JPH074249B2 - インシユリン受容体 - Google Patents

インシユリン受容体

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JPH074249B2
JPH074249B2 JP61029836A JP2983686A JPH074249B2 JP H074249 B2 JPH074249 B2 JP H074249B2 JP 61029836 A JP61029836 A JP 61029836A JP 2983686 A JP2983686 A JP 2983686A JP H074249 B2 JPH074249 B2 JP H074249B2
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insulin
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ジヨン・リチヤード・ベル
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ジエネンテク,インコ−ポレイテツド
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、哺乳類のインシユリン受容体(レセプター)
に関するものである。更に詳しくは、本発明は、組換え
細胞によるインシユリン受容体の合成、並びに、インシ
ユリン受容体をコードしているDNAの同定およびクロー
ニングによつて可能となつた、ある種の新規物質の製
造、および、この物質の使用に関するものである。
インシユリンの長期的な成長促進作用と同様、その速効
性の代謝作用は、このホルモンと、特異的かつ高親和性
の細胞表面受容体との相互作用によつて開始される(1
〜3)。インシユリン受容体(見かけの分子量、Mr=35
0,000〜400,000)は、ジスルフイド結合を介して結合し
ている2個のαサブユニツト(見かけの分子量、Mr=12
0,000〜130,000)と2個のβサブユニツト(見かけの分
子量、Mr=90,000)から構成されている必須の膜内在性
糖タンパクである(4−8)。親和性交差結合(7、1
1)の場合におけると同様に、受容体の光親和性標識
(9、10)を用いた場合にも、αサブユニツトが、放射
活性なインシユリンにより、優先的に標識されることが
わかつた。当初、ラツトの肝腫瘍細胞やIM9リンパ芽球
に関して発見され(12、13)、次いで、その他の様々な
タイプの細胞についても見出された(14−16)事である
が、無傷の細胞内では、インシユリンは、βサブユニツ
トに含まれているセリン残基およびチロシン残基のリン
酸化を刺激する。インビトロでは、インシユリン−依存
性チロシンキナーゼ活性(14−22)と、インシユリン−
結合活性とは、共精製されて等質化される(19、20、2
3)。インシユリン受容体のタンパク質キナーゼ活性
は、外因性のペプチドやタンパク質と同様、βサブユニ
ツトのりん酸化をも触媒する(14,21、24−26)。モデ
ルペプチド基質を用いた研究報告によると、インシユリ
ン依存性タンパク質キナーゼの特異性は、外皮成長因子
(EGF)受容体キナーゼ、並びにチロシン特異的タンパ
ク質キナーゼ類のsrcフアミリー(族)が示す特異性と
類似している(24、25)。β−サブユニツトは、自己り
ん酸化反応の基本的な基質であると同時に、ATP結合部
位を含む部分でもある(21、22)。
ヘテロ四量体インシユリン受容体のαおよびβサブユニ
ツトは、約190,000ダルトンの、グリコシル化された一
本鎖ポリペプチド前駆体由来のものである(29−1)。
αサブユニツト領域とβサブユニツト領域とを結合する
ジスルフイド架橋結合は、おそらくタンパク質が折りた
たまれるときに、その形成が始まると思われる。小胞体
からゴルジ装置へと輸送され、さらにグルコシル化を受
けた後、この前駆体は開裂され、次いで、原形質膜へ輸
送される(27)。インシユリン受容体は、IGF−1受容
体の構造であるとされている構造(28)と類似している
が、原形質膜内で一体鎖ポリペプチドとして機能するEG
F受容体とは別異のものである。
ヒトEGF受容体のアミノ酸配列が最近、報告された(32,
33)。しかしながらインシユリン受容体をコードしてい
るDNAを同定し、このDNAを組換え培養内で発現される必
要性は依然として存在しており、精製ヒト胎盤インシユ
リン受容体を関する報告が1981年になされた(7)にも
拘らず、この複合タンパク質の配列に関する情報は何ら
開示されていない。
要約 本発明者らは、新規な最終精製法を用いることにより、
配列決定可能なグレード(等級)で胎盤ヒトインシユリ
ン受容体を得ることに成功した。次いで、本発明者らは
インシユリン受容体(本明細書中では、“IR"または、
ヒトインシユリン受容体の場合には“HIR"と表示する)
の、ヌクレオチド配列および帰属性の完全なアミノ酸配
列を決定した。IRまたはその突然変異体をコードしてい
るDNAを組換え細胞内で発現させることにより、(a)
天然のインシユリン受容体のアミノ酸配列を有してお
り、かつ、細胞起源のタンパク質を全く含んでいないIR
組成物、および(b)新規な突然変異体インシユリン受
容体の合成が可能となる。このDNAまたはそのフラグメ
ントは、欠損IR DNAまたは欠損IR mRNAのハイブリダイ
ゼーシヨン診断、並びに天然起源からIR−暗号化DNAの
取得等に有用である。IRおよびその突然変異体は、イン
シユリン通過投与に起因する低血糖症の治療に、並びに
インシユリン依存性の細胞代謝機構の研究に有用であ
る。IRの既知のポリペプチドフラグメントは、IRの予め
定められた領域と結合し得る抗体を動物内で惹起させる
のに有用である。この様な抗体は、例えば、治療剤とし
て、あるいは、IRおよびその突然変異体の診断学的測定
における構成要素として有用である。
本発明で得られるDNAは新規である。IRをコードしてい
るcDNAは、細胞由来のmRNAの逆転写によつて得られる。
従つて、このcDNAは介在配列を含まず、また、mRNAの供
給源である生物の他のタンパク質をコードしているフラ
ンキング領域を全く含有していない。IRをコードしてい
る染色体DNAは、IR cDNAまたはそのフラグメントを用い
てゲノムDNAライブラリイをプローブすることによつて
得ることができる。IR全体をコードしている染色体DNA
が、他のタンパク質をコードしている該染色体の正規の
フランキング領域を含まない様にして取り出されるが、
それは介在配列を含有しているかもしれない。
単離したIR DNAを、ヌクレオチドの置換、欠失または挿
入によつて修飾するのは容易であり、IRまたはその誘導
体をコードしている新規なDNA配列を得ることができ
る。これらの修飾された配列は、突然変異体IRを生産し
たり、IR種の発現を促進するために用いられる。
IRを合成するには、IRをコードしているDNAを複製可能
な(再生産性の)ベクターにライゲートし、このベクタ
ーを用いて宿主細胞を形質転換し、この宿主細胞を培養
してその培養からIRを回収する方法をとる。本発明に従
つて合成し得るIR種(species)には、成熟(アミノ−
末端)IR、プレIR、並びに以下のIR誘導体:(a)IRま
たはそのフラグメント(成熟IRを含む)と他のタンパク
質またはポリペプチドとが、IRまたはそのフラグメント
のアミノおよび/またはカルボキシ末端において、ペプ
チド結合を介して結合している融合タンパク質;(b)
IRフラグメント、これは成熟IRまたはプレIRのフラグメ
ントを含み、そのフラグメントのアミノ末端アミノ酸が
何らかのプレタンパク質アミノ酸である;(c)1また
はそれ以上のアミノ酸残基が置換、挿入または欠失され
ているIR突然変異体またはそのフラグメント;および/
または、(d)上記タンパク質、フラグメントあるいは
突然変異体のアミノ末端に、メチオニルまたは修飾され
たメチオニル(例えばホルミルメチオニルあるいは他の
保護されたメチオニル種)が付加することにより得られ
る誘導体が含まれる。
通常、哺乳類細胞を、成熟IR、そのフラグメントまたは
突然変異体の配列の5′末端に、RIプレ配列、または真
核性細胞によつて認識され得る他のリーダー配列が結合
してなる配列を含有しているベクターで形質転換し、そ
の細胞を培養し、次いで、この培養から成熟IR、そのフ
ラグメントまたは突然変異体を回収する。膜透過(トラ
ンスメントプラン)配列が欠失されているか、または親
水性領域で置換されている場合には、哺乳類細胞内でこ
のIR突然変異体が発現されると、分泌される。
アミノ酸配列の変化またはグリコシル化以外によるIR誘
導体もまた本発明の範囲内に含まれる。その様な誘導体
は、化学的な部分に対して共有(コバレント)結合的ま
たは集合(アグリゲート)的に結合(会合)しているこ
とが特徴である。これらの誘導体は、一般に3つのクラ
スに分けることができる:塩、側鎖および末端残基の共
有結合的修飾物、および吸着コンプレツクス(例、細胞
膜に対する)。
IRの予め定められたフラグメントに対する抗体は、この
フラグメントと免疫原性タンパク質との複合物(コンジ
ユゲート)を用いて動物を免疫することにより、惹起さ
れる。所望の抗体を分泌する細胞からモノクローナル抗
体を調製する。これらの抗体のスクリーニングは、正常
な受容体、または欠損受容体に対するインシユリ様活性
に基づいて行われる。
組換えIRまたはIR抗体を精製した後、治療に用いるため
に、生理学的に無毒な安定剤や賦形剤と一緒にし、滅菌
過し、投薬ピン内で凍結乾燥して投与剤型に製剤化し
たり、安定化された水性製剤中に保存する。補体結合性
でない抗体誘導体も本発明の範囲に含まれる。
IR組成物の治療有効量を、例えば緊急なインシユリン過
剰投与時の如く、循環液中の過剰インシユリンを中和す
る目的で、動物に投与る。適切な用量は、治療関係者に
とつて自明であろう。同様に、インシユリン様活性を有
する抗−IR組成物は、血糖の代謝を誘導する必要がある
場合に投与される。
図面の簡単な記述 第1A図はHIRをコードしているcDNAクローン(λHIR−P1
2)の模式図である。この図には、単一の内部EcoRI制限
部位、非翻訳配列(−)、翻訳配列(白枠)、シグナル
配列(斜線を施した部分)、システインに富む領域(陰
影を付した部分)、推定の前駆体プロセツシング部位、
および膜透過領域(黒色の棒)が示されている。
第1B図は、HIR前駆体cDNAのヌクレオチド配列、および
その推定のアミノ酸配列を示す模式図である。アミノ酸
の番号はプロ受容体配列のHis(1)から始まり、この
アミノ酸の前にはシグナル配列の27残基がある。実験的
に決定された、インシユリン受容体のαサブユニツトお
よびβサブユニツトそれぞれのアミノ−末端配列に下線
を施して示した。推定の膜透過配列(黒色の棒)、N−
結合グリコシル化に適合する配列(中空の棒)、システ
イン残基(陰影を施した部分)および前駆体のプロセツ
シング部位(四角で囲んだ部分)である。
第2A図は胎盤性mRNAのノーザン・ブロツト分析における
ノーザン・ハイブリダイゼーシヨン分析の結果を示す写
真の模写図である。
第2B図は、胎盤性ゲノムDNAのサザーン・ブロツト分析
の結果を示す写真の模写図である。
第3図は1370個のアミノ酸のプレーインシユリン受容体
配列のヒドロパシイ(hydopathy)分析の結果を示すグ
ラフである。上記配列内には境界標が示されており、こ
れらは以下の意義を有する:シグナル配列(a)、シス
テムに富む領域(b)、前駆体プロセツシング部位
(c)、膜透過配列(d)およびチロシンキナーゼ領域
(e)。
第4図はインシユリン受容体とEGF受容体の比較を示す
各アミノ酸配列の模式図である。図中、システイン残基
の濃度が高い領域は斜線を付した枠、膜透過領域は黒
棒、そして、α2 β2−インシユリン受容体コンプレ
ツクスの形成に関与していると考えられる単独のシステ
イン残基は黒丸、でそれぞれ示されている。
第5図は腫瘍遺伝子の配列およびヒトEGF受容体配列
と、HIRのインシユリン受容体βサブユニツトの細胞質
内領域における配列との比較を示す配列の模式図であ
る。
詳しい説明 本明細書に於いては、IRとは、第1Bに図に示されている
アミノ酸配列またはそのフラグメントと実質上モロロー
ガスな(同質の)タンパク質またはポリペプチドであつ
て、インシユリン様成長因子受容体(IGF R)、上皮性
成長因子受容体(EGFR)、あるいは腫瘍遺伝子類(v−
abel、v−svc、v−fes,v−fms、v−rosまたはv−er
bβ)が、選択された第1B図の配列に対して示すホモロ
ジイ(同質性)と比較したとき、それと実質上同じか、
それ以下のホモロジイを示すタンパク質またはポリペプ
チド以外のものである、と定義する。通常、インシユリ
ン受容体ポリペプチドは、第1B図の配列と約40〜100
%、好ましくは80〜90%ホモロ−ガスであり、かつ、少
くとも何らかの第1B図のインシユリン受容体と共通した
生物学的活性を示すものである。その様な生物学的活性
には、インシユリン結合性、ATP結合性、タンパク質の
りん酸化活性、および天然起源(即ち、非組換え起源)
のIRに対して惹起された抗−IR抗体との交差反応活性等
が含まれるが、これらに限定されるわけではない。ホモ
ロジイを決定するには、必要に応じてギヤツプ(空隙)
を導入して、残基の一致を最大に利用する(ただし、一
致の条件として保存的置換は考慮しない)。上記の定義
は、IR配列の天然のアレル変異体をも包含することを意
図したものである。
IRには、ヒト以外の動物、例えばウシ、ブタまたヒツジ
のインシユリン受容体も含まれる。
プレIRは、前記の定義に含まれるIRの1種である。その
特徴は、分子中に、翻訳後にタンパク質を細胞の内部ま
たは外部のいずれに位置させるか、ということを指令す
るシグナル(またはリーダー)配列が含まれていること
にある。一般に、シグナルポリペプチド(それ自身とし
てはIR活性を持つていないであろう)は、タンパク質が
宿主細胞のペリプラズム、または培地に輸送される分泌
過程の一部として、IR活性を有する残りのタンパク質か
らタンパク分解的に切り離される。このシグナルペプチ
ドは微生物または哺乳類(固有の27残基からなるプレ配
列をも含む)のいずれを起源としていてもよいが、哺乳
類起源であることが好ましい。
本明細書において、IRの誘導体には、アミノ酸配列にお
ける突然変異体、グリコシル化変異体、並びに他の化学
的物質との共有結合的または凝集(集合)的な結合に基
く誘導体を含むものとする。共有結合的誘導体は、機能
を有する物質と、IRアミノ酸側鎖に見出される基、ある
いはN−またはC−末端とを、当業者周知の方法で結合
させることにより、得られる。この様な誘導体には次の
ものが含まれる:カルボキシ末端またはカルボキシ側鎖
を有する残基の脂肪族エステルまたはアミド誘導体、ヒ
ドロキシ基含有残基のO−アシル誘導体、並びにアミノ
末端アミノ酸またはアミノ基含有残基(例えばリジンま
たはアルギニン)のN−アシル化誘導体。アシル基をア
ルキル部分(C3〜C10直鎖アルキルを含む)の内から選
択することにより、アルカノイルアロイル種を得ること
ができる。
主な誘導体群は、IRまたはそのフラグメントと、他のタ
ンパク質またはポリペプチドとの共有結合的な複合物
(コンジユゲート)である。これらの誘導体は、組換え
培養液中でN−またはC−末端融合物として合成する
か、あるいは、反応性の側鎖基を介してタンパク質を不
溶性のマトリツクスに交差結合させる目的で使用し得る
ことが自体既知である、二機能性試薬を使用して合成す
ることができる。交差結合性試薬を用いて誘導体を得る
のに好ましいIR上の部位は、システインおよびリジン残
基である。好ましい試薬として、M−マレイミドベンゾ
イル・サクシンイミドエステル、並びにN−ヒドロキシ
サクシンイミドを挙げることができる。
共有結合誘導体または凝集反応誘導体は免疫原イムノア
ツセイにおける試薬、あるいはインシユリンまたはその
他の結合性物質のアフイニテイ精製法のための試薬とし
て有用である。例えば、IRを臭化シアン−活性化セフア
ロースと自体既知の方法で共有結合的に結合させて不溶
化するか、あるいはポリオレフイン表面(グルタルアル
デヒド交差結合を持つものまたは持たないものに吸着さ
せることにより不溶化し、抗−IR抗体またはインシユリ
ンの分析または精製に用いる。また、IRを、例えば、ク
ロラミンT法によつて放射性沃素化するか、希土類キレ
ート化合物と共有結合させるか、あるいは別の螢光成分
と結合させる、等の方法で標識して診断分析に用いるこ
ともできる。
IRの突然変異誘導体には、IRまたはそのフラグメントの
予め定められた(即ち、部位特異的な)突然変異が含ま
れる。突然変異IRとは、そのものが欠失、置換または挿
入のいずれかの手段によつて天然のIRのアミノ酸配列と
異なる配列を有しているということがなければ、本明細
書中で述べたIRのホモロジイに関する定義にあてはまる
様なポリペプチドであると定義される。例えば、残基72
0〜723(両端を含む)のArg Lys Arg配列を欠失させる
か(一本鎖受容体を産生するため)、あるいはそれを受
容宿主細胞との適合生が更に良好なタンパク分解的認識
配列で置換することによつて変異させることができる。
同様に、残基918〜940(両端を含む)に及ぶと思われる
膜透過配列を欠失させるか、セリンの様な親水生残基で
置換することにより、この受容体が細胞培養培地に分泌
され易い様にする。
突然変異部位は予め定めておくが、突然変異そのものを
予め定めておく必要はない。例えば特定の位置の残基で
の突然変異を適切に行うためには、標的コドンに無作為
な変異誘発を行い、発現されたIR突然変異体を、所望の
活性についてスクリーニングする。既知の配列を有する
DNAの予定の部位で置換突然変異を誘発する方法はよく
知られている(例、M13プライマー突然変異誘発)。
IRの突然変異誘発には、通常、アミノ酸残基約1〜10程
度の挿入、または約1〜30残基の欠失が含まれる。置
換、欠失、挿入、またはそれらの併用、等を組合わせて
最終的な組立てを行う。挿入には、アミノ末端またはカ
ルボキシ末端の融合も含まれる。言うまでもなく、DNA
内における突然変異は、暗号配列をリーデイングフレー
ム外に位置せしめるようなものであつてはならず、ま
た、ハイブリダイズして、ループやヘアピンの如き、mR
NAの二次構造を形成させる可能性のある相補領域を作ら
ないことが好ましい。
IRをコードしているDNAに於ける突然変異の全てが最終
産物に発現されるわけではない。例えば、置換型のDNI
突然変異体の主なものは、固有のヒト分泌リーダーが、
そのリーダー配列内での欠失、または置換のいずれかに
より、異る分泌リーダーまたはシグナルで置き換えら
れ、固有のリーダー配列の全部または大部分が所望の宿
主によつて一層認識され易いリーダーに変化されたもの
である。しかしながら、ヒト分泌リーダーは、ヒトセル
ライン以外の宿主によつても認識され、特に、高等な真
核細胞の細胞培養で最もよく認識される。宿主によつて
分泌リーダーが“認識”されると、通常、IRとリーダー
からなる融合タンパク質はリーダー−成熟IRペプチド結
合の位置で切断され、その結果IRが分泌されるか、また
は細胞膜に挿入される。この様に、突然変異プレIRが中
間体として合成されても、得られるIRは成熟IRである。
IR誘導体として発現されないもう一つの主なDNA突然変
異体は、発現を促進するためのヌクレオチド置換に関す
るものであり、それは、第一義的に、転写されたmRNAの
アミノ末端にループが形成されることを回避する(引用
文献EP75,444Aを参照)ためであり、さらには、選択さ
れた宿主によつてより転写され易いコドンを与える(例
えば、大腸菌に発現させるために、周知の、大腸菌の好
むコドンを与える)ためのものである。
IR含有組成物には、以下に述べる様な安定剤の賦形剤、
IRをコードしているDNAの供給源である細胞または生物
から得られた一定量のタンパク質、IR供給源である細胞
または生物以外のものから得られたタンパク質、および
ポリ−L−リジンの如き合成ポリペプチド等の物質が含
まれる。異型的な宿主内で発現される組換えIRは、当然
遺伝子の供給源に由来するタンパク質を全く含有せずに
発現されることになる。例えば、ヒトIRをCHOまたは他
のより高等な哺乳類細胞内で発現させることにより、文
献中に報告されている部分的に精製されたHIR製剤と異
り、ヒトタンパクを含まないだけでなく、培養中に変性
が起きていない受容体(IR)を含んでいる組成物が得ら
れる。
IRをコードしているDNAは、化学合成、胎盤細胞または
セルライン培養物から得たmRNAの逆転写物のスクリーニ
ング、あるいは任意の細胞から得たゲノムライブラリイ
のスクリーニングによつて得ることができる。
このDNAは、螢光性の基、放射活性原子、または化学発
光性の基により、自体既知の方法で共有結合的に標識さ
れ得る。次いで、このものを、通常のハブリダイゼーシ
ヨン分析(アツセイ)に用いる。その様な分析法は、以
下の実施例に述べる如く、IRベクターや形質転換を同定
するために、または、組織試料中の異常なIR DNAまたは
mRNAの検出の如く、インビトロでの診断に利用される。
IRは、IRをコードしているDNAを含むベクターで形質転
換された宿主細胞内で合成される。ベクターは複製可能
なDNA組立て物である。本発明においては、IRをコード
しているDNAを増幅するため、および/またはIRをコー
ドしているDNAを発現するためにベクターを用いる。発
現ベクターは、IRをコードしているDNAと、そのIRの適
当な宿主内での発現に影響を及ぼし得る適当なコントロ
ール配列とが機能的に結合した複製可能なDNA組立て物
である。その様なコントロール配列の必要性は、選択さ
れた宿主、および運ばれた形質転換法によつて得る。一
般に、コントロール配列には、転写プロモーター、転写
をコントロールするための任意のオペレーター配列、適
切なmRNAリボゾーム結合部位をコードしている配列、お
よび転写および翻訳の終止をコントロールするための配
列が含まれる。増幅ベクターは、発現をコートロールす
るための領域を必要としない。必要とされるのは、宿主
内で複製し得る能力(通常、複製起源によつて与えられ
る)、並びに形質転換体の認識を容易にするための選択
遺伝子だけである。
ベクターにはプラスミド、ウイルス(フアージを含
む)、および組込み可能なDNAフラングメント(即ち、
組換えによつて宿主のゲノム内に組込まれ得るもの)が
含まれる。ベクターは宿主ゲノムとは独立に複製、機能
し、または、ある場合にはゲノムそのものの中に組込ま
れる。プラスミドは、今日最も普通に用いられるベクタ
ーであるが、本明細書中では、「ベクター」を、「プラ
スミド」をも含む総括的な用語として用いることとす
る。しかしながら、同等の機能を有し、当該技術分野で
知られており、またはいずれ知られるであろう、その他
の形のベクターも全て、本発明方法に用いるのに好適で
ある。好適なベクターは、発現させようとする宿主と適
合し得る種から導かれたレプリコンおよびコントロール
配列を含んでいる。形質転換された宿主細胞とは、組換
えDNA技術を用いて組立てられたIRベクターで形質転換
され、もしくはトランスフエクトされた細胞である。形
質転換された宿主細胞は、通常、IRを発現するが、IR D
NAのクローニングまたは増幅を目的として形質転換され
た宿主細胞はIRを発現する必要がない。発現されたIR
は、選択されたIRDNAに応じて、細胞膜内に沈着する
か、培養上清中に分泌される。
DNA領域は、それらが、互いに機能的に関連している場
合は、機能的に結合(operably linked)している。例
えば、プレ配列または分泌リーダーのためのDNAは、そ
れがポリペプチドの分泌に与るプレタンパク質として発
現されるならば、該ポリペプチドに関するDNAと機能的
に結合している;プロモーターは、それが結合している
暗号配列の転写をコントロールするものであるならば、
該配列と機能的に結合している;リボゾーム結合部位
は、それが結合している暗号配列の翻訳を可能にする様
な位置に存在しているならば、該暗号配列と機能的に結
合している。一般に、機能的に結合している、というこ
とは近接(コンテイギユアス)していることを意味し、
分泌リーダー配列の場合には、近接し、かつ解読相内に
あることを意味する。
適当な宿主細胞は、原核細胞、酵母細胞および高等な真
核細胞である。原核生物にはグラム陰性またはグラム陽
性の微生物、例えば、大腸菌(E.coli)やバチルス(桿
菌、Bacilli)が含まれる。高等な真核細胞には、以下
に述べる如く哺乳類動物起源の確立されたセルラインが
含まれる。好適な宿主細胞は大腸菌W3110(ATCC27,32
5)株であるが、他の原核生物、例えば大腸菌B、大腸
菌X1776(ATCC31,537)、大腸菌294(ATCC31,446)、シ
ユードモーナス(Psendomonas)種、バチルス種、ある
いはセラシア・マーセサンス(Serratia Marcesans、
霊菌)等も適する。
IRフラグメントの発現には広範なタンパク分解的プロセ
ツシングやジスルフイドプロセツシングを必要としな
い、原核性宿主−ベクター系が好ましい。適当な微生物
系ベクターは、多数手に入れることができる。一般に、
微生物類のベクターは所望の宿主が認識し得る複製起
源、宿主内で機能し得るプロモーター、並びに表現型の
選択性遺伝子(例えば抗生物質耐性を付与するタンパク
質をコードしている遺伝子、または独立栄養生物の要求
を満す様なタンパク質をコードしている遺伝子)を含
む。他の宿主に関しても、同様な組立て物を作ることが
でる。大腸菌は、通常、大腸菌種から得られるプラスミ
ドpBR322を用いて形質転換される〔ボリバー(Boliva
r)ら、1977、“ジーン(Gene)”:95〕。pBR322はア
ンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子
を含有しており、これらは形質転換細胞を容易に固定し
得る手段となる。
発現ベクターは宿主生物によつて認識され得るプロモー
ターを含有していなければならない。このことは、一般
に、プロモーターは所望の宿主から得られたものである
ことを意味する。組換え微生物発現ベクターの組立てに
最も普通に用いられるプロモーターには、β−ラクタマ
ーゼ(ペニシナーゼ)およびラクトースプロモーター系
〔チヤン(Chang)ら、1978“ナイチヤー”、275:61;お
よびゲツデル(Goeddel)ら、1979“ネイチヤー”281:5
44〕、トリプトフアン(trp)プロモーター系〔ゲツデ
ル(Goeddel)ら、1980“ヌクレイツク・アシツズ・リ
サーチ(Nucleic Acids Res.)”:4057およびEPO出願
公開番号36,776〕、並びにtacプローモーター〔H.Gドウ
ボエル(H.De Boer)ら、“プロシーデイングス・オブ
・ザ・ナシヨナル・アカデミイ・オブ・サイエンスズ
(Proc.Nat'l.Acad.Sci)U.S.A." 80 :21−25(198
3)〕が含まれる。これらが最も普通に用いられている
が、その他の既知の微生物プロモーターも使用し得る。
それらの詳しいヌクレオチド配列は公開されているの
で、当業者は、それらをプラスミドベクターまたはウイ
ルス性ベクター内の、IRをコードしているDNAと機能的
にライゲートさせることができる〔シーベンリスト(Si
ebenlist)ら、1980、“セル(Cell)" 20 :269〕。プ
ロモーターとシヤイン−ダルガノ配列(原核性宿主での
発現のために)を、IRをコードしているDNAと機能的に
結合させる(即ち、DNAからのIRメツセンジヤーの転写
を促進する位置に結合させる)。
酵母培養の如き真核性微生物もIR−暗号ベクターによ
り、形質転換され得る。下等な真核性宿主微生物の内、
サツカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevici
ae)または通常のパン酵母が最も一般的に用いられる
が、その他多数の株も普通に用い得る。酵母ベクター
は、通常、2ミクロン酵母プラスミドからの複製起源ま
たは自律的複製配列(ARS)、プロモーター、IRをコー
ドしているDNA並びにポリアデニル化および転写の終止
のための配列、および選択遺伝子配列を含有している。
典型的なプラスミドはYRp7である〔ステインチコム(St
inchcomb)ら、1979、“ネイチヤー”282:39;キングス
マン(Kingsman)ら、1979、“ジーン”、:141;チエ
ンバー(Tschemper)ら、1980、“ジーン”10:157〕。
このプラスミドは既にtrp1遺伝子を含有しており、この
遺伝子は、酵母の突然変異株、例えばATCCNo.44076また
はPEP4−1〔ジヨーンズ(Jones)、1977、“ジエネテ
ツクス"85:12〕に、トリプトフアン中で増殖する能力を
持たないという選択マーカーを与える。この酵母宿主細
胞ゲノムはtrp1障害を有するので、形質転換体をトリプ
トフアンの非依存下で増殖させることで、形質転換体の
検出に効果的な環境を得ることができる。
酵母用ベクターの好適なプロモーテイング配列には、以
下のものに対するプロモーターが含まれる:メタロチオ
ナイン(metallothionein)、3−ホスホグリセレート
・キナーゼ〔ヒツツマン(Hitzeman)ら、1980“ジヤー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリイ”255:207
3〕またはエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホス
フエート・デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルベ
ート・デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、
グルコース−6−ホスフエート・イソメラーゼ、3−ホ
スホグリセレート・ムターゼ、ピルベート・キナーゼ、
トリオセホスフエート・イソメラーゼ、ホスホグルコー
ス・イソメラーゼ、グルコキナーゼ等の他の解糖酵素類
〔ヘス(Hess)ら、1968、“ジヤーナル・オブ・アドバ
ンスイズ・イン・エンザイム・レグ(J.Adv.Enzyme Re
g.)”:149;およびホランド(Holland)ら、1978、
“バイオケミストリイ”17:4900〕。更に、酵母内で発
現させる上で好適なベクターおよびプロモーターはR,ヒ
ツツマン(R.Hitzeman)らにより、EPO公開番号第73,65
7号の中に記述されている。
その他、増殖条件によつて転写がコントロールされると
いう利点をも有するプロモーターとして、アルコール・
デヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸ホスアフ
ターゼ、窒素代謝に関連する減成酵素、前記メタロチオ
ナイン、グリセルアルデヒド−3−ホスフエート・デヒ
ドロゲナーゼ、並びにマルトースおよびラクトースの利
用に与る酵素類等に関するプロモーター領域が含まれ
る。適当な発現プラスミドを組立てるには、これらの遺
伝子に伴なつた終止配列を、発現ベクター内の、IR暗号
配列の3′側にライゲートし、mRNAのポリアデニル化お
よび終止を与える。
多細胞生物からの細胞培養も組換えIR合成における好ま
しい宿主である。この宿主は、広範囲に及ぶ宿主細胞の
プロセツシングを必要とする、成熟IRあるいは、IRαま
たはIRβ鎖に関しては、特に好ましい。原則として、脊
椎動物の培養物であるか無脊椎動物の培養物であるかに
拘らず、あらゆる高等な真核細胞培養を使用し得る。し
かしながら、哺乳類細胞が好ましい。最近では、その様
な細胞を細胞培養中で増殖させることは日常的な操作と
なつている〔テイツシユ・カルチヤー(Tissue Cultur
e)アカデミツク・プレス、クルスおよびパターソン(K
rus and patterson)編、(1973)〕。有用な宿主セ
ルラインの例には、VEROおよびHeLa細胞、チヤイニーズ
ハムスターの卵巣(CHO)セルライン、並びにWI38、BH
K、COS−7、CVおよびMDCKセラライン等が含まれる。そ
の様な細胞のための発現ベクターには、通常(必要なら
ば)複製起源および発現されるべき遺伝子の上流に位置
しているプロモーターが、リボゾーム結合部位、RNAス
プライス部位(イントロン含有ゲノムDNAを用いる場
合)、ポリアデニル化部位および転写終止配列と共に含
有されている。
脊椎動物細胞の形質転換に使用される発現ベクターのた
めの転写および翻訳のコントロール配列は、しばしばウ
イルス起源から供給される。例えば、普通用いられてい
るプロモーターはポリオーマ、アデノウイルス2、およ
び最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)から導か
れる。初期および後期プロモーターは、いずれもSV40ウ
イルスの複製起源をも含有しているフラグメントとして
該ウイルスから容易に得られるので特に有用である〔フ
アイヤーズ(Fiers)ら、1978、“ネイチヤー”273:11
3〕。SV40のより小さい、またはより大きいフラグメン
トも、それらがウイルス性複製起源内に依存するHind I
II部位からBgl I部位に至る約250bpの配列を含有してい
る限り用いることができる。更に、ヒト−ゲノムIRプロ
モーター、コントロールおよび/またはシグナル配列
も、その様なコントロール配列が選択された宿主細胞系
に適合し得ることを条件として用いることができ、また
しばしば好ましいことである。
複製起源は、例えばSV40その他のウイルス性起源(例え
ばポリオーマ、アデノウイルス、VSV、BPV等)から導か
れる複製起源等の外来性起源を含む様にベクターを組立
てることにより、あるいは宿主細胞の染色体性複製機構
により、与えられる。もしもベクターが宿主細胞染色体
に組込まれるのなら、しばしば、後者の機構で十分であ
る。
ウイルス性の複製起源を含有しているベクターを用いず
に、選択マーカーとIR DNAとを用い、同時系質転換法
によつて哺乳類細胞を系質転換することもできる。適当
な選択マーカーの例として、ジヒドロ葉酸還元酵素(DH
ER)またはチマジン(thymazine)キナーゼを挙げるこ
とができる。その様なマーカー類はタンパク質であり、
一般には形質転換細胞(即ち、外因性DNAの取り込みに
適合した(コンピテント)細胞)の同定を可能にする酵
素である。通常、同定は細胞がそのマーカータンバク質
を取り込んでいなければ、該細胞にとつて有毒な培地、
あるいは、該細胞が必須栄養素を得ることができない培
地で、形質転換体は生存し得る、ということに基づき、
行う。IRとDHFRの両者をコードしているDNA配列を含む
ベクターでトランスフエクトするのに好適な哺乳類宿主
細胞を選択するに際しては、用いるDHERタンパク質のタ
イプに従つて宿主を選択するのが適当である。野生型DH
FRタンパク質を用いる場合には、DHFR欠損宿主細胞を選
択するのが好ましく、そうすることにより、DHFRの非存
在下では利用し得ない必須栄養素である、ピポキサンチ
ン、グリシンおよびチミジンを欠く選択培地内で成功し
たトランスフエクシヨンを選択するためのマーカーとし
てDHFR暗号配列を用いることができる。この場合、好ま
しい宿主細胞はDHFR活性を欠くチヤイニーズハムスター
の卵巣(CHO)セルラインであり、これは、ウーラウブ
およびチヤツシン(Urlaub and Chasin)〔1980、“ブ
ローシデイングス・オブ・ザ・ナシヨナル・アカデミイ
・オブ・サイエンスイズ”(USA)77:4216〕の方法で調
製し、増殖させることができる。この方法は更に、米国
特許第4,399,216号にも記載されている。必要に応じて
適当な合成リンカーを用い、上記の特許において用いら
れているゲノムDNAまたはβ−グロブリンDNAを、IR種を
コードしているDNAで置換することにより、この特許に
示されている方法を、本発明のIRの合成に適用すること
ができる。
メトトレキセート(MTX)に対する結合親和性の低いDHF
Rタンパク質をコードしているDNAをコントロール配列に
用いる場合には、DHFR耐性細胞を用いる必要はない。突
然変異DHFRはMTX耐性であるので、宿主細胞自身がMTX感
受性であるならば、MTX含有培地を選択の手段として用
いることができる。MTXを吸収することのできる真核細
胞の大多数は、メトトレキセート感受性であると思われ
る。その様な、有用なセルラインはCHO系、CHOK1(ATCC
No.CCL61)である。
その他、組換え脊椎細胞培養内でのIR合成に適用するの
に好ましい方法として、M−J・ゲシング(Gething)
ら、“ネイチヤー”293:620−625(1981);N.マンテイ
(Mantei)ら、“ネイチヤー”281:40−46;A.レビンソ
ン(Levinson)ら、EP117,060Aおよび117,058A等が述べ
ている方法がある。
組換え培養で合成されたHIRは、培地からHIRを回収する
ために採用された精製工程に応じてその量および性質を
異にする非−ヒト細胞成分(タンパク質を含む)を含ん
でいることを特徴とする。通常、これらの成分は、酵
母、原核細胞およびより高等な非−ヒト真核細胞に由来
し、好ましくは、重量比で約1%以下の、不純物含有量
として無毒な程度に存在している。更に、組換え細胞培
養によつて、ホモローガスな(同質の)タンパク質を全
く含まないIRを生産することができる。ホモローガスな
タンパク質とは、その供給源である種内で、例えば細胞
内、細胞分泌液中または体液中で天然に見出される如
く、正常な状態でIRに伴なつているタンパク質である。
例えばHIRにとつてホモローガスなタンパク質の1例は
ヒト血清アルブミンである。逆に、ヘテロローガスな
(異質の)タンパク質とは、天然状態では問題のIRに随
伴せず、あるいはそれと一緒に見出されることのないタ
ンパク質である。
IRまたは抗−IRを投与するために、所望の純度まで精製
したIRまたは抗−IRと生理学的に許容し得る担体とを混
合し、これらを調製する。その様な担体は、採用された
用量および濃度において、被投与者にとつて無毒なもの
である。通常、その様な組成物の調製は、IRと、緩衝
液、アスコルビン酸の如き抗酸化剤、低分子量(10残基
以下)のポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、グルコ
ースまたはデキストリン等の炭水化物、EDTA等のキレー
ト剤、グルタチオン、並びに、安定剤や賦形剤、とを混
合することにより、行われる。
IR組成物は、インシユリン過剰投与を中和するために、
あるいは自己免疫抗−IR抗体を吸着するために投与され
る。投与経路は静脈内投与である、用量を、低血糖症の
回復(即ち、血糖値の増加)により、あるいは抗−IR抗
体治療の場合には、インシユリン効果によつて測定す
る。インシユリン誘発生低血糖症に対する緊急治療にIR
組成物を用いる場合には、従来からインシユリン過剰投
与の治療に用いられてきた薬剤、例えばデキストロース
(静注)と併用することが好ましい。組換え法で生産さ
れたIRは、インシユリンの精製に用いられる受容体親和
性カラムを調製する際にも有用である。
実施例の記載を簡単にするため、頻繁に用いられる方法
を短い熟語に略して示す。
プラスミドは小文字のpを先頭にし、そして/または大
文字および/または数字を続けることによつて表わされ
る。本発明の出発物質であるプラスミドは市販されてい
るか、または非制限的な施設から一般に入手可能であ
り、あるいはこの様にして入手し得るプラスミドから、
公知の方法に従つて組立てることができる。更に、その
他の同等なプラスミドも当業者には知られており、通常
の技術者にとつて自明であろう。
DNAの“消化”とは、DNAを、該DNAのある位置に対して
のみ作用する酵素で触媒的に開裂することを指す。その
様な酵素を制限酵素と称し、該酵素にとつて特異的な部
位を制限部位(サイト)と称する。“部分”消化と、制
限酵素による不完全な消化であり、与えられたエンドヌ
クレアーゼに対するDNA基質中の部位の全てでなく、そ
のうちのいくつかを開裂する様な条件を選んで行う。本
発明において用いる様々な制限酵素は市販されており、
その反応条件、コフアクター、およびその他必要なもの
は、酵素の供給業者の指示に従つて使用した。制限酵素
類は、各制限酵素が最初に得られた微生物を表示する大
文字、次いで他の文字、更に、通常、数字からなる略号
で表わされる。一般に、特別の場合を除き、約1μgの
プラスミドまたはDNAフラグメントを、約20μの緩衝
液中の約1単位の酵素と共に使用する。特定の酵素につ
いて適当な緩衝液および基質の量は、製造業者によつて
明示されている。通常、インキユベーシヨン時間は37℃
で1時間とするが、供給者の指示に従つて変えてもよ
い。インキユベーシヨンした後、フエノールおよびクロ
ロホルムでタンパク質を抽出して除き、水性フラクシヨ
ンからエタノール沈殿によつて消化された核酸を回収す
る。時たま、制限酵素による消化の後、DNAフラグメン
トの2つの制限的開裂末端が“閉環(サーキユライデイ
ング)”したり、閉じたループを形成することにより、
核制限部位に他のDNAフラグメントが挿入されにくくな
るのを防止するために、5′末端のホスフエートを細菌
性アルカリホスフアターゼで加水分解することがある。
明示しない限り、プラスミドの消化には、5′末端の脱
りん酸反応は伴なわないものとする。脱りん酸の方法お
よび試薬は常法に従う〔T.マニアテイス(T.Maniatis)
ら、1982、モレキユラー・クローニング(Molecular Cl
oning)pp.133−134〕。
制限酵素による消化によつて得られたDNAフラグメント
の“回収”または“単離”とは、この消化物をポリアク
リルアミドゲル電気泳動にかけて分離し、フラグメント
の移動度を分子量既知のマーカーDNAフラグメントのそ
れと比較して所望のフラグメントを同定し、該フラグメ
ントを含むゲルの部分を取り除き、該ゲルからDNAを分
離することを意味する。この方法は一般的に切られてい
る。例、R.ローン(R.Lawn)ら、1981、“ヌクレイツク
・アシツズ・リサーチ”:6103−6114およびD.ゲツデ
ル(D.Goeddel)ら、1980“ヌクレイツク・アシツズ・
リサーチ”:4057参照。
“サザーン分析”とは、消化物中DNA配列またはDNA含有
組成物中のDNA配列の存在を、既知の、標識したオリゴ
ヌクレオチドまたはDNAフラグメントとのハイブリダイ
ゼーシヨンによつて確認する方法である。本明細書中で
は、特に断らない限り、サザーン分析という時は、E.サ
ザーン(E.Southern)、1975“ジヤーナル・オブ・モレ
キユラー・バイオロジイ(J.Mol.Biol.)”98:503−51
7、の方法に従つて、消化物を1%アガロース上で分離
し、変性し、そしてニトロセルロース上に移し、T.マニ
アテイスらの方法〔1978、“セル”15:687−701〕に従
つてハイブリダイゼーシヨンを行なうことを意味する。
“形質転換”とは、DNAを生物内に導入することを意味
し、その結果DNAが染色体外成分として、あるいは染色
体内に組込まれて複製されることを意味する。特に明示
しない限り、本発明における大腸菌の形質転換法はマン
デル(Mandel)らのCaCl2法(1970、“ジヤーナル・オ
ブ・モレキユラー・バイオロジイ”53:154)を採用す
る。
“ライゲーシヨン(結合)”とは、2個の二本鎖核酸フ
ラグメントの間にホスホジエステル結合を形成する工程
を言う(T.マニアテイスら、前掲p146)。特に明示しな
い限り、ライゲーシヨンは既知の緩衝液と条件を使用
し、略等モル量のライゲートすべきDNAフラグメント0.5
μg当たりT4DNAリガーゼ(“リガーゼ”)10単位を用
いて行う。
形質転換体からDNAを“調製する”とは、プラスミドDNA
を微生物培養物中から単離することを意味する。明示し
ない限り、マニアテイスらのアルカリ性/SDS法(同上p
・90)を採用する。
“オリゴヌクレオチド”とは、短かい一本鎖また二本鎖
ポリデオキシヌクレオチドであつて、既知の方法によつ
て化学的に合成され、次いでポリアクリルアミドゲル上
で精製されたものである。
引用した文献は、参考までに全ての末尾の文献目録に示
した。
以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
実施例1 N−末端アミノ酸配列、およびDNAプローブ
の考案 インシユリン受容体の精製は、ヒト胎盤膜標品を、タン
パク分解を阻止するためにフエニルメチルスルホニル・
フルオライド(PMSF)を用いる外は文献記載(23)の如
く、麦芽アグルチニン・アガロースおよびインシユリン
・アガロースを用いたクロマトグラフイーにかけ:麦芽
アグルチニンから4℃で溶離し、インシユリンカラムか
ら、0.5%SDSでタンパク質を溶離することにより行つ
た。以下に述べる様にして、SDS43中で、ヒドロキシル
アパタイトを用いたクロマトグラフイーにより、部分的
に精製された受容体を濃縮した。インシユリン・アガロ
ース溶出液を0.2%SDS以下の濃度に希釈し、0.01Mりん
酸ナトリウム、pH6.4および1mMジチオトレイトールにな
る様に調整し、37℃においてヒドロキシルアパタイトの
3mlカラムに通し;結合したタンパク質を0.6Mりん酸ナ
トリウム、pH6.4、1mMジチオトレイトール、0.1%SDSで
溶離した。サブユニツトの精製は、0.1%SDSに対して透
析した後、プレパラテイブ・ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけることにより行つた。試料を7%のゲルに
適用し、上部に配した緩衝液槽に入れた1mMチオグリコ
ール酸ナトリウムを用いて展開させ、クーマシー・ブル
ーでゲルを染色してバンドを切り取り、文献記載の方法
で電気溶離した(44)。αサブユニツトとβサブユニツ
トの定量は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた
後、クーマシー・ブルー染色し、その個々のバンドの染
色の強度を測定することにより行つた。染色強度の測定
はレーザー・デンシトメトリイ〔モデル2202ウルトラス
キヤン(Ultrascan)、LKB〕で行い、受容体のバンド
と、同じゲル上で展開させた既知量のタンパク質標準
(ミオシン・β−ガラクトシダーゼおよびホスホリラー
ゼB)から得られたバンドとを比較した。しかしなが
ら、タンパク質の配列決定の結果は、特にβサブユニツ
トの場合、この受容体についての本発明者らの見積り量
が少ないことを示唆した。
ヘヴイツク(Hewick)らの記載(45)に従い、精製タン
パク質を気相タンパク質配列決定装置〔モデル470A、ア
プライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)〕
に適用し、放出されたアミノ酸誘導体をマイクロソルブ
(Microsorb)C8カラム〔4.6×250mm、レイニン(Raini
n)〕による逆相HPLCにかけ、有機溶媒のアセトニトリ
ルを含むりん酸緩衝液を用いて測定した。αサブユニツ
トの場合、概算130pmol(ピコモル)のタンパク質から6
5pmolの配列を得たのに対し、概算300pmolのβサブユニ
ツトからは400pmolの配列を得た。以下に示す図は、イ
ンシユリン受容対のαサブユニツトおよびβサブユニツ
トのアミノ末端アミノ酸配列、並びにそれらの基にデザ
インしたαサブイニツト・プローブおよびβサブユニツ
ト・プローブのヌクレオチド配列である。(Xxx)で示
した位置のコドンは、暫定的なアミノ酸の帰属に基づい
て選択された。丸括弧は、帰属が不確かであることを意
味する。星印は、個別に合成されたオリゴヌクレオチド
相互のライゲーシヨン位置を示している。下線を付した
ヌクレオチドは、後に、天然のインシユリン受容対cDNA
相補体(コンプリメント)と不一致であることが分つた
部分である。
二本鎖のハイブリダイゼーシヨンプローブは、自動DNA
合成装置(シンセサイザー)〔バイオサーチ(Biosearc
h)〕を用いて調整された。短い重複(オーバーラツピ
ング)オリゴヌクレオチドを合成し、アクリルアミドゲ
ル電気泳動によつて精製した。各オリゴヌクレオチド約
10pmolづつを、約3倍過剰量のγ32P−ATP〔アマーシヤ
ム(Amersham)〕とT4ポリヌクレオチド・キナーゼを用
い、別々に反応させてりん酸化した。5′末端を標識し
たこれらのオリゴヌクレオチドを一緒にし、20℃におい
て2時間T4DNAリガーゼ2単位によりライゲーシヨンを
行うことによつて、完全な長さのプローブを調製した。
ライゲーシヨン反応の生成物を分析的に検査したとこ
ろ、約69〜80%のDNAがプローブモノマーサイズにライ
ゲートしたことがわかつた。全ライゲーシヨン混合物を
煮沸してDNA鎖を分離し、ハイブリダイゼーシヨンに用
いた(37)。
実施例2 IRをコードしているcDNAの同定 凍結した満期(term)胎盤から全polyA含有RNAを単離し
た。文献記載の方法(33,34)でcDNA(>500bp)クロー
ン・ライブラリイ(1.5×106pfu)およびλgt10ベクタ
ー系を調製した。
αサブユニツト・プローブによる最初のスクリーニング
により、15のハイブリダイゼーシヨン陽性の組換えフア
ージが検出された。精製したフアージDNAをEcoRI制限分
析し、次いでサザーンブロツト・ハイブリダイゼーシヨ
ン(35)により特性化すると、各クローンには2個のEc
oRIフラグメントが含まれており、その内の一方が合成
αサブユニツト・プローブとハイブリダイズすることが
分つた。1個のフアージ(λHIR−P12)だけがβサブユ
ニツト・プローブとハイブリダイズする第2のEcoRIフ
ラグメントを含有していた。フアージλHIRの全cDNA挿
入体の測定値は約5kb(1kb EcoRIフラグメントと4kbEco
RIフラグメント、第1A図)であり、これは、炭水化物側
鎖を含めて概算約190,000ダルトンとされている全ヒト
インシユリン受容体前駆体(31)をコードするのに充分
な大きさである。
ヌクレオチドの配列決定により、1kb EcoRIフラグメン
トはインシユリン受容体αサブユニツトのアミノ末端配
列をコードしているオープンリーデイングフレームを含
有していることが確認された。成熟αサブユニツトの2
番目の位置にあることを本発明者らが既に決定していた
ロイシン残基の前にヒスチジンがあることが分つた。開
始ATGコドンはHis(1)の27アミノ酸上流にあると同定
したが、このコドンは、翻訳開始部位に関するコザツク
(Kozak)の基準(36)に一致したヌクレオチドと境界
を接していた。このATGコドンと成熟タンパク質のNH2
端との間にあるアミノ酸残基は極めて疎水性であり、こ
の配列は、新生(nacent)インシユリン受容体前記体ポ
リプペチドを内質細網の管腔(ルーメン)に輸送するの
に必要なシグナル配列であると思われる。メチオニン−
27より上流の残りのヌクレオチド配列中にはフレーム内
終止コドンが存在していないが、適切なシグナルが隣接
して依存していることから、この−27位のATGは翻訳開
始コドンとして用いられていると思われる。この様に帰
属したことから、インシユリン受容体内のαサブユニツ
トとβサブユニツトとの配置が予測できた:即ち、これ
ら両者にとつて共通の前駆体の内部で、受容体のαサブ
ユニツトは、βサブユニツトのNH2末端の上流に位置し
ている。この予測は、λHIR−P12cDNA挿入体の完全な5,
181bp長さのヌクレオチド配列の決定によつて確認され
た(第1B図)。この配列内のメチオニンから始まる最も
長いオープン・リンデイング・フレームは、シグナルペ
プチドの27残基をも含めて、1,370のアミノ酸をコード
している。この暗号配列には50ヌクレオチドからなる
5′非翻訳配列が先行しており、また、翻訳終止に係る
シグナル配列(TAA)、並びに1,018ヌクレオチドからな
る3′非翻訳配列が後続している。本発明者らが提供し
た配列の3′末端におけるA−伸長がポリ(poly)Aテ
イル(尾部)の一部であるか、あるいは、より長い3′
非翻訳領域内の介在配列の1つであるかは、このA−伸
長の上流には不完全なポリアデニル化シグナル(AATAT
A)が存在している故に、明確でない。この疑問を解決
するため、3′非翻訳配列を表す、互いに独立した3個
のcDNAをさらに胎盤ライブラリイから選択し、制限酵素
分析によつてλHIR−P12EcoRIフラグメントと比較し
た。これらはいずれも同じ3′末端配列のその終末に有
する様に思われ、また、λHIR−P12と一致した制限パタ
ーンを有してた。しかし、どれも上流までも伸長してい
なかつた。
最終的に得たcDNA−誘導ヌクレオチド配列と、本発明に
係る合成プローブとを比較した結果、αサブユニツトの
N末端プローブには9個の不一致(86%の一致)があ
り、完全な一致を保つた伸長部分として最長のものは11
bpであり、また、57bpのβサブユニツトのN末端プロー
ブには12個の不一致(79%の一致)があり、妨害のない
一致した、伸長の配列は12bdであることが分つた。偽陽
性は認められなかつた。
本発明に係るcDNA配列に基づき、プレーインシユリン受
容体前駆体の分子量を155,000、成熟前駆体の分子量を1
52,000と算出した。インシユリン受容体前駆配列の720
位におけるテトラペプチド(Arg Lys Arg Arg)はβサ
ブユニツトのN末端配列に直接、先行しており(第1B
図)、これは、受容体前駆体のプロセツシングに係る酵
素の開裂部位であると思われる。このペプチダーゼ認識
配列を除外し、最終的に、修飾されていないサブユニッ
トの分子量を、82,400(α)および69,700(β)と推定
した。
カイト(Kyte)およびドウーリトル(Doolittle)のコ
ンピユータープログラム(46)を用い、1370アミノ酸長
さのプレインシユリン受容体前駆体配列を走査(スキヤ
ニング)する方法で、フドロパシイ(Hydropathy)分析
を行つた。配列中の境界は、図式的に以下の事を表して
いる:シグナル配列(a)、システインに富む配列
(b)、前駆体のプロセツシング部位(c)、膜透過配
列(d)およびチロシンキナーゼ領域(ドメイン)
(e)。疎水性であれば正、親水性であれば負となる
(カイトおよびドウーリトル参照、46)。これらの結果
を第3図に示す。
719残基長さのαサブユニツト配列(第1B図の大部分は
親水性であり(第3図)、疎水性の短い伸長部分が少し
あるが、そのどれも、膜に対するアンカー配列となり得
るのに充分な長さではない。αサブユニツト領域は、そ
の719残基長さにわたつて、アスパラギ−結合グリコシ
ル化に適合する15の配列(AsnX Ser/Thr)が一様に分布
していること、並びに、異常に多くのシステイン残基が
存在している(37)ことを特徴とする。26個のシステイ
ン残基が残基155から312の間に密集しており(第1B
図)、これらは、比較的親水性の領域に含まれている
(第3図)。大ていの場合、潜在的なアスパラギン−結
合炭水化物の結合部位の内、どれが実際にグリコシル化
されるか、ということを直接証明し得るものはないが、
タンパク質の配列決定において、αサブユニツトとβサ
ブユニツトの16位と7位のそれぞれにアスパラギンを検
出することができなかつたことから、これらの2部位が
グリコシル化されていたことが強く指示されたといえ
る。
620アミノ酸長さのβサブユニツト配列は、唯9個(1.5
%)のシステイン残基を含有しており、このサブユニツ
トは3領域に分けることができる。194残基長さのアミ
ノ末端領域には4個の、潜在的なアスパラギン−結合グ
リコシル化部位と4個のシステイン残基とが含まれてい
る。隣接して伸びる23〜26個の高度に疎水性のアミノ酸
(915または918〜940)は、インシユリン受容体を膜内
に留めるための、単一の膜透過領域であると思われる。
この膜透過配列のC末端は3個の塩基性アミノ酸(Arg
Lys Arg、第1B図参照)と境界を接しており、これら3
アミノ酸は、2個の潜在的なN−結合グリコシル化部位
と、通常の数のシステイン残基とを含有している403−
残基長さのカルボキシ末端領域の一部を構成している。
実施例3 複数の相互に関連しているmRNA脂肪細胞に分
化する前(a)および分化した後(b)(40)のマウス
3T3−L1線維芽細胞から単離したポリA+RNA、およびヒト
満期胎盤組織から単離したポリA+RNA(5μg)を、ホ
ルムアルデヒド含有1%アガロースゲルにかけて分離
し、ニトロセルロース上に移した後、ノーザン・ブロッ
ト分析(38)を行つた。サイズ・マーカーには、ラツト
のリボソームRNAを用いた。フイルターに、放射性標識
インシユリン受容体cDNAフラグメント(47)(1010bpお
よび4169bp EcoRI)をハイブリダイズさせた。暴露
(照射)は、−60℃において、強化スクリーン〔クロネ
ツクス・ライトニング・プラス(Cronex Lightning Plu
s)を用い、3日間行つた。文献に記載の如くにして、
胎盤およびIM−9からのRNAについて更にノーザン・ブ
ロツト法に関する実験を行つた。以下に示すcDNAフラグ
メントを平行(パラレル)実験に用いた:EcoRI 1−101
1;EcoRI 1012−Xho I 2904;Stu I 3234−Stu I 3728;St
u I 2399−Xho I 3080;Pst I 4341−EcoRI I 5169。
胎児胎盤(20週)およびヒトリンパ芽球セルライン(IM
−9)と同じく、満期胎盤から得たポリA+RNAを用いた
ノーザン・ブロツト・ハイブリダイゼーシヨン分析(3
8)において、これらに共通の5個のハイブリダイゼー
シヨン・バンド(8.2kb、7.3kb、6.5kb、5.5kbおよび4.
6kbの長さ)から成る複雑な像が得られた(第2A図)。
弱い、2.9kbバンドも検出されたが、これは満期胎盤RNA
とIM−9RNAにのみ、存在していた。各バンドのハイブリ
ダイゼーシヨン・シグナルの強度は相互に異なつてお
り、このことは、遺伝子から長さの異なるmRNAが種々の
量、合成されているか、あるいは、異なつた、しかし関
連性のある遺伝子が転写され、様々なサイズのmRNAが得
られたか、のいずれであることを示唆している。本発明
に係る5.2kbのインシユリン受容体cDNAプローブとハイ
ブリダイズする胎盤由来のmRNAと、IM−9細胞由来のmR
NAとの同一性を更に詳しく検討するために、ハイブリダ
イゼーシヨン・プローブとして様々なcDNAプローブフラ
グメントを用い、ノーザン・ブロツト・ハイブリダイゼ
ーシヨン実験を行つた。どの場合にも最少限、 4個の
最大の転写物(8.2、7.3、6.5および5.5kb)は全て検出
された。
デキサメサゾンおよびイソブチル・メチルキサンチンで
処理すると、次いでマウス3T3−LI線維芽細胞は脂肪細
胞に文化し、その過程で、細胞表面のインシユリン受容
体分子数の数が10〜20倍に増加する(39,40)。分化す
る前および分化した後の細胞からポリA−含有mRNAを
得、ノーザン・ブロツト分析にかけたところ、2個のイ
ンシユリン受容体mRNAにおいて、受容体の分子量に約10
倍の増加を来していることが分つた(第2A図、aおよび
b)。胎盤の場合にみられた複雑な転写像(第2A図、
c)と異り、3T3L1細胞は誘導の前、後いずれにおいて
も、6.5kb mRNAと8.2kb mRNAに匹敵した量、合成されて
いるにすぎない。以上の実験は、6.5kbおよび8.2kbに係
る主要な転写物がインシユリン受容体mRANであることを
強力に暗示している。これらmRNAは、他の遺伝子系に関
して述べられている如く(41,42)、3′または5′非
翻訳配列において相違しているか、あるいは、同じ遺伝
子からの一次転写物に様々なスプライシングが生じるこ
とにより、生成したものであるのかもしれない。
実施例4 ゲノムDNAのDNAプローブ分析ヒトゲノム内に
存在しているインシユリン受容体の数を求める目的で、
cDNAの3′側最末端の非翻訳配列から得た857bpのPst I
−EcoRIcDNAフラグメントをハイブリダイゼーシヨンプ
ローブとして用い、サザーン・ブロツト分析(35)を行
つた。胎盤の核から単離した高分子量のDNA(10μg/レ
ーン)を過剰量のEcoRI(a)、Hinc II(b)およびPs
t I(c)で消化した1%アガロースゲル上で分離し、
次いでサザーン・ブロツト・ハイブリダイゼーシヨン分
析(39)を行つた。放射性標識した、857bpの3′末端P
st I−EcoR Iフラグメントからなるプローブを、高いス
トリンジエンシイ条件の下で用いた。サイズマーカーと
して、EcoR IおよびHind III消化λwtフアージDNAを用
いた。これらの配列は、遺伝子フアミリーの内、最も迅
速に分岐される(分岐進化する)配列であるために、極
めて近縁の遺伝子を検出してしまう、ということを避け
ることができることから選ばれた。第2B図にみられる様
に、このプローブは高分子量の核DNAから導かれたフラ
グメントの内、1個ハイブリダイズしており、このこと
は、半数体のヒトゲノム中には、1個しかインシユリン
受容体が存在していない、ということと一致する結果で
ある。
実施例5 哺乳類細胞内でのHIRの発現 pUC12(ニユーイングランド・ボイオラボス)をSal I消
化し、このベクターに、ゲル精製した全HIR暗号配列を
含有しているλHIR−P12のSal Iフラグメント(〜5.2k
b)をライビートすることにより、pUC12のポリリンカー
領域にこの精製(純化)Sal Iフラグメントをサブクロ
ーンした。プラークを増殖させ、所望のXba I−Sal I−
Sal−Hind IIIの方向性(ここに、Xba IとHind III部位
はpUC12ポリリンカーを起源としており、また、Sal Iが
HIR遺伝子挿入体の両側に接している)を有するクロー
ンをスクリーニングした。このベクターをpUC12/HIRcと
命名した。pUC12/HIRcをXba IおよびDra Iで切断し(Dr
a IはHIRの3′非翻訳領域内に存在している)、HIR−
含有フラグメントを単離した。このフラグメントを、ま
ず、BamH Iで消化しておいた哺乳類発現ベクター(pCVS
VEHBVE400、ヨーローツパ公開No.117060)に挿入した。
このBamH I消化発現ベクターの粘着末端をクレノーPol
Iでうめ、次いで、このプラスミドをXba Iで消化した。
この様に、Xba I−Dra Iの挿入は、HIRmRNAの発現に必
要な方向性においてのみ、可能となつた。得られたイン
シユリン受容体発現プラスミドを、pCVSVE−HIRc−2と
命名した。次いで、このプラスミドを、標準的な手法を
用い、MDGK、CHO、Rat1(ラツト線維芽細胞セルライ
ン)またはCOSの如く、数種の哺乳類セルラインにトラ
ンスフエクトし、これを、当業者周知の如く、過度的な
発現に好適な条件下において、過渡的発現培養倍地で培
養した。pCVSVE−HIRc−2から発現されるDHFRについて
の選択培で培養することにより、安定な形質転換体を選
択した。過渡的な発現を、約40時間後における、放射性
沃素過したインシユリンと結合するトランスエクト細胞
を、トランスフエクトされていない対照細胞と比較する
ことにより、測定した。
実施例6 哺乳類細胞内での突然変異体HIRの発現 この実施例では、IRに欠失突然変異を誘発する際に、一
般的に使用可能な方法について記述する。以下の記載
は、HIRの膜透過領域(TMR)の欠失に関するものであ
る。
実施例5で得たゲル精製Sal IフラグメントをSal I消化
M13mp8複製型DNA〔J.アデルマン(J.Adelman)ら、198
3、“DNA"(3):183−193〕にライゲートし、次い
で、大腸菌JM103にトランスフエクトする。マデルマン
ら(前掲)の記載に従つて形質転換体(pSalHIR)を同
定する。
クレア(Crea)らの方法(“ヌクレイツク・アシツズ・
リサーチ”:2331−2348)に従つて次の合成オリゴデ
オキシヌクレオチドを調製した:5′GCTGCCTCTTTCTTTTTG
CAATATTTG−3′(“Δ”)(TMRと直接的に近接した位
置から遠位に及ぶ、HIRの暗号領域に対して相補的な配
列)、5′GAAGTCACAACACTAACCTTC3′〔“ループ(loo
p)”〕(TMR部分の相補配列)、5′AGAAGCGTAAAGCGGT
CC3′(HIRアミノ酸残基950−955を包含する領域と相補
的な、配列決定用プライマー、および5′GTTTTCCCAGTC
ACGAC3′(“LAC"、組換えフアージM13DNAの配列決定用
プライマーとして通常用いられている配列)。
これらのオリゴヌクレオチドを、アデルマンら(前掲)
の方法に従つてりん酸化した。
アデルマンら(前掲)の記載の如くにして、りん酸化し
たΔおよびLACをpSal HIRにアニールし、プライマー延
長を行つた。記載に従つてDNAを回収し、大腸菌JM103の
形質転換に用いた。“ループ”とΔのスクリーニングに
基づいて形質転換体フアージを同定した。前記の配列決
定用プライマーを用い、アデルマンらの方法(前掲)に
従つた配列決定法によつて、膜透過領域の欠失を伴なつ
ている形質転換体(pSal HIR d918−940と命名)を同
定する。pSal HIR d918−940からDNAを回収し、Sal I
で消化する。突然変異体HIRDNAを回収し、実施例5と同
様にしてSal I消化pUC12にライゲートする。以下、実施
例5の方法に従つて行う、ただし、発現の測定には、HI
Rに対するポリクローナル抗血清であつて、標識し、固
定化したものを用い、細胞培養上清を、HIRサンドイツ
チ・イムノアツセイ法で測定する方法をとる(宿主細胞
のIRは細胞膜と結合しており、宿主細胞IRとの交差結合
法における力価が低いということに関して選択した抗血
清をこの測定に用いる)。
その他の欠失、置換および挿入による突然変異(例えば
残基720−723の突然変異体)は、同様な方法で、そして
/または、米国特許出願第614,617号;米国特許出願第
2,130,219A;R.ワラス(R.Wallace)ら、1981“ヌクレイ
ツク・アシツズ・リサーチ”(15):3647−3656;G.ウ
インター(Winter)ら、1982“ネイチヤー”299:756−7
58;およびA.ヒユイ(Hui)ら、1984“EMBOジヤーナル
(The EMBO Journal)”(3):623−629)(これら
はいずれも参考文献として引用)に記載の方法を用い、
合成オリゴヌクレオチド挿入体を使用することにより、
調製される。
実施例7 予め決定されたIRのアミノ酸配列に対する抗
体の調製 この実施例は、メリフイールド(Merrifield)の固相合
成法(68)に従つて下記の表Iに示したペプチドを合成
し、得られたタンパク質を、指定の二機能性試薬を用
い、常法に従つて表Iに記載のタンパク質とコンジユゲ
ートさせる(複合タンパク質を形成させる)ことに関す
る。
その他の二機能性の交差結合剤も知られており、免疫性
コンジユゲートの製造に用いることができる。その例と
して、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2およ
びR′M=C=NRを挙げることができる。
上に列記したタンパク質以外のものも用いられる。それ
らタンパク質は免疫する種にとつてヘテロローガスであ
ることが好ましく、そうでなければ、例えあつたとして
も、免疫応答における力価は低くなるであろう。
選択されるIRポリペプチドフラグメントとしては、受容
体のATP結合領域、タンパク質ホスホキナーゼ領域およ
び自己りん酸化に係る領域から得られるフラグメントも
本発明の範囲内に含まれるが、αサブユニツトか選択さ
れたIRポリペプチドフラグメントが好ましい。
この免疫原性コンジユゲート(複合物)で動物を免疫す
るには、コンジユゲート1mgまたは1μg(それぞれ、
ウサギまたはマウスに対して)を3容量の、フロインド
の完全アジユバントと混合し、得られた溶液を複数箇所
に皮内注射する。1カ月後、元の1/5〜1/10量のフロイ
ンドの完全アジユバントを用い、動物に複数箇所の皮下
注射を行つて追加免疫する。7〜14日後に採血し、血清
中の抗HIR力価を測定する。力価が横ばい状態になるま
で追加免疫する。この追加免疫は、同じIRポリペプチド
であつて、異なるタンパク質と、そして/または異なる
交差結合剤を介してコンジユゲートしたもので行うこと
が好ましい。
モノクローナル抗体は、免疫した動物から脾細胞を回収
し、この細胞を常法(例えば骨髄細胞と融合させる)に
従つて不滅化(イモー・テイライジング)するか、EBウ
イルスを形質転換し、所望の抗体を発現するクローンを
スクリーニングすることにより、調製される。
ヤギの抗ウサギIgGで被覆したマイクロタイター・ウエ
ルにウサギの抗−IRβサブユニツトを固定化し、この被
覆されたウエルに、125I−インシユリン含有PBSで希釈
した被検試料を加え、一夜インキユベートし、ウエルか
ら被検試料を吸引し、PBSで洗浄した後、ガンマ係数管
を用いてウエルの残存放射活性を測定することにより、
IRインシユリン結合部位と結合し得る、または、該部位
と立体的に近接した部位に結合することのできる抗体を
同定する。所望の抗体を含有している試料は、高い試料
濃度において、インシユリンの置換が増加することによ
つて示される。
同様の測定を行つて、IRの、ATP−結合領域、タンパク
質ホスホキナーゼ活性部位、および自己りん酸化領域と
結合する抗体を同定する。
糖尿病は、まず第1に、インシユリンレベルに不足を来
す様な機能、あるいは、インシユリン受容体の欠損また
は不足によると思われる。例えば、インシユリン受容体
が、該受容体のチロシンキナーゼ活性を活性化する様な
やり方でインシユリンと結合することができないときに
は、この受容体は欠損を有することになる。このこと
は、例えば、IRのインシユリン受容体結合部位に重要な
点突然変異が生じていることに起因する。
IRのアミノ酸配列に関する知識を得た結果、インシユリ
ン様活性、あるいは、インシユリン拮抗質活性に基づき
組織的にスクリーニングすることができる抗体、即ち、
受容体の選択された領域に対する抗体を生成せしめるこ
とが可能となつた。その様な抗体、またはその誘導体
は、インシユリンと欠損受容体との結合に起因する糖尿
病の治療処置において、インシユリンの代用薬として有
用である。抗−インシユリン受容体抗体は試験細胞での
グリコースの取り込みを誘導する(50)ことが知られて
いるが、本発明に係る方法によれば、IR分子の予め決定
された部位に対してその様な抗体を産生させることがで
きるので、望ましくない副作用を現わす汚染物質抗体が
随伴することを避けることができるのであり、さらに、
欠損のあるインシユリン受容体を刺激する方法が初めて
提供されるのである。
部分的に、または完全に、インシユリンに対して抵抗性
の糖尿病患者から組織試料を得、この試料から常法に従
つてIRを調製することにより、上記の如くにして調製さ
れた抗体中の、適当な候補抗体をスクリーニングする。
IRは、本明細書で述べた配列決定に用いる程度にまでも
精製される必要がない。インシユリンの親和性吸着が起
こる程度に、通常の方法でIRを精製すれば充分である
(欠損受容体であつて、インシユリンと結合しない場合
には、おそらく、どの様な場合であつても精製は効果の
ないこととなろう)。
本発明のIR製剤と(a)(Glu Ala Tyr)n(49)また
はヒストンH2B等の、チロシン・キナーゼの基質タンパ
ク質0.1〜5mg/ml、(b)(γ−32P)ATPおよび(c)
被検試料の一部、とを水溶液中で混合し、対照抗体溶液
中の被検試料候補抗体の希釈率を様々に変化させること
により、各データーを得た点における抗体濃度が実質的
に同一である曲線を描く様にする。測定は、IRを固定化
する必要がないという点を除き、おおむね、既述の手法
(49)に従つて行われる。候補抗体が負対照となるの
で、候補抗体が惹起されている動物種から、同じ方法を
用いて正常な抗体を得た。インキユベーシヨンした後、
溶液からタンパク質を析出させ、次いで、洗浄して標識
ATPを除くか、あるいはゲル電気泳動法等により、標識A
TPを分離する。種々の抗体希釈液から得たタンパク質画
分に見出される放射活性を、負対照のそれと比較する。
32Pのタンパク質への取り込みを誘導もしくは刺激する
候補抗体は、インシユリン代用薬として治療に用いる上
で有用である。別法として、直接的でない測定法である
が、候補抗体の存在下における細胞のグルコース消費量
を測定する方法もある。
Fabフラグメント類は、例えそれが2価であつても、補
体と結合しないと思われるので、潜在的に有害な自己免
疫応答に関与しないだろうという理由から、選択された
抗体のFabフラグメントを用いることが好ましい。その
様なフラグメントは、通常の方法で抗体を酵素消化する
ことにより、得られる。
以下に列記する文献は本明細書中に、便宜上、各番号を
(に入れて表わし、引用したものである。
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51.フライヤーら(Flier,J.et al.)サイエンス190,63
−65(1975)。
52.カーンら(Kahn,C.et al.)ジヤーナル・オブ・リ
リニカル・インベステイゲーシヨン60,1094−1106(197
7)。
【図面の簡単な説明】
第1A図はcDNAクローン(λHIR−P12)の模式図、第1B図
はHIR前駆体cDNAのヌクレオチド配列およびその推定の
アメノ酸配列を表す模式図、第2A図は胎盤性mRNAのノー
ザン・ブロツド法におけるハイブリダイゼーシヨン・バ
ンドを示す写真の模写図、第2B図は胎盤性ゲノムDNAの
サザーン・ブロツト法におけるハイブリダイゼーシヨン
・バンドを示す写真の模写図、第3図はプレーインシユ
リン受容体配列のヒドロパシイ分析の結果を示すグラ
フ、第4図はインシユリン受容体とEGF受容体の模式
図、第5図はHIRの、ヒトインシユリン受容体のβサブ
ユニツトの細胞質内領域と、腫瘍遺伝子およびヒトEGF
受容体配列との比較を示す配列の模式図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 5/18 C12R 1:91) (72)発明者 アクセル・ウールリツヒ アメリカ合衆国カリフオルニア94117、サ ン・フランシスコ、アツパー・テラス 433番 (56)参考文献 特開 昭59−98687(JP,A) 特開 昭54−92691(JP,A) 特開 昭57−146580(JP,A) 特公 昭56−6276(JP,B2) J.Biol.Chem.,Vol. 256,No.17,P.9266〜9273 BioChem.Biophys.Re s.Commun.,Vol.106,No. 3,P.1019〜1026

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下のアミノ酸配列で示されるインシュリ
    ン受容体、または以下のアミノ酸配列にアミノ酸残基の
    置換、挿入または欠失を施すことにより得られるアミノ
    酸配列を有し、該インシュリン受容体と共通した生物学
    的活性を示すその突然変異体をコードしているDNA:
  2. 【請求項2】検出可能に標識されている第1項に記載の
    DNA。
  3. 【請求項3】以下のアミノ酸配列で示されるインシュリ
    ン受容体、または以下のアミノ酸配列にアミノ酸残基の
    置換、挿入または欠失を施すことにより得られるアミノ
    酸配列を有し、該インシュリン受容体と共通した生物学
    的活性を示すその突然変異体をコードしているDNA: を含有しているベクター。
  4. 【請求項4】該DNAがウイルス性プロモーターのコント
    ロール下にある第3項記載のベクター。
  5. 【請求項5】選択マーカーをコードしているDNAをも含
    有している第3項記載のベクター。
  6. 【請求項6】マーカーがジヒドロ葉酸還元酵素である第
    5項記載のベクター。
  7. 【請求項7】該DNAが、膜透過配列が欠失しており、そ
    れによってチロシンキナーゼ活性が不活化されているイ
    ンシュリン受容体の突然変異体をコードするものである
    第3項記載のベクター。
  8. 【請求項8】以下のアミノ酸配列で示されるインシユリ
    ン受容体、または以下のアミノ酸配列にアミノ酸残基の
    置換、挿入または欠失を施すことにより得られるアミノ
    酸配列を有し、該インシュリン受容体と共通した生物学
    的活性を示すその突然変異体をコードしているDNA: を含有しているベクターで形質転換された哺乳動物細
    胞。
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