JPH1038247A - 塩類を含む焼却残渣の溶融炉 - Google Patents

塩類を含む焼却残渣の溶融炉

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JPH1038247A
JPH1038247A JP8192501A JP19250196A JPH1038247A JP H1038247 A JPH1038247 A JP H1038247A JP 8192501 A JP8192501 A JP 8192501A JP 19250196 A JP19250196 A JP 19250196A JP H1038247 A JPH1038247 A JP H1038247A
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slag
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incineration residue
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JP8192501A
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Inventor
Tsutomu Fukushima
勤 福島
Yoshinari Fujisawa
能成 藤沢
Keisuke Nakahara
啓介 中原
Tsuyoshi Nakao
強 仲尾
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低沸点物質の揮散抑制効果が小さい。 【解決手段】 炉上部に焼却残渣装入筒14が挿着され
ると共に、炉本体10が、溶融スラグを滞留させて加熱
するスラグ滞留部11と、このスラグ滞留部の上に延設
された部位であって溶融塩を滞留させる塩類滞留部12
とに区分されており、スラグ滞留部11の外周部に誘導
加熱コイル13が備えられ、塩類滞留部12の外周部に
冷却装置15が備えられている。そして、焼却残渣装入
筒14は、その下端が溶融塩層51が形成された際の湯
面レベルよりも下に位置するように挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ焼却残渣
などのような塩類を含む焼却残渣を溶融処理する溶融炉
に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみや産業廃棄物などを焼却した際
に発生する焼却残渣の多くは埋め立て処分されている
が、埋立地の確保が困難になるにしたがって、その減容
化が要望されてきた。また、焼却残渣のうち、燃焼排ガ
スと共に飛散して集塵機で捕集された灰(飛灰)は、鉛
やカドミウムなどの重金属類を含んでおり、特別管理一
般廃棄物に指定されているので、その廃棄処分に際して
は、重金属類を無害化する処理をしなければならない。
このため、焼却炉から直接取り出された焼却残渣を減容
化すると共に、飛灰を無害化する必要が生じている。
【0003】このような問題に対処し、焼却残渣の減容
化と重金属類の不溶化・無害化を同時に行うことができ
る技術として、焼却残渣を溶融固化する処理方法が開発
されている。そして、この溶融固化処理の一方法とし
て、焼却残渣の溶融物を炉内に滞留させながら、装入さ
れた焼却残渣を順次溶融させる方法がある。このように
して焼却残渣を溶融する方法においては、生成した溶融
物が炉内に滞留している間に、溶融物中の成分が比重差
によって分離され、溶融スラグ層と溶融塩層に分かれる
ため、溶融物を溶融スラグと溶融塩とに分別して排出す
ることができる。
【0004】しかし、上記の溶融処理方法においては、
生成した溶融塩が常に炉内に残留しており、また、この
溶融塩は沸点が低いNaClやKClなどのアルカリ金
属の塩化物を多量に含んでいるので、これらの低沸点物
質が多量に揮散すると言う問題が発生する。低沸点物質
の揮散が起こると、揮散したアルカリ金属塩が排気系統
の機器内で凝縮して付着し、この付着物が排気系統を詰
まらせる原因物質になったり、あるいは機器類を腐食さ
せたりして、溶融炉の安定操業が阻害される。
【0005】このような問題を解消するための技術とし
て、特開平7−42924号公報には、低沸点物質の揮
散抑制が図られた溶融炉が示されている。この溶融炉は
電気抵抗加熱式のものであって、この炉による溶融処理
においては、炉内に滞留している焼却残渣の溶融物中に
浸漬された電極間に通電して、それ自体の電気抵抗熱に
よって溶融物を加熱し、装入された焼却残渣を順次溶融
する。
【0006】図6はその溶融炉を示す縦断面図である。
30は炉本体、31は電極、50は投入された焼却残
渣、52は焼却残渣が溶融して生成した溶融スラグ層、
51は焼却残渣中の塩類が溶融して生成した溶融塩層を
示す。また、32は焼却残渣の投入口、33は排ガス排
出口、34は溶融物の排出口を示す。この溶融炉におい
ては、炉本体30の天井壁と溶融領域との間に設けられ
ている仕切壁35の内側の溶融塩層51が投入された焼
却残渣50によって覆われ、仕切壁35の外側の溶融塩
層51が、融点が炉内温度よりも高く、比重が溶融塩よ
りも小さいカーボンなどの粉末材38によって覆われる
ようになっており、溶融塩層51からの低沸点物質の揮
散抑制が図られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、塩類を含む
焼却残渣は、融点が1400℃〜1600℃の酸化物
や、融点が700℃〜800℃の塩類などよりなる混合
物であるが、焼却残渣の溶融処理は焼却残渣中のすべて
の成分を溶融してしまう処理であるので、その溶融炉の
操業においては、すべての成分が溶融する高温域、すな
わち酸化物の融点以上の温度になるまで加熱される。こ
のため、融点が低い塩類は成り行きのままの状態で加熱
されて高温の溶融塩になる。そして、上記塩類の沸点は
1400℃〜1600℃程度であり、その蒸気圧は11
00℃を超える辺りから急激に高くなるので、炉内にお
いては、低沸点物質が非常に揮散し易い状態になる。
【0008】この点について、上記従来技術において
は、溶融塩上を焼却残渣やカーボンなどの粉末材で覆う
処置をしているが、低沸点物質の揮散源である溶融塩の
蒸気圧が抑えられる訳ではなく、焼却残渣やカーボンな
どによる捕集効果を狙っただけの処置であるので、これ
による低沸点物質の揮散抑制効果はあまり期待できな
い。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解消
し、低沸点物質の揮散を大幅に抑制することができる塩
類を含む焼却残渣の溶融炉を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係る溶融炉は、塩類を含む焼却
残渣を溶融させ、この溶融物を溶融炉内に滞留させて溶
融スラグ層と溶融塩層に分離させ、溶融スラグと溶融塩
を別々に排出させる電磁誘導加熱式の溶融炉において、
炉上部に焼却残渣装入管が設けられると共に、炉本体
が、溶融スラグを滞留させて加熱するスラグ滞留部と、
このスラグ滞留部の上に延設された部位であって溶融塩
を滞留させる塩類滞留部とに区分されており、スラグ滞
留部の外周部に誘導加熱コイルが備えられ、塩類滞留部
の外周部に溶融塩層の温度を調節する手段が備えられて
いることを特徴としている。
【0011】請求項2の発明に係る溶融炉は、塩類を含
む焼却残渣を溶融させ、この溶融物を溶融炉内に滞留さ
せて溶融スラグ層と溶融塩層に分離させ、溶融スラグと
溶融塩を別々に排出させる電磁誘導加熱式の溶融炉にお
いて、炉上部に焼却残渣装入管が設けられると共に、炉
本体が、溶融スラグを滞留させて加熱するスラグ滞留部
と、その炉体内部の横断面積が縮小されてスラグ滞留部
上に延設され、溶融塩を滞留させる塩類滞留部とに区分
されており、スラグ滞留部の外周部に誘導加熱コイルが
備えられていることを特徴としている。
【0012】請求項3の発明に係る溶融炉は、請求項1
の発明に係る溶融炉において、塩類滞留部の外周部に溶
融塩層を冷却する手段が備えられていることを特徴とし
ている。
【0013】請求項4の発明に係る溶融炉は、請求項1
〜請求項3の発明に係る溶融炉において、塩類滞留部に
備えられた焼却残渣装入管が、その下端が溶融塩層が形
成された際の湯面レベルよりも下に位置するように挿入
されていることを特徴としている。
【0014】なお、本発明において、塩類を含む焼却残
渣とは、都市ごみを焼却した際に発生する集塵灰(飛
灰)などであって、これらの集塵灰単独のもの、および
これらの集塵灰が混在するものの双方を指すものとす
る。
【0015】上記の各発明においては、溶融塩層の温度
を下げて低沸点物質の蒸気圧を低下させることを基本的
な要件とし、これによって低沸点物質の揮散を抑えるこ
とを図っている。
【0016】このため、本発明に係る溶融処理方法にお
いては、溶融塩層の温度が所定の範囲に収まるように調
節する。焼却残渣に含まれている低沸点物質は、主とし
てNaCl,KClなどのアルカリ金属の塩化物であ
り、前述のように、その揮散が激しくなる温度が110
0℃付近であるので、その揮散を抑えるためには、溶融
塩層の温度が1000℃以下になるように管理しなけれ
ばならない。ただし、溶融塩層の温度を約700℃より
低くすると、溶融物が固化する恐れがある。従って、溶
融塩層の温度管理に際しては、700℃〜1000℃の
範囲を所定管理温度とするのが適当である。
【0017】焼却残渣が溶融した際に生成した溶融塩層
は、その下に接して存在している高温の溶融スラグ層か
らの伝熱によって加熱される。そして、この溶融塩層の
温度が高くならないようにするためには、溶融スラグ層
からの伝熱量を減少させるか、溶融塩層からの放熱量が
多くなるようにするか、あるいは溶融塩層を人為的に冷
却する等の処置が必要になる。このため、塩類を含む焼
却残渣を溶融処理するために用いられる溶融炉は、溶融
塩層の温度が適度の範囲に維持できるような考慮が払わ
れた構造になっていることが望ましい。
【0018】まず、本発明においては、溶融スラグ層の
温度を下げる手段の一つとして、塩類滞留部の外周部に
溶融塩層を冷却する手段を備え、溶融塩層を強制冷却す
る。
【0019】そして、溶融スラグ層から溶融塩層への伝
熱量を減少させるためには、幾つかの方策があるが、上
記伝熱量の低減は焼却残渣を溶融塩層の中へ装入するこ
とによっても達成される。このため、本発明の溶融炉に
おいては、焼却残渣装入管を、その下端が溶融塩層が形
成された際の湯面レベルよりも下になるように配置し、
焼却残渣装入管の下部が溶融塩層へ浸漬される状態にな
るようにしている。このような状態で焼却残渣を装入す
ると、焼却残渣は除々に沈降しながら溶融塩層中へ分散
し、溶融塩層の下部に焼却残渣と溶融塩が混在している
部分(以下、混在層と言う)ができる。この混在層は焼
却残渣の粒子が懸濁している状態、あるいはスラリー状
になっており、熱伝導性がよくない固体分が混じってい
るので、混在層の熱伝導の度合いは溶融塩単独の場合に
比べて低下する。このため、混在層が熱移動を妨げる領
域となり、溶融塩層の過度の温度上昇が抑えられる。
【0020】また、溶融スラグ層からの伝熱量を減少さ
せるための他の手段の一つとしては、溶融塩層と溶融ス
ラグ層との界面の面積を小さくすることが挙げられる。
この点について、本発明に係る溶融炉においては、炉体
の上部が縮小された形状になっており、この縮小された
部位に溶融塩を滞留させ、その下の縮小されていない部
位に溶融スラグを滞留させることができるようになって
いる。このため、上記両層間界面の面積が小さくなっ
て、溶融スラグ層から溶融塩層へ移動する熱量が減少
し、溶融塩層の過度の温度上昇が抑えられる。
【0021】そして、縮小された部位に溶融塩を滞留さ
せると、溶融塩の滞留量に対する炉壁面積の比率が大き
くなって、溶融塩層からの放熱量が増加し、溶融塩層の
過度の温度上昇が抑えられる。
【0022】また、縮小された部位に溶融塩を滞留させ
ると、溶融塩の滞留量に対する炉壁外周の面積の比率が
大きくなり、また、少量の溶融塩を滞留させただけで、
溶融塩層の高さを高くすることができるので、炉壁の外
側に冷却手段を備えて溶融塩層を強制冷却することが容
易になる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明の溶融炉に係る実施
の形態の一例を示す平面図、図2は図1におけるA−A
部の断面図である。この溶融炉は電磁誘導加熱方式によ
る溶融炉であって、10は溶融炉本体、13は誘導加熱
コイル、14は焼却残渣装入管である。また、50は投
入された塩類を含む焼却残渣、51は溶融塩層、52は
溶融スラグ層を示す。
【0024】溶融炉本体10は黒鉛製の容器10aの外
側が耐火物10bで覆われてた2層構造になっている。
また、溶融炉本体10は溶融スラグを滞留させる部位と
溶融塩を滞留させる部位とに区分され、溶融炉本体10
の下部の部位がスラグ滞留部11、その上部の部位が塩
類滞留部12となっている。
【0025】スラグ滞留部11は外側に誘導加熱コイル
13が備えられており、この誘導加熱コイル13に高周
波電流を流すことによって、その中に滞留させた溶融ス
ラグを加熱し、溶融スラグ層52を高温状態に維持しな
から焼却残渣装入管14を経由して送られてくる焼却残
渣を溶融させる役目をなすものである。
【0026】溶融炉本体10の上部に取り付けられてい
る焼却残渣装入管14は、塩類滞留部12の炉蓋を貫通
し、その下端が溶融塩層51が形成された際の湯面レベ
ルよりも下に位置するように挿入されている。このた
め、投入された焼却残渣が溶融塩層51の中へ装入され
るようになっている。なお、上記焼却残渣装入管14は
投入された焼却残渣を降下させて溶融塩層51の中へ入
れるだけの機能を有するものであればよいので、その形
状は円筒形のものに限定されるものではなく、角形や他
の形状であってもよい。
【0027】また、塩類滞留部12には、その外周部に
冷却装置15が備えられている。冷却装置15は溶融塩
層51を強制冷却するために備えられたものであって、
水冷管が耐火物内に埋め込まれた構造になっており、こ
の水冷管は溶融塩層51と溶融スラグ層52との界面の
レベル付近から溶融塩層51のレベルに渡って設けられ
ている。なお、溶融塩層51の表面部は、逆に冷却され
易く、過度の温度低下が起こった場合には、溶融塩の流
動性が低下してその排出が困難になるので、塩類排出口
16の外周部またはその周辺に誘導加熱コイルなどより
なる加熱装置を備え、必要に応じて加熱することができ
るようにしておくことが望ましい。
【0028】上記の構成による溶融炉によって塩類を含
む焼却残渣を溶融する場合の操業は、次のように行われ
る。
【0029】焼却残渣は、計量された後、溶融塩層51
中に浸漬されている焼却残渣装入管14内へ投入され、
その下部に充填された状態になる。この焼却残渣は、予
熱されながら、それ自体の荷重によって焼却残渣装入管
14中を徐々に下降し、塩類滞留部12内に形成されて
いる溶融塩層51中へ装入される。溶融塩層51中へ装
入された焼却残渣50は徐々に沈降しながら分散し、焼
却残渣が懸濁した状態の部分、すなわち混在層51aを
つくる。この混在層51aは、前述のように、溶融スラ
グ層52から溶融塩層51への熱移動を妨げ、溶融塩層
51の過度の温度上昇を抑制する作用をなす。
【0030】溶融塩層51中へ装入された焼却残渣50
は、その一部が溶融塩層51中で溶融するが、残りは高
温に維持されている溶融スラグ層51との界面まで降下
し、ここで溶融する。焼却残渣が溶融すると、その成分
が比重差によって分離され、炉内には、溶融塩層51、
溶融スラグ層52、溶融メタル層53の3層が形成され
る。
【0031】スラグ滞留部11は外側に誘導加熱コイル
13が備えられており、この誘導加熱コイル13に高周
波電流を流すことによって、その中に滞留させた溶融ス
ラグを加熱し、溶融スラグ層52を高温状態に維持しな
から焼却残渣装入管14を経てスラグ滞留部11内の溶
融スラグ層52は、誘導加熱コイル13に高周波電流を
流した際の電磁誘導作用による容器10aの発熱によっ
て加熱される。そして、この溶融スラグ層52の温度は
投入電力の調節によって、1400℃〜1600℃の範
囲に維持される。
【0032】一方、塩類滞留部12内に形成されている
溶融塩層51の温度は、検出部が溶融塩層51の中間部
に配置された中間部測定用の温度計21の測定値に基づ
く冷却装置15の調節によって、適切な範囲に維持され
る。すなわち、温度計21によって測定された溶融塩層
51の中間部の温度が低沸点物質の揮散が起こらない範
囲(700℃〜1000℃)になるように、冷却装置1
5への通水量を調節する。
【0033】そして、上記の各溶融物は、それぞれ別個
に抜き出される。まず、溶融塩は塩類滞留部12上部
(焼却残渣装入管14の下端より上の位置)の側壁に設
けられた塩類排出口16から抜き出されるが、この溶融
塩は未溶融の焼却残渣などの固形分は殆ど含んでいない
ので、流動性が保たれている。このため、塩類排出口1
6から溶融塩を小流量で抜き出すことが可能になり、そ
の抜き出しにオーバーフロー方式を採用することができ
る。
【0034】上記のような望ましい状態で溶融塩が排出
されるのは、焼却残渣装入管14が溶融塩層51中に浸
漬されており、また、塩類排出口16が焼却残渣装入管
14の下端より上に設けられ、焼却残渣が懸濁している
混在層51aが形成されるレベルより上に位置している
ので、塩類排出口16から抜き出される溶融塩中に未溶
融の焼却残渣が混入する現象は起こらないためである。
【0035】もしも、焼却残渣装入管14が溶融塩層5
1に浸漬されておらず、焼却残渣を溶融塩層51の上へ
装入したとすれば、溶融塩層全体に焼却残渣が懸濁し、
溶融塩は焼却残渣が混入したままの状態で抜き出され
る。そして、溶融塩に焼却残渣の粉体が混入すると、そ
の粘度が大幅に上昇して流動性が低下し、溶融塩の排出
が困難になると言う問題が引き起こされる。
【0036】溶融スラグはスラグ滞留部11上部の側壁
に設けられたスラグ排出口17から連続的あるいは間欠
的に抜き出されるが、炉本体10がスラグ滞留部11と
塩類滞留部12とに区分された構成になっているので、
その抜き出しに際しては、溶融塩層51と溶融スラグ層
52の界面のレベルが塩類滞留部12の下部に位置する
ようにし、且つそのレベルを変動させないようにしなけ
ればならない。
【0037】このため、溶融塩層51と溶融スラグ層5
2の界面のレベルを把握しながら溶融スラグを抜き出す
必要がある。ところで、溶融塩層51の高さ方向におけ
る温度は、その湯面から溶融スラグ層52との界面に近
づくに従って上昇するので、上記界面のレベルに近い位
置の温度を連続的に測定すれば、上記界面の位置を把握
することができる。従って、検出部が溶融塩層51の下
部に配置された下部測定用の温度計22による測定値が
所定値に維持されるように、溶融スラグの抜き出し量を
調節すれば、溶融塩層51と溶融スラグ層52の界面は
所定のレベルに維持される。
【0038】そして、溶融メタルはスラグ滞留部11下
部の側壁に設けられたメタル排出口18から間欠的に抜
き出される。また、溶融時に発生したガスは排ガス排出
口19から抜き出され、別途処理される。
【0039】図3は本発明の溶融炉に係る実施の形態の
他の例を示す平面図、図4は図3におけるB−B部の断
面図である。図3および図4において、図1および図2
に係る溶融炉と同じ構成による部分については、同一の
符号を付しその説明を省略する。この例においては、塩
類滞留部12が、その内径(炉体内部の横断面積)がス
ラグ滞留部11の内径に対して大幅に縮小されて、スラ
グ滞留部11上の中央部に延設されている。このため、
溶融炉本体10の側面形状が凸字状になっている。ま
た、塩類滞留部12には焼却残渣装入管14が備えられ
ており、この焼却残渣装入管14は、その下端が溶融塩
層51が形成された際の湯面レベルよりも下に位置する
ように挿入されている。
【0040】この溶融炉を使用する操業においては、溶
融塩層51と溶融スラグ層52の界面を適宜のレベルに
形成させることができるが、上記界面をどこに形成する
かによって、異なる効果が得られる。
【0041】まず、図4のように、溶融塩層51と溶融
スラグ層52の界面を炉体の内径が縮小されている箇所
に形成させれば、既述のように、上記界面を縮小するこ
とによって、溶融スラグ層52から溶融塩層51へ移動
する熱量が減少し、炉壁からの放熱量も増加するので、
溶融塩層の温度上昇が一層抑制される。このため、この
操業方法によれば、溶融塩層の必要冷却熱量が非常に少
なくなり、冷却装置15の負荷が大幅に軽減される。そ
して、必要冷却熱量がさらに減少する小型の溶融炉にお
いては、冷却装置15を装備する必要がない場合もあ
る。
【0042】また、図5のように、溶融塩層51と溶融
スラグ層52の界面を炉体内径の縮小度合いが小さい箇
所、または縮小されていない箇所に形成させた場合、上
記界面の面積が図4に示した場合より大きくなり、溶融
スラグ層52から溶融塩層51への伝熱量が多くなっ
て、その分だけ冷却装置15の負荷が増すが、焼却残渣
の溶融は主として上記界面付近で行われるので、焼却残
渣の溶融処理能力が大きくなる。なお、このような操業
を行う場合には、上記界面を形成させるレベルより上の
部分に誘導加熱コイル13が備えられていない、図5に
示すような構成の溶融炉を使用する。
【0043】
【発明の効果】本発明においては、炉本体が、溶融スラ
グを滞留させて加熱するスラグ滞留部と、その上に延設
された部位であって溶融塩を滞留させる塩類滞留部とに
区分され、この塩類滞留部の外周部に溶融塩層の温度を
調節する手段が備えられているので、溶融塩層の温度を
低くして低沸点物質の蒸気圧を下げることが可能にな
り、これによって低沸点物質の揮散を抑えることができ
る。
【0044】そして、塩類滞留部がスラグ滞留部より縮
小されている場合には、溶融塩層と溶融スラグ層の界面
の面積を小さくすることができるので、溶融スラグ層か
ら溶融塩層へ移動する熱量が減少し、また、炉壁からの
放熱量も増加する。このため、溶融塩層の温度上昇が一
層抑制され、低沸点物質の揮散が抑えられる。
【0045】また、塩類滞留部に備えられた焼却残渣装
入管が、その下端が溶融塩層が形成された際の湯面レベ
ルよりも下に位置するように挿入されている場合には、
焼却残渣が溶融塩層の中へ装入され、溶融塩層の下部に
溶融塩と焼却残渣が混じり合った混在層が形成されるの
で、溶融スラグ層から溶融塩層への熱移動が妨げられ
る。このため、溶融塩層の温度上昇抑制され、低沸点物
質の揮散が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融炉に係る実施の形態の一例を示す
平面図である。
【図2】図1におけるA−A部の断面図である。
【図3】本発明の溶融炉に係る実施の形態の他の例を示
す平面図である。
【図4】図3におけるB−B部の断面図である。
【図5】溶融塩層と溶融スラグ層2の界面のレベルを変
えた場合の状態を示す図である。
【図6】従来の低沸点物質の揮散防止が図られた溶融炉
の一例を示す概略の縦断面図である。
【符号の説明】
10 溶融炉本体 11 スラグ滞留部 12 塩類滞留部 13 誘導加熱コイル 14 焼却残渣装入管 15 冷却装置 16 溶融塩排出口 17 スラグ排出口 18 メタル排出口 19 排ガス排出口 20,21,22 温度計 50 塩類を含む焼却残渣 51 溶融塩層 51a 混在層 52 溶融スラグ層 53 溶融メタル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲尾 強 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩類を含む焼却残渣を溶融させ、この溶
    融物を溶融炉内に滞留させて溶融スラグ層と溶融塩層に
    分離させ、溶融スラグと溶融塩を別々に排出させる電磁
    誘導加熱式の溶融炉において、炉上部に焼却残渣装入管
    が設けられると共に、炉本体が、溶融スラグを滞留させ
    て加熱するスラグ滞留部と、このスラグ滞留部の上に延
    設された部位であって溶融塩を滞留させる塩類滞留部と
    に区分されており、前記スラグ滞留部の外周部に誘導加
    熱コイルが備えられ、前記塩類滞留部の外周部に溶融塩
    層の温度を調節する手段が備えられていることを特徴と
    する塩類を含む焼却残渣の溶融炉。
  2. 【請求項2】 塩類を含む焼却残渣を溶融させ、この溶
    融物を溶融炉内に滞留させて溶融スラグ層と溶融塩層に
    分離させ、溶融スラグと溶融塩を別々に排出させる電磁
    誘導加熱式の溶融炉において、炉上部に焼却残渣装入管
    が設けられると共に、炉本体が、溶融スラグを滞留させ
    て加熱するスラグ滞留部と、その炉体内部の横断面積が
    縮小されてスラグ滞留部上に延設され、溶融塩を滞留さ
    せる塩類滞留部とに区分されており、前記スラグ滞留部
    の外周部に誘導加熱コイルが備えられていることを特徴
    とする塩類を含む焼却残渣の溶融炉。
  3. 【請求項3】 塩類滞留部の外周部に溶融塩層の温度を
    調節する手段が備えられていることを特徴とする請求項
    2に記載の塩類を含む焼却残渣の溶融炉。
  4. 【請求項4】 焼却残渣装入管の下端が溶融塩層が形成
    された際の湯面レベルよりも下に位置するように挿入さ
    れていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか
    に記載の塩類を含む焼却残渣の溶融炉。
JP8192501A 1996-07-22 1996-07-22 塩類を含む焼却残渣の溶融炉 Pending JPH1038247A (ja)

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TW086110293A TW333595B (en) 1996-07-22 1997-07-18 Method for melting incineration residue and apparatus therefor
KR1019970034204A KR100219827B1 (ko) 1996-07-22 1997-07-22 소각잔류물을 용해하기 위한 방법 및 장치
EP97112516A EP0820962B1 (en) 1996-07-22 1997-07-22 Method for melting incineration residue and apparatus therefor
DE69708538T DE69708538T2 (de) 1996-07-22 1997-07-22 Verfahren zum Schmelzen von Verbrennungsabfällen und Vorrichtung dafür
DK97112516T DK0820962T3 (da) 1996-07-22 1997-07-22 Fremgangsmåde til smeltning af slagge og apparat dertil
US08/987,708 US6084903A (en) 1996-07-22 1997-12-09 Method for melting incineration residue and apparatus therefor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6379416B1 (en) 1998-09-11 2002-04-30 Nkk Corporation Method and device for melt-treating incineration residue containing salts

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US6379416B1 (en) 1998-09-11 2002-04-30 Nkk Corporation Method and device for melt-treating incineration residue containing salts

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