JPH1036547A - 微細発泡体の製法 - Google Patents

微細発泡体の製法

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JPH1036547A
JPH1036547A JP19496596A JP19496596A JPH1036547A JP H1036547 A JPH1036547 A JP H1036547A JP 19496596 A JP19496596 A JP 19496596A JP 19496596 A JP19496596 A JP 19496596A JP H1036547 A JPH1036547 A JP H1036547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、強度低下を抑えつつ、より一層の
軽量化、使用量低減化を達成できる発泡体の製法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 樹脂に液状のCO2を含浸させた後、該
樹脂を発泡させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂を発泡させて発
泡体を製造する方法に関し、樹脂に液状のCO2を含浸
させて発泡させることにより、微細な気泡が多数分散さ
れた微細発泡体が得られるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】特に軽量化や弾性の付与または使用量の
低減が求められている樹脂成形体などにおいては、樹脂
を発泡した成形体(発泡体)広く使用されている。この
ような発泡体においては、より一層の軽量化、使用量低
減を達成するために発泡倍率を高めると、図11に示す
ような気泡1の大きさS(以下、セルサイズという)が
大きくなり、その結果、単位断面積当たりの強度が低下
してしまうという問題があった。したがって、より一層
の軽量化、使用量低減を図るとともに、発泡体の強度低
下を防止するためには、セルサイズを微小化することが
望まれる。しかしながら、従来一般の発泡体の製法で
は、セルサイズの微小化は数100μmが限界とされて
おり、強度低下防止は実現できていなかった。
【0003】そこで、これらの問題を解決すべく特表平
6−50672号公報には、ポリマープラスチック材料
に超臨界流体を含浸させて発泡させることにより、従来
よりもセルサイズが小さい発泡樹脂材料を製造する方法
が記載されている。しかしながら、この方法によれば従
来一般の発泡樹脂材料よりは強度の低下量は少ないもの
の、必ずしも満足な強度は得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、強度低下を抑えつつ、より一層の軽量化、
使用量低減化を達成できる発泡体の製法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、樹脂に液状のCO2を含浸さ
せた後、該樹脂を発泡させることを特徴とする微細発泡
体の製法である。請求項2記載の発明は、樹脂にガス状
または超臨界状のCO2を含浸させ、引き続いて該樹脂
に液状のCO2を含浸させた後、該樹脂を発泡させるこ
とを特徴とする微細発泡体の製法である。請求項1また
は2記載の微細発泡体の製法において、前記樹脂とし
て、双極子モーメントが0.5以上の樹脂を用いること
が好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。本発明
で用いられるガス状、液状、および超臨界状のCO
2は、それぞれ図1に示すCO2の相平衡図に示される、
気体、液体、および超臨界流体の領域となる圧力、温度
範囲で得られる。例えば圧力200kgfで温度5℃、あ
るいは圧力200kgfで温度25℃とすれば液状のCO2
が得られ、圧力200kgfで温度40℃、あるいは圧力
200kgfで温度80℃とすれば超臨界状のCO2が得ら
れ、圧力40kgfで温度25℃、圧力40kgfで温度40
℃、あるいは圧力40kgfで温度80℃とすればガス状
のCO2が得られる。これらの中でも、特に液状のCO2
は、ガス状のCO2および超臨界状のCO2に比べて、樹
脂に含浸できる量(飽和含浸量)が多いので好ましい。
【0007】本発明で用いられる樹脂は、極性が強い樹
脂、すなわち双極子モーメントの値が大きい樹脂が好ま
しく用いられる。下記表1は各種樹脂の双極子モーメン
トとCO2の飽和含浸量を示したものであり、図2は、
これらの関係をグラフに示したものである。含浸条件
は、CO2が液状となる含浸圧力200kgf、含浸温度2
5℃で、含浸時間20時間とした。このグラフに示され
るように、樹脂の双極子モーメントとCO2の含浸量と
はほぼ比例関係にある。ここで、双極子モーメントが大
きい樹脂ほどCO2の飽和含浸量が大きいのは、樹脂の
分子構造が複雑で、極性成分を含んでおり、かつCO2
が4極子であるためと考えられる。
【0008】
【表1】
【0009】そして、後述する実験結果に示されるよう
に、CO2を含浸させた樹脂を発泡させて発泡体を製造
する場合、CO2の含浸量が多いほどセルサイズは微細
になり、かつ体積当たりの気泡の数(以下、セル密度と
いう)も多い。したがって、本発明において、双極子モ
ーメントが0.5以上の樹脂を用いることにより、CO
2の飽和含浸量を7%以上(200kgf、25℃)とする
ことができ、セルサイズ5.0μm以下、セル密度1×
1010個/cm3以上の微細発泡体を好ましく得ること
ができる。このような双極子モーメントが0.5以上の
樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸
メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート系共
重合体(PETG)があり、樹脂の形態としては、シー
ト状、フィルム状、ペレット状、成型品等が好ましく用
いられる。
【0010】本発明において樹脂にCO2を含浸させる
際の含浸圧力、および含浸温度は、これらの条件によっ
て図1に示したようにCO2の状態が変化するので、好
ましくはCO2が液状となる温度および圧力に設定して
含浸を行う。また含浸時間は、飽和含浸量に達していな
いうちは長い方が好ましいが、長すぎると生産性が悪く
なる。また飽和含浸量に達した後は、それ以上含浸を続
ける必要はない。樹脂にCO2を含浸させる際には、例
えば耐圧構造の含浸槽を用いればよい。
【0011】また本発明において、まず樹脂にガス状ま
たは超臨界状のCO2を含浸させ、引き続いて液状のC
2を含浸させてもよい。液状のCO2は飽和含浸量は大
きいが、飽和含浸量に達するまでに要する時間が長いの
で、このようにすることによって、より短い含浸時間で
大きな含浸量を達成することができる。具体的には、例
えばまず含浸圧力および含浸温度をCO2がガス状また
は超臨界状となるように設定し、CO2の含浸量がこの
条件での飽和含浸量に達するまで保持する。続いて含浸
槽を冷却してCO2が液状となる温度とし、さらに飽和
含浸量に達するまで含浸を続ける。また含浸槽を冷却し
て含浸条件を変える際には、含浸槽内のCO2が不足し
ないように補充する。
【0012】このようにしてCO2を含浸させた樹脂
は、減圧および/または加熱することによって発泡させ
る。発泡時の温度はCO2が含浸された樹脂のガラス転
移温度以上とされる。樹脂がPCまたはPMMAの場合
には、含浸時の加圧状態を開放して減圧することによっ
て室温で発泡させることができる。また室温〜150℃
の範囲で加熱してもよい。樹脂がPETの場合には、含
浸時の加圧状態を開放して減圧するとともに40〜18
0℃の範囲で加熱することによって発泡させることがで
きる。樹脂がPETGの場合には、含浸時の加圧状態を
開放して減圧することによって室温で発泡させることが
できる。また室温〜180℃の範囲で加熱することによ
っても発泡させることができる。発泡時の温度を上記の
範囲より高くするとセルサイズが数10〜数100μm
程度に大きくなってしまい、発泡倍率も大きくなってし
まう。発泡時の加熱方法としては、例えば熱オイルバス
やウォーターバスに浸漬させる、あるいは熱プレスを用
いることもできる。また発泡時間は、短すぎると発泡が
十分に行われず、長すぎると発泡倍率が大きくなってし
まう。したがって発泡時間は、所望のセルサイズおよび
発泡倍率が得られるように設定するのが好ましい。
【0013】そして適度に発泡した樹脂は、急冷してガ
ラス転移温度以下に冷却し、発泡を停止させるとともに
生成された気泡の形状を維持する。急冷の方法として
は、例えば水温20℃以下の冷水浴に30秒程度投入す
る、あるいはガラス転移温度が室温以上である場合は空
冷してもよい。
【0014】本発明の発泡体の製法によれば、樹脂にC
2を含浸させる際に、CO2が液状となる含浸条件とす
ることによって、より多くの量のCO2を樹脂に含浸さ
せることができる。したがって、このCO2含浸樹脂を
発泡して得られる発泡体は、セルサイズが微小化され、
かつ単位体積当たりのセル数も多数化されたものが得ら
れる。よって、発泡倍率を高めたときの強度低下量が抑
えられ、発泡体の軽量化、使用量低減を好ましく達成す
ることができる。
【0015】〔実験例1〕PCからなるシート材(厚さ
1mm、大きさ50mm×50mm)に含浸温度および
含浸圧力を変えてCO2を含浸させた。含浸時間を22
時間(5℃の場合は79時間)としたときの含浸量
(%)を測定した。その結果を図3に示す。図中、Aは
CO2がガス状となる領域、BはCO2が液状となる領
域、CはCO2が超臨界状となる領域をそれぞれ示す
(図4、図5においても同様)。この図より、CO2
液状となる条件で含浸を行った方が、超臨界状の場合よ
り、PCシート材により多くのCO2を含浸させること
が可能であることが認められる。
【0016】〔実験例2〕PMMAからなるシート材
(厚さ1mm、大きさ50mm×50mm)に含浸温度
および含浸圧力を変えてCO2を含浸させた。含浸時間
を22時間(5℃の場合は79時間)としたときの含浸
量(%)を測定した。その結果を図4に示す。 この図
より、CO2が液状となる条件で含浸を行った方が、超
臨界状の場合より、PMMAシート材により多くのCO
2を含浸させることが可能であることが認められる。
【0017】〔実験例3〕PETGからなるシート材
(厚さ1mm、大きさ50mm×50mm)に含浸温度
および含浸圧力を変えてCO2を含浸させた。含浸時間
を22時間としたときの含浸量(%)を測定した。その
結果を図5に示す。この図より、CO2が液状となる条
件で含浸を行った方が、超臨界状の場合より、PETG
シート材により多くのCO2を含浸させることが可能で
あることが認められる。
【0018】〔実験例4〕上記実験例1と同様のPCシ
ート材に含浸温度および含浸圧力を変えてCO2を含浸
させ、飽和含浸量(%)を測定した。そしてこれらのC
2含浸PCシート材をそれぞれ発泡させ、得られた発
泡体のセルサイズおよびセル密度を測定した。尚、発泡
条件は、発泡温度60℃、発泡時間30秒とした。その
結果を下記表2および図6および図7に示す。図6,7
中、○および□は液状のCO2を含浸した場合、●およ
び■は超臨界状のCO2を含浸した場合をそれぞれ示
す。これらの結果より、CO2が液状となる条件で含浸
を行った方が、超臨界状の場合より、PCシート材によ
り多くのCO2を含浸させることが可能であり、CO2
含浸量が多いほど発泡体におけるセルサイズは小さくな
り、単位当たりの気泡の数(セル密度)は多くなること
が認められる。
【0019】
【表2】
【0020】〔実験例5〕上記実験例1と同様のPCシ
ート材に、CO2が液状となる条件(200kgf・25
℃)およびCO2が超臨界状となる条件(200kgf・4
0℃および200kgf・80℃)でそれぞれCO2を含浸
させるときの、含浸時間と含浸量との関係を調べた。そ
の結果を図8に示す。図中↑は飽和含浸量に達した時点
を示す。この図の結果より、CO2が液状となる条件で
PCシート材に含浸を行う場合は、超臨界状の場合に比
べて、飽和含浸量は多いが、飽和含浸量に達するまでの
時間が長いことが認められる。この実験例では液状のC
2を含浸させたとき、含浸時間を72時間としても飽
和含浸量に達しなかった。
【0021】〔実験例6〕上記実験例3と同様のPET
Gシート材に、CO2が液状となる条件(200kgf・2
5℃)、CO2が超臨界状となる条件(200kgf・40
℃、200kgf・80℃および120kgf・80℃)でそれ
ぞれCO2を含浸させるときの、含浸時間と含浸量との
関係を調べた。その結果を図9に示す。図中↑は飽和含
浸量に達した時点を示す。この図の結果より、CO2
液状となる条件でPETGシート材に含浸を行う場合
は、超臨界状の場合に比べて、飽和含浸量は多いが、飽
和含浸量に達するまでの時間が長いことが認められる。
この実験例では液状のCO2を含浸させたとき、含浸時
間を22時間としても飽和含浸量に達しなかった。
【0022】〔実験例7〕上記実験例1と同様のPCシ
ート材に、CO2が液状となる条件(200kgf・25
℃)で含浸を行った場合、CO2が超臨界状となる条
件(200kgf・80℃)で含浸を行った場合、および
まずCO2が超臨界状となる条件(200kgf・80℃)
で2時間含浸を行った後、含浸槽を冷却しCO2を補充
して、引き続きCO2が液状となる条件(200kgf・2
5℃)で含浸を行った場合のそれぞれについて、含浸時
間と含浸量との関係を調べた。その結果を図10に示
す。この図の結果より、最初に、CO2が超臨界状とな
る条件で、この条件での飽和含浸量に達するまで含浸を
行い、引き続いてCO2が液状となる条件で含浸を行う
ことにより、CO2が液状となる条件のみでPCシート
材に含浸を行う場合と同等の含浸量を、より短い含浸時
間で達成できることが認められる。本実験例では、上記
の条件で含浸を行った場合には、上記の条件で含浸
を行った場合に比べて、同じ含浸量に達するまでの時間
を2〜6時間短縮することができた。
【0023】
【実施例】以下、本発明を更に理解しやすくするため、
実施例について説明する。かかる実施例は、本発明の一
態様を示すものであり、この発明を限定するものではな
い。本発明の範囲で任意に変更可能である。 (実施例1)PCからなるシート材(厚さ1mm、大き
さ50mm×50mm)を耐圧容器からなる含浸槽内に
置き、液状のCO2を含浸させた。含浸時の含浸圧力、
含浸温度、および含浸時間は下記表3の通りとした。含
浸後、CO2含浸量を測定した。その結果を表3に併せ
て示す。また、CO2含浸後のPCシート材を発泡さ
せ、得られた発泡体のセルサイズおよびセル密度を測定
した。このときの発泡条件は、発泡温度60℃、発泡時
間30秒とした。その結果を表3に併せて示す。
【0024】(比較例1)上記実施例1と同様のPCシ
ート材を耐圧容器からなる含浸槽内に置き、超臨界状の
CO2を含浸させた。含浸時の含浸圧力、含浸温度、お
よび含浸時間は下記表3の通りとした。含浸後、CO2
含浸量を測定した。その結果を表3に併せて示す。ま
た、CO2含浸後のPCシート材を発泡させ、得られた
発泡体のセルサイズおよびセル密度を測定した。このと
きの発泡条件は、発泡温度60℃、発泡時間30秒とし
た。その結果を表3に併せて示す。
【0025】
【表3】 このように、CO2が液状となる条件でPCシート材に
CO2を含浸させた実施例1では、超臨界状のCO2を含
浸させた比較例1に比べて、CO2の含浸量が多く、セ
ルサイズがより微小で、かつセル密度がより高い発泡体
が得られた。
【0026】(実施例2)PMMAからなるシート材
(厚さ1mm、大きさ50mm×50mm)を耐圧容器
からなる含浸槽内に置き、液状のCO2を含浸させた。
含浸時の含浸圧力、含浸温度、および含浸時間は下記表
4の通りとした。含浸後、CO2含浸量を測定した。そ
の結果を表4に併せて示す。また、CO2含浸後のPM
MAシート材を発泡させ、得られた発泡体のセルサイズ
を測定した。このときの発泡条件は、発泡温度40℃、
発泡時間30秒とした。その結果を表4に併せて示す。
【0027】(比較例2)上記実施例2と同様のPMM
Aシート材を耐圧容器からなる含浸槽内に置き、超臨界
状のCO2を含浸させた。含浸時の含浸圧力、含浸温
度、および含浸時間は下記表3の通りとした。含浸後、
CO2含浸量を測定した。その結果を表4に併せて示
す。また、CO2含浸後のPMMAシート材を発泡さ
せ、得られた発泡体のセルサイズを測定した。このとき
の発泡条件は、発泡温度40℃、発泡時間30秒とし
た。その結果を表4に併せて示す。
【0028】
【表4】 このように、CO2が液状となる条件でPMMAシート
材にCO2を含浸させた実施例2では、超臨界状のCO2
を含浸させた比較例2に比べて、CO2の含浸量が多
く、セルサイズがより微小な発泡体が得られた。
【0029】(比較例3)比較例として 双極子モーメ
ントが比較的小さいLDPE(低密度ポリエチレン)を
用いて発泡体を製造した。すなわち、LDPEからなる
シート材(厚さ1mm、大きさ50mm×50mm)を
耐圧容器からなる含浸槽内に置き、液状、超臨界状、ま
たはガス状のCO 2を含浸させた。含浸時の含浸圧力、
含浸温度、および含浸時間は下記表5の通りとした。ま
た含浸後、CO2含浸量を測定した。その結果を表5に
併せて示す。 さらに、CO2含浸後のLDPEシート
材を発泡させ、得られた発泡体のセルサイズを測定し
た。このときの発泡条件は、発泡温度120℃、発泡時
間30秒とした。その結果を表5に併せて示す。
【0030】
【表5】
【0031】(比較例4)比較例として 双極子モーメ
ントが比較的小さいHDPE(高密度ポリエチレン)を
用いて発泡体を製造した。すなわち、HDPEからなる
シート材(厚さ1mm、大きさ50mm×50mm)を
耐圧容器からなる含浸槽内に置き、液状、超臨界状、ま
たはガス状のCO 2を含浸させた。含浸時の含浸圧力、
含浸温度、および含浸時間は下記表6の通りとした。ま
た含浸後、CO2含浸量を測定した。その結果を表6に
併せて示す。 さらに、CO2含浸後のHDPEシート
材を発泡させ、得られた発泡体のセルサイズを測定し
た。このときの発泡条件は、発泡温度150℃、発泡時
間30秒とした。その結果を表6に併せて示す。
【0032】
【表6】 上記比較例3,4の結果より、双極子モーメントが比較
的小さい樹脂を用いた場合は、CO2の含浸量が少な
く、発泡後のセルサイズが巨大化してしまうことがわか
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記
載の微細発泡体の製法は、樹脂に液状のCO2を含浸さ
せた後、該樹脂を発泡させることを特徴とするものであ
る。したがって、液状のCO2を用いることにより、よ
り多くの量のCO2を樹脂に含浸させることができ、セ
ルサイズが微小化され、かつ単位体積当たりのセル数も
多数化された微細発泡体が得られる。よって、発泡倍率
を高めたときの強度低下量が抑えられ、発泡体の軽量
化、使用量低減を好ましく達成することができる。
【0034】また本発明の請求項2記載の微細発泡体の
製法は、樹脂にガス状または超臨界状のCO2を含浸さ
せ、引き続いて該樹脂に液状のCO2を含浸させた後、
該樹脂を発泡させることを特徴とするものである。した
がって、上記請求項1記載の発明により得られる効果に
加えて、さらに含浸時間を短縮でき、生産性を向上でき
るという効果が得られる。また、前記樹脂として双極子
モーメントが0.5以上の樹脂を用いれば、より多くの
CO2を樹脂に含浸させることができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 CO2の状態図である。
【図2】 各種樹脂の双極子モーメントとCO2の飽和
含浸量との関係を示すグラフである。
【図3】 本発明に係るCO2含浸時の圧力および温度
と含浸量との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明に係るCO2含浸時の圧力および温度
と含浸量との関係を示すグラフである。
【図5】 本発明に係るCO2含浸時の圧力および温度
と含浸量との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明に係るCO2含浸量と発泡後のセルサ
イズとの関係を示すグラフである。
【図7】 本発明に係るCO2含浸量と発泡後のセル密
度との関係を示すグラフである。
【図8】 本発明に係るCO2含浸時間と含浸量との関
係を示すグラフである。
【図9】 本発明に係るCO2含浸時間と含浸量との関
係を示すグラフである。
【図10】 本発明に係るCO2含浸時間と含浸量との
関係を示すグラフである。
【図11】 従来例の発泡体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 気泡

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂に液状のCO2を含浸させた後、該
    樹脂を発泡させることを特徴とする微細発泡体の製法。
  2. 【請求項2】 樹脂にガス状または超臨界状のCO2
    含浸させ、引き続いて該樹脂に液状のCO2を含浸させ
    た後、該樹脂を発泡させることを特徴とする微細発泡体
    の製法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂として、双極子モーメントが
    0.5以上の樹脂を用いることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の微細発泡体の製法。
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