JPH1036684A - 生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ - Google Patents
生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグInfo
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- JPH1036684A JPH1036684A JP21219296A JP21219296A JPH1036684A JP H1036684 A JPH1036684 A JP H1036684A JP 21219296 A JP21219296 A JP 21219296A JP 21219296 A JP21219296 A JP 21219296A JP H1036684 A JPH1036684 A JP H1036684A
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- biodegradable
- coconut
- film
- bag
- powder
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W90/00—Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
- Y02W90/10—Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics
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- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Wrappers (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コンポスト化環境に晒した場合に、速やかに
生分解が進行し、資化されるような生分解性フィルム及
びそれを用いたコンポスト用バッグを提供すること。 【解決手段】 生分解性プラスチック98〜60重量%
に、ヤシ殻繊維より得た粒径1〜80μmの乾燥粉末
を、2〜40重量%配合して生分解性フィルムに加工製
造し、また、これを袋状に成形したコンポスト用バッグ
を製造する。
生分解が進行し、資化されるような生分解性フィルム及
びそれを用いたコンポスト用バッグを提供すること。 【解決手段】 生分解性プラスチック98〜60重量%
に、ヤシ殻繊維より得た粒径1〜80μmの乾燥粉末
を、2〜40重量%配合して生分解性フィルムに加工製
造し、また、これを袋状に成形したコンポスト用バッグ
を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性フィル
ム、及び該フィルムを用いて得られるコンポスト用バッ
グに係り、更には生ゴミ処理機に生ゴミと共に投入して
も速やかに生分解され、コンポスト化に要する時間が引
き延ばされることの無いコンポスト用バッグに関するも
のである。
ム、及び該フィルムを用いて得られるコンポスト用バッ
グに係り、更には生ゴミ処理機に生ゴミと共に投入して
も速やかに生分解され、コンポスト化に要する時間が引
き延ばされることの無いコンポスト用バッグに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心の高まりか
ら、ゴミの減量化についての対策が市民レベルでなされ
るようになってきている。例えば堆肥化容器、所謂、コ
ンポスタ−が各自治体の支援の下に一般家庭に普及しつ
つある。更に近年、幾つかの家電メ−カ−からは生ゴミ
処理機が発売されており、これも年々普及しつつある。
ら、ゴミの減量化についての対策が市民レベルでなされ
るようになってきている。例えば堆肥化容器、所謂、コ
ンポスタ−が各自治体の支援の下に一般家庭に普及しつ
つある。更に近年、幾つかの家電メ−カ−からは生ゴミ
処理機が発売されており、これも年々普及しつつある。
【0003】このような生ゴミ処理機により生ゴミを処
理する場合、まず台所で発生した生ゴミは流し台の隅部
に置かれた生ゴミ収集用容器(以下、三角コ−ナ−とい
う)に入れられる。そして通常この三角コ−ナ−には生
ゴミが満杯になった際、廃棄が容易なようにポリエチレ
ン製バッグが敷かれており、廃棄時にはこのバッグごと
三角コ−ナ−より取り除かれる。こうして取り除かれた
生ゴミを生ゴミ処理機でコンポスト化するには、ポリエ
チレン製バッグを取り除かなければならない。さもなけ
れば、生ゴミ処理機内に存在する資化微生物が生ゴミに
接触しにくくなり、コンポスト化に要する時間(以下、
サイクルという)が長くかかるようになるのみならず、
合成樹脂製のバッグのみは分解されずに堆肥中に残るた
め、後に堆肥からこれを分別する必要があった。この作
業は作業者に不快感を与えると共に、使用後のポリエチ
レンバッグの処理もまた厄介な問題となっていた。
理する場合、まず台所で発生した生ゴミは流し台の隅部
に置かれた生ゴミ収集用容器(以下、三角コ−ナ−とい
う)に入れられる。そして通常この三角コ−ナ−には生
ゴミが満杯になった際、廃棄が容易なようにポリエチレ
ン製バッグが敷かれており、廃棄時にはこのバッグごと
三角コ−ナ−より取り除かれる。こうして取り除かれた
生ゴミを生ゴミ処理機でコンポスト化するには、ポリエ
チレン製バッグを取り除かなければならない。さもなけ
れば、生ゴミ処理機内に存在する資化微生物が生ゴミに
接触しにくくなり、コンポスト化に要する時間(以下、
サイクルという)が長くかかるようになるのみならず、
合成樹脂製のバッグのみは分解されずに堆肥中に残るた
め、後に堆肥からこれを分別する必要があった。この作
業は作業者に不快感を与えると共に、使用後のポリエチ
レンバッグの処理もまた厄介な問題となっていた。
【0004】このような問題を解決する手段として、上
記のポリエチレン製バッグに替えて、ポリ乳酸、ポリラ
クトン等の脂肪族ポリエステル、変性デンプン−変性ポ
リビニルアルコ−ル複合体等の生分解性を有する合成樹
脂からなるバッグを使用する方法が提案されている。
記のポリエチレン製バッグに替えて、ポリ乳酸、ポリラ
クトン等の脂肪族ポリエステル、変性デンプン−変性ポ
リビニルアルコ−ル複合体等の生分解性を有する合成樹
脂からなるバッグを使用する方法が提案されている。
【0005】しかしながら、上記生分解性の合成樹脂
は、そのいずれをとってみても分解までに少なくとも3
ヶ月以上を要するため、コンポスト化に要するサイクル
が極めて長く、その分、大形の生ゴミ処理機が必要であ
るという問題を抱えていた。しかるに生ゴミ処理機を一
般家庭へ普及するには如何にコンパクト化するかが大き
な命題となっており、そのためには短期間(2週間以
内)で生分解されるコンポスト用バッグが強く望まれて
いた。
は、そのいずれをとってみても分解までに少なくとも3
ヶ月以上を要するため、コンポスト化に要するサイクル
が極めて長く、その分、大形の生ゴミ処理機が必要であ
るという問題を抱えていた。しかるに生ゴミ処理機を一
般家庭へ普及するには如何にコンパクト化するかが大き
な命題となっており、そのためには短期間(2週間以
内)で生分解されるコンポスト用バッグが強く望まれて
いた。
【0006】一方、ヤシは普通ココヤシを意味し、熱帯
地方に広く産する果実で、従来から多様に利用されてき
た。すなわち図2(A)に示すように、ヤシ2の果実の
10〜20mm厚の胚2cはヤシ油や食用あるいは薬用
原料などに活用され、2〜6mm厚の硬い木質の内果皮
2bから生産するヤシ殻活性炭は、優良な工業材料であ
る。ところがその大部分を閉める30〜40mm厚の中
果皮2aは、それに含まれる繊維3(以下、ヤシ殻繊維
という)から綱、紐が編まれる程度で、他に利用される
ことがない。
地方に広く産する果実で、従来から多様に利用されてき
た。すなわち図2(A)に示すように、ヤシ2の果実の
10〜20mm厚の胚2cはヤシ油や食用あるいは薬用
原料などに活用され、2〜6mm厚の硬い木質の内果皮
2bから生産するヤシ殻活性炭は、優良な工業材料であ
る。ところがその大部分を閉める30〜40mm厚の中
果皮2aは、それに含まれる繊維3(以下、ヤシ殻繊維
という)から綱、紐が編まれる程度で、他に利用される
ことがない。
【0007】なお、このヤシ殻繊維3は、図2(B)の
拡大図に示すように、内腔膜3aに、のこ歯状突起3b
と貫通する細胞膜の孔を持つ長さ約0.7mm、巾約2
0μmの厚膜繊維構造を成して、軽くて堅く弾力性があ
り、熱の不良導体で空気や水に対する耐久性を備えたも
のである。(永井彰一郎編「無機有機工業材料便覧」p
788.他(昭和35年3月20日初版)、東洋経済新
報社発行)。さらにこれらをプレス等の加圧により圧縮
すると、水分を加えたとき、体積が5〜6倍に膨張する
性質を有する。この現象は、圧縮した乾燥繊維が自然状
態にあったときの形状を記憶して、細胞レベルの内腔膜
保持状態に復元することにより生ずるものと推察され
る。
拡大図に示すように、内腔膜3aに、のこ歯状突起3b
と貫通する細胞膜の孔を持つ長さ約0.7mm、巾約2
0μmの厚膜繊維構造を成して、軽くて堅く弾力性があ
り、熱の不良導体で空気や水に対する耐久性を備えたも
のである。(永井彰一郎編「無機有機工業材料便覧」p
788.他(昭和35年3月20日初版)、東洋経済新
報社発行)。さらにこれらをプレス等の加圧により圧縮
すると、水分を加えたとき、体積が5〜6倍に膨張する
性質を有する。この現象は、圧縮した乾燥繊維が自然状
態にあったときの形状を記憶して、細胞レベルの内腔膜
保持状態に復元することにより生ずるものと推察され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、コンポスト化環境に晒された
場合、速やかに生分解が進行し、資化されるような生分
解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグを提
供すると共に、従来用途が少なく、多くが無駄に廃棄さ
れていたココヤシの中果皮を、工業生産レベルで活用す
ることを目的とするものである。
況に鑑みなされたもので、コンポスト化環境に晒された
場合、速やかに生分解が進行し、資化されるような生分
解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグを提
供すると共に、従来用途が少なく、多くが無駄に廃棄さ
れていたココヤシの中果皮を、工業生産レベルで活用す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を重
ねた結果、生分解性樹脂に、ヤシの中果皮に含まれる繊
維の乾燥粉末を所定量配合することによって、生分解性
樹脂の生分解速度が著しく向上することを見い出し、本
発明に至ったものである。すなわち本発明によれば、生
分解性プラスチック98〜60重量%に、ヤシの中果皮
に含まれる繊維の乾燥粉末を、2〜40重量%配合して
構成することを特徴とする生分解性フィルムが提供さ
れ、また、より好ましくは、生分解性プラスチックが脂
肪族ポリエステルであることを特徴とする生分解性フィ
ルムが提供され、また更に、上記いずれかに記載の生分
解性フィルムが袋状に成形されていることを特徴とする
コンポスト用バッグが提供される。
ねた結果、生分解性樹脂に、ヤシの中果皮に含まれる繊
維の乾燥粉末を所定量配合することによって、生分解性
樹脂の生分解速度が著しく向上することを見い出し、本
発明に至ったものである。すなわち本発明によれば、生
分解性プラスチック98〜60重量%に、ヤシの中果皮
に含まれる繊維の乾燥粉末を、2〜40重量%配合して
構成することを特徴とする生分解性フィルムが提供さ
れ、また、より好ましくは、生分解性プラスチックが脂
肪族ポリエステルであることを特徴とする生分解性フィ
ルムが提供され、また更に、上記いずれかに記載の生分
解性フィルムが袋状に成形されていることを特徴とする
コンポスト用バッグが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明の生分解性フィルムの製造に用いられる生分
解性プラスチックとしては、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ
アルカノエ−ト、ラクトン樹脂、低分子量脂肪族ジカル
ボン酸と低分子量脂肪族ジオ−ルから得られるポリエス
テル等の脂肪族ポリエステル樹脂;変性デンプン−変性
ポリビニルアルコ−ル複合体;等が使用可能であるが、
成型性、生分解性の観点から脂肪族ポリエステルが特に
好適に用いられる。
る。本発明の生分解性フィルムの製造に用いられる生分
解性プラスチックとしては、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ
アルカノエ−ト、ラクトン樹脂、低分子量脂肪族ジカル
ボン酸と低分子量脂肪族ジオ−ルから得られるポリエス
テル等の脂肪族ポリエステル樹脂;変性デンプン−変性
ポリビニルアルコ−ル複合体;等が使用可能であるが、
成型性、生分解性の観点から脂肪族ポリエステルが特に
好適に用いられる。
【0011】次いで本発明に使用されるヤシ殻繊維の乾
燥粉末(以下、ココナツパウダ−という)について説明
する。図1(A)は本発明の生分解性フィルムの原料構
成を示すブロック図、同図(B)はその原料製造法の一
例を示すブロック図である。すなわち、ココナツパウダ
−5を得るにはココヤシ2の中果皮2aを12〜16ヶ
月間、真水に晒し肉質を溶解後、繊維のみを採取し、こ
れを天日に3年以上晒して含有する塩分やタンニンを除
き、さらに熱風による強制乾燥を約8時間行って水分含
有率を10%にまで低下させた上、それから繊維の微細
片を得て、これをプレス機等を用いて圧縮比5〜6:1
の圧縮処理により圧粉体とする。次いでこれをボ−ルミ
ル、ハンマ−ミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて粉
砕し粉末とする。ココナツパウダ−5のサイズは特に限
定されるものではないが、フィルム化した際の外観、粉
砕に要するエネルギ−コスト等から粒子径1〜80μm
の範囲に設定することが望ましい。
燥粉末(以下、ココナツパウダ−という)について説明
する。図1(A)は本発明の生分解性フィルムの原料構
成を示すブロック図、同図(B)はその原料製造法の一
例を示すブロック図である。すなわち、ココナツパウダ
−5を得るにはココヤシ2の中果皮2aを12〜16ヶ
月間、真水に晒し肉質を溶解後、繊維のみを採取し、こ
れを天日に3年以上晒して含有する塩分やタンニンを除
き、さらに熱風による強制乾燥を約8時間行って水分含
有率を10%にまで低下させた上、それから繊維の微細
片を得て、これをプレス機等を用いて圧縮比5〜6:1
の圧縮処理により圧粉体とする。次いでこれをボ−ルミ
ル、ハンマ−ミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて粉
砕し粉末とする。ココナツパウダ−5のサイズは特に限
定されるものではないが、フィルム化した際の外観、粉
砕に要するエネルギ−コスト等から粒子径1〜80μm
の範囲に設定することが望ましい。
【0012】上記生分解性プラスチック1とココナツパ
ウダ−5との配合割合は、生分解性プラスチック/ココ
ナツパウダ−=98/2〜60/40の重量割合に設定
される。生分解性プラスチック1の配合割合がこの範囲
を超えると生分解速度の向上が顕著でなく、逆に生分解
性プラスチック1の配合割合がこの範囲未満で、かつ、
ココナツパウダ−5の配合割合がこの範囲を超えるとフ
ィルム成型に困難を来すのみならず、得られるフィルム
が脆くなり好ましくない。
ウダ−5との配合割合は、生分解性プラスチック/ココ
ナツパウダ−=98/2〜60/40の重量割合に設定
される。生分解性プラスチック1の配合割合がこの範囲
を超えると生分解速度の向上が顕著でなく、逆に生分解
性プラスチック1の配合割合がこの範囲未満で、かつ、
ココナツパウダ−5の配合割合がこの範囲を超えるとフ
ィルム成型に困難を来すのみならず、得られるフィルム
が脆くなり好ましくない。
【0013】その他本発明においては、公知の酸化防止
剤、カ−ボンブラック、各種顔料等の着色剤、無機充填
剤、滑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤等を配合
することを妨げるものでない。更に、生分解性プラスチ
ック1中でのココナツパウダ−5の分散性を向上させる
ために、シラン系等のカップリング剤でココナツパウダ
−5に表面処理を施しておくことも可能である。
剤、カ−ボンブラック、各種顔料等の着色剤、無機充填
剤、滑剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤等を配合
することを妨げるものでない。更に、生分解性プラスチ
ック1中でのココナツパウダ−5の分散性を向上させる
ために、シラン系等のカップリング剤でココナツパウダ
−5に表面処理を施しておくことも可能である。
【0014】次に本発明の生分解性フィルムの具体的製
造方法について説明する。即ち、ココナツパウダ−5を
生分解性プラスチック1に溶融混練、ペレット化する。
この操作にはバンバリ−ミキサ−、ヘンシェルミキサ
−、単軸混練機、多軸混練機、ミキシングロ−ル、ニ−
ダ−等公知の混練装置が好適に用いられる。次いで、得
られたペレット4を用いてフィルム化を行う。フィルム
化に当たっては公知のインフレ−ション法やTダイ法の
製膜機が使用可能であり、またフィルム化と同時に、あ
るいはフィルム化の後に延伸工程を加える。生分解性フ
ィルムの厚みは、使用される用途に応じて要求される強
度と生分解速度によって適宜設定されるものであり、産
業用、土壌緑化のための播種用袋等の用途には通常10
0〜2000μm、コンポスト用バッグ、ゴミ袋、買い
物袋、各種包装用フィルムの用途には10〜500μm
の間に設定されるのが一般的である。また、本発明の生
分解性フィルムの表面にココナツパウダ−が配合されて
いない生分解性樹脂層を積層あるいはコ−トすることも
可能であり、さらに、上記生分解性フィルムの生分解性
を大きく阻害しない範囲内において該生分解性フィルム
の表面に、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウ
レタン系等の合成樹脂を積層、或いはコ−トしてもよ
い。
造方法について説明する。即ち、ココナツパウダ−5を
生分解性プラスチック1に溶融混練、ペレット化する。
この操作にはバンバリ−ミキサ−、ヘンシェルミキサ
−、単軸混練機、多軸混練機、ミキシングロ−ル、ニ−
ダ−等公知の混練装置が好適に用いられる。次いで、得
られたペレット4を用いてフィルム化を行う。フィルム
化に当たっては公知のインフレ−ション法やTダイ法の
製膜機が使用可能であり、またフィルム化と同時に、あ
るいはフィルム化の後に延伸工程を加える。生分解性フ
ィルムの厚みは、使用される用途に応じて要求される強
度と生分解速度によって適宜設定されるものであり、産
業用、土壌緑化のための播種用袋等の用途には通常10
0〜2000μm、コンポスト用バッグ、ゴミ袋、買い
物袋、各種包装用フィルムの用途には10〜500μm
の間に設定されるのが一般的である。また、本発明の生
分解性フィルムの表面にココナツパウダ−が配合されて
いない生分解性樹脂層を積層あるいはコ−トすることも
可能であり、さらに、上記生分解性フィルムの生分解性
を大きく阻害しない範囲内において該生分解性フィルム
の表面に、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウ
レタン系等の合成樹脂を積層、或いはコ−トしてもよ
い。
【0015】このようにして得られる生分解性フィルム
を用いてコンポスト用バッグが製造される。ここで、コ
ンポスト用バッグを製造する方法としては、本発明の生
分解性フィルムを2枚重ねて二方あるいは三方シ−ルし
たり、また該フィルムがチュ−ブ状の場合は底シ−ルす
るなど公知の製袋方法で袋状に成形するのが一般的であ
る。また、コンポスト用バッグの水切り性を向上させる
目的でバッグの底部、あるいは全体に多数の小孔や短い
切り込みを設けてもよい。
を用いてコンポスト用バッグが製造される。ここで、コ
ンポスト用バッグを製造する方法としては、本発明の生
分解性フィルムを2枚重ねて二方あるいは三方シ−ルし
たり、また該フィルムがチュ−ブ状の場合は底シ−ルす
るなど公知の製袋方法で袋状に成形するのが一般的であ
る。また、コンポスト用バッグの水切り性を向上させる
目的でバッグの底部、あるいは全体に多数の小孔や短い
切り込みを設けてもよい。
【0016】以上の方法により製造される本発明の生分
解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグは、
これをコンポスト化環境に放置した時、その生分解性は
生分解性プラスチック1単独で製造されたものに比べ
て、格段に向上する。これは微生物によってひとたび製
品に僅かのひび割れが生じると、そこから浸透した水分
を、圧縮されているココナツパウダ−5が吸収して大き
く(約5〜6倍に)膨潤することにより内部崩壊圧力を
発生し、これが製品に無数のクラックを生じさせるた
め、そこから侵入した微生物が急速に分解を促進し、こ
れがプラスチック成分に対する他の微生物の活動をも活
溌にする状況を作り出す結果と思われる。さらに、ココ
ナツパウダ−は、天然の有機質素材であるため、これを
好む微生物が生分解性プラスチック成分を好む微生物に
較べて特に多く、これがプラスチック成分の分解に先立
って、先ずココナツパウダ−成分を分解して全体の形象
を崩すことも分解促進の原因となると考えられる。
解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグは、
これをコンポスト化環境に放置した時、その生分解性は
生分解性プラスチック1単独で製造されたものに比べ
て、格段に向上する。これは微生物によってひとたび製
品に僅かのひび割れが生じると、そこから浸透した水分
を、圧縮されているココナツパウダ−5が吸収して大き
く(約5〜6倍に)膨潤することにより内部崩壊圧力を
発生し、これが製品に無数のクラックを生じさせるた
め、そこから侵入した微生物が急速に分解を促進し、こ
れがプラスチック成分に対する他の微生物の活動をも活
溌にする状況を作り出す結果と思われる。さらに、ココ
ナツパウダ−は、天然の有機質素材であるため、これを
好む微生物が生分解性プラスチック成分を好む微生物に
較べて特に多く、これがプラスチック成分の分解に先立
って、先ずココナツパウダ−成分を分解して全体の形象
を崩すことも分解促進の原因となると考えられる。
【0017】なお、本発明の生分解性フィルムは、かか
るコンポスト用バッグの材料として好適であるが、その
他、土壌緑化のための種用袋、ゴミ袋、買い物袋、更に
は各種包装用、産業用フィルムとしても広範に使用でき
るものである。
るコンポスト用バッグの材料として好適であるが、その
他、土壌緑化のための種用袋、ゴミ袋、買い物袋、更に
は各種包装用、産業用フィルムとしても広範に使用でき
るものである。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例により、より詳細に説
明する。
明する。
【0019】[製造例]ココヤシ2より内果皮2b及び
胚2cを取り出した残りの中果皮2aを真水中に1年間
浸し、肉質を溶解除去して繊維分を採取した。次いでこ
れを天日に3年間晒して含有する塩分やタンニンを除
き、さらに105℃の熱風による強制乾燥を8時間行っ
て水分含有率を10%にまで低下させた。次いでその繊
維を用いた製綱時に排出する長さ5〜10mmの微細片
を集め、これをプレス機により圧縮比6:1を以て圧縮
処理した。このようにして得られた圧縮処理物をジェッ
トミルにより粉砕した後、篩いにより分級し、400メ
ッシュ通過のココナツパウダ−5を得た。得られたココ
ナツパウダ−5を走査電子顕微鏡で観察したところ、平
均粒径が約20μmであることが確認された。
胚2cを取り出した残りの中果皮2aを真水中に1年間
浸し、肉質を溶解除去して繊維分を採取した。次いでこ
れを天日に3年間晒して含有する塩分やタンニンを除
き、さらに105℃の熱風による強制乾燥を8時間行っ
て水分含有率を10%にまで低下させた。次いでその繊
維を用いた製綱時に排出する長さ5〜10mmの微細片
を集め、これをプレス機により圧縮比6:1を以て圧縮
処理した。このようにして得られた圧縮処理物をジェッ
トミルにより粉砕した後、篩いにより分級し、400メ
ッシュ通過のココナツパウダ−5を得た。得られたココ
ナツパウダ−5を走査電子顕微鏡で観察したところ、平
均粒径が約20μmであることが確認された。
【0020】[実施例1〜4]グリコ−ルと脂肪族カル
ボン酸とを30:70の重量比で合成して得られた生分
解性脂肪族ポリエステル(昭和高分子(株)製、商品名
「ビオノ−レ」)に、上記製造例で得られたココナツパ
ウダ−5をそれぞれ5重量%(実施例1)、10重量%
(実施例2)、20重量%(実施例3)、40重量%
(実施例4)配合して溶融混合造粒し、生分解性フィル
ム製造用の原料とした。次いで、φ40のインフレ−シ
ョン押出成形機を用いて加工温度160℃で製膜し、厚
さ30μm、折り巾300mmのチュ−ブを得た。この
チュ−ブを底シ−ルし、300×400mmのコンポス
ト用バッグを得た。これらのコンポスト用バッグについ
て引張強度、伸びをJIS K 1701に従って評価
した。この結果を表1に示す。また、これらのコンポス
ト用バッグに生ゴミを入れ、市販の生ゴミ処理機に投入
して、その生分解の状況を目視により観察した。その結
果を表2に示す。
ボン酸とを30:70の重量比で合成して得られた生分
解性脂肪族ポリエステル(昭和高分子(株)製、商品名
「ビオノ−レ」)に、上記製造例で得られたココナツパ
ウダ−5をそれぞれ5重量%(実施例1)、10重量%
(実施例2)、20重量%(実施例3)、40重量%
(実施例4)配合して溶融混合造粒し、生分解性フィル
ム製造用の原料とした。次いで、φ40のインフレ−シ
ョン押出成形機を用いて加工温度160℃で製膜し、厚
さ30μm、折り巾300mmのチュ−ブを得た。この
チュ−ブを底シ−ルし、300×400mmのコンポス
ト用バッグを得た。これらのコンポスト用バッグについ
て引張強度、伸びをJIS K 1701に従って評価
した。この結果を表1に示す。また、これらのコンポス
ト用バッグに生ゴミを入れ、市販の生ゴミ処理機に投入
して、その生分解の状況を目視により観察した。その結
果を表2に示す。
【0021】[比較例1]グリコ−ルと脂肪族カルボン
酸とを30:70の重量比で合成して得られた生分解性
脂肪族ポリエステル(昭和高分子(株)製、商品名「ビ
オノ−レ」)をφ40のインフレ−ション押出成形機を
用いて加工温度160℃で製膜し、厚さ30μm、折り
巾300mmのチュ−ブを得た。このチュ−ブを底シ−
ルし、300×400mmのコンポスト用バッグを得
た。このコンポスト用バッグについて引張強度、伸びを
JIS K 1701に従って評価した。この結果を表
1に示す。また、これらのコンポスト用バッグに生ゴミ
を入れ、市販の生ゴミ処理機に投入して、その生分解の
状況を目視により観察した。その結果を表2に示す。
酸とを30:70の重量比で合成して得られた生分解性
脂肪族ポリエステル(昭和高分子(株)製、商品名「ビ
オノ−レ」)をφ40のインフレ−ション押出成形機を
用いて加工温度160℃で製膜し、厚さ30μm、折り
巾300mmのチュ−ブを得た。このチュ−ブを底シ−
ルし、300×400mmのコンポスト用バッグを得
た。このコンポスト用バッグについて引張強度、伸びを
JIS K 1701に従って評価した。この結果を表
1に示す。また、これらのコンポスト用バッグに生ゴミ
を入れ、市販の生ゴミ処理機に投入して、その生分解の
状況を目視により観察した。その結果を表2に示す。
【0022】[比較例2]ココナツパウダ−の配合量を
50重量%とする以外は実施例1〜4と全く同様にして
コンポスト用バッグを得た。このコンポスト用バッグに
ついて引張強度、伸びをJIS K 1701に従って
評価した。この結果を表1に示す。また、このコンポス
ト用バッグに生ゴミを入れ、市販の生ゴミ処理機に投入
して、その生分解の状況を目視により観察した。その結
果を表2に示す。
50重量%とする以外は実施例1〜4と全く同様にして
コンポスト用バッグを得た。このコンポスト用バッグに
ついて引張強度、伸びをJIS K 1701に従って
評価した。この結果を表1に示す。また、このコンポス
ト用バッグに生ゴミを入れ、市販の生ゴミ処理機に投入
して、その生分解の状況を目視により観察した。その結
果を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1より、ココナツパウダ−の配合量が4
0重量%を超えるとコンポスト用バッグの機械的強度が
低下して実用上問題があることが判る。
0重量%を超えるとコンポスト用バッグの機械的強度が
低下して実用上問題があることが判る。
【0025】
【表2】
【0026】表2より、ココナツパウダ−を配合するこ
とにより、生分解速度が格段に向上することが明かであ
る。
とにより、生分解速度が格段に向上することが明かであ
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、生
分解性プラスチックとココナツパウダ−とが複合化され
て生分解速度が向上した生分解性フィルム、及び該生分
解性フィルムを用いたコンポスト用バッグが提供され、
これらは、環境問題についての関心が盛り上がる中、ゴ
ミの減量化の一つの大きな手段として注目されているコ
ンポスト化を普及させる上で、非常に有用なものであ
る。さらに本発明は従来、用途が少なく、多くを無駄に
廃棄されていたココヤシの中果皮を工業生産レベルで活
用する用途を提供するものである。
分解性プラスチックとココナツパウダ−とが複合化され
て生分解速度が向上した生分解性フィルム、及び該生分
解性フィルムを用いたコンポスト用バッグが提供され、
これらは、環境問題についての関心が盛り上がる中、ゴ
ミの減量化の一つの大きな手段として注目されているコ
ンポスト化を普及させる上で、非常に有用なものであ
る。さらに本発明は従来、用途が少なく、多くを無駄に
廃棄されていたココヤシの中果皮を工業生産レベルで活
用する用途を提供するものである。
【図1】本発明の生分解性フィルム及びそれを用いたコ
ンポスト用バッグの原料構成とその製造工程を示すブロ
ック図である。
ンポスト用バッグの原料構成とその製造工程を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明に使用するココヤシを説明するもので、
(A)はココヤシの断面図、(B)はヤシ殻繊維の拡大
断面図である。
(A)はココヤシの断面図、(B)はヤシ殻繊維の拡大
断面図である。
1 生分解性プラスチック 2 ココヤシ 2a 中果皮 2b 内果皮 2c 胚 3 ヤシ殻繊維 3a 内腔 3b のこ歯状突起 4 ヤシ殻繊維粉末と生分解性プラスチックの混合
物(ペレット) 5 ココナツパウダ−
物(ペレット) 5 ココナツパウダ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 99/00 LSX C08L 99/00 LSX //(C08L 67/04 97:00) B29K 67:00 311:10 B29L 7:00
Claims (4)
- 【請求項1】 生分解性プラスチックの98〜60重量
%に、ヤシの中果皮に含まれる繊維の乾燥粉末を、2〜
40重量%配合して構成することを特徴とする生分解性
フィルム。 - 【請求項2】 ヤシの中果皮に含まれる繊維の乾燥粉末
は、該繊維の微細片を圧縮比5〜6:1の圧粉体とした
後、粉末加工により粒径1〜80μmとしたものである
ことを特徴とする請求項1記載の生分解性フィルム。 - 【請求項3】 生分解性プラスチックが脂肪族ポリエス
テルであることを特徴とする請求項1又は2記載の生分
解性フィルム。 - 【請求項4】 請求項1ないし3記載の生分解性フィル
ムを以て袋状に成形されていることを特徴とするコンポ
スト用バッグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21219296A JPH1036684A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21219296A JPH1036684A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036684A true JPH1036684A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16618456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21219296A Pending JPH1036684A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 生分解性フィルム及びそれを用いたコンポスト用バッグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1036684A (ja) |
-
1996
- 1996-07-24 JP JP21219296A patent/JPH1036684A/ja active Pending
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