JPH1036117A - 塩浴中で鋼部品を熱処理する際に生じる、硝酸塩・亜硝酸塩・水酸化物含有廃塩から塩成分を選択的に回収する方法 - Google Patents
塩浴中で鋼部品を熱処理する際に生じる、硝酸塩・亜硝酸塩・水酸化物含有廃塩から塩成分を選択的に回収する方法Info
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- JPH1036117A JPH1036117A JP9125597A JP9125597A JPH1036117A JP H1036117 A JPH1036117 A JP H1036117A JP 9125597 A JP9125597 A JP 9125597A JP 9125597 A JP9125597 A JP 9125597A JP H1036117 A JPH1036117 A JP H1036117A
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Abstract
酸塩・硝酸塩・水酸化物含有廃塩から塩成分を選択的に
回収する方法を見出す。 【解決手段】廃塩を1〜50mmの粒度に粉砕し、硝酸
酸性過酸化水素に、窒素酸化物を生成することなく溶解
し、蒸発濃縮および冷却により順次に硝酸カリウム、塩
化ナトリウムおよび硝酸ナトリウムを分別して晶出させ
る。 【効果】簡単に実施できかつ直接再利用可能な塩が高い
収率で得られる。
Description
熱処理する際に生じる、硝酸塩・亜硝酸塩・水酸化物含
有廃塩から塩成分を選択的に回収するため、廃塩を水に
溶解し、不溶性残留物を分離し、アルカリ硝酸塩を分別
晶出させる方法に関する。
に、久しく熱処理法が使用される。その際、加工片を塩
溶融液中で処理する塩浴技術が磨耗保護工業のおいて重
要な位置を占める。殊に加炭浴中での処理後部品の冷却
のために、亜硝酸塩・硝酸塩・水酸化物含有塩浴が使用
される。これら塩浴の主成分は、アルカリ金属ナトリウ
ムおよびカリウムの亜硝酸塩、硝酸塩および水酸化物で
ある。さらに、これら塩浴は通常なお少量のバリウムお
よび塩化物および大量の炭酸塩を含有する。塩溶融液中
で、鋼部品に付着するシアン化物塩が酸化され、鋼の腐
食抵抗が著しく増加する。これらの浴中でのとくに有利
な冷却速度により、殊に高い強度および高い硬度が得ら
れる。塩溶融液は加工片表面からスケール粒子が剥落す
ることにより汚染され、化学反応のために活性塩浴成分
が消費されるので、浴は規則的間隔でスラッジ除去し、
新しい塩を補充しなければならない。このスラッジはな
お50〜99%が塩成分からなり、廃塩として地下廃棄
物処理所に投棄しなければならない。
いものとされていたので、廃塩問題を緩和するための努
力は堆積可能性の改善および部分的除毒に集中する。
るための解決発端は、たとえば雑誌CAV45(197
3)、69〜75ページおよびChemie−Ing.
−Technik45(1973)、1285〜128
9ページに記載されている。これらの方法は、硝酸塩含
有廃塩およびシアン化物含有廃塩の同時処理を意図す
る。その際、塩溶融液中でシアン化物は亜硝酸塩および
硝酸塩との反応により除毒され、過剰の亜硝酸塩および
硝酸塩の分解は下等コークスの添加によって達成され
る。次の溶解工程において、炭酸バリウムを他の可溶性
塩から分離することができる。この方法の決定的な欠点
は、殊にシアン化物含量が、いくつかの浴タイプにおけ
るように、5%の限界値を越える時に、塩溶融液中での
シアン化物除毒の際に爆発様反応が惹起することであ
る。従って、反応経過の制御は大きい分析費用なしでは
殆ど不可能である。さらに、この反応において有毒な排
ガス(NOxおよびCO)が生じ、これをたとえば接触
的に燃焼しなければならない。他の工程、炭酸バリウム
の沈殿工程において、高い塩含量を有する排水が生じ、
これに対する回収の記載はされていない。
は、ドイツ国特許(DE−OS)2400318号およ
びドイツ国特許(DE−OS)2400319号に開示
されている。溶融液中450〜550℃で実施されるシ
アン化物除毒後、廃塩は熱水で浸出される。大部分炭酸
バリウムからなる残留物が分離され、たとえば塩化バリ
ウムへの処理に供給される。溶解した炭酸塩は、硝酸の
添加により二酸化炭素に変換され、塩化物量は水の蒸発
により10〜15重量%に減少し、その際塩化ナトリウ
ムは結晶化物として得ることができる。残溶液は160
℃で乾燥され、硝酸塩および亜硝酸塩ならびに2%の塩
化ナトリウムおよび塩化カリウムからなる塩混合物は、
直接再び焼入れ部において使用することができる。しか
しこの方法も欠点を有し、大工業的反応は阻止された。
それで、硝酸の添加の際にNOxガスが大量に遊離し、
接触的に燃焼しなければならない。溶液中へ硝酸バリウ
ムを投入することによる酸添加の回避も、付加的工程を
必要とする。殊に、得られる塩の純度は、焼入れ塩製造
のための原料に対する要求に合致せず、強く変動する使
用した廃塩の組成に強く依存する。得られた硝酸塩.亜
硝酸塩.塩も、変動する組成に基づき直接に再使用でき
ず、とくに残留する塩化物濃度が工業的要求に合致しな
い。さらに過去においては、蓄熱装置の使用により生じ
る廃塩の組成はシアン化物および炭酸塩含量が小さくな
り、塩化物含量が大きくなる方向に変化する。記載した
方法は、付加的工程なしにはこれらの変化した基本条件
を考慮することができない。
るが、これらの方法は直接に焼入れ部廃塩からのアルカ
リ硝酸塩の回収には転用できない、それというのもここ
では異なる原料の組成を考慮しなければならずかつ他の
方法条件を配慮しなければならないからである。
は、簡単に実施できかつ直接再利用可能な塩が高い収率
で得られる、塩浴中で鋼部品の熱処理の際に生じる亜硝
酸塩・硝酸塩・水酸化物含有廃塩から、廃塩を水に溶解
し、不溶性残留物を分離し、アルカリ硝酸塩を分別晶出
させることにより塩成分を選択的に回収する方法を見出
すことであった。
り、固体廃塩を1〜50mmの粒度に粉砕し、硝酸酸性
の過酸化水素含有溶液に溶解し、不溶性残留物を濾別し
た後に中和した濃塩溶液を−10〜+20℃に冷却する
ことにより硝酸カリウムを沈殿させ、溶液を60〜12
0℃でさらに濃縮することにより塩化ナトリウムを晶出
させ、残溶液から濃硝酸の添加により硝酸ナトリウムを
晶出させることにより解決される。
アルカリの添加により微弱アルカリ性媒体中に場合によ
り存在するバリウムを炭酸バリウムとして沈殿させ、分
離する。
される。
れ部廃塩を1mm〜50mm、有利には5mmから10
mmの粒度に粉砕した後、硝酸酸性過酸化水素含有出発
混合物中で浸出することにより塩成分は完全に溶解する
ことが見出された。その際、同時に亜硝酸塩イオンは硝
酸塩に酸化され、ならびに炭酸塩および水酸化物は硝酸
塩の生成下に中和される。出発混合物中に過酸化水素の
存在により、期待に反して、亜硝酸塩を粗大粒状で投入
すれば硝酸酸性出発混合物と接触する際にNOxガスは
遊離しない。これは、比較的少ない反応表面積および生
成するNOxガスが溶液中で過酸化水素と直ちにさらに
反応することによって説明できる。さらに、溶液中での
この試薬の組合せにより、場合により不正確に表示され
るシアン化物含有塩を亜硝酸塩および過酸化水素との反
応により問題なく除毒することが保証される。方法の制
御は、pH値の調節およびレドックス電位の測定によっ
て行うことができる。他の利点は、酸化および中和の際
に遊離する反応熱が吸熱溶解過程を補償することであ
る。これにより、50℃〜80℃の溶解温度が生じ、こ
れにより非常に高い塩濃度の達成が可能になる。それ
で、65%の硝酸50kgおよび50%の過酸化水素溶
液50kgからなる出発混合物に、硝酸塩含有廃塩10
0kg〜200kgを溶解することができる。
在するバリウムは炭酸バリウムとして沈殿させ、こうし
て他の不溶性汚染物と一緒に濾過により分離することが
できる。
晶出によって得ることができる。その際、硝酸カリウ
ム、塩化ナトリウム、引き続き硝酸ナトリウムの順序で
の目指す晶出により、塩を実際完全に高い純度で回収す
ることが達成される。その際、方法パラメーターはイオ
ン選択性電極によって監視できる。
℃の間の温度に冷却することにより純粋な形で晶出させ
ることができる、それというのもナトリウム塩の溶解度
は温度により殆ど影響されず、ナトリウム塩は溶液中に
とどまるからである。たとえば硝酸カリウム30重量
%、硝酸ナトリウム30重量%および塩化ナトリウム5
重量%を有する溶液から溶液を0℃に冷却することによ
り、溶解した硝酸カリウムの66%を晶出させることが
できる。硝酸カリウム溶液で簡単に洗浄することによ
り、結晶から付着溶液が除去される。それで、溶液組成
に最適な晶出温度を選択すれば96%以上の純度を有す
る硝酸カリウムが得られる。
液を60℃と120℃の間の温度で濃縮する場合、硝酸
および過酸化水素溶液により供給された水が蒸発し、塩
化ナトリウムは濃度約3重量%になるまで晶出する。
ナトリウムが分離される。その際意外にも双方の硝酸塩
は異なる挙動をするので、硝酸ナトリウムを98%以上
の非常に高い純度で得ることができ、洗浄することによ
り純度はむしろ99%以上に上げることができる。溶液
中の硝酸ナトリウムの濃度を5〜15重量%に下げるた
めには、10重量%と30重量%の間の硝酸濃度が必要
であり、その際より高い硝酸濃度は硝酸ナトリウム濃度
の強い低下を惹起する。付着する硝酸を有する塩を加熱
することにより、塩中のなお少量の塩化物分量は完全に
ガス状の塩化水素に変換することができるので、軽微に
水酸化物を含有する硝酸ナトリウム溶液中で中和した後
に最高の純度の要求を満足する生成物が得られる。
本発明による方法の流れ図を示す。廃塩の粉砕後、硝酸
酸性の過酸化水素含有出発混合物中での浸出が行なわれ
る。炭酸バリウムおよび他の不溶性固体が分離される。
溶液から個々の塩が、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、
硝酸ナトリウムの順序で選択的晶出により分離される。
残留する硝酸酸性溶液は、他の廃塩の浸出のために戻さ
れる。
度に粉砕した。廃塩を10kgずつの部分量で処理し
た。このために廃塩を55℃で、65%の硝酸2.7k
gならびに50%の過酸化水素溶液4kgを含有する出
発混合物中で浸出した。ポリマーの凝集剤を用いて、溶
液から不溶性汚染物を除去した。炭酸カリウム0.1k
gを添加し、pH値を水酸化カリウムの添加により9に
調節し、バリウムを炭酸塩として沈殿させた。その後、
硝酸でpH7に中和した溶液を−5℃に冷却し、晶出し
た硝酸カリウムを分離した。その都度水4.1lを蒸発
させることにより、塩化ナトリウムが温度105℃で晶
出した。濃溶液に上述量の硝酸を加え、これにより晶出
した硝酸ナトリウムを−10℃で分離しならびに100
℃に加熱することにより付着塩化物を除去した。硝酸酸
性溶液に、上記に記載した量の過酸化水素を加え、次の
バッチの浸出のために戻した。
100kgを10mmの粒度に粉砕した。廃塩を10k
gずつの部分量で処理した。このため、廃塩を65℃
で、65%の硝酸15.1kgならびに50%の過酸化
水素溶液1.7kgを含有する出発混合物中で浸出し
た。ポリマーの凝集剤を用いて、不溶性汚染物を除去し
た。炭酸カリウム3gを添加し、水酸化カリウムを約9
のpH値に達するまで添加することにより、溶液からバ
リウムを炭酸塩として沈殿させた。その後、硝酸でpH
7に中和した溶液を10℃に冷却し、晶出した硝酸カリ
ウムを分離した。水3.4lを蒸発させることにより、
温度90℃で塩化ナトリウムを晶出させた。濃溶液に、
30℃で上述量の硝酸を加え、これにより晶出した硝酸
ナトリウムを濾別した後、100℃に加熱することによ
り付着塩化物を除去した。硝酸酸性溶液に、上記に記載
した量の過酸化水素を加え、浸出のために戻した。
0kgを10mmの粒度に粉砕した。廃塩を、10kg
ずつの部分量で処理した。このため廃塩を65℃で、6
5%の硝酸2.8kgならびに50%の過酸化水素溶液
5.2kgを含有する出発混合物中で浸出した。ポリマ
ーの凝集剤を用い、不溶性汚染物を分離した。炭酸カリ
ウム0.08kgを添加し、水酸化カリウムを約9のp
H値に達するまで加えることにより、バリウムを炭酸塩
として沈殿させ、分離した。その後、硝酸でpH9に中
和した溶液を−10℃に冷却し、晶出した硝酸カリウム
を分離した。水3.4lを蒸発させることにより、温度
105℃で塩化ナトリウムを晶出させた。濃溶液に、上
記に記載した量の硝酸を加え、温度10℃で晶出した硝
酸ナトリウムを分離した。引き続き、100℃に加熱す
ることにより、付着塩化物を除去した。硝酸酸性溶液
に、上記に記載した量の過酸化水素を加え、浸出のため
に戻した。
00kgを10mmの粒度に粉砕した。廃塩を10kg
ずつの部分量で処理した。このため廃塩を50℃で、6
5%の硝酸6.8kgならびに50%の過酸化水素溶液
0.05kgを含有する出発混合物中で浸出した。ポリ
マーの凝集剤を用い、溶液から不溶性汚染物を除去し
た。炭酸カリウム0.03kgを添加し、水酸化カリウ
ムを約9のpH値に達するまで加えることにより、バリ
ウムを炭酸塩として沈殿させた。その後、硝酸でpH7
に中和した溶液を15℃に冷却し、晶出した硝酸カリウ
ムを分離した。水2.4lを蒸発させることにより、温
度100℃で塩化ナトリウムを晶出させた。濃溶液に、
上述量の硝酸を加え、これにより晶出した硝酸ナトリウ
ムを−5℃で分離しならびに100℃に加熱することに
より付着塩を除去した。硝酸酸性溶液に上記に記載した
量の過酸化水素を加え、浸出のために戻した。
0kgを、見出されたパラメーターから逸脱して処理し
た。塩を、0.5mm以下の粒度に粉砕し、10kgず
つの部分量で65℃で、65%の硝酸2.7kgならび
に50%の過酸化水素溶液4kgを含有する出発混合物
中で浸出した。その際、若干のニトロ−ゼガス(N
Ox)が遊離した。ポリマーの凝集剤を用い、溶液から
不溶性汚染物を除去した。炭酸カリウム1kgを添加
し、水酸化カリウムを約9のpHに達するまで加えるこ
とにより、バリウムを炭酸塩として沈殿させた。その
後、硝酸でpH7に中和した溶液を30℃に冷却し、晶
出した硝酸カリウムを分離した。水4.1lを蒸発させ
た後、温度50℃で塩化ナトリウムを晶出させた。濃溶
液に、上述量の硝酸を加え、これにより晶出した硝酸ナ
トリウムを0℃で分離した。硝酸酸性溶液を、上記に記
載した量の過酸化水素を加え、浸出のために戻した。
逸脱する場合、回収される塩は不純になり、廃塩を溶解
する際に窒素酸化物が出現することを示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩浴中で鋼部品を熱処理する際に生じ
る、硝酸塩・亜硝酸塩・水酸化物含有廃塩から塩成分を
選択的に回収するため、廃塩を水に溶解し、不溶残留物
を分離し、アルカリ硝酸塩を分別晶出させる方法におい
て、固体廃塩を1〜50mmの粒度に粉砕し、硝酸酸性
過酸化水素含有溶液に40〜90℃で溶解し、不溶残留
物を濾別した後、中和した濃厚塩溶液を−10〜+20
℃に冷却することにより硝酸カリウムを沈殿させ、溶液
を60〜120℃でさらに濃縮することにより塩化ナト
リウムを晶出させ、残溶液から濃硝酸の添加により硝酸
ナトリウムを晶出させることを特徴とする塩浴中で鋼部
品を熱処理する際に生じる、硝酸塩・亜硝酸塩・水酸化
物含有廃塩から塩成分を選択的に回収する方法。 - 【請求項2】 廃塩を溶解した後、場合により存在する
バリウムを、微弱アルカリ性媒体中で炭酸塩およびアル
カリの添加により炭酸バリウムとして沈殿させ、分離す
ることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 固体廃塩を5〜10mmの粒度に粉砕す
ることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
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