JPH1037059A - セルロース繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents
セルロース繊維不織布及びその製造方法Info
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- JPH1037059A JPH1037059A JP8206405A JP20640596A JPH1037059A JP H1037059 A JPH1037059 A JP H1037059A JP 8206405 A JP8206405 A JP 8206405A JP 20640596 A JP20640596 A JP 20640596A JP H1037059 A JPH1037059 A JP H1037059A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高強力で寸法安定性に優れたリヨセル繊維不
織布及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 多数の密集し交絡したフィラメント
群が全体的に正弦波曲線を描いて配置されウェブを形成
し、各フィラメント糸より発生したフィブリルやフィラ
メントが交絡し、その交点は接着せしめられるリヨセル
繊維マルチフィラメント不織布。 リヨセル繊維マル
チフィラメントよりなる多数の密集したフィラメント群
のウェブをネット又はローラー上で支持し、ウェブ側よ
り１０〜１００ｋｇ／ｃｍ2 の高圧水をノズルから噴射
し、フィラメント糸を交絡させつつ、各フィラメント糸
よりフイブリルを発生せしめフィブリルが互いに交絡し
たり、フィラメント糸と交絡させる製法。
織布及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 多数の密集し交絡したフィラメント
群が全体的に正弦波曲線を描いて配置されウェブを形成
し、各フィラメント糸より発生したフィブリルやフィラ
メントが交絡し、その交点は接着せしめられるリヨセル
繊維マルチフィラメント不織布。 リヨセル繊維マル
チフィラメントよりなる多数の密集したフィラメント群
のウェブをネット又はローラー上で支持し、ウェブ側よ
り１０〜１００ｋｇ／ｃｍ2 の高圧水をノズルから噴射
し、フィラメント糸を交絡させつつ、各フィラメント糸
よりフイブリルを発生せしめフィブリルが互いに交絡し
たり、フィラメント糸と交絡させる製法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、リヨセル繊維マル
チフィラメント不織布及びその製造方法に関する。更に
詳しくは、本発明は、高強力のリヨセル繊維の特性を生
かしつつ、高強力で寸法安定性に優れた不織布に関す
る。
チフィラメント不織布及びその製造方法に関する。更に
詳しくは、本発明は、高強力のリヨセル繊維の特性を生
かしつつ、高強力で寸法安定性に優れた不織布に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、セルロース短繊維よりなる不織布
は、その製造上の特性から長さ方向の強力と幅方向の強
力のバランスはとれているものの、強力は低く、高強力
を得るためには、厚みを増し、目付を大きくする必要が
あり、薄くて高強力のものは得難い。また、セルロース
長繊維よりなる不織布は長さ方向にフィラメントが連続
しているため、高強力であるが、幅方向については交絡
が不十分であるため強力は低く、非常にアンバランスで
ある。このような欠点を克服すべくフィラメントの交絡
を多くする手段がとられている。
は、その製造上の特性から長さ方向の強力と幅方向の強
力のバランスはとれているものの、強力は低く、高強力
を得るためには、厚みを増し、目付を大きくする必要が
あり、薄くて高強力のものは得難い。また、セルロース
長繊維よりなる不織布は長さ方向にフィラメントが連続
しているため、高強力であるが、幅方向については交絡
が不十分であるため強力は低く、非常にアンバランスで
ある。このような欠点を克服すべくフィラメントの交絡
を多くする手段がとられている。
【０００３】例えば、特開昭４８ー６８８６６号公報に
は「フィラメント群が正弦波曲線を描いて配置されてウ
ェブを形成し、該ウェブとほぼ同一のフィラメント配置
を有するウェブが複数層位相を異にして重ね合わせ、フ
ィラメントの交点を接着することにより、長さ方向と幅
方向の強力に優れている不織布」が開示されている。し
かしながら、この不織布は水に濡れると形態が著しく変
化したり、強力が低下するなどして、実用的に問題があ
った。
は「フィラメント群が正弦波曲線を描いて配置されてウ
ェブを形成し、該ウェブとほぼ同一のフィラメント配置
を有するウェブが複数層位相を異にして重ね合わせ、フ
ィラメントの交点を接着することにより、長さ方向と幅
方向の強力に優れている不織布」が開示されている。し
かしながら、この不織布は水に濡れると形態が著しく変
化したり、強力が低下するなどして、実用的に問題があ
った。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような問題を解決しうる、即ち、上述した高強力で寸
法安定性に優れたリヨセル繊維マルチフィラメント不織
布を提供するものである。
のような問題を解決しうる、即ち、上述した高強力で寸
法安定性に優れたリヨセル繊維マルチフィラメント不織
布を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者は、再生セルロ
ース繊維よりなる不織布の寸法安定性及び強度低下防止
について鋭意研究する内に、従来の再生セルロース系繊
維からなる不織布は、湿潤状態において著しく膨潤して
強力が低下したり、収縮により形態変化が著しいことが
分かり、この観点からリヨセル繊維を用いて特定の交絡
状態にすることにより、上記課題を克服できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
ース繊維よりなる不織布の寸法安定性及び強度低下防止
について鋭意研究する内に、従来の再生セルロース系繊
維からなる不織布は、湿潤状態において著しく膨潤して
強力が低下したり、収縮により形態変化が著しいことが
分かり、この観点からリヨセル繊維を用いて特定の交絡
状態にすることにより、上記課題を克服できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【０００６】即ち、本発明は： (1) 多数の密集し交絡したフィラメント群が全体的に
正弦波曲線を描いて配置されてウェブを形成し、各フィ
ラメント糸より発生したフィブリルやフィラメントが交
絡し、その交点は接着せしめられるリヨセル繊維マルチ
フィラメント不織布を提供する。また、(2) リヨセル
繊維マルチフィラメントよりなる多数の密集したフィラ
メント群のウェブをネットもしくはローラー上で支持
し、そのウェブ側より１０〜１００ｋｇ／ｃｍ2 の高圧
水をノズルから噴射し、フィラメント糸を交絡させつ
つ、これにより、各フィラメント糸よりフイブリルを発
生せしめフィブリルが互いに交絡したり、フィラメント
糸と交絡させるリヨセル繊維マルチフィラメント不織布
の製造方法を提供する。
正弦波曲線を描いて配置されてウェブを形成し、各フィ
ラメント糸より発生したフィブリルやフィラメントが交
絡し、その交点は接着せしめられるリヨセル繊維マルチ
フィラメント不織布を提供する。また、(2) リヨセル
繊維マルチフィラメントよりなる多数の密集したフィラ
メント群のウェブをネットもしくはローラー上で支持
し、そのウェブ側より１０〜１００ｋｇ／ｃｍ2 の高圧
水をノズルから噴射し、フィラメント糸を交絡させつ
つ、これにより、各フィラメント糸よりフイブリルを発
生せしめフィブリルが互いに交絡したり、フィラメント
糸と交絡させるリヨセル繊維マルチフィラメント不織布
の製造方法を提供する。
【０００７】本発明は、下記の実施の態様をも包含す
る。 不織布を構成するリヨセル繊維が乾燥時の破断強度
３．０〜５．０ｇ／ｄ、破断伸度５〜１２％、水膨潤度
７０％以下を持つことを特徴とする、請求項１記載のリ
ヨセル繊維マルチフィラメント不織布。 フィラメント群が１，０００〜１０，０００本／イ
ンチで多数の密集した連続したフィラメントであること
を特徴とする、請求項１記載のリヨセル繊維マルチフィ
ラメント不織布。 請求項１記載の不織布が、振幅２〜３００ｍｍ、波
長５〜２０００ｍｍの正弦波曲線のウェブを形成するこ
とを特徴とする、請求項１記載のリヨセル繊維マルチフ
ィラメント不織布。
る。 不織布を構成するリヨセル繊維が乾燥時の破断強度
３．０〜５．０ｇ／ｄ、破断伸度５〜１２％、水膨潤度
７０％以下を持つことを特徴とする、請求項１記載のリ
ヨセル繊維マルチフィラメント不織布。 フィラメント群が１，０００〜１０，０００本／イ
ンチで多数の密集した連続したフィラメントであること
を特徴とする、請求項１記載のリヨセル繊維マルチフィ
ラメント不織布。 請求項１記載の不織布が、振幅２〜３００ｍｍ、波
長５〜２０００ｍｍの正弦波曲線のウェブを形成するこ
とを特徴とする、請求項１記載のリヨセル繊維マルチフ
ィラメント不織布。
【０００８】以下、本発明を詳細に説明する。 （Ａ） 本発明の不織布：本発明の不織布は、基本的に
以下の特徴を有する。 (イ) リヨセル繊維からなる高強力セルロースフィラメ
ントを用い、(ロ) そのフィラメント群が正弦波曲線を
描いて配置されてウェブを形成し、(ハ) 更に、各フィ
ラメント糸より発生したフィブリルやフィラメントが交
絡し、その交点が接着している。
以下の特徴を有する。 (イ) リヨセル繊維からなる高強力セルロースフィラメ
ントを用い、(ロ) そのフィラメント群が正弦波曲線を
描いて配置されてウェブを形成し、(ハ) 更に、各フィ
ラメント糸より発生したフィブリルやフィラメントが交
絡し、その交点が接着している。
【０００９】即ち、フィラメント群が正弦波曲線を描く
ことによって配置されているため、よりフィラメント同
士、フィラメントより発生したフィブリルとフィラメン
ト、フィブリル同士の交絡がより強くなり、幅方向の強
力を高くしている。更に、不織布を構成するセルロース
繊維がリヨセル繊維を主体とするため、自己接着力によ
り、フィラメント同士、フィラメントとフィブリル、フ
ィブリル同士の交絡もより強いものとなる。
ことによって配置されているため、よりフィラメント同
士、フィラメントより発生したフィブリルとフィラメン
ト、フィブリル同士の交絡がより強くなり、幅方向の強
力を高くしている。更に、不織布を構成するセルロース
繊維がリヨセル繊維を主体とするため、自己接着力によ
り、フィラメント同士、フィラメントとフィブリル、フ
ィブリル同士の交絡もより強いものとなる。
【００１０】本発明にいう多数の密集したフィラメント
群は、(イ) 連続したフィラメントが１，０００〜１０，
０００本／インチ、好ましくは３，０００〜６，０００
本／インチの範囲で配置されていることが望ましく、且
つ (ロ)該フィラメント群が正弦波曲線を描いて配置され
てウェブを形成しており、更に (ハ)上記ウェブの上面に
該ウェブとほぼ同一のフィラメント配置を有するウェブ
が複数層、位相を異にして重ね合わされており、 (ニ)フ
ィラメントの交点は接着せしめられて、 (ホ)全体として
一体となった織物状組織を構成している。
群は、(イ) 連続したフィラメントが１，０００〜１０，
０００本／インチ、好ましくは３，０００〜６，０００
本／インチの範囲で配置されていることが望ましく、且
つ (ロ)該フィラメント群が正弦波曲線を描いて配置され
てウェブを形成しており、更に (ハ)上記ウェブの上面に
該ウェブとほぼ同一のフィラメント配置を有するウェブ
が複数層、位相を異にして重ね合わされており、 (ニ)フ
ィラメントの交点は接着せしめられて、 (ホ)全体として
一体となった織物状組織を構成している。
【００１１】ここでいう織物状組織の構成は、二相交
流、三相交流、多層交流等の模様として示される。この
際の正弦波曲線の形は、振幅２〜３００ｍｍ、好ましく
は１０〜２００ｍｍ、波長５〜２，０００ｍｍ、好まし
くは１００〜１，５００ｍｍの範囲で組み合わせて種々
な形の正弦波曲線を描いてウェブを形成することができ
る。本発明の不織布の目付は、１０〜２００ｇ／ｍ2 、
好ましくは１５〜８０ｇ／ｍ2 であることが好ましい。
流、三相交流、多層交流等の模様として示される。この
際の正弦波曲線の形は、振幅２〜３００ｍｍ、好ましく
は１０〜２００ｍｍ、波長５〜２，０００ｍｍ、好まし
くは１００〜１，５００ｍｍの範囲で組み合わせて種々
な形の正弦波曲線を描いてウェブを形成することができ
る。本発明の不織布の目付は、１０〜２００ｇ／ｍ2 、
好ましくは１５〜８０ｇ／ｍ2 であることが好ましい。
【００１２】本発明が適用されるリヨセル繊維とは、有
機溶媒から紡糸して得られたセルロース繊維を意味す
る。更に、詳細には、本発明のリヨセル繊維は、天然セ
ルロースを溶解する有機溶媒にセルロースを溶解させて
セルロース溶液となし、この溶液を紡糸液として用いる
湿式紡糸又は／及び乾式紡糸によって得られるセルロー
ス繊維である。この際の有機溶媒は公知の溶媒であって
良く、例えば、特公昭６０−２８８４８号公報に記載さ
れている第３級アミン−Ｎ−オキシドが好ましく、又別
種の溶媒であっても良い。
機溶媒から紡糸して得られたセルロース繊維を意味す
る。更に、詳細には、本発明のリヨセル繊維は、天然セ
ルロースを溶解する有機溶媒にセルロースを溶解させて
セルロース溶液となし、この溶液を紡糸液として用いる
湿式紡糸又は／及び乾式紡糸によって得られるセルロー
ス繊維である。この際の有機溶媒は公知の溶媒であって
良く、例えば、特公昭６０−２８８４８号公報に記載さ
れている第３級アミン−Ｎ−オキシドが好ましく、又別
種の溶媒であっても良い。
【００１３】この場合に、有機溶媒として使用するアミ
ンオキシド類には、例えば第三級アミンＮ−オキシド
（例えば、トリメチルアミンの、トリエチルアミンの、
トリプロピルアミンの、モノメチルジエチルアミンの、
ジメチルモノエチルアミンの、モノメチルジプロピルア
ミンのオキシド）；Ｎージメチルー、Ｎージエチルー、
Ｎージプロピルシクロヘキシルアミンのオキシド；ピリ
ジンのオキジド；ＮーメチルモルホリンＮーオキシド等
の環状モノ（ＮーメチルアミンーＮーオキシド）等が挙
げられる。Ｎーメチルモルホリン−Ｎーオキシドの使用
が好ましい。
ンオキシド類には、例えば第三級アミンＮ−オキシド
（例えば、トリメチルアミンの、トリエチルアミンの、
トリプロピルアミンの、モノメチルジエチルアミンの、
ジメチルモノエチルアミンの、モノメチルジプロピルア
ミンのオキシド）；Ｎージメチルー、Ｎージエチルー、
Ｎージプロピルシクロヘキシルアミンのオキシド；ピリ
ジンのオキジド；ＮーメチルモルホリンＮーオキシド等
の環状モノ（ＮーメチルアミンーＮーオキシド）等が挙
げられる。Ｎーメチルモルホリン−Ｎーオキシドの使用
が好ましい。
【００１４】（Ｂ）本発明の不織布の製造法：本発明の
不織布の製造法について述べる。特公昭６０−２８８４
８号公報に記載されている製造方法に従い紡糸された繊
維は、長繊維のまま均一に流水下に広げ、ネット上にシ
ートを形成しても良い。例えば、ネットコンベアの進行
方向及びそれとは直角方向に紡口を配列したものを用
い、紡糸原液は紡糸孔から吐出し、紡糸浴下端出口から
下方のネットコンベア上に堆積させる。また、ネットコ
ンベアを低速で進行させ、ネットコンベアに揺動装置を
用いてコンベアの進行方向とは直行する左右方向の揺動
運動を与えることによって、ネットコンベア上に正弦波
曲線を描いてフィラメント群を配置しウェブを形成させ
る。
不織布の製造法について述べる。特公昭６０−２８８４
８号公報に記載されている製造方法に従い紡糸された繊
維は、長繊維のまま均一に流水下に広げ、ネット上にシ
ートを形成しても良い。例えば、ネットコンベアの進行
方向及びそれとは直角方向に紡口を配列したものを用
い、紡糸原液は紡糸孔から吐出し、紡糸浴下端出口から
下方のネットコンベア上に堆積させる。また、ネットコ
ンベアを低速で進行させ、ネットコンベアに揺動装置を
用いてコンベアの進行方向とは直行する左右方向の揺動
運動を与えることによって、ネットコンベア上に正弦波
曲線を描いてフィラメント群を配置しウェブを形成させ
る。
【００１５】続いて、ネットコンベア上に形成されたウ
エブをネットもしくはローラー上で指示し、そのウェブ
側より１０〜１００ｋｇ／ｃｍ2 の高圧水をノズルから
噴射し、フィラメント糸を交絡させつつ、これにより、
各フィラメント糸よりフィブリルを発生せしめフィブリ
ルが互いに交絡したり、フィラメント糸と交絡する。次
に、ネットコンベアの進行過程にて精練・水洗処理を行
い、続いて、プレスロール及び乾燥工程を通して捲き取
りセルロースマルチフィラメント不織布を得ることがで
きる。
エブをネットもしくはローラー上で指示し、そのウェブ
側より１０〜１００ｋｇ／ｃｍ2 の高圧水をノズルから
噴射し、フィラメント糸を交絡させつつ、これにより、
各フィラメント糸よりフィブリルを発生せしめフィブリ
ルが互いに交絡したり、フィラメント糸と交絡する。次
に、ネットコンベアの進行過程にて精練・水洗処理を行
い、続いて、プレスロール及び乾燥工程を通して捲き取
りセルロースマルチフィラメント不織布を得ることがで
きる。
【００１６】高圧水は少なくとも１０〜１００ｋｇ／ｃ
ｍ2 以上、好ましくは３０〜８０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力を
保つ必要がある。高圧水が１０ｋｇ／ｃｍ2 未満ではフ
ィラメントより所望のフィブリルを生じせしめられな
い。また、１００ｋｇ／ｃｍ2 を越えると密度ムラとな
り均一な不織布が得られず好ましくない。
ｍ2 以上、好ましくは３０〜８０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力を
保つ必要がある。高圧水が１０ｋｇ／ｃｍ2 未満ではフ
ィラメントより所望のフィブリルを生じせしめられな
い。また、１００ｋｇ／ｃｍ2 を越えると密度ムラとな
り均一な不織布が得られず好ましくない。
【００１７】高圧水を噴射するノズルは目標とする商品
の表面形態によって多様に選択できる。ノズル径は小さ
いほど、また水圧は低いほどフィラメントからのフィブ
リル化は不織布表面層で起こり、ノズル径が大きく、水
圧が高いほど不織布内部までフィラメントからのフィブ
リル化が起こる。従って、目的とする不織布に従って、
ノズル径と水圧とを選択することが望ましい。
の表面形態によって多様に選択できる。ノズル径は小さ
いほど、また水圧は低いほどフィラメントからのフィブ
リル化は不織布表面層で起こり、ノズル径が大きく、水
圧が高いほど不織布内部までフィラメントからのフィブ
リル化が起こる。従って、目的とする不織布に従って、
ノズル径と水圧とを選択することが望ましい。
【００１８】（Ｃ） 本発明の不織布に用いるリヨセル
繊維の特徴：本発明の不織布に用いるリヨセル繊維は乾
燥時の破断強度が３．０〜５．０ｇ／ｄ、好ましくは
３．５〜５．０ｇ／ｄ、破断伸度が５〜１２％、好まし
くは５〜１０％であり、かつ、水膨潤度が７０％以下、
好ましくは４０〜７０％以下、より好ましくは５０〜６
５％である。リヨセル繊維マルチフィラメントとは、リ
ヨセル繊維を主体とするマルチフィラメントを意味し、
もちろんリヨセル繊維マルチフィラメント１００％が好
適であるが、リヨセル繊維マルチフィラメントの特性、
機能が損なわれない範囲の少量で銅安法レーヨン、ビス
コースレーヨン等の他の再生セルロース繊維マルチフィ
ラメントを含んでも構わない。
繊維の特徴：本発明の不織布に用いるリヨセル繊維は乾
燥時の破断強度が３．０〜５．０ｇ／ｄ、好ましくは
３．５〜５．０ｇ／ｄ、破断伸度が５〜１２％、好まし
くは５〜１０％であり、かつ、水膨潤度が７０％以下、
好ましくは４０〜７０％以下、より好ましくは５０〜６
５％である。リヨセル繊維マルチフィラメントとは、リ
ヨセル繊維を主体とするマルチフィラメントを意味し、
もちろんリヨセル繊維マルチフィラメント１００％が好
適であるが、リヨセル繊維マルチフィラメントの特性、
機能が損なわれない範囲の少量で銅安法レーヨン、ビス
コースレーヨン等の他の再生セルロース繊維マルチフィ
ラメントを含んでも構わない。
【００１９】各フィラメント糸より発生するフィブリル
は、該リヨセル繊維の特性により初めて効率的にフィブ
リルが発生し、フィラメントと交絡して、その交点が接
着され、不織布の長さ方向及び幅方向の強度が高めら
れ、初めて本発明の不織布が得られる。即ち、上述の特
定の強伸度を有するリヨセル繊維は、高圧水を噴射する
ことでフィブリル化しやすく、そのフィブリルは高強力
であり、フィブリル切断によりリントの発生はなく、交
絡後も脱落せず、得られた不織布はリントフリー性に富
み、優れた不織布特性を発揮するのである。
は、該リヨセル繊維の特性により初めて効率的にフィブ
リルが発生し、フィラメントと交絡して、その交点が接
着され、不織布の長さ方向及び幅方向の強度が高めら
れ、初めて本発明の不織布が得られる。即ち、上述の特
定の強伸度を有するリヨセル繊維は、高圧水を噴射する
ことでフィブリル化しやすく、そのフィブリルは高強力
であり、フィブリル切断によりリントの発生はなく、交
絡後も脱落せず、得られた不織布はリントフリー性に富
み、優れた不織布特性を発揮するのである。
【００２０】
【発明の実施の形態】以下、実施例を以って、本発明を
詳細するが、これらは本発明の範囲を制限しない。な
お、物性評価は以下の方法で行った。 （１）糸の強伸度；ＪＩＳ−Ｌ−１０１３に従い測定し
た。 （２）不織布の引張り強伸度；ＪＩＳ−Ｌ−１０７９に
従い測定した。
詳細するが、これらは本発明の範囲を制限しない。な
お、物性評価は以下の方法で行った。 （１）糸の強伸度；ＪＩＳ−Ｌ−１０１３に従い測定し
た。 （２）不織布の引張り強伸度；ＪＩＳ−Ｌ−１０７９に
従い測定した。
【００２１】（実施例１）特公昭６０−２８８４８号公
報に記載されている製造方法に従い、パルプとＮ−メチ
ルモルホリン−Ｎ−オキシド水溶液を混合槽にいれて減
圧下で混合し、セルロース濃度１０．０％のセルロース
溶液を製造した。該セルロース溶液を１２４℃の吐出温
度でエアギャップ紡糸を行った。このとき、紡糸口金と
して０．８ｍｍの紡糸孔が１．５ｍｍピッチで、ネット
コンベアの進行方向に９０列、それとは直角方向に１０
００列配列したものを用いた。紡糸原液は紡糸孔１個当
たり０．１ ｇ／分の割合で吐出した。
報に記載されている製造方法に従い、パルプとＮ−メチ
ルモルホリン−Ｎ−オキシド水溶液を混合槽にいれて減
圧下で混合し、セルロース濃度１０．０％のセルロース
溶液を製造した。該セルロース溶液を１２４℃の吐出温
度でエアギャップ紡糸を行った。このとき、紡糸口金と
して０．８ｍｍの紡糸孔が１．５ｍｍピッチで、ネット
コンベアの進行方向に９０列、それとは直角方向に１０
００列配列したものを用いた。紡糸原液は紡糸孔１個当
たり０．１ ｇ／分の割合で吐出した。
【００２２】このとき、幅５ｍｍの紡糸浴下端出口を出
て５０ｃｍ下方のネットコンベア上に堆積されたフィラ
メントのデニールは１．３ｄであり、強度は３．５ｇ／
ｄで、伸度は７．５％であった。ネットとしては２４メ
ッシュの塩化ビニリデン製のネットを用いた。また、ネ
ットコンベアの進行速度を１０ｍ／分とし、ネットコン
ベアに２００回／分の割合で揺動装置を用いてコンベア
の進行方向とは直行する左右方向の揺動運動を与えた。
て５０ｃｍ下方のネットコンベア上に堆積されたフィラ
メントのデニールは１．３ｄであり、強度は３．５ｇ／
ｄで、伸度は７．５％であった。ネットとしては２４メ
ッシュの塩化ビニリデン製のネットを用いた。また、ネ
ットコンベアの進行速度を１０ｍ／分とし、ネットコン
ベアに２００回／分の割合で揺動装置を用いてコンベア
の進行方向とは直行する左右方向の揺動運動を与えた。
【００２３】続いて、ネットコンベア上に形成されたウ
エブを１００メッシュの青銅の金網上で直径０．１ｍ
ｍ、ピッチ０．８ｍｍの一列ノズルより、ウェブ側から
６０ｋｇ／ｃｍ2 の水圧で水を噴射し、４ｍ／分の速度
で移動させた。さらに、コンベアの進行過程にて精練・
水洗処理を行い、プレスロール及び乾燥工程（８０℃の
熱風）を通して捲き取りセルロース繊維不織布（目付５
０ｇ／ｍ2 ）を得た。得られた不織布の引張り強度は経
１．８Ｋｇ／ｃｍ、緯１．５Ｋｇ／ｃｍで、伸度は経４
０％、緯５１％であった。又、４０℃の温水に５分間浸
漬し、脱水し乾燥後の形態はほとんど変化なかった。
エブを１００メッシュの青銅の金網上で直径０．１ｍ
ｍ、ピッチ０．８ｍｍの一列ノズルより、ウェブ側から
６０ｋｇ／ｃｍ2 の水圧で水を噴射し、４ｍ／分の速度
で移動させた。さらに、コンベアの進行過程にて精練・
水洗処理を行い、プレスロール及び乾燥工程（８０℃の
熱風）を通して捲き取りセルロース繊維不織布（目付５
０ｇ／ｍ2 ）を得た。得られた不織布の引張り強度は経
１．８Ｋｇ／ｃｍ、緯１．５Ｋｇ／ｃｍで、伸度は経４
０％、緯５１％であった。又、４０℃の温水に５分間浸
漬し、脱水し乾燥後の形態はほとんど変化なかった。
【００２４】（比較例１）銅安法セルロース繊維を用
い、紡糸口金として０．８ｍｍの紡糸孔が１．５ｍｍピ
ッチでネットコンベアの進行方向に９０列、それとは直
角方向に１０００列配列したものを用いた。紡糸原液は
紡糸孔１個当たり０．０５ｇ／分の割合で吐出した。こ
のとき幅５ｍｍの紡糸浴下端出口を出て５０ｃｍ下方の
ネットコンベア上に堆積されたフィラメントのデニール
は１．３ｄであり、強度は２．７ｇ／ｄで、伸度は１
２．５％であった。ネットとしては２４メッシュの塩化
ビニリデン製のネットを用いた。
い、紡糸口金として０．８ｍｍの紡糸孔が１．５ｍｍピ
ッチでネットコンベアの進行方向に９０列、それとは直
角方向に１０００列配列したものを用いた。紡糸原液は
紡糸孔１個当たり０．０５ｇ／分の割合で吐出した。こ
のとき幅５ｍｍの紡糸浴下端出口を出て５０ｃｍ下方の
ネットコンベア上に堆積されたフィラメントのデニール
は１．３ｄであり、強度は２．７ｇ／ｄで、伸度は１
２．５％であった。ネットとしては２４メッシュの塩化
ビニリデン製のネットを用いた。
【００２５】また、ネットコンベアの進行速度を１０ｍ
／分とし、ネットコンベアに２００回／分の割合で揺動
装置を用いてコンベアの進行方向とは直行する左右方向
の揺動運動を与えた。続いて、ネットコンベア上に形成
されたウエブをネットコンベアの進行過程にて精練・水
洗処理を行い、続いて、プレスロール及び乾燥工程を通
して捲き取りキュプラセルロース繊維不織布（目付５０
ｇ／ｍ2 ）を得た。得られた不織布の引張り強度は経
１．０Ｋｇ／ｃｍ、緯０．６Ｋｇ／ｃｍで、伸度は経３
２％、緯４２％であった。又、４０℃の温水に５分間浸
漬し、脱水し乾燥後の形態は著しく変化した。
／分とし、ネットコンベアに２００回／分の割合で揺動
装置を用いてコンベアの進行方向とは直行する左右方向
の揺動運動を与えた。続いて、ネットコンベア上に形成
されたウエブをネットコンベアの進行過程にて精練・水
洗処理を行い、続いて、プレスロール及び乾燥工程を通
して捲き取りキュプラセルロース繊維不織布（目付５０
ｇ／ｍ2 ）を得た。得られた不織布の引張り強度は経
１．０Ｋｇ／ｃｍ、緯０．６Ｋｇ／ｃｍで、伸度は経３
２％、緯４２％であった。又、４０℃の温水に５分間浸
漬し、脱水し乾燥後の形態は著しく変化した。
【００２６】（比較例２）比較例１で得られたキュプラ
セルロース繊維不織布（目付５０ｇ／ｍ2 ）を実施例１
と同様に１００メッシュの青銅の金網上で直径０．１ｍ
ｍ、ピッチ０．８ｍｍの一列ノズルより６０ｋｇ／ｃｍ
2 の水圧で水を噴射し、４ｍ／分の速度で移動させた。
続いて、コンベアの進行過程にて精練・水洗処理を行
い、更に、プレスロール及び乾燥工程（８０℃の熱風）
を通して捲き取りセルロース繊維不織布（目付５０ｇ／
ｍ2 ）を得た。得られた不織布の引張り強度は経０．８
Ｋｇ／ｃｍ、緯０．４Ｋｇ／ｃｍで、伸度は経３０％、
緯４５％であったが、フィラメントよりフィブリルは発
生しなかった。又、４０℃の温水に５分間浸漬し、脱水
・乾燥後の形態は著しく変化した。
セルロース繊維不織布（目付５０ｇ／ｍ2 ）を実施例１
と同様に１００メッシュの青銅の金網上で直径０．１ｍ
ｍ、ピッチ０．８ｍｍの一列ノズルより６０ｋｇ／ｃｍ
2 の水圧で水を噴射し、４ｍ／分の速度で移動させた。
続いて、コンベアの進行過程にて精練・水洗処理を行
い、更に、プレスロール及び乾燥工程（８０℃の熱風）
を通して捲き取りセルロース繊維不織布（目付５０ｇ／
ｍ2 ）を得た。得られた不織布の引張り強度は経０．８
Ｋｇ／ｃｍ、緯０．４Ｋｇ／ｃｍで、伸度は経３０％、
緯４５％であったが、フィラメントよりフィブリルは発
生しなかった。又、４０℃の温水に５分間浸漬し、脱水
・乾燥後の形態は著しく変化した。
【００２７】
【発明の効果】本発明においては、リヨセル繊維からな
る布帛シートを原料として、これに高圧水を作用させる
ことにより、寸法安定性に優れた高強力なセルロース不
織布が極めて工業的に生産できる。
る布帛シートを原料として、これに高圧水を作用させる
ことにより、寸法安定性に優れた高強力なセルロース不
織布が極めて工業的に生産できる。
Claims (2)
- 【請求項１】 多数の密集し交絡したフィラメント群が
全体的に正弦波曲線を描いて配置されウェブを形成し、
各フィラメント糸より発生したフィブリルやフィラメン
トが交絡し、その交点は接着せしめられることを特徴と
する、リヨセル繊維マルチフィラメント不織布。 - 【請求項２】 リヨセル繊維マルチフィラメントよりな
る多数の密集したフィラメント群のウェブをネットもし
くはローラー上で支持し、そのウェブ側より１０〜１０
０ｋｇ／ｃｍ2 の高圧水をノズルから噴射し、フィラメ
ント糸を交絡させつつ、これにより、各フィラメント糸
よりフイブリルを発生せしめフィブリルが互いに交絡し
たり、フィラメント糸と交絡させることを特徴とする、
請求項１記載のリヨセル繊維マルチフィラメント不織布
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8206405A JPH1037059A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | セルロース繊維不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8206405A JPH1037059A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | セルロース繊維不織布及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1037059A true JPH1037059A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16522824
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8206405A Withdrawn JPH1037059A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | セルロース繊維不織布及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1037059A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7008889B2 (en) | 2001-09-07 | 2006-03-07 | Polymer Group, Inc. | Imaged nonwoven fabric comprising lyocell fibers |
| JP2012077388A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Toray Ind Inc | 不織布およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP8206405A patent/JPH1037059A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7008889B2 (en) | 2001-09-07 | 2006-03-07 | Polymer Group, Inc. | Imaged nonwoven fabric comprising lyocell fibers |
| JP2012077388A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Toray Ind Inc | 不織布およびその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031007 |