JPH1036932A - 真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート - Google Patents

真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート

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JPH1036932A
JPH1036932A JP4514697A JP4514697A JPH1036932A JP H1036932 A JPH1036932 A JP H1036932A JP 4514697 A JP4514697 A JP 4514697A JP 4514697 A JP4514697 A JP 4514697A JP H1036932 A JPH1036932 A JP H1036932A
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JP
Japan
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brazing
alloy
intermediate layer
core material
corrosion resistance
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JP4514697A
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English (en)
Inventor
Yoshito Inabayashi
芳人 稲林
Noboru Soga
昇 曽我
Hiroshi Kano
浩 鹿野
Haruhiko Miyaji
治彦 宮地
Eiichi Torigoe
栄一 鳥越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Denso Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/01Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
    • B32B15/016Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic all layers being formed of aluminium or aluminium alloys

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 真空ろう付けで接合組立てる熱交換器に適し
た耐食性に優れたAl合金製ブレージングシート。 【解決手段】 Mn、Cu、Mg、Tiを特定し、残部
がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金芯材の両
面に、Al−Si−Mg系合金ろう材が片面につき5〜
20%のクラッド率で被覆され、更に前記タンク部およ
び冷媒通路の外面に相当するろう材と芯材の間に、M
n、Mg、Tiを特定し、更に、特定のSn、Znの
内、1種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避
的不純物からなるAl合金であって、厚さが30μm以
上好ましくは80μm以上で、クラッド率が35%以下
の中間層が設けられている真空ろう付け用Al合金製ブ
レージングシートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車および各種
産業用のAl合金製熱交換器等をろう付け(ブレージン
グ)、特に真空ろう付けで接合組立する場合にこれに適
し、耐食性の優れたAl合金製ブレージングシートに関
するものである。なお、本明細書において、Al合金の
組成はすべてmass%であるが、これを略して単に%
で記すこととする。
【0002】
【従来の技術】Al合金製の複雑な構造体を製造する場
合、ろう付け法は有効な手段であり、特にフラックスを
必要としない真空ろう付け法は公害上の心配がない事か
ら盛んに行われている。真空ろう付けは、AlまたはA
l合金を芯材とし、その片面または両面にAl合金ろう
材を皮材としてクラッドしたブレージングシートを用い
て各種形状に成形し、これらの部材を所定の構造体例え
ば熱交換器に組立、これを真空中で加熱してろう付けを
行う方法である。
【0003】真空ろう付け用ブレージングシートには各
種の芯材用アルミニウム合金と皮材用アルミニウム合金
ろう材が開発され、現在ではこれらの材料についてJI
S−Z−3263及びJIS−H−4000により規格
化されている。熱交換器に使用される真空ろう付け用ブ
レージングシートとしては、芯材としてJIS3003
(代表例Al−0.15%Cu−1.1%Mn合金)、
JIS3005(代表例Al−1.1%Mn−0.4%
Mg合金)、JIS3105(代表例Al−0.6%M
n−0.6%Mg合金)等を、皮材としてJIS400
4(代表例Al−10%Si−1.5 %Mg合金)、
JIS4104(代表例Al−10%Si−1.2%M
g−0.1%Bi合金)等のろう材を用いるのが通常で
ある。またブレージングシートは、板厚が0.5〜1.
2mm程度であり、ろう材のクラッド率は全板厚に対し
て片面につき5〜15%で、片面あるいは両面にクラッ
ドされている。
【0004】こうしたブレージングシートを用いた中空
構造を有するAl合金製熱交換器としてはドロンカップ
タイプのエバポレータ,オイルクーラー,ラジエター等
が製造されている。例えば図4に示すごとく、ドロンカ
ップタイプのエバポレータ10は、ブレージングシート
を成形して図2および図3に示す部材1を作製し、この
部材1を図4に示すように積層し、積層した部材1間に
コルゲートフィン2を配設し、さらにサイドプレート
6、冷媒入口管7、冷媒出口管8を配設して組立し、こ
れを真空ろう付けしたもので、ろう付けは1.3×10
-3〜1.3×10-2Pa台の真空中で、約873Kに加
熱して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車の軽量化に伴
い、これら熱交換器には材料板厚の薄肉化が要求されつ
つある。一方、自動車の使用環境は様々である為、あら
ゆる使用条件に耐えうる材料が必要となる。特に犠牲層
を持たないドロンカップタイプの熱交換器では、芯材の
耐食性が材料にとって最も重要な要求特性であり、耐食
性のあるブレージングシートの開発が切望され各種検討
が行われている。
【0006】ブレージングシートの耐食性は、材料の板
厚方向の元素分布状態に関係しているが、CuやZn等
材料の耐食性に寄与する元素はろう付け加熱を行った際
に、板厚中心を軸に表裏対称の分布状態となる。そのた
め、ブレージングシート表面に孔食が発生した場合、板
厚中心よりも表面側で孔食の進行が遅い材料は板厚中心
を過ぎてからの孔食進行が速くなる。すなわち、耐食性
向上に寄与する部分は板厚の半分であると言っても過言
ではなく、芯材への元素添加による貫通寿命の改善には
限界がある。
【0007】また、Cuの添加はアルミニウムの電位を
貴にするため、耐食性を向上させる目的でブレージング
シートの芯材に添加される。しかし、芯材中に添加した
Cuは、ろう付け加熱時に溶融したろう材中に拡散し、
ろう付け加熱後にろう材が凝固する際に共晶部に排出、
濃化される。そのため、芯材にCuが多いブレージング
シート程、ろう材が再凝固した層の腐食が速く進行す
る。従って、ブレージングシートの芯材への耐食性向上
のためのCu等の添加量には限界がある。従来、ろう付
け加熱時のろう材元素の芯材への拡散の防止、若しくは
芯材元素のろう材への拡散の防止の目的で、芯材とろう
材の間に中間層を設けた4層のブレージングシート或い
は5層のブレージングシートが検討されている。例えば
特開平2−30394号、特開平1−208432号、
特開平5−65582号等がそれに相当する。
【0008】しかしながら、これらのブレージングシー
トも熱交換器(ドロンカップタイプのエバポレータ等)
の外部(外側)耐食性の点で、なお十分とはいえなかっ
た。本発明の課題は、ブレージングシートを用いて真空
ろう付けにより熱交換器を製造する場合、前記の熱交換
器の外部(外側)耐食性の向上の問題を解決することで
あり、具体的にはこの耐食性の点でさらに優れたAl合
金製ブレージングシートを見出すことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の熱
交換器の外部(外側)耐食性の向上の問題を解決するた
め鋭意検討の結果、ブレージングシートの耐食性を更に
向上させるためには、ろう付け加熱時のろう材元素の芯
材への拡散、芯材元素(Cu等)のろう材への拡散の防
止のための中間層をろう材と芯材間に設け、更にこの中
間層材の合金組成、厚さ、クラッド率がブレージングシ
ートの耐食性に大きく関係し、重要であるとの知見を得
た。本発明は、前記の知見に基づいて完成したものであ
る。即ち、前記課題を解決するための請求項1の発明
は、プレス成形したブレージングシートを真空ろう付け
により接合してタンク部および冷媒通路を構成する熱交
換器用のAl合金製ブレージングシートであって、その
構成は、Mn:0.5〜2.0mass%(以下単に%
と記す)、Cu:0.1〜1.0%、Mg:0.05〜
0.5%、Ti:0〜0.3%を含有し、残部がAlお
よび不可避的不純物からなるAl合金芯材と、その両面
に、片面につき5〜20%のクラッド率で被覆されたA
l−Si−Mg系合金ろう材とからなり、更に前記タン
ク部および冷媒通路の外面に相当するろう材と芯材の間
に、Mn:0.5〜2.0%、Mg:0.05〜0.5
%、Ti:0〜0.3%を含有し、更に、Sn:0.0
5〜0.5%、Zn:0.05〜10.0%の内、いず
れか1種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避
的不純物からなるAl合金であって、厚さが30μm以
上で、クラッド率が35%以下の中間層が設けられてい
ることを特徴する真空ろう付け用Al合金製ブレージン
グシートであり、
【0010】また、請求項2の発明は、前記中間層の厚
さが80μm以上で、クラッド率が35%以下の中間層
を設けたことを特徴とする請求項1に記載の真空ろう付
け用Al合金製ブレージングシートであり、
【0011】更に、請求項3の発明は、前記Al−Si
−Mg系合金ろう材に、更にSn:0.05〜1.0%
を含有させたことを特徴とする請求項1および請求項2
に記載の真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず、請求項1の発明に係わる真空ろう付け用A
l合金製ブレージングシートについて説明する。この芯
材に使用するAl合金の添加元素の意義とその範囲の限
定理由は、次のとおりである。Cuは、耐食性を向上さ
せるために0.1〜1.0%添加するが、下限値未満で
はその効果は弱く、また上限値を越えると粒界腐食を発
生させやすくなり、ろう材の芯材への拡散量も多くなる
ため耐食性を低下させる。従ってその範囲は0.1〜
1.0%とするが、0.15〜0.5%とするのがより
好ましい。
【0013】Mnは、強度向上のために0.5〜2.0
%添加するが、下限値未満では強度向上の効果が少な
く、また上限値を越えるとろう付け加熱中に芯材へのろ
う材の拡散量が増え、ろう付け性および耐食性を低下さ
せる。従ってその範囲は0.5〜2.0%とするが、
0.8〜1.5%とするのがより好ましい。
【0014】Mgは、強度向上のために0.05〜0.
5%添加するが、下限値未満では強度向上の効果が少な
く、また上限値を越えるとろう付け加熱中に芯材へのろ
う材の拡散量が増え、ろう付け性および耐食性を低下さ
せる。従ってその範囲は0.05〜0.5%とするが、
0.1〜0.3%とするのがより好ましい。
【0015】Tiは、耐食性を向上させるために0〜
0.3%添加する。0〜0.3%の意味は、0%(0.
01%未満)が全く添加しない場合であり、添加する場
合は0.01〜0.3%とする。添加量が0.3%を越
えると粗大なTiの晶出物を生じ、逆に耐食性を害す
る。従ってTiの範囲は0〜0.3%とするが、添加す
るかしないかは、製品の用途により適宜選択して決定さ
れる。なお添加する場合は、0.05〜0.2%程度と
するのがより好ましい。
【0016】芯材における上記以外の元素で不可避的不
純物としては、Si、Fe、Cr、Zn等があるが、一
般に許容される範囲即ちSiは0.6%以下、Feは
0.7%以下、Crは0.20%以下、Znは0.40
%以下なら、特に問題ない。ただし、Si、Feについ
ては、できればSi0.20%以下、Fe0.20%以
下が好ましい。
【0017】次に、本発明によるAl合金製ブレージン
グシートの中間層に使用するAl合金の添加元素の意義
とその範囲の限定理由について説明する。Mnは、強度
向上のために0.5〜2.0%添加するが、下限値未満
では強度向上の効果が少なく、また上限値を越えるとろ
う付け加熱中に芯材へのろう材の拡散量が増え、ろう付
け性および耐食性を低下させる。従ってその範囲は0.
5〜2.0%とするが、0.8〜1.5%とするのがよ
り好ましい。
【0018】Mgは、強度向上のために0.05〜0.
5%添加するが、下限値未満では強度向上の効果が少な
く、また上限値を越えるとろう付け加熱中に芯材へのろ
う材の拡散量が増え、ろう付け性および耐食性を低下さ
せる。従ってその範囲は0.05〜0.5%とするが、
0.1〜0.3%とするのがより好ましい。
【0019】Tiは、耐食性を向上させるために0〜
0.3%添加する。0〜0.3%の意味は、0%(0.
01%未満)が全く添加しない場合であり、添加する場
合は0.01〜0.3%とする。添加量が0.3%を越
えると粗大なTiの晶出物を生じ、逆に耐食性を害す
る。従ってTiの範囲は0〜0.3%とするが、添加す
るかしないかは、製品の用途により適宜選択して決定さ
れる。なお添加する場合は、0.05〜0.2%程度と
するのがより好ましい。
【0020】Snは、電位を卑にして、芯材に対する犠
牲防食作用を向上させ、材料の耐食性を向上させるため
に、0.05〜0.5%添加するが、下限値未満では耐
食性向上の効果が少なく、また上限値を越えると中間層
の自己耐食性が低下する。従ってその範囲は、0.05
〜0.5%とするが、0.05〜0.2%とするのがよ
り好ましい。Znは、Snと同様に電位を卑にして、芯
材に対する犠牲防食作用を向上させ、材料の耐食性を向
上させるために、0.05〜10.0%添加するが、下
限値未満では耐食性向上の効果が少なく、また上限値を
越えると中間層の自己耐食性が低下する。従ってその範
囲は、0.05〜10.0%とするが、3.0〜6.0
%とするのがより好ましい。尚、これらのSn、Zn元
素は、1種又は2種添加する。即ち1種のみでも耐食性
向上の効果が期待できるが、2種を同時に添加しても差
し支えない。
【0021】なお、中間層にはCuは添加しない。この
理由は、中間層にCuを添加するとろう付け加熱時に、
中間層から外面側のろう材にCuが拡散し、ろう材が凝
固した際に、Cuが共晶部に排出されて濃化し、耐蝕性
を低下させるからである。
【0022】中間層のAl合金材における上記以外の元
素で不可避的不純物としては、Si、Fe、Cr等があ
るが、一般に許容される範囲即ちSiは0.6%以下、
Feは0.7%以下、Crは0.20%以下なら、特に
問題ない。ただし、Si、Feについては、できればS
i0.20%以下、Fe0.20%以下が好ましい。
【0023】次に、このAl合金中間層は、芯材の一方
即ち熱交換器のタンク部および冷媒通路の外側に相当す
る面に設け、更にその上にろう材がクラッドされる。な
お、芯材の他方の面には、直接ろう材がクラッドされ
る。このようにタンク部および冷媒通路の外側に相当す
る面に中間層を設ける理由は、外側の方が腐食環境が過
酷となるからである。
【0024】本発明に係わるAl合金製ブレージングシ
ートの中間層において、その厚さを30μm以上とした
のは、中間層の厚さが30μm未満の場合には、ろう付
け加熱時に芯材のCuが中間層を通り越してろう材まで
拡散するからである。ろう材に達したCuは、ろうが溶
融、凝固する際に共晶部に排出されて濃化し、耐食性を
低下させる。また、中間層のクラッド率を全板厚に対し
て35%以下としたのは、板厚に対して中間層が厚くな
りすぎると、素材強度が低下して成形が困難になるとと
もに、芯材を犠牲防食する部分が多くなりすぎて腐食が
進行した場合に残留する板厚が薄くなり、熱交換器の内
部圧力に耐えられなくなるからである。従って、中間層
は30μm以上の厚さでかつクラッド率は35%以下と
する。
【0025】本発明に用いられるろう材については、特
に制限はない。通常、真空ろう付けに使用されるAl−
Si−Mg系合金ろう材即ち4004(成分の代表例A
l−10%Si−1.5%Mg合金)、4104(成分
の代表例Al−10%Si−1.2%Mg−0.1%B
i合金)等を用いることが出来る。また、ろう材のクラ
ッド率についても、通常のクラッド率即ち全板厚に対し
て片面につき5〜20%を用いることが出来る。なお、
本発明の場合、板の両面にクラッドされる。
【0026】本発明に係わるAl合金製ブレージングシ
ートの構成は、前述のとおりであるが、このシート
(板)の断面構造を図示すると、図1のとおりである。
即ち、Al合金芯材5の熱交換器のタンク部および冷媒
通路の外面に相当する側Cに中間層4を介して、ろう材
3を設け、芯材5の他方の側(内面に相当する側)Dに
ろう材3, を設けた4層構造である。
【0027】次に、請求項2の発明は、請求項1の発明
のAl合金製ブレージングシートにおいて、特に中間層
を、厚さが80μm以上で且つクラッド率が35%以下
とするAl合金製ブレージングシートである。この発明
は、前記請求項1の発明の好ましい実施態様である。中
間層を、厚さが80μm以上で且つクラッド率が35%
以下とする理由は、耐食性の点でこの範囲が特に優れて
いるからである。
【0028】請求項3の発明は、請求項1及び請求項2
の発明のAl合金製ブレージングシートにおいて、Al
−Si−Mg系合金ろう材に、更にSnを0.05〜
0.5%添加したものである。Snは、ろう付け加熱後
にろう材が凝固する際に共晶部に排出されるため、共晶
部の電位を中和し、ろう付け加熱後のブレージングシー
ト表面の耐食性を更に向上させることができる。添加量
が下限値以下ではその効果がなく、添加量が上限値を越
えるとろう付け加熱後の表面の耐食性が低下し、腐食の
進行を促進する。従って添加量は、0.05〜0.5%
とするが、0.05〜0.2%とするのがより好まし
い。なお、本発明におけるAl−Si−Mg系合金ろう
材へのSnの添加(0.05〜0.5%)は、少なくと
も中間層側のろう材へ添加すれば用はたりるが、製造の
都合で芯材の両側のろう材に添加してもよい。その他の
要件は、前記請求項1及び請求項2と同様である。
【0029】また、本発明に係わるAl合金製ブレージ
ングシートの製造方法は、従来と同様に、常法に従って
製造することができる。即ち芯材、中間層材、ろう材の
所定のAl合金材を溶解鋳造し、この鋳塊を均質化熱処
理(ソーキング)し、更に必要に応じて所定の厚さに圧
延し、これらを合わせ熱間圧延し、続いて冷間圧延(必
要に応じて焼鈍)して製造することが出来る。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例(本発明例)を、比較
例とともに更に詳細に説明する。 〔実施例1〕表1に示す各種合金組成の芯材および中間
層材を用意した。これらの芯材と中間層材を表1の如く
組み合わせて、芯材の片面に中間層材を合わせ、更にそ
の上の両面にJIS4104合金からなるろう材をクラ
ッド(クラッド率は全板厚に対して片面あたり15%)
した。なお、中間層のクラッド率は、全板厚の15%と
した。このように合わせた圧延用の材料について、常法
に従ってソーキング、熱間圧延、中間焼鈍および冷間圧
延を行い、厚さ1.0mmのブレージングシートを製造
した。これら種々のブレージングシートの構成を表1に
示す。このようにして得られた表1に示すブレージング
シート(No.1〜13)を洗浄、仕上焼鈍した後、
6.7×10-3Paの真空中で873K×3分間の真空
ろう付け加熱を行い供試材とした。これら供試材の片面
を樹脂で被覆し腐食試験(CASS試験)を実施した。
試験開始後500時間および1000時間を経過したと
ころで供試材を取り出し、表面腐食生成物を除去して材
料の腐食状況を評価した。評価は光学顕微鏡を用いて最
大孔食部の孔食深さを焦点深度法により測定した。一部
の材料に関しては、断面から腐食形態を観察した。この
測定結果を表1に併記した。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかな様に、本発明によるブレ
ージングシートは比較例と比べて耐食性が優れているこ
とがわかる。
【0033】〔実施例2〕表1に示すNo.2の芯材お
よび中間層材を用いて、中間層材のクラッド率を2〜4
0%まで種々変えて合わせ、更にその上の両面にJIS
4104合金からなるろう材をクラッド(クラッド率は
全板厚に対して片面あたり15%)した。このように合
わせた圧延用の材料について、常法に従ってソーキン
グ、熱間圧延、中間焼鈍および冷間圧延を行い、厚さ
1.0mmと0.5mmのブレージングシートを製造し
た。これら種々のブレージングシートの構成を表2に示
す。これら表2に示すブレージングシート(No.14
〜31)を洗浄、仕上焼鈍した後、6.7×10-3Pa
の真空中で873K×3分間の真空ろう付け加熱を行い
供試材とした。これら供試材を用いてJIS5号試験片
を作製し、引張強さを測定した。また、これら供試材を
用いてプレス成形を行った。十分な成形高さが得られて
いるかを、成形品の張出高さを測定して評価した。更
に、全ての供試材の片面を樹脂で被覆し腐食試験(CA
SS試験)を実施した。試験開始後500時間、100
0時間を経過したところで供試材を取り出し、表面腐食
生成物を除去して材料の腐食状況を評価した。評価は光
学顕微鏡を用いて最大孔食部の孔食深さを焦点深度法に
より測定した。この測定結果を表2に併記した。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかな様に、本発明によるブレ
ージングシートは比較例と比べて強度は遜色なく、成形
性にも優れ、特に耐食性が優れていることがわかる。
【0036】〔実施例3〕表3に示すように各種の芯材
および中間層材を組み合わせて合わせ、更にこれらの上
の両面に、JIS4104合金に更にSnを0.2〜
1.2%含有させたろう材をクラッド(クラッド率は全
板厚に対して片面あたり15%)した。このように合わ
せた圧延用の材料について、常法に従ってソーキング、
熱間圧延、中間焼鈍および冷間圧延を行い、厚さ1.0
mmのブレージングシートを製造した。これら種々のブ
レージングシートの構成を表3に示す。これら表3に示
すブレージングシート(No.32〜39)を洗浄、仕
上焼鈍を施した後、6.7×10-3Paの真空中で87
3K×3分間の真空ろう付け加熱を行い供試材とした。
これら供試材の片面を樹脂で被覆し腐食試験(CASS
試験)を実施した。試験開始後500時間、1000時
間を経過したところで供試材を取り出し、表面腐食生成
物を除去して材料の腐食状況を評価した。評価は光学顕
微鏡を用いて最大孔食部の孔食深さを焦点深度法により
測定した。この測定結果を表3に併記した。
【0037】
【表3】
【0038】表3から明らかな様に、本発明によるブレ
ージングシートは比較例と比べて耐食性が優れているこ
とがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したごとく本発明は、Al合金
製ブレージングシートの使用上腐食環境の過酷な一方の
面の耐食性を大幅に向上させることができ、従ってこれ
を熱交換器に使用した場合、その熱交換器の耐食寿命を
著しく向上させることが可能となり、工業上顕著な効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるAl合金製ブレージングシート
の断面構造を示す図である。
【図2】ドロンカップエバポレータ用の冷媒通路成形部
材を示す平面図である。
【図3】図2のB−B’線に於ける断面図である。
【図4】熱交換器(ドロンカップエバポレータ)の一例
を示す説明図で、その概略断面図である。
【符号の説明】
1 ドロンカップエバポレータ用の冷媒通路成形部材 2 フィン 3、3, ろう材 4 中間層材 5 芯材 6、6, サイドプレート 7 冷媒入口管 8 冷媒出口管 10 熱交換器(ドロンカップエバポレータ) C 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の外側に相当す
る側 D 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の内側に相当す
る側
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/01 B32B 15/01 B F28F 3/00 301 F28F 3/00 301Z 21/08 21/08 D (72)発明者 鹿野 浩 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 宮地 治彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 鳥越 栄一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス成形したブレージングシートを真
    空ろう付けにより接合してタンク部および冷媒通路を構
    成する熱交換器用のAl合金製ブレージングシートであ
    って、その構成は、Mn:0.5〜2.0mass%
    (以下単に%と記す)、Cu:0.1〜1.0%、M
    g:0.05〜0.5%、Ti:0〜0.3%を含有
    し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金
    芯材と、その両面に、片面につき5〜20%のクラッド
    率で被覆されたAl−Si−Mg系合金ろう材とからな
    り、更に前記タンク部および冷媒通路の外面に相当する
    ろう材と芯材の間に、Mn:0.5〜2.0%、Mg:
    0.05〜0.5%、Ti:0〜0.3%を含有し、更
    に、Sn:0.05〜0.5%、Zn:0.05〜1
    0.0%の内、いずれか1種または2種を含有し、残部
    がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金であっ
    て、厚さが30μm以上で、クラッド率が35%以下の
    中間層が設けられていることを特徴する真空ろう付け用
    Al合金製ブレージングシート。
  2. 【請求項2】 前記中間層の厚さが80μm以上で、ク
    ラッド率が35%以下の中間層を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の真空ろう付け用Al合金製ブレージ
    ングシート。
  3. 【請求項3】 前記Al−Si−Mg系合金ろう材に、
    更にSn:0.05〜1.0%を含有させたことを特徴
    とする請求項1および請求項2に記載の真空ろう付け用
    Al合金製ブレージングシート。
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