて均一に露光し,この一部領域が
凸部形状としてレジスト表面に残る。そして,このレジ
スト原盤からスタンパを作製する。
【0029】スタンパは原盤の表面形状を反転させた表
面形状となっている。したがって,スタンパには所定の
位置に凹部形状が存在する。このスタンパから平行平板
103に2P樹脂(フォトポリマー)などで複製する
と,2P樹脂の表面の一部に凸部形状が形成される。こ
の面にプリズム101〜102の斜面が押し当てられる
と回析格子の領域とプリズム斜面で形成される空気層が
所定の角度に傾くことになる。
【0030】一つの具体例として,平行平板103の長
さが5mmで,平行平板103のほぼ中央で回析格子が
周りから1.5μm奥まった位置に施され,凸部形状の
高さは3μmであるとする。このとき空気層の厚みが約
3μmで,その傾きは−2分となる。
【0031】この空気層と波面収差との関係を図2に示
す。ここでθのプラス方向は図1における左回り方向を
表している。このとき波面収差は,図2から0.002
λとなって,空気層が平行となる場合の波面収差0.0
10λより小さくなる。
【0032】〔実施の形態2〕所定の位置と所定の領域
とに回析格子を作製するためのマスクを用い,二光束干
渉法でレジストを露光し,回析格子を作製する。すべて
の回析格子の露光が終了すると,回析格子領域と凸部形
状として残すべき領域とを遮光するマスクを用意する。
この状態で均一に露光(一様露光)することにより,結
果的に凸部形状が形成される。
【0033】これを,図3を用いて具体的に説明する。
まず,図3(a)において,レジスト300に回析格子
を作製するとき,回析格子作製用の回析格子の必要な面
積だけ透過させ,それ以外は遮蔽するマスク302を用
い,二光束干渉法によりガラス基板301に塗布したレ
ジスト表面から約4.5μm内部の位置に回析格子を作
製する。
【0034】複数種類の回析格子を露光するときには,
二光束干渉の条件やマスク302の位置を変えて露光す
る。次に,図3(b)において,凸部として残したい部
分と回析格子部分とを遮光するマスク303に取り替え
る。これに,ほぼ均一に光(一光束でよい)を照射し,
3μm程度堀り下げるための露光を行う。
【0035】原盤の作製が終了すると,次に,図3
(c)において,この原盤をNiでスパッタ処理を行
う。さらに電鋳することによりNiの層を厚くさせる。
それから,たとえばアルミの板に接着剤を塗布し,Ni
面を接着させる。接着硬化後,ガラス基板301だけを
剥がすことによってスタンパ304が出来上がる。
【0036】スタンパ304の表面形状は,原盤の形状
を反転させたものとなる。このスタンパ304に2P樹
脂(フォトトリマー)を滴下し,この上にガラス基板を
置き,紫外線を照射し,ガラス基板を剥離する。
【0037】ガラス基板に転写された2P樹脂の表面形
状は,スタンパ304の表面形状を反転させたものとな
る。したがって,原盤の表面形状を複製したことにな
る。すなわち,2P表面の凸部は3μm程度であり,回
析格子は凸部から約4.5μm下に,また,凸部以外の
2P表面から約1.5μm下に位置する。そして,この
表面形状を有する面にプリズム101〜102の斜面が
押し当てられると,2P面の凸部と他方の辺が斜面に接
し,図1に示すような空気層を持った構成が得られる。
【0038】2Pの基板の長さが5mmであれば空気層
の厚みは約3μmとなり,また,傾きは約−2分とな
る。このときの波面収差は図2より0.002λとなっ
て,空気層が平行となる場合の波面収差0.010λよ
り小さくなる。
【0039】厳密には,空気層によるホログラム光学素
子の波面収差が最小となるときの傾きは,空気層の厚み
にも影響を受ける。空気層が大きいほど波面収差が最小
値となるときの傾きは,マイナス側にシフトする。空気
層の厚みが3μmで,傾きが約−2分のとき波面収差が
最小となるが,これは一例にすぎず,必ずしも空気層が
3μmである必要はない。
【0040】図4は,上記のようにして作製し,構成さ
れたホログラム光学素子を用いた光ピックアップ装置の
構成を示す説明図である。この光ピックアップ装置は,
PD(フォトディテクタ)付きのLD(レーザダイオー
ド)401と,回析格子が施されたホログラム光学素子
402と,コリメートレンズ403と,対物レンズ40
4とから構成されている。なお,405は光ディスクで
ある。
【0041】また,ホログラム光学素子402は,4分
の1波長板406と,2つのプリズム101〜102
と,平行平板103とが図1に示したような状態で接合
されて構成されている。
【0042】次に,以上のように構成された光ピックア
ップ装置の動作について説明する。LD401から出射
された光は,ホログラム光学素子402に入射する。平
行平板103で回析格子に入射する。この回析格子が偏
光依存性の回析格子であれば,光ディスク405に向か
う光のほとんどを透過させることができる。入射光は,
4分の1波長板406により円偏光になり,さらにコリ
メートレンズ403で平行光となって,対物レンズ40
4により光ディスク405に集光される。
【0043】光ディスク405からの反射光は,対物レ
ンズ404,コリメートレンズ403を経て戻り,4分
の1波長板406により元のLD光の偏光方向とは90
°回転した偏光方向,つまり,元の偏光方向とは直交し
た偏光方向となる。さらに,この反射光は,回析格子で
回析され,それぞれの回析光は各PDに入射する。な
お,この実施の形態では,フォーカシングはナイフエッ
ジ法を,トラッキングはプッシュプル法を採用してい
る。しかし,本発明の効果に影響を与えないものであれ
ば,もちろん他の方式を用いてもよい。
【0044】〔実施の形態3〕所定の回析格子を作製し
た原盤からスタンパを作製する。回析格子の作製は電子
線描画や二光束干渉によるものや,他の方法を用いる。
スタンパは,原盤の形状を反転した表面形状を有してい
る。このスタンパの所定の位置に溝状に加工を施す。こ
の溝加工は切削でも,レーザ加工でもいかなる加工方法
を用いてもよい。
【0045】たとえば,平行平板103の長さが5mm
で,平行平板103のほぼ中央で回析格子が周りから
1.5μm奥まった位置に施され,凸部形状の高さは3
μmであるとする。このとき空気層の厚みが約3μm
で,その傾きは−2分となる。
【0046】この空気層と波面収差との関係を図2に示
す通りであるので,このとき波面収差は,図2から0.
002λとなって,空気層が平行となる場合の波面収差
0.010λより小さくなる。
【0047】〔実施の形態4〕図5は,実施の形態4に
係る回析格子の作製工程を示す説明図である。図5にお
いて,ガラス基板501にレジスト502を塗布し,回
析格子作製用のマスク503を用い,二光束干渉法によ
り所定の領域のみに回析格子を作製する。回析格子はレ
ジスト表面から約1.5μmの深さに作る。Niスパッ
タ処理,電鋳処理を経てアルミの板などにNi面を接着
し,ガラス基板501を剥がし,スタンパ504を作
る。ホログラム光学素子に使用する平行平板103の長
さが5mmである場合,スタンパ504上で平行平板1
03の端部に対応する部分に約3μmの溝を切削する。
【0048】なお,スタンパ504の3μm程度の深さ
の溝の加工は,切削加工である必要はない。たとえば,
炭酸ガスレーザやエキシマレーザといったレーザ加工で
もよい。
【0049】このスタンパの表面形状によって複製され
た2P樹脂の回析格子を含む表面形状は,凸部形状が3
μm盛り上がり,回析格子部分は1.5μm奥まった位
置に施される。この表面形状を有する面にプリズムの斜
面が接することにより,回析格子付近の空気層の厚みは
約3μmで,その傾きは−2分になる。
【0050】したがって,図2のグラフに示すように,
波面収差は0.002λとなって,空気層が平行となる
場合の波面収差0.010λより小さくなる。
【0051】また,実施の形態1と同様に,厳密には,
空気層によるホログラム光学素子の波面収差が最小とな
る傾きは空気層の厚みにも影響を受ける。空気層が大き
いほど波面収差が最小値となるときの傾きはマイナス側
にシフトする。空気層の厚みが3μmで,傾きが−2分
のときに波面収差が最小になるが,これは一例にすぎ
ず,必ずしも空気層が3μmである必要はない。
【0052】したがって,この実施の形態においても,
前述の図4で説明したような光ピックアップ装置のホロ
グラム光学素子402に利用することができる。これに
より,光学部品点数を削減可能にし,装置の組み付けも
簡単となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係る光ピ
ックアップ装置(請求項1)によれば,原盤を露光する
際に回析格子の領域以外に所定の段差を設けることによ
り,ホログラム光学素子の空気層が所定の方向に傾くた
め,空気層によるホログラム光学素子の波面収差を低減
することができる。
【0054】また,本発明に係る光ピックアップ装置
(請求項2)によれば,原盤を露光する際に回析格子形
状部を二光束干渉法で作製した後,マスクで回析格子部
と凸部形状とを残して一様露光し,凸部形状を形成する
ことにより,ホログラム光学素子の空気層が所定の方向
に傾くため,空気層によるホログラム光学素子の波面収
差を低減することができ,さらに二光束干渉法によって
容易に回析格子を作製することが可能となる。
【0055】また,本発明に係る光ピックアップ装置
(請求項3)によれば,スタンパを作製した後で回析格
子付近の所定位置に溝状加工を施すことにより,このス
タンパから複製には凸部形状が存在するので,ホログラ
ム光学素子の空気層が所定の方向に傾くため,原盤を露
光するときに特別な方法をとることなく,回析格子を用
いた光ピックアップ装置で回析格子を含む光学素子の波
面収差を小さくすることができる。
【0056】また,本発明に係る光ピックアップ装置
(請求項4)によれば,スタンパの所定位置に溝状加工
を施すことによって,ホログラム光学素子の空気層が所
定の方向に傾き,ホログラム光学素子の波面収差が低減
されると共に,回析格子は二光束干渉法で作製するた
め,原盤を露光するときに特別な方法をとることなく,
回析格子を用いた光ピックアップ装置で回析格子を含む
光学素子の波面収差を小さくすることができ,さらに二
光束干渉法によって容易に回析格子を作製することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る光ピックアップ装置のホログ
ラム光学素子の構成を示す説明図である。
【図2】実施の形態に係る空気層の傾きと波面収差との
関係を示すグラフである。
【図3】実施の形態2に係る回析格子の作製工程を示す
説明図である。
【図4】実施の形態に係るホログラム光学素子を用いた
光ピックアップ装置の構成を示す説明図である。
【図5】実施の形態4に係る回析格子の作製工程を示す
説明図である。
【図6】従来におけるホログラム光学素子を用いた光ピ
ックアップ装置の構成を示す説明図である。
【図7】ディスク側の回析格子の状態を示す説明図であ
る。
【図8】PDの分割状態および回析光の入射を示す説明
図である。
【符号の説明】
101,102 プリズム 103 平行平板 302,303,503 マスク 304,504 スタンパ 402 ホログラム光学素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回析格子を用いた光ピックアップ装置に
    おいて,第1のプリズムと第2のプリズムと,前記第1
    のプリズムと第2のプリズムとの斜面間に所定の空気層
    をもって配置され,回析格子が施された平行平板と,か
    ら構成され,前記回析格子は,回析格子の領域以外に所
    定の凸部形状が施された原盤からスタンパを作製し,前
    記スタンパから前記平行平板に複製されたものであり,
    前記回析格子部分と前記第1のプリズムと第2のプリズ
    ムとの斜面によっって形成される前記空気層が所定の傾
    きで設定されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 回析格子を用いた光ピックアップ装置に
    おいて,第1のプリズムと第2のプリズムと,前記第1
    のプリズムと第2のプリズムとの斜面間に所定の空気層
    をもって配置され,回析格子が施された平行平板と,か
    ら構成され,前記回析格子は,レジストを塗布した基板
    に二光束干渉法で前記回析格子を作製し,前記レジスト
    回析格子と所定領域とを遮蔽するマスクを用いて一様露
    光することによりレジスト面上に凸起上箇所を残したレ
    ジスト基板を用い,前記レジスト基板にスパッタ処理と
    電鋳処理と施してレジスト基板を剥離して得たスタンパ
    により前記平行平板に複製され,前記スタンパから複製
    された回析格子部分と前記第1のプリズムと第2のプリ
    ズムとの斜面によって形成される前記空気層が所定の傾
    きで設定されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 回析格子を用いた光ピックアップ装置に
    おいて,第1のプリズムと第2のプリズムと,前記第1
    のプリズムと第2のプリズムとの斜面間に所定の空気層
    をもって配置され,回析格子が施された平行平板と,か
    ら構成され,前記回析格子は,回析格子の領域以外の所
    定位置に溝状の領域が施されたスタンパにより平行平板
    に複製され,前記スタンパから複製された回析格子部分
    と前記第1のプリズムと第2のプリズムとの斜面によっ
    て形成される前記空気層が所定の傾きで設定されること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 回析格子を用いた光ピックアップ装置に
    おいて,回析格子を含む光学部品が2つのプリズムと回
    析格子が施された平行平板と,から構成され,前記回析
    格子は,レジストを塗布したガラス原盤に二光束干渉法
    で前記回析格子を作製し,スパッタ処理および電鋳処理
    後,前記ガラス原盤を剥離し,さらに回析格子付近の所
    定位置の溝形状の加工を施したスタンパで複製され,前
    記スタンパから複製された回析格子部分と前記第1のプ
    リズムと第2のプリズムとの斜面によって形成される前
    記空気層が所定の傾きで設定されることを特徴とする光
    ピックアップ装置。
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KR100467583B1 (ko) * 2002-02-05 2005-01-24 삼성전자주식회사 광픽업 및 그 조립 방법

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