JP2002229118A - フィルムカートリッジ装填装置及びカメラ - Google Patents

フィルムカートリッジ装填装置及びカメラ

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JP2002229118A
JP2002229118A JP2001022357A JP2001022357A JP2002229118A JP 2002229118 A JP2002229118 A JP 2002229118A JP 2001022357 A JP2001022357 A JP 2001022357A JP 2001022357 A JP2001022357 A JP 2001022357A JP 2002229118 A JP2002229118 A JP 2002229118A
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opening
film
cartridge
spool
film cartridge
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JP2001022357A
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English (en)
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Yoji Naka
洋二 那珂
Kiyotaka Kobayashi
清隆 小林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムカートリッジを収容する筒体の開口
に、ロック状態の開閉蓋の開閉可能時期を制限するロッ
ク解除阻止機構を設けることで、フィルムカートリッジ
のスプールの軸方向の部品組付スペースを拡大すること
なく、全体としてコンパクト化を実現する。 【解決手段】 カートリッジ開閉蓋38の開放を写真フ
ィルム36の状態に基づいて、開放を阻止する機構を、
カートリッジ開閉蓋38側に構成したため、カートリッ
ジ室35の奥側に設けるよりも部品の組み付けスペース
が少なくて済む。すなわち、カートリッジ開閉蓋38側
では、干渉を防ぐ周囲の部品等が少なく、かつ組み付け
時の作業スペースも大きくとることができるため、無駄
なスペースを軽減することができる。これにより、カメ
ラ12の高さ寸法を小さくすることができ、カメラ12
の全体としてコンパクト化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺フィルムをス
プールに巻き取って、筐体内に収容するためのフィルム
カートリッジを所定の位置に装填するためのフィルムカ
ートリッジ装填装置及びこのフィルムカートリッジ装填
装置が搭載されたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】長尺フィルムをスプールに巻きとって収
容する代表的なフィルムカートリッジの代表的な例とし
ては、APS(アドバンスト・フォト・システム)仕様
のフィルムカートリッジが挙げられる。
【0003】このフィルムカートリッジでは、カメラに
設けられたカートリッジ室に装填することで、全てがカ
ートリッジ内に巻き込まれているフィルムを自動的に引
出し、各コマ毎の撮影が終了すると、引出されたフィル
ムを巻き戻していくことができ、従来の135フィルム
パトローネに比べ、装填操作性が向上している。
【0004】なお、カメラのカートリッジ装填室の開口
には、カートリッジ蓋が設けられており、フィルムカー
トリッジの装填後に閉止することで、遮光された状態が
維持される。
【0005】すなわち、フィルムカートリッジをカート
リッジ室に装填してカートリッジ蓋を閉じると、所定の
位置で係止されていたロックレバーの係止が解除され、
ロックレバーが回動してカートリッジ蓋を閉じ位置にロ
ックすると共に、ロックレバーの回動に連動して、フィ
ルムカートリッジの遮光蓋が開かれる。
【0006】カートリッジ室内には、スプール駆動部材
が設けられており、このスプール駆動部材が給送モータ
によって駆動され、スプールを順方向に回転して写真フ
ィルムを送り出す。
【0007】また、全撮影コマが撮影完了、或いは、巻
き戻し操作をすることで、スプール駆動部材によってス
プールが逆方向に回転され、写真フィルムがフィルムカ
ートリッジに巻き戻される。
【0008】ここで、APSでは、写真フィルムがフィ
ルムカートリッジに全て待き戻された後もスプール駆動
部座位は逆方向へ回転を続ける。この回転中にカメラに
組み込まれたマイクロコンピュータが写真フィルムの使
用状態を判定し、スプールと一体に回転するようにして
フィルムカートリッジに組み込まれた表示板の停止位置
を制御する。
【0009】これにより、フィルムカートリッジに形成
された「未使用」、「撮影途中」、「撮影済(未現
像)」、「現像済」を示す4個の表示開口の内、「撮影
済」に表示板が対峙して停止し、表示切り換えが行われ
る(以下、VEI(Visual Expose Indicate)処理とい
う)。
【0010】フィルムカートリッジを取り出すには、こ
のVEI処理が終了し、給送モーターが停止してから、
カメラの外部に設けられた操作部を操作する。この操作
部の操作によって、ロックレバーが回動して、フィルム
カートリッジの遮光蓋が閉じられ、カートリッジ蓋のロ
ックが解除されて、カートリッジ室が開放され、フィル
ムカートリッジを取り出すことができる。
【0011】ところで、VEI処理が終了する前に、カ
ートリッジ蓋のロックが解除されると、VEI処理が不
完全となり、実際の使用状態と異なる状態の表示で取り
出される場合がある。
【0012】このため、フィルムカートリッジの表示板
が「未使用」の位置にある状態では、カートリッジ蓋の
ロックが解除されないようにしたカートリッジ蓋のロッ
ク解除阻止機構が提案されている(米国特許第5587
757号明細書参照)。
【0013】このロック解除阻止機構は、周縁の一部に
突起が設けられ、スプールと一体的に回転する円盤状の
カム部材と、カム部材の突起に押されて揺動し、カート
リッジ蓋のロックを解除するロックレバーの動きを阻止
する阻止部材をとから構成され、カム部材の突起によっ
て阻止部材が押される範囲が、フィルムカートリッジに
おける「撮影済」に停止される範囲と対応している。こ
れにより、「撮影済」のときのみロックレバーの動きが
可能となり、不用意なカートリッジ蓋の開放を防止する
ことができる。
【0014】
【発明が解決しよとする課題】しかしながら、上記提案
の先行技術を含め、ロック解除阻止機構は、通常カメラ
本体側、すなわち、カメラの底面にカートリッジ蓋が設
けられており、このカートリッジ蓋を開放することによ
り露呈するカートリッジ室の底部(カメラの上部)側に
設けられているため、カートリッジ室の奥側にはこのロ
ック解除阻止機構を設けるスペースが必要となり、カメ
ラ自体の高さ寸法のコンパクト化の大きな妨げとなって
いる。
【0015】本発明は上記事実を考慮し、フィルムカー
トリッジを収容する筒体の開口に、ロック状態の開閉蓋
の開閉可能時期を制限するロック解除阻止機構を設ける
ことで、フィルムカートリッジのスプールの軸方向の部
品組付スペースを拡大することなく、全体としてコンパ
クト化を可能とするフィルムカートリッジ装填装置及び
カメラを得ることが目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、長尺フィルムをスプールに巻き取って、筐体内に収
容するためのフィルムカートリッジを所定の位置に装填
するためのフィルムカートリッジ装填装置であって、前
記フィルムカートリッジを収容する有底の筒体と、前記
筒体の一端面開口部に設けられ、当該開口部を開閉する
開閉蓋と、前記筒体の底部及び開閉蓋のそれぞれに設け
られ、前記フィルムカートリッジの両端部に露出するス
プール端と嵌合可能とされ、当該フィルムカートリッジ
を保持する一対の保持部材と、前記開閉蓋の閉止動作に
伴って当該開閉蓋を閉止状態でロックするロック手段
と、前記筒体側に設けられ、前記ロック手段によるロッ
ク状態を解除する操作部と、前記開閉蓋側に設けられ、
前記スプールの回転方向における少なくともスプールの
回転方向における所定位置を検出する回転位置検出手段
と、前記回転位置検出手段で前記所定位置を検出してい
ないとき、前記操作部による開閉蓋のロック状態解除を
阻止する阻止手段と、を有している。
【0017】請求項1に記載の発明によれば、フィルム
カートリッジが筒体に収容され、開閉蓋が閉じられる
と、開閉蓋はロック手段によって閉止状態でロックされ
る。
【0018】また、このとき、フィルムカートリッジの
両端面から露出するスプールは、それぞれ筒体の底部と
開閉蓋とに設けた保持部材に保持される。
【0019】ロック手段のロック状態は、操作部の操作
によって解除され、開閉蓋を開放することができる。
【0020】しかし、フィルムカートリッジ内のフィル
ムが全巻取位置以外で開閉蓋が開閉されると、例えばフ
ィルムが感光性であれば、開閉蓋の開閉によって光にさ
らされてしまうといった不具合がある。そこで、全巻取
位置検出手段によりフィルムが全巻取位置を検出してい
ないときは、前記操作部を操作しても開閉蓋のロック状
態が解除されることを阻止する(阻止手段)。これによ
り、フィルムへの不具合を解消することができる。
【0021】ここで、上記全巻取位置検出手段並びにこ
の全巻取位置検出手段の検出状態を阻止手段で伝達する
部材を含む構成部品の一部を筒体側に設ける場合、その
組付スペースは筒体の底部側にしかなく、筒体又は筒体
の周辺の部品点数が多くなり、コンパクト化の妨げとな
る。このため、請求項1に記載の発明では、全巻取位置
検出手段を開閉蓋側に設けることで、筒体の底部の組付
スペースをなくし、フィルムカートリッジ装填装置自体
をコンパクト化することができる。
【0022】なお、上記装填装置には、以下に示す構成
が備わっていることが好ましい。すなわち、前記保持部
材が、円柱状突起部であり、外周の一部から半径方向
に、前記スプールに設けられたキー溝に収容されるキー
が突出され、かつ前記キーは、キー溝から退避する方向
に所定量移動可能とされると共にキー溝に突出する方向
に付勢されており、前記キー溝と回転方向位置が一致す
るまでの逃げ代とされていることを特徴とする。
【0023】これによれば、キーを軸方向に所定量移動
可能とすることで、保持部材とフィルムカートリッジの
スプールとが嵌合するとき、回転方向の相対位置関係が
狂っていても、嵌合するまでの間の逃げ代となり、フィ
ルムカートリッジが筒体に収容されなかったり、開閉蓋
が閉じられないといった不具合を解消することができ
る。
【0024】請求項2に記載の発明は、前記請求項1に
記載の発明において、前記回転位置検出手段が、前記開
閉蓋側の保持部材に一体的に設けられたカム板と、当該
カム板の移動に応じて変位する連動部材と、で構成され
ていることを特徴としている。
【0025】請求項2に記載の発明によれば、保持部材
は、スプールと嵌合することで、スプールと一体回転す
るため、スプールの回転方向位置と保持部材の回転方向
位置とは、相対位置関係が常に一致する。このため、ス
プールの回転方向位置を保持部材に一体的に設けたカム
板によって検出することができる。カム板の移動は、連
動部材によって阻止手段へ伝達され、この連動部材の変
位によって阻止手段の機能を働かせるか否かを決定する
ことができる。
【0026】請求項3に記載の発明は、前記請求項2に
記載の発明において、前記保持部材の少なくとも一方
が、軸方向に所定量移動可能であり、前記カム板の端面
における前記フィルムの全巻取位置と対応する位置に、
肉厚方向の凸部が設けられ、前記連動部材の一部が少な
くとも前記凸部上を摺動することで、当該連動部材の他
の一部から前記筒体側へ前記カム板との接触位置に応じ
た変位状態を前記阻止手段へ伝達することを特徴として
いる。
【0027】請求項3に記載の発明によれば、カム板に
は、肉厚方向の凸部が設けられ、この凸部は、スプール
における前記所定位置と対応している。このため、この
凸部に連動部材の一部が乗り上げることで、連動部材の
他の一部は、凸部に乗り上げたときだけ変位する。この
変位によって阻止手段の機能を解除し、操作部の操作を
可能とすることで、開閉蓋の開放が可能となる。
【0028】請求項4に記載の発明は、前記請求項2又
は請求項3に記載の発明において、前記保持部材のう
ち、カム板を設けた側が、前記スプールと嵌合する方向
に付勢されており、前記カム板の凸部の突出量と、前記
保持部材の軸方向移動量とがほぼ同量であることを特徴
としている。
【0029】請求項4に記載の発明によれば、筒体にフ
ィルムカートリッジが収容されていないとき、開閉蓋が
閉じられると、何らかの要因で保持部材が回転すると、
操作部の操作が阻止手段によって阻止され、開放動作が
できない場合がある。そこで、保持部材の所定量の軸方
向移動量と、凸部の高さ寸法とをほぼ同量とすること
で、フィルムカートリッジが存在しないときは、常に、
連動部材は凸部に乗り上げたときと同等の変位となり、
操作部の操作ができなくなるといった不具合を解消する
ことができる。
【0030】請求項5に記載の発明は、前記請求項2に
記載の発明において、前記カム板の周面における前記フ
ィルムの全巻取位置と対応する位置に、半径方向の凸部
が設けられ、前記連動部材の一部が当該凸部を含む周面
上を摺動することで、当該連動部材の他の一部から前記
筒体側へ前記カム板との接触位置に応じた変位状態を前
記阻止手段へ伝達することを特徴としている。
【0031】請求項5に記載の発明によれば、カム板に
半径方向の凸部を設け、この凸部をスプールにおけるフ
ィルム全巻取位置と対応させる。これにより、凸部に連
動部材の一部が対応することで、連動部材の他の一部
は、凸部と対応したときだけ変位する。この変位によっ
て阻止手段の機能を解除し、操作部の操作を可能とする
ことで、開閉蓋の開放が可能となる。
【0032】請求項6に記載の発明は、フィルムの全て
がフィルムカートリッジ内に巻き取られた後、さらにフ
ィルムカートリッジのスプールを回転させてから、スプ
ールと一体化された表示板を前記フィルムの使用状態に
応じた所定位置に停止させることにより、フィルムカー
トリッジの使用状態の表示処理を行う表示処理手段を備
えたカメラにおいて、前記請求項1乃至請求項5記載の
フィルムカートリッジ装填装置が搭載されたことを特徴
としている。
【0033】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
乃至請求項5の何れか1項記載のフィルムカートリッジ
をカメラに搭載することで、カメラの高さ方向を小さく
することができ、コンパクト化を実現することができ
る。
【0034】請求項7に記載の発明は、前記請求項6に
記載の発明において、前記阻止手段が、前記カメラの本
体側に設けられ、前記フィルムカートリッジからフィル
ムが引き出されているか否かを検出するフィルム引出し
状態検出手段を備え、前記フィルムが引出されていると
検出された場合は、前記阻止手段若しくは前記操作部材
から開閉蓋に至る連動部材の何れかに連動することによ
り、前記スプールの回転方向における所定位置において
も前記操作部によるロック状態解除を阻止することを特
徴としている。
【0035】請求項8に記載の発明は、請求項6又は請
求項7に記載の発明において、前記阻止手段が、フィル
ムカートリッジに設けられたフィルム引出し口遮光蓋を
開閉状態を検出する遮光蓋開閉状態検出手段を備え、遮
光蓋が開いていると検出された場合は、前記阻止手段若
しくは前記操作部材から開閉蓋に至る連動部材の何れか
に連動することにより、前記スプールの回転方向におけ
る所定位置においても前記操作部によるロック状態解除
を阻止することを特徴としている。
【0036】請求項7及び請求項8に記載の発明によれ
ば、カメラには、フィルムカートリッジからフィルム
(例えば、写真フィルム)が引出されていることを検出
するフィルム引出し状態検出手段、及び/又はフィルム
カートリッジに設けられたフィルム引出し口遮光蓋の開
閉状態を検出する遮光蓋開閉状態検出手段が装備されて
おり、遮光蓋が開いていると検出された場合は、前記阻
止手段若しくは前記操作部材から開閉蓋に至る連動部材
の何れかに連動することにより、前記スプールの回転方
向における所定位置においても前記操作部によるロック
状態解除を阻止することで、写真フィルムの引出し中や
遮光蓋の開放中に開閉蓋が開放されることを防止でき、
誤って写真フィルムが光にさらされることを抑制でき
る。
【0037】
【発明の実施の形態】(カメラの全体構成)図2に示さ
れる如く、カメラ12の前面中央部には、撮影レンズ1
3が組み込まれており、カメラ12の内部の撮影レンズ
13の一側方には、本発明のフィルムカートリッジ装填
装置の一部として構成され、フィルムカートリッジ34
が装填されるカートリッジ室35が設けられている。ま
た、撮影レンズ13の他の側方には、写真フィルム36
が巻き上げられるフィルム室16とが設けられている。
【0038】カートリッジ室35に連なる開口37は、
カメラ12の底面側方に形成されており、カメラ12の
底面に一辺がヒンジ17によって軸支された開閉蓋とし
てのカートリッジ開閉蓋38により開閉される。なお、
ヒンジ17には、ねじりコイルばね等の付勢手段が内蔵
され、カートリッジ開閉蓋38を開放させる方向に付勢
すると共に開放状態を保持することができるようになっ
ている。
【0039】カートリッジ開閉蓋38は、後述するカー
トリッジ開閉蓋開閉機構によって閉じ位置に係止され
る。カートリッジ開閉蓋38の内面には、カートリッジ
開閉蓋開閉機構によって係合する係合部10と、フィル
ムカートリッジ34のスプール21の一端部と嵌合して
保持する保持部材としてのスプール軸受11と、が設け
られている。
【0040】また、図示は省略したが、カートリッジ開
閉蓋38が開放された際に、フィルムカートリッジ34
をカートリッジ室35外に押し出して、取り出し易くす
るイジェクト機構が装備されている。
【0041】カートリッジ室35側のカメラ12の筐体
側面には、カートリッジ開閉蓋開閉機構の一部を構成す
る操作部材15が取り付けられている。
【0042】この操作部材15は、扇形状のスリット1
2A内で開口37側端部近傍から筐体奥側から突出する
軸80B(図1参照)を中心として回動できるように組
み込まれている。カートリッジ開閉蓋38が閉じ位置に
係止されている状態では、操作部材15は、前方側(撮
影レンズ13側)に回動配置されており、カートリッジ
開閉蓋38を開放する際には、操作部材15を後方に向
けて回動させる。これにより、カートリッジ開閉蓋蓋機
構は係合部10の係合を解除し、カートリッジ開閉蓋3
8を開放することができる。
【0043】フィルムカートリッジ34のカートリッジ
本体20内は、写真フィルム36を巻き付けてスプール
21を回動自在に収容している。カートリッジ本体20
の側面には、図示しないフィルム送出口と遮光蓋とが設
けられ、カートリッジ本体20の底面及び上面には、ス
プール21の両端部と、遮光蓋の開閉軸22の両端部と
が各々露呈している。
【0044】スプール21をフィルム送り出し方向(巻
き上げ方向)に回動させると、収容している写真フィル
ム36をフィルム送出口からカートリッジ本体20の外
部に送り出し、スプール21をフィルム巻き戻し方向に
回動させると、写真フィルム36をカートリッジ本体2
0の内部に巻き戻すことができる。 (使用状態表示機能)図3及び図4に示される如く、カ
ートリッジ本体20には、スプール21と共に回転する
データディスク25と表示板26とが組み込まれてい
る。
【0045】データディスク25は、スプール21の端
部に固着された円板状部材であり、その表面にはカート
リッジ本体20内に収容されている写真フィルム36の
種類、感度、撮影枚数等のデータがバーコードによって
記されている。
【0046】このデータディスク25のバーコードは、
カートリッジ本体20の一方の端面に形成された開口2
0Aから露呈され、カメラ等の機器に組み込まれたバー
コードリーダによって読み取られる。
【0047】表示板26は、フィルムカートリッジ34
の使用状態表示機構を構成する部品であり、略扇形の板
部材とされている。
【0048】この表示板26は、データディスク25と
同様にスプール21の反対側の端部に固着されている。
【0049】表示板26が組み込まれている側のカート
リッジ本体20の端面には、使用状態表示機構を構成す
る4個の表示開口27A〜27Dが形成されている。
【0050】これらの表示開口は、円形の表示開口27
Aが「未使用」を、半円形の表示開口27Bが「撮影途
中」を、X字型状の表示開口27Cが「撮影済」を、四
角形の表示開口27Dが「現像済」をそれぞれ表してい
る。
【0051】そして、スプール21の回転停止時に表示
板26が視認できる表示開口が表す使用状態が、収容し
ている写真フィルム36の使用状態を表す。
【0052】ここで、本実施の形態では、視認できる表
示開口に相対位置関係が一致するスプール21の回転方
向位置に応じて、カートリッジ開閉蓋38の開閉の許
可、不許可をメカ的な構造により実現している。
【0053】すなわち、スプール21の回転(360
°)の内の一部において、撮影済と対応する位置を検出
し、この位置を検出しないときには、前記操作部材15
の操作によるカートリッジ開閉蓋38の開閉操作ができ
ないようにしている(開閉阻止機構)。
【0054】なお、本実施の形態において特徴的、かつ
新規な事項は、開閉阻止機構の主たる構成部品をカート
リッジ開閉蓋38に設けた点にある。以下、図1、図5
及び図6に従い、この開閉阻止機構を前記カートリッジ
蓋開閉機構と絡めて詳細に説明する。なお、図6は、図
1に対応する組付け状態を示したものであるが、組付け
により重なって隠れてしまう部材が多いため、あえて透
視図とした。 (スプール軸受構造)図1に示される如く、カートリッ
ジ開閉蓋38は、皿状に形成されており、矩形状に立設
したリブ50の先端部は、内側に略直角に屈曲されてい
る。
【0055】このリブ50の先端部には、内側面に沿う
ように、支持プレート52が配設されている。支持プレ
ート52は、その中央部に貫通孔54が設けられ、一方
のスプール軸受11が挿入されている。スプール軸受1
1の基部にはフランジ部11Aが設けられ、前記貫通孔
54からの抜け止めが施されている。なお、他方のスプ
ール軸受11は、カートリッジ室35の底部に配設され
ており、これら一対のスプール軸受11は、互いに同軸
上となっている。また、他方のスプール軸受11は、駆
動ギヤ56、58を介して図示しないモータから駆動力
を受けて回転可能となっている。
【0056】図5に示される如く、カートリッジ開閉蓋
38側のスプール軸受11の底面と、カートリッジ開閉
蓋38の底面との間には、圧縮コイルばね60が取り付
けられており、この圧縮コイルばね60の付勢力によ
り、通常はスプール軸受11は押圧され、フランジ部1
1Aが支持プレート52に当接している。また、スプー
ル軸受11は、その先端部側が、前記圧縮コイルばね6
0の付勢力に抗して押圧されると、フランジ部11A
と、カートリッジ開閉蓋38の底面との隙間(図5寸法
h2参照)分移動可能となっている。
【0057】ここで、カートリッジ室35にフィルムカ
ートリッジ34が装填されていないでカートリッジ開閉
蓋38が閉じられたときは、フランジ部11Aが支持プ
レート52に当接した位置となり、スプール軸受11は
最も突出された状態となる。一方、カートリッジ室35
にフィルムカートリッジ34が装填されてカートリッジ
開閉蓋38が閉じられたときは、カートリッジ8の軸方
向寸法により、スプール軸受11が押圧されるため、ス
プール軸受11のフランジ11Aは圧縮コイルばね60
の付勢力に抗して寸法h2の範囲で軸方向に移動した位
置(最大カートリッジ開閉蓋38の底面に当接する位
置)となる。この付勢力が、フィルムカートリッジ34
を保持する機能となっている。
【0058】スプール軸受11は、外径が複数段(ここ
では、3段の径寸法の異なる円柱が重ねられた構造とさ
れ、最上層の細径円柱部11Bが前記フィルムカートリ
ッジ34のスプール21の両端部の円筒部に収容される
ようになっている。 (キー構造)図1に示される如く、スプール21の両端
部の円筒部の半径方向一部には切欠が形成され、キー溝
62とされている。なお、図1では、上側のみ図示した
が、下側も同一の構造である。
【0059】このキー溝62に対応して、前記細径円柱
部11Bには、キー64が設けられている。このキー6
4がキー溝62に収容されることで、スプール21とス
プール軸受11とが一体回転することができる。
【0060】図5に示される如く、キー溝62は、細径
円柱部11Bの周面の一部に設けられたスリット孔11
Cに収容されており、細径円柱部11Bの内方に収容さ
れた移動軸64Aに固着されている。移動軸64Aは、
スプール軸受11の細径円筒部11Bから2段面の円筒
部11Dまで連続して設けられた断面円形の溝11Eに
収容され、圧縮コイルばね66の付勢力で細径円柱部1
1B側に押し上げられている。この位置は、キー64が
キー溝62に収容されているときであり、キー64とキ
ー溝62とが合っていないことがある。このような場
合、スプール21の先端面にキー64が当接することに
なるが、移動軸64Aが圧縮コイルばね66の付勢力に
抗して押し下げられることで、キー64を逃がすことが
できる。その後、キー64とキー溝62とが一致する
と、圧縮コイルばね66の付勢力で、移動軸64Aが押
し上げられ、キー64がキー溝62に収容される構成と
なっている。なお、図示は省略したが、カートリッジ室
35の底側のスプール軸受1のキー64も同一の構造と
なっている。 (スプール位置検出機構)カートリッジ開閉蓋38のス
プール軸受11の最下層の円柱部11Fは、全巻取位置
検出手段の一部を構成するカム板を構成しており、その
上端面がカム面68となっている。カム面68は、その
ほとんどが平坦部68Aで構成されているが、一部に山
型の凸部68Bが形成されている。この凸部68Bは、
所定の回転方向位置、すなわち、スプール21が撮影済
の表示と一致する位置が予めわかっており、この位置に
対応して図1に示す連動アーム70の先端部の下面側に
形成された突起部70Aが配置されている。
【0061】連動アーム70は、前記スプール軸受11
の側近に配設された矩形薄肉プレート状の回動体74の
一辺に一体に形成されている。回動体74は支持プレー
ト52に軸72を介して取付けられている。このため、
連動アーム70は、スプール軸受11を逃げるように弓
状に形成され、先端部を前記所定の回転方向位置に合わ
せている。
【0062】回動体74の前記連動アーム70が一体形
成された辺と対向する辺には阻止手段としてのロックア
ーム76が一体形成されている。すなわち、連動アーム
70とロックアーム76とは、回動体74の軸72を挟
んで配置されており、軸72を中心に回動体74がシー
ソーの如く回動する。この結果、連動アーム70が上に
移動すればロックアーム76は下に移動し、逆に連動ア
ーム70が下に移動すればロックアーム76は上に移動
することになる。
【0063】軸72には、ねじりコイルばね78が取り
付けられており、ねじりコイルばね78の一端は回動体
74の一部に固着され、他端は開閉蓋38の一部に固着
されており、これにより回動体74は、ねじりコイルば
ね78の付勢力で、図1の矢印A方向(時計回り方向)
に回転され、連動アーム70の突起部70Aが、常にに
カム面68(平坦部68A、凸部68B)に摺接するよ
うになっている。
【0064】この状態で、スプール軸受11が回転する
と、突起部70Aがカム面68の平坦部68Aを摺動し
ているときは、連動アーム70は下に移動していること
になり(ロックアーム76が上)、突起部70Aが凸部
68Bを摺動しているときは、連動アーム70は上に移
動していることになる(ロックアーム76が下)。
【0065】ここで、凸部68Bにおける平坦部68A
からの突出寸法h1(図5参照)は、前記スプール軸受
11の移動量h2とほぼ同一とされている。このため、
スプール軸受11が圧縮コイルばね60によって押し上
げられているとき(カートリッジ非装填)は、連動アー
ム70の突起部70Aが平坦部68Aと対応していて
も、凸部68Bと対応しているのと同等に作用すること
になる。 (カートリッジ開閉蓋開閉機構)ロックアーム76は、
先端部の上端面に突起が設けられロック部76Aとされ
ている。このロック部76Aは、前記操作部材15の操
作によって回動する開閉プレート80の移動軌跡上に配
設されている。
【0066】開閉プレート80は、その主部80Aが矩
形状の薄肉プレート状とされ、前記操作部材15を軸支
する軸部80Bを中心に回動可能とされている。この回
動は図示しない付勢手段の付勢力により、図1の時計回
り方向とされ、操作部材15が操作されると反時計回り
方向へ回動する構成となっている。
【0067】主部80Aの図1の下端面からは一対の脚
部80C、80Dが形成されており、その一方の脚部8
0Cの先端には、前記カートリッジ開閉蓋38に設けら
れた係合部10に係合するフック部80Eが形成されて
いる。
【0068】フック部80Eは、前記開閉プレート80
の付勢手段の付勢力による回動時に係合部10に係合さ
れ、カートリッジ開閉蓋38を閉じ状態で保持すること
ができる。
【0069】また、操作部材15を操作する(付勢手段
の付勢力に抗した回動)ことで、フック部80Eを係合
部10から外すことができ、これにりより、カートリッ
ジ開閉蓋38はヒンジ17を中心に回転して開放する。
【0070】前記ロックアーム76のロック部76A
は、このフック部80Eが形成された脚部80Cの中央
部の移動軌跡上に出没する。すなわち、ロック部76A
が下に位置するとき(連動アーム70の突起部70Aが
凸部68Bに対応しているとき)は、脚部80Cの移動
軌跡上から退避されており、操作部材15の操作が可能
となる。
【0071】一方、ロック部76Aが上に位置するとき
(連動アーム70の突起部70Aが平坦部68Aに対応
しているとき)は、脚部80Cの移動軌跡上に配置さ
れ、操作部材15の操作を阻止するようになっている。 (フィルム引出し状態検出機構)また、前記フック部8
0Eが形成された脚部80Cの中央部の移動軌跡上に
は、フィルムカートリッジ34から引出された写真フィ
ルム36の有無を検出するフィルム引出し状態検出機構
のロック爪82が出没するようになっている。
【0072】ロック爪82は、長孔状の貫通孔82Aが
設けられ、カメラ12側から突出するピン84が挿入さ
れている。また、このロック爪82の側面には、肉厚方
向にクランク状の屈曲された連結部材86の一端部が取
り付けられている。連結部材86の他端部は、略くの字
型の検出プレート88の一端部に軸90を介して取り付
けられている。検出プレート88の中間部は、カメラ1
2側から突出した軸94に軸され、また、他端部は検出
ピン96が突出している。
【0073】この軸94には、ねじりコイルばね92が
取り付けられ、検出プレート88を図1の反時計回り方
向に回転するように付勢している。
【0074】検出ピン96は、フィルムカートリッジ3
4から引出される写真フィルム36の幅方向一端部の移
動軌跡上に配置されている。これにより、写真フィルム
36が存在しないときは、検出プレート88は、図1の
反時計回り方向に回転し、連結部材86を引っ張ること
になり、この結果、ロック爪82を開閉プレート80の
脚部80Cの移動軌跡から退避させることができる。ま
た、写真フィルム36が引出されると、検出ピン96が
写真フィルム36の幅方向一端と当接し、検出プレート
88が図1の時計回り方向に回転することで、連結部材
86を押し出し、この結果、ロック爪82を開閉プレー
ト80の脚部80Cの移動軌跡上に配置させることがで
きる。 (開閉プレートにおけるカートリッジ開閉蓋開放時の回
転位置保持機構)開閉プレート80の他方の脚部80D
の先端部には、開閉プレート80がカートリッジ開閉蓋
38を開放するときに回転した位置で開閉プレート80
の回転位置を保持するための保持フック98が形成され
ている。保持フック98は、カートリッジ開閉蓋38の
開閉に連動する係止部100に対応している。前記保持
フック98は、自身が弾性変形する構造となっており、
カートリッジ開閉蓋38が閉止状態では図7(A)に示
される如く、係止部100とは干渉していないが、この
カートリッジ開閉蓋38をを開放するべく、開閉プレー
ト80が傾動すると、自身の弾性力で係止部100に係
止されるようになっている(図7(B)参照) 一方、カートリッジ開閉蓋38が閉止されると、係合部
10が保持フック98と干渉し、押し上げることで弾性
変形するため、係止部100との係止状態が解除される
構造となっている。 (遮光蓋開閉機構)また、開閉プレート80の上端面か
らは、互いに略平行、かつ所定の間隙寸法で立設する一
対のスティック80F、80Gが一体形成されている。
【0075】この一対のスティック80F、80Gは、
時計の振り子の如く、開閉プレート80の回転に伴なっ
て揺動する構成となっている。
【0076】一方、カートリッジ室35の底部には、こ
のカートリッジ室35に装填されるフィルムカートリッ
ジ34の遮光蓋の開閉軸22に嵌合する軸部102を備
えた回動体104が配設されている。回動体104は、
その周面に歯部104Aが形成され、変速歯車106と
噛み合っている。変速歯車106の周面の一部からは半
径方向にアーム106Aが突出され、その先端部が前記
一対のスティック80F、80Gの間に配置されてい
る。
【0077】このため、一対のスティック80F、80
Gが揺動すると、アーム106Aがこの揺動に伴なって
揺動するため、変速歯車106が回転する。この回転角
度は、90°よりも小さいが、これと噛み合っている回
動体104は、略90°回転するように変速される。こ
れにより、一対のスティック80F、80Gの揺動に応
じて、遮光蓋を開閉させることができるようになってい
る。
【0078】すなわち、遮光蓋の開閉状態は、開閉プレ
ート80のスティック80F、80Gの揺動と連動して
いるため、この開閉プレート80の動きが、遮光蓋開閉
状態検出手段を兼ねている。なお、遮光蓋の開閉状態を
検出する手段を別途設けるようにしてもよい。この場
合、遮光蓋の全閉状態と、それ以外の状態との区別でき
るカム機構による検出や、リミットスイッチ等の設置に
よる電気的な検出等が適用可能である。
【0079】以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0080】まず、フィルムカートリッジ34がカート
リッジ室35に装填され、若干の写真フィルム36が引
出されている状態、すなわち、撮影中の状態から説明す
る。
【0081】この状態では、写真フィルム36が引出さ
れているため、検出ピン96が写真フィルム36の幅方
向端部によって押圧され、検出プレート88は、ねじり
コイルばね92の付勢力に抗して図1の時計回り方向に
回転している。
【0082】この結果、連結部材86は検出プレート8
8によって押し出された状態であり、ロック爪82は、
開閉プレート80の脚部80Cの移動軌跡上に配置され
ている。従って、操作部材15を操作しても、開閉プレ
ート80の動きが阻止されているため、操作部材15を
操作することができず、カートリッジ開閉蓋38を開放
することができず、撮影したフィルムの二重露光等を防
止することができる。
【0083】写真フィルム36上への全てのコマの撮影
が終了、あるいは撮影途中で撮影を中止する場合、カメ
ラ12側のリワインド機構を動作させるスイッチによ
り、写真フィルム36は、順次フィルムカートリッジ3
4へと巻き戻される。
【0084】ここで、写真フィルム36の先端部がフィ
ルム室16から離脱した後に、ピン96の位置よりも巻
き戻されると、検出ピン96の押圧力がなくなり、検出
プレート88は、ねじりコイルばね92の付勢力で図1
の反時計方向へ回転する。これにより、連結部材86が
引き込まれ、ロック爪82を開閉プレート80の脚部8
0Cの移動軌跡上から退避させることになる。
【0085】しかし、スプール21は360°の回転を
継続しており、そのほとんどの時期において、連動アー
ム70の突起部70Aがカム面68の平坦部68Aに対
応するため、ロックアーム76のロック部76Aは、脚
部80Cの中央部の移動軌跡上に配置されており、この
ロック部76Aによってカートリッジ開閉蓋38の開放
は阻止される。
【0086】写真フィルム36が全てフィルムカートリ
ッジ34内に巻き戻されると、その後、数回点回転が継
続し、4個の表示開口27A〜27Dの内、X字型状の
表示開口27C「撮影済」から表示板26が視認できる
ように位置決めする。
【0087】この位置決めにおいて、スプール21の回
転方向位置は相対位置関係が決められている。従って、
このスプール21の回転方向位置に対応して設けたカム
面68の凸部68Bは、連動アーム70の突起部70A
を押し上げることになる。
【0088】この押し上げによって、反対側のロックア
ーム76が下方向に移動し、ロック部76Aは、開閉プ
レート80の脚部80Cの移動軌跡上から退避される。
【0089】これにより、操作部材15による開閉プレ
ート80の回動動作を妨げるものがなくなり、操作部材
15の操作が可能となる。
【0090】操作部材15を操作すると、開閉プレート
80が回動し、係合部10に係合していたフック部80
Eが離脱し、カートリッジ開閉蓋38は、ヒンジ17に
設けた付勢手段の付勢力で開放する。
【0091】また、開閉プレート80の脚部80Dの先
端部に設けた保持フック98が係止部100に係止され
ることで、この操作部材15による操作後の状態が維持
される。これにより、カートリッジ開閉蓋38の開放中
は、フック部80Eが係合部10との係合位置に移動す
ることがない。
【0092】一方、カートリッジ開閉蓋38を閉止する
動作に入り、ほぼ閉止状態となると、係合部10が保持
フック98を押し上げる。これにより、保持フック98
は弾性変形し、係止部100との係止状態が解除され、
開閉プレート80は付勢力で元の位置に戻るように回転
する。これにより、フック部80Eが係合部10に係合
され、カートリッジ開閉蓋38の閉止状態が維持され
る。
【0093】次に、フィルムカートリッジ34をカー
トリッジ室35に装填してカートリッジ開閉蓋38を閉
止した場合と、フィルムカートリッジ34をカートリ
ッジ室35に装填しないでカートリッジ開閉蓋38を閉
止した場合と、に場合分けして説明する。
【0094】の場合には、カートリッジ開閉蓋38を
閉止するとき、フィルムカートリッジ34の端面によっ
てスプール軸受11が圧縮コイルばね60の付勢力に抗
して引き込む方向に移動する。これにより、スプール軸
受11に設けたカム面68が定常の位置となるため、ス
プール21の回転駆動でキー64がキー溝62に収容さ
れた時点で、カム面68の凸部68Bと連動アーム70
の突起部70Aとの相対位置関係が定常状態に戻すこと
ができる。
【0095】の場合には、カートリッジ開閉蓋38を
閉止したとき、前記凸部68Bと突起部70Aとの相対
位置関係が開放時に対してずれていると、ロック部76
Aが常に開閉プレート80の移動軌跡上に位置すること
になり、2度とカートリッジ蓋38を開放することがで
きなくなる場合があった。そこで、押圧するフィルムカ
ートリッジ34が存在しないとき、スプール軸受11を
圧縮コイルばね60の付勢力で突出させる。この突出量
h2は凸部68Bの平坦部68Aからの高さ寸法h1と
同量であるため、連動アーム70の突起部70Aは、フ
ィルムカートリッジ34が装填されたときと同量あるい
はそれ以上(凸部68Bに対応しているとき)、上へ押
し上げられる。これにより、開閉プレート80の脚部8
0Cの移動軌跡上から退避され、開放が不可能となる不
具合を解消することができる。
【0096】上記実施の形態では、カートリッジ開閉蓋
38の開放を所定の条件(写真フィルム36の状態)に
基づいて、開放を阻止する機構を、カートリッジ開閉蓋
38側に構成したため、カートリッジ室35の奥側に設
けるよりも部品の組み付けスペースが少なくて済む。す
なわち、カートリッジ開閉蓋38側では、干渉を防ぐ周
囲の部品等が少なく、かつ組み付け時の作業スペースも
大きくとることができるため、無駄なスペースを軽減す
ることができる。
【0097】これにより、カメラ12の高さ寸法を小さ
くすることができ、カメラ12の全体としてコンパクト
化を図ることができる。 (変形例)上記実施の形態では、カートリッジ開閉蓋3
8側のスプール軸受11の円柱部11Fの上面にカム面
68(平坦部68A及び凸部68B)を形成し、このカ
ム面68に上から連動アーム70の突起部70Aを載せ
た状態で摺動させるようにしたが、図8に示される如
く、例えば円柱部11Fの周面をカム面108としても
よい。この場合、カム面108は、前記平坦部68Aの
代わりとして円弧部108Aが適用され、この円弧部1
08Aの一部に半径方向に突出する凸部108Bを形成
する。
【0098】また、このカム面108に対応して、前記
連動アーム110をカム面108の円弧に沿って弓状に
屈曲し、その先端部の内周面に突起部110Aを形成す
る。
【0099】連動アーム110と一体形成する回動体1
12は、軸線がスプール軸受11と平行とされた軸11
4によって軸支されており、かつ、ねじりコイルばね1
15の付勢力で突起部110Aがカム面108へ当接す
る方向に付勢される。ロックアーム116は、圧縮コイ
ルばね117によって開閉プレート80の脚部80Cの
移動軌跡上に付勢されているロック爪116Aの斜面
(カム面)と対向しており、ロックアーム116が、図
8(B)の状態(連動アーム110の突起部110Aが
円弧部108Aに対応している状態)から、図8(C)
の状態(連動アーム110の突起部110Aが凸部10
8Bに対応している状態)に回転することで、ロック爪
116Aを引きこむ(脚部80Cの移動軌跡から排除)
ことができる。 従って、突起部110Aが円弧部10
8Aに対応しているときは、開閉プレート80の移動を
制限するロックアーム116が、ロック爪116Aを開
閉プレート80の脚部80Cの移動軌跡上に配置させる
ため、開閉プレート80の移動が阻止される。
【0100】また、連動アーム110の突起部110A
が前記凸部108Bに対応することで,この回動体11
2が回転すると、ロックアーム116が、ロック爪11
6Aを脚部80Cの移動軌跡から退避させることができ
る。
【0101】この変形例においては、フィルムカートリ
ッジ34を装填せずにカートリッジ開閉蓋38を閉じた
とき、突起部110Aと凸部108Bとの位置がずれる
と2度と開放ができなくなる。これは、スプール軸受1
1の移動方向と凸部108Bの突出方向とが異なってい
るため、上記h1=h2の関係を利用することができな
いためである。そこで、この変形例では、前記凸部10
8B(又は、別途設けた凸部でもよい)をリミットスイ
ッチ等で検出し、スプール軸受11の回転方向位置を適
正位置に維持するように構成することが望ましい。
【0102】そのためには、カートリッジ開閉蓋38側
のスプール軸受11を駆動側とすることで、スプール軸
受11の駆動系を通常のドライブと兼用することができ
る。
【0103】なお、上記実施の形態及び変形例におい
て、カートリッジ室35の奥側に位置するスプール軸受
11を駆動側とせず、カートリッジ開閉蓋38側のスプ
ール軸受11を駆動側としてもよい。
【0104】また、上記実施の形態及び変形例におい
て、連結部材86の先端に取り付けたロック爪82を開
閉プレート80の脚部80Cと干渉させて、移動を阻止
するようにしたが、図9に示される如く、ロック爪82
Aをカートリッジ開閉蓋38に設けた係合部10とは別
のロック部10Aに係合させ、直接カートリッジ開閉蓋
38の開放を阻止するようにしてもよい。
【0105】また、凸部68B(実施の形態)、108
B(変形例)は、1ヶ所に限らず、複数個所であっても
よい。すなわち、凸部68B、108Bは、スプール2
1が撮影済の表示と一致する位置に対応させたが、「未
使用」の位置等に対応させて設けてもよい。これによ
り、一度装填し、1枚も撮影しないで、巻き戻したカー
トリッジの取り出しが可能となる。
【0106】
【発明の効果】以上説明した如く本発明によれば、フィ
ルムカートリッジを収容する筒体の開口に、ロック状態
の開閉蓋の開閉可能時期を制限するロック解除阻止機構
を設けることで、フィルムカートリッジのスプールの軸
方向の部品組付スペースを拡大することなく、全体とし
てコンパクト化が実現できるという優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るフィルムカートリッジ装填
装置をカメラ搭載したときの分解斜視図である。
【図2】カメラを底面からみたときの斜視図である。
【図3】フィルムカートリッジの一端面に設けたデータ
ディスクの構造を示す斜視図である。
【図4】フィルムカートリッジの他端面に設けた状態表
示部の構造を示す斜視図である。
【図5】カートリッジ開閉蓋の側面断面図である。
【図6】図1に対応し、各部材組付けたときの斜視図
(透視図)である。
【図7】カートリッジ開閉蓋の閉止状態及び開放状態に
おける保持フックと係止部の係合状態を示す側面図であ
る。
【図8】変形例に係り、(A)はフィルムカートリッジ
装填装置のカートリッジ開閉蓋近傍の斜視図、(B)は
ロック阻止時のロックアームの状態を示す平面図、
(C)はロック解除時のロックアームの状態を示す平面
図である。
【図9】ロック爪によるカートリッジ開閉蓋の開放阻止
の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 係合部 11 スプール軸受 12 カメラ 15 操作部材 21 スプール 22 開閉軸 34 フィルムカートリッジ 35 カートリッジ室 36 写真フィルム 38 カートリッジ開閉蓋 62 キー溝 64 キー 68 カム面 68B 凸部 68A 平坦部 70A 突起部 70 連動アーム 74 回動体 76 ロックアーム 76A ロック部 80 開閉プレート 80C 脚部 82 ロック爪 86 連結部材 88 検出プレート 96 検出ピン 100 係止部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺フィルムをスプールに巻き取って、
    筐体内に収容するためのフィルムカートリッジを所定の
    位置に装填するためのフィルムカートリッジ装填装置で
    あって、 前記フィルムカートリッジを収容する有底の筒体と、 前記筒体の一端面開口部に設けられ、当該開口部を開閉
    する開閉蓋と、 前記筒体の底部及び開閉蓋のそれぞれに設けられ、前記
    フィルムカートリッジの両端部に露出するスプール端と
    嵌合可能とされ、当該フィルムカートリッジを保持する
    一対の保持部材と、 前記開閉蓋の閉止動作に伴って当該開閉蓋を閉止状態で
    ロックするロック手段と、 前記筒体側に設けられ、前記ロック手段によるロック状
    態を解除する操作部と、 前記開閉蓋側に設けられ、前記スプールの回転方向にお
    ける少なくともスプールの回転方向における所定位置を
    検出する回転位置検出手段と、 前記回転位置検出手段で前記所定位置を検出していない
    とき、前記操作部による開閉蓋のロック状態解除を阻止
    する阻止手段と、を有するフィルムカートリッジ装填装
    置。
  2. 【請求項2】 前記回転位置検出手段が、前記開閉蓋側
    の保持部材に一体的に設けられたカム板と、当該カム板
    の移動に応じて変位する連動部材と、で構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のフィルムカートリッジ
    装填装置。
  3. 【請求項3】 前記保持部材の少なくとも一方が、軸方
    向に所定量移動可能であり、前記カム板の端面における
    前記フィルムの全巻取位置と対応する位置に、肉厚方向
    の凸部が設けられ、前記連動部材の一部が少なくとも前
    記凸部上を摺動することで、当該連動部材の他の一部か
    ら前記筒体側へ前記カム板との接触位置に応じた変位状
    態を前記阻止手段へ伝達することを特徴とする請求項2
    記載のフィルムカートリッジ装填装置。
  4. 【請求項4】 前記保持部材のうち、カム板を設けた側
    が、前記スプールと嵌合する方向に付勢されており、前
    記カム板の凸部の突出量と、前記保持部材の軸方向移動
    量とがほぼ同量であることを特徴とする請求項2又は3
    記載のフィルムカートリッジ装填装置。
  5. 【請求項5】 前記カム板の周面における前記フィルム
    の全巻取位置と対応する位置に、半径方向の凸部が設け
    られ、前記連動部材の一部が当該凸部を含む周面上を摺
    動することで、当該連動部材の他の一部から前記筒体側
    へ前記カム板との接触位置に応じた変位状態を前記阻止
    手段へ伝達することを特徴とする請求項2記載のフィル
    ムカートリッジ装填装置。
  6. 【請求項6】 フィルムの全てがフィルムカートリッジ
    内に巻き取られた後、さらにフィルムカートリッジのス
    プールを回転させてから、スプールと一体化された表示
    板を前記フィルムの使用状態に応じた所定位置に停止さ
    せることにより、フィルムカートリッジの使用状態の表
    示処理を行う表示処理手段を備えたカメラにおいて、 前記請求項1乃至請求項5記載のフィルムカートリッジ
    装填装置が搭載されたことを特徴とするカメラ。
  7. 【請求項7】 前記阻止手段が、前記カメラの本体側に
    設けられ、前記フィルムカートリッジからフィルムが引
    き出されているか否かを検出するフィルム引出し状態検
    出手段を備え、前記フィルムが引出されていると検出さ
    れた場合は、前記阻止手段若しくは前記操作部材から開
    閉蓋に至る連動部材の何れかに連動することにより、前
    記スプールの回転方向における所定位置においても前記
    操作部によるロック状態解除を阻止することを特徴とす
    る請求項6記載のカメラ。
  8. 【請求項8】 前記阻止手段が、フィルムカートリッジ
    に設けられたフィルム引出し口遮光蓋を開閉状態を検出
    する遮光蓋開閉状態検出手段を備え、遮光蓋が開いてい
    ると検出された場合は、前記阻止手段若しくは前記操作
    部材から開閉蓋に至る連動部材の何れかに連動すること
    により、前記スプールの回転方向における所定位置にお
    いても前記操作部によるロック状態解除を阻止すること
    を特徴とする請求項6又は請求項7記載のカメラ。
JP2001022357A 2001-01-30 2001-01-30 フィルムカートリッジ装填装置及びカメラ Pending JP2002229118A (ja)

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