JPH10404A - プリプレグの製造方法およびその装置 - Google Patents

プリプレグの製造方法およびその装置

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JPH10404A
JPH10404A JP8151304A JP15130496A JPH10404A JP H10404 A JPH10404 A JP H10404A JP 8151304 A JP8151304 A JP 8151304A JP 15130496 A JP15130496 A JP 15130496A JP H10404 A JPH10404 A JP H10404A
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    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02JFINISHING OR DRESSING OF FILAMENTS, YARNS, THREADS, CORDS, ROPES OR THE LIKE
    • D02J1/00Modifying the structure or properties resulting from a particular structure; Modifying, retaining, or restoring the physical form or cross-sectional shape, e.g. by use of dies or squeeze rollers
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  • Textile Engineering (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】単糸同士が交絡していたり、撚りが残存してい
る強化繊維束2であっても、さらにはサイジング剤が付
与されている繊維束2であっても、十分に開繊できるプ
リプレグの製造方法およびその装置を提供する。 【解決手段】複数本の単糸が引き揃えられてなる強化繊
維束2を、複数本のローラ5a、5b上を所定角度に屈
曲させながら通過させて開繊させる場合において、これ
ら複数本のローラのうちの少なくとも1本を繊維束2の
走行方向に対して交差する方向に振動させることにより
前記繊維束を開繊し、次いで、前記振動ローラ直後に設
けた振動させないローラ6a、6bに繊維束2を押し当
てることにより開繊状態を維持する。さらには、加熱手
段によってサイジング剤が軟化されるため、繊維束2の
開繊性は向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する1本もし
くは互いに並列して同時に走行する複数本の繊維束を開
繊してプリプレグを製造するための方法および装置に関
する。詳しくは、例えば炭素繊維やガラス繊維などの強
化繊維からプリプレグシートやヤーンプリプレグを成形
する前処理として、予め繊維束を十分開繊してからプリ
プレグを製造する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、炭素繊維やガラス繊維といった複
数本の繊維からなる強化繊維束を互いに平行に引き揃え
た後、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル等のマトリク
ス樹脂を含浸させてシート化したプリプレグが、航空機
材料や一般用工業材料の他、例えばゴルフクラブシャフ
トや釣竿を始めとするスポーツレジャー用途の成形材料
として広く利用されつつあることは周知のとおりであ
る。
【0003】このようなプリプレグの使用用途の多様化
にともない、プリプレグ自体としても、極薄プリプレグ
や熱可塑性樹脂によるプリプレグの需要が急速に拡大
し、またプリプレグの品位向上、すなわち厚み斑減少の
声が高まってきている。こういった需要を満たすために
は、プリプレグを成形する際のマトリクス樹脂含浸前に
予め繊維束を開繊して繊維束の厚みを薄くし、繊維束の
単糸間にまでマトリクス樹脂が十分浸透しやすくしてや
ることが必須条件である。
【0004】かかる従来の開繊方法としては、例えば、
図3に示すような特開昭56−43435号公報に記載
の方法や、その他にも特開平2−36236号公報や特
開平3−251408号公報に記載の方法が提案されて
いる。この従来方法では、パッケージから巻き出され、
互いに平行して走行する強化繊維束2を、コーム3を通
過させて繊維間ピッチを整えた後、加振源4によって軸
方向に振動させるローラ5に押し付け、繊維束2の幅方
向に擦ることで開繊を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の知見によれば、上記従来技術では、開繊されるべ
き強化繊維束2の単糸同士が交絡していたり、繊維束自
身に撚りが残っている場合には、振動させるローラ5上
では繊維束は一旦は開繊するものの、ローラから離れて
しばらくすると張力によって再び単糸同士が集束し、繊
維束の幅は開繊前とほぼ同じ幅にまで戻ってしまうとい
う結果に至っている。このような繊維束に対して、その
後に樹脂含浸工程を加えても、得られるプリプレグはマ
トリクス樹脂が未含浸となり、実用上使用に耐えられる
ものではないという問題がある。
【0006】また、個々の強化繊維2には、弾性率が高
くて単糸径が細いため折れ易く毛羽が多発するという理
由から、取扱い性を向上させるために、一般的に例えば
エポキシ系樹脂のようなサイジング剤が付与されてい
る。このサイジング剤は、いわゆる「糊」の働きをする
もので、単糸同士を接着しているため、繊維束を開繊す
るには妨げとなる。したがって、サイジング剤の接着力
に抗して開繊できる何らかの手段を講じなければ、開繊
性の向上は期待できない。
【0007】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑
み、単糸同士が交絡していたり、撚りが残存している強
化繊維束であっても、さらにはサイジング剤が付与され
ている繊維束であっても、十分に開繊し、かつその幅を
維持できるプリプレグの製造方法およびその装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のプリプレグの製造方法は、複数本の単糸が
引き揃えられてなる繊維束を複数個のローラ上に所定角
度に屈曲させるとともに、前記複数個のローラのうちの
少なくとも1本を前記繊維束の走行方向に対して交差す
る方向に振動させつつ通過させることにより、前記繊維
束を開繊させ、しかる後に合成樹脂を含浸させてプリプ
レグを製造する方法において、(A)前記振動させるロ
ーラの直後に位置するローラを振動させずにその周面に
前記繊維束を押し当て、(B)次に該振動させないロー
ラの周面に、前記繊維束を前記振動させるローラの周面
に接触している繊維束の接触長の2倍以上の接触長さで
接触させることにより前記繊維束の開繊状態を維持させ
ることを特徴とする。
【0009】この場合、前記「振動させるローラの直後
に位置するローラ」とは、振動させるローラから振動さ
せないローラまでの繊維束の自由長さ(ローラと接触し
ていない距離)が100mm未満までの範囲内の距離に
位置するローラをいうものとする。100mm以上にな
るとローラの振動による繊維束への開繊効果が弱くなる
からである。
【0010】また、前記振動させないローラに接触して
いる繊維束の接触長は、前記振動ローラと繊維束の接触
長の2〜10倍の範囲であるのが好ましい。また、前記
振動ローラと前記無振動ローラのうちの少なくとも1本
の接糸面を加熱することにより、前記繊維束に付与され
ているサイジング剤を軟化させつつ開繊するのが好まし
い。さらに、前記振動ローラの振動周波数は、1〜10
0Hzの範囲、振幅は、1〜50mmの範囲で開繊する
のが好ましい。そして、前記振動ローラと前記無振動ロ
ーラが2組以上設けられているとともに、各組の振動ロ
ーラの振動周波数と振幅はそれぞれ異ならせることがで
きるのが好ましい。
【0011】一方、上記目的を達成するため、本発明の
プリプレグの製造装置は、複数本の単糸が引き揃えられ
てなる繊維束を所定角度に屈曲・支持する複数本のロー
ラと、前記複数本のローラのうちの少なくとも1本を前
記繊維束の走行方向に対して交差する方向に振動させる
加振手段と、前記繊維束を前記ローラ間を通過させつつ
引取る引取手段とを備えたプリプレグの製造装置におい
て、(A)前記加振手段によって振動させるローラの直
後に位置するローラは振動させず、かつ、(B)前記振
動させないローラは、該ローラの周面に接触している繊
維束の接触長さが、前記振動させるローラの周面に接触
している繊維束の接触長さの2倍以上となる周面長さを
有することを特徴とする。
【0012】ここで、前記振動させないローラに接触し
ている繊維束の接触長は、前記加振手段と接続されてい
る振動ローラと繊維束の接触長の2〜10倍の範囲であ
るのが好ましい。また、前記振動ローラと前記無振動ロ
ーラのうちの少なくとも1本には、その接糸面を加熱す
る加熱手段が設けられているのが好ましい。また、前記
振動ローラと前記無振動ローラは、2組以上有するとと
もに、各組の振動ローラの振動周波数と振幅を異ならせ
る振動周波数・振幅調整手段が設けられているのが好ま
しい。
【0013】なお、本発明でいう繊維束とは、複数本の
単糸が引き揃えられた1本の繊維束でもよいし、この繊
維束が複数本互いに平行に引き揃えられてシート状にな
っている繊維束でもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプリプレグの
製造装置の一実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明に係るプリプレグ製造装置
の繊維束開繊部分の概略側面図、図2は該部分の概略斜
視図である。
【0016】図1において、1は、例えば炭素繊維やガ
ラス繊維等の強化繊維束2が巻き取られている巻取パッ
ケージ、3は複数の繊維束の繊維間ピッチを整えるため
のコームである。
【0017】4aおよび4bは、後述する振動ローラ5
a、5bを繊維束2の走行方向と交差する方向である軸
方向に振動させるための加振源であり、公知の電磁式加
振機を始め、カム等を用いたメカニカル式などを用いる
ことができる。なお、この加振源4a、4bには、その
振動周波数と振幅を個々に調整するための図示しない調
整手段が設けられている。
【0018】振動ローラ5a、5bは、強化繊維束2を
支持するとともに、上述したようにその走行方向と交差
する方向に振動して強化繊維束に開繊作用を与えるもの
で、その軸を中心にフリーで回転するもの、固定されて
いるものいずれであってもよい。この振動ローラの外径
は、開繊効果からいえば小さいほど望ましく、具体的に
はφ50mm以下である。
【0019】次に6a、6bは、振動ローラ5a、5b
で開繊された繊維束2の開繊幅を維持するための無振動
ローラである。この無振動ローラは開繊後の糸幅を維持
するためのものであって、振動ローラ5a、5bのよう
に振動させると糸幅が不安定になったり、毛羽発生を促
進する等の悪い結果がでるので、振動せずに固定されて
いることが重要である。このローラは軸を中心にフリー
で回転するもの、駆動されているもの、固定されている
ものいずれであってもよく、要は繊維束が静止または回
転する曲面に適度の押圧力で押し当てられた状態で周回
するものであればよい。したがってこのような曲面は、
図ようなローラに限らず、半円筒面やその他の形状の曲
面であってもよい。この曲面は、開繊後の繊維束の幅を
維持するためには繊維束との接触長が大きいほど好まし
い。よって、前記振動ローラと繊維束の接触長と比較し
て、該無振動ローラと繊維束の接触長は2から10倍で
あるのが好ましい。具体的長さとしては、無振動ローラ
ーと繊維束の接触長を100mm以上にできることが好
ましい。
【0020】また、振動ローラ5a、5bと無振動ロー
ラ6a、6bの間での繊維束の幅の狭まりを最小限に抑
えるには、繊維束がどちらのローラにも接触していない
長さが短いほど好ましい。具体的には20mm以下とな
るように、無振動ローラ6a,6bを設置すべきであ
る。
【0021】これら振動ローラ5a、5bと、無振動の
無振動ローラ6a、6bは、それぞれ少なくとも1本づ
つを1組として備えているものであれば開繊の効果を生
じるものであって、2組以上備えていればより一層の開
繊効果がある。
【0022】7は、上記振動ローラおよび無振動ローラ
の接糸面を加熱することによって、繊維束に付与されて
いるサイジング剤を軟化させるための加熱手段であっ
て、繊維束をサイジング剤の軟化点である343〜37
3K(70〜100℃)まで加熱できる能力を備えてい
れば、近赤外線ヒータや中赤外線ヒータ、遠赤外線ヒー
タ等いずれの加熱手段を用いてもよい。また、上記振動
ローラおよび無振動ローラ内部にヒータを埋め込むなど
振動ローラおよび無振動ローラ自身を直接加熱してもよ
く、このような形態も本発明の加熱手段に含まれる。
【0023】最後に9は、強化繊維束2を振動ローラ5
a、5bおよび無振動ローラ6a、6b上を通過させな
がら図の右方向に引取るための図示しない引取り手段で
あり、モータ等の適当な駆動手段によって強制回転され
る回転ドラム、ドライブステーション等を用いることが
できる。
【0024】次に、本発明の繊維束の開繊方法の好まし
い実施の形態を、上記図1および図2を用いて説明す
る。
【0025】まず、強化繊維束2は、巻き出し時の張力
が0.1〜5N(約10〜500gf)の範囲になるよ
うに巻き出すのが好ましい。張力が高すぎると開繊に不
利であり、逆に低すぎると繊維束は蛇行してしまう。ま
た、強化繊維束2の走行速度は小さいほど振動ローラ5
a、5bや無振動ローラ6a、6bとの接触時間を長く
できるため有利であるが、走行速度が大きくなった場合
であっても振動ローラと無振動ローラの組数を増やすこ
とで、適宜対応は可能である。
【0026】次に、振動ローラ5a、5bの振動周波数
は1〜100Hzの範囲の中で大きいほど好ましいが、
機構的な制約から5〜20Hzでも十分である。また、
振動ローラの振幅は、1〜50mmの範囲でやはり大き
いほど好ましいが、振動によって発生する擦過毛羽抑制
の点から5〜20mmがより好ましい。
【0027】
【実施例】本発明の実施例を、上記図面を参照して以下
に説明する。
【0028】実施例1 図1の装置において、強化繊維束2には、開繊前の繊維
幅約1mm、単糸数3,000本の高弾性タイプ炭素繊
維50本を用い、パッケージ1からの巻き出し張力は1
N(約100gf)、走行速度は0.04m/s(約
2.5m/分)に設定した。
【0029】一方、加振源4a、4bには、市販の電磁
式加振機(ボクスイ・ブラウン(株)、VG100型)
を用いた。
【0030】次に、振動ローラ5a、5bは各々フリー
回転とし、その径は5a、5bともφ30mmとした。
そして、各ローラの繊維束との接触長はそれぞれ25m
m,40mmとし、いずれもその振動周波数を8Hz
に、振幅を10mmに設定した(条件)。
【0031】また、無振動の無振動ローラ6a、6b
は、各々フリー回転のローラとした。その無振動ローラ
の径および繊維との接触長は、それぞれ、6aをφ70
mm,100mm、6bをφ100mm,150mmと
した(条件)。
【0032】加熱手段7には遠赤外線ヒータを使用し、
強化繊維束2の温度がサイジング剤の軟化点である約3
50K(77℃)になるように設定した。この時ヒータ
表面温度は約530K(257℃)であった(条件
)。
【0033】このような実施例の開繊の実測結果を示し
たのが次の表1である。
【0034】
【表1】 この表1によれば、本発明の開繊方法および装置を用い
ることで、強化繊維束は1mmから6mmまで開繊幅が
向上したことがわかる。
【0035】実施例2 振動ローラ5aの振動周波数を8Hz、振幅を10mm
とし、また振動ローラ5bの振動周波数を16Hz、振
幅を20mmとした(条件)。
【0036】その他の条件は実施例1と全く同様に設定
した。
【0037】このような実施例の開繊の実測結果を示し
たのが上記の表1である。この表によれば、開繊後の繊
維束幅は7mmで、振動ローラ5bの振動周波数および
振幅を増加させたことにより、開繊効果が実施例1より
もさらに1mmアップしたことが分かる。
【0038】比較例1 図3の従来技術の装置において、振動ローラ5は外径φ
30mmのフリー回転とし、繊維束との接触長は10m
mとした。そして、その振動周波数を8Hzに、振幅を
10mmに設定した(条件)。また、フリー回転ロー
ラ8の径はφ20mmとした(条件)。なお、加熱手
段は使用していない(条件)。その他の条件は実施例
1と全く同様に設定した。
【0039】このような比較例の開繊の実測結果を示し
たのが上記の表1の比較例である。この表によれば、開
繊後の繊維束幅は3mmである。すなわち従来技術の方
法および装置を用いた場合、実施例1に比べると3m
m、実施例2に比べると4mm、それぞれ開繊性が劣っ
ていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果を奏
することができる。
【0041】請求項1および2記載のプリプレグの製造
方法によれば、互いに平行に引き揃えられた複数本の繊
維束が、複数本のローラ上を所定角度に屈曲しながら通
過する際に、ローラの少なくとも1本が前記繊維束の走
行方向に対して交差する方向に振動しているため、繊維
束と振動ローラ間に発生する擦過力によって十分に開繊
される。また、開繊された繊維束は、振動ローラ直後に
位置させた振動させないローラの周面上にその接触長さ
が振動ローラでの接触長の2倍以上で押し当てられるた
め、繊維束と無振動ローラの間に発生する摩擦力によっ
て、その開繊幅を維持することができる。
【0042】請求項3および4記載のプリプレグの製造
方法によれば、少なくとも1本のローラを加熱すること
により、繊維束は、該繊維束に付与されているサイジン
グ剤が軟化する温度まで加熱されるため、単繊維間相互
の開繊性が向上する。
【0043】請求項5および6記載のプリプレグの製造
方法によれば、振動ローラと無振動ローラは2組以上存
在し、各組の振動ローラの振動周波数および振幅がそれ
ぞれ異なるため、例えば1組目の振動ローラを小振幅、
低振動周波数に、2組目の振動ローラを大振幅、高振動
周波数といった具合にそれぞれ設定すれば、繊維束は徐
々に開繊するため、振動ローラとの擦過で繊維束を痛め
ずに、無理なく開繊させることができる。また、繊維束
の走行速度が大きくなっても、振動ローラと無振動ロー
ラの組数を増やすことで容易に対応できる。
【0044】請求項7および8記載のプリプレグの製造
装置によれば、互いに平行に引き揃えられた複数本の繊
維束を、複数本のローラ上に所定角度で屈曲させながら
通過させる際に、ローラの少なくとも1本を繊維束の走
行方向に対して交差する方向に振動させるため、繊維束
と振動ローラ間に発生する擦過力によって繊維束を十分
に開繊することができる。また、この開繊された繊維束
を振動ローラ直後に設けた、前記繊維束の接触長さが振
動させるローラでの接触長さの2倍以上の周面長さを有
する振動させないローラ表面に押し当てて引取るため、
繊維束と無振動ローラの間に発生する摩擦力によって、
開繊された繊維束の開繊幅を維持したまま引取ることが
できる。
【0045】請求項9記載のプリプレグの製造装置によ
れば、少なくとも1本のローラを加熱することが可能と
なるため、繊維束に付与されているサイジング剤が軟化
する温度まで加熱することができ、繊維束の開繊性が向
上する。
【0046】請求項10記載のプリプレグの製造装置に
よれば、振動ローラと無振動ローラを2組以上備えてお
り、さらに各組の振動ローラの振動周波数および振幅を
それぞれ別々に変化させることが可能なため、例えば1
組目の振動ローラを小振幅、低振動周波数に、2組目の
振動ローラを大振幅、高振動周波数といった具合にそれ
ぞれ設定すれば、繊維束を徐々に開繊させることが可能
となり、振動ローラとの擦過で繊維束を痛めずに無理な
く開繊させることが可能となる。また、繊維束の走行速
度を大きくしても振動ローラと無振動ローラの組数を増
設することで容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリプレグ製造装置の繊維束開繊
部の概略側面図である。
【図2】本発明に係るプリプレグ製造装置の繊維束開繊
部の概略斜視図である。
【図3】従来装置の繊維束開繊部の概略側面図である。
【符号の説明】
1 :巻取パッケージ 2 :強化繊維束 3 :コーム 4 :加振源 4a:加振源 4b:加振源 5 :振動ローラ 5a:振動ローラ 5b:振動ローラ 6a:無振動ローラ 6b:無振動ローラ 7 :加熱手段 8 :フリー回転ローラ 9 :引取り手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の単糸が引き揃えられてなる繊維束
    を複数個のローラ上に所定角度に屈曲させるとともに、
    前記複数個のローラのうちの少なくとも1本を前記繊維
    束の走行方向に対して交差する方向に振動させつつ通過
    させることにより、前記繊維束を開繊させ、しかる後に
    合成樹脂を含浸させてプリプレグを製造する方法におい
    て、 (A)前記振動させるローラの直後に位置するローラを
    振動させずにその周面に前記繊維束を押し当て、 (B)次に該振動させないローラの周面に、前記繊維束
    を前記振動させるローラの周面に接触している繊維束の
    接触長の2倍以上の接触長さで接触させることにより前
    記繊維束の開繊状態を維持させることを特徴とするプリ
    プレグの製造方法。
  2. 【請求項2】前記振動させないローラの周面に接触して
    いる繊維束の接触長さは、前記振動させるローラの周面
    に接触している繊維束の接触長さの2〜10倍であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記振動させるローラと前記振動させない
    ローラのうちの少なくとも1本のローラの接糸面を加熱
    することにより、前記繊維束に付与されているサイジン
    グ剤を軟化させつつ、開繊させることを特徴とする請求
    項1または2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】前記軟化温度は、70〜100℃の範囲で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    プリプレグの製造方法。
  5. 【請求項5】前記振動させるローラの振動周波数を1〜
    100Hzの範囲、振幅を1〜50mmの範囲で開繊さ
    せることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    プリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】前記振動させるローラと前記振動させない
    ローラとをそれぞれ2組以上設け、各組の振動させるロ
    ーラの振動周波数と振幅とをそれぞれ異ならせて開繊さ
    せることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    プリプレグの製造方法。
  7. 【請求項7】複数本の単糸が引き揃えられてなる繊維束
    を所定角度に屈曲・支持する複数本のローラと、前記複
    数本のローラのうちの少なくとも1本を前記繊維束の走
    行方向に対して交差する方向に振動させる加振手段と、
    前記繊維束を前記ローラ間を通過させつつ引取る引取手
    段とを備えたプリプレグの製造装置において、 (A)前記加振手段によって振動させるローラの直後に
    位置するローラは振動させず、かつ、 (B)前記振動させないローラは、該ローラの周面に接
    触している繊維束の接触長さが、前記振動させるローラ
    の周面に接触している繊維束の接触長さの2倍以上とな
    る周面長さを有することを特徴とするプリプレグの製造
    装置。
  8. 【請求項8】前記振動させないローラに接触している繊
    維束の接触長さは、前記振動させるローラに接触してい
    る繊維束の接触長さの2〜10倍の周面長さを有するこ
    とを特徴とする請求項7記載のプリプレグの製造装置。
  9. 【請求項9】前記振動させるローラと前記振動させない
    ローラのうちの少なくとも1本のローラの接糸面を加熱
    する手段を備えたことを特徴とする請求項7または8に
    記載のプリプレグの製造装置。
  10. 【請求項10】前記振動させるローラと前記振動させな
    いローラとをそれぞれ2組以上有するとともに、各組の
    振動させるローラの振動周波数と振幅とをそれぞれ異な
    らせる振動周波数・振幅調整手段が設けられていること
    を特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のプリプレ
    グの製造装置。
JP15130496A 1996-06-12 1996-06-12 プリプレグの製造方法およびその装置 Expired - Fee Related JP3702535B2 (ja)

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