JPH10121174A - Al合金製ブレージングシート - Google Patents

Al合金製ブレージングシート

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JPH10121174A
JPH10121174A JP27058196A JP27058196A JPH10121174A JP H10121174 A JPH10121174 A JP H10121174A JP 27058196 A JP27058196 A JP 27058196A JP 27058196 A JP27058196 A JP 27058196A JP H10121174 A JPH10121174 A JP H10121174A
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brazing
alloy
brazing sheet
corrosion resistance
core material
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JP27058196A
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Yoshito Inabayashi
芳人 稲林
Hiroshi Kano
浩 鹿野
Tomonori Yamada
知礼 山田
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    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/01Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
    • B32B15/016Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic all layers being formed of aluminium or aluminium alloys

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空ろう付けで接合組立てる熱交換器に適し
た耐食性に優れたAl合金製ブレージングシートを見出
すこと。 【解決手段】 Al合金製ブレージングシートの構成
は、Mn:0.5〜2.0mass%(以下単に%と記
す)、Cu:0.1〜1.0%、Mg:0.05〜0.
5%、Ti:0〜0.3%を含有し、残部がAlおよび
不可避的不純物からなるAl合金芯材と、その両面にA
l−Si−Mg系ろう材を5〜20%のクラッド率で合
わせ、更に熱交換器のタンク部および冷媒通路の外面に
相当するろう材と芯材の間に、Mn:0.01%以上
0.5%未満、Mg:0.05〜0.5%、Ti:0〜
0.3%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物か
らなるAl合金であって、厚さが30μm以上好ましく
は80μm以上で、かつクラッド率が35%以下の中間
層を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車および各種
産業用のAl合金製熱交換器等をろう付け(ブレージン
グ)、特に真空ろう付けで接合組立する場合に、これに
好適な耐食性の優れたAl合金製ブレージングシートに
関するものである。なお、本明細書においては、Al合
金の組成はすべてmass%であるが、略して単に%で
記す。
【0002】
【従来の技術】Al合金製の複雑な構造体を製造する場
合、ろう付け法は有効な手段であり、特にフラックスを
必要としない真空ろう付け法は、公害上の心配がない事
から盛んに行われている。真空ろう付けは、Alまたは
Al合金を芯材とし、その片面または両面にAl合金ろ
う材を皮材としてクラッドしたブレージングシートを用
いて各種形状に成形し、これらの部材を所定の構造体例
えば熱交換器に組立、これを真空中で加熱してろう付け
を行う方法である。
【0003】真空ろう付け用ブレージングシートには、
各種の芯材用Al合金と皮材用Al合金ろう材が開発さ
れ、現在ではこれらの材料についてJIS−Z−326
3及びJIS−H−4000により規格化されている。
熱交換器に使用される真空ろう付け用ブレージングシー
トとしては、芯材としてJIS3003(代表例Al−
0.15%Cu−1.1%Mn合金)、JIS3005
(代表例Al−1.1%Mn−0.4%Mg合金)、J
IS3105(代表例Al−0.6%Mn−0.6%M
g合金)を、皮材としてJIS4004(代表例Al−
10%Si−1.5 %Mg合金)、JIS4104
(代表例Al−10%Si−1.2%Mg−0.1%B
i合金)ろう材を用いるのが通常である。またブレージ
ングシートは、板厚が0.3〜1.5mm程度であり、
ろう材のクラッド率は、全板厚に対して片面につき5〜
15%で、片面あるいは両面にクラッドされている。
【0004】こうしたブレージングシートを用いた中空
構造を有するAl合金製熱交換器としてはドロンカップ
タイプのエバポレータ、オイルクーラー、ラジエター等
が製造されている。例えば図4に示すごとく、ドロンカ
ップタイプのエバポレータ10は、前記のAl合金芯材
の両面に前記のAl合金ろう材をクラッドしたブレージ
ングシートを用いて、図2および図3に示すような冷媒
通路成形部材1をプレス成形で製作し、この部材1を図
4に示すように積層し、積層した部材1間にコルゲート
フィン2を配設し、さらにサイドプレート6、6, 、冷
媒入口管7、冷媒出口管8を配設して組立し、これを真
空ろう付けしたもので、ろう付けは1.3×10-3
1.3×10-2Pa台の真空中で、約873Kに加熱し
て行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車の軽量化に伴
い、これら熱交換器には材料板厚の薄肉化が要求されつ
つある。一方、自動車の使用環境は様々である為、あら
ゆる使用条件に耐えうる材料が必要となる。特に犠牲層
を持たないドロンカップタイプの熱交換器では、ブレー
ジングシートの芯材の耐食性が材料にとって最も重要な
要求特性であり、耐食性のあるブレージングシートの開
発が切望され各種検討が行われている。
【0006】ブレージングシートの耐食性は、材料の板
厚方向の元素分布状態に関係しているが、CuやZn等
材料の耐食性に寄与する元素はろう付け加熱を行った際
に、板厚中心を軸に表裏対称の分布状態となる。そのた
め、ブレージングシート表面に孔食が発生した場合、板
厚中心よりも表面側の孔食進行が遅い材料は板厚中心を
過ぎてからの孔食進行が速くなる。すなわち、耐食性向
上に寄与する部分は板厚の半分であると言っても過言で
はなく、芯材への元素添加による貫通寿命の改善には限
界がある。
【0007】また、Cuの添加はアルミニウムの電位を
貴にするため、耐食性を向上させる目的でブレージング
シートの芯材に添加される。しかし、芯材中に添加した
Cuはろう付け加熱時に溶融したろう材中に拡散し、ろ
う付け加熱後にろう材が凝固する際に共晶部に排出、濃
化される。そのため芯材にCuが多いブレージングシー
ト程、ろう材が再凝固した層の腐食が速く進行する。従
って、ブレージングシートの芯材への耐食性向上のため
のCu等の元素添加量には限界がある。
【0008】従来、ろう付け加熱時のろう材の芯材への
拡散を防止する目的で、例えば特開平2−30394号
のように、芯材とろう材の間に中間層を設けた5層材の
ブレージングシートが提案されている。この提案では、
犠牲防食効果を考慮して芯材より電位を卑にするため、
1XXX系の合金を中間層としている。しかし、このブ
レージングシートは、耐食性及び材料の強度の点で、な
お十分とはいえなかった。本発明の課題は、前記の問題
を解決することであり、具体的には耐食性及び材料強度
の点で、さらに優れたAl合金製ブレージングシートを
見出すことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題を解決するため鋭意検討の結果、ブレージングシート
部材の耐食性を向上させるためには、ろう付け加熱中に
ろう材の芯材への拡散および芯材中のCu等の元素のろ
う材への拡散を防止するために、ろう材と芯材間に中間
層を設け、更にこの中間層の合金組成、厚さ、クラッド
率がブレージングシートの耐食性及び材料強度に大きく
関係するとの知見を得て本発明を完成したものである。
【0010】即ち、前記の課題を解決するための請求項
1の発明は、プレス成形したブレージングシートを真空
ろう付けにより接合してタンク部および冷媒通路を構成
する熱交換器用のAl合金製ブレージングシートであっ
て、その構成は、Mn:0.5〜2.0%、Cu:0.
1〜1.0%、Mg:0.05〜0.5%、Ti:0〜
0.3%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物か
らなるAl合金芯材と、その両面にAl−Si−Mg系
合金ろう材を5〜20%のクラッド率で合わせ、更に前
記タンク部および冷媒通路の外面に相当するろう材と芯
材の間に、Mn:0.01%以上0.5%未満、Mg:
0.05〜0.5%、Ti:0〜0.3%を含有し、残
部がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金であっ
て、厚さが30μm以上で、かつクラッド率が35%以
下の中間層を設けたことを特徴するAl合金製ブレージ
ングシートであり、
【0011】また、請求項2の発明は、Al−Si−M
g系合金ろう材が、Sn0.05〜0.5%を含有する
ことを特徴とする請求項1に記載のAl合金製ブレージ
ングシートである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。先ず、請求項1の発明に係わるAl合金製ブ
レージングシートについて説明する。先ず、本発明のブ
レージングシートの芯材に使用するAl合金は、Al−
Mn−Cu−Mg−(Ti)合金であるが、その添加元
素の意義とその範囲の限定理由について説明する。Cu
は、耐食性を向上させるために0.1〜1.0%添加す
るが、下限値未満ではその効果は弱く、また上限値を越
えると粒界腐食を発生させやすくなり、ろう材の芯材へ
の拡散量も多くなるため耐食性を低下させる。従ってそ
の範囲は0.1〜1.0%とするが、0.15〜0.5
%とするのがより好ましい。
【0013】Mnは、強度向上のために0.5〜2.0
%添加するが、下限値未満では強度向上の効果が少な
く、また上限値を越えるとろう付け加熱中に芯材へのろ
う材の拡散量が増え、ろう付け性および耐食性を低下さ
せる。従ってその範囲は0.5〜2.0%とするが、
0.8〜1.5%とするのがより好ましい。
【0014】Mgは、強度向上のために0.05〜0.
5%添加するが、下限値未満では強度向上の効果が少な
く、また上限値を越えるとろう付け加熱中に芯材へのろ
う材の拡散量が増え、ろう付け性および耐食性を低下さ
せる。従ってその範囲は0.05〜0.5%とするが、
0.1〜0.3%とするのがより好ましい。
【0015】Tiは、耐食性を向上させるために0〜
0.3%添加する。0〜0.3%の意味するところは、
0%(0.01%未満)は、全く添加しない場合であ
り、添加する場合は0.01〜0.3%とする。添加量
が0.3%を越えると粗大なTiの晶出物を生じ、逆に
耐食性を害する。従ってTiの範囲は0〜0.3%とす
るが、添加するかしないかは、製品の用途により適宜選
択して決定される。なお添加する場合は、0.05〜
0.2%程度とするのがより好ましい。
【0016】芯材における上記以外の元素で不可避的不
純物としては、Si、Fe、Cr、Zn等があるが、一
般に許容される範囲即ちSiは0.6%以下、Feは
0.7%以下、Crは0.20%以下、Znは0.40
%以下なら、特に問題ない。ただし、Si、Feについ
ては、Si0.20%以下、Fe0.20%以下とする
のがより好ましい。
【0017】次に、本発明によるAl合金製ブレージン
グシートの中間層材に使用するAl−Mn−Mg−(T
i)合金について説明する。添加元素のMn、Mgは材
料の強度の向上に寄与し、Tiは材料の耐食性の向上に
寄与するが、詳細は以下のとおりである。Mnは、強度
向上のために0.01%以上0.5%未満添加するが、
0.01%未満では強度向上の効果が少なく、また0.
5%を越えるとろう付け加熱中に中間層材へのろう材の
拡散量が増え、耐食性を低下させる。従ってその範囲は
0.01%以上0.5%未満とする。
【0018】Mgは、強度向上のために0.05〜0.
5%添加するが、下限値未満では強度向上の効果が少な
く、また上限値を越えるとろう付け加熱中に中間層材へ
のろう材の拡散量が増え、ろう付け性および耐食性を低
下させる。従ってその範囲は0.05〜0.5%とする
が、0.1〜0.3%とするのがより好ましい。
【0019】Tiは、耐食性を向上させるために0〜
0.3%添加する。0〜0.3%の意味するところは、
0%(0.01%未満)は、全く添加しない場合であ
り、添加する場合は0.01〜0.3%とする。添加量
が0.3%を越えると粗大なTiの晶出物を生じ、逆に
耐食性を害する。従ってTiの範囲は0〜0.3%とす
るが、添加する場合は、0.05〜0.2%程度とする
のがより好ましい。
【0020】中間層のAl合金材における上記以外の元
素で不可避的不純物としては、Si、Fe、Cr、Z
n、Cu等があるが、一般に許容される範囲即ちSiは
0.6%以下、Feは0.7%以下、Crは0.20%
以下、Znは0.40%以下、Cuは0.05%以下な
ら、加工性および耐食性等の点で特に問題ない。ただ
し、Si、Feについては、Si0.20%以下、Fe
0.20%以下とするのがより好ましい。
【0021】次に、本発明に係わるブレージングシート
は、芯材の一方即ち熱交換器のタンク部および冷媒通路
の外側に相当する側に、前記Al合金からなる中間層材
を設け、更にその上にろう材がクラッドされる。なお、
通常芯材の他方の面には、直接ろう材がクラッドされる
が、これに限定されるものではない。このようにタンク
部および冷媒通路の外側に相当する側に中間層を設ける
理由は、外側の方が腐食環境が過酷となるからである。
本発明に係わるAl合金製ブレージングシートの中間層
において、その厚さを30μm以上としたのは、中間層
の厚さが30μm未満の場合には、ろう付け加熱時に芯
材のCuが中間層を通り越してろう材まで拡散するから
である。ろう材に達したCuは、ろうが溶融、凝固する
際に共晶部に排出されて濃化し、耐食性を低下させる。
また、中間層のクラッド率を全板厚に対して35%以下
としたのは、板厚に対して中間層が厚くなりすぎると、
素材強度が低下して成形が困難になるとともに、芯材を
犠牲防食する部分が多くなりすぎて腐食が進行した場合
に残留する板厚が薄くなり、熱交換器の内部圧力に耐え
られなくなるからである。従って、中間層は30μm以
上の厚さでかつクラッド率は35%以下とする。
【0022】本発明に用いられるろう材については、特
に制限はない。通常、真空ろう付けに使用されるAl−
Si−Mg系合金ろう材即ち4004(成分の代表例A
l−10%Si−1.5%Mg合金)、4104(成分
の代表例Al−10%Si−1.2%Mg−0.1%B
i合金)等を用いることが出来る。また、ろう材のクラ
ッド率についても、通常のクラッド率即ち全板厚に対し
て片面につき5〜20%を用いることが出来る。なお、
本発明の場合、ろう材は板の両面にクラッドされる。
【0023】本発明に係わるAl合金製ブレージングシ
ートの構成は、前述のとおりであるが、このシート
(板)の断面構造を図示すると、図1のとおりである。
即ち、前記のAl合金芯材5の熱交換器のタンク部およ
び冷媒通路の外面に相当する側Cに前記のAl合金から
なる中間層4を介して、ろう材3を設け、芯材5の他方
の側(内面に相当する側)Dにろう材3, を設けた4層
構造である。
【0024】次に、請求項2の発明は、請求項1の発明
のAl合金製ブレージングシートにおいて、Al−Si
−Mg系合金ろう材が、Sn0.05〜0.5%を含有
したものである。Snは、ろう付け加熱後にろう材が凝
固する際に共晶部に排出されるため、共晶部の電位を中
和し、ろう付け加熱後のブレージングシート表面の耐食
性を更に向上させることができる。添加量が下限値以下
ではその効果がなく、添加量が上限値を越えるとろう付
け加熱後の表面の耐食性が低下し、腐食の進行を促進す
る。従って添加量は、0.05〜0.5%とするが、
0.05〜0.2%とするのがより好ましい。その他の
要件は、前記請求項1と同様である。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例(本発明例)を、比較
例とともに更に詳細に説明する。 〔実施例1〕表1に示す各種合金組成の芯材および中間
層材を用意した。これらの芯材と中間層材を表1の如く
組み合わせて、芯材の片面に中間層材を合わせ、更にそ
の上の両面にJIS4104合金からなるろう材をクラ
ッド(クラッド率は全板厚に対して片面あたり15%)
した。なお、中間層のクラッド率は、全板厚の2〜40
%まで種々変えた。このように合わせた圧延用の材料に
ついて、常法に従ってソーキング、熱間圧延、中間焼鈍
および冷間圧延を行い、厚さ1.0mmのブレージング
シートを製造した。これら種々のブレージングシートの
構成を表1に示す。このようにして得られた表1に示す
ブレージングシート(No.1〜18)を洗浄、仕上焼
鈍した後、6.7×10-3Paの真空中で873K×3
分間の真空ろう付け加熱を行い供試材とした。
【0026】これら供試材を用いてJIS5号試験片を
作製し、引張強さを測定した。また、これら供試材を用
いてプレス成形を行った。十分な成形高さが得られてい
るかを、成形品の張出高さを測定して評価した。さら
に、全ての供試材の片面を樹脂で被覆し腐食試験(CA
SS試験)を実施した。試験開始後500時間および1
000時間を経過したところで供試材を取り出し、表面
腐食生成物を除去して材料の腐食状況を評価した。評価
は光学顕微鏡を用いて最大孔食部の孔食深さを焦点深度
法により測定した。これらの測定結果を表1に併記し
た。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかな様に、本発明によるブレ
ージングシート(本発明例)は、従来例と比べて強度に
優れ、また比較例と比べて耐蝕性に優れており、材料特
性が全体的に優れていることがわかる。なお、本発明に
よるブレージングシートの成形性は、表1から明らかな
様に従来レベルを維持している。
【0029】〔実施例2〕表2に示すように各種の芯材
および中間層材を組み合わせて合わせ、更にこれらの上
の両面に、JIS4104合金に更にSnを0.1〜
0.6%含有させたろう材をクラッド(クラッド率は全
板厚に対して片面あたり15%)した。このように合わ
せた圧延用の材料について、常法に従ってソーキング、
熱間圧延、中間焼鈍および冷間圧延を行い、厚さ1.0
mmのブレージングシートを製造した。これら種々のブ
レージングシートの構成を表2に示す。これら表2に示
すブレージングシート(No.19〜26)を洗浄、仕
上焼鈍を施した後、6.7×10-3Paの真空中で87
3K×3分間の真空ろう付け加熱を行い供試材とした。
これら供試材の片面を樹脂で被覆し腐食試験(CASS
試験)を実施した。試験開始後500時間、1000時
間を経過したところで供試材を取り出し、表面腐食生成
物を除去して材料の腐食状況を評価した。評価は光学顕
微鏡を用いて最大孔食部の孔食深さを焦点深度法により
測定した。この測定結果を表2に併記した。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかな様に、本発明によるブレ
ージングシート(本発明例)は、比較例と比べて耐食性
が優れていることがわかる。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したごとく本発明は、Al合金
製ブレージングシートの使用上腐食環境の過酷な一方の
面の耐食性を大幅に向上させることができ、従ってこれ
を熱交換器に使用した場合、その熱交換器の耐食寿命を
著しく向上させることが可能となる。また、強度、成形
性の点でも問題なく、工業上顕著な効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるAl合金製ブレージングシート
の断面構造を示す図である。
【図2】ドロンカップエバポレータ用の冷媒通路成形部
材を示す平面図である。
【図3】図2のB−B’線に於ける断面図である。
【図4】熱交換器(ドロンカップエバポレータ)の一例
を示す説明図で、その概略断面図である。
【符号の説明】
1 ドロンカップエバポレータ用の冷媒通路成形部材 2 フィン 3、3, ろう材 4 中間層材 5 芯材 6、6, サイドプレート 7 冷媒入口管 8 冷媒出口管 10 熱交換器(ドロンカップエバポレータ) C 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の外側に相当す
る側 D 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の内側に相当す
る側

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス成形したブレージングシートを真
    空ろう付けにより接合してタンク部および冷媒通路を構
    成する熱交換器用のAl合金製ブレージングシートであ
    って、その構成は、Mn:0.5〜2.0mass%
    (以下単に%と記す)、Cu:0.1〜1.0%、M
    g:0.05〜0.5%、Ti:0〜0.3%を含有
    し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金
    芯材と、その両面にAl−Si−Mg系合金ろう材を5
    〜20%のクラッド率で合わせ、更に前記タンク部およ
    び冷媒通路の外側に相当するろう材と芯材の間に、M
    n:0.01%以上0.5%未満、Mg:0.05〜
    0.5%、Ti:0〜0.3%を含有し、残部がAlお
    よび不可避的不純物からなるAl合金であって、厚さが
    30μm以上で、かつクラッド率が35%以下の中間層
    を設けたことを特徴するAl合金製ブレージングシー
    ト。
  2. 【請求項2】 Al−Si−Mg系合金ろう材が、Sn
    0.05〜0.5%を含有することを特徴とする請求項
    1に記載のAl合金製ブレージングシート。
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