JPH1039382A - 自己推進式フィルムカートリッジカメラのスプール駆動装置 - Google Patents

自己推進式フィルムカートリッジカメラのスプール駆動装置

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JPH1039382A
JPH1039382A JP19334196A JP19334196A JPH1039382A JP H1039382 A JPH1039382 A JP H1039382A JP 19334196 A JP19334196 A JP 19334196A JP 19334196 A JP19334196 A JP 19334196A JP H1039382 A JPH1039382 A JP H1039382A
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JP
Japan
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spool
cartridge
film
spool drive
drive shaft
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Application number
JP19334196A
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English (en)
Inventor
Shinya Suzuka
真也 鈴鹿
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Pentax Corp
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルムカートリッジのスプールとカメラ本
体側のスプール駆動軸とを結合させるフィルムカートリ
ッジのスプール駆動装置を、部品点数および工数が少な
い簡単な構造で、かつ省スペース化を達成しながら得
る。 【構成】 フィルムが巻回された回転可能なスプールの
軸端部に、略円柱状の軸受穴と、この軸受穴の内面に位
置するキー溝とを設けた自己推進式フィルムカートリッ
ジを使用するカメラにおいて、カメラ本体に回転可能に
支持された、上記円柱状の軸受穴に挿脱可能なスプール
駆動軸; 上記スプール駆動軸を回転させる駆動手段;
上記スプール駆動軸の軸心に形成された収納凹部;上記
スプール駆動軸の半径方向に穿設され上記収納凹部に連
通する進退穴;および、上記収納凹部内に挿入され、上
記進退穴からスプール駆動軸の径方向に出入が自在な拡
縮性を有し、該拡縮性により上記スプールのキー溝と係
脱可能であるキー部を有する係合部材;を備えたことを
特徴とする自己推進式フィルムカートリッジカメラのス
プール駆動装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自己推進式フィルムカートリッ
ジカメラのスプール駆動装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、自己推進式のフィ
ルムカートリッジが実用化されている。このフィルムカ
ートリッジは、通常ではフィルムがカートリッジ内に完
全に収納され、カメラに装填したときに、カートリッジ
内のスプールを回転させてフィルムをカートリッジから
送り出して、カメラ本体に備えられたフィルム巻上げス
プールに巻き付かせ、その後該巻き上げスプールの回転
によってフィルムを巻き上げる。その一例を図13に示
した。このフィルムカートリッジ10は、筒状のハウジ
ング11内に回動可能に収納されたカートリッジスプー
ル12にフィルムFが巻回されている。カートリッジス
プール12は、その一端部に形成された略円柱状のスプ
ール駆動軸受穴12aが、ハウジング11の一端面に設
けたハウジング開口部11aに臨んでいる。スプール駆
動軸受穴12aの開口端面は外周から内周に向けて下り
勾配となる傾斜面13を備え、スプール駆動軸受穴12
aの内周壁には開口端面から軸線方向にキー溝14が形
成されている。
【0003】ハウジング11の一側面にはフィルム出入
開口15がハウジング11の長手方向に設けられてい
る。このフィルム出入開口15は、フィルム出入開口1
5を遮光してハウジング11内のフィルムFが感光する
のを防止する遮光ドア17を備えている。この遮光ドア
17は、遮光ドア作動軸17aによりハウジング11内
に回動可能に軸支され、該回動によりフィルム出入開口
15を開閉する板状部材である。遮光ドア作動軸17a
には、係合切欠き17bが形成されている。
【0004】このようなフィルムカートリッジ10は、
カメラに装填された時点ではフィルムFをハウジング1
1内に収納したままであるから、最初にカートリッジス
プール12の推進力によりフィルムFを送り出さなけれ
ばならない。この種のカメラは、所定の遮光ドア開閉機
構を備えており、フィルムカートリッジ10を装填した
後に遮光ドア作動軸17aが回転されて遮光ドア17が
開放される。これによりフィルム出入開口15からのフ
ィルムFの出入が可能になるので、カメラ本体に設けた
カートリッジスプール駆動機構を作動させてカートリッ
ジスプール12をフィルム送り出し方向に回転させてフ
ィルムFを送り出す。フィルムF先端部がカメラ側の巻
上スプールに所定量巻き取られると、フィルムFの初期
の送り出しが停止して撮影待機状態となる。
【0005】続いて、カメラ本体のレリーズ釦を操作す
ることによりフィルムFへの露光が行われ、この露光動
作の終了に伴いカメラ側の巻上スプールが巻き上げスプ
ール駆動機構で回転され、一コマ分のフィルムFがカメ
ラ側の巻上スプールに巻き上げられる。この撮影動作を
繰り返して所定コマ数の撮影が終了すると、フィルムF
を巻き戻す。この巻き戻しはカートリッジスプール12
の駆動により行われる。巻き戻しが完了してフィルムF
がハウジング11内に収納されると、上記遮光ドア開閉
機構により遮光ドア17が閉鎖され、フィルムカートリ
ッジ10の取り出しが可能になる。
【0006】フィルムFの送り出しあるいは巻き戻しに
使用されるカートリッジスプール12を回転させるカメ
ラ側のカートリッジスプール駆動機構は、従来、カメラ
本体に回転可能に設けたカートリッジスプール駆動軸、
このカートリッジスプール駆動軸の外周面に設けた突起
部(キー)、駆動源および該駆動源の動力を伝達してカ
ートリッジスプール駆動軸を回転させるギア(列)など
から構成される。カートリッジスプール駆動軸は、フィ
ルムカートリッジ10をフィルムカートリッジ室に装填
したときにカートリッジスプール12と同軸となるよう
にフィルムカートリッジ室の上下いずれかの端面から突
出させて設置される。装填状態では、カートリッジスプ
ール駆動軸をスプール駆動軸受穴12aに嵌合させ、さ
らにスプール駆動軸受穴12aの内周壁に形成したキー
溝14へ、上記突起部(キー)を係合させることにより
駆動力を伝達し、カートリッジスプール12を送り出し
方向および巻き取り方向に回転させる。
【0007】フィルムカートリッジ室へのフィルムカー
トリッジ10の挿入に際しては、カートリッジスプール
12に形成されたキー溝14とカートリッジスプール駆
動軸の突起部(キー)との回転方向の位相は、一致しな
い場合がほとんどである。そのため上記のようなカート
リッジスプール駆動機構では、カートリッジスプール駆
動軸をその軸線方向に可動にして、突起部とキー溝14
の回転方向の位相にずれがある場合でもフィルムカート
リッジ10をフィルムカートリッジ室内に装着できるよ
うにしていた。この構成では、突起部とキー溝14の位
相が一致したときにカートリッジスプール駆動軸が初期
位置に復帰してスプール駆動軸受穴12aに嵌合できる
ように、カートリッジスプール駆動軸をフィルムカート
リッジ10側に常時付勢しておく必要がある。しかし、
カートリッジスプール駆動軸の可動領域およびフィルム
カートリッジ側への付勢手段を必要とするため、カメラ
本体の組立性が悪くなるとともに、カメラ内に余分なス
ペースを確保しなくてはならずカメラのコンパクト化に
反していた。
【0008】特に、フィルムカートリッジカメラにおけ
るスプール駆動関連の部材は従来に比して小型化されて
いるため、組立の容易性、作動の確実性およびコストの
点から部品点数および製造工数を減少し、しかも省スペ
ース化を合わせて達成することが望まれている。
【0009】
【発明の目的】本発明は上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、フィルムカートリッジのスプールとカメラ本
体側のカートリッジスプール駆動軸を結合させるフィル
ムカートリッジのスプール駆動装置を、部品点数および
工数が少ない簡単な構造で、省スペース化を達成しなが
ら得ることを目的とする。
【0010】
【発明の概要】本発明のフィルムカートリッジカメラの
スプール駆動装置は、フィルムが巻回された回転可能な
スプールの軸端部に、略円柱状の軸受穴と、この軸受穴
の内面に位置するキー溝とを設けた自己推進式フィルム
カートリッジを使用するカメラにおいて、カメラ本体に
回転可能に支持された、上記円柱状の軸受穴に挿脱可能
なスプール駆動軸;上記スプール駆動軸を回転させる駆
動手段;上記スプール駆動軸の軸心に形成された収納凹
部;上記スプール駆動軸の半径方向に穿設され上記収納
凹部に連通する進退穴;および、上記収納凹部内に挿入
され、上記進退穴からスプール駆動軸の径方向に出入が
自在な拡縮性を有し、該拡縮性により上記スプールのキ
ー溝と係脱可能であるキー部を有する係合部材;を備え
たことを特徴とする。この構成によれば、スプール駆動
軸およびキー部の軸線方向への位置を固定とすることが
できる。
【0011】上記スプール駆動軸は、収納凹部および進
退穴からの上記係合部材の脱落を防止する装着保持手段
を備えることが望ましい。また、上記係合部材は、上記
スプール駆動軸の径方向に拡縮可能な面を有する略U字
状の板ばね部材から構成することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態に基づいて本
発明を説明する。図1および図2は、本発明によるフィ
ルムカートリッジのスプール駆動装置を適用したレンズ
シャッタ式カメラ20のフィルム給送装置の配置状態を
示す正面図および平面図であり、図3は同カメラ20の
背面側を示す斜視図である。なお、このカメラ20に使
用されるフィルムカートリッジ10は、図13に示す前
述公知のものである。
【0013】カメラ20は、そのカメラボディ21の正
面ほぼ中央に撮影レンズ22を備え、撮影レンズ22を
挟んで、左右の一方にフィルムカートリッジ10を装填
するフィルムカートリッジ室23、他方に巻上スプール
室24を備えている。フィルムカートリッジ室23の底
部には、フィルムカートリッジ10を装填し、装填され
たフィルムカートリッジ10を保持し、またフィルムカ
ートリッジ室23からフィルムカートリッジ10を取り
出すためのフィルムカートリッジ蓋27が設けられてい
る。フィルムカートリッジ室23の上壁内面からは、フ
ィルムカートリッジ蓋27に向かってカートリッジスプ
ール駆動軸31が突出している。一方巻上スプール室2
4内にはフィルムFを巻き上げる巻上スプール25が配
置されている。カメラボディ21の上面には、レリーズ
釦145および操作ノブ141を外部に突出させたフィ
ルム給送ダイヤル140が設けられている。フィルム給
送ダイヤル140は手動運転式であり、その回転は原動
ギア142からカートリッジスプール駆動機構200お
よび巻上スプール駆動機構300に伝達され、カートリ
ッジスプール駆動軸31および巻上スプール25を同期
して回転させることができる。このフィルム給送ダイヤ
ル140の回転によってフィルムカートリッジ室23に
装填されたフィルムカートリッジ10から送り出された
フィルムFは、アパーチャ28後方(カメラ20の背面
側)のフィルム給送空間29を通って巻上スプール室2
4に達し、巻上スプール25に巻き上げられる。なお、
図1において、符号171はストロボ、172はファイ
ンダーの対物窓である。図3において、151はカート
リッジ蓋ロックレバー、181はファインダーの接眼窓
である。
【0014】図4から図7は、カメラボディ21内のフ
ィルム給送機構の詳細を表している。これらの図におい
てカメラボディ21は省略されているが、フィルムカー
トリッジ10はフィルムカートリッジ室23に装填され
た位置にあり、巻上スプール25は巻上スプール室24
内の所定位置に配置されているものとする。駆動源であ
るフィルム給送ダイヤル140は、カメラボディ21か
ら外部に突出する円盤状の操作ノブ141と、この操作
ノブ141の下部に同軸に接合されて、カメラボディ2
1内部のカートリッジスプール駆動機構200および巻
上スプール駆動機構300に回転を伝達する原動ギア1
42から構成され、操作ノブ141を手動で送り出し
(巻き上げ)および巻き戻し方向に回転させてフィルム
Fの給送を行う。
【0015】まずカートリッジスプール駆動軸31を駆
動するカートリッジスプール駆動機構200について説
明する。原動ギア142に噛み合う第一ギア201は、
原動ギア142の軸142xに回動自在に枢支されたギ
アアーム204によって、軸201xを中心した自転お
よび軸142xを中心とした公転が可能に支持されてい
る。この第一ギア201の自転軸201x方向に向けて
延設されたギアシャフト202を介して、第一ギア20
1と同軸の遊星ギア203が設けられている。原動ギア
142に対する第一ギア201の公転に伴って、遊星ギ
ア203は、カートリッジスプール駆動ギア205の内
周側に形成されたギア面206の所定箇所に選択的に噛
み合い、カートリッジスプール駆動ギア205を正逆に
回転させる。
【0016】続いて巻上スプール駆動機構300を説明
する。第一ギア301は、原動ギア142の外周上にお
いて上記第一ギア201と異なる位置で原動ギア142
に噛み合っており、この第一ギア301とカメラボディ
21下方にある第二ギア303は、フィルムカートリッ
ジ室23に隣接して上下方向に延びるギアシャフト30
2の上下端に同軸に接続されている。第二ギア303に
は、大径ギア305、307が順次噛み合い、大径ギア
307の軸307xに対して所定幅の回動が許されたギ
アアーム308によって、大径ギア307に対して公転
可能なように遊星ギア309が支持されている。軸30
9xを有する遊星ギア309には、第二遊星ギア311
が同軸一体に接続されている。遊星ギア309と第二遊
星ギア311は、フィルム給送ダイヤル140の回転方
向を送り出し(巻き上げ)方向から巻き戻し方向に、あ
るいはその逆に変えたときに、ギアアーム308の回動
が許される範囲で公転を行う。この往復回転運動の一端
側に第二遊星ギア311(および遊星ギア309)が位
置するとき、巻上スプール25の下部にあって巻上スプ
ール25を回転させる巻上スプール駆動ギア313に第
二遊星ギア311が噛み合う。
【0017】このカメラ20のフィルム給送装置は以下
のように動作する。フィルムカートリッジ10がフィル
ムカートリッジ室23へ装着された状態でフィルム給送
ダイヤル140を送り出し方向(図6の反時計回り)に
回転させると、カートリッジスプール駆動機構200を
介してカートリッジスプール12が送り出し方向(同時
計回り)に回転し、これに巻回されたフィルムFはフィ
ルムカートリッジ10から送り出されてカメラボディ2
1内のフィルム給送空間29を通って巻上スプール25
方向に進む(フィルムFの初期送り出し)。このとき、
巻上スプール駆動機構300を介して巻上スプール25
が巻き上げ方向(図6の時計回り)に回転しており、フ
ィルムF先端が巻上スプール25に巻き付くと、カート
リッジスプール12の送り出し速度より若干速い巻上ス
プール25の巻き上げ速度により、フィルムFが巻上ス
プール25に引っ張られて所定量巻き上げられる。送り
出し側より巻き上げ側の回転を速くするのは、フィルム
Fに弛みが生じないようにするためであり、カートリッ
ジスプール駆動機構200と巻上スプール駆動機構30
0のギア比設定により、共通の駆動源で回転するカート
リッジスプール12と巻上スプール25の回転速度を変
化させることができる。また、巻き上げ当初に第二遊星
ギア311と巻上スプール駆動ギア313が離反してい
ても、フィルム給送ダイヤル140の送り出し(巻き上
げ)方向への回転によって遊星ギア309および第二遊
星ギア311は、巻上スプール駆動ギア313方向へ公
転してこれに噛合するため、巻上スプール25は巻き上
げ方向に回転を開始する。
【0018】一方、フィルムFの巻き戻し時には、フィ
ルム給送ダイヤル140を巻き戻し方向(図7の時計回
り)に回転させる。大径ギア307の回転方向が変化す
るため、遊星ギア309および第二遊星ギア311は図
7に示すように反時計回りに公転し、第二遊星ギア31
1と巻上スプール駆動ギア313の噛合が解除されて両
者は離反する。巻上スプール駆動ギア313に動力が伝
わらない状態であるから、巻上スプール25はフリーと
なりフィルムFの巻き戻しはカートリッジスプール12
の巻き戻し方向への回転のみで行われる。従って、フィ
ルムカートリッジ10のカートリッジスプール12は送
り出しおよび巻き戻し用のスプールで、巻上スプール2
5は巻き上げ専用のスプールである。
【0019】以上のようなフィルム給送機構を備えたカ
メラ20において、カートリッジスプール駆動機構20
0を構成する最終ギアであるカートリッジスプール駆動
ギア205は、内周面にギア面206を有する内歯ギア
である。このカートリッジスプール駆動ギア205に
は、フィルムカートリッジ室23側にカートリッジスプ
ール駆動軸31が同軸に固設されている。図8ないし図
10に示すように、このカートリッジスプール駆動軸3
1は略円柱状の基部33と、この基部33の一端に同軸
一体に形成された、基部33より小径の結合部35を有
している。この結合部35はカートリッジスプール12
のスプール駆動軸受穴12aに挿脱可能に嵌合されるも
ので、その先端部側は先端に行くに従い小径となり、先
端には頂面31aが形成されている。カートリッジスプ
ール駆動軸31は、頂面31aからカートリッジスプー
ル駆動ギア205方向に向けて軸線方向へ、ほぼその全
長にわたり角柱状の収納凹部32が形成され、頂面31
aに開口端面32aを有する中空軸体となっている。ま
た、結合部35の周壁には、収納凹部32に連通する半
径方向の進退穴34が穿設されている。進退穴34の頂
面31a側の端部には、係止部42が形成されている。
このカートリッジスプール駆動軸31と上記カートリッ
ジスプール駆動ギア205は、合成樹脂材料の一体成形
により得ることができる。
【0020】上記収納凹部32には、略U字状の板ばね
部材36が、U字状折曲部39をカートリッジスプール
駆動ギア205に向けて軸線方向に挿入される。板ばね
部材36は、収納凹部32における開口端面32aの短
辺とほぼ一致する幅を有する弾性帯状材料から一体に形
成されており、U字状折曲部39により得られた対向す
る拡縮面37と支持面38を有する。この拡縮面37お
よび支持面38は接離する拡縮動作が可能である。支持
面38はU字状折曲部39端部から略直線状に延設され
る。一方、拡縮面37はU字状折曲部39側から順に、
支持面38から離れる(拡大)方向に傾斜を有する第一
傾斜面37a、この第一傾斜面37a端部の突出頂部3
7dから折曲されて、支持面38側(縮小方向)に傾斜
を有する第二傾斜面37b、および第二傾斜面37bの
折曲端部37eから支持面38と略平行に形成された平
行面37cとからなる。
【0021】この板ばね部材36を収納凹部32に装着
するときは、拡縮面37を進退穴34に向けた位相でU
字状折曲部39側から挿入する。U字状折曲部39側の
第一傾斜面37aが外方に突出しているため開口端面3
2aの規制を受けるが、押し込み動作を継続すると拡縮
面37は突出頂部37dが収納凹部32内に入るまで内
方に変形する。これにより板ばね部材36を収納凹部3
2内に挿入できる。突出頂部37dが進退穴34まで達
すると収納凹部32の内壁面の規制がなくなるため、収
納凹部32の内壁面と進退穴34が形成する係止部42
に第二傾斜面37bを当接させながら拡縮面37は弾性
復元力により徐々に元の形状に復帰していく。さらにU
字状折曲部39が収納凹部32の最奥部32bに接触す
るまで板ばね部材36が挿入されると、図8に実線で示
す位置に拡縮面37の形状は復帰し、第一傾斜面37a
および第二傾斜面37bの一部が進退穴34から結合部
35の周面方向に突出する。この突出部分を特にキー部
40と呼ぶ。キー部40は、収納凹部32の内壁面に密
着する対向側の支持面38を支点として、カートリッジ
スプール駆動軸31の径方向へ拡縮動作を行うことがで
きる(図8に2点鎖線で示す状態)。
【0022】上記装着状態では、折曲端部37eおよび
該折曲端部37e近傍の第二傾斜面37bが係止部42
に当接することによって、板ばね部材36の軸線方向へ
の移動は係止されるので、板ばね部材36が収納凹部3
2の開口端面32aから不用意に脱落することはない。
また、平行面37cは係止部42の内壁面の規制を受け
るため、拡縮面37の先端が進退穴34から突出してし
まうおそれはない。
【0023】上記構成のカートリッジスプール駆動軸3
1を有するフィルムカートリッジのスプール駆動装置の
動作について説明する。フィルムカートリッジ10がカ
メラ20のフィルムカートリッジ室23に未装填である
とき、カートリッジスプール駆動軸31の収納凹部32
内にある板ばね部材36は、拡縮面37の第一傾斜面3
7aおよび第二傾斜面37bの一部、つまりキー部40
を進退穴34から外方に突出させた状態(図8に実線で
示す状態)に保持されている。
【0024】フィルムカートリッジ10がフィルムカー
トリッジ室23の最奥部まで挿入されると、カートリッ
ジスプール12のスプール駆動軸受穴12aは、カート
リッジスプール駆動軸31の結合部35に嵌合される。
このとき、キー溝14とキー部40(拡縮面37)との
回転方向の位相がずれていたとすると、軸線方向への挿
入動作によって板ばね部材36の第二傾斜面37bがカ
ートリッジスプール12の傾斜面13に案内されなが
ら、拡縮面37は対向する支持面38側に変形して、キ
ー部40が結合部35の外周壁内に収納される。これに
より、キー溝14とキー部40(拡縮面37)の回転方
向の位相がずれていても挿入動作を続行できるため、フ
ィルムカートリッジ10をフィルムカートリッジ室23
に装填することが可能である。このとき、スプール駆動
軸受穴12aの内壁面の規制により、突出頂部37dが
結合部35の外周壁と略同一面上となるまで拡縮面37
は変形されるが、拡縮面37は結合部35の外周面方向
に付勢力(復元力)を有してスプール駆動軸受穴12a
の内壁面を押し付けているため、突出頂部37dが係止
部42よりも内方へ変形することはなく、よって板ばね
部材36は頂面31a方向に脱落せずに保持される(図
11)。
【0025】フィルムカートリッジ10の装填が完了す
ると、フィルムカートリッジ蓋27を閉鎖してからカメ
ラ20背面側外部に設けたカートリッジ蓋ロックレバー
151を操作してこれをロックする。フィルムカートリ
ッジ蓋27がロックされると、これに連動する遮光ドア
開閉機構を介して、遮光ドア作動軸17aが開方向に回
転されて遮光ドア17が開放される。なお、上記遮光ド
ア開閉機構は、本発明の要点に関係がないので説明を省
略する。ここでフィルム給送ダイヤル140を送り出し
(巻き上げ)あるいは巻き戻し方向に回転させると、キ
ー部40がキー溝14に係合していない間カートリッジ
スプール駆動軸31は空転する。例えば図11において
はキー部40(拡縮面37)とキー溝14の回転方向の
位相が約180°であるから、カートリッジスプール駆
動軸31が約180°回転するまでは空転が続く。キー
部40(拡縮面37)とキー溝14の位相が一致する
と、拡縮面37自身が有する結合部35外周面方向への
付勢力(復元力)により、拡縮面37は進退穴34から
突出し、キー部40はキー溝14に係合する(図1
2)。
【0026】キー部40がキー溝14に係合すると、カ
ートリッジスプール駆動軸31の回転はカートリッジス
プール12に伝達される。このときフィルム給送ダイヤ
ル140を送り出し(巻き上げ)方向に回転させていた
ならば、そのままフィルムFはフィルム給送空間29へ
送り出されてフィルムFの初期送り出しが開始される。
一方、フィルム給送ダイヤル140を巻き戻し方向に回
転させていたとしても、フィルムFがフィルムカートリ
ッジ10内で回転するのみなので、改めて送り出し(巻
き上げ)方向に回転させればよい。以後、キー部40と
キー溝14の係合は保持されるので、その後の撮影コマ
ごとのフィルムFの送り出しや撮影終了後のフィルムF
の巻き戻しも同様に可能となる。
【0027】撮影終了後、巻き取りが完了してフィルム
Fがフィルムカートリッジ10内に収納されると、上記
カートリッジ蓋ロックレバー151を解除操作してフィ
ルムカートリッジ蓋27のロックを解く。これに連動し
てドア17が閉じ、フィルムカートリッジ蓋27を開く
ことにより、露光済みのフィルムカートリッジ10をカ
メラ20から取り出すことができる。新しいフィルムカ
ートリッジ10に交換した場合は、上述の動作を繰り返
せばよい。
【0028】なお、本発明を適用するカメラの構成は以
上に限定されるものではない。例えば、フィルム給送の
駆動源は、手動運転式でなく所望の駆動モーター等を用
いることができるし、その際には公知の制御方法を使用
してフィルム給送を自動的に行うことが可能なのは言う
までもない。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フィルム
カートリッジのスプールとカメラ本体側のスプール駆動
軸を結合させるスプール駆動装置を、軸線方向への可動
部材を設けることなく構成したから、部品点数および工
数が少ない簡単な構造で、省スペース化を達成したフィ
ルムカートリッジのスプール駆動装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィルムカートリッジのスプール
駆動装置を適用したレンズシャッタ式カメラにおけるフ
ィルム給送機構の配置状態を示す正面図である。
【図2】同レンズシャッタ式カメラの平面図である。
【図3】同レンズシャッタ式カメラを下方から見て示す
斜視図である。
【図4】本発明によるスプール駆動装置を備えたフィル
ム給送機構の全体を表す斜視図である。
【図5】図4のフィルム給送機構の駆動機構(ギア列)
を正面から見た断面図である。
【図6】図5の駆動ギア列の送り出し(巻き上げ)時の
駆動方向を示す平面図である。
【図7】図5の駆動ギア列の巻き戻し時の駆動方向を示
す平面図である。
【図8】本発明の一実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図9】同実施形態の要部を示す斜視図である。
【図10】図9において、板ばね部材とカートリッジス
プール駆動軸を分解して示す斜視図である。
【図11】同実施形態において、フィルムカートリッジ
のスプールにカートリッジスプール駆動軸が嵌合されて
いるが、回転方向の位相が異なるため駆動軸のキーとス
プールのキー溝が係合していない状態を表す断面図であ
る。
【図12】図11において、スプール駆動軸のキーとス
プールのキー溝が係合した状態を表す断面図である。
【図13】本発明に適用されるフィルムカートリッジの
一例の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 フィルムカートリッジ 12 カートリッジスプール 12a スプール駆動軸受穴 13 傾斜面 14 キー溝 15 フィルム出入開口 20 カメラ 21 カメラボディ 23 フィルムカートリッジ室 24 巻上スプール室 25 巻上スプール 31 カートリッジスプール駆動軸 32 収納凹部 34 進退穴 35 結合部 36 板ばね部材 37 拡縮面 37a 第一傾斜面 37b 第二傾斜面 37c 平行面 37d 突出頂部 37e 折曲端部 38 支持面 39 U字状折曲部 40 キー部 42 係止部 140 フィルム給送ダイヤル 142 原動ギア 200 カートリッジスプール駆動機構 205 カートリッジスプール駆動ギア 300 巻上スプール駆動機構 313 巻上スプール駆動ギア

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムが巻回された回転可能なスプー
    ルの軸端部に、略円柱状の軸受穴と、この軸受穴の内面
    に位置するキー溝とを設けた自己推進式フィルムカート
    リッジを使用するカメラにおいて、 カメラ本体に回転可能に支持された、上記円柱状の軸受
    穴に挿脱可能なスプール駆動軸;上記スプール駆動軸を
    回転させる駆動手段;上記スプール駆動軸の軸心に形成
    された収納凹部;上記スプール駆動軸の半径方向に穿設
    され上記収納凹部に連通する進退穴;および、 上記収納凹部内に挿入され、上記進退穴からスプール駆
    動軸の径方向に出入が自在な拡縮性を有し、該拡縮性に
    より上記スプールのキー溝と係脱可能であるキー部を有
    する係合部材;を備えたことを特徴とする自己推進式フ
    ィルムカートリッジカメラのスプール駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記スプール駆動軸
    は、収納凹部および進退穴からの上記係合部材の脱落を
    防止する装着保持手段を備えている、自己推進式フィル
    ムカートリッジカメラのスプール駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、上記係合部
    材は、上記スプール駆動軸の径方向に拡縮可能な面を有
    する略U字状の板ばね部材からなる、自己推進式フィル
    ムカートリッジカメラのスプール駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、スプール駆動軸は、その軸線方向の位置が固定され
    ている自己推進式フィルムカートリッジカメラのスプー
    ル駆動装置。
JP19334196A 1996-07-23 1996-07-23 自己推進式フィルムカートリッジカメラのスプール駆動装置 Pending JPH1039382A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115079531A (zh) * 2022-05-31 2022-09-20 珠海市汇威精密制造有限公司 一种整体式传动件及粉盒组件

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