JPH1048724A - 自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置 - Google Patents

自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置

Info

Publication number
JPH1048724A
JPH1048724A JP20011296A JP20011296A JPH1048724A JP H1048724 A JPH1048724 A JP H1048724A JP 20011296 A JP20011296 A JP 20011296A JP 20011296 A JP20011296 A JP 20011296A JP H1048724 A JPH1048724 A JP H1048724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cartridge
spool
film
lever
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20011296A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Suzuka
真也 鈴鹿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP20011296A priority Critical patent/JPH1048724A/ja
Publication of JPH1048724A publication Critical patent/JPH1048724A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)
  • Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フィルムがカートリッジ内に収納されてカー
トリッジスプールの駆動が係止されたときのみカートリ
ッジ蓋のロック解除を可能とした、自己推進式フィルム
カートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置を得
る。 【解決手段】 カートリッジ蓋を閉状態でロックする蓋
ロック手段とフィルムカートリッジのスプールを回転さ
せるスプール駆動手段とスプール駆動手段の回転を係止
する位置と回転を許容する位置とに移動可能なスプール
駆動係止手段とフィルムのフィルムカートリッジからの
送り出し量を検出するフィルム枚数検出手段とフィルム
の送り出し量がゼロであるときに、スプール駆動手段を
係止するスプールパーキング手段とスプール駆動手段の
係止を解除しているとき、蓋ロック手段のロック解除動
作を不能とし、スプール駆動手段が係止されているとき
蓋ロック手段のロック解除動作を可能とするロック保持
手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自己推進式フィルムカートリッ
ジカメラのカートリッジ蓋ロック装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、自己推進式のフィ
ルムカートリッジが実用化されている。このフィルムカ
ートリッジは、通常ではフィルムがカートリッジ内に完
全に収納され、カメラに装填したときに、カートリッジ
内のスプールを回転させてフィルムをカートリッジから
送り出して、カメラ本体に備えられたフィルム巻上げス
プールに巻き付かせ、その後は該巻き上げスプールの回
転によってフィルムを巻き上げる。その一例を図14お
よび図15に示した。このフィルムカートリッジ10
は、筒状のハウジング11内に回動可能に収納されたカ
ートリッジスプール12にフィルムFが捲回されてい
る。カートリッジスプール12は、その一端部に形成さ
れた略円柱状のスプール駆動軸受穴12aが、ハウジン
グ11の一端面に設けたハウジング開口部11aに臨ん
でいる。スプール駆動軸受穴12aの開口端面は外周か
ら内周に向けて下り勾配となる傾斜面13を備え、スプ
ール駆動軸受穴12aの内周壁には開口端面から軸線方
向にキー溝14が形成されている。
【0003】ハウジング11の一側面にはフィルム出入
開口15がハウジング11の長手方向に設けられてい
る。このフィルム出入開口15は、フィルム出入開口1
5を遮光してハウジング11内のフィルムFが感光する
のを防止する遮光ドア17を備えている。この遮光ドア
17は、遮光ドア作動軸17aによりハウジング11内
に回動可能に軸支され、該回動によりフィルム出入開口
15を開閉する板状部材である。遮光ドア作動軸17a
には、係合切欠き17bが形成されている。
【0004】ハウジング11の端面(上面)11bには
センサ窓19が穿設されており、カートリッジスプール
12と一体に回転されるデータディスク18が、該セン
サ窓19から一部露出している。このデータディスク1
8の平面部には、フィルムFの露光長さ、フィルム感
度、フィルムのタイプなどを表すバーコードが形成され
ている。一方、図15に示すように、上記ハウジング1
1の端面(底面)11cには、フィルムFの露光状態を
示す露光状態表示器16が設けられる。該露光表示器1
6は、例えば未露光、部分露光、露光済、現像済の各段
階を示す表示孔16aを有している。カートリッジスプ
ール12の上記軸受穴12aと反対の一端に形成した回
転表示板12bが、所定の上記表示孔16aの下部に位
置することで、フィルムカートリッジ10の露光状態を
視覚的に検知できる。
【0005】フィルムカートリッジ10を使用可能なカ
メラにおいては、撮影終了後にフィルムFが巻き戻され
てフィルムカートリッジ10内に収納されたら、露光状
態表示器16によってフィルムFの露光状態を示すため
にカートリッジスプール12の回転を所定位置で係止
(スプールパーキング)しなければならない。フィルム
Fの給送にモータを使用し、データディスク18のバー
コードを光センサなどで読み込むタイプのカメラにおい
ては、上記センサ窓19から露出するデータディスク1
8の回転位置を該光センサで読み込んでモータを制御
し、スプールパーキングを行うことができる。一方、こ
の種の制御回路を内蔵していないカメラでは、カートリ
ッジスプール12の係止動作を機械的に行う必要があ
る。
【0006】また、この種のカメラの本体には、フィル
ムカートリッジ10を装填するフィルムカートリッジ室
と、これを閉鎖するロック機構付きのカートリッジ蓋が
設けられる。そして所定の連動機構によって、該カート
リッジ蓋の閉鎖ロック状態では上記遮光ドア17が開放
され、ロック解除状態では遮光ドア17が閉鎖されるよ
うに連動している。
【0007】撮影途中や巻き戻し途中にロック機構が解
除可能であると、不用意なロック解除操作によってカー
トリッジ蓋が開放してしまったり、これに連動してフィ
ルムFが排出されたまま遮光ドア17が閉鎖される可能
性がある。また、モータなどの制御によらないフィルム
給送の場合、巻き戻し終了後であってもカートリッジス
プール12の回転が可能であると、不用意な送り出し操
作によってフィルム出入開口15からフィルムFが再び
排出されてしまい、これに気付かずにカートリッジ蓋の
ロック機構を解除、遮光ドア17を閉鎖してしまうおそ
れがある。これらは漏光やフィルムFの損傷、あるいは
遮光ドア17やその開閉機構の破損の原因となる。
【0008】以上からカートリッジ蓋ロック機構および
遮光ドア開閉機構は、フィルムFがフィルムカートリッ
ジ10内に収納されていて、しかもカートリッジスプー
ル12が駆動係止されているときのみ操作可能であるこ
とが望まれていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は上記問題点に鑑みてなされたも
ので、フィルムがカートリッジ内に収納されてカートリ
ッジスプールの駆動が係止されたときのみカートリッジ
蓋のロック解除を可能とした、自己推進式フィルムカー
トリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置を得ること
を目的とする。
【0010】
【発明の概要】本発明によるカートリッジ蓋ロック装置
は、自己推進式フィルムカートリッジカメラにおいて、
上記フィルムカートリッジの収納室を開閉するカートリ
ッジ蓋と;このカートリッジ蓋を閉状態でロックする蓋
ロック手段と;上記フィルムカートリッジのスプールを
回転させるスプール駆動手段と;上記スプール駆動手段
の回転を係止する位置と回転を許容する位置とに移動可
能なスプール駆動係止手段と;フィルムのフィルムカー
トリッジからの送り出し量を検出するフィルム枚数検出
手段と;このフィルム枚数検出手段によるフィルムの送
り出し量がゼロであるときに、上記スプール駆動係止手
段を係止位置に移動させてスプール駆動手段を係止する
スプールパーキング手段と;上記スプール駆動係止手段
がスプール駆動手段の係止を解除しているとき、上記蓋
ロック手段のロック解除動作を不能とし、上記スプール
パーキング手段により該スプール駆動手段が係止されて
いるとき該蓋ロック手段のロック解除動作を可能とする
ロック保持手段と;を備えたことを特徴とする。
【0011】またフィルムカートリッジは、その一方の
端面から露呈した開閉作動軸の回転により開閉する遮光
ドアを有し、上記カートリッジ蓋ロック装置はさらに、
上記開閉作動軸に係脱可能なドライバー軸を備え、該開
閉作動軸と同軸の回転を行って上記遮光ドアを開放およ
び閉鎖させるドアドライバーと;上記蓋ロック手段の操
作に連動して上記ドアドライバーを回転させ、カートリ
ッジ蓋が閉鎖状態でロックされたとき上記ドアドライバ
ーが遮光ドアを開放させる位置を取り、カートリッジ蓋
のロックが解除されたとき該ドアドライバーが遮光ドア
を閉鎖させる位置を取るドアドライバー駆動レバーと;
を備えることが望ましい。このとき、上記ロック保持手
段は、上記スプール駆動手段の回転係止が解除されてい
るとき、上記ドアドライバー駆動レバーの遮光ドア閉鎖
位置への移動を不能とし、該スプール駆動手段が回転係
止されているとき該ドアドライバー駆動レバーの遮光ド
ア閉鎖位置への移動を可能とするように構成されている
ので、巻き戻し終了後でカートリッジスプールの駆動が
係止されたときのみ、カートリッジ蓋のロック解除がで
きると共に遮光ドアの閉鎖を行うことができる。
【0012】以上のカートリッジ蓋ロック装置はさら
に、上記ロック保持手段によるロック保持状態を外部か
らの操作により解除可能とするロック保持解除手段を備
えることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態に基づいて本
発明を説明する。図1および図2は、本発明によるシャ
ッターチャージ装置を適用したレンズシャッタ式カメラ
20のフィルム給送機構の配置状態を示す正面図および
平面図であり、図3は同カメラ20の背面側を示す斜視
図である。なお、このカメラ20に使用されるフィルム
カートリッジ10は、図14および図15に示す前述公
知のものである。
【0014】カメラ20は、そのカメラボディ21の正
面ほぼ中央に撮影レンズ22を備え、撮影レンズ22を
挟んで、左右の一方にフィルムカートリッジ10を装填
するフィルムカートリッジ室23、他方に巻上スプール
室24を備えている。フィルムカートリッジ室23の底
部には、フィルムカートリッジ10を装填し、装填され
たフィルムカートリッジ10を保持し、またフィルムカ
ートリッジ室23からフィルムカートリッジ10を取り
出すためのフィルムカートリッジ蓋27が設けられてい
る。フィルムカートリッジ室23の上壁内面からは、フ
ィルムカートリッジ蓋27に向かってカートリッジスプ
ール駆動軸131が突出している。一方巻上スプール室
24内にはフィルムFを巻き上げる巻上スプール25が
配置されている。カメラボディ21の上面には、レリー
ズ釦145、操作ノブ141を外部に突出させたフィル
ム給送ダイヤル140が設けられている。フィルム給送
ダイヤル140は手動運転式であり、その回転は原動ギ
ア142からカートリッジスプール駆動機構200およ
び巻上スプール駆動機構300に伝達され、カートリッ
ジスプール駆動軸131および巻上スプール25を同期
して回転させることができる。このフィルム給送ダイヤ
ル140の回転によってフィルムカートリッジ室23に
装填されたフィルムカートリッジ10から送り出された
フィルムFは、アパーチャ28後方(カメラ20の背面
側)のフィルム給送空間29を通って巻上スプール室2
4に達し、巻上スプール25に巻き上げられる。なお、
図1において、符号171はストロボ、172はファイ
ンダーの対物窓である。図3において、151はカート
リッジ蓋ロックレバー、181はファインダーの接眼窓
である。
【0015】図4から図6は、カメラボディ21内のフ
ィルム給送機構の詳細を表している。以下の図において
カメラボディ21は省略されているが、フィルムカート
リッジ10はフィルムカートリッジ室23に装填された
位置にあり、巻上スプール25は巻上スプール室24内
の所定位置に配置されているものとする。駆動源である
フィルム給送ダイヤル140は、カメラボディ21から
外部に突出する円盤状の操作ノブ141と、この操作ノ
ブ141の下部に同軸に接合されて、カメラボディ21
内部のカートリッジスプール駆動機構200および巻上
スプール駆動機構300に回転を伝達する原動ギア14
2から構成され、操作ノブ141を手動で送り出し(巻
き上げ)および巻き戻し方向に回転させてフィルムFの
給送を行う。
【0016】まずカートリッジスプール駆動軸131を
駆動するカートリッジスプール駆動機構200について
説明する。原動ギア142に噛み合う第一ギア201
は、原動ギア142の軸142xに回動自在に枢支され
たギアアーム204によって、軸201xを中心した自
転および軸142xを中心とした公転が可能に支持され
ている。この第一ギア201の自転軸201x方向に向
けて延設されたギアシャフト202を介して、第一ギア
201と同軸の遊星ギア203が設けられている。原動
ギア142に対する第一ギア201の公転に伴って、遊
星ギア203は、カートリッジスプール駆動ギア205
の内周側に形成されたギア面206の所定箇所に選択的
に噛み合う。
【0017】カートリッジスプール駆動ギア205のフ
ィルムカートリッジ室23側には、カートリッジスプー
ル駆動軸131がカートリッジスプール駆動ギア205
と軸線を一致して固設されている。このカートリッジス
プール駆動軸131は、略円柱状の基部133と、この
基部133の一端に軸線を一致して一体に形成した、基
部133より小径の結合部135を有している。この結
合部135は、カートリッジスプール12のスプール駆
動軸受穴12aに挿脱可能に係合されるもので、その先
端部側は先端に行くに従い小径となり先端に頂面が形成
されている。結合部135は外周面から突出するキー部
137を備えており、フィルムカートリッジ10がフィ
ルムカートリッジ室23に装填された状態では、結合部
135がカートリッジスプール12のスプール駆動軸受
穴12aに嵌合され、さらにキー部137がキー溝14
に係合されることでカートリッジスプール駆動軸131
の回転がカートリッジスプール12に伝達される。
【0018】続いて巻上スプール駆動機構300を説明
する。第一ギア301は、原動ギア142の外周上にお
いて上記第一ギア201と異なる位置で原動ギア142
に噛み合っており、この第一ギア301とカメラボディ
21下方にある第二ギア303は、フィルムカートリッ
ジ室23に隣接して上下方向に延びるギアシャフト30
2の上下端に同軸に接続されている。第二ギア303に
は、大径ギア305、大径ギア307が順次噛み合い、
大径ギア307の軸307xに対して所定幅の回動許さ
れたギアアーム308によって、大径ギア307に対し
て公転可能に遊星ギア309が支持されている。軸30
9xを有する遊星ギア309には、第二遊星ギア311
が同軸一体に接続されている。遊星ギア309と第二遊
星ギア311は、フィルム給送ダイヤル140の回転方
向を送り出し(巻き上げ)方向から巻き戻し方向に、あ
るいはその逆に変えたときに、ギアアーム308の回動
が許される範囲で公転を行う。この往復回転運動の一端
側に第二遊星ギア311(および遊星ギア309)が位
置するとき、巻上スプール25の下部にあって巻上スプ
ール25を回転させる巻上スプール駆動ギア313に第
二遊星ギア311が噛み合う。
【0019】このカメラ20のフィルム給送機構は以下
のように動作する。フィルムカートリッジ10がフィル
ムカートリッジ室23へ装着された状態でフィルム給送
ダイヤル140を送り出し方向(図5の反時計回り)に
回転させると、カートリッジスプール駆動機構200を
介してカートリッジスプール駆動軸131が送り出し方
向(同時計回り)に回転し、結合部135が係合するカ
ートリッジスプール12(スプール駆動軸受穴12a)
の回転により、フィルムFはフィルムカートリッジ10
から送り出されてカメラボディ21内のフィルム給送空
間29を通って巻上スプール25方向に進む(フィルム
Fの初期送り出し)。このとき、巻上スプール駆動機構
300を介して巻上スプール25が巻き上げ方向(図5
の時計回り)に回転しており、フィルムF先端が巻上ス
プール25に巻き付くと、カートリッジスプール12の
送り出し速度より若干速い巻上スプール25の巻き上げ
速度により、フィルムFが巻上スプール25に引っ張ら
れて所定量巻き上げられる。送り出し側より巻き上げ側
の回転を速くするのは、フィルムFに弛みが生じないよ
うにするためであり、カートリッジスプール駆動機構2
00と巻上スプール駆動機構300のギア比設定によ
り、共通の駆動源で回転するカートリッジスプール12
と巻上スプール25の回転速度を変化させることができ
る。また、巻き上げ当初に第二遊星ギア311と巻上ス
プール駆動ギア313が離反していても、フィルム給送
ダイヤル140の送り出し(巻き上げ)方向への回転に
よって遊星ギア309および第二遊星ギア311は、巻
上スプール駆動ギア313方向へ公転してこれに噛合す
るため、巻上スプール25は巻き上げ方向に回転を開始
する。
【0020】一方、フィルムFの巻き戻し時には、フィ
ルム給送ダイヤル140を巻き戻し方向(図6の時計回
り)に回転させる。大径ギア307の回転方向が変化す
るため、遊星ギア309および第二遊星ギア311は図
6に示すように反時計回りに公転し、第二遊星ギア31
1と巻上スプール駆動ギア313の噛合が解除されて両
者は離反する。巻上スプール駆動ギア313に動力が伝
わらない状態であるから、巻上スプール25はフリーと
なりフィルムFの巻き戻しはカートリッジスプール12
の巻き戻し方向への回転のみで行われる。従って、フィ
ルムカートリッジ10のカートリッジスプール12は送
り出しおよび巻き戻し用のスプールで、巻上スプール2
5は巻き上げ専用のスプールである。
【0021】以上のカメラ20に適用される、本発明に
よるカートリッジ蓋のロック装置について図7から図1
3を参照して説明する。カートリッジ蓋ロック装置は、
フィルムカートリッジ蓋27を閉鎖状態でロックするカ
ートリッジ蓋ロックレバー151と、このロック操作お
よびロック解除操作に連動して遮光ドア17を開閉させ
る遮光ドア開閉機構と、フィルムFがフィルムカートリ
ッジ10に巻き戻されたときにカートリッジスプール1
2の回転を係止すると共に上記遮光ドア開閉機構の動作
を許し、フィルムFがカメラ給送空間29内にあるとき
はカートリッジスプールの回転を許すと共に遮光ドア開
閉機構の動作を係止させるロック保持機構(スプールパ
ーキング機構)とからなっている。なお、以下の説明に
おいて「時計方向」および「反時計方向」という場合、
カメラ20の上面側から見た方向を指す。
【0022】カートリッジ蓋ロックレバー151は、図
3に示すようにカメラ20の背面側に突設されており、
フィルムカートリッジ蓋27を閉鎖したときに所定方向
へスライドすると、フィルムカートリッジ蓋27をロッ
クできる公知のロック機構である。
【0023】遮光ドア開閉機構は、フィルムカートリッ
ジ10の遮光ドア作動軸17a(係合切欠き17b)に
係合してこれを回転させることにより遮光ドア17の開
閉を行わせるドアドライバー30と、カメラボディ21
に設けたカートリッジ蓋開閉ロックレバー151のロッ
ク操作に連動してドアドライバー30に遮光ドア17の
開位置と閉位置とを取らせるドアドライバー駆動レバー
40とを有している。
【0024】ドアドライバー30は、円周方向への張り
出し部分32を有する円板部31と、この円板部31の
略中心部分から垂直方向に植設されたドアドライバー軸
33を備えている。ドアドライバー軸33は、円筒状の
回動軸部34と該回動軸部34の円筒面から径方向に突
設されたキー部35からなる。円板部31は、ドアドラ
イバー軸33をフィルムカートリッジ室23の上壁面か
らフィルムカートリッジ室23側へ突出させて、回動軸
部34を中心として回転可能にカメラボディ21内に設
置される。フィルムカートリッジ10をフィルムカート
リッジ室23に装着すると、回動軸部34が遮光ドア作
動軸17aに嵌合し、さらにキー部35が遮光ドア係合
切欠き17bに係合するため、ドアドライバー30が回
動を行うと遮光ドア作動軸17aに該回動が伝達され、
遮光ドア17の開閉が行われる。また、円板部31にお
いて回動軸部34と反対側の面には、回動軸部34に対
して同軸逆方向に植設された回動案内突起36と、張り
出し部分32先端から回動案内突起36と同方向に植設
された略円筒状の回動操作突起38とが設けられてい
る。
【0025】ドアドライバー駆動レバー40は、中央部
に円状開口部42が形成された環状部41と、この環状
部41から所定の平面方向に延設された回動操作腕部4
3、ドアドライバー操作腕部45からなる。このドアド
ライバー駆動レバー40は、カートリッジスプール駆動
軸131およびカートリッジスプール12の軸線と円状
開口部42の中心点Cが一致するように、カートリッジ
スプール駆動ギア205のフィルムカートリッジ室23
側に隣接して設置される。そしてカートリッジスプール
駆動軸131およびカートリッジスプール12とは独立
に、中心点Cを中心とする回動が可能にカメラボディ2
1内に支持されている。回動操作腕部43の先端部Yに
は、上記カートリッジ蓋ロックレバー151のロック操
作およびロック解除操作を伝達するロック操作接続機構
(不図示)が接続されており、フィルムカートリッジ蓋
27のロック操作(スライド操作)に連動して、ドアド
ライバー駆動レバー40は上記回動を行う。
【0026】一方、ドアドライバー操作腕部45は、レ
バー基部46と、このレバー基部46の先端からカメラ
ボディ21の上面側に向けて延設された回動係止部47
と、該回動係止部47の先端から上記レバー基部46と
略平行に延設されたドアドライバー操作部48とを有し
ている。ドアドライバー操作部48には、当接端部44
aを略半円状に形成した回動案内孔44が穿設されてい
る。回動案内孔44には、ドアドライバー30の回動操
作突起38が、当接端部44a側にその円筒面を当接さ
せて回転自在に嵌合される。
【0027】上述のように、カートリッジ蓋ロックレバ
ー151を操作すると、フィルムカートリッジ蓋27に
対してロック動作あるいはロック解除動作が行われる。
すると回動操作腕部43を介してドアドライバー駆動レ
バー40が中心点Cを中心に正逆に回転する。ドアドラ
イバー駆動レバー40の回転によりドアドライバー30
は回動軸部34を軸に正逆に回転操作される。そしてド
アドライバー30が回転すると、遮光ドア17が開閉動
作を行う。この連動の様子を図9および図10に示し
た。
【0028】図9は、回動操作腕部43の先端部Yに接
続されたカートリッジ蓋ロックレバー151がロック操
作され、フィルムカートリッジ蓋27を閉鎖状態でロッ
クしている場合を示す。このとき、ドアドライバー30
は遮光ドア17を開放する位置にある。カートリッジ蓋
ロックレバー151をロック解除操作すると、フィルム
カートリッジ蓋27のロックが解除され、これに連動し
て回動操作腕部43が図9中の矢印A方向に移動され、
ドアドライバー駆動レバー40は全体として中心点Cを
軸に反時計回転をする。このとき、回動案内孔44に嵌
合された回動操作突起38も同方向への回転駆動力を受
けるため、ドアドライバー30は回動軸部34を軸に反
時計方向に回転し、回動軸部34が嵌合する遮光ドア作
動軸17aを回転させて、遮光ドア17を閉鎖した図1
0の状態になる。カートリッジ蓋ロックレバー151が
ロック操作されると、上記とは逆方向の動作が行われて
図9に示す状態に戻る。別言すれば、フィルムカートリ
ッジ蓋27のロックが解除されると遮光ドア17が閉鎖
され(図10)、フィルムカートリッジ蓋27が閉じて
ロックされると遮光ドア17が開放される(図9)よう
に、遮光ドア17とフィルムカートリッジ蓋27は連動
している。
【0029】続いて、図7、図8および図11から図1
3を参照してロック保持機構(スプールパーキング機
構)について説明する。ロック保持機構(スプールパー
キング機構)は、カートリッジスプール駆動ギア205
と、このカートリッジスプール駆動ギア205の外周面
に対して平面方向に回転(揺動)運動を行って該ギアの
回転(駆動)を係止するスプールパーキングレバー50
と、スプールパーキングレバー50の回転を規制あるい
は解除するリワインドレバー60と、フィルムFに設け
たパーフォレーションPに係合して、フィルムFの給送
により軸回転するスプロケット70と、フィルムFのコ
マ数に応じた所定の回転を行うようにスプロケット70
に接続されると共に、所定状態において上記リワインド
レバー60と同様にスプールパーキングレバー50の回
転を係止するフィルム枚数板80とから構成される。
【0030】カートリッジスプール駆動軸131を介し
てカートリッジスプール12を回転させるカートリッジ
スプール駆動ギア205は、内周面にギア面206を有
する内歯ギヤであり、そのギア外周面207は滑らかな
円筒面形状をなしている。このギア外周面207上の所
定箇所には、ギア面206方向へ向けて係合凹部209
が形成されている。
【0031】スプールパーキングレバー50は、レバー
軸部51から正逆方向に延設されたスプール駆動ギア係
止レバー53および回動規制レバー55を有している。
スプール駆動ギア係止レバー53は、基部53aと、こ
の基部53aの端部から段差を有して基部53aと略平
行に延設されたレバー部53bとからなり、該レバー部
53bの先端部は平面方向に折曲されて第一係合部54
が形成されている。一方、回動規制レバー55は、レバ
ー部55aの先端付近において平面方向に複数回折曲さ
れた規制部55bによって、その一側面55sに回動許
容凹部56が形成されている。回動許容凹部56は、上
記側面55sに略平行な底面56aと、この底面56a
の端部から回動規制レバー55の先端方向へ向かう傾斜
面56bを備えている。規制部55bから最先端部まで
はレバー部55aと略平行に短い延長部55cが延設さ
れ、上記側面55sの延長線上にある回動規制面58が
設けられる。延長部55cの端部は回動規制レバー55
から略垂直に立ち上がった第二係合部59が突設され
る。また、レバー軸部51からはさらに、駆動レバー規
制部90が形成されている。駆動レバー規制部90は、
基部91とこれより平面方向に延設されたフック状の案
内腕部95からなっている。基部91と案内腕部95に
より回動案内面94が形成され、この回動案内面94に
対して案内腕部95を挟んだ対向側の基部91には、駆
動レバー係止面96が設けられている。
【0032】レバー軸部51には軸受穴51aが穿設さ
れている。スプールパーキングレバー50は、スプール
駆動ギア係止レバー53をフィルムカートリッジ室23
(フィルムカートリッジ10)側に、回動規制レバー5
5を巻上スプール室24(巻上スプール25)側に向け
て、上記カートリッジスプール駆動軸131の軸線と略
平行にカメラボディ21内に設置した回動軸121に、
軸受穴51aを回転自在に嵌合支持される。これにより
スプールパーキングレバー50は、軸受穴51aを中心
として平面方向への回転(揺動)が可能であり、また該
回転によって第一係合部54の先端部が上記ギア外周面
207(係合凹部209)に係脱可能な位置にある。回
動規制レバー55には、カメラ20の背面側へ引張する
引張ばね111が接続されており、スプールパーキング
レバー50は反時計方向(図11ないし図13)に付勢
される。つまり、第一係合部54とギア外周面207
(係合凹部209)が当接あるいは係合する方向に付勢
されている。この設置状態では、駆動レバー規制部90
の駆動レバー係止面96が、上記ドアドライバー駆動レ
バー40の回動係止部47近傍の所定位置にあり、回動
案内面94には、上記ドアドライバー30の回動案内突
起36が嵌合する。回動案内突起36はドアドライバー
30の回転軸に一致しているため移動を行わないので、
回動案内面94の奥部に回動案内突起36が当接するま
で、スプールパーキングレバー50は上記付勢方向への
回転を行うことができる。
【0033】リワインドレバー60は、略矩形の板状部
63と、この板状部63の長手方向の一側面に固設され
た操作部67を備えている。板状部63には、操作部6
7との接続面近傍に、板状部63の長手方向へ向けてス
ライド溝64が穿設されている。スライド溝64には、
上記回動軸121と略平行にカメラボディ21内に設置
された一対のスライド支持軸68、69が挿通されてお
り、リワインドレバー60は、スライド支持軸68がス
ライド端部64aに当接する位置A(図中)とスライド
支持軸69がスライド端部64bに当接する位置B(図
中)の間でスライド可能に支持されている。本実施形態
では前者Aにあるときのリワインドレバー60の位置を
「スプールフリー位置」、後者Bの位置を「パーキング
位置」と呼ぶ。操作部67はカメラ20の背面側でカメ
ラボディ21外部に突出していて(図3)、このスライ
ドは外部から手動で行うことができる。また、板状部6
3表面の所定位置からは、略円筒状のレバー回動規制突
起65がカメラ20の上面方向へ植設されている。
【0034】この設置状態で、スプールパーキングレバ
ー50とリワインドレバー60のスライド方向への位置
関係は、リワインドレバー60がスプールフリー位置に
あるときはレバー回動規制突起65の円筒面が上記回動
規制面58に当接し、パーキング位置にあるときはレバ
ー回動規制突起65の円筒面が上記回動許容凹部56の
底面56a近傍にあるように配置されている。
【0035】スプロケット70は、略円板状の回転部7
1と、回転部71の円周面から半径方向に突設された4
つの係合歯72と、回転部71から軸線を一致して延設
された略円筒状のスプロケットシャフト73と、スプロ
ケットシャフト73の先端からさらに軸線方向に植設さ
れた回転伝達歯74から構成される。回転伝達歯74
は、外壁面に軸対称に形成された2つの凹部75を備え
ている。カメラボディ21内においてスプロケット70
は、係合歯72がカメラ20の正面側からフィルムFの
パーフォレーションPと係合可能な位置に、回転伝達歯
74をカメラ20の上面側に向けて設置される。
【0036】フィルム枚数板80は、ギア83を有する
回転円板81から構成され、その回転中心に軸受穴81
aを有している。回転円板81の一面側には、回転円板
81の円周と同心円状に環状をなす回動規制リブ85が
設けられている。回動規制リブ85は一定の厚みを有し
て回動規制リブ85の内周壁86側と外周壁側を区切っ
ているが、一カ所のみ貫通されて内周壁86側と外周側
を連通する連通部87が形成されている。
【0037】フィルム枚数板80は、回動規制リブ85
を有する面をカメラ20の底面側に向けて、スプロケッ
トシャフト73の軸線方向と略平行にカメラボディ21
内に配置された回動軸123により、軸受穴81aを中
心に回転可能に軸支される。ここで、上記回転伝達歯7
4がギア83と係合するようにフィルム枚数板80は設
置されるため、フィルムFが正逆に給送されるとパーフ
ォレーションPに係合するスプロケット70が正逆に回
転し、これに応じてフィルム枚数板80も回転を行う。
パーフォレーションPは撮影一コマにつき一組(2つ)
フィルムに形成されており、スプロケット70は係合歯
72を4つ備えているので、フィルムFが一コマ分給送
(送り出しあるいは巻き戻し)されると、スプロケット
70が2分の1回転する。上記のように回転伝達歯74
は2つの凹部75を備えているのであるから、スプロケ
ット70の2分の1の回転は回転伝達歯74の凹部75
一つ分に対応する回転となる。よってフィルムF一コマ
分の給送に対しては、回転伝達歯74の凹部75に噛合
するギア83一歯分だけフィルム枚数板80が回転す
る。フィルム枚数板80は、撮影枚数が「0」のとき、
回動規制リブ85の連通部87がカメラ20の背面側に
向くように回転位相が設定されている(初期位置)。ま
た、フィルム枚数板80の設置状態では同時に、上記ス
プールパーキングレバー50の第二係合部59がカメラ
20の底面側から回動規制リブ85近傍の所定位置に当
接する。
【0038】以上の構成のカートリッジ蓋ロック装置の
動作を、カメラ20の上面側から見て示す図11から図
13を用いて説明する。図11はフィルムFがフィルム
カートリッジ10から送り出されている状態、図12は
フィルムFの巻き戻しが終了して送り出し量がゼロにな
った状態、図13は図12の状態からさらにスプールパ
ーキングが完了し、遮光ドア17は閉鎖され、フィルム
カートリッジ蓋27の開閉が可能となった状態をそれぞ
れ示している。
【0039】図11は、フィルムFがフィルム給送空間
29内に送り出されている状態を示す。撮影途中では、
一コマ分の撮影が終了する毎にフィルム給送ダイヤル1
40を送り出し(巻き上げ)方向に回転させると、フィ
ルムカートリッジ10からフィルムFが一コマ分フィル
ム給送空間29に送り出されて巻上スプール25に巻き
上げられる。上述したように、フィルムF一コマ分の送
り出し(巻き戻し)に応じてスプロケット70が2分の
1回転し、フィルム枚数板80はギア83一歯分だけ回
転する。従って、コマ数X枚の撮影をするとフィルム枚
数板80はX歯分回転する。なお、フィルムFは図中左
手にあるフィルムカートリッジ10から送り出され、右
手方向の巻上スプール25に巻き上げられていく。よっ
てフィルムFの送出時には、パーフォレーションPに係
合するスプロケット70は時計方向に回転し、フィルム
枚数板80は反時計方向に回転する。巻き戻し時にはこ
れと逆の回転が行われる。この間、スプールパーキング
レバー50は引張ばね111により反時計方向に付勢さ
れているが、第二係合部59がフィルム枚数板80に設
けた回動規制リブ85の内周壁86に規制され、さらに
スプールフリー位置にあるリワインドレバー60のレバ
ー回動規制突起65が回動規制面58を規制するため、
スプールパーキングレバー50は回転係止された状態で
ある。
【0040】上記段階(図11)では、ドアドライバー
30およびドアドライバー駆動レバー40は図9に示し
た位置関係にある。即ちフィルムカートリッジ蓋27は
閉鎖してロックされ、遮光ドア17は開放されている。
カートリッジ蓋ロックレバー151を操作してフィルム
カートリッジ蓋27のロックを解除するには、これに連
動するドアドライバー駆動レバー40が反時計回転する
ことが必要であるが、ドアドライバー駆動レバー40の
回動係止部47の一側面が、スプールパーキングレバー
50の駆動レバー係止面96に規制されている。スプー
ルパーキングレバー50は上述のように付勢方向への回
転が係止されているため、結果としてドアドライバー駆
動レバー40は反時計方向の回転が係止されている。よ
ってカートリッジ蓋ロックレバー151は操作不能で、
フィルムカートリッジ蓋27のロックが保持され、遮光
ドア17を閉鎖することもフィルムカートリッジ蓋27
を開放することこともできない。
【0041】所定コマ数Xの撮影を終了後、リワインド
レバー60をパーキング位置にスライドさせると、スプ
ールパーキングレバー50に対するレバー回動規制突起
65の当接位置が、回動規制面58から離れて回動許容
凹部56方向へ推移する。これでリワインドレバー60
に関しては、スプールパーキングレバー50の反時計方
向への回転の規制が解除されるが、回動規制リブ85の
内周壁86は依然として第二係合部59を係止している
ためスプールパーキングレバー50は付勢方向に回転し
ない。故に、ドアドライバー駆動レバー40は駆動レバ
ー係止面96に規制されるため反時計回転が許されず、
フィルムカートリッジ蓋27のロックを解除できない。
【0042】続いてフィルム給送ダイヤル140を巻き
戻し方向(時計方向)に回転させると、カートリッジス
プール駆動ギア205を含むカートリッジスプール駆動
機構200を介して、カートリッジスプール12が巻き
戻し方向(反時計方向)に回転し、フィルムFをフィル
ムカートリッジ10内に収納していく。送り出し(巻き
上げ)と同様に、一コマ分のフィルムFが巻き戻される
とスプロケット70を介してフィルム枚数板80はギア
83一歯分、上記送り出し(巻き上げ)時とは逆方向
(時計方向)に回転する。撮影枚数がXであった場合に
は、フィルム枚数板80はギア83X歯分の逆回転が行
われると撮影枚数が「0」になる。撮影枚数が「0」と
いうことは即ち回動規制リブ85の連通部87がカメラ
20の背面側を向いた初期位置に戻った状態である。該
状態ではスプールパーキングレバー50の第二係合部5
9が回動規制リブ85の内周壁86の規制を受けない位
相関係となるので、スプールパーキングレバー50は反
時計方向への回転が許される。従って、フィルムFの枚
数が「0」になると、引張ばね111の付勢力によりス
プールパーキングレバー50は軸受穴51aを中心とし
て反時計回転する。この回転は、第一係合部54の端面
がカートリッジスプール駆動ギア205のギア外周面2
07に当て付くと係止される。このときスプールパーキ
ングレバー50は、駆動レバー係止面96が回動係止部
47を規制する位置にあるため、ドアドライバー駆動レ
バー40は反時計回転できず、従ってフィルムカートリ
ッジ蓋27のロック解除不能の状態が続く(図12)。
【0043】図12の段階では、第一係合部54の端部
がカートリッジスプール駆動ギア205のギア外周面2
07に当接しているが、カートリッジスプール駆動ギア
205は回転可能であるため、撮影者は巻き戻し方向へ
のフィルム給送ダイヤル140の回転を続行する。この
ときフィルムFはフィルムカートリッジ室23側へ巻き
取られておりフィルム給送空間29内にはないので、フ
ィルムFのパーフォレーションPとスプロケット70の
係合歯72に係合関係はなく、カートリッジスプール駆
動ギア205(カートリッジスプール駆動軸131)の
みが回転する。この回転の結果、係合凹部209が第一
係合部54と係合可能な回転位置に達すると、引張ばね
111の付勢力によりスプールパーキングレバー50は
上記位置よりさらに反時計方向に回転し、第一係合部5
4と係合凹部カメラ209が係合する。これによりカー
トリッジスプール駆動ギア205の回転は係止され、フ
ィルム給送ダイヤル140の操作によってカートリッジ
スプール12を回転させることができなくなり、スプー
ルパーキングが完了する。フィルム給送ダイヤル140
の回転が係止されるため、撮影者はフィルムFの巻き取
りが終了したことを感知できる。このとき、フィルムカ
ートリッジ10の露光状態表示器16は、露光済を表示
している。
【0044】カートリッジスプール12のスプール駆動
軸受穴12aの内壁面に形成されたキー溝14と、露光
状態表示器16の回転表示板12bは、回転位置関係が
決定されている。そのため、カートリッジスプール駆動
軸131、カートリッジスプール駆動ギア205の停止
位置を規制することにより、露光状態表示器16の表示
を任意に調節することが可能である。本実施形態では、
回転表示板12bが「露光済み」を示す表示孔16aに
対応する回転位相でスプールパーキングが完了するよう
に、カートリッジスプール駆動ギア205の係合凹部2
09と、スプールパーキングレバー50の第一係合部5
4との位置関係が設定されている。
【0045】スプールパーキングレバー50がこの位置
まで回転すると、駆動レバー係止面96による規制がな
くなるため、ドアドライバー駆動レバー40は反時計回
転が許される。つまり、カートリッジ蓋ロックレバー1
51の操作が可能になるので、これをロック解除操作す
るとロック操作接続機構(不図示)を介して回動操作腕
部43が図中下方(カメラ20の正面方向)に押し込ま
れ、ドアドライバー駆動レバー40が中心点Cを中心に
反時計回転する。これによって、ドアドライバー駆動レ
バー40およびドアドライバー30は上述したように図
10に示した位置関係となり、ドアドライバー30のド
アドライバー軸33が遮光ドア作動軸17aを回転させ
て遮光ドア17が閉鎖される。この閉鎖のときにはフィ
ルムFの巻き戻しは完了しているためフィルムFがフィ
ルム給送空間29内になく、しかもカートリッジスプー
ル12の回転は係止されているので、カートリッジスプ
ール12を不用意に送り出し方向に回転させるおそれが
ない。よってフィルムFに対する漏光や損傷、遮光ドア
17およびその開閉機構の破損などが起こらず、フィル
ムカートリッジ蓋27を開けてフィルムカートリッジ1
0をフィルムカートリッジ室23から取り出すことが可
能となる(図13)。
【0046】フィルムカートリッジ10を取り出した段
階ではスプールパーキング状態が保持されているので、
フィルムカートリッジ蓋27の開閉およびロック操作は
自由である。新しいフィルムカートリッジ10に交換す
るときは、これをフィルムカートリッジ室23に装填し
てからフィルムカートリッジ蓋27を閉鎖し、カートリ
ッジ蓋ロックレバー151をロック操作する。ドアドラ
イバー駆動レバー40はこれに連動して図9の位置に戻
り、ドアドライバー30が遮光ドア17を開放する。
【0047】続いてリワインドレバー60をパーキング
位置からスプールフリー位置にスライドさせる。スライ
ド支持軸68、スライド支持軸69の案内を受けるリワ
インドレバー60はカメラ20の前後方向には移動せ
ず、レバー回動規制突起65を傾斜面56bに当接させ
て回動規制レバー55を図11から図13における下方
向(カメラ20の正面側)へ押し込みながらスライドす
る。これによりスプールパーキングレバー50が引張ば
ね111の付勢力に抗して時計方向(図11ないし図1
3)に回転され、第一係合部54と係合凹部209の係
合が解除される。スプールパーキングレバー50が時計
方向に回転したため、駆動レバー係止面96によってド
アドライバー駆動レバー40の反時計回転は再び規制さ
れ、フィルムカートリッジ蓋27のロックが保持され
る。
【0048】第一係合部54と係合凹部209の係合が
解かれると、カートリッジスプール駆動ギア205およ
びカートリッジスプール12は回転可能になる。但し、
リワインドレバー60がスプールフリー位置に達する
と、レバー回動規制突起65が回動規制面58を規制し
てスプールパーキングレバー50が反時計方向に回転で
きくなるためスプールフリー状態が保持されるが、フィ
ルムFの枚数表示が「0」のときはフィルム枚数板80
はスプールパーキングレバー50を規制しないので、リ
ワインドレバー60のみがスプールパーキングレバー5
0の回転を規制している。
【0049】続いて、フィルム給送ダイヤル140を操
作してフィルムFを送り出し(巻き上げ)方向に給送し
て一コマ以上進めると、回動規制リブ85の内周壁86
がスプールパーキングレバー50の第二係合部59を規
制する図11の状態となって、リワインドレバー60を
パーキング位置にスライドしてもスプールパーキングレ
バー50は付勢方向へ回転しなくなる。これにより、ド
アドライバー駆動レバー40の反時計回転は係止され、
フィルムFがフィルム給送空間29に排出されている状
態ではフィルムカートリッジ蓋27のロックが確実に保
持される。以下上述の手順を繰り返して、撮影、巻き戻
しを行っていく。
【0050】以上、図示実施形態に基づいて本発明を説
明したが、これに限定されるものではない。例えばスプ
ロケットやフィルム枚数板の歯数は、フィルムに設けら
れるパーフォレーションの形態やフィルム枚数に対応さ
せることが可能である。さらに、回転係止を行うのは、
カートリッジスプール駆動ギア以外の、カートリッジス
プール駆動ギア列内の所望のギアとすることも可能であ
る。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明によ
れば、フィルムがカートリッジ内に収納されてカートリ
ッジスプールの駆動が係止されたときのみ、カートリッ
ジ蓋のロック解除を可能とした、自己推進式フィルムカ
ートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカートリッジ蓋ロック装置を適用
したレンズシャッタ式カメラにおけるフィルム給送機構
の配置状態を示す正面図である。
【図2】同レンズシャッタ式カメラの平面図である。
【図3】同レンズシャッタ式カメラを下方から見て示す
斜視図である。
【図4】図1ないし図3のレンズシャッタ式カメラにお
けるフィルム給送機構の駆動ギア列を表す正面図であ
る。
【図5】図4の駆動ギア列の送り出し(巻き上げ)時の
駆動方向を示す平面図である。
【図6】図4の駆動ギア列の巻き戻し時の駆動方向を示
す平面図である。
【図7】本発明のカートリッジ蓋ロック装置を適用した
フィルム給送機構の全体を表す斜視図である。
【図8】図7のカートリッジ蓋ロック装置の構成部材を
分解して示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態において、カートリッジ蓋
がロックされたときのドアドライバーとドアドライバー
駆動レバーの連動関係を示す平面図である。
【図10】図9において、カートリッジ蓋のロックが解
除されたときのドアドライバーとドアドライバー駆動レ
バーの連動関係を示す平面図である。
【図11】フィルムの送り出し中、撮影途中におけるカ
ートリッジ蓋ロック装置を示す平面図である。
【図12】フィルム巻き戻しが完了した直後におけるカ
ートリッジ蓋ロック装置を示す平面図である。
【図13】スプールパーキングが完了し、ロック解除可
能となったカートリッジ蓋ロック装置を示す平面図であ
る。
【図14】本発明に適用されるフィルムカートリッジの
一例の外観を示す斜視図である。
【図15】図14のフィルムカートリッジを上下反対位
置から見て示す斜視図である。
【符号の説明】
F フィルム P パーフォレーション 10 フィルムカートリッジ 12 カートリッジスプール 17 遮光ドア 20 カメラ 21 カメラボディ 23 フィルムカートリッジ室 24 巻上スプール室 25 巻上スプール 27 フィルムカートリッジ蓋 30 ドアドライバー 33 ドアドライバー軸 38 回動操作突起 40 ドアドライバー駆動レバー 43 回動操作腕部 45 ドアドライバー操作腕部 47 回動係止部 48 ドアドライバー操作部 50 スプールパーキングレバー 53 スプール駆動ギア係止レバー 54 第一係合部 55 回動規制レバー 56 回動許容凹部 58 回動規制面 59 第二係合部 60 リワインドレバー 65 レバー回動規制突起 70 スプロケット 74 回転伝達歯 80 フィルム枚数板 85 回動規制リブ 87 連通部 90 駆動レバー規制部 96 駆動レバー係止面 131 カートリッジスプール駆動軸 140 フィルム給送ダイヤル 142 原動ギア 151 カートリッジ蓋ロックレバー 200 カートリッジスプール駆動機構 205 カートリッジスプール駆動ギア 207 ギア外周面 209 係合凹部 300 巻上スプール駆動機構 313 巻上スプール駆動ギア

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己推進式フィルムカートリッジカメラに
    おいて、 上記フィルムカートリッジの収納室を開閉するカートリ
    ッジ蓋と;このカートリッジ蓋を閉状態でロックする蓋
    ロック手段と;上記フィルムカートリッジのスプールを
    回転させるスプール駆動手段と;上記スプール駆動手段
    の回転を係止する位置と回転を許容する位置とに移動可
    能なスプール駆動係止手段と;フィルムのフィルムカー
    トリッジからの送り出し量を検出するフィルム枚数検出
    手段と;このフィルム枚数検出手段によるフィルムの送
    り出し量がゼロであるときに、上記スプール駆動係止手
    段を係止位置に移動させてスプール駆動手段を係止する
    スプールパーキング手段と;上記スプール駆動係止手段
    がスプール駆動手段の係止を解除しているとき、上記蓋
    ロック手段のロック解除動作を不能とし、上記スプール
    パーキング手段により該スプール駆動手段が係止されて
    いるとき該蓋ロック手段のロック解除動作を可能とする
    ロック保持手段と;を備えたことを特徴とする自己推進
    式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記フィルムカート
    リッジは、その一方の端面から露呈した開閉作動軸の回
    転により開閉する遮光ドアを有し、さらに、上記開閉作
    動軸に係脱可能なドライバー軸を備え、該開閉作動軸と
    同軸の回転を行って上記遮光ドアを開放および閉鎖させ
    るドアドライバーと;上記蓋ロック手段の操作に連動し
    て上記ドアドライバーを回転させ、カートリッジ蓋が閉
    鎖状態でロックされたとき上記ドアドライバーが遮光ド
    アを開放させる位置を取り、カートリッジ蓋のロックが
    解除されたとき該ドアドライバーが遮光ドアを閉鎖させ
    る位置を取るドアドライバー駆動レバーと;を備えた自
    己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋
    ロック装置。
  3. 【請求項3】 請求項1および2において、上記ロック
    保持手段は、上記スプール駆動手段の回転係止が解除さ
    れているとき、上記ドアドライバー駆動レバーの遮光ド
    ア閉鎖位置への移動を不能とし、該スプール駆動手段が
    回転係止されているとき該ドアドライバー駆動レバーの
    遮光ドア閉鎖位置への移動を可能とした、自己推進式フ
    ィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3において、上記ロック
    保持手段によるロック保持状態を外部からの操作により
    解除可能とするロック保持解除手段を備えた、自己推進
    式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック
    装置。
JP20011296A 1996-07-30 1996-07-30 自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置 Pending JPH1048724A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20011296A JPH1048724A (ja) 1996-07-30 1996-07-30 自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20011296A JPH1048724A (ja) 1996-07-30 1996-07-30 自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1048724A true JPH1048724A (ja) 1998-02-20

Family

ID=16419036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20011296A Pending JPH1048724A (ja) 1996-07-30 1996-07-30 自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1048724A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0756219A (ja) カメラ
JPH1048724A (ja) 自己推進式フィルムカートリッジカメラのカートリッジ蓋ロック装置
JP3195023B2 (ja) フィルム装填装置
JPH1048720A (ja) 自己推進式フィルムカートリッジカメラ
JPH1048722A (ja) 自己推進式フィルムカートリッジカメラのスプールパーキング装置
JPH1048723A (ja) 自己推進式フィルムカートリッジカメラのスプールパーキング装置
US5497212A (en) Rewinding device for cameras
JPH1039399A (ja) 自己推進式フィルムカートリッジカメラ
JP2000347261A (ja) カメラ
US5933669A (en) Film winding mechanism with reduced space requirements
JP3152565B2 (ja) カメラ
JP2867089B2 (ja) カメラ
JPH06160951A (ja) 撮影装置のフィルム巻上・巻戻切換機構
JPH04343353A (ja) 写真フイルムパトローネ及びこれを使用するカメラ
JP3216329B2 (ja) カートリッジスプール駆動機構及びカメラ
JP2576915Y2 (ja) レンズ付フィルムユニットのレリーズロック機構
JP3230325B2 (ja) カメラ
JPH05232636A (ja) レンズ付フィルムユニット
JP2000347266A (ja) カメラ
JPH04186238A (ja) 手巻きカメラ用巻戻し装置
JPH10142679A (ja) カメラのカートリッジ室蓋のロック構造
JP2004117869A (ja) 動力切替え手段及びこれを用いた装置
JP2002229118A (ja) フィルムカートリッジ装填装置及びカメラ
JP2002244177A (ja) 絞り切替装置
JPH06233743A (ja) 裏蓋開閉ロック装置付撮影装置