JPH10360A - メタノール合成用触媒、その製造方法、及びメタノール合成法 - Google Patents

メタノール合成用触媒、その製造方法、及びメタノール合成法

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JPH10360A
JPH10360A JP8173062A JP17306296A JPH10360A JP H10360 A JPH10360 A JP H10360A JP 8173062 A JP8173062 A JP 8173062A JP 17306296 A JP17306296 A JP 17306296A JP H10360 A JPH10360 A JP H10360A
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copper
ions
zinc
methanol
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JP8173062A
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Yoshihisa Sakurai
敬久 櫻井
Hisanori Fujimoto
尚則 藤本
Izumi Sho
泉 庄
Takashi Suzuki
崇 鈴木
Takashi Yoshizawa
隆 吉澤
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硫黄耐性、高活性及び高選択性を有するメ
タノール合成用触媒、その触媒の製造方法、並びに、そ
の触媒を使用したメタノール合成法を提供する 【解決手段】 本触媒は、水素と二酸化炭素からメタノ
ールを合成するための複合酸化物触媒であって、主成分
として銅と亜鉛の組成比が酸化物の重量比で0.5:1
〜10:1、望ましくは1:1〜5:1の範囲の銅と亜
鉛とを含み、かつ助成分として周期律表第4族、第6族
及び第13族元素から選ばれた1種類以上の元素成分を
合計で酸化物の重量比で触媒重量の1〜70%、望まし
くは10〜60%の範囲で含む。本触媒は、混合溶液の
pHを6.7〜7.6に保ちつつ銅、亜鉛及び少なくと
も一種の助成分の金属塩水溶液とアルカリ含有水溶液を
混合し、混合終了後pHを7.7〜8.6に調節して得
られる沈殿物を、乾燥、成形、焼成して得られるメタノ
ール合成用触媒である。本触媒は、水素還元した後の触
媒上への酸素吸着量が、6.0ml(stp )/g以上で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタノール合成用
触媒、その製造方法及びメタノール合成法に関し、更に
詳細には、高活性、高選択性及び高硫黄耐性を備えたメ
タノール合成用触媒、その製造方法及びその触媒を使用
したメタノール合成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタノールは、種々の化学品製造用の基
礎原料として多用される重要な有機化合物である。例え
ば、メタノールは、アルデヒド、アルキルベンゼン、エ
チレングリコール等の化学工業原料として、また、近
年、ガソリン基材として注目されているメチルターシャ
リーブチルエテール(MTBE)の原料として大量に使
用され、更には、単独で液体燃料としての用途もある。
また、メタノールは、種々の物質に対する溶剤としても
広い分野で使用されている。従来、メタノールは、天然
ガス等の低級炭化水素の水蒸気改質反応によって得られ
る合成ガスを、次の式(1)に示すように、250℃程
度の低温、50〜100気圧の高圧の反応条件下でCu
O−ZnO系触媒に接触させることにより合成されてい
る。 CO+2H2 →CH3 OH ΔH0 =−91.0 kJ/mol (1)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、合成ガスから
メタノールを合成する従来の方法では、式(1)に示す
ように、合成反応が、91.0 kJ/mol という大きい発
熱量の発熱反応であるために、反応時の触媒層温度が上
昇し易く、温度制御が難しいという問題があった。更に
は、触媒の活性成分である銅が、反応熱により焼結(シ
ンタリング)するなどの問題もあった。
【0004】ところで、最近の学術研究から、合成ガス
からのメタノール合成の際に、微量の二酸化炭素を混入
させると反応速度が向上することが見い出され、反応速
度論的には、合成ガスからのメタノール合成よりは、寧
ろ水素と二酸化炭素からのメタノール合成が優れている
と報告されている(例えば、Arakawa ら、 Studies in
Surface Science and Catalysis, Vol.77, p.389(199
3))。また、水素と二酸化炭素を原料とするメタノール
合成反応は、次の式(2)に示すように、式(1)に示
した合成ガスからのメタノール合成反応と同様に発熱反
応であるが、その発熱量が式(1)に比べて、約1/2
に減少する。 CO2 +3H2 →CH3 OH+H2 O ΔH0 =−49.8 kJ/mol (2)
【0005】合成ガスからのメタノール合成反応の際に
微量の二酸化炭素を加えると反応速度が大きくなるとい
う報告、及び、水素と二酸化炭素を原料とするメタノー
ル合成では発熱量が小さく、従って発熱に伴う問題が軽
微であることを考慮すると、合成ガスからのメタノール
合成より、寧ろ水素と二酸化炭素とからメタノールを合
成する方が、技術的かつ経済的に好ましいと評価でき
る。更には、近年、地球温暖化現象が問題化し、この解
決が急がれているが、二酸化炭素は、温暖化寄与率が最
も高いことを考慮すると、二酸化炭素を原料とするメタ
ノール合成は、この点からも好ましい。
【0006】ところで、水素と二酸化炭素とからメタノ
ールを合成する方法には、以下の問題がある。まず、式
(1)と式(2)との比較から判るように、1モルのメ
タノールを合成するために必要な水素量は、水素と二酸
化炭素からメタノールを合成する方が多い。従って、水
素と二酸化炭素からのメタノール合成をより一層経済的
にするには、コストの低い水素源が必要であって、石油
留分のスチームリフォーミング法により製造した水素
が、好ましい水素源として注目されている。しかし、こ
の水素中には僅かな硫黄分が含まれ、触媒毒となって活
性を低下させるという問題がある。また、水素と二酸化
炭素からのメタノール合成反応では、熱力学平衡の観点
から低温・高圧の反応条件が好ましく、一方、化学的に
安定な二酸化炭素を活性化させるには反応温度を高温に
することが必要であることなどから、反応条件を設定す
る上で種々の厳しい制約が生じる。
【0007】以上の問題を解決して、水素と二酸化炭素
とからメタノールを経済的に合成するには、耐硫黄被毒
性を有し、かつ比較的低い温度で活性の高い触媒成分を
高分散化した触媒の実現が待たれている。しかし、これ
を満足する触媒系が見当たらないのが現状である。そこ
で、本発明の目的は、高硫黄耐性、高活性及び高選択性
を有するメタノール合成用触媒、その触媒の製造方法、
並びに、その触媒を使用したメタノール合成法を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高硫黄耐
性、高活性及び高選択性を得るためには、活性成分を高
分散させることが必要であること、また、活性成分であ
る銅には酸素が極低温で化学吸着することが知られてお
り(例えば、G.E.Parrisら、Journal of Catalysis, vo
l.97, p.374(1986) )、従って、分散性が高い触媒にあ
っては、酸素吸着量が大きくなると考えられるので、酸
素吸着量の多寡により触媒の活性成分分散性を評価でき
ることに着目した。
【0009】そして、実験の結果、高硫黄耐性で高活性
を得るためには、水素還元した後の触媒の酸素吸着量
が、6.0ml(stp )/g以上であることが必要であ
ると見い出した。換言すれば、酸素吸着量が6.0ml
(stp )/g以上であれば、触媒が、十分な触媒活性を
有するに必要な広い活性金属表面積を有すると評価でき
る。なお、活性化を行わず同様な吸着実験を行った場
合、触媒上には酸素は吸着しない。酸素吸着量を測定す
るには、イソペンタン−液体窒素冷媒を用いて常圧下で
−120℃〜−160℃の範囲で温度を一定にした吸着
槽を使用し、予め活性化した触媒に純酸素を吸着させ
て、酸素吸着量を求める。尚、この測定条件下では、触
媒上への酸素の物理吸着量は、化学吸着量に比べて極微
量であるから、無視できる。
【0010】本発明者らは、更に、実験を重ねた研究の
結果、触媒の製造に際し、触媒成分の金属塩を溶解した
水溶液とアルカリ水溶液とを混合する工程、それに続く
共沈殿物形成工程において、混合溶液のpHをある範囲
に特定して、触媒成分を沈殿させ、この沈殿物を焼成し
て得た触媒は、酸素吸着量が6.0ml(stp )/g以
上であり、メタノール収率が高いことを見い出した。
【0011】以上の知見に基づいて、本発明に係るメタ
ノール合成用触媒は、水素と二酸化炭素とを主成分とす
る原料ガスからメタノールを合成するメタノール合成用
触媒であって、触媒主成分として銅と亜鉛の組成比が酸
化物の重量比で0.5:1〜10:1、望ましくは1:
1〜5:1の範囲の銅と亜鉛とを含み、かつ触媒助成分
として周期律表第4族、第6族及び第13族元素から選
ばれた1種類以上の元素成分を合計で酸化物の重量比で
触媒重量の1〜70%、望ましくは10〜60%の範囲
で含む、複合酸化物触媒として構成され、水素還元した
後の触媒の酸素吸着量が、6.0ml(stp )/g以上
であることを特徴としている。
【0012】また、本発明の複合酸化物触媒は、触媒主
成分たる銅及び亜鉛の金属塩並びに触媒助成分の金属塩
を水に溶解して得た、銅イオン、亜鉛のイオン及び触媒
助成分イオンと、硝酸イオンとが共存する第1の水溶液
を調製し、混合溶液のpHを6.7〜7.6に保ちつつ
第1の水溶液とアルカリを溶解した第2の水溶液とを混
合して、混合溶液を調製し、調製終了後、混合溶液のp
Hを7.7〜8.6に調節して共沈殿物を形成させ、そ
の共沈殿物を焼成して得た複合酸化物触媒であることを
特徴としている。
【0013】本発明に係るメタノール合成用触媒におい
て、銅と亜鉛の組成比率が、特定した範囲の外にある
と、銅と亜鉛の相互作用が損なわれ、結果として触媒性
能が低下する。また、助成分の組成比率が特定した範囲
の下限を下回ると助成分としての役割が損なわれ、逆
に、助成分の組成比率が特定した範囲の上限を越えると
活性成分である銅が不足するため好ましくない。また、
触媒の比表面積の低下、機械的強度の低下、更には、銅
のシンタリングが起こるなどの問題が生じ易い。なお、
本発明の効果を損なわない範囲で他の元素成分を微量添
加することを妨げない。また、触媒成形の際にバインダ
ーや離形剤を添加しても良い。
【0014】本発明において、触媒助成分とは、触媒主
成分たる銅及び亜鉛以外の成分の総称である。周期律表
第4族に属する元素としては、チタン、ジルコニウム、
ハフニウム等を挙げることができるが、特にチタン及び
ジルコニウムが好ましい。第6族元素としては、クロ
ム、モリブデン、タングステン等を挙げることができる
が、特にクロムが好ましい。第13族元素としては、ホ
ウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム及びタリウ
ムを挙げることができるが、特にアルミニウム及びガリ
ウムが好ましい。
【0015】本発明に係るメタノール合成用触媒の製造
方法は、請求項1又は2項に記載のメタノール合成用触
媒の製造方法であって、触媒主成分として銅と亜鉛の組
成比が酸化物の重量比で0.5:1〜10:1、望まし
くは1:1〜5:1の範囲の銅と亜鉛とを含み、かつ、
触媒助成分として周期律表第4族、第6族及び第13族
元素から選ばれた1種類以上の元素成分を合計で酸化物
の重量比で触媒重量の1〜70%、望ましくは10〜6
0%の範囲で含むように、銅イオン、亜鉛イオン及び触
媒助成分イオンと硝酸イオンとを共存させた第1の水溶
液を、全てのイオンを共存させた1種類の水溶液とし
て、又は硝酸イオンと少なくともいずれかの金属イオン
とを共存させた複数種類の異なる水溶液として、調製す
る工程と、混合溶液のpHを6.7〜7.6に保ちつつ
第1の水溶液とアルカリを溶解した第2の水溶液とを混
合して、混合溶液を調製する工程と、混合溶液の調製終
了工程後、混合溶液のpHを7.7〜8.6に調節して
共沈殿物を形成させる工程と、得た共沈殿物を300〜
400℃、好ましくは330〜370℃の範囲の温度で
焼成する工程とを備えることを特徴としている。
【0016】次に、本発明のメタノール合成用触媒の製
造方法を詳細に述べる。銅イオン、亜鉛イオン、触媒助
成分イオン及び硝酸イオンが共存した第1の水溶液を調
製する銅金属塩及び亜鉛金属塩としては、それぞれ、硝
酸銅三水和物(Cu(NO3 2 ・3H2 O)、硝酸亜
鉛六水和物(Zn(NO3 )・6H2 O)等の硝酸塩水
和物を好ましく使用できる。しかし、銅金属塩及び亜鉛
金属塩は、必ずしも硝酸塩である必要はなく、硝酸イオ
ンと銅イオン、硝酸イオンと亜鉛イオンとが共存した水
溶液になるものである限り、特に制約はない。例えば、
銅及び亜鉛の、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、酢酸
塩等を水に入れ、過剰の濃硝酸を添加して、金属塩の硝
酸水溶液としたものも好ましく用いることが出来る。ま
た、触媒助成分の金属塩としては、硝酸イオンと触媒助
成分イオンとが共存した水溶液になるものである限り制
約はないが、特に硝酸塩、又はオキシ硝酸塩が好まし
い。
【0017】第2の水溶液を調製するアルカリとして
は、Na2 CO3 、NaHCO3 、NaOH、K2 CO
3、KHCO3 、KOHなどのナトリウム塩、カリウム
塩などのアルカリ塩およびそれらの混合物を好ましく用
いることができる。同時滴下時の混合溶液のpHを調整
し易いとの観点から、Na2 CO3 、NaHCO3 等の
ナトリウム塩が特に好ましい。また、特定したpH領域
にpHを調整することが容易になるのであれば、緩衝溶
液を使用することも出来る。例えば、Clark-Lubsの緩衝
液のうち、リン酸水素カリウム−水素化ナトリウム、So
rensenの緩衝液、Kolthoffの緩衝液などを使用できる。
これら緩衝液を用いる時には、リン酸イオン、ほう酸イ
オン等の原子団が残存する可能性もあるので、通常は、
アルカリとしてNa2 CO3 またはNaHCO3 を使用
することが好ましい。
【0018】水溶液調製及び共沈殿物形成方法として
は、複数の種類の金属塩を溶解した水溶液とアルカリ水
溶液とを同時に滴下し、複数の種類の金属の複合酸化物
を同時に沈殿させる方法、各金属塩をそれぞれ溶解させ
た水溶液とアルカリ水溶液とを同時滴下して、各沈殿物
をそれぞれ別個に生成させた後に混合する方法、更には
これら2つを組み合わせた方法などが挙げられ、特に限
定はない。要するに、アルカリ塩水溶液と金属塩水溶液
の同時滴下により、銅、亜鉛及び助成分のそれぞれ沈殿
物を形成する工程が含まれれば良い。
【0019】同時滴下時の混合溶液のpHは、6.7〜
7.6の範囲で一定に保たれるように操作する。滴下速
度は、攪拌の度合いにも依るが、1リットル程度の容器
内で行うのであれば、10ml/min以下で滴下すれ
ば良い。同時滴下終了後、混合溶液のpHを7.7〜
8.6の範囲に調節する。これは、沈殿物の溶液中への
流出を防ぎ、均一で密な粒子を生成させるためである。
なお、pH調節の手段は、特に限定されないが、例えば
アルカリ水溶液を更に滴下する等の手段を好ましく使用
できる。沈殿物を生成する際の温度は、0〜90℃の範
囲で一定に保つのが望ましい。水溶液の凝固、沸騰等が
起こらず、操作が簡便であるとの観点から、10〜50
℃の温度範囲で一定に保のが特に望ましい。
【0020】本発明方法の好適な実施態様は、第1の水
溶液を調製する工程では、第1の水溶液中の銅及び亜鉛
の硝酸塩並びに触媒助成分の硝酸塩又はオキシ硝酸塩の
濃度が、それぞれ0.01mol/l以上であって、か
つ銅イオン、亜鉛イオン及び触媒助成分イオンの総量
が、0.1〜1mol/lの範囲になるように、全ての
塩を溶解した1種類の水溶液を調製する。沈殿物を形成
する過程で同時に滴下を行えば、pHが常に一定となり
均一で密な粒子が生成し活性成分の分散性が向上する。
触媒活性は本過程におけるpHに大きく影響を受けるた
めpH制御は非常に重要である。
【0021】銅、亜鉛及び触媒助成分の沈殿物の吸引濾
過及び蒸留水による洗浄を繰り返すことにより、沈殿物
の不純物を取り除き、アルカリイオン濃度を0.1%以
下に抑えるようにする。これは、活性成分である銅の触
媒上での表面積の減少を抑え、高い触媒性能を発現する
ために行う。その後、乾燥させ、水分を除去する。乾燥
の手法には、特に制約はないが、100〜120℃の温
度範囲で常圧もしくは減圧で乾燥すれば良い。乾燥時間
は試料量にもよるが1〜20時間が好ましい。次いで、
機械的強度を保持するために成形を行う。成形の手法に
は、打錠成形、押し出し成形、ホットプレス成形等の既
知の手法を好ましく用いることができ、打錠形成が最も
好ましい。触媒の形状としては円柱状、リング状、球状
などの触媒形状が好ましく、円柱状が特に好ましい。
【0022】上述の工程を経た触媒を300〜400
℃、好ましくは330〜370℃の範囲の温度で焼成す
ることにより、本発明に係るメタノール合成用触媒を得
ることができる。温度範囲の下限を下回ると触媒の酸化
状態が均一にならず、所望レベルの触媒性能は得られな
い。また、反応中に熱履歴を起こす虞もあり好ましくな
い。逆にこの上限を越えると、活性成分のシンタリング
や複合酸化物が生じ易くなり、好ましくない。焼成後の
強度は、10kg以上のDWL(dead weight load)値
を示すようにするのが良い。この数値未満では、反応中
に触媒の粉化が起こることがあるため、好ましくない。
本発明に係る製造方法により製造したメタノール合成用
触媒の組成を誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)に
より分析したところ、触媒主成分及び触媒助成分の仕込
み量とほぼ同じ金属組成になっていることが確認されて
いる。
【0023】本発明に係るメタノール合成用触媒を使用
するには、先ず、水素雰囲気で200〜300℃、好ま
しくは230〜270℃の温度範囲で触媒を還元し、活
性化処理を施す。温度範囲の下限を下回ると、触媒の銅
の原子価状態が不均一で活性点量が不充分となるため、
所望レベルの触媒性能は得られない。逆に上限を越える
と、活性成分のシンタリングが起こり易くなり、活性低
下を引き起こす。活性化処理では、純水素ガス、不活性
ガスで水素を希釈したH2 −N2 混合ガス、H2 −Ar
混合ガス、H2 −He混合ガス等の混合ガス、H2 −H
2 O混合ガス等を処理ガスとして好ましく使用できる。
還元圧力は、0.01MPa〜10MPaの範囲が好ま
しく、0.1MPa〜1MPaが特に好ましい。還元時
間は試料の量によるが1〜20時間が好ましい。
【0024】本触媒を使用する際の原料ガスは、CO、
CO2 等の酸化炭素とH2 の混合ガスを好ましく使用で
き、原料ガスがH2 S、SOX (1≦X≦4)等の硫黄
酸化物および含酸素硫黄化合物、メルカプタン、チオフ
ェン、ジベンゾチオフェン等のチオフェン類に代表され
る含硫黄炭化水素等の含硫黄化合物を含有していてもよ
い。一般に、含硫黄化合物は触媒上に強吸着し、触媒を
被毒させるが、本発明に係るメタノール合成用触媒は、
活性成分が高分散されているので、200容量ppm以
下、好ましくは110容量ppm 以下の上記含硫黄化合物
を含む原料ガスから、2〜10MPaの範囲の反応圧
力、200〜300℃の範囲の反応温度、及び、2,0
00〜30,000h-1の範囲のGHSVの反応条件で
高いメタノール収率でメタノールを合成することができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて、本発明
の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。尚、実施例
の数値、成分の種類等は、本発明を理解させるための便
宜上の例示であって、本発明は以下の実施例に限定され
ない。実施例1 本実施例は、本発明に係るメタノール合成触媒及びその
製造方法の一の実施例である。本実施例では、先ず、1
04.0gの硝酸銅三水和物(Cu(NO3 2 ・3H
2 O)、125.1gの硝酸亜鉛六水和物(Zn(NO
3 )・6H2 O)、及び、56.0gの硝酸アルミニウ
ム九水和物(AI(NO3 3 ・9H2 O)をそれぞれ
秤量してビーカに入れ、次いで蒸留水を加えて1リット
ルの水溶液を調製した。このような配合で水溶液を調製
することにより、金属成分の合計濃度は、1mol/l
になる。一方、これとは別に1mol/lの濃度の炭酸
ナトリウム水溶液を調製した。次いで、混合溶液の温度
を30℃、pHを7.0に保ちつつ、これら2種類の水
溶液を強攪拌下で同時に滴下、混合し、混合溶液を得
た。滴下終了後、更に、炭酸ナトリウム水溶液のみ滴下
し、混合溶液のpHを8.0に調節し、銅、亜鉛及びア
ルミニウムの各金属塩を共沈させ、それらの共沈殿物を
得た。この共沈殿物を蒸留水で洗浄し、吸引濾過した
後、110℃で一昼夜乾燥し、更に、350℃で8時間
焼成する工程を経て、実施例1触媒を得た。
【0026】上述のようにして調製した実施例1触媒の
銅、亜鉛、アルミニウムの組成は、ICPにより測定し
た結果、表1に示すように、金属酸化物の重量比でそれ
ぞれ45質量%、45質量%、10質量%であった。
【表1】 次いで、実施例1触媒の性能を評価するために、次ぎに
説明するような触媒評価試験を行った。先ず、実施例1
触媒を4ml反応器に充填し、水素気流中で3時間かけ
て250℃まで昇温し、そのまま250℃で2時間還元
処理を行った。その後、それぞれ25容量%及び75容
量%のCO2 とH2 とからなり、かつ3容量ppm のH2
Sを含有する混合ガスに切り換え、反応温度250℃、
反応圧力5MPa及び反応ガスの流量200ml/minの反
応条件で15時間メタノール合成反応を行った。
【0027】次いで、実施例1触媒のメタノールの収率
を算出し、表1に示すように、17.4%のメタノール
収率を得た。ここで、メタノール収率とは、供給したC
2のうちメタノール生成に寄与したCO2 の割合であ
って、CO2 収率(%)=(1−A/B)×100の式
で求める。上記の式中、Aは生成ガス中のメタノールの
流量、Bは原料ガス中のCO2 流量を言う。また、水素
還元する前の0.5gの実施例1触媒を酸素吸着装置に
充填し、常圧、250℃で2時間水素還元を行った後、
酸素吸着を行った結果、酸素吸着量は、表1に示すよう
に、6.9ml(stp )/gであった。表1には、合わ
せて、共沈時pH、最終pH、原料ガス組成を示した。
本明細書で共沈時pHとは、金属水溶液とアルカリ水溶
液を同時に滴下するときに保持する混合溶液のpHを意
味し、最終pHとは、同時滴下後に何らかの手段により
pH調節を行った後の混合溶液のpHを意味する。
【0028】実施例2 本実施例は、本発明に係るメタノール合成触媒の別の実
施例及びその製造方法である。本実施例では、先ず、1
45.3gの硝酸銅三水和物(Cu(NO3 2 ・3H
2 O)、87.4gの硝酸亜鉛六水和物(Zn(N
3 )・6H2 O)、及び、42.0gの硝酸クロム九
水和物(Cr(NO3 3 ・9H2 O)をそれぞれ秤量
してビーカに入れ、次いで蒸留水を加えて1リットルの
水溶液を調製した。このような配合で水溶液を調製する
ことにより、金属成分の合計の濃度は、1mol/lに
なる。一方、これとは別に1mol/lの濃度の炭酸ナ
トリウム水溶液を調製した。次いで、混合溶液の温度を
30℃、pHを7.2に保ちつつ、これら2種類の水溶
液を強攪拌下で同時に滴下、混合した。滴下終了後、更
に、炭酸ナトリウム水溶液のみ滴下し、混合溶液のpH
を8.2に調節し、銅、亜鉛及びクロムの各金属塩を共
沈させ、それらの共沈殿物を得た。この共沈殿物を蒸留
水で洗浄し、吸引濾過した後、110℃で一昼夜乾燥
し、更に、350℃で8時間焼成する工程を経て、実施
例2触媒を得た。
【0029】上述のようにして調製した実施例2触媒の
銅、亜鉛及びクロムの組成比率は、ICPにより測定し
た結果、金属酸化物の重量比でそれぞれ60質量%、3
0質量%、10質量%であった。原料ガス中のH2 Sの
濃度が30容量ppm であることを除いて、実施例1と同
様にして実施例2触媒の触媒評価試験を行い、また、実
施例1と同様にして酸素吸着量を測定し、表1に示すよ
うに、16.2%のメタノールの収率及び6.5ml
(stp )/gの酸素吸着量を得た。
【0030】実施例3 本実施例は、本発明に係るメタノール合成触媒の更に別
の実施例及びその製造方法である。本実施例では、先
ず、113.9gの硝酸銅三水和物(Cu(NO3 2
・3H2 O)、137.1gの硝酸亜鉛六水和物(Zn
(NO3 )・6H2 O)、及び、13.9gのオキシ硝
酸ジルコニウム二水和物(ZrO(NO3 3 ・2H2
O)をそれぞれ秤量してビーカに入れ、次いで蒸留水を
加えて1リットルの水溶液を調製した。このような配合
で水溶液を調製することにより、総金属成分の濃度は、
1mol/lになる。一方、これとは別に1mol/l
の濃度の炭酸ナトリウム水溶液を調製した。次いで、混
合溶液の温度を30℃、pHを7.5に保ちつつ、これ
ら2種類の水溶液を強攪拌下で同時に滴下、混合した。
滴下終了後、更に、炭酸ナトリウム水溶液のみ滴下し、
混合溶液のpHを8.5に調節し、銅、亜鉛及びジルコ
ニウムの各金属塩を共沈させ、それら共沈殿物を得た。
この共沈殿物を蒸留水で洗浄し、吸引濾過した後、11
0℃で一昼夜乾燥し、更に、350℃で8時間焼成する
工程を経て、実施例3触媒を得た。
【0031】上述のようにして調製した実施例3触媒の
銅、亜鉛、ジルコニウムの組成は、ICPにより測定し
た結果、金属酸化物の重量比でそれぞれ45質量%、4
5質量%、10質量%であった。原料ガス中のH2 Sの
濃度が55容量ppm であることを除いて、実施例1と同
様にして実施例3触媒の触媒評価試験を行い、また、実
施例1と同様にして酸素吸着量を測定し、表1に示すよ
うに、15.8%のメタノールの収率及び6.4ml
(stp )/gの酸素吸着量を得た。
【0032】実施例4 本実施例は、本発明に係るメタノール合成触媒の更に別
の実施例及びその製造方法である。銅、亜鉛及びアルミ
ニウムの組成比率が、金属酸化物の重量比でそれぞれ5
0質量%、10質量%及び40質量%になるように試薬
の量を調整し、かつ混合溶液の共沈時pHを6.8、最
終pHを7.8にそれぞれ設定したことを除いて、実施
例1と同様にして、触媒を製造し、実施例4触媒とし
た。原料ガス中のH2 Sの濃度が110容量ppm である
ことを除いて、実施例1と同様にして実施例4触媒の触
媒評価試験を行い、また、実施例1と同様にして酸素吸
着量を測定し、表1に示すように、14.8%のメタノ
ールの収率及び6.0ml(stp )/gの酸素吸着量を
得た。
【0033】実施例5 本実施例は、本発明に係るメタノール合成触媒の更に別
の実施例及びその製造方法である。銅、亜鉛、アルミニ
ウム及びジルコニウムの組成比率が、金属酸化物の重量
比でそれぞれ30質量%、10質量%、55質量%及び
5質量%になるように試薬の量を調整し、また溶液の共
沈時pHを7.0、最終pHを8.0にそれぞれ設定し
たことを除いて、実施例1と同様にして、触媒を製造
し、実施例5触媒とした。原料ガス中のH2 Sの濃度が
3容量ppm であることを除いて、実施例1と同様にして
実施例5触媒の触媒評価試験を行い、また、実施例1と
同様にして酸素吸着量を測定し、表1に示すように、1
4.7%のメタノールの収率及び6.2ml(stp )/
gの酸素吸着量を得た。
【0034】実施例6 原料ガス中にH2 Sが含有されていないことを除いて、
実施例1と同様にして実施例1触媒の触媒評価試験を行
い、また、実施例1と同様にして酸素吸着量を測定し、
表1に示すように、17.4%のメタノールの収率及び
6.9ml(stp )/gの酸素吸着量を得た。
【0035】比較例1 混合溶液の共沈時pHを7.0、最終pHを7.0にそ
れぞれ設定したことを除いて、実施例1と同様にして、
比較例1触媒を得た。実施例6と同様にして、比較例1
触媒の触媒評価試験を行い、また、実施例1と同様にし
て酸素吸着量を測定し、表1に示すように、13.2%
のメタノールの収率及び5.2ml(stp )/gの酸素
吸着量を得た。
【0036】比較例2 混合溶液の共沈時pHを6.5、最終pHを9.0にそ
れぞれ設定したことを除いて、その他は実施例2と同様
にして、比較例2触媒をを得る。実施例6と同様にし
て、比較例2触媒の触媒評価試験を行い、また、実施例
1と同様にして酸素吸着量を測定し、表1に示すよう
に、11.2%のメタノールの収率及び4.7ml(st
p )/gの酸素吸着量を得た。
【0037】比較例3 銅、亜鉛、ジルコニウムの触媒組成が金属酸化物の重量
比でそれぞれ45質量%、45質量%、10質量%にな
るように試薬の量を調整し、また溶液の共沈時pHを
8.0に設定し、0.5N−硝酸を用い最終pHを7.
5に調節したことを除いて、実施例1と同様にして比較
例3触媒を得た。実施例6と同様にして、比較例3触媒
の触媒評価試験を行い、また、実施例1と同様にして酸
素吸着量を測定し、表1に示すように、9.6%のメタ
ノールの収率及び3.5ml(stp )/gの酸素吸着量
を得た。
【0038】実施例1と比較例1、実施例2と比較例
2、及び、実施例3と比較例3とをそれぞれ比較する
と、比較例1から3の触媒成分配合と同じである実施例
1から3は、比較例1から3に比べて、原料ガス中に硫
黄分を含むにもかかわらず、メタノール収率が高い。更
に、実施例4から6も、比較例1から3に比べて、酸素
吸着量が大きく、メタノール収率も高い。一方、比較例
1から3は、触媒成分の組成が実施例と同じであって
も、共沈時pH及び最終pHの少なくともいずれかが本
発明で特定するpHの範囲から外れており、従って、酸
素吸着量が低く、従ってメタノール収率も低くなってい
ることが判る。また、比較例1から3のメタノール収率
は、H2 Sを含まない原料ガスを触媒評価試験に使用し
た実施例6に比べて著しく低い。
【0039】
【発明の効果】本発明の構成によれば、触媒主成分とし
て銅と亜鉛の組成比が酸化物の重量比で0.5:1〜1
0:1、望ましくは1:1〜5:1の範囲の銅と亜鉛と
を含み、かつ触媒助成分として周期律表第4族、第6族
及び第13族元素から選ばれた1種類以上の元素成分を
合計で酸化物の重量比で触媒重量の1〜70%、望まし
くは10〜60%の範囲で含む、複合酸化物触媒として
構成され、水素還元した後の触媒の酸素吸着量が6.0
ml(stp )/g以上である触媒は、高硫黄含有率の原
料ガスから高いメタノール収率でメタノールを合成する
ことができる。また、本発明に係るメタノール合成用触
媒は、触媒の製造に際し、触媒成分の金属塩を溶解した
水溶液とアルカリ水溶液とを混合する工程、それに続く
共沈殿物形成工程において、混合溶液のpHをある範囲
に特定して、触媒成分を沈殿させ、この沈殿物を焼成す
ることにより得ることができる。また、本発明に係るメ
タノール合成法は、水素と二酸化炭素の混合ガスであっ
て、かつ硫黄成分を含む原料ガスから高い収率でメタノ
ールを合成することができる。
【図面の簡単な説明】
なし
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 31/04 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/82 Z (72)発明者 庄 泉 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 鈴木 崇 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 吉澤 隆 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素と二酸化炭素とを主成分とする原料
    ガスからメタノールを合成するメタノール合成用触媒で
    あって、 触媒主成分として銅と亜鉛の組成比が酸化物の重量比で
    0.5:1〜10:1、望ましくは1:1〜5:1の範
    囲の銅と亜鉛とを含み、かつ触媒助成分として周期律表
    第4族、第6族及び第13族元素から選ばれた1種類以
    上の元素成分を合計で酸化物の重量比で触媒重量の1〜
    70%、望ましくは10〜60%の範囲で含む、複合酸
    化物触媒として構成され、 水素還元した後の触媒の酸素吸着量が、6.0ml(st
    p )/g以上であることを特徴とするメタノール合成用
    触媒。
  2. 【請求項2】 触媒主成分たる銅及び亜鉛の金属塩並び
    に触媒助成分の金属塩を水に溶解して得た、銅イオン、
    亜鉛のイオン及び触媒助成分イオンと、硝酸イオンとが
    共存する第1の水溶液を調製し、混合溶液のpHを6.
    7〜7.6に保ちつつ第1の水溶液とアルカリを溶解し
    た第2の水溶液とを混合して、混合溶液を調製し、調製
    終了後、混合溶液のpHを7.7〜8.6に調節して沈
    殿物を形成させ、その沈殿物を焼成して得た複合酸化物
    触媒であることを特徴とする請求項1に記載のメタノー
    ル合成用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2項に記載のメタノール合
    成用触媒の製造方法であって、 触媒主成分として銅と亜鉛の組成比が酸化物の重量比で
    0.5:1〜10:1、望ましくは1:1〜5:1の範
    囲の銅と亜鉛とを含み、かつ、触媒助成分として周期律
    表第4族、第6族及び第13族元素から選ばれた1種類
    以上の元素成分を合計で酸化物の重量比で触媒重量の1
    〜70%、望ましくは10〜60%の範囲で含むよう
    に、銅イオン、亜鉛イオン及び触媒助成分イオンと硝酸
    イオンとを共存させた第1の水溶液を、全てのイオンを
    共存させた1種類の水溶液として、又は硝酸イオンと少
    なくともいずれかの金属イオンとを共存させた複数種類
    の異なる水溶液として、調製する工程と、 混合溶液のpHを6.7〜7.6に保ちつつ第1の水溶
    液とアルカリを溶解した第2の水溶液とを混合して、混
    合溶液を調製する工程と、 混合溶液の調製終了工程後、混合溶液のpHを7.7〜
    8.6に調節して沈殿物を形成させる工程と、 得た沈殿物を300〜400℃、好ましくは330〜3
    70℃の範囲の温度で焼成する工程とを備えることを特
    徴とするメタノール合成用触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の水溶液を調製する工程で、銅イオ
    ンと硝酸イオンを共存させるために硝酸銅を、亜鉛イオ
    ンと硝酸イオンを共存させるために硝酸亜鉛を、触媒助
    成分イオンと硝酸イオンを共存させるために触媒助成分
    の硝酸塩又はオキシ硝酸塩を水に溶解させることを特徴
    とする請求項3に記載のメタノール合成用触媒の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第1の水溶液を調製する工程では、第1
    の水溶液中の銅及び亜鉛の硝酸塩並びに触媒助成分の硝
    酸塩又はオキシ硝酸塩の濃度が、それぞれ0.01mo
    l/l以上であって、かつ銅イオン、亜鉛イオン及び触
    媒助成分イオンの総量が、0.1〜1mol/lの範囲
    になるように、全ての塩を溶解した1種類の水溶液を調
    製することを特徴とする請求項4に記載のメタノール合
    成用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 水素雰囲気中で、200〜300℃、好
    ましくは230〜270℃の温度範囲で触媒に還元処理
    を施し、活性化することを特徴とする請求項3から5の
    うちのいずれか1項に記載のメタノール合成用触媒の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2に記載のメタノール合成
    用触媒の存在下で、2〜10MPaの範囲の反応圧力、
    200〜300℃の範囲の反応温度、及び、2000〜
    30000h-1の範囲のGHSVの反応条件で、200
    容量ppm 以下の硫黄化合物を含み、水素と二酸化炭素と
    を主成分とする原料ガスからメタノールを合成すること
    を特徴とするメタノール合成の合成方法。
JP8173062A 1996-06-12 1996-06-12 メタノール合成用触媒、その製造方法、及びメタノール合成法 Pending JPH10360A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009104742A1 (ja) * 2008-02-20 2009-08-27 日本ガス合成株式会社 液化石油ガス製造用触媒、および、この触媒を用いた液化石油ガスの製造方法
JP2009214077A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Nippon Steel Corp メタノール合成用触媒の製造方法、及びメタノールの製造方法
JP2021146258A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 本田技研工業株式会社 二酸化炭素還元触媒

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JPWO2009104742A1 (ja) * 2008-02-20 2011-06-23 日本ガス合成株式会社 液化石油ガス製造用触媒、および、この触媒を用いた液化石油ガスの製造方法
JP2009214077A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Nippon Steel Corp メタノール合成用触媒の製造方法、及びメタノールの製造方法
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