JPH1036368A - ピリジン化合物 - Google Patents

ピリジン化合物

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JPH1036368A
JPH1036368A JP10583397A JP10583397A JPH1036368A JP H1036368 A JPH1036368 A JP H1036368A JP 10583397 A JP10583397 A JP 10583397A JP 10583397 A JP10583397 A JP 10583397A JP H1036368 A JPH1036368 A JP H1036368A
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JP
Japan
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substituent
alkyl
haloalkyl
carbon atoms
alkylene
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Application number
JP10583397A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Sano
光春 佐野
Nobuhiro Sakurai
伸弘 櫻井
Takashi Ikeda
敬史 池田
Takeshi Kawakita
武志 川北
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Welfide Corp
Original Assignee
Welfide Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘリコバクター・ピロリに対する選択的な強
い抗菌力と胃酸分泌抑制作用を有し、かつ副作用の少な
い抗潰瘍剤あるいは潰瘍の再燃再発防止剤を提供する。 【解決手段】 2−((3−メチル−4−(4−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)ブチルスルファニル)
−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾ
イミダゾール等により例示されるピリジン化合物または
その医薬上許容し得る塩が上記課題を解決することが見
出された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコバクター・
ピロリに対する抗菌作用、胃酸分泌抑制作用、抗潰瘍作
用、胃腸細胞保護作用、潰瘍の再燃再発防止作用などを
有する新規なピリジン化合物またはその医薬上許容し得
る塩に関する。また、本発明は、当該ピリジン化合物と
医薬上許容し得る塩を含有する医薬、また当該ピリジン
化合物またはその医薬上許容し得る塩と抗潰瘍薬とを含
有する医薬組成物、さらに当該ピリジン化合物またはそ
の医薬上許容し得る塩と抗潰瘍薬と抗生物質もしくは抗
原虫薬とを含有する医薬組成物に関する。
【0002】更に、当該ピリジン化合物またはその医薬
上許容し得る塩からなる医薬であって、抗潰瘍薬と併用
されることを特徴とする医薬、さらに当該ピリジン化合
物またはその医薬上許容し得る塩からなる医薬であっ
て、抗潰瘍薬と抗生物質もしくは抗原虫薬を併用される
ことを特徴とする医薬に関する。
【0003】
【従来の技術】ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter
pylori : 以下、H. Pylori と称することもある) は、
活動性慢性胃炎患者の胃粘膜から分離されたグラム陰性
細菌である(Warren, J.R. & Marshall, B.J. Lancet i
: 1273-1275, 1983)。本菌は胃・十二指腸潰瘍患者よ
り高率に分離されること、ヒトボランティアによる感染
実験から明らかな活動性胃炎の所見を呈すること(Morri
s, A. & Nicholoson, G. Am. J. Gastroenterology, 82
: 192-199, 1987) 、およびH. Pylori 感染実験動物で
もヒトに類似した胃炎の症状を呈することなどから、上
部消化管疾患との関連性はかなり明白になってきた。ま
た最近では胃ガンの重要なリスクファクターとしても注
目されている(Parsonnet, J. et al. N. Eng. J. Med.
325 : 1127-1131, 1991)。
【0004】H. Pylori による胃・十二指腸潰瘍の発症
機序は明らかにされていないが、本菌の感染によって生
じる背景胃粘膜の細胞障害が一因となっていると考えら
れ、菌側の発症要因と宿主側の免疫応答の面から検討さ
れている。菌側の要因としては菌の産生するウレアーゼ
によって生じるアンモニアの細胞障害性(Hazell S. L.,
Lee A. Lancet ii : 15-17, 1986)のほか、プロテアー
ゼ、リパーゼの粘液層の分解による攻撃因子に対する防
御能の低下(Sarosiek J. Slomiany A. & Slomiany B.
L. Scand. J. Gastroenterol. 23 : 585-590, 1988)、
空胞化サイトトキシン(Vac A, Cag A)による直接的な細
胞障害性などが知られている(Figura N.,Guglielmetti
O., Rossolini A. et al. J. Clin Microbiol. 27 : 22
5, 1989,Cover T.L., Dooley C.P. & Blaser M.J. Infe
ction and Immunity, 58 : 603,1990, Cover T.L. & Bl
aser M.J. J. Biol. Chem. 267 : 10570, 1992)。一方
H.Pylori 感染が宿主の免疫系を刺激していることは血
清中にH. Pylori の病原因子に対する特異抗体を誘導し
ていること、H. Pylori 感染胃粘膜に多核白血球、マク
ロファージ、リンパ球などの炎症細胞の浸潤が見られる
ことから明らかである。また最近H. Pylori 感染胃粘膜
において、顕著なインターロイキン8の産生亢進が見ら
れ、多核白血球を遊走、活性化することが報告されてい
る(CrabtreeJ.E., Wyatt J.I., Trejdosiewics L.K. et
al. J. Clin. Pathol. 47 : 61, 1994) 。以上のよう
にH. Pylori 感染による胃粘膜障害の発症には菌の障害
性因子と持続感染によって誘導される免疫応答が相互に
関連していると考えられている。
【0005】近年、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療はめざ
ましい発展を遂げた。しかし、薬剤の減量や中止により
再発し易いことや、薬剤抵抗性の難治性潰瘍症が問題と
なっている。H. Pylori の胃・十二指腸疾患における関
与が指摘されるにつれ、H. Pylori に抗菌力を持つ薬剤
の投与による除菌の試みが検討されるようになってきた
(Chiba N. et al. Am. J. Gastroenterology 87 : 1716
-1727, 1992)。
【0006】H. Pylori を除菌することにより、消化性
潰瘍の再燃・再発を有意に抑制するという事実は両者の
関係を裏付けるものであり、1994年に「全てのH. P
ylori 陽性の消化性潰瘍は初発・再発を問わず胃酸分泌
抑制剤に抗菌薬を併用して除菌すべきである」というN
IHの統一見解が出された。また最近では、本菌は胃癌
発生に繋がる病態の原因として、WHO発癌物質の分類
の Group 1(確実な発癌物質)と設定され、両者の関係
が広く認知されつつある。さらには胃癌で胃切除を施行
された患者の胃癌の再発を抑制したとの報告もある。
【0007】H. Pylori に対する抗菌活性は、抗菌薬の
中でも、特にアモキシシリンおよびクラリスロマイシン
が良好な活性を示す。またオメプラゾールなどのプロト
ンポンプ阻害薬にも弱いながらも抗菌活性が見られる
が、シメチジン、ファモチジンなどのH2 受容体拮抗薬
には認められない。しかし、このような抗菌活性を示す
薬剤も単独投与ではその臨床効果は弱い。
【0008】このような背景から、現在精力的に除菌療
法の検討がなされているが、完全な除菌療法の確立に至
るにはなお多くの問題も残されている。たとえばビスマ
スに抗菌剤を2剤併用した古典的な triple therapy は
除菌効果も高いことから、欧米を中心に検討されてきた
が、下痢、中枢性毒性などの副作用が高率に発現するこ
と、ビスマスは日本では抗潰瘍剤として認可されていな
い等の問題を含んでいる。この除菌法より副作用の少な
い治療法が検討され、胃酸分泌抑制剤に抗菌剤を1剤
(アモキシシリンまたはクラリスロマイシン等)併用し
た dual therapy、2剤(アモキシシリン、クラリスロ
マイシン、またはニトロイミダゾール系抗菌剤のいずれ
か2剤)併用した new triple therapy 等が試みられて
いる。 dual therapy では、副作用の発現率は低いが、
除菌率も古典的 triple therapy に及ばないこと、アモ
キシシリンはペニシリンアレルギーの患者には使用でき
ないこと、クラリスロマイシンでは除菌に失敗すると耐
性菌の出現率が高率となること、 new triple therapy
は高い除菌効果を示すものの、副作用の発現率が高率と
なることが問題点として挙げられる。これらいずれの除
菌法も、H. Pylori 以外の細菌にも抗菌力を有する抗菌
剤を大量に使用するために、腸内細菌に影響を及ぼし下
痢の発現率が高くなる。さらに、一部の患者では口腔内
常在菌への影響による口腔内カンジダ症等が発症するこ
とが知られている等、安全で確実な除菌法の確立にはい
まだ至っていない。
【0009】しかし、H. Pylori を除菌することの有用
性を述べた報告は多く、除菌により難治性潰瘍が治癒
し、潰瘍の再発を抑えたという見解で一致している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような点を考慮
すると、H. Pylori に選択的な抗菌力を有し、かつ副作
用の少ない抗潰瘍剤の開発が望まれている。また潰瘍の
治癒という観点から、H.Pylori 抗菌作用を有すると同
時に胃酸抑制作用をも有する薬剤がさらに望ましいこと
はいうまでもない。
【0011】H. Pylori に対して抗菌活性を有する化合
物としては特開平2−209809号公報、特開平3−
38523号公報、特開平3−48680号公報、特開
平3−52887号公報、特開平3−52812号公
報、特開平6−100449号公報、国際公開WO92
/12976号公報、国際公開WO93/24480号
公報、国際公開WO95/11897号公報、国際公開
WO95/34554号公報などの公報により知られて
いるが、これらの化合物に比べてより優れた活性を有す
る化合物が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者らは種々研究を重ねてきたところ、H.Py
lori に対して選択的に優れた抗菌作用を有するのみな
らず、胃酸分泌抑制作用、抗潰瘍作用、胃腸細胞保護作
用、潰瘍の再燃再発防止作用も併せ持つ化合物を見出
し、更に、本発明化合物はH. Pylori に対し、in vitro
における抗菌作用をそのまま反映して、in vivo でのH.
Pylori の除菌効果に優れることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0013】更に本発明は、2剤および新3剤併用療法
にみられるように、本発明の一般式(I)で表される化
合物と抗潰瘍薬、望ましくはプロトンポンプ阻害剤とを
併用することより、または、一般式(I)で表される化
合物と抗潰瘍薬と抗生物質もしくは抗原虫薬とを併用す
ることにより、それぞれの薬物単独で得られるより明ら
かに優れた除菌効果、抗潰瘍効果、および潰瘍再燃、再
発防止効果が得られること見出し、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は一般式(I)
【0015】
【化7】
【0016】〔式中、R1 は水素、ハロゲン、アルキ
ル、アルコキシ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、
カルボキシルまたはハロアルキルを示す。R2 ,R3
同一または異なって、それぞれ水素、ハロゲン、アルキ
ルまたはアルコキシを示す。R4 は水素または−COO
4a(式中、R4a はアルキル、ハロアルキル、ヒドロ
キシアルキル、アルコキシアルキル、アシルオキシアル
キル、アシルアルキル、カルボキシアルキル、カルバモ
イルアルキル、モノアルキルカルバモイルアルキル、ジ
アルキルカルバモイルアルキル、アルコキシカルボニル
アルキル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を有
してもよいアラルキルを示す。)により表される基を示
す。
【0017】Dは水素、アルキル、シクロアルキル、ハ
ロアルキル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を
有してもよいアラルキル、置換基を有してもよいヘテロ
アリールアルキルまたは式(a)
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R5 ,R6 は同一または異なっ
て、それぞれ水素、アルキル、シクロアルキル、アシ
ル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アル
コキシカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、置換
基を有してもよいフェニル、置換基を有してもよいアラ
ルキルまたは置換基を有してもよいヘテロアリールアル
キルを示すか、またはR5 ,R6 は結合して隣接する窒
素原子とともに縮合していてもよい複素環を形成しても
よく、当該複素環は置換基を有していてもよい。Eは置
換基を有してもよいアルキレンを示す。)により表され
る基を示す。
【0020】Z,Yは同一または異なってそれぞれCH
またはNを示す。p,qは同一または異なってそれぞれ
0、1または2を示す。mは1から1000の整数を示
す。nは0から1000の整数を示す。A,Bは置換基
を有してもよい炭素数2〜10のアルキレンを示す。
【0021】ただし、mが1であってnが0を示す場
合、Aは炭素数3〜10のアルキレン、かつDは水素、
アルキル、シクロアルキル、ハロアルキルまたは式
(a)により表される基を示し、mが2から1000の
整数であってnが0を示す場合、Aは炭素数3〜10の
アルキレンを示し、nが1から1000の整数を示す場
合、AとBの少なくとも一方は炭素数3〜10のアルキ
レンを示す。〕により表されるピリジン化合物またはそ
の医薬上許容し得る塩、および一般式(I)のピリジン
化合物またはその医薬上許容し得る塩からなる医薬に関
する。特に好ましくは、一般式(I)の中、Dがハロア
ルキルの化合物である。
【0022】また、本発明は一般式(I)が一般式
(I')
【0023】
【化9】
【0024】〔式中、R1'は水素、ハロゲン、炭素数1
〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ヒドロキ
シまたは炭素数1〜5のハロアルキルを示す。R2',R
3'は同一または異なって、それぞれ水素または炭素数1
〜5のアルキルを示す。R4 は水素または−COOR4a
(式中、R4a はアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ
アルキル、アルコキシアルキル、アシルオキシアルキ
ル、アシルアルキル、カルボキシアルキル、カルバモイ
ルアルキル、モノアルキルカルバモイルアルキル、ジア
ルキルカルバモイルアルキル、アルコキシカルボニルア
ルキル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を有し
てもよいアラルキルを示す。)により表される基を示
す。
【0025】Dは水素、アルキル、シクロアルキル、ハ
ロアルキル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を
有してもよいアラルキル、置換基を有してもよいヘテロ
アリールアルキルまたは式(a')
【0026】
【化10】
【0027】(式中、R5',R6'は同一または異なっ
て、それぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル、置換基を
有してもよいフェニル、置換基を有してもよいアラルキ
ルまたは置換基を有してもよいヘテロアリールアルキル
を示すか、またはR5',R6'は結合して隣接する窒素原
子とともに縮合していてもよい複素環を形成してもよ
く、当該複素環は置換基を有していてもよい。Eは置換
基を有してもよいアルキレンを示す。)により表される
基を示す。
【0028】Z,Yは同一または異なってそれぞれCH
またはNを示す。p’,q’は同一または異なってそれ
ぞれ0、1または2を示す。m’は1から100の整数
を示す。n’は0から100の整数を示す。A,Bは置
換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレンを示
す。
【0029】ただし、m’が1であってn’が0を示す
場合、Aは炭素数3〜10のアルキレン、かつDは水
素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキルまたは式
(a')により表される基を示し、m’が2から100の
整数であってn’が0を示す場合、Aは炭素数3〜10
のアルキレンを示し、n’が1から100の整数を示す
場合、AとBの少なくとも一方は炭素数3〜10のアル
キレンを示す。〕により表されるピリジン化合物または
その医薬上許容し得る塩、特に好ましくは、一般式
(I')の中、Dがハロアルキルの化合物に関する。
【0030】さらに、一般式(I)が一般式(I")
【0031】
【化11】
【0032】〔式中、R1"は水素、ハロゲン、炭素数1
〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ヒドロキ
シまたは炭素数1〜3のハロアルキルを示す。R4 は水
素または−COOR4a(式中、R4a はアルキル、ハロ
アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、
アシルオキシアルキル、アシルアルキル、カルボキシア
ルキル、カルバモイルアルキル、モノアルキルカルバモ
イルアルキル、ジアルキルカルバモイルアルキル、アル
コキシカルボニルアルキル、置換基を有してもよいフェ
ニル、置換基を有してもよいアラルキルを示す。)によ
り表される基を示す。
【0033】Dは水素、アルキル、シクロアルキル、ハ
ロアルキル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を
有してもよいアラルキル、置換基を有してもよいヘテロ
アリールアルキルまたは式(a")
【0034】
【化12】
【0035】(式中、R5",R6"は同一または異なっ
て、それぞれ水素、炭素数1〜5のアルキルまたは置換
基を有してもよいアラルキルを示すか、またはR5",R
6"は結合して隣接する窒素原子とともに縮合していても
よい複素環を形成してもよく、当該複素環は置換基を有
していてもよい。Eは置換基を有してもよいアルキレン
を示す。)により表される基を示す。
【0036】p”は0、1または2を示す。q”は0を
示す。m”は1から10の整数を示す。n”は0から1
0の整数を示す。A,Bは置換基を有してもよい炭素数
2〜10のアルキレンを示す。
【0037】ただし、m”が1であってn”が0を示す
場合、Aは炭素数3〜10のアルキレン、かつDは水
素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキルまたは式
(a")により表される基を示し、m”が2から10の整
数であってn”が0を示す場合、Aは炭素数3〜10の
アルキレンを示し、n”が1から10の整数を示す場
合、AとBの少なくとも一方は炭素数3〜10のアルキ
レンを示す。〕により表されるピリジン化合物またはそ
の医薬上許容し得る塩、特に好ましくは、一般式(I")
の中、Dがハロアルキルの化合物に関する。
【0038】
【発明の実施の形態】一般式(I)におけるそれぞれの
基の具体例は次の通りである。R1 において、ハロゲン
としては塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を示す。アルキル
とはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、エイコイ
シルなどの炭素数1〜20のアルキルを示し、好ましく
は炭素数1〜5のアルキルであり、特に好ましくは炭素
数1〜3のアルキルである。アルコキシとはメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオ
キシ、オクタデシルオキシ、エイコシルオキシなどの炭
素数1〜20のアルコキシを示し、好ましくは炭素数1
〜5のアルコキシであり、特に好ましくは炭素数1〜3
のアルコキシである。アルコキシカルボニルとはメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトシキカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル、オクチルオキシカルボニル、デシルオキシカルボ
ニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシ
カルボニル、エイコシルオキシカルボニルなどの炭素数
2〜20のアルコキシカルボニルを示す。ハロアルキル
とはトリフルオロメチル、2−フルオロメチル、2−フ
ルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2
−トリフルオロエチル、2,3,3−トリフルオロプロ
ピル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタ
フルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロ
プロピル、ヘキサフルオロイソプロピル、2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、2−クロロエ
チル、3−クロロプロピル、2−ブロモエチル、3−ブ
ロモプロピルなどの炭素数1〜10のハロアルキルを示
し、好ましくは炭素数1〜5のハロアルキルであり、特
に炭素数1〜3のハロアルキルである。R1 としては水
素が好ましい。
【0039】R2 ,R3 において、ハロゲン、アルキ
ル、アルコキシとしては前記と同様のものが例示され
る。R2 としては炭素数1〜5のアルキルが好ましく、
特にメチルが好ましい。R3 としては水素が好ましい。
【0040】R4 の−COOR4aのR4aにおけるアルキ
ル、ハロアルキルとしてはR1 と同様のものが例示され
る。ヒドロキシアルキルとはヒドロキシメチル、1−ヒ
ドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキ
シプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒド
ロキシブチルなどの炭素数1〜5のヒドロキシアルキル
を示す。アシルオキシアルキルとはアセチルオキシメチ
ル、プロピオニルオキシメチル、2−アセチルオキシエ
チル、3−アセチルオキシプロピル、4−アセチルオキ
シブチル、ベンゾイルオキシメチル、2−ベンゾイルオ
キシエチル、フェニル基にハロゲン、アルキル、アルコ
キシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノから
選ばれる1〜3個の置換基を有するベンゾイルオキシメ
チル、2−ベンゾイルオキシエチルなどを示す。アシル
アルキルとはアセチルメチル、プロピオニルメチル、2
−アセチルエチル、3−アセチルプロピル、4−アセチ
ルブチル、ベンゾイルメチル、2−ベンゾイルエチル、
フェニル基にハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロア
ルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノから選ばれる1〜
3個の置換基を有するベンゾイルメチル、2−ベンゾイ
ルエチルなどを示す。カルボキシアルキルとはカルボキ
シメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロ
ピル、4−カルボキシブチルなどの炭素数2〜5のカル
ボキシアルキルを示す。アルコキシカルボニルアルキル
とはメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメ
チル、プロポキシカルボニルエチル、イソプロポキシカ
ルボニルエチル、ブトキシカルボニルメチル、イソブト
キシカルボニルエチル、第3級ブトキシカルボニルメチ
ル、ペンチルオキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシ
カルボニルメチル、オクチルオキシカルボニルメチル、
デシルオキシカルボニルメチルなど、特に炭素数2〜1
0のアルコキシカルボニルが炭素数1〜4のアルキルに
結合したものを示す。アルコキシアルキルとはメトキシ
メチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、
4−メトキシブチル、2−エトキシエチル、3−エトキ
シブチルなど、特に炭素数1〜10のアルコキシが炭素
数1〜10のアルキルに結合したものを示す。カルバモ
イルアルキルとはカルバモイルメチル、2−カルバモイ
ルエチル、3−カルバモイルプロピル、4−カルバモイ
ルブチルなど、特にカルバモイルが炭素数1〜10のア
ルキルに結合したものを示す。モノ・ジアルキルカルバ
モイルアルキルとはN−メチルカルバモイルメチル、
N,N−ジメチルカルバモイルメチル、2−(N−メチ
ルカルバモイル)エチル、2−(N,N−ジメチルカル
バモイル)エチル、3−(N−メチルカルバモイル)プ
ロピル、3−(N,N−ジメチルカルバモイル)プロピ
ル、N−エチルカルバモイルメチル、N,N−ジエチル
カルバモイルメチルなど、特に炭素数1〜10のモノ・
ジアルキルカルバモイルが炭素数1〜10のアルキルに
結合したものを示す。置換基を有してもよいフェニルお
よび置換基を有してもよいアラルキルの置換基として
は、それぞれハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロア
ルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノから選ばれる1〜
3個の基があげられる。置換基を有してもよいアラルキ
ルのアラルキルとはベンジル、1−フェニルエチル、2
−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニ
ルブチル、6−フェニルヘキシル、8−フェニルオクチ
ルなどのフェニルが置換した炭素数1〜8のアルキルを
示す。
【0041】R4aとしては、アルキル、ハロアルキル、
ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルオキ
シアルキル、カルバモイルアルキル、モノアルキルカル
バモイルアルキル、ジアルキルカルバモイルアルキルが
好ましく、特にアルキル、ハロアルキル、アルコキシア
ルキル、カルバモイルアルキル、モノアルキルカルバモ
イルアルキル、ジアルキルカルバモイルアルキルが好ま
しい。
【0042】Dにおけるアルキル、ハロアルキルとして
は、R1 と同様のものが例示される。シクロアルキルと
はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘプチルなどの炭素数3〜7のシ
クロアルキルを示す。アラルキルとはベンジル、1−フ
ェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロ
ピル、4−フェニルブチル、6−フェニルヘキシル、8
−フェニルオクチルなどのフェニルが置換した炭素数1
〜8のアルキルを示す。ヘテロアリールアルキルとは炭
素数1〜4のアルキルにフリル、チエニル、ピリジル、
ピリミジルなどのヘテロアリールが置換したものを示
し、たとえば2−テニル、3−テニル、フルフリル、3
−フリルメチル、2−、3−または4−ピリジルメチ
ル、2−ピリミジニルメチルなどが例示される。置換基
を有してもよいフェニル、アラルキルまたはヘテロアリ
ールアルキルの置換基としてはハロゲン、アルキル、ア
ルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ
から選ばれる1〜3個の基があげられる。nが0であっ
てDが置換基を有してもよいフェニル、置換基を有して
もよいアラルキルまたは置換基を有してもよいヘテロア
リールアルキルを示す場合、mは2または3が好まし
く、nが0であってDが水素、アルキル、シクロアルキ
ル、ハロアルキルまたは式(a)により表される基を示
す場合、mは1から4の整数が好ましい。
【0043】R5 ,R6 におけるアルキル、シクロアル
キル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、置
換基を有してもよいフェニル、置換基を有してもよいア
ラルキルまたは置換基を有してもよいヘテロアリールア
ルキルとしては、前記と同様のものが例示される。アシ
ルとはアセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブ
チリル、ピバロイル、バレリルなどの炭素数1〜5のア
ルカノイルまたはベンゾイルを示す。アルコキシカルボ
ニルアルキルとはメトキシカルボニルメチル、エトキシ
カルボニルメチル、プロポキシカルボニルエチル、イソ
プロポキシカルボニルエチル、ブトキシカルボニルメチ
ル、イソブトキシカルボニルエチル、第3級ブトキシカ
ルボニルメチル、ペンチルオキシカルボニルメチル、ヘ
キシルオキシカルボニルメチル、オクチルオキシカルボ
ニルメチル、デシルオキシカルボニルメチルなど、特に
炭素数2〜10のアルコキシカルボニルが炭素数1〜4
のアルキルに結合したものを示す。カルボキシアルキル
とはカルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カ
ルボキシプロピル、4−カルボキシブチルなどの炭素数
2〜5のカルボキシアルキルを示す。R5 ,R6 が結合
して隣接する窒素原子とともに形成される縮合していて
もよい複素環とは1−ピロリジニル、ピペリジノ、1−
ピペラジニル、4−アルキル−1−ピペラジニル、4−
フェニル−1−ピペラジニル、4−置換フェニル−1−
ピペラジニル、4−アラルキル−1−ピペラジニル、4
−置換アラルキル−1−ピペラジニル、4−アシル−1
−ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、イソイ
ンドリン−2−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン−2−イルなどが例示される。モルホリノ、
チオモルホリノにはアルキル、カルボキシル、ヒドロキ
シアルキル、アルコキシカルボニルなどが置換されてい
てもよく、ピペラジンの4位に置換するアルキル、アラ
ルキル、アシルとしては、前記と同様のものが例示さ
れ、フェニル、アラルキルの置換基としてはハロゲン、
アルキル、アルコキシなどが例示される。またイソイン
ドリン環および1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン環上にはハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロア
ルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、オキソから選ば
れる1から3個の任意の組み合わせの置換基によって置
換されていてもよい。
【0044】Dとしてはハロアルキルが好ましい。
【0045】Eにおけるアルキレンとは、エチレン、プ
ロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチ
レン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレ
ン、ノナメチレン、デカメチレンなどの炭素数2〜10
のアルキレンを意味し、適宜分枝鎖を有していてもよ
い。置換基を有していてもよいアルキレンの置換基とし
てはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシ
アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルなどの置換
基があげられる。Eとしては炭素数1〜4のアルキレン
が好ましい。
【0046】Z,Yは共にCHである場合が好ましい。
【0047】A,Bにおける炭素数2〜10のアルキレ
ンとはエチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチ
レン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレンな
どを意味し、適宜分枝鎖を有していてもよい。置換基を
有してもよい炭素数2〜10のアルキレンの置換基とし
てはアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシ
アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキルなどの置換
基があげられる。また、炭素数3〜10のアルキレンと
はプロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタ
メチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメ
チレン、ノナメチレン、デカメチレンなどを意味し、適
宜分枝鎖を有していてもよい。
【0048】一般式(I)の中で、下記の化合物が最も
好ましい。2−((3−メチル−4−(4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)ブチルスルファニル)−2
−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミ
ダゾール。
【0049】また一般式(I)の化合物が不斉原子を有
する場合には少なくとも2種類の光学異性体が存在す
る。これらの光学異性体およびそのラセミ体は本発明に
包含される。また、シス体、トランス体の幾何異性体も
しくはその混合物も含まれる。
【0050】一般式(I)の化合物の製薬上許容し得る
塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、
硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マレ
イン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、リンゴ酸塩、酒石
酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩などの酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩な
どのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩な
どのアルカリ土類金属塩があげられる。また、本発明の
化合物は水和物(半水和物、1水和物、セスキ水和物な
ど)や溶媒和物としても存在し、これらも本発明に包含
される。
【0051】一般式(I)の化合物は、次のようにして
製造することができる。方法1 一般式(II)
【0052】
【化13】
【0053】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物と一般式(III)
【0054】
【化14】
【0055】〔式中、Wは反応活性な原子または基(ハ
ロゲンまたはメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホ
ニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシなどのスル
ホニルオキシ基など)を示し、他の各記号は前記と同義
である。〕により表される化合物、またはその酸付加塩
を反応させることにより、一般式(I−1)
【0056】
【化15】
【0057】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物が得られる。一般式(II)の化合物
と一般式(III)の化合物との反応は通常、反応不活性な
溶媒(水またはメタノール、エタノール、ジメチルホル
ムアミドなど、あるいはそれらの混合溶媒で、好ましく
は水性エタノール)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナト
リウムメトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、金
属ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)の存
在下、約0℃から用いた溶媒の沸点までの温度、好まし
くは20℃〜80℃で、約10分から24時間、好まし
くは30分から7時間で進行する。また、一般式(III)
の化合物の酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩な
どがあげられる。
【0058】次に、pが1または2である一般式(I)
の化合物はpが0である一般式(I−1)の化合物を酸
化反応に付すことにより製造される。酸化反応に用いら
れる酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸、過酢酸、
トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、超酸化カリウム、
亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、過酸化水
素などがあげられる。反応は通常、反応に不活性な溶媒
(水またはジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドあるいは
それらの混合溶媒)中、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク
酸、安息香酸、メタクロロ安息香酸、p−ニトロ安息香
酸、フタル酸など)の存在下、−70℃から用いた溶媒
の沸点までの温度、好ましくは−50℃から室温、より
好ましくは−20℃〜0℃で、約5分から24時間、好
ましくは約5分から20時間で行うか、あるいは水また
はエタノール、メタノール、プロパノールなどのアルコ
ール系溶媒中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウムなどの水酸化アルカリ)の存在
下、−70℃から用いた溶媒の沸点までの温度、通常−
50℃から室温、好ましくは−20℃〜10℃で、約5
分から24時間、好ましくは1時間から10時間で行
う。
【0059】方法2 一般式(I−2)
【0060】
【化16】
【0061】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物と一般式(IV) R4aO−CO−Hal (IV) (式中、Halはハロゲンを示し、R4aは前記と同義で
ある。)により表される化合物または一般式(V) (R4aO−CO)2 O (V) (式中、R4aは前記と同義である。)により表される化
合物を脱酸剤の存在下に反応させるか、あるいは一般式
(I−2)により表される化合物と一般式(VI) R4a−OH (VI) (式中、R4aは前記と同義である。)により表される化
合物をホスゲンの存在下に反応させることによりR4
−COOR4a(式中、R4aは前記と同義である。)であ
る一般式(I)の化合物(p=0)が製造される。
【0062】なお、脱酸剤としては水素化ナトリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラ
ート、炭酸カリウム、金属ナトリウムなどがあげられ
る。当該反応は、通常、反応不活性な溶媒(N,N−ジ
メチルホルムアミド、エタノール、メタノール、クロロ
ホルム、ジクロメタン、水など)中、−20℃から14
0℃で、好ましくは0℃から80℃で、約10分から2
4時間、好ましくは30分から6時間で行う。
【0063】方法3 一般式(I−3)
【0064】
【化17】
【0065】(式中、R7 はアシル、アルコキシカルボ
ニルを示す。他の記号は前記と同義である。)により表
される化合物と一般式 (VII) Hal−R8 (VII) (式中、R8 はアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ
アルキル、カルボキシアルキル、置換基を有してもよい
アラルキルまたは置換基を有してもよいヘテロアリール
アルキルを示し、Halは塩素、臭素またはヨウ素を示
す。)により表される化合物とを反応不活性な溶媒(メ
タノール、エタノールなどのアルコール、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジメチ
ルホルムアミドなど、あるいはそれらの混合溶媒)中、
脱酸剤(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、
カリウム第3ブトキシド、水素化ナトリウム、トリエチ
ルアミンなど)の存在下に反応させることにより一般式
(I−4)
【0066】
【化18】
【0067】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物が製造される。また一般式(I−
4)の化合物をさらに酸あるいは塩基で加水分解するこ
とにより一般式(I−5)
【0068】
【化19】
【0069】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物が製造される。さらに、一般式(I
−5)の化合物と一般式(VIII) Hal−R9 (VIII) (式中、R9 はアルキル、シクロアルキル、アシル、ア
ルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ
カルボニルアルキル、カルボキシアルキル、置換機を有
してもよいアラルキルまたは置換基を有してもよいヘテ
ロアリールアルキルを示し、他の記号は前記と同義であ
る。)により表される化合物とを反応不活性な溶媒(メ
タノール、エタノールなどのアルコール、アセトニトリ
ル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ジメチ
ルホルムアミドなど、あるいはそれらの混合溶媒)中、
脱酸剤(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメ
チラート、ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、
カリウム第3ブトキシド、水素化ナトリウム、トリエチ
ルアミンなど)の存在下反応させることにより一般式
(I−6)
【0070】
【化20】
【0071】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物が製造される。
【0072】方法4 置換基R1 ,R4 またはDにエステル基を有する一般式
(I−1)の化合物を酸または塩基で加水分解すること
により、対応するカルボン酸基を有する一般式(I−
1)の化合物が製造される。
【0073】このようにして得られる本発明化合物は再
結晶法、カラムクロマト法などの常法により単離精製す
ることができる。得られる生成物がラセミ体であるとき
は、たとえば光学活性な酸との塩の分別再結晶により、
もしくは光学活性な担体を充填したカラムを通すことに
より、所望の光学活性体に分割することができる。個々
のジアステレオマーは分別結晶化、クロマトグラフィー
などの手段によって分離することができる。これらは光
学活性な原料化合物などを用いることによっても得られ
る。また、立体異性体は再結晶法、カラムクロマト法な
どにより単離することができる。
【0074】本発明の一般式(I)の化合物は、塩酸、
臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢
酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、リン
ゴ酸、酒石酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸などと常法により処理することにより前記し
た酸付加塩とすることができる。また、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウムなどと反応させることにより対応する金属塩が得
られる。さらに、得られた本発明化合物の結晶が無水物
である場合、本発明化合物を水、含水溶媒またはその他
の溶媒と処理することにより、水和物、溶媒和物とする
ことができる。
【0075】なお、一般式(III) の化合物は、たとえば
次に示す反応経路に従って製造することができる。
【0076】
【化21】
【0077】(上記反応経路において、Acはアセチル
を示し、他の各記号は前記と同義である。) すなわち、一般式(IX)の化合物を無水酢酸と加熱
し、得られた一般式(X) の化合物を水酸化ナトリウム
などを用いて加水分解したのち、チオニルクロリドなど
のハロゲン化剤で処理するか、あるいはメタンスルホニ
ルクロリドなどのスルホニル化剤で処理することによっ
て、一般式(III) の化合物が得られる。
【0078】さらに、一般式(IX)においてqが0の
化合物 (IX−1) は、たとえば次に示す反応経路に従
って製造することができる。
【0079】
【化22】
【0080】(上記反応において、W’は塩素、臭素、
ヨウ素、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホ
ニルオキシなどの脱離基を示し、他の各記号は前記と同
義である。) あるいは、
【0081】
【化23】
【0082】(上記反応において、W”は塩素、臭素、
ヨウ素またはニトロを示し、他の記号は前記と同義であ
る。) 上記のいずれの反応も、通常反応に不活性な溶媒(水ま
たはメタノール、エタノールなどのアルコール類、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ジメ
チルホルムアミドなどあるいはそれらの混合溶媒)中、
塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナト
リウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、金属ナトリウム、
トリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下に約0℃か
ら用いた溶媒の沸点までの温度、好ましくは20℃〜8
0℃で、約10分から24時間、好ましくは30分から
7時間で進行する。
【0083】また一般式(IX)においてqが0であ
り、Dが式(a)
【0084】
【化24】
【0085】(式中、各記号は前記と同義である。)に
より表される化合物は、たとえば次に示す反応経路に従
って製造することができる。
【0086】
【化25】
【0087】(上記反応において、W”’は塩素、臭
素、ヨウ素、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンス
ルホニルオキシなどの脱離基を示し、他の各記号は前記
と同義である。) すなわち、一般式(IX−2)の化合物をチオニルクロ
リドなどのハロゲン化剤で処理するか、あるいはメタン
スルホニルクロリドなどのスルホニル化剤で処理するこ
とによって得られた一般式(IX−3)の化合物を一般
式(XVI)の化合物と反応させることにより一般式
(IX−4)の化合物が得られる。
【0088】一般式(IX−3)の化合物と一般式(X
VI) の化合物との反応は通常、反応に不活性な溶媒
(水またはメタノール、エタノールなどのアルコール
類、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエ
ン、ジメチルホルムアミドなどあるいはそれらの混合溶
媒)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、金属ナトリ
ウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下でに
約0℃から用いた溶媒の沸点までの温度、好ましくは2
0℃〜80℃で、約10分から24時間、好ましくは3
0分から7時間で進行する。
【0089】なお、qが1または2である一般式(I
X)の化合物はqが0である一般式(IX)の化合物を
酸化反応に付すことにより製造できる。酸化反応に用い
られる酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸、過酢
酸、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、超酸化カリウ
ム、亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、過酸
化水素などがあげられる。反応は、通常、反応に不活性
な溶媒(水またはジクロロメタン、クロロホルム、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドあ
るいはそれらの混合溶媒)中、有機酸(ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、マレイン酸、フマール酸、マロン
酸、コハク酸、安息香酸、メタクロロ安息香酸、p−ニ
トロ安息香酸、フタル酸など)の存在下、−70℃から
用いた溶媒の沸点までの温度、好ましくは−50℃から
室温、より好ましくは−20℃〜0℃で、約5分から2
4時間、好ましくは約5分から20時間で行う。
【0090】なお、W’−(A−O)m −(B−O)n
−D(XIII)およびHS−(A−O)m −(B−
O)n−D(XV)の化合物のうち、Dがハロアルキル
である化合物は、たとえば次に示す反応経路に従って製
造することができる。
【0091】
【化26】
【0092】〔上記反応において、W""は反応活性な原
子または基(ハロゲンまたはメタンスルホニルオキシ、
ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオ
キシなどのスルホニルオキシ基など)を示し、他の各記
号は前記と同義である。〕 すなわち、一般式(XVII)の化合物を水素化ナトリ
ウム、金属ナトリウムなどの脱酸剤の存在下、Dにおけ
るハロアルキルに対応するアルコールと反応させ、得ら
れた一般式(XVIII)の化合物をチオニルクロライ
ドなどのハロゲン化剤で処理するか、あるいはメタンス
ルホニルクロライドなどのスルホニル化剤で処理するこ
とによって、一般式(XIII)の化合物が得られ、さ
らに一般式(XIII)の化合物をチオウレアと反応さ
せたのちに、水酸化ナトリウムなどを用いて加水分解す
るなどの方法によりチオール化することによって、一般
式(XV)の化合物が得られる。
【0093】または、一般式(XVII)の化合物の代
わりに脱離可能なアルコール保護基を有する化合物を用
い、アルコールと反応させたのちに保護基を脱離するこ
とによっても、一般式(XVIII)の化合物を製造す
ることができる。なお、脱離可能なアルコール保護基と
は一般的な保護基であり、たとえばアセチル、テトラヒ
ドロピラニルなどがあげられ、脱離方法としては酸ある
いはアルカリ加水分解などがあげられる。
【0094】本発明の化合物(I)およびその医薬上許
容し得る塩は、H. Pylori に代表されるヘリコバクター
属の菌に対して選択的に抗菌活性を示し、さらにH. Pyl
ori感染動物モデルにおいても良好な除菌作用を示すこ
とから、ヘリコバクター菌に起因する胃炎、胃潰瘍など
の各種疾患の予防および治療に有効である。すなわち、
一般式(I)の本発明化合物およびその医薬上許容し得
る塩は、ヒトを含む哺乳動物に対して、ヘリコバクター
属菌に起因する各種疾患の予防および治療、潰瘍の再燃
再発防止、嘔吐の抑制、ノン−アルサージスペプシア
(Non-ulcer dyspepsia )の予防および治療、腫瘍(胃
癌など)の予防および治療に使用される。また、本発明
化合物(I)およびその医薬上許容し得る塩は胃酸分泌
抑制作用、抗潰瘍作用、胃腸細胞保護作用、抗下痢作用
などを有し、消化器系疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃
炎、下痢、大腸炎など)の予防および治療薬として有用
である。さらに、低毒性で、かつ酸などに対し安定であ
り、血中ガストリン値の上昇が小さいなどの特性を有す
る。
【0095】更に、本発明は、2剤および新3剤併用療
法にみられるように、本発明の一般式(I)で表される
化合物と抗潰瘍薬、望ましくはプロトンポンプ阻害剤と
を併用することより、または、本発明の一般式(I)で
表される化合物と抗潰瘍薬と抗生物質もしくは抗原虫薬
とを併用することにより、それぞれの薬物単独で得られ
るより明らかに優れた除菌効果、抗潰瘍効果、および潰
瘍の再燃・再発防止効果が得られる。
【0096】上記化合物(I)と共に本発明に用いられ
る抗潰瘍薬としては、プロトンポンプ阻害剤、ヒスタミ
ンH2 拮抗剤、防御因子増強剤などが挙げられる。プロ
トンポンプ阻害剤の具体例としては、オメプラゾール、
ランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール
ナトリウムなどが挙げられる。ヒスタミンH2 拮抗剤の
具体例としては、シメチジン、ラニチジン、ファモチジ
ン、ロキサチジンなどが挙げられる。防御因子増強剤の
具体例としては、塩酸セトラキセート、スクラルファー
ト、エカバピド、プロスタグランジン誘導体(ミゾプロ
ストール、オルノプロスチールなど)などが挙げられ
る。
【0097】本発明の医薬には、上記化合物(I)およ
び抗潰瘍薬と共に、抗生物質もしくは抗原虫薬が用いら
れる。抗生物質の具体例としては、特に抗菌性の抗生物
質、例えばアモキシシリン、クラリスロマイシン、アン
ピシリンまたはそのプロドラッグなどが挙げられる。抗
原虫薬の具体例としては、メトロニダゾール、チニダゾ
ールなどが挙げられる。これら薬剤は好ましくは市販の
製剤を使用することができる。
【0098】投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、
性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬剤の組
合せ、患者の胃炎・消化性潰瘍の種類や症状によって適
宜に選択されるが、抗H. Pylori 作用を有する化合物
(I)は、成人0.1〜50mg/kg/日、好ましく
は0.3〜10mg/kg/日を投与することができ
る。一方、併用される抗潰瘍薬は、プロトンポンプ阻害
剤の場合は0.01〜10mg/kg/日、好ましくは
0.1〜1.0mg/kg/日投与される。ヒスタミン
2 拮抗剤の場合は0.1〜100mg/kg/日、好
ましくは1〜10mg/kg/日投与される。防御因子
増強剤の場合は1.0〜100mg/kg/日、好まし
くは10〜50mg/kg/日投与される。また、併用
される抗生物質は0.1〜100mg/kg/日、好ま
しくは5〜30mg/kg/日、抗原虫薬は0.1〜1
00mg/kg/日、好ましくは1〜10mg/kg/
日投与される。
【0099】本発明化合物を医薬として用いる場合、本
発明化合物は製剤上許容し得る担体(賦形剤、結合剤、
崩壊剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤
など)と混合して医薬組成物とされ、錠剤、丸剤、散
剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液
剤、乳剤、懸濁剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、坐剤、
吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、眼軟膏剤等の製剤として
経口または非経口に適した形態で処方される。
【0100】固体製剤とする場合は、担体として、例え
ばショ糖、乳糖、セルロース糖、D−マンニトール、マ
ルチトール、デキストラン、デンプン類、寒天、アルギ
ネート類、キチン類、キトサン類、ペクチン類、トラン
ガム類、アラビアゴム類、ゼラチン類、コラーゲン類、
カゼイン、アルブミン、リン酸カルシウム、ソルビトー
ル、グリシン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、グリセリン、ポリエチ
レングリコール、炭酸水素ナトリウム、ステアリン酸マ
グネシウム、タルクなどが用いられる。さらに、錠剤は
必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、
腸溶性コーティング錠、フィルムコーティング錠あるい
は二層錠、多層錠とすることができる。
【0101】半固体製剤とする場合は、担体として、動
植物性油脂(オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマシ油な
ど)、鉱物性油脂(ワセリン、白色ワセリン、固形パラ
フィンなど)、ロウ類(ホホバ油、カルナバロウ、ミツ
ロウなど)、部分合成もしくは全合成グリセリン脂肪酸
エステル(ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸な
ど)等が用いられる。これらの市販品の例としては、ウ
イテプゾール(ダイナミッドノーベル社製)、ファーマ
ゾール(日本油脂社製)などが挙げられる。
【0102】液体製剤とする場合は、担体として、例え
ば塩化ナトリウム、グルコース、ソルビトール、グリセ
リン、オリーブ油、プロピレングリコール、エチルアル
コールなどが挙げられる。特に注射剤とする場合は、無
菌の水溶液、例えば生理食塩水、等張液、油性液、例え
ばゴマ油、大豆油が用いられる。また必要により適当な
懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、非イオン性界面活性剤、溶解補助剤、例えば安息香
酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよ
い。
【0103】また、上記の医薬組成物は、更に、抗潰瘍
薬を含有、または抗潰瘍薬および抗生物質もしくは抗原
虫薬を含有してもよい。
【0104】
【実施例】以下、原料調製例、実施例、製剤処方例およ
び実験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は
これらにより限定されるものではない。
【0105】原料調製例1 (1)2,2,2−トリフルオロエタノール57mlに
室温で攪拌下、金属ナトリウム3.0gを徐々に加え、
60°Cまで加熱して完全に溶解した後、2−(4−ク
ロロブトキシ)テトラヒドロピラン25gを加え3日間
還流した。反応終了後過剰の2,2,2−トリフルオロ
エタノールを留去し、水を加えて酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を留去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン:酢酸エチル=5:1で流出し
て、無色油状の2−(4−(2,2,2−トリフルオロ
エトキシ)ブトキシ)テトラヒドロピラン10.5gを
得た。
【0106】1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.45-2.05(m,10
H), 3.40-3.95(m,6H), 3.92(q,2H), 4.58(dd,1H) (2)(1)で得られた2−(4−(2,2,2−トリ
フルオロエトキシ)ブトキシ)テトラヒドロピラン1
0.5gをメタノール:ジクロロメタン=1:1の混合
溶媒200mlに溶解し、室温で攪拌下、濃塩酸2.3
mlを滴下し、室温で1.5時間攪拌した。反応液に炭
酸水素ナトリウム11gを加えて中和し溶媒を留去した
後、ジエチルエーテルを加え不溶物を濾去し溶媒を留去
して、微黄色油状の4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)ブタノール7.1gを得た。
【0107】1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=2.44(s,1H), 1.44
-2.10(m,4H), 3.50-3.80(m,4H), 3.88(q,2H) (3)(2)で得られた4−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)ブタノール7.1gをピリジン3.7ml
に溶解し、氷冷下、塩化チオニル3.3mlを滴下し、
室温で3時間攪拌した。反応液を水にあけ、ジエチルエ
ーテルで抽出し、水洗した。ジエチルエーテル層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去して、黄色油状の
4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ブチルクロ
ライド6.7gを得た。
【0108】1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.40-2.05(m,4H),
3.52-3.80(m,4H), 3.89(q,2H)
【0109】上記原料調製例1と同様な方法で以下の化
合物を得ることができる。 ・3−(3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プ
ロポキシ)プロピルクロライド ・4−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ブ
トキシ)ブチルクロライド ・3−(2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エ
トキシ)プロピルクロライド ・2−(3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プ
ロポキシ)エチルクロライド ・4−(2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エ
トキシ)ブチルクロライド ・2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ブ
トキシ)エチルクロライド
【0110】原料調製例1−1 エタノール70ml中に金属ナトリウム2.0gを入
れ、室温で撹拌しながら2,3−ジメチル−4−メルカ
プトピリジン−N−オキシド13.7gを加え、50℃
で50分間撹拌した。一方、トリメチレングリコールモ
ノメチルエーテルと塩化チオニルとを常法に従い反応さ
せて得られる3−メトキシプロピルクロライド14.3
gを上記反応液に加え6.5時間撹拌還流した。反応終
了後、不溶物を濾去し、減圧濃縮し、水を加え、クロロ
ホルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧濃縮して黄色油状の2,3−ジメチ
ル−4−(3−メトキシプロピルスルファニル)ピリジ
ン−N−オキシド6.0gを得た。
【0111】1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.90-1.99(m,2H),
2.33(s,3H), 2.55(s,3H), 3.04(t,2H), 3.35(s,3H),
3.49(t,2H), 6.98(d,1H), 8.10(d,1H)
【0112】同様にして以下の化合物が得られる。 原料調製例2−1 2,3−ジメチル−4−(3−(3−メトキシプロポキ
シ)プロピルスルファニル)ピリジン−N−オキシド1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.80-1.99(m,4H), 2.32(s,3H),
2.55(s,3H), 3.04(t,2H), 3.33(s,3H), 3.43-3.56(m,6
H), 6.99(d,1H), 8.10(d,1H) 原料調製例3−1 2,3−ジメチル−4−(4−メトキシブチルスルファ
ニル)ピリジン−N−オキシド1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.70-1.82(m,4H), 2.32(s,3H),
2.55(s,3H), 2.96(t,2H), 3.34(s,3H), 3.41(t,2H),
6.94(d,1H), 8.10(d,1H) 原料調製例4−1 2,3−ジメチル−4−(2−(2−(2−メトキシプ
ロポキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジ
ン−N−オキシド1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.12-1.15(m,6H), 1.37(d,3H),
2.36(s,3H), 2.55(s,3H), 3.23-3.63(m,9H), 3.36(s,3
H), 7.13(d,1H), 8.09(d,1H) 原料調製例5−1 2,3−ジメチル−4−(3−(3−(3−メトキシプ
ロポキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジ
ン−N−オキシド
【0113】原料調製例6−1 2,3−ジメチル−4−(4−(4−メトキシブトキ
シ)ブチルスルファニル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例7−1 2,3−ジメチル−4−(4−(4−(4−メトキシブ
トキシ)ブトキシ)ブチルスルファニル)ピリジン−N
−オキシド 原料調製例8−1 2,3−ジメチル−4−(2−(2−メトキシプロポキ
シ)プロピルスルファニル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例9−1 2,3−ジメチル−4−(3−(2−モルホリノエトキ
シ)プロピルスルファニル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例10−1 2,3−ジメチル−4−(3−(3−(2−モルホリノ
エトキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジ
ン−N−オキシド
【0114】原料調製例11−1 2,3−ジメチル−4−(3−(2−(1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリン−2−イル)エトキシ)プ
ロピルスルファニル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例12−1 2,3−ジメチル−4−(2−(3−メトキシプロポキ
シ)エチルスルファニル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例13−1 2,3−ジメチル−4−(2−(2−(3−メトキシプ
ロポキシ)エトキシ)エチルスルファニル)ピリジン−
N−オキシド 原料調製例14−1 2,3−ジメチル−4−(2−(3−(3−メトキシプ
ロポキシ)プロポキシ)エチルスルファニル)ピリジン
−N−オキシド 原料調製例15−1 2,3−ジメチル−4−(3−(2−メトキシエトキ
シ)プロピルスルファニル)ピリジン−N−オキシド
【0115】原料調製例16−1 2,3−ジメチル−4−(3−(3−(2−メトキシエ
トキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジン
−N−オキシド 原料調製例17−1 2,3−ジメチル−4−(3−(2−(2−メトキシエ
トキシ)エトキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−
N−オキシド 原料調製例18−1 2,3−ジメチル−4−(2−(3−(2−モルホリノ
エトキシ)プロポキシ)エチルスルファニル)ピリジン
−N−オキシド 原料調製例19−1 2,3−ジメチル−4−(3−(2−(2−モルホリノ
エトキシ)エトキシ)プロピルスルファニル)ピリジン
−N−オキシド 原料調製例20−1 2,3−ジメチル−4−(4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)ブチルスルファニル)ピリジン−N−オ
キシド1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.48-1.90(m,4H), 2.32(s,3H),
2.55(s,3H), 2.90-3.04(m,2H), 3.58(t,2H), 3.80(q,2
H), 6.94(d,1H), 8.10(d,1H) 原料調製例21−1 2,3−ジメチル−4−(3−(3−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)プロポキシ)プロピルスルファニ
ル)ピリジン−N−オキシド
【0116】原料調製例22−1 2,3−ジメチル−4−(4−(4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)ブトキシ)ブチルスルファニル)
ピリジン−N−オキシド 原料調製例23−1 2,3−ジメチル−4−(3−(2−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)エトキシ)プロピルスルファニ
ル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例24−1 2,3−ジメチル−4−(2−(3−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)プロポキシ)エチルスルファニ
ル)ピリジン−N−オキシド 原料調製例25−1 2,3−ジメチル−4−(4−(2−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)エトキシ)ブチルスルファニル)
ピリジン−N−オキシド 原料調製例26−1 2,3−ジメチル−4−(2−(4−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)ブトキシ)エチルスルファニル)
ピリジン−N−オキシド
【0117】原料調製例1−2 2,3−ジメチル−4−(3−メトキシプロピルスルフ
ァニル)ピリジン−N−オキシド6.0gを無水酢酸5
0mlに溶解し、80℃で4.5時間撹拌した。溶媒を
留去したのち残渣に水を加え、クロロホルムで抽出し、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得
られた2−アセトキシメチル−4−(3−メトキシプロ
ピルスルファニル)−3−メチルピリジンをエタノール
50mlに溶解し、水10mlに溶解した水酸化ナトリ
ウム1.3gを加え、45℃で2時間撹拌した。反応終
了後、エタノールを留去し、残渣をクロロホルムで抽出
した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を留去することによって黄色油状の3−メチル
−4−(3−メトキシプロピルスルファニル)ピリジン
−2−メタノール5.4gを得た。
【0118】1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.93-2.06(m,2H),
2.14(s,3H), 3.08(t,2H), 3.36(s,3H), 3.51(t,2H),
4.67(s,2H), 7.06(d,1H), 8.26(d,1H)
【0119】同様にして以下の化合物が得られる。 原料調製例2−2 3−メチル−4−(3−(3−メトキシプロポキシ)プ
ロピルスルファニル)ピリジン−2−メタノール1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.81-1.90(m,2H), 1.93-2.03
(m,2H), 2.14(s,3H), 3.08(t,2H), 3.33(s,3H), 3.45-
3.57(m,6H), 4.67(s,2H), 7.06(d,1H), 8.26(d,1H) 原料調製例3−2 3−メチル−4−(4−メトキシブチルスルファニル)
ピリジン−2−メタノール1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.73-1.86(m,4H), 2.13(s,3H),
3.00(t,2H), 3.34(s,3H), 3.42(t,2H), 4.67(s,2H),
7.02(d,1H), 8.26(d,1H) 原料調製例4−2 3−メチル−4−(2−(2−(2−メトキシプロポキ
シ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−2
−メタノール1 H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.13-1.16(m,6H), 1.43(d,3H),
2.14(s,3H), 3.33-3.73(m,9H), 3.36(s,3H), 4.67(s,2
H), 7.14(d,1H), 8.26(d,1H) 原料調製例5−2 3−メチル−4−(3−(3−(3−メトキシプロポキ
シ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−2
−メタノール 原料調製例6−2 3−メチル−4−(4−(4−メトキシブトキシ)ブチ
ルスルファニル)ピリジン−2−メタノール
【0120】原料調製例7−2 3−メチル−4−(4−(4−(4−メトキシブトキ
シ)ブトキシ)ブチルスルファニル)ピリジン−2−メ
タノール 原料調製例8−2 3−メチル−4−(2−(2−メトキシプロポキシ)プ
ロピルスルファニル)ピリジン−2−メタノール 原料調製例9−2 3−メチル−4−(3−(2−モルホリノエトキシ)プ
ロピルスルファニル)ピリジン−2−メタノール 原料調製例10−2 3−メチル−4−(3−(3−(2−モルホリノエトキ
シ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−2
−メタノール 原料調製例11−2 3−メチル−4−(3−(2−(1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−2−イル)エトキシ)プロピル
スルファニル)ピリジン−2−メタノール
【0121】原料調製例12−2 3−メチル−4−(2−(3−メトキシプロポキシ)エ
チルスルファニル)ピリジン−2−メタノール 原料調製例13−2 3−メチル−4−(2−(2−(3−メトキシプロポキ
シ)エトキシ)エチルスルファニル)ピリジン−2−メ
タノール 原料調製例14−2 3−メチル−4−(2−(3−(3−メトキシプロポキ
シ)プロポキシ)エチルスルファニル)ピリジン−2−
メタノール 原料調製例15−2 3−メチル−4−(3−(2−メトキシエトキシ)プロ
ピルスルファニル)ピリジン−2−メタノール 原料調製例16−2 3−メチル−4−(3−(3−(2−メトキシエトキ
シ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−2
−メタノール
【0122】原料調製例17−2 3−メチル−4−(3−(2−(2−メトキシエトキ
シ)エトキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−2−
メタノール 原料調製例18−2 3−メチル−4−(2−(3−(2−モルホリノエトキ
シ)プロポキシ)エチルスルファニル)ピリジン−2−
メタノール 原料調製例19−2 3−メチル−4−(3−(2−(2−モルホリノエトキ
シ)エトキシ)プロピルスルファニル)ピリジン−2−
メタノール 原料調製例20−2 3−メチル−4−(4−(2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)ブチルスルファニル)ピリジン−2−メタノー
1 H-NMR(CDC13):δ(ppm)=1.46-2.00(m,4H), 2.14(s,3H),
3.02(t,2H), 3.60-3.75(m,2H), 3.82(q,2H), 4.68(s,2
H), 7.02(d,1H), 8.28(d,1H) 原料調製例21−2 3−メチル−4−(3−(3−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)ピ
リジン−2−メタノール 原料調製例22−2 3−メチル−4−(4−(4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)ブトキシ)ブチルスルファニル)ピリジ
ン−2−メタノール 原料調製例23−2 3−メチル−4−(3−(2−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)エトキシ)プロピルスルファニル)ピリ
ジン−2−メタノール 原料調製例24−2 3−メチル−4−(2−(3−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)プロポキシ)エチルスルファニル)ピリ
ジン−2−メタノール 原料調製例25−2 3−メチル−4−(4−(2−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)エトキシ)ブチルスルファニル)ピリジ
ン−2−メタノール 原料調製例26−2 3−メチル−4−(2−(4−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)ブトキシ)エチルスルファニル)ピリジ
ン−2−メタノール
【0123】実施例1 原料調製例1−2で得られた3−メチル−4−(3−メ
トキシプロピルスルファニル)ピリジン−2−メタノー
ル5.4gをクロロホルム50mlに溶解させ、氷冷
下、塩化チオニル5.2mlを滴下し、40〜50℃で
5時間攪拌した。反応液を氷水中にあけ、炭酸カリウム
でアルカリ過飽和したのちクロロホルムにて抽出した。
クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したの
ち溶媒を留去することによって、油状の2−クロロメチ
ル−3−メチル−4−(3−メトキシプロピルスルファ
ニル)ピリジン4.2gを得た。これを2−メルカプト
ベンズイミダゾール2.6gおよび水酸化ナトリウム
0.8gを水2mlに溶解したものを含有するエタノー
ル40ml中に加え2時間撹拌した。反応終了後、不溶
物を濾去し、エタノールを留去し、残渣に水を加えてク
ロロホルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで留出
して得た残渣を、酢酸エチルより再結晶し、2−((3
−メチル−4−(3−メトキシプロピルスルファニル)
−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾ
イミダゾールの淡黄色結晶2.3gを得た。融点139
〜140℃
【0124】実施例2 原料調製例2−2で得られた3−メチル−4−(3−
(3−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニル)ピ
リジン−2−メタノール5.1gをクロロホルム50m
lに溶解させ、氷冷下、塩化チオニル3.9mlを滴下
し、40〜50℃で6時間攪拌した。反応液を氷水中に
あけ、炭酸カリウムでアルカリ過飽和したのちクロロホ
ルムにて抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシ
ウムにて乾燥したのち溶媒を留去することによって油状
の2−クロロメチル−3−メチル−4−(3−(3−メ
トキシプロポキシ)プロピルスルファニル)ピリジン
5.1gを得た。これを2−メルカプトベンズイミダゾ
ール2.5gおよび水酸化ナトリウム0.8gを水2m
lに溶解したものを含有するエタノール50ml中に加
え1時間撹拌した。反応終了後、不溶物を濾去し、エタ
ノールを留去し、残渣に水を加えてクロロホルムで抽出
した。クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥
し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、酢酸エチルで留出して得た残渣を、
酢酸エチルより再結晶し、2−((3−メチル−4−
(3−(3−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンゾイミダゾールの白色結晶0.7gを得た。融点79
〜81℃
【0125】実施例3 原料調製例3−2で得られた3−メチル−4−(4−メ
トキシブチルスルファニル)ピリジン−2−メタノール
4.3gをクロロホルム50mlに溶解させ、氷冷下、
塩化チオニル3.9mlを滴下し、40〜50℃で3.
5時間攪拌した。反応液を氷水中にあけ、炭酸カリウム
でアルカリ過飽和したのちクロロホルムにて抽出した。
クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したの
ち溶媒を留去することによって油状の2−クロロメチル
−3−メチル−4−(4−メトキシブチルスルファニ
ル)ピリジン4.9gを得た。これを2−メルカプトベ
ンズイミダゾール2.7gおよび水酸化ナトリウム0.
9gを水3mlに溶解したものを含有するエタノール5
0ml中に加え1.5時間撹拌した。反応終了後、不溶
物を濾去し、エタノールを留去し、残渣に水を加えてク
ロロホルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで留出
して得た残渣を酢酸エチルより再結晶し、2−((3−
メチル−4−(4−メトキシブチルスルファニル)−2
−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミ
ダゾールの白色結晶2.3gを得た。融点112〜11
3℃
【0126】実施例4 原料調製例4−2で得られた3−メチル−4−(2−
(2−(2−メトキシプロポキシ)プロポキシ)プロピ
ルスルファニル)ピリジン−2−メタノール1.8gを
クロロホルム20mlに溶解させ、氷冷下、塩化チオニ
ル0.33mlを滴下し、40〜50℃で5時間攪拌し
た。反応液を氷水中にあけ、炭酸カリウムでアルカリ過
飽和したのちクロロホルムにて抽出した。クロロホルム
層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したのち溶媒を留去
することによって2−クロロメチル−3−メチル−4−
(2−(2−(2−メトキシプロポキシ)プロポキシ)
プロピルスルファニル)ピリジンを得た。これを2−メ
ルカプトベンズイミダゾール0.57gおよび水酸化ナ
トリウム0.18gを水1mlに溶解したものを含有す
るエタノール20ml中に加え、室温で30分間撹拌し
た。不溶物を濾去し、エタノールを留去し、残渣に水を
加えてクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を無水
硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチ
ルで留出することによって2−((3−メチル−4−
(2−(2−(2−メトキシプロポキシ)プロポキシ)
プロピルスルファニル)−2−ピリジル)メチルスルフ
ァニル)−1H−ベンゾイミダゾールの黄色油状物0.
7gを得た。
【0127】1H-NMR(CDCl3):δ(ppm)=1.11-1.15(m,6H),
1.42(d,3H), 2.35(s,3H), 3.30-3.73(m,9H), 3.34(s,3
H), 4.45(s,2H), 7.15-7.18(m,3H), 7.51-7.18(m,2H),
8.27(d,1H)
【0128】実施例5 原料調製例5−2で得られる3−メチル−4−(3−
(3−(3−メトキシプロポキシ)プロポキシ)プロピ
ルスルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実
施例1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(3−(3−(3−メトキシプロ
ポキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)−2−ピ
リジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾ
ールが得られる。 実施例6 原料調製例6−2で得られる3−メチル−4−(4−
(4−メトキシブトキシ)ブチルスルファニル)ピリジ
ン−2−メタノールを用いて実施例1と同様の反応およ
び処理を行うことにより、2−((3−メチル−4−
(4−(4−メトキシブトキシ)ブチルスルファニル)
−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾ
イミダゾールが得られる。 実施例7 原料調製例7−2で得られる3−メチル−4−(4−
(4−(4−メトキシブトキシ)ブトキシ)ブチルスル
ファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施例1
と同様の反応および処理を行うことにより、2−((3
−メチル−4−(4−(4−(4−メトキシブトキシ)
ブトキシ)ブチルスルファニル)−2−ピリジル)メチ
ルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾールが得られ
る。
【0129】実施例8 原料調製例8−2で得られる3−メチル−4−(2−
(2−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニル)ピ
リジン−2−メタノールを用いて実施例1と同様の反応
および処理を行うことにより、2−((3−メチル−4
−(2−(2−メトキシプロポキシ)プロピルスルファ
ニル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−
ベンゾイミダゾールが得られる。 実施例9 原料調製例9−2で得られる3−メチル−4−(3−
(2−モルホリノエトキシ)プロピルスルファニル)ピ
リジン−2−メタノールを用いて実施例1と同様の反応
および処理を行うことにより、2−((3−メチル−4
−(3−(2−モルホリノエトキシ)プロピルスルファ
ニル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−
ベンゾイミダゾールが得られる。 実施例10 原料調製例10−2で得られる3−メチル−4−(3−
(3−(2−モルホリノエトキシ)プロポキシ)プロピ
ルスルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実
施例1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(3−(3−(2−モルホリノエ
トキシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)−2−ピ
リジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾ
ールが得られる。
【0130】実施例11 原料調製例11−2で得られる3−メチル−4−(3−
(2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−
2−イル)エトキシ)プロピルスルファニル)ピリジン
−2−メタノールを用いて実施例1と同様の反応および
処理を行うことにより、2−((3−メチル−4−(3
−(2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
−2−イル)エトキシ)プロピルスルファニル)−2−
ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダ
ゾールが得られる。 実施例12 原料調製例12−2で得られる3−メチル−4−(2−
(3−メトキシプロポキシ)エチルスルファニル)ピリ
ジン−2−メタノールを用いて実施例1と同様の反応お
よび処理を行うことにより、2−((3−メチル−4−
(2−(3−メトキシプロポキシ)エチルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンゾイミダゾールが得られる。 実施例13 原料調製例13−2で得られる3−メチル−4−(2−
(2−(3−メトキシプロポキシ)エトキシ)エチルス
ルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施例
1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(2−(2−(3−メトキシプロ
ポキシ)エトキシ)エチルスルファニル)−2−ピリジ
ル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾール
が得られる。
【0131】実施例14 原料調製例14−2で得られる3−メチル−4−(2−
(3−(3−メトキシプロポキシ)プロポキシ)エチル
スルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施
例1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(2−(3−(3−メトキシプロ
ポキシ)プロポキシ)エチルスルファニル)−2−ピリ
ジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾー
ルが得られる。 実施例15 原料調製例15−2で得られる3−メチル−4−(3−
(2−メトキシエトキシ)プロピルスルファニル)ピリ
ジン−2−メタノールを用いて実施例1と同様の反応お
よび処理を行うことにより、2−((3−メチル−4−
(3−(2−メトキシエトキシ)プロピルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンゾイミダゾールが得られる。 実施例16 原料調製例16−2で得られる3−メチル−4−(3−
(3−(2−メトキシエトキシ)プロポキシ)プロピル
スルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施
例1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(3−(3−(2−メトキシエト
キシ)プロポキシ)プロピルスルファニル)−2−ピリ
ジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾー
ルが得られる。
【0132】実施例17 原料調製例17−2で得られる3−メチル−4−(3−
(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)プロピルス
ルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施例
1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(3−(2−(2−メトキシエト
キシ)エトキシ)プロピルスルファニル)−2−ピリジ
ル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾール
が得られる。 実施例18 原料調製例18−2で得られる3−メチル−4−(2−
(3−(2−モルホリノエトキシ)プロポキシ)エチル
スルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施
例1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(2−(3−(2−モルホリノエ
トキシ)プロポキシ)エチルスルファニル)−2−ピリ
ジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾー
ルが得られる。 実施例19 原料調製例19−2で得られる3−メチル−4−(3−
(2−(2−モルホリノエトキシ)エトキシ)プロピル
スルファニル)ピリジン−2−メタノールを用いて実施
例1と同様の反応および処理を行うことにより、2−
((3−メチル−4−(3−(2−(2−モルホリノエ
トキシ)エトキシ)プロピルスルファニル)−2−ピリ
ジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダゾー
ルが得られる。
【0133】実施例20 原料調製例20−2で得られた3−メチル−4−(4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ブチルスルファ
ニル)ピリジン−2−メタノール2.5gをクロロホル
ム60mlに溶解させ、氷冷下、塩化チオニル1.5m
lを滴下し、40〜50℃で2.5時間攪拌した。反応
液を氷水中にあけ、炭酸カリウムで過飽和したのちクロ
ロホルムにて抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥したのち溶媒を留去することによって
油状の2−クロロメチル−3−メチル−4−(4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ブチルスルファ
ニル)ピリジン2.1gを得た。これを2−メルカプト
ベンゾイミダゾール1.0gおよび水酸化ナトリウム
0.5gを水5mlに溶解したものを含有するエタノー
ル30ml中に加え、室温で4.5時間攪拌した。不溶
物を濾去し、エタノールを留去し、残渣に水を加えてク
ロロホルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メ
タノール=20:1で留出して得た油状物にエタノール
性塩酸を加えて塩酸塩としたのち、エタノールより再結
晶を行い、2−((3−メチル−4−(4−(2,2,
2−トリフルオロエトキシ)ブチルスルファニル)−2
−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミ
ダゾール・2塩酸塩の淡黄色結晶1.1gを得た。融点
188〜191℃(分解) 上記実施例20と同様な方法で以下の化合物を得ること
ができる。 実施例21 2−((3−メチル−4−(3−(3−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)プロポキシ)プロピルスルファ
ニル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−
ベンズイミダゾール 実施例22 2−((3−メチル−4−(4−(4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)ブトキシ)ブチルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンズイミダゾール 実施例23 2−((3−メチル−4−(3−(2−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)エトキシ)プロピルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンズイミダゾール 実施例24 2−((3−メチル−4−(2−(3−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)プロポキシ)エチルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンズイミダゾール 実施例25 2−((3−メチル−4−(4−(2−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)エトキシ)ブチルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンズイミダゾール 実施例26 2−((3−メチル−4−(2−(4−(2,2,2−
トリフルオロエトキシ)ブトキシ)エチルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベ
ンズイミダゾール
【0134】実施例27 実施例2で得られた2−((3−メチル−4−(3−
(3−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニル)−
2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンズイ
ミダゾールをクロロホルムに溶解し、氷冷下、80%メ
タクロロ過安息香酸を加え、氷冷下で30分間撹拌し
た。反応終了後、溶媒を留去し、残渣をアルミナカラム
クロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール
=99:1で留出し、油状の2−((3−メチル−4−
(3−(3−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニ
ル)−2−ピリジル)メチルスルフィニル)−1H−ベ
ンゾイミダゾールを得た。 実施例28 実施例6で得られる2−((3−メチル−4−(4−
(4−メトキシブトキシ)ブチルスルファニル)−2−
ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミダ
ゾールを用いて実施例27と同様の反応および処理を行
うことにより、2−((3−メチル−4−(4−(4−
メトキシブトキシ)ブチルスルファニル)−2−ピリジ
ル)メチルスルフィニル)−1H−ベンゾイミダゾール
が得られる。 実施例29 実施例8で得られる2−((3−メチル−4−(2−
(2−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニル)−
2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイ
ミダゾールを用いて実施例27と同様の反応および処理
を行うことにより、2−((3−メチル−4−(2−
(2−メトキシプロポキシ)プロピルスルファニル)−
2−ピリジル)メチルスルフィニル)−1H−ベンゾイ
ミダゾールが得られる。
【0135】実施例30 実施例9で得られる2−((3−メチル−4−(3−
(2−モルホリノエトキシ)プロピルスルファニル)−
2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイ
ミダゾールを用いて実施例27と同様の反応および処理
を行うことにより、2−((3−メチル−4−(3−
(2−モルホリノエトキシ)プロピルスルファニル)−
2−ピリジル)メチルスルフィニル)−1H−ベンゾイ
ミダゾールが得られる。 実施例31 実施例12で得られる2−((3−メチル−4−(2−
(3−メトキシプロポキシ)エチルスルファニル)−2
−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミ
ダゾールを用いて実施例27と同様の反応および処理を
行うことにより、2−((3−メチル−4−(2−(3
−メトキシプロポキシ)エチルスルファニル)−2−ピ
リジル)メチルスルフィニル)−1H−ベンゾイミダゾ
ールが得られる。 実施例32 実施例15で得られる2−((3−メチル−4−(3−
(2−メトキシエトキシ)プロピルスルファニル)−2
−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾイミ
ダゾールを用いて実施例27と同様の反応および処理を
行うことにより、2−((3−メチル−4−(3−(2
−メトキシエトキシ)プロピルスルファニル)−2−ピ
リジル)メチルスルフィニル)−1H−ベンゾイミダゾ
ールが得られる。
【0136】上記実施例と同様にして、表1から表7に
示す化合物が得られる。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】
【表5】
【0142】
【表6】
【0143】
【表7】
【0144】本発明の医薬は以下の製剤処方例により製
剤することができる。 製剤処方例1 本発明化合物(I)20mgを含有する錠剤は以下の組
成により調製される。 化合物(I) 20mg コーンスターチ 15mg 乳糖 57mg 微結晶セルロース 25mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 計 120mg 化合物(I)20部、乳糖57部、微結晶セルロース1
9部およびコーンスタ−チ4部とをよく混和したのち、
コーンスターチ3部で製した結合剤とよく練合した。こ
の練合物を16メッシュで篩過し、オーブン中50℃で
乾燥後、24メッシュで篩過する。ここに得た練合粉体
とコーンスターチ8部、微結晶セルロース6部およびス
テアリン酸マグネシウム3部とをよく混合したのち、圧
搾打錠して1錠当たり有効成分20mg含有の錠剤を得
る。
【0145】製剤処方例2 化合物(I)1.0mgと塩化ナトリウム9.0mgを
注射用水にて溶解し、濾過して発熱物質を除去し、濾液
を無菌下にアンプルに移し、殺菌後、溶融密封すること
により有効成分1.0mg含有注射剤を得る。本発明の
医薬は、2剤および新3剤併用療法にて使用することも
でき、この場合、化合物(I)と抗潰瘍薬、または化合
物(I)と抗潰瘍薬と抗生物質もしくは抗原虫薬が生体
内に共存する期間があればよく、一剤に配合してもよい
し、別個に製剤して同時または別々に患者に投与するこ
とができる。
【0146】本発明のピリジン系併用医薬は、例えば次
のように処方される。
【0147】製剤処方例3 (1)オメプラゾール腸溶錠(オメプラゾン錠(商品
名、吉富製薬(株)製)として入手可能である) (2)化合物(I)20mgを含有する以下の処方のカ
プセル剤 化合物(I) 20mg コーンスターチ 30mg 乳糖 63mg ヒドロキシプロピルセルロース 6mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 計 120mg 製剤(1)および(2)を同時または分割して患者に投
与することができる。
【0148】製剤処方例4 (1)オメプラゾール腸溶錠(オメプラゾン錠(商品
名、吉富製薬(株)製)として入手可能である) (2)アモキシシリンカプセル(アモリンカプセル(商
品名、武田薬品工業社製)として入手可能である) (3)化合物(I)を含有する以下の処方のカプセル剤 化合物(I) 20mg コーンスターチ 30mg 乳糖 63mg ヒドロキシプロピルセルロース 6mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 計 120mg 製剤(1)、(2)および(3)を同時または分割して
患者に投与することができる。
【0149】製造処方例5 (1)オメプラゾール腸溶錠(オメプラゾン錠(商品
名、吉富製薬(株)製)として入手可能である) (2)メトロニダゾール内服錠(フラジール内服錠(商
品名、塩野義製薬(株)製)として入手可能である) (3)化合物(I)20mgを含有する以下の処方のカ
プセル剤 化合物(I) 20mg コーンスターチ 30mg 乳糖 63mg ヒドロキシプロピルセルロース 6mg ステアリン酸マグネシウム 1mg 計 120mg 製剤(1)、(2)および(3)を同時または分割して
患者に投与することができる。
【0150】これら本発明化合物(I)およびその医薬
上許容し得る塩の薬理作用は以下の方法により確かめら
れる。
【0151】実験例1:H. Pylori に対する試験管内抗
菌活性 5%馬血清を用い、37℃微好気性条件下で72時間培
養した臨床分離株(18株)をブルセラ・ブロスで希釈
し、菌数約106 個/mlの菌液を作製した。2倍希釈
濃度系列の被検化合物を含有した寒天平板上に、ミクロ
プランタを使用して希釈菌液をスポット接種し、8%二
酸化炭素下、37℃で3から4日間培養した後、最小発
育阻止濃度(MIC)を測定した。その値をもとにMI
50値(発育を50%阻止する最小濃度)およびMIC
90値(発育を90%阻止する最小濃度)を算出した。
【0152】その結果、本発明化合物のMIC50値は
0.0125〜0.78μg/ml、MIC90値は0.
025〜1.56μg/mlを示し、in vitroで強い抗
菌活性を示した。
【0153】実験例2:胃灌流ラットの胃酸分泌に対す
る作用 ゴーシュ(Ghosh)らの方法〔ブリティッシュ・ジャーナ
ル・オブ・ファーマコロジー(Br. J. Pharmacol.) 第1
3巻、第54頁 (1958年) 〕に準じる。ウィスター(Wi
star) ラットを20時間絶食後、ウレタン(1.5g/k
g皮下) で麻酔し、胃内灌流流入用および流出用ポリエ
チレン・チューブを装着する。37℃の生理食塩水を7
ml/分の速度で胃内灌流し、10分間隔で灌流液を採
取する。塩酸ヒスタミン1ml/kgを1時間間隔で静
脈投与して、胃酸分泌を惹起させる。試験化合物を含む
被検液は塩酸ヒスタミン投与5分前に静脈内投与する。
胃液酸度は自動点滴装置を用いてpH7.0まで滴定し、
試験化合物による胃酸分泌の抑制率を測定する。
【0154】実験例3 約20時間絶食した生後7週齢の雄性スナネズミにH. P
ylori の標準菌株(ATCC 43504株)の約24
時間培養液を強制経口投与する。培養液投与後、約4時
間絶食、絶水を維持した後、通常の固形餌と飲料水を与
えることにより、H. Pylori に感染したスナネズミモデ
ルを作製する。感染6週後より、薬剤を1日2回、2週
間経口投与する。薬剤投与終了後、6週目にスナネズミ
を屠殺し、胃を摘出する。胃を大弯に沿って切開し、内
容物を除去後、胃を10mlのリン酸緩衝生理食塩水中
でホモジナイザーで破砕する。破砕液を同緩衝液で希釈
し、その0.1mlをH. Pylori 用選択培地に接種す
る。これを炭酸ガスの存在下、培養しH. Pylori の有無
を調べる。菌が検出されなかったものを除菌と判定す
る。
【0155】実験例4 約20時間絶食した生後7週齢の雄性スナネズミにH. P
ylori の標準菌株(ATCC 43504株)の約24
時間培養液を強制経口投与する。培養液投与後、約4時
間絶食、絶水状態を維持した後、通常の固形餌と飲料水
を与えることにより、H. Pylori に感染したスナネズミ
モデルを作製する。感染6週後より、薬剤を1日2回、
2週間経口投与する。本発明の化合物とプロトンポンプ
阻害剤との併用実験、または実施例1の化合物とプロト
ンポンプ阻害剤と抗生物質もしくは抗原虫薬との併用実
験において、先にプロトンポンプ阻害剤を投与後、本発
明の化合物、または本発明の化合物と抗生物質もしくは
抗原虫薬とを経口投与する。薬剤投与終了後、6週目に
スナネズミを屠殺し、胃を摘出する。胃を大弯に沿って
切開し、内容物を除去後、胃を10mlのリン酸緩衝液
−生理食塩水中でホモジナイザーで破砕する。破砕液を
同緩衝液で適宜希釈し、その0.1mlをH.Pylori 菌
選択培地に接種する。これを炭酸ガスの存在下、培養
し、H. Pyloriの存在の有無を調べる。
【0156】本発明の化合物は単剤投与でも優れた除菌
効果を示すが、本発明の化合物とプロトンポンプ阻害剤
との併用投与、または本発明の化合物とプロトンポンプ
阻害剤と抗生物質もしくは抗原虫薬との併用投与によ
り、明らかな除菌効果の増強が認められるとともに、肉
眼的および組織病理学的に炎症症状の修復が促進され
た。また、併用投与による完全除菌群では炎症症状の再
発は見られなかった。
【0157】
【発明の効果】以上の結果より、本発明の化合物および
その医薬上許容し得る塩は、H. Pylori に代表されるヘ
リコバクター属の菌に対して選択的に抗菌活性を示し、
さらにH. Pylori 感染動物モデルにおいても良好な除菌
作用を示すことから、ヘリコバクター菌に起因する胃
炎、胃潰瘍などの各種疾患の予防および治療に有効であ
る。すなわち、本発明化合物およびその医薬上許容し得
る塩は、ヒトを含む哺乳動物に対して、ヘリコバクター
属菌に起因する各種疾患の予防および治療、潰瘍の再燃
再発防止、嘔吐の抑制、ノン−アルサージスペプシア
(Non-ulcer dyspepsia)の予防および治療、腫瘍(胃癌
など)の予防および治療に使用される。また、本発明化
合物およびその医薬上許容し得る塩は胃酸分泌抑制作
用、抗潰瘍作用、胃腸細胞保護作用、抗下痢作用などを
有し、消化器系疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、下
痢、大腸炎など)の予防および治療薬として有用であ
る。さらに、低毒性で、かつ酸などに対し安定であり、
血中ガストリン値の上昇が小さいなどの特性を有する。
【0158】さらに、本発明によれば、本発明の化合物
と抗潰瘍剤との併用投与、あるいは本発明の化合物と抗
潰瘍剤と抗生物質もしくは抗原虫薬との併用投与によ
り、除菌効果の増強、潰瘍治癒の促進効果が得られる。
また、単独投与に比べて投与量の低減ができるので副作
用および患者のコンプライアンスの改善が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 401/14 231 C07D 401/14 231 471/04 107 471/04 107A (72)発明者 川北 武志 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富製薬株式会社創薬第二研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキ
    シ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシル
    またはハロアルキルを示す。R2 ,R3 は同一または異
    なって、それぞれ水素、ハロゲン、アルキルまたはアル
    コキシを示す。R4 は水素または−COOR4a(式中、
    4aはアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、
    アルコキシアルキル、アシルオキシアルキル、アシルア
    ルキル、カルボキシアルキル、カルバモイルアルキル、
    モノアルキルカルバモイルアルキル、ジアルキルカルバ
    モイルアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、置換
    基を有してもよいフェニル、置換基を有してもよいアラ
    ルキルを示す。)により表される基を示す。Dは水素、
    アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、置換基を有
    してもよいフェニル、置換基を有してもよいアラルキ
    ル、置換基を有してもよいヘテロアリールアルキルまた
    は式(a) 【化2】 (式中、R5 ,R6 は同一または異なって、それぞれ水
    素、アルキル、シクロアルキル、アシル、アルコキシカ
    ルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル
    アルキル、カルボキシアルキル、置換基を有してもよい
    フェニル、置換基を有してもよいアラルキルまたは置換
    基を有してもよいヘテロアリールアルキルを示すか、ま
    たはR5 ,R6 は結合して隣接する窒素原子とともに縮
    合していてもよい複素環を形成してもよく、当該複素環
    は置換基を有していてもよい。Eは置換基を有してもよ
    いアルキレンを示す。)により表される基を示す。Z,
    Yは同一または異なってそれぞれCHまたはNを示す。
    p,qは同一または異なってそれぞれ0、1または2を
    示す。mは1から1000の整数を示す。nは0から1
    000の整数を示す。A,Bは置換基を有してもよい炭
    素数2〜10のアルキレンを示す。ただし、mが1であ
    ってnが0を示す場合、Aは炭素数3〜10のアルキレ
    ン、かつDは水素、アルキル、シクロアルキル、ハロア
    ルキルまたは式(a)により表される基を示し、mが2
    から1000の整数であってnが0を示す場合、Aは炭
    素数3〜10のアルキレンを示し、nが1から1000
    の整数を示す場合、AとBの少なくとも一方は炭素数3
    〜10のアルキレンを示す。〕により表されるピリジン
    化合物またはその医薬上許容し得る塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のDがハロアルキルである
    請求項1記載のピリジン化合物またはその医薬上許容し
    得る塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I') 【化3】 〔式中、R1'は水素、ハロゲン、炭素数1〜5のアルキ
    ル、炭素数1〜5のアルコキシ、ヒドロキシまたは炭素
    数1〜5のハロアルキルを示す。R2',R3'は同一また
    は異なって、それぞれ水素または炭素数1〜5のアルキ
    ルを示す。R4 は水素または−COOR4a(式中、R4a
    はアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アル
    コキシアルキル、アシルオキシアルキル、アシルアルキ
    ル、カルボキシアルキル、カルバモイルアルキル、モノ
    アルキルカルバモイルアルキル、ジアルキルカルバモイ
    ルアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、置換基を
    有してもよいフェニル、置換基を有してもよいアラルキ
    ルを示す。)により表される基を示す。Dは水素、アル
    キル、シクロアルキル、ハロアルキル、置換基を有して
    もよいフェニル、置換基を有してもよいアラルキル、置
    換基を有してもよいヘテロアリールアルキルまたは式
    (a') 【化4】 (式中、R5',R6'は同一または異なって、それぞれ水
    素、炭素数1〜5のアルキル、置換基を有してもよいフ
    ェニル、置換基を有してもよいアラルキルまたは置換基
    を有してもよいヘテロアリールアルキルを示すか、また
    はR5',R6'は結合して隣接する窒素原子とともに縮合
    していてもよい複素環を形成してもよく、当該複素環は
    置換基を有していてもよい。Eは置換基を有してもよい
    アルキレンを示す。)により表される基を示す。Z,Y
    は同一または異なってそれぞれCHまたはNを示す。
    p’,q’は同一または異なってそれぞれ0、1または
    2を示す。m’は1から100の整数を示す。n’は0
    から100の整数を示す。A,Bは置換基を有してもよ
    い炭素数2〜10のアルキレンを示す。ただし、m’が
    1であってn’が0を示す場合、Aは炭素数3〜10の
    アルキレン、かつDは水素、アルキル、シクロアルキ
    ル、ハロアルキルまたは式(a')により表される基を示
    し、m’が2から100の整数であってn’が0を示す
    場合、Aは炭素数3〜10のアルキレンを示し、n’が
    1から100の整数を示す場合、AとBの少なくとも一
    方は炭素数3〜10のアルキレンを示す。〕により表さ
    れるピリジン化合物またはその医薬上許容し得る塩。
  4. 【請求項4】 一般式 (I') Dがハロアルキルである
    請求項3記載のピリジン化合物またはその医薬上許容し
    得る塩。
  5. 【請求項5】 一般式(I") 【化5】 〔式中、R1"は水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキ
    ル、炭素数1〜3のアルコキシ、ヒドロキシまたは炭素
    数1〜3のハロアルキルを示す。R4 は水素または−C
    OOR4a(式中、R4aはアルキル、ハロアルキル、ヒド
    ロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルオキシア
    ルキル、アシルアルキル、カルボキシアルキル、カルバ
    モイルアルキル、モノアルキルカルバモイルアルキル、
    ジアルキルカルバモイルアルキル、アルコキシカルボニ
    ルアルキル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を
    有してもよいアラルキルを示す。)により表される基を
    示す。Dは水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアル
    キル、置換基を有してもよいフェニル、置換基を有して
    もよいアラルキル、置換基を有してもよいヘテロアリー
    ルアルキルまたは式(a") 【化6】 (式中、R5",R6"は同一または異なって、それぞれ水
    素、炭素数1〜5のアルキルまたは置換基を有してもよ
    いアラルキルを示すか、またはR5",R6"は結合して隣
    接する窒素原子とともに縮合していてもよい複素環を形
    成してもよく、当該複素環は置換基を有していてもよ
    い。Eは置換基を有してもよいアルキレンを示す。)に
    より表される基を示す。p”は0、1または2を示す。
    q”は0を示す。m”は1から10の整数を示す。n”
    は0から10の整数を示す。A,Bは置換基を有しても
    よい炭素数2〜10のアルキレンを示す。ただし、m”
    が1であってn”が0を示す場合、Aは炭素数3〜10
    のアルキレン、かつDは水素、アルキル、シクロアルキ
    ル、ハロアルキルまたは式(a")により表される基を示
    し、m”が2から10の整数であってn”が0を示す場
    合、Aは炭素数3〜10のアルキレンを示し、n”が1
    から10の整数を示す場合、AとBの少なくとも一方は
    炭素数3〜10のアルキレンを示す。〕により表される
    ピリジン化合物またはその医薬上許容し得る塩。
  6. 【請求項6】 一般式(I")のDがハロアルキルである
    請求項5記載のピリジン化合物またはその医薬上許容し
    得る塩。
  7. 【請求項7】 2−((3−メチル−4−(4−(2,
    2,2−トリフルオロエトキシ)ブチルスルファニル)
    −2−ピリジル)メチルスルファニル)−1H−ベンゾ
    イミダゾールまたはその医薬上許容し得る塩。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のピリジ
    ン化合物またはその医薬上許容し得る塩からなる医薬。
  9. 【請求項9】 医薬が消化器系疾患の予防および治療薬
    である請求項8記載の医薬。
  10. 【請求項10】 消化器系疾患が胃潰瘍、十二指腸潰
    瘍、胃炎、下痢、大腸炎である請求項9記載の医薬。
  11. 【請求項11】請求項1〜7のいずれかに記載のピリジ
    ン化合物またはその医薬上許容し得る塩と、抗潰瘍薬と
    を含有する医薬組成物。
  12. 【請求項12】請求項1〜7のいずれかに記載のピリジ
    ン化合物またはその医薬上許容し得る塩と、抗潰瘍薬
    と、抗生物質もしくは抗原虫薬とを含有する医薬組成
    物。
  13. 【請求項13】抗潰瘍薬と併用されることを特徴とする
    請求項8記載の医薬。
  14. 【請求項14】抗潰瘍薬および抗生物質もしくは抗原虫
    薬と併用されることを特徴とする請求項8記載の医薬。
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