JPH1039054A - アナログ式電子時計 - Google Patents

アナログ式電子時計

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JPH1039054A
JPH1039054A JP19618096A JP19618096A JPH1039054A JP H1039054 A JPH1039054 A JP H1039054A JP 19618096 A JP19618096 A JP 19618096A JP 19618096 A JP19618096 A JP 19618096A JP H1039054 A JPH1039054 A JP H1039054A
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Takanori Minamitani
孝典 南谷
Kazuo Suzuki
一男 鈴木
Tadayasu Machida
任康 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電モ−タを用いたステップ運針の可能なア
ナログ電子時計を提案すること 【解決手段】 複数の固定電極を有するステ−タと可動
電極を有するロ−タを微小間隔を介して相対配置し、両
電極間に電圧を印加することによりロ−タが水平方向に
移動する平行吸引型静電モ−タ構造を用い、ロ−タの変
位量から規正される間隔毎にステ−タ上に形成された第
1、第2及び第3の固定電極に順次電圧を掃引印加する
ことにより指針を回転させる。上記静電モ−タ構造は文
字板に対してアナログ指針と反対位置に配置し、かつ指
針はロ−タの動きと呼応して運針するように結合されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は指針を用いて時刻表
示を行うアナログ式電子時計に関し、更に詳しくは駆動
モ−タとして静電モ−タを用いたアナログ式電子時計に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年のデジタル技術の進歩にも拘わら
ず、時刻表示方式としてはいまだにアナログ式が主流と
なっている。この理由として時計には正確性と同時に装
飾性が要求されており、表示品質及びデザイン性の高さ
などからアナログ優位は替わりそうにない。現状のアナ
ログ式電子時計の駆動モ−タにはステッピングモ−タが
用いられており、広く普及している。
【0003】近年、エコロジ−意識の高揚から時計に対
しても有害金属を含んだ電池を使用しないことが望まれ
ており、さらには電池交換不要のシステム構築が急がれ
ている。このための方策として前者に対してはリチウム
電池の使用が有効であるが数年に一度の電池交換作業は
煩雑であるため早急に後者を実現する必要がある。後者
に対しては電池容量のアップ、更なる低消費エネルギ−
対策などが考えられるが、腕時計としての外径寸法制約
から大容量電池は使用できず、ステッピングモ−タにつ
いても原理的制約からこれ以上の飛躍的な消費電流低減
は期待できない状況にある。
【0004】また電池交換不要システムとして太陽電池
もしくは発電機構の応用があるが現状では時計駆動のた
めの消費エネルギ−量に比して発電能力が小さいために
初期起動特性や駆動寿命などに課題を残している。
【0005】また、マイクロマシン技術の進展により時
計に静電モ−タを用いることも提案されている。「El
ectrodeposited electrosta
tic wobble motors on sili
con for wristwatch applic
ation」 L. Paratte、N. F. deRo
oij, Switzerland,The 7th I
nternational Conference o
n Solid−state Sensors and
Actuators June 7−10, 1993
に開示されている。しかし、いまだ原理的な検討段階に
とどまっており、運動方法についても連続回転が前提と
なっておりステップ運針に関する考察はなされていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】時計外観は従来のアナ
ログ式の運針状態を踏襲しつつ更なる低消費エネルギ−
化を図るための一手段として静電モ−タは大きな可能性
を有しているが、前述のように実用化に向けてはまだま
だ解決しなければならない問題が多い。特に一般的な静
電モ−タ構造においては発生する回転力が小さいことと
静電モ−タを用いたステップ運針が実現できていないこ
とが大きな課題として挙げられる。
【0007】上記課題に対して、本発明においてはステ
ッピングモ−タに替わる新しい駆動モ−タとして静電モ
−タを用い、更にはアナログ時計の指針を回転駆動する
ための電極構造を工夫することにより、従来時計と同様
に1秒毎のステップ運針を達成しつつ大幅な消費エネル
ギ−の低減化を達成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明におけるアナログ
式電子時計は、時計基準信号を出力する発振回路と、発
振回路の出力信号を入力して分周する分周回路と、分周
回路の出力信号を入力して時刻情報を表示するための出
力信号を合成する波形合成回路と、波形合成回路の出力
信号を入力して静電モ−タを駆動する駆動信号を出力す
るモ−タ駆動回路と、モ−タ駆動回路の出力信号を入力
することによりステ−タと微小間隔を有して回転するロ
−タと、ロ−タの回転により動作する時刻表示機構とを
有することを特徴とする。
【0009】更に具体的には、多数の固定電極を有する
ステ−タと可動電極を有するロ−タを微小間隔を介して
相対配置し、両電極間に電圧を印加することによりロ−
タが水平方向に移動する平行吸引型静電モ−タ構造を用
い、ロ−タの変位量から規正される間隔毎にステ−タ上
に形成された第1、第2及び第3の固定電極に順次電圧
を掃引印加することにより指針を回転移動させる。さら
には上記静電モ−タ構造を文字板に対してアナログ指針
と反対位置に配置し、かつ指針はロ−タの動きと呼応し
て運針するように結合されている。
【0010】
【作用】上記のような構造を有する静電モ−タにおい
て、可動電極と固定電極間に電圧を印加することにより
ロ−タを移動させその結果として指針を回転移動させる
に際して、固定電極の電圧印加電極を第1、第2、第3
に順次切り換えて選択することによりロ−タは水平方向
への一定変位を繰り返す。
【0011】例えば秒針の運針を想定した場合には、図
3に示すようにステ−タ2の円周上で30分割された第
1の固定電極3aとロ−タ1の円周上で20分割された
可動電極4aとの間に電圧印加することにより第1の固
定電極3aと相対する10箇所の可動電極4aとの間に
回転力が発生し可動電極4aは第1の固定電極3aと正
対する位置まで回転運動する。この時、第2の固定電極
3bに対して前記10箇所の可動電極4aと隣接する可
動電極4bの一部が相対する位置にある。ついで1秒後
に第2の固定電極3bと可動電極4bの間に電圧印加す
ることにより上記と同様にして図4に示すように可動電
極4bは第2の固定電極3bと正対する位置まで回転運
動を行う。同様にして次の1秒後には第3の固定電極3
cに、更に次の1秒後には再び第1の固定電極3aに電
圧印加を順次切り換えていくことにより結果的に1秒毎
のステップ運針を実現できる。
【0012】この時の回転移動力は固定電極と可動電極
間に発生する。又静電モータ構造は文字板の裏側に構成
されるために時計外観品質とは無関係に形状、大きさを
設定できる。このために最大で時計文字板とほぼ同面積
を静電モ−タ構造のために使用できるようになり、必要
寸法が大きく取れるために十分な回転移動力が得られ
る。また、複数箇所のステ−タとロ−タ間に働く力の総
計が回転移動力として発生するため従来に比して十分大
きな力が得られる。この回転力はロ−タから指針に伝達
されステップ運針を実現する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に図面を用いて本発明の第1
の実施の形態を説明する。図1は第1の実施の形態に用
いる平行吸引型静電モ−タ構造の一部を示す上面模式
図、図2はロ−タの動きを模式的に説明する模式図であ
る。図1において外径4mm程度のロ−タ1とステ−タ
2が微小間隔dを介して相対することにより静電モ−タ
6を構成している。ここでは、秒針のステップ運針を達
成するためにステ−タ2上に形成された固定電極3をス
テータ2の円周上に均等に30分割してある。他方、ロ
−タ1の円周上には一つの固定電極3の幅と同じ幅でか
つ均等に20分割となるように可動電極4を形成した。
【0014】ロ−タ1及びステ−タ2はマイクロマシニ
ング技術として有名なLSI微細加工技術、成膜技術及
び電鋳技術などを用いて試作した。これらの技術は「動
くシリコンへ Siマイクロマシニング技術」、日経エ
レクトロニクス1989.8.21に開示されている。
ガラス基板上にLIGA(LithographicG
alvanoformung Abformung)プ
ロセスを用いて必要形状の反転形状にレジスト形成し、
次いでNi電鋳を行うことにより必要形状のロ−タ1及
びステ−タ2を形成した。この際、ロ−タ1の下部及び
外周部に予めCuメッキ層を形成し工程の最後に電解エ
ッチングを行うことでCuメッキ層のみを除去すること
によりロ−タ1の基板からの遊離及びステ−タ2との微
小間隔を得た。今回は可動電極間に固定電極幅の半分の
スペ−スを設けるようにロ−タ歯型形状を形成すること
で上記仕様を満たした。
【0015】この構造における発生する回転力を図2を
用いて説明すると、固定電極3及び可動電極4の厚さb
と、固定電極3と可動電極4との微小間隔dと、固定電
極3と可動電極4との間の比誘電率εを有し、図1に示
すように配置された一対のロ−タ1、ステ−タ2間に発
生する回転力Fは数式F=(bεV2 )/(2d)で表
され、図2中矢印で示した方向に働く。この時の回転力
Fは固定電極3と可動電極4の相対位置には依存しな
い。このため固定電極3と可動電極4との間に印可する
電圧Vを変えずに回転力Fを大きくするためには電極の
厚さb及び比誘電率εを大きくし微小間隔dを小さくで
きれば良い。しかし、いずれも構造上あるいは製造上の
制約があるために限界があり、回転力Fが大きくできな
いという問題があった。今回は微細加工技術などを用い
ることにより電極の厚さbの値は、ほぼ100μm、微
小間隔dの値は、ほぼ10μmを得た。尚、この場合の
比誘電率εの値は、1である。
【0016】本発明の第1の実施の形態においては回転
力Fを複数箇所に同時に発生させることにより結果とし
て大きな回転力を得、合わせてステップ運針を実現する
ものであり図3を用いて詳細を説明する。固定電極及び
可動電極は上述のようにそれぞれ30分割、20分割し
てある。図3は第1固定電極3aと可動電極4a間に電
圧が印加されロ−タ1が右回転運動し第1固定電極3a
と可動電極4a(図3の斜線の部分。円周上では10箇
所ある。)とが正対した状態を示している。
【0017】この状態で電圧印加を継続するとロ−タ1
とステ−タ2間に引力が発生するために秒針に対する保
持力として作用する。このためステップ運針後の保持時
に外力が働いても今の状態に戻そうとする復元力のため
に指針は正常位置に留まることが可能である。この復元
力は外力発生時にのみ発生するため正常時においては何
ら特別な力は必要としない。
【0018】第1固定電極3aと可動電極4a間に電圧
印加した1秒後に第2固定電極3bに電圧印加場所を掃
引し可動電極4abとの間に30Vを印加することによ
りロ−タ1の円周上の10箇所の第2固定電極3bと一
部相対した可動電極4bとの間に合計8×10-7Nの回
転力が発生し図4に示すようにロ−タ1は6゜右に回転
する。この時、可動電極4bが第2固定電極3bと正対
し停止する(図中斜線で示した部分。円周上では10箇
所ある)。ついで1秒後に第3固定電極3cに電圧印加
場所を掃引することで図5に示すようにロ−タ1は更に
6゜右に回転し可動電極4aが第3の固定電極3cと正
対し停止する(図中斜線で示した部分。円周上では10
箇所ある)。以下同様の操作を繰り返すことにより秒針
は1秒毎のステップ運針を繰り返す。図3、図4及び図
5から明らかなようにロ−タ1は一動作で固定電極ピッ
チの半分に相当する距離を移動するため本発明の第1の
実施の形態においては6°ずつステップ運針できる。更
に電圧を印加する固定電極の順序を第1、第3、第2に
順次掃引することにより逆回転も可能である。
【0019】上記の静電モ−タをアナログ電子時計に組
み込んだ時の概略及び時刻表示システムを図6、図7に
示す。図7は本発明のアナログ式電子時計の実施例を示
すブロック図である。発振回路51は水晶振動子(図示
せず)などを源振として時間基準信号を出力する。分周
回路52は発振回路51の出力信号を入力して分周す
る。波形合成回路53は分周回路52の出力信号を入力
して静電モ−タを駆動するためのパルスを合成する。モ
−タ駆動回路54は波形合成回路53の出力信号を入力
して静電モ−タを駆動する駆動信号を出力する。
【0020】静電モ−タ6は、ステ−タ2と微小間隔を
有してなるロ−タ1とからなり、ロ−タ1はモ−タ駆動
回路54の出力信号を入力することにより回転する。時
刻表示機構55はロ−タ1の回転を受けて相対運動を行
う。
【0021】図6は本発明の第1の実施の形態を示す断
面模式図であり、時針、分針、秒針がそれぞれに独立に
構成された静電モ−タにより駆動される様子を示してい
る。秒針44の動きに注目して説明すると、受け板46
にはロ−タ1の回転軸の軸受けが設けられ秒針軸45が
保持されている。この秒針軸45には、秒針用ロ−タ4
1が組み込まれ秒針用ステ−タ42と微小間隔を有して
配置される。秒針用ロ−タ41と秒針用ステ−タ42に
より秒針用静電モ−タが構成され、外部からの出力信号
を受けて秒針用ロ−タが回転運動を行い、この動きは秒
針軸45を介して文字板43に対して反対位置に勘合さ
れた秒針44に伝わりステップ運針を行う。
【0022】分針、時針についても同様に中受け板47
及び地板48上にそれぞれの駆動用の静電モ−タが形成
され、同様にして分針、時針に運動が伝達される。この
静電モ−タはマイクロマシニング技術を用いて製造され
るために従来のステッピングモ−タに比して非常に薄型
であり秒針、分針、時針用としてのそれぞれ個別の静電
モ−タを図6のように重ねる構造も可能となる。分針及
び時針はロ−タ及びステ−タの電極分割数に従ったステ
ップ運針が可能で例えばロ−タをそれぞれ60分割、1
8分割しておくことにより30秒及び20分に一度の運
針が達成され従来とほとんど違和感のない運針が実現で
きる。あるいは分針及び時針に秒針と同一仕様の静電モ
−タを用いることにより1種類の静電モ−タで1秒、1
分及び12分に一度の運針が得られる。
【0023】第2の実施の形態を図8に示す。ここでは
分針用ロ−タ及び時針用ロ−タの回転運動が歯車を介し
てそれぞれ分針及び時針と勘合された状況を示してい
る。分針64を例に説明すると、受け板66には分針用
ロ−タ61の回転軸の軸受けが設けられ、分針軸65が
保持されている。この分針軸65には分針用ロ−タ61
が組み込まれ分針用ステ−タ62と微小間隔を有して配
置される。分針用ロ−タ61と分針用ステ−タ62によ
り分針用静電モ−タが構成され外部からの出力信号を受
けて分針用ロ−タが回転運動を行い、この動きは分針用
歯車67を介して文字板63に対して反対位置に勘合さ
れた分針64に伝わり運針する。
【0024】この構成によれば秒針用、分針用及び時針
用の静電モ−タは同一基板上に作り込むことが可能なた
め生産性が大幅に改善できる。更に秒針用、分針用及び
時針用の静電モ−タを同一仕様とする場合には一プロセ
スですべての静電モ−タを作り込むことが可能である。
【0025】第2の実施の形態においては分針及び時針
運針のための伝達構造を同一構造としたが、他に静電モ
−タにより分針運針力を発生し、ここからの力の一部を
歯車で時針に伝達することなどでも目的は達成される。
【0026】図9、図10及び図11を用いて第3の実
施形態の詳細を説明する。図9は、第3の実施形態に用
いる平行吸引型静電モ−タ構造の一部を示す上面模式
図、図10は、ロ−タの動きを模式的に説明する模式
図、図11は、図9のA−A断面を示す模式図である。
第3の実施形態においては静電モ−タにおける構造が第
1及び第2の実施形態とは異なり図11に示すように可
動電極14を有するロ−タ11と固定電極13を有する
ステ−タ12は微小間隔eを介して積層配置され静電モ
−タ16を構成している。固定電極13及び可動電極1
4は、第1の実施形態と同様にしてそれぞれ30分割、
20分割されて図9及び図10に示す位置に配置した。
【0027】具体的にはここでもマイクロマシニング技
術を用いることにより外径13mm程度の静電モ−タ1
6を試作した。この時、可動電極14と固定電極13と
が半径方向で重なっている電極の長さwの値は6mmで
あった。ガラス基板上に固定電極13の形状にPt電極
を形成した後、ゾルゲル法を用いて5μm厚のPZT薄
膜を形成することにより誘電体層15を有するステ−タ
12を構成した。この時に得られたPZT薄膜の比誘電
率εは1000近い値を示した。第3の実施形態におい
てはロ−タ11とステ−タ12が積層配置されているた
めに前記誘電体層15がないと微小間隔eを維持できず
短絡してしまう。この電極間短絡を防止しかつ両電極間
に発生する力を大きくするためにPZT薄膜からなる誘
電体層15の形成は有効である。他方100μm厚のプ
ラスチック板上に可動電極14の形状にAl電極膜を形
成することによりロ−タ11を構成し、両者をおよそ1
0μmの微小間隙eを介して積層配置した。
【0028】この時、図10において固定電極13と可
動電極14との間に発生するに回転力Fは、数式F=
(wεV2 )/(2e)で表され図10中矢印で示した
方向に働く。この回転力Fとして固定電極13と可動電
極14とに印可する電圧Vを30Vとして、およそ5×
10-5Nの値がが得られた。第1の実施形態との違いは
構造の違いによる電極の長さwの影響が大きい。固定電
極13と可動電極14との関係は第1の実施形態と同様
で第3の実施形態においても固定電極13への電圧掃引
印加により1秒毎のステップ運針が得られた。第3の実
施形態においては静電モータ16の外径が13mmと大
きいが、結果としてこれに比例した大きな力が得られ
る。更にモ−タ自身は文字板の裏に隠れてしまうために
全く実害はない。
【0029】第3の実施形態においてロ−タ11とステ
−タ12との間におよそ10μmの微小間隙eを設けた
が、好ましくは平行吸引力を利用してロ−タ11が、誘
電体層15上を移動する構造でも良い。この際には誘電
体層15の膜厚で微小間隔eが規定されるため発生する
回転力は誘電体層15の比誘電率εに比例して非常に大
きなものが得られるが、両者の接触状態がロ−タ11の
回転駆動特性に非常に大きな影響を及ぼす。あまりに平
滑な界面は両者が吸着してしまうため適当でなく若干の
凸凹が有効である。更に界面部にダイヤモンドライクカ
−ボン膜を挿入することにより潤滑性、絶縁性及び機械
的特性が大幅に改善される。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ロ−タに形成された可
動電極と、ロ−タの変位量から規正される間隔毎にステ
−タ上に分割形成された第1、第2及び第3の固定電極
間に順次電圧を掃引印加することによりロ−タをステッ
プ駆動させることができる。この時ロ−タとステ−タ間
に働く力は複数箇所に発生するので結果的に従来に比し
て大きな駆動力を得ることができる。
【0031】また、本発明の静電モ−タによれば指針が
正常位置にいる時には保持エネルギ−は不要で万が一外
部擾乱が加わり指針が変位しようとした時には静電引力
により指針を正常位置へ戻そうとする力が有効に働くた
めに無駄なエネルギ−消費がない。この結果、全体とし
ての消費エネルギ−は従来ステッピングモ−タと比較し
ておよそ半分に低減できた。ステッピングモ−タ部の電
気機械変換損や輪列部の摩擦損もしくは上記の保持エネ
ルギ−などが影響しているものと考えられる。また、上
記静電モ−タ構造は文字板に対してアナログ指針と反対
側に配置されているので従来時計の外観を損なうことが
ない。さらには構成が簡単でマイクロマシニング技術を
用いてバッチ処理されるのでコイル、輪列部材などの面
倒な部材が不要となり機構の小型化と共に非常に低コス
トに作成できるなど波及効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平行吸引型静電モ−タ構造の第1の実
施形態を示す上面模式図。
【図2】本発明の第1の実施形態の静電モ−タ構造にお
けるロ−タの動きを説明する模式図。
【図3】本発明の静電モ−タにおいてステップ運針を行
うために第1固定電極と可動電極間に電圧印加した状態
を示す模式図。
【図4】第2固定電極と可動電極間に電圧印加すること
により図3の状態から6゜右回転した状態を示す模式
図。
【図5】第3固定電極と可動電極間に電圧印加すること
により図4の状態から更に6゜右回転した状態を示す模
式図。
【図6】本発明の静電モ−タをアナログ式電子時計に組
み込んだ時の指針とモ−タとの関係の概略を示す第1の
実施形態の断面模式図。
【図7】本発明の静電モ−タを用いた時計表示システム
を示す図。
【図8】本発明の静電モ−タをアナログ式電子時計に組
み込んだ時の指針とモ−タとの関係の概略を示す第2の
実施形態の断面模式図。
【図9】本発明の平行吸引型静電モ−タ構造の第3の実
施形態を示す上面模式図。
【図10】本発明の第3の実施形態の静電モ−タにおけ
るロ−タの動きを説明する模式図。
【図11】図9におけるA−A断面を示す模式図。
【符号の説明】 1 ロ−タ 2 ステ−タ 3 固定電極 3a 第1固定電極 3b 第2固定電極 3c 第3固定電極 4 可動電極 4a 可動電極 4b 可動電極 6 静電モ−タ 11 ロ−タ 12 ステ−タ 13 固定電極 14 可動電極 15 誘電体層 16 静電モ−タ 41 秒針用ロ−タ 42 秒針用ステ−タ 43,63 文字板 44 秒針 45 秒針軸 46、66 受け板 47 中受け板 48 地板 51 発振回路 52 分周回路 53 波形合成回路 54 モ−タ駆動回路 55 時刻表示機構 61 分針用ロ−タ 62 分針用ステ−タ 64 分針 65 分針軸 67 分針用歯車

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間基準信号を出力する発振回路と、前
    記発振回路の出力信号を入力して分周する分周回路と、
    前記分周回路の出力信号を入力して時刻情報を表示する
    ための出力信号を合成する波形合成回路と、前記波形合
    成回路の出力信号を入力して静電モ−タを駆動する駆動
    信号を出力するモ−タ駆動回路と、前記モ−タ駆動回路
    の出力信号を入力することによりステ−タと微小間隔を
    有して回転するロ−タと、前記ロ−タの回転により動作
    する時刻表示機構とを有することを特徴とするアナログ
    式電子時計。
  2. 【請求項2】 複数の固定電極を有する前記ステ−タ
    と、微小間隔を介して保持され、指針と結合され、可動
    電極を有するロ−タとの両電極間に電圧を印加すること
    により指針が水平方向に回転移動する平行吸引力型静電
    モ−タにおいて、ステ−タがロ−タの変位量から規正さ
    れる間隔毎に順次第1、第2及び第3の固定電極に分割
    形成され、可動電極と固定電極間に電圧を印加すること
    により指針を回転移動させるに際して第1、第2及び第
    3の固定電極に順次電圧が印加されることを特徴とする
    請求項1に記載のアナログ式電子時計。
  3. 【請求項3】ステ−タ円周上に形成された複数個の固定
    電極を順次第1、第2及び第3の固定電極とする3組の
    固定電極に分割することにより、可動電極と固定電極間
    に電圧を印加する際に複数箇所に指針を回転移動させる
    力を発生させることを特徴とする請求項2に記載のアナ
    ログ式電子時計。
  4. 【請求項4】 ステ−タ円周上で均等に30分割され順
    次第1、第2及び第3の固定電極とすることにより周期
    的に3組の固定電極を10個ずつ有し、他方ロ−タ上に
    はステ−タ上固定電極と同一幅でステ−タとの微小間隔
    を保持できるように均等に20分割された形状を有する
    可動電極を有し、秒針を1秒毎にステップ運針させるに
    際して固定電極への電圧印加を1秒毎に順次第1、第
    2、第3に切り換えてなることを特徴とする請求項2に
    記載のアナログ式電子時計。
  5. 【請求項5】 ステ−タと微小間隔を有するロ−タとか
    らなる静電モ−タ構成が文字板に対して指針と反対位置
    に結合配置されていることを特徴とする請求項2に記載
    のアナログ式電子時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005331325A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Casio Comput Co Ltd アナログ式電子時計
JP2018160969A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 シチズン時計株式会社 静電モータ
JP2020041871A (ja) * 2018-09-10 2020-03-19 シチズン時計株式会社 電子時計

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