JPH1036398A - 性腺刺激ホルモンの製造法 - Google Patents

性腺刺激ホルモンの製造法

Info

Publication number
JPH1036398A
JPH1036398A JP8196009A JP19600996A JPH1036398A JP H1036398 A JPH1036398 A JP H1036398A JP 8196009 A JP8196009 A JP 8196009A JP 19600996 A JP19600996 A JP 19600996A JP H1036398 A JPH1036398 A JP H1036398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subunit
gonadotropin
cells
equine
hormone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8196009A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoya Ogawa
智也 小川
Kunio Shioda
邦郎 塩田
Kanshiyoku Bin
觀植 閔
Masahisa Ikemi
昌久 池見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP8196009A priority Critical patent/JPH1036398A/ja
Publication of JPH1036398A publication Critical patent/JPH1036398A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、eCGα及びβ−サブユニット遺
伝子を導入したほ乳動物培養細胞を用いた新規な製造法
により、原料採取時期や血清ロットに依存しない品質の
安定したeCGを提供すると。 【解決手段】 ヘテロダイマーサブユニットから構成さ
れるウマ性腺刺激ホルモンの各サブユニットをコードす
るDNAを、同一又は別々の発現ベクターに挿入し、該
同一又は別々のベクターで宿主の真核細胞を形質転換
し、該組換え細胞を該性腺刺激ホルモンが発現する条件
で培養し、発現したホルモンを採取することを特徴とす
る糖鎖が結合しかつ生物学的活性を有するウマ性腺刺激
ホルモンの製造法を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウマ絨毛性ゴナド
トロピン(eCG)を構成するα及びβ−サブユニット
をコードする遺伝子を組み込んでなる発現ベクターをほ
乳動物細胞などの糖蛋白の製造に適した宿主に導入し、
発現したeCGを培養液から採取することを特徴とす
る、糖鎖が結合しかつゴナドトロピン活性を有する組換
え型eCGの効率的な製造法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】eCGは妊馬の尿絨毛膜の細胞が子宮内
膜に侵入してできた内膜杯で合成され絨毛膜から分泌さ
れる性腺刺激ホルモンで、ヒトや動物の受胎促進や過剰
排卵誘起に用いられる。他の性腺刺激ホルモンに比べて
分子量が大きく、腎臓のろ過装置を通過できないため
に、血清中にのみ認められる。eCGの現行製造法とし
ては、妊馬の血清を原料として、eCGを分泌している
時期の血清を採取し、エタノール沈殿法などにより分離
精製する方法が一般的に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】妊馬の血清を原料とす
る従来のeCGの製造法では、ウマの生産地域やウマの
繁殖シーズン(4−6月)が限定されるので、原料採取
や入手に制約が大きく、また原料供給自体が減少傾向に
ある。また、eCGは、ウマ以外の種に卵胞刺激ホルモ
ン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の両方に特徴
的な応答を引き起こすが、妊娠初期から中期にかけては
両活性比の変動が大きい。そのために、ロット間に活性
比のばらつきが生じ、受胎促進や過剰排卵誘起用に医薬
品として用いる場合には、これが原因となって薬効のば
らつきや副作用が生じる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、eCGのα及
びβサブユニットをコードする遺伝子を組み込んでなる
発現可能な組換えプラスミドをほ乳動物細胞などの宿主
に導入すると、糖鎖が結合しかつ生物活性を有する組換
え型eCGが効率的に得られるという発見に基づく。ホ
ルモン活性を有するeCGを効率的に製造するために
は、各サブユニットの発現、糖鎖の付加、ヘテロ二量体
の再構成、細胞外への分泌などが協調して行われること
が必要である。一般に、性腺刺激ホルモンは、非共有結
合で結合したα及びβ−サブユニットからなるヘテロ2
量体の糖蛋白ホルモンである。ウマ絨毛性ゴナドトロピ
ン(eCG)も同様なヘテロ2量体からなる糖蛋白ホル
モンであり、α−サブユニットはウマ由来の他の性腺刺
激ホルモンと共通であるが、β−サブユニットがホルモ
ン間で異なり、これが生物活性の相違の構造的基礎をな
している。α-サブユニットは96アミノ酸残基からな
り、56番目と82番目のAsn残基に糖鎖が結合して
いる。一方、β−サブユニットは、149アミノ酸残基
からなり、13番目のAsn残基に1本、C末端領域の
Thr/Ser残基に4〜10本の糖鎖が結合してい
る。動物細胞などの真核細胞を宿主としてこれに導入可
能な発現ベクターを用いたタンパク質の生産方法が知ら
れている(例えば、Friedman, J. S., et al., Bio/tec
hnology, 7:359-369 (1989).; Mori, T., et al., Gen
e, 108:193-200 (1991).; Kemball-Cook, G., et al.,
Gene, 139:275-279 (1994).)。これらの方法は、蛋白
の生産性が高くかつグリコシル化が可能なので、特に糖
タンパク質の製造法として優れている。しかし、一般
に、タンパク質への糖鎖の結合は非常に複雑な機構によ
って制御されており、発現に用いる宿主細胞の選択はい
うに及ばず、遺伝子の導入・発現時期や培養培地の成分
などの様々な要因によって支配されている。従って、こ
れらの方法がどのようなタンパク質の生産に適している
かを推定することは、現在の技術レベルをもってしても
容易ではない。特に、eCGは、ほ乳動物の下垂体及び
胎盤由来の糖蛋白の中で最も高度にグリコシル化されて
おり、その分子量の約45%が糖部分に由来する。ま
た、ウマ以外の種では、LHレセプターだけでなくFS
Hレセプターにも結合し、FSH及びLH様の両生物活
性を示す。eCGとウマLHのアミノ酸配列は同一であ
り、糖鎖構造の違いが生物活性を規定する典型的な例と
考えられている。このように、eCGのような性腺刺激
ホルモンでは、糖鎖の結合の有無やその結合様式がその
分泌能、サブユニットの会合、ホルモン活性やその持続
性などに大きく影響するが、このような構造と活性の相
関についての知見は全く蓄積されていないのが現状であ
る。
【0005】本発明者らは、鋭意研究を行った結果、e
CGを構成するα及びβサブユニットをコードする遺伝
子を組み込んでなる発現ベクターを、ほ乳動物細胞など
の糖蛋白の製造に適した宿主に導入し、発現したeCG
を培養液から採取することにより、動物細胞中で付加・
修飾された糖鎖を有するα及びβサブユニットから構成
され、かつ卵胞刺激ホルモン様活性と黄体形成ホルモン
様活性の両方の活性を有する組換え型eCGを効率的に
製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0006】
【発明の実施の形態】eCGは、αとβの2つのサブユ
ニットからなるヘテロ二量体である。その生産に利用す
るα及びβの各サブユニットをコードする遺伝子は、既
知の配列を利用して一般的な方法、例えば、PCRやサ
ザンハイブリダイゼーションにより遺伝子ライブラリー
からクローニングすることができる(Fiddes, J. & Goo
dman,H. M., Nature, 281:351-356 (1979).; Godine,
J. E., et al., J. Biol. Chem., 257:8368-8371 (198
2).; Golos, T. G., et al., DNA and Cell Biology, 1
0:367-380 (1991).; Stewart, F., et al., J. Endocri
nol., 115:341-346 (1987).; Sherman, G. B., et al.,
Mol. Endocrinol., 6:951-959 (1992).)。
【0007】遺伝子ライブラリーは、常法に従って妊馬
の胎盤組織から抽出したmRNAから逆転写酵素を用い
て作製したcDNAライブラリーを用いてもよいし、市
販のcDNAライブラリーを購入して用いてもよい。遺
伝子を効率的に発現させてタンパク質を生産させるため
には、宿主細胞内で機能するプロモーターの支配下に目
的遺伝子を連結すればよい。遺伝子の発現に用いるプロ
モーターは、実質的に細胞内で発現可能なものであれ
ば、特に制約なく用いることができるが、高い生産量を
得るためには、強力な活性を有するプロモーターを利用
することが望ましい。
【0008】好ましいプロモーターの例としては、サイ
トメガロウィルス主要IE遺伝子プロモーターやラウス
肉腫ウィルスLTRプロモーター、SV40E遺伝子プ
ロモーター、単純ヘルペスウィルスチミジンキナーゼ遺
伝子プロモーター、マウスホスホグリセリン酸キナーゼ
遺伝子プロモーター、ヒトβ−アクチン遺伝子プロモー
ター、メタロチオネインプロモーター、熱ショックタン
パク質プロモーター、マウス乳がんウィルスプロモータ
ー、フィブロネクチンプロモーターなどを挙げることが
できる。これらのプロモーターは、それぞれ単独で用い
てもよいし、また異なるプロモーターを2種並べて用い
たり、2種のプロモーターを融合させて用いてもよい。
【0009】eCGを生産するために用いる宿主として
は、要は糖鎖が結合しかつゴナドトロピン活性を有する
eCGを安定に生産する能力を有するものであれば、特
に制約なく用いることができるが、好適な細胞株として
は、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、新生
仔ハムスター腎細胞(BHK)、マウス乳がん細胞(C
−127)、マウス線維芽細胞(L及びNIH3T
3)、アフリカミドリザル腎細胞(CV−1)、ヒト子
宮頸部がん由来細胞(HeLa)、マウス骨髄腫細胞
(Sp2/0)、ヒトBリンパ芽球様細胞(Namal
wa)、ラット下垂体腫瘍細胞(GH3)などを挙げる
ことができる。
【0010】遺伝子の導入に用いるベクターとしては、
目的の遺伝子の発現に必要なプロモーター、エンハンサ
ー、ポリAシグナル、選択マーカーなどを備えているも
のであれば制約なく用いることができるが、市販のベク
ターをそのままあるいは改良して用いることもできる。
特に好ましいベクターとしては、pCMV(Pharminge
n, USA)、pABWN(Niwa, H., et al., Gene, 108:
193-200 (1991).)などを挙げることができる。また、遺
伝子の細胞内への導入法については特に制約はなく、一
般的な方法、例えば、リン酸カルシウムゲル共役沈澱法
やリポソーム法などを用いることができる。
【0011】導入した遺伝子を増幅することにより、遺
伝子のコピー数を増大させた高発現株を得ることができ
る。一般的には、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHF
R)を薬剤増幅マーカーとして、段階的にDHFRに対
する阻害剤であるメトトレキセート(MTX)濃度を増
大させることにより、遺伝子を増幅することができる
が、グルタミンシンテターゼ遺伝子を増幅マーカーとし
て、メチオニンスルホキシミン(MSX)で増幅する方
法や、ウシパピローマウィルスゲノムの69%からなる
DNAが細胞中で環状の二本鎖DNAのエピソームとし
て安定に存在することを利用して、薬剤耐性マーカー遺
伝子(例えば、弱いプロモーター制御下の変異型ネオマ
イシンホスフォトランスフェラーゼ遺伝子)とともにベ
クターを導入することにより、宿主染色体へ組み込んで
増幅する方法などを用いることもできる。
【0012】また、目的物質の生産性を高めるために、
制御遺伝子やがん遺伝子を導入して、プロモーターやエ
ンハンサーを活性化する方法を利用することもできる。
また、α及びβの各サブユニット遺伝子は同一の発現ベ
クター上にコードされていてもよいし、異なる発現ベク
ター上にコードされていてもよい。異なる発現ベクター
に各サブユニット遺伝子がコードされている場合は、両
組換えプラスミドを同時に宿主に導入してもよいし、別
々の細胞に導入後得られた各サブユニットからヘテロダ
イマーを再構成してもよい。
【0013】培養方法や培養条件には特に制約はなく、
要は宿主細胞が増殖し、導入した遺伝子が発現し、所定
の位置に糖鎖が結合し、かつ生物学的に活性なeCGが
得られればよい。培養するための培地としては、有血清
培地、無血清培地又はそれらを適宜組み合わせて用いる
ことができる。
【0014】培養液からの単離精製は、eCG又は他の
性腺刺激ホルモンの精製に用いる通常の方法を用いるこ
とができる。例えば、硫安沈澱、吸着沈澱、エタノール
沈澱などの沈澱法、ゲルろ過、陰イオン又は陽イオン交
換クロマト、逆相クロマト、疎水クロマトなどの各種ク
ロマト工程を適宜組み合わせて用いることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
でない。 参考例1.PCRによるeCG遺伝子のクローニング 1.プライマーの設計と合成 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用してeCG遺伝
子をクローニングするために、反応に用いるプライマー
の遺伝子配列を以下のように設計し、DNA Oligo-100
0 synthesizer(Beckman Instruments, Inc., USA)を用
いて化学合成した。eCGα−サブユニット遺伝子に対
するプライマーは以下のように設計した。ヒト、ラッ
ト、ベンガルザル(Fiddes, J. & Goodman, H. M., Nat
ure, 281:351-356 (1979).; Godine, J. E., et al.,
J. Biol. Chem., 257:8368-8371 (1982).; Golos, T.
G., et al., DNA and Cell Biology, 10:367-380 (199
1).)のプレ−α−サブユニットの遺伝子配列情報を基
に、4残基のシグナル配列を含むeCGα−サブユニッ
トに対するN末端側(+鎖)混合プライマー:5'-AG
GAG(C/A)GC(T/C)ATGGATT(G/
A)CTAC- 3' (配列番号:3)(開始コドンの9
塩基上流から12塩基下流)を合成した。また、C末端
付近の配列情報(Stewart, F., et al., J. Endocrino
l., 115:341-346 (1987).)を基に、C末端側(−鎖)
プライマー:5'-CACTTGGTGAAACCTTT
AAAT- 3' (配列番号:4)(終始コドンの18塩
基下流から3塩基上流)を合成した。
【0016】一方、eCGβ−サブユニット遺伝子に対
しては、既知の配列情報(Sherman,G. B., et al., Mo
l. Endocrinol., 6:951-959 (1992).)を基に、N末端側
(+鎖)プライマー:5'-GCACCGAGGATGG
AGACGCTCCAG- 3' (配列番号:5)(開始
コドンの9塩基上流から15塩基下流)とC末端側(−
鎖)プライマー:5'-GTAGTTCAAGAAGTC
TTTATTGG- 3' (配列番号:6)(終始コドン
の8塩基下流から15塩基上流)を合成した。
【0017】2.ウマ胎盤組織からのmRNAの抽出 妊娠70日の北海道野生馬(3才)を全身麻酔下で開腹
し、胎盤組織から内膜杯(endometrical cup)を摘出し
た。冷凍庫で凍結保存した後、Sambrookらの方法(Samb
rook, J., et al., Molecular Cloning. A Laboratory
Manual, 2nd ed, Cold Spring Harbor Press, Cold Spr
ing Harbor. (1989).)に従って内膜杯からRNAを抽出
し、CsCl密度勾配遠心法を用いて精製した。
【0018】3.cDNAの合成 cDNAの合成は、M−MuLV(Moloney Murine Leu
kemia Virus)由来の逆転写酵素を利用したFirst-strand
cDNA synthesis kit(Pharmacia LKB Biotechnology, U
ppsala, Sweden)を用いて行った。5μgのRNAを含
む溶液を65℃で加熱した後、氷中で急冷した。熱変性
RNAにcDNA反応液11μl、DTT1μl、M−
MuLVプライマー1μlを加え、37℃で1時間保温
した。得られた反応混合物をPCR増幅にそのまま用い
た。
【0019】4.PCRによる遺伝子クローニング PCR(Quick Thermo−II、Nippon Genetics 、Tokyo)
による遺伝子断片の増幅は2.5unitのpfuポリメラ
ーゼ(Stratagene, CA, USA)を用いて、変性(91℃、
1分)、アニール(37℃、1分)、伸長(72℃、2
分)のサイクルを30回繰り返して行った。PCRで増
幅した各DNA断片を、1mMEDTAを含む40mM
Tris-酢酸緩衝液を用いたアガロースゲル(1%)電気
泳動で解析した。得られたDNA断片が、塩基配列から
予想される泳動位置(α−サブユニット遺伝子:387
bp;β−サブユニット遺伝子:524bp)に検出さ
れることを確認した。
【0020】5.PCR断片のサブクローニングと塩基
配列の決定 PCR断片をpUC119(宝酒造、京都)のSmaIサ
イトに挿入し、大腸菌XL1−blue株(Stratagen
e, CA, USA)に導入した。得られた形質転換体から組換
えプラスミドを抽出し、QIA prep-spin plasmid kit(QI
AGEN, Chatsworth, USA)で精製した。eCGα及びβ−
サブユニットをコードする組換えプラスミドを、それぞ
れ、pUCeCGα1及びpUCeCGβ1と命名し
た。各組換えプラスミドの挿入断片の塩基配列をジデオ
キシ・チェイン・ターミネーション法で解析し、所定の
配列を有することを確認した。
【0021】実施例1.組換え型eCG発現ベクターの
構築と導入 1.各サブユニット遺伝子の5’末端へのXhoIサイト
の導入 eCGのα及びβ−サブユニット遺伝子断片の5’末端
にPCR増幅法により制限酵素XhoI切断部位を付加し
た。pUCeCGα1を鋳型として、XhoIサイトと K
ozakサイト(Kozak, M., Cell, 44:283 (1986).)を含む
5’側プライマー(eCGαXho):5'-GTACT
CGAGCCACCATGGATTACTACAGA-
3' (配列番号:7)とM13逆鎖プライマー:5'-C
AGGAAACAGCTATGAC- 3' (配列番号:
8)を用いてαサブユニット遺伝子を増幅し、5’末端
にXhoIサイトと Kozakサイトを導入した。同様に、
pUCeCGβ1を鋳型として、XhoIサイトと Kozak
サイトを含む5’側プライマー(eCGβXho):
5'-TCGCTCGAGCCACCATGGAGACG
CTCCAG- 3' (配列番号:9)とM13逆鎖プラ
イマー:5'-CAGGAAACAGCTATGAC-
3' (配列番号:8)を用いてβサブユニット遺伝子を
増幅し、5’末端にXhoIサイトと Kozakサイトを導入
した。PCRフラグメントをpUC119のSmaIサイ
ト連結した。挿入断片のPCR増幅で生じたpUC11
9ベクターの重複部分をPstIで切断し連結することに
より欠失させた。2種類の生成プラスミド(pUCeC
GαXho、pUCeCGβXho)の挿入断片を解析
し、eCGα及びβサブユニットの5’末端にXhoIサ
イトが存在することを確認した。
【0022】2.発現ベクターの構築 ほ乳動物系発現ベクターpABWN(11kb)は、β
−アクチンプロモーターに基づく強力なプロモーター、
ウシパピローマウイルス(BPV)ゲノムの69%のサ
ブ領域、及び弱いプロモータに支配される変異型ネオマ
イシンホスフォトランスフェラーゼII遺伝子からなり、
ネオマイシンアナログG418への耐性を付与する(Mi
yazaki, J. I., et al., Gene, 79:269-277 (1989).; N
iwa, H.,et al., Gene, 108:193-200 (1991).)。 p
ABWNのBPVフラグメントをHind III で欠失さ
せ、T4DNAポリメラーゼで平滑化し、NotIリンカ
ーを挿入してpAB2を作製した。pUCeCGαXh
oからeCGα−サブユニットを含むXhoI/SalI断
片を切り出し、pAB2のXhoIサイトに導入してpA
B2eCGαを作製した。
【0023】一方、pABWNのネオマイシン耐性遺伝
子をSalIで欠失させ、NotIリンカーを挿入してpA
B3を作製した。pUCeCGβXhoからeCGβ−
サブユニットを含むXhoI/SalI断片をpAB3のX
hoIサイトに挿入してpAB3eCGβを作製した。p
AB2eCGαとpAB3eCGβをPvuIとNotIで
切断し、eCGα−サブユニットcDNAを含む断片
(4.2kb)とβ−サブユニットcDNAを含む断片
(10.2kb)を結合し、両サブユニットの同時発現
ベクターを作製し、pABeCGα/β(14.4k
b)と命名した。
【0024】3.組換えプラスミドの細胞への導入 チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO−K1細胞(Ja
panese Cancer Research Resources Bank, Tokyo)は、
ペニシリン(50U/ml)、ストレプトマイシン(5
0μg/ml)、グルタミン(2mM)を補い、10%
(v/v)FCSを含むHam'sF12培地(Gibco BRL, Gai
thersburg, MD, USA)で加湿5%CO2インキュベータ
中37℃で培養した。これらの細胞に、リポフェクトア
ミン法によりpABeCGα/βを導入した。6×10
5 個のCHO−K1細胞を含む4ml培養液を60mm
シャーレに採取し、50−80%confluent になるまで
CO2 インキュベータ中37℃で24時間培養した。感
染の日に6μgのDNAと300μlのOpti-MEMI
(Gibco BRL, USA)に懸濁した40μgのリポフェクト
アミン(Gibco BRL, USA)を12×75mm滅菌試験管
で混合し、室温で30分反応させDNA/脂質複合体を
形成させた。この間、細胞を4ml無血清Opti−M
EMI培地で1回洗浄した。複合体を含む各試験管に
1.8mlのOpti−MEMI培地を加えて穏やかに
混合し、洗浄した細胞に重層してCO2 インキュベータ
中で37℃で5時間培養した。その後、2倍濃度のFC
Sを含む2.4ml生育培地を、感染混合物を除去せず
に加えた。感染24時間後と72時間後に、培養液の1
/30量を新鮮な生育培地に移し継代培養した。
【0025】4.感染クローンの選択とスクリーニング (1)G418選択 800μg/mlのネオマイシンアナログG418(Gi
bco BRL, USA)を含む生育培地で感染後2週間培養する
ことにより、安定なCHO−K1細胞感染体を選択し
た。大きくて生育の良好なコロニーをクローニングシリ
ンダでピックアップし、800μg/mlのG418を
含む生育培地で4週間培養した。 (2)導入細胞のRT−PCR解析 得られたプラスミド導入細胞をRT−PCRで解析し
た。上澄みを除去して細胞を回収し、Chomczynski の抽
出法(Chomczynski, P., Bio Techniques, 15:532-536
(1993).)を用いてtotal RNAを調製した。
【0026】5μgのRNAを用い、逆転写酵素により
cDNAを合成し、下記のプライマーを用いてPCRで
増幅した(Min, K. S., et al., J. Reprod. Dev., 40:
301-305(1994).)。αサブユニットに対しては、順鎖プ
ライマー(eCGαXho):5'-GTACTCGAG
CCACCATGGATTACTACAGA- 3' (配
列番号:7)と逆鎖プライマー(eCGα):5'-CA
CTTGGTGAAACCTTTAAAT- 3' (配列
番号:4)を用いた。また、βサブユニットに対して
は、順鎖プライマー(eCGβXho):5'-TCGC
TCGAGCCACCATGGAGACGCTCCAG
- 3' (配列番号:9)と逆鎖プライマー(eCG
β):5'-GTAGTTCAAGAAGTCTTTAT
TGG- 3' (配列番号:6)を用いた。PCR産物を
アガロースゲル電気泳動で解析し、α及びβサブユニッ
ト遺伝子に対するプライマーによってDNA断片が増幅
され、所定の分子量を有することを確認した。
【0027】(3)導入細胞のノーザンブロット解析 次に、20μgのRNAを用いてノーザンブロット解析
を行った。ノーザンブロットのプローブとして、eCG
αとeCGβ遺伝子のEcoRI−PstI断片(それぞれ
0.38kbと0.52kb)を3,000Ci/mm
olの[ α-32P] dCTP(New England Nuclear, Bo
ston, MA, USA)でラベルした。20μgのRNAを、
50%ホルムアミドと6.5%ホルムアルデヒドを含む
電気泳動用緩衝液(20mMMOPS(pH7.0)、
5mM酢酸ナトリウム、1mMEDTA)に懸濁し、6
5℃で15分間加熱した。RNAをホルムアミドを含む
1%アガロースゲルで電気泳動し、ナイロン膜、Hybon
d-N(Amersham, UK)に転写した。
【0028】50%ホルムアミド、0.02%SDS、
0.1%ラウロイルサルコシンを含む5×SSC中で1
%のブロッキング試薬(Boehringer Mannheim Yamanouc
hi、Tokyo)を用いて42℃で4時間プレハイブリダイゼ
ーション後、[ α-32 P] dCTPでラベルした各プロ
ーブを用いて一晩42℃でハイブリダイズした。反応終
了後、0.1%SDSを含む1×SSCを用いて25℃
で5分間、0.1%SDSを含む0.2×SSCを用い
て60℃で20分間洗浄した(Sambrook, J.,et al., M
olecular Cloning. A Laboratory Manual, 2nd ed, Col
d Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor. (198
9).)。X線フィルムを−80℃で24時間膜に対して密
着させて感光させた。それぞれ所定の位置にハイブリバ
ンドが得られることから、α及びβ−サブユニット遺伝
子が発現していることを確認した。
【0029】実施例2.組換え型eCGの生産と解析 1.組換えeCGの生産 安定な細胞(1×106 細胞)を75cm2 培養フラス
コ中でpreconfluencyまで生育させ、G418を含まず
ペニシリン(50U/ml)とストレプトマイシン(5
0μg/ml)を添加した5mlの無血清CHO−S−
SFMII培地(Gibco BRL, USA)で1回洗浄した。20
mlのCHO−S−SFM中37℃で48時間培養した
後、培養培地を集め、100,000×g、4℃で60
分間遠心分離し、細胞を除去した。得られた上澄みを、
膜濃縮装置 Amicon centriplus(Amicon, USA)を用い
て、5,000rpm、4℃、60分の条件で7倍に濃
縮し、ラジオイムノアッセイとバイオアッセイに供し
た。
【0030】2.組換え型eCGのラジオイムノアッセ
イによる定量 得られたeCGをポリクローナル抗体A540/R1H
(UCB-Bioproducts, SA, USA)を用いたラジオイムノア
ッセイ(RIA)で定量した。200μlの0.02M
リン酸緩衝液(0.017MNa2HPO4 ・12H
2 O,0.003MKH2 PO4 、0.9%(w/v)Na
Cl、0.5%(w/v)BSA、0.2%(w/v)Na N
3)、100μlの標準eCG(6.25、12.5、2
5,50,100,200,400ng)又は所定量の
サンプル、100μlのウサギ抗eCG抗血清(7μg
/ml)とCloramin T法(Katayama, Y., et al., J.
Biochem., 108:37-41 (1990).)により125Iでラベルし
た100μlのeCG(20,000cpm/100μ
l)を各試験管に加えた。4℃で一晩インキュベートし
た後、500μlの抗ウサギ沈降抗体を各試験管に加
え、30分間インキュベートし、2mlのリン酸緩衝液
を加え、3,000回転で15分間遠心し、上澄みを吸
引除去し、放射活性をカウントした。得られた結果を妊
馬血清から精製した天然型eCGと比較したところ、組
換え型eCGは、用いた抗体に対して天然型eCGと全
く同様の結合性を示した。また、各アッセイのプロット
から天然型eCG換算で組換え型eCGの濃度を定量し
たところ、約210ng/μlであった。
【0031】3.組換えeCGの糖鎖結合の解析 得られたeCGの糖鎖の結合の有無を解析した。0.5
%SDS、50mM2−ME、50mM Tris ・ HCl (pH7.
0)の組成のバッファー中に2mg/mlとなるようにe
CGを溶解し、5分間煮沸した。この溶液を10μlと
り、5μlの7.5%界面活性剤ノデニットP40及び
0.3単位のN−グリコシダーゼ(Genzyme 、USA)、1
0ミリ単位のO−グリコシダーゼ(Genzyme 、USA)、1
0ミリ単位のノイラミニダーゼ(Boehringer Mannheim)
と蒸留水を加えて30μlとした。37℃で18時間イ
ンキュベートした後、SDS−PAGE用サンプルバッ
ファー(×4)(250mM Tris ・ HCl(pH6.8)、40%
(W/V)グリセロール、20%2−ME、10%SDS、
0.005%BPB)を加え、反応を停止させた。
【0032】糖鎖分解処理サンプルを未処理サンプルと
比較して、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(PAGE)で分離し、抗αサブユニット抗体及び抗β
サブユニット抗体を用いたウェスタンブロッティングを
行った。未処理の組換え型eCGの各サブユニットは、
いずれも、アミノ酸配列より予想される分子量より高分
子側に泳動し、糖鎖分解酵素で処理することにより分子
量が低下し、泳動位置はアミノ酸配列より予想される位
置とほぼ一致した。これより、得られた組換え型eCG
のα及びβサブユニットに糖鎖が結合していることを確
認した。
【0033】実施例3.組み換え型eCGの生物活性 1.Leydig細胞を用いたLH様活性の定量 組換え型eCGのLH様活性を、ラットLeydig細
胞を用いた in vitro培養系(Dufau, M. L., et al.,
J. Clin. Endocrinol. Metab., 39:610-613 (1974).)で
定量した。4匹の60日齢SpragueDawley (SD)ラ
ットからこう丸を摘出し、注意深くdecapsulate した。
細胞を0.25mg/mlのコラゲナーゼと1mg/m
lのBSAを含む199培地(Gibco BRL, USA)に懸濁
し、34℃で30分間150サイクル/分で振とうし
た。
【0034】tubuleの分散が完了するや否や、試験管を
室温で5分間垂直におき、tubuleフラクションを沈降さ
せた。上澄みをナイロンガーゼで濾過し、600×gで
14分間遠心し、沈降したinterstitial cell を199
培地に再懸濁した。24ウェルプレートの各ウェルに1
×106 個の細胞を含む0.5mlの培地と0.1ml
の天然eCG(2〜128ng)又はRIAで定量した
組換えサンプル(2〜128ng)を加えた。34℃で
4時間振とうしながらインキュベートした後、2,50
0rpmで10分間遠心し、テストステロンを含む培養
上清を得た。
【0035】培地中に分泌したテストステロンの濃度
は、塩田らの方法(Shiota, K., et al., Endocrine.
J., 38:541-549 (1991).)に従い、RIA法で測定し
た。培養上清を2回ジエチルエーテルで抽出し、1ml
のアセトンで希釈し、混合物を二つに分割した。それぞ
れを試験管に入れ、500μlのアッセイ用緩衝液
(0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)、0.9%(w/
v)NaCl、0.05%(w/v)NaN3 、0.1%(w/
v)ゼラチン)、1500倍希釈した100μlの抗テス
トステロン抗血清と100μlの 3H−テストステロン
(10,000cpm)を加えた。4℃で一晩インキュ
ベート後、200μlの活性炭溶液(0.625%(w/
v)Norita A、アッセイ用緩衝液に溶解した0.062
5%(w/v)デキストランT−70)を加え、4℃で20
分間インキュベートした。
【0036】3,000rpm、4℃で20分間遠心し
た後、上澄みをバイアルにデカンテーションで移し、そ
れに3mlのシンチレータ(トルエンに溶解した4.2
%(v/v)のLiquifluor TM)を加え、放射活性を液体
シンチレータでカウントした。組換えeCGの相対刺激
活性は、テストステロンの分泌を刺激する half-maxima
l の濃度(ED50)から求めた。得られた結果を天然
型eCGと比較して表1に示した。天然型eCGと同様
に組換え型eCGも20−200ng/mlの範囲に渡
って比例関係が得られた。
【0037】
【表1】
【0038】2.Granulosa 細胞を用いたFSH様活性
のバイオアッセイ in vitro バイオアッセイは、Dahlらの方法(Dahl, K.
D., et al., Methodsin Enzymology, 168:414-422 (198
9).)に従い、21〜22日齢ラット由来のGranulosa 細
胞を用いて行った。FSHで誘導される細胞中のアロマ
ターゼ活性によって19−ヒドロキシアンドロステンジオ
ンから生成するエストラジオールの量を測定した。約1
0mgのDESを含むsilastic capsules (10mm)をS
Dラットに移植し、Granulosa 細胞の増殖を刺激した。
4日後、動物を頚部脱臼で犠牲にし、卵巣を切開し, de
capsulate した。 卵胞を27ゲージ注射針で穿刺し、
granulosa 細胞を注意深くMcCoy's5a培地(Gibc
o BRL, USA)に絞りだした。細胞を800rpmで5分
間遠心し、上澄みを除去し、細胞を新鮮な培地で洗浄
し、再度遠心した。
【0039】細胞を同じ培地に再懸濁し、最終濃度を5
〜8×104 生細胞/60μlに調整した。400μl
のGABアッセイ培地(100U/mlペニシリン、1
00μg/mlストレプトマイシン、2mML−グルタ
ミン、1μMアンドロステンジオン、10-7MDES、
30ng/mlhCG、1μg/μlインシュリン、
0.125mMMix in McCoy's5a培地)を2
4ウェルプレートの各ウェルに加え、40μlのサンプ
ル(2〜64ngの天然eCG又はRIAで定量した組
換え型サンプル)と60μlの細胞懸濁液を加えた。細
胞は湿潤95%エアーと5%CO2 雰囲気下で3日間培
養した。培養終了後、1,000rpmで3分間遠心
し、エストラジオールを含む培養上清を得た。
【0040】培地中に放出されたエストラジオール濃度
はテストステロンと同様RIA法で測定した。すなわ
ち、培地を2回ジエチルエーテルで抽出し、1mlのア
セトンで希釈し、混合物を二つに分割した。それぞれを
試験管に入れ、500μlのアッセイ用緩衝液(0.1
Mリン酸緩衝液(pH7.0)、0.9%(w/v)NaC
l、0.05%(w/v)NaN3 、0.1%(w/v)ゼラチ
ン)、4,500倍希釈した100μlの抗エストラジ
オール抗血清と100μlの 3H−エストラジオール
(10,000cpm)を加えた。4℃で一晩インキュ
ベート後、200μlの活性炭溶液(0.625%(w/
v)Norita A、アッセイ用緩衝液に溶解した0.062
5%(w/v)デキストランT−70)を加え、4℃で20
分間インキュベートした。
【0041】3,000rpm、4℃で20分間遠心し
た後、上澄みをバイアルにデカンテーションで移し、そ
れに3mlのシンチレータ(トルエンに溶解した4.2
%(v/v)Liquifluor TM)を加え、放射活性を液体シ
ンチレータでカウントした。組換えeCGの相対刺激活
性は、エストラジオールの分泌を刺激する half-maxima
l の濃度(ED50)から求めた。得られた結果を天然
型eCGと比較して表2に示した。培地に添加したeC
G濃度に依存してエストラジオール濃度が増加した。
【0042】
【表2】
【0043】実施例4.eCGの生物活性のロット間の
比較 eCGのα及びβサブユニットをコードする遺伝子を組
み込んだ発現ベクターを有する組換え体を実施例2記載
の方法に従い培養し、開始48時間後の培養液を回収し
た。この操作を反復することにより、培養上清中に分泌
された組換えeCGを含む異なるロットの培養液を得
た。一方、採取時期の異なる数種類の妊馬血清を入手
し、各血清に関して1:1に純水で希釈して、1,00
0ml当たり60gの安息香酸サトリウムを添加して吸
着沈澱後、540ml当たり500mlのエタノールを
添加し、生成した沈澱を除去することにより部分精製し
た。各サンプル中のeCGの含量を実施例2記載のラジ
オイムノアッセイ法で定量した後、実施例3記載の方法
に従って、各サンプルのFSH及びLH活性を測定し
た。測定に用いたeCG40ng/ml当たりのエスト
ラジオール及びテストステロンの放出量、両者の比率を
求め、その結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】eCGα及びβ−サブユニット遺伝子を
導入したほ乳動物培養細胞を用いた新規な製造法によ
り、原料採取時期や血清ロットに依存しない品質の安定
したeCGを得ることができた。
【0046】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:120 配列の型:アミノ酸 鎖の数:記載せず トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド ハイポセティカル配列:No 起源: ・生物名:ウマ(Equidea) ・組織の種類:胎盤 直接の起源: ・ライブラリー名:cDNA ・クローン名:CHO−K1(pABeCGα/β) 配列の特徴: ・特徴を表す記号:sig peptide ・存在位置:-24..-1 ・特徴を決定した方法:E Met Asp Tyr Tyr Arg Lys His Ala Ala Val Ile Leu Ala Thr Leu Ser -24 -20 -15 -10 Val Phe Leu His Ile Leu His Ser Phe Pro Asp Gly Glu Phe Thr Thr -5 1 5 Gln Asp Cys Pro Glu Cys Lys Leu Arg Glu Asn Lys Tyr Phe Phe Lys 10 15 20 Leu Gly Val Pro Ile Tyr Gln Cys Lys Gly Cys Cys Phe Ser Arg Ala 25 30 35 40 Tyr Pro Thr Pro Ala Arg Ser Arg Lys Thr Met Leu Val Pro Lys Asn 45 50 55 Ile Thr Ser Glu Ser Thr Cys Cys Val Ala Lys Ala Phe Ile Arg Val 60 65 70 Thr Val Met Gly Asn Ile Lys Leu Glu Asn His Thr Gln Cys Tyr Cys 75 80 85 Ser Thr Cys Tyr His His Lys Ile 90 95
【0047】配列番号:2 配列の長さ:169 配列の型:アミノ酸 鎖の数:記載せず トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド ハイポセティカル配列:No 起源: ・生物名:ウマ(Equidea) ・組織の種類:胎盤 直接の起源: ・ライブラリー名:cDNA ・クローン名:CHO−K1(pABeCGα/β) 配列の特徴: ・特徴を表す記号:sig peptide ・存在位置:-20..-1 ・特徴を決定した方法:E Met Glu Thr Leu Gln Gly Leu Leu Leu Trp Met Leu Leu Ser Val Gly -20 -15 -10 -5 Gly Val Trp Ala Ser Arg Gly Pro Leu Arg Pro Leu Cys Arg Pro Ile 1 5 10 Asn Ala Thr Leu Ala Ala Glu Lys Glu Ala Cys Pro Ile Cys Ile Thr 15 20 25 Phe Thr Thr Ser Ile Cys Ala Gly Tyr Cys Pro Ser Met Val Arg Val 30 35 40 Met Pro Ala Ala Leu Pro Ala Ile Pro Gln Pro Val Cys Thr Tyr Arg 45 50 55 60 Glu Leu Arg Phe Ala Ser Ile Arg Leu Pro Gly Cys Pro Pro Gly Val 65 70 75 Asp Pro Met Val Ser Phe Pro Val Ala Leu Ser Cys His Cys Gly Pro 80 85 90 Cys Gln Ile Lys Thr Thr Asp Cys Gly Val Phe Arg Asp Gln Pro Leu 95 100 105 Ala Cys Ala Pro Gln Ala Ser Ser Ser Ser Lys Asp Pro Pro Ser Gln 110 115 120 Pro Leu Thr Ser Thr Ser Thr Pro Thr Pro Gly Ala Ser Arg Arg Ser 125 130 135 140 Ser His Pro Leu Pro Ile Lys Thr Ser 145 149
【0048】配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 AGGAGMGCYA TGGATTRCTA C
【0049】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CACTTGGTGA AACCTTTAAA T
【0050】配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCACCGAGGA TGGAGACGCT CCAG
【0051】配列番号:6 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTAGTTCAAG AAGTCTTTAT TGG
【0052】配列番号:7 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GTACTCGAGC CACCATGGAT TACTACAGA
【0053】配列番号:8 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CAGGAAACAG CTATGAC
【0054】配列番号:9 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 TCGCTCGAGC CACCATGGAG ACGCTCCAG
【図面の簡単な説明】
【図1】α及びβサブユニット遺伝子のサブクローニン
グによるpUCeCGα1及びpUCeCGβ1の構築
を示す図である。
【図2】各サブユニット遺伝子の5’末端へのXhoI
サイトの導入によるpUCeCGαXho及びpUCe
CGβXhoの構築を示す図である。
【図3】pAB2eCGαの構築を示す図である。
【図4】pAB3eCGβの構築を示す図である。
【図5】発現転移ベクターpABeCGα/βの構築を
示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物細胞中で付加・修飾された糖鎖を有
    するαサブユニット及びβサブユニットから構成される
    性腺刺激ホルモンが、卵胞刺激ホルモン様活性と黄体形
    成ホルモン様活性を有することを特徴とするウマ性腺刺
    激ホルモン。
  2. 【請求項2】 αサブユニットが配列表の配列番号1記
    載のアミノ酸番号1〜96のアミノ酸配列を有すること
    を特徴とする請求項1記載のウマ性腺刺激ホルモン。
  3. 【請求項3】 βサブユニットが配列表の配列番号2記
    載のアミノ酸番号1〜149のアミノ酸配列を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のウマ性腺刺激ホルモン。
  4. 【請求項4】 ヘテロダイマーサブユニットから構成さ
    れるウマ性腺刺激ホルモンの各サブユニットをコードす
    るDNAを、同一又は別々の発現ベクターに挿入し、該
    同一又は別々のベクターで宿主の真核細胞を形質転換
    し、該組換え細胞を該性腺刺激ホルモンが発現する条件
    で培養し、発現したホルモンを採取することを特徴とす
    る、請求項1記載の糖鎖が結合しかつ生物学的活性を有
    するウマ性腺刺激ホルモンの製造法。
  5. 【請求項5】 αサブユニットをコードするDNAが配
    列表の配列番号1記載の分泌に必要なリーダー配列を含
    むアミノ酸番号−24〜96のアミノ酸配列をコードす
    るDNAであることを特徴とする請求項4記載のウマ性
    腺刺激ホルモンの製造法。
  6. 【請求項6】 βサブユニットをコードするDNAが配
    列表の配列番号2記載の分泌に必要なリーダー配列を含
    むアミノ酸番号−20〜149のアミノ酸配列をコード
    するDNAであることを特徴とする請求項4記載のウマ
    性腺刺激ホルモンの製造法。
  7. 【請求項7】 発現ベクターがαサブユニットをコード
    する請求項5記載のDNAとβサブユニットをコードす
    る請求項6記載のDNAを同時に組み込んでなる自律複
    製可能な発現ベクターであることを特徴とする請求項4
    記載のウマ性腺刺激ホルモンの製造法。
  8. 【請求項8】 宿主がほ乳動物由来の培養可能な細胞で
    あることを特徴とする請求項4記載のウマ性腺刺激ホル
    モンの製造法。
  9. 【請求項9】 前記ほ乳動物細胞由来の培養可能な細胞
    がチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項4記載
    のウマ性腺刺激ホルモンの製造法。
JP8196009A 1996-07-25 1996-07-25 性腺刺激ホルモンの製造法 Pending JPH1036398A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8196009A JPH1036398A (ja) 1996-07-25 1996-07-25 性腺刺激ホルモンの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8196009A JPH1036398A (ja) 1996-07-25 1996-07-25 性腺刺激ホルモンの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1036398A true JPH1036398A (ja) 1998-02-10

Family

ID=16350719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8196009A Pending JPH1036398A (ja) 1996-07-25 1996-07-25 性腺刺激ホルモンの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1036398A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020172728A1 (pt) * 2019-02-28 2020-09-03 Ouro Fino Saúde Animal Participações S.A. Gonadotrofina coriônica equina recombinante (recg) biologicamente ativa e processo para obtenção da mesma, composição veterinária e uso

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020172728A1 (pt) * 2019-02-28 2020-09-03 Ouro Fino Saúde Animal Participações S.A. Gonadotrofina coriônica equina recombinante (recg) biologicamente ativa e processo para obtenção da mesma, composição veterinária e uso

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cate et al. Isolation of the bovine and human genes for Müllerian inhibiting substance and expression of the human gene in animal cells
AU729880B2 (en) Recombinant vascular endothelial cell growth factor D (VEGF-D)
JP2541761B2 (ja) ミュレル管抑制物質様ポリペプチドおよびその製造方法
JPH074249B2 (ja) インシユリン受容体
JP3217339B2 (ja) ヒトの血小板由来の成長因子受容体
JP2003524381A (ja) システインノット成長因子ミュータント
JPH1072366A (ja) ヘマトクリット値上昇作用を有する医薬組成物
JP3330373B2 (ja) 変容免疫学的特性、性能および/またはレセプター特異性を有する糖タンパク質ホルモンの類似体
JPH0347078A (ja) インターロイキン―7受容体
EP3434686A1 (en) Method for producing and purifying hybrid or non-hybrid recombinant glycoprotein hormones, hybrid or non-hybrid recombinant glycoprotein hormones, expression vectors and uses of the recombinant glycoprotein hormones
JPH09511399A (ja) アファミン:ヒト血清アルブミン様タンパク質
Cohick et al. Placental lactogen-I variant utilizes the prolactin receptor signaling pathway
CA2545160A1 (en) Variants of human glycoprotein hormone alpha chain: compositions and uses thereof
AU766620B2 (en) Modifying the expression of the fsh beta gene by homologous recombination
EP1670923B1 (en) Method for mass production of human follicle stimulating hormone
RU2502798C2 (ru) КЛЕТОЧНАЯ ЛИНИЯ huFSHIK, СЕКРЕТИРУЮЩАЯ РЕКОМБИНАНТНЫЙ ЧЕЛОВЕЧЕСКИЙ ФСГ
CN112409472A (zh) 糖蛋白激素长效超激动剂
JP2001517445A (ja) 甲状腺刺激ホルモンの突然変異体およびそれに基づく方法
KR20080094697A (ko) Fsh 당화 변이체 d3n
EP0974599A1 (en) Recombinant single-stranded equine chorionic gonadotropin
EP0394363A1 (en) Heteropolymeric protein
JPH1036398A (ja) 性腺刺激ホルモンの製造法
JPH06505157A (ja) ヒト濾胞刺激ホルモンの受容体
JPH1036285A (ja) 新規な性腺刺激ホルモン及びその製造方法
JP2002530064A (ja) Egf様核酸およびポリペプチド、ならびにその使用