JPH10340891A - プラズマ処理方法及びプロセスプラズマ装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプロセスプラズマ装置

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JPH10340891A
JPH10340891A JP14916697A JP14916697A JPH10340891A JP H10340891 A JPH10340891 A JP H10340891A JP 14916697 A JP14916697 A JP 14916697A JP 14916697 A JP14916697 A JP 14916697A JP H10340891 A JPH10340891 A JP H10340891A
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JP
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gas
microwave
airtight container
plasma
cooling
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JP14916697A
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Kaoru Taki
薫 滝
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、温度上昇によるマイクロ波透過窓の
割れを防止し、被処理物の温度上昇を抑えて連続的にプ
ロセス処理を行う。 【解決手段】気密容器1を大気開放せずに被処理物9を
気密容器1内に搬送し、複数の被処理物9に対するプロ
セス処理を間欠かつ連続的に行う場合、プロセス処理の
停止時に、原料ガス3を気密容器1内に供給する噴出ノ
ズル2から冷却用ガス20を気密容器1内に噴出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波を気密
容器内に導入してプラズマを発生し、例えばエッチング
やアッシングのプロセス処理を行うプラズマ処理方法及
びプロセスプラズマ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6はプロセスプラズマ装置の構成図で
ある。気密容器1内には、噴出ノズル2からプロセス用
の原料ガス3が圧力が数Pa〜数10Paで供給される
ようになっている。
【0003】一方、マイクロ波発振器4には、マイクロ
波導波管5が接続され、このマイクロ波導波管5の他端
が気密容器1の上部に接続されている。この気密容器1
の上部には、マイクロ波透過窓6が設けられ、このマイ
クロ波透過窓6と接するマイクロ波導波管5の部分に
は、マイクロ波Qを放射するマイクロ波放射機構(スロ
ットアンテナ)7が形成されている。なお、このマイク
ロ波放射機構7は、スリット状の孔であり、その長手方
向はマイクロ波Qの伝送方向と一致している。
【0004】気密容器1内には、処理テーブル8上に例
えば液晶基板等の被処理物9が機械的なチャック又は静
電的なチャックにより装着され、かつ気密容器1の下部
には真空ポンプの接続された排気系10が設けられてい
る。
【0005】なお、気密容器1の形状、大きさ等は、被
処理物9が充分に収納でき、かつマイクロ波放射機構7
によりマイクロ波が均一に効率よく気密容器1内に入射
するように設計されている。
【0006】このような構成であれば、プロセス用の原
料ガス3が噴出ノズル2から気密容器1内に噴出され
る。これと共にマイクロ波発振器4から放射されたマイ
クロ波Qが、マイクロ波導波管5により導かれ、マイク
ロ波放射機構7からマイクロ波透過窓6を通して気密容
器1内に放射される。
【0007】このように気密容器1内にマイクロ波電力
が導入されることにより原料ガスが電離、励起してプラ
ズマ化され、このプラズマEにより生成される励起分子
やイオン等の活性種により被処理物9がエッチング又は
アッシングされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記装置のマイクロ波
透過窓6は、プラズマEによる表面の削れの少ないアル
ミナ板(商品名)が使用されている。このアルミナ板
は、プラズマQによる表面の削れが少ないばかりでな
く、耐熱衝撃が比較的高い材料であり、AHPF及びA
JPHの商品(日本セラテック製)がある。AHPFは
曲げ強度70kg/mm2、誘電損失( tanδ)1.0×1
-4以下、耐熱衝撃ΔT300℃であり、AJPHは曲
げ強度55kg/mm2 、誘電損失1.0×10-4以下、耐
熱衝撃ΔT230℃である。
【0009】このようにアルミナ板は、常温強度では5
0kg/mm2 以上あり、一つのプラズマEの放電部に必要
とされる200×500mm2 程度の大きさのアルミナ板
を使用して気密容器1内を真空引きしても、強度的には
十分大気圧に耐えられる。
【0010】しかしながら、プラズマEを発生させてい
るときには、マイクロ波Qがマイクロ波透過窓6を透過
するときに発生する熱とプラズマEから発生する熱とに
より、マイクロ波透過窓6での温度は、マイクロ波透過
窓6の窓下で288℃、窓上で231℃となる温度分布
まで上昇する。
【0011】具体的にマイクロ波透過窓6に伝達される
熱は、マイクロ波透過窓6の直下でプラズマEが発生
し、マイクロ波透過窓6とマイクロ波透過窓6とが接す
るために、電子、イオン、分子等のマイクロ波透過窓6
への衝突による熱伝達と、プラズマE内部からの輻射熱
の伝達とがある。
【0012】このため、マイクロ波透過窓6に熱応力が
生じ、マイクロ波透過窓6が割れるという問題がある。
これに対処するためマイクロ波放射機構7を水冷し、マ
イクロ波透過窓6を窓上側(マイクロ波放射機構7側)
から冷却しているが、それでもマイクロ波透過窓6の窓
下側(気密容器1内側)は温度150℃程度まで上昇し
てしまう。
【0013】例えば、マイクロ波透過窓6の窓上側から
窓下側への断面の温度分布について入熱と放出熱との測
定結果から計算したシミュレーション結果について説明
すると、マイクロ波放射機構7に水冷がある場合、窓下
で151℃、窓上で116℃となり、マイクロ波放射機
構7に水冷がない場合、窓下で288℃、窓上で231
℃となる。
【0014】なお、赤外線撮像装置を用いた実測値を示
すと、マイクロ波放射機構7に水冷がある場合、窓下で
160℃であり、シミュレーション結果と実測値とは比
較的よく一致する結果となっている。
【0015】一方、プラズマEから発生する輻射熱と放
射光とにより処理テーブル8及びこれに載置されている
被処理物9は加熱される。ここで、被処理物9のプロセ
ス処理に許される温度範囲は120℃以下であり、この
温度を越えるとプロセスそのものが成り立たなくなる。
【0016】すなわち、被処理物9としての基板上のレ
ジスト膜は温度約120℃でガラス転移点となり、レジ
スト膜内の化学結合が緻密な状態に変質する。このよう
に変質したレジスト膜では、通常のO2 ラジカルによる
剥離は困難となる。
【0017】又、加熱による熱収縮によりレジスト膜の
マスク形状が変形し、処理精度上の問題も生じる。さら
に、下地材料との選択比については、レジストの下地で
温度依存性の大きな処理材料があると、アッシング時の
レジスト剥離と同時に下地材料の剥離も進行してしまう
ため選択比が劣化する。
【0018】このような理由から基板の温度は常に12
0℃以下に制御してプロセス処理する必要がある。そこ
で本発明は、温度上昇によるマイクロ波透過窓の割れを
防止し、被処理物の温度上昇を抑えて連続的にプロセス
処理ができるプラズマ処理方法及びプロセスプラズマ装
置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、気密
容器内に原料ガスを供給するとともにマイクロ波を導入
してプラズマを発生し、このプラズマにより生成される
活性種により被処理物をプロセス処理するプラズマ処理
方法において、プロセス処理の停止時に、気密容器内に
内部温度の冷却用ガスを供給するプラズマ処理方法であ
る。
【0020】請求項2によれば、請求項1記載のプラズ
マ処理方法において、冷却用ガスは、少なくともHe、
Ne、Arなどの不活性ガスである。請求項3によれ
ば、請求項1記載のプラズマ処理方法において、プロセ
ス処理が停止し気密容器内への被処理物の搬送時に、気
密容器内に冷却用ガスを供給する。
【0021】請求項4によれば、請求項1記載のプラズ
マ処理方法において、気密容器を大気開放せずに被処理
物を気密容器内に搬送し、複数の被処理物に対するプロ
セス処理を間欠かつ連続的に行う場合、各プロセス処理
の各停止期間に、気密容器内に冷却用ガスを供給する。
【0022】請求項5によれば、請求項1記載のプラズ
マ処理方法において、気密容器内への冷却用ガスの供給
により少なくともマイクロ波導波管からのマイクロ波を
気密容器内に導入するマイクロ波透過窓及び被処理物を
冷却する。
【0023】請求項6によれば、請求項1記載のプラズ
マ処理方法において、マイクロ波導波管からのマイクロ
波を気密容器内に導入するマイクロ波透過窓のマイクロ
波導波管側に冷却用シートを配置し、かつマイクロ波透
過窓の気密容器側から冷却用ガスをマイクロ波透過窓へ
吹き付けて、マイクロ波透過窓を冷却する。
【0024】請求項7によれば、気密容器内に原料ガス
を供給するとともにマイクロ波を導入してプラズマを発
生し、このプラズマにより生成される活性種により被処
理物をプロセス処理するプロセスプラズマ装置におい
て、プロセス処理の停止時に気密容器内に冷却用ガスを
供給する冷却用ガス供給手段を備えたプロセスプラズマ
装置である。
【0025】請求項8によれば、請求項7記載のプロセ
スプラズマ装置において、冷却用ガス供給手段は、冷却
用ガスとして少なくともHe、Ne、Arなどの不活性
ガスを供給する。
【0026】請求項9によれば、請求項7記載のプロセ
スプラズマ装置において、冷却用ガス供給手段は、気密
容器内を真空若しくは減圧に保ち被処理物を気密容器内
に搬送し、複数の被処理物に対するプロセス処理を間欠
かつ連続的に行う場合、プロセス処理の停止時に、原料
ガスを気密容器内に供給する噴出ノズルから冷却用ガス
を気密容器内に噴出する。
【0027】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。なお、図6と同一部分には同一符号を
付してその詳しい説明は省略する。図1はプラズマ処理
方法を適用したプロセスプラズマ装置の構成図である。
【0028】このプロセスプラズマ装置でのプラズマ処
理方法は、気密容器1の内部を真空又は減圧したまま大
気開放せずに半導体ウエハ又は液晶基板などの被処理物
9を気密容器1内に搬送し、複数の被処理物9に対する
プロセス処理を間欠かつ連続的に行う場合、プロセス処
理の停止時に、原料ガス3を気密容器1内に供給する噴
出ノズル2から冷却用ガス20を気密容器1内に噴出す
るものである。
【0029】その構成を具体的に説明すると、複数の噴
出ノズル2は、それぞれガス管21を介して共通接続さ
れてガス切替弁22に接続されている。このガス切替弁
22のガス流入側は、二系統に分岐し、その一方に原料
ガス管23を介して原料ガスポンプ24が接続され、他
方に冷却用ガス管25を介して冷却ガスポンプ26が接
続されている。
【0030】ガス切替弁22は弁切替部27により切替
動作し、原料ガスポンプ24は原料ガス制御部28によ
り駆動制御され、冷却ガスポンプ26は冷却用ガス制御
部29により駆動制御されるものとなっている。
【0031】このうち弁切替部27は、気密容器1内の
被処理物9に対するプロセス処理中又はプロセス停止を
示すプロセス信号Sを入力し、プロセス処理中であれば
ガス切替弁22を原料ガス管23側に切り替え、プロセ
ス停止であればガス切替弁22を冷却用ガス管25側に
切り替える機能を有している。
【0032】ここで、プロセス信号Sは、気密容器1内
でのプロセス処理が複数の被処理物9に対して間欠かつ
連続的に行われるので、プロセス処理中とプロセス停止
とが交互に切り替わるものとなっている。
【0033】原料ガス制御部28は、プロセス処理中又
はプロセス停止を示すプロセス信号Sを入力し、プロセ
ス処理中であれば原料ガスポンプ24を駆動して原料ガ
ス3をガス切替弁22を通して気密容器1内に供給し、
かつプロセス停止であれば原料ガスポンプ24を停止す
る機能を有している。
【0034】冷却用ガス制御部29は、プロセス処理中
又はプロセス停止を示すプロセス信号Sを入力し、プロ
セス停止であれば冷却ガスポンプ26を駆動して冷却用
ガス20をガス切替弁22を通して気密容器1内に供給
し、かつプロセス処理中であれば冷却ガスポンプ26を
停止する機能を有している。
【0035】冷却用ガス20は、不活性ガスしとて例え
ばHeガスが用いられている。このHeガスは、100
℃において熱伝導率が17.77×10-2W/m・Kで
あり、ガスの中では大きな値を示し、かつ不活性ガスで
あるので化学反応により影響が少ない。なお、Arの熱
伝導率は2.12×10-2W/m・Kであり、O2 の熱
伝導率は3.23×10-2W/m・Kである。そして、
Heガスは、他のガスと比較して熱拡散率が大きく冷却
効果がある。
【0036】なお、マイクロ波放射機構7は、水冷管が
中に通されて水冷され、かつこのマイクロ波放射機構7
とマイクロ波透過窓6との間に伝熱シートが貼り付けら
れ、これによりマイクロ波透過窓6は気密容器1の外側
から冷却されている。
【0037】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。プロセス処理中のプロセス信号Sが弁切
替部27、原料ガス制御部28及び冷却用ガス制御部2
9に入力すると、弁切替部27は、ガス切替弁22を原
料ガス管23側に切り替える。
【0038】これと共に原料ガス制御部28は、プロセ
ス処理中のプロセス信号Sを入力することにより、原料
ガスポンプ24を駆動し、原料ガス3をガス切替弁22
を通して気密容器1の噴出ノズル2に供給する。
【0039】これにより、噴出ノズル2からは、プロセ
ス用の原料ガス3が気密容器1内に噴出される。一方、
マイクロ波発振器4から放射されたマイクロ波Qは、マ
イクロ波導波管5により導かれ、マイクロ波放射機構7
からマイクロ波透過窓6を通して気密容器1内に放射さ
れる。
【0040】このように気密容器1内にマイクロ波電力
が導入されることにより原料ガスが電離、励起してプラ
ズマ化され、このプラズマEにより生成される励起分子
やイオン等の活性種により被処理物9がプロセス処理、
すなわちエッチング又はアッシングされる。
【0041】図2はかかるプロセス処理中を模式的に示
しており、プラズマEにより生成される励起分子やイオ
ン等の活性種Fにより被処理物9がプロセス処理され
る。このようにプロセス処理中、マイクロ波透過窓6
は、プラズマEから伝達される熱とマイクロ波Qがマイ
クロ波透過窓6を透過するときにマイクロ波透過窓6に
発生する損失熱とにより加熱される。
【0042】これと共に処理テーブル8及び被処理物9
もプラズマEから発生する輻射熱により加熱されて温度
が上昇する。このようにして1枚目の被処理物9に対す
るプロセス処理が終了すると、このプロセス停止の間
に、気密容器1は大気開放されない状態で、プロセス処
理された被処理物9が気密容器1から搬出され、続いて
次にプロセス処理される被処理物9が気密容器1内に搬
入される。
【0043】又、このプロセス停止の間に、プロセス停
止のプロセス信号Sが弁切替部27、原料ガス制御部2
8及び冷却用ガス制御部29に入力すると、弁切替部2
7は、ガス切替弁22を冷却用ガス管25側に切り替え
る。
【0044】これと共に冷却用ガス制御部29は、プロ
セス停止のプロセス信号Sが入力されると、冷却ガスポ
ンプ26を駆動して冷却用ガス20、例えばHeガス2
0をガス切替弁22を通して気密容器1の噴出ノズル2
に供給する。
【0045】これにより噴出ノズル2からは、Heガス
20が気密容器1内に噴出される。このようにHeガス
20が気密容器1内に噴出されると、このHeガス20
は、マイクロ波透過窓6の下窓の面に平行に流れ、かつ
拡散されてマイクロ波透過窓6や気密容器1の内壁、処
理テーブル8、被処理物9に吹き付けられる。
【0046】なお、Heガス20のガス流量は、原料ガ
ス3のガス流量よりも多く調整されている。例えば、H
eガス20のガス流量とその噴出時間は、連続運転試験
でマイクロ波透過窓6の温度を測定することで実験的に
確認を行い、適正値を決める。
【0047】このHeガス20の吹き付けにより、マイ
クロ波透過窓6、処理テーブル8及び被処理物9は、そ
れぞれ冷却され、各温度上昇が抑えられる。すなわち、
加熱されたマイクロ波透過窓6や処理テーブル8、被処
理物9にHeガス20が吹き付けられると、これらマイ
クロ波透過窓6、処理テーブル8及び被処理物9の持っ
ている熱エネルギーがHeガス20のガス分子に転化さ
れる。このとき、Heガス20の熱伝導率が大きいの
で、ガス分子に熱が転化される率が大きくなり、効率の
よい冷却ができる。
【0048】再び、プロセス処理中のプロセス信号Sが
弁切替部27、原料ガス制御部28及び冷却用ガス制御
部29に入力されると、上記同様に、気密容器1内にプ
ロセス用の原料ガス3が供給されるとともにマイクロ波
Qが導入され、原料ガスが電離、励起されてプラズマ化
され、このプラズマEにより生成される励起分子やイオ
ン等の活性種により被処理物9がプロセス処理される。
【0049】そして、2枚目の被処理物9に対するプロ
セス処理が終了し、気密容器1内に対する被処理物9の
搬出・搬入が行われているとき、上記同様に、噴出ノズ
ル2からHeガス20が気密容器1内に噴出され、マイ
クロ波透過窓6、処理テーブル8及び被処理物9をそれ
ぞれ冷却し、各温度上昇を抑える。
【0050】このようにプロセス処理とプロセス停止と
が交互に繰り返され、図3に示すようにプロセス処理中
には噴出ノズル2から原料ガス3が気密容器1内に噴出
され、プロセス停止のときには噴出ノズル2からHeガ
ス20が気密容器1内に噴出される。
【0051】図4はマイクロ波透過窓6及び処理テーブ
ル8にHeガス20が吹き付けられたときの温度変化を
示している。マイクロ波透過窓6及び処理テーブル8が
Heガス20により冷却されていない場合は、プロセス
終了後、若干の温度低下があるものの、プロセス処理の
連続動作を繰り返すにつれて温度が常に上昇する。
【0052】これに対してプロセス停止時にHeガス2
0を供給すると、マイクロ波透過窓6及び処理テーブル
8の温度は大幅に温度低下し、プロセス処理の連続動作
を繰り返しても気密容器1の内部での温度上昇が抑えら
れる。
【0053】又、マイクロ波透過窓6は、Heガス20
の吹き付けにより下窓側から冷却されると共に、マイク
ロ波放射機構7が水冷管により水冷され、かつこのマイ
クロ波放射機構7とマイクロ波透過窓6との間に貼り付
けられた伝熱シートによりその上窓側から冷却される。
【0054】このようにマイクロ波透過窓6は、伝熱シ
ートにより上窓側から冷却されると共に、マイクロ波透
過窓6の直下に発生するプラズマEにより最も温度の高
くなる下窓側がHeガス20の吹き付けより冷却される
ので、プロセス処理の連続動作が繰り返されても気密容
器1の内部での温度上昇は確実に抑えられる。
【0055】このように上記第1の実施の形態において
は、気密容器1を大気開放せずに被処理物9を気密容器
1内に搬送し、複数の被処理物9に対するプロセス処理
を間欠かつ連続的に行う場合、プロセス処理の停止時
に、噴出ノズル2から例えばHeガス等の冷却用ガス2
0を気密容器1内に噴出するので、マイクロ波透過窓6
及び処理テーブル8の温度上昇を大幅に抑えることがで
き、このうちアルミナ板から成るマイクロ波透過窓6の
熱応力による割れを防止できる。
【0056】又、プロセス処理の連続動作を繰り返して
も処理テーブル8及び被処理物9の温度上昇を抑えて、
被処理物9の温度をプロセスが成立する温度範囲内、例
えば温度120℃以下に制御できる。
【0057】これにより、例えば被処理物9としての基
板上のレジスト膜が変質することなく、レジスト膜を通
常のO2 ラジカルで剥離でき、又、加熱による熱収縮に
よりレジスト膜のマスク形状が変形することなく処理精
度を保つことができ、さらに、下地材料との選択比につ
いては、レジストの下地で温度依存性の大きな処理材料
があっても、アッシング時のレジスト剥離と同時に下地
材料の剥離が進行して選択比が劣化することもない。
【0058】又、Heガス20の使用によるランニング
コストについて説明すると、Heガス20の47Lで18
000 円/本である。Heガス20のガス流量を1000SCCM
とし、2分放電2分休みを1日20H運転させ、2分休
みの間にHeガス20を流すとすると、1日の使用量は
600リットルとなる。そして、1年の運転日数を30
0日とすると、1年のガス使用量は180000リット
ルとなる。Heガス1本は7050リットル封入されて
いるので、1年の使用本数は、180000/7050
=25.5本となる。
【0059】従って、1年のHeガス20のガス使用コ
ストは、25.5×18000=459000円とな
り、ランニングコストを抑えられる。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、図1と同一部分には同一符号を付してその詳しい
説明は省略する。
【0060】図5はプロセスプラズマ装置の構成図であ
る。気密容器30の上部には、複数のマイクロ波透過窓
31、例えば3つのマイクロ波透過窓31a〜31cが
設けられている。これらマイクロ波透過窓31a〜31
cの上窓側には、それぞれマイクロ波導波管32a〜3
2cが設けられ、そのマイクロ波透過窓31a〜31c
の上窓と接する部分には、マイクロ波放射機構33a〜
33cが形成されている。
【0061】又、これらマイクロ波透過窓6の間には、
それぞれ梁34a、34bが形成され、機械的強度を高
くして各マイクロ波透過窓6を支持している。気密容器
30内には、大面積の液晶基板等の被処理物35を装着
可能とする処理する処理ステージ36が設けられてい
る。なお、かつ気密容器30の底部には排気系37が設
けられている。
【0062】又、各マイクロ波放射機構33a〜33c
は、水冷管が中に通されて水冷され、かつこれらマイク
ロ波放射機構33a〜33cと各マイクロ波透過窓31
a〜31cとの間に伝熱シートが貼り付けられ、これに
よりマイクロ波透過窓各マイクロ波透過窓31a〜31
cはその上窓側から冷却されている。
【0063】気密容器30における各マイクロ波透過窓
31a〜31cの側面側及び各梁34a、34bの側面
には、それぞれ各マイクロ波透過窓31a〜31c側を
向いて各噴出ノズル38a〜38fが設けられている。
【0064】これら噴出ノズル38a〜38fは、共通
接続されてガス管21に接続されガス切替弁22に接続
されている。このガス切替弁22のガス流入側は、上記
同様に、2系統に分岐し、その一方に原料ガス管23を
介して原料ガスポンプ24が接続され、他方に冷却用ガ
ス管25を介して冷却ガスポンプ26が接続されてい
る。
【0065】ガス切替弁22は弁切替部27により切替
動作し、原料ガスポンプ24は原料ガス制御部28によ
り駆動制御され、冷却ガスポンプ26は冷却用ガス制御
部29により駆動制御されるものとなっている。
【0066】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。プロセス処理中のプロセス信号Sの入力
によりガス切替弁22が原料ガス管23側に切り替わる
と、原料ガス制御部28は、原料ガスポンプ24を駆動
し、原料ガス3をガス切替弁22を通して気密容器30
の各噴出ノズル38a〜38fに供給する。これによ
り、これら噴出ノズル38a〜38fからは、プロセス
用の原料ガス3が気密容器30内に噴出される。
【0067】一方、マイクロ波発振器から放射されたマ
イクロ波Qは、各マイクロ波導波管32a〜32cによ
り導かれ、各マイクロ波放射機構33a〜33cから各
マイクロ波透過窓31a〜31cを通して気密容器30
内に放射される。
【0068】このように各マイクロ波透過窓31a〜3
1cからマイクロ波電力が導入されることにより、各マ
イクロ波透過窓31a〜31cの直下ごとにそれぞれ原
料ガスが電離、励起してプラズマ化され、これらプラズ
マにより生成される励起分子やイオン等の活性種により
被処理物35がプロセス処理、すなわちエッチング又は
アッシングされる。
【0069】このようにプロセス処理中、各マイクロ波
透過窓31a〜31cは、各プラズマから伝達される熱
とマイクロ波Qが各マイクロ波透過窓31a〜31cを
透過するときに各マイクロ波透過窓31a〜31cに発
生する損失熱とにより加熱される。
【0070】これと共に処理テーブル36及び被処理物
35も各プラズマから発生する輻射熱により加熱されて
温度が上昇する。このようにして1枚目の被処理物35
に対するプロセス処理が終了すると、このプロセス停止
の間に、気密容器30は大気開放されない状態で、プロ
セス処理された被処理物35が気密容器30から搬出さ
れ、続いて次にプロセス処理される被処理物35が気密
容器30内に搬入される。
【0071】又、このプロセス停止の間に、プロセス停
止のプロセス信号Sがに入力すると、ガス切替弁22
は、冷却用ガス管25側に切り替えられる。これと共に
冷却用ガス制御部29は、プロセス停止のプロセス信号
Sが入力されると、冷却ガスポンプ26を駆動して冷却
用ガス20、例えばHeガス20をガス切替弁22を通
して気密容器30の各噴出ノズル38a〜38fに供給
する。
【0072】これにより,これら噴出ノズル38a〜3
8fからは、それぞれHeガス20が気密容器30内に
噴出される。このようにHeガス20が気密容器30内
に噴出されると、このHeガス20は、各マイクロ波透
過窓31a〜31cの下窓の面に平行に流れ、かつ拡散
されて各マイクロ波透過窓31a〜31cや気密容器3
0の内壁、処理テーブル36、被処理物35に吹き付け
られる。
【0073】このときのHeガス20のガス流量は、原
料ガス3のガス流量よりも多く調整され、例えば、He
ガス20のガス流量とその噴出時間は、連続運転試験で
各マイクロ波透過窓31a〜31cの温度を測定するこ
とで実験的に確認を行い、適正値を決める。
【0074】このように加熱された各マイクロ波透過窓
31a〜31cや処理テーブル36、被処理物35にH
eガス20が吹き付けられると、これら各マイクロ波透
過窓31a〜31、処理テーブル36及び被処理物35
の持っている熱エネルギーがHeガス20のガス分子に
転化される。このとき、Heガス20の熱伝導率が大き
いので、ガス分子に熱が転化される率が大きくなり、効
率のよい冷却ができる。
【0075】再び、プロセス処理中のプロセス信号Sが
入力されると、上記同様に、気密容器1内にプロセス用
の原料ガス3が供給されるとともにマイクロ波Qが導入
され、各マイクロ波透過窓31a〜31c直下ごとに発
生する各プラズマにより生成される励起分子やイオン等
の活性種により被処理物35がプロセス処理される。
【0076】そして、2枚目の被処理物35に対するプ
ロセス処理が終了し、気密容器1内に対する被処理物9
の搬出・搬入が行われているとき、上記同様に、各噴出
ノズル38a〜38fからHeガス20が気密容器30
内に噴出され、各マイクロ波透過窓31a〜31c、処
理テーブル36及び被処理物35をそれぞれ冷却し、各
温度上昇を抑える。
【0077】これ以降、プロセス処理とプロセス停止と
が交互に繰り返され、このうちプロセス停止のときには
各噴出ノズル38a〜38fからHeガス20が気密容
器30内に噴出される。
【0078】又、各マイクロ波透過窓31a〜31c
は、Heガス20の吹き付けにより下窓側から冷却され
ると共に、各マイクロ波放射機構33a〜33cが水冷
管により水冷され、かつこれらマイクロ波放射機構33
a〜33cと各マイクロ波透過窓31a〜31cとの間
にそれぞれ貼り付けられた伝熱シートによりその気密容
器1の外側から冷却される。
【0079】このように上記第2の実施の形態において
は、複数のマイクロ波透過窓31a31cを設けた大面
積用の装置において、気密容器30を大気開放せずに被
処理物35を気密容器30内に搬送し、複数の被処理物
35に対するプロセス処理を間欠かつ連続的に行う場
合、プロセス処理の停止時に、各噴出ノズル38a〜3
8fから例えばHeガス等の冷却用ガス20を気密容器
30内に噴出するので、上記第1の実施の形態と同様の
効果、すなわち各マイクロ波透過窓31a〜31c及び
処理テーブル36の温度上昇を大幅に抑えることがで
き、このうちアルミナ板から成るマイクロ波透過窓31
a〜31cの熱応力による割れを防止できる。
【0080】又、プロセス処理の連続動作を繰り返して
も処理テーブル36及び被処理物35の温度上昇を抑え
て、被処理物35の温度をプロセスが成立する温度範囲
内、例えば温度120℃以下に制御できる。
【0081】これにより、例えば被処理物9としての基
板上のレジスト膜が変質することなく、レジスト膜を通
常のO2 ラジカルで剥離でき、又、加熱による熱収縮に
よりレジスト膜のマスク形状が変形することなく処理精
度を保つことができ、さらに、下地材料との選択比につ
いては、レジストの下地で温度依存性の大きな処理材料
があっても、アッシング時のレジスト剥離と同時に下地
材料の剥離が進行して選択比が劣化することもなく、そ
のうえランニングコストを抑えられる。
【0082】なお、本発明は、上記第1及び第2の実施
の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよ
い。例えば、各噴出ノズル2、38a〜38fへの冷却
用ガスの配管の構成は、適宜変形してもよいことは言う
までもない。
【0083】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1〜
6によれば、温度上昇によるマイクロ波透過窓の割れを
防止し、被処理物の温度上昇を抑えて連続的にプロセス
処理ができるプラズマ処理方法を提供できる。
【0084】又、本発明の請求項7〜9によれば、温度
上昇によるマイクロ波透過窓の割れを防止し、気密容器
内の温度変化を抑制することで、被処理物の温度上昇を
抑えて連続的にプロセス処理ができるプロセスプラズマ
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるプロセスプラズマ装置の第1の
実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置における気密容器内でのプロセス処理中
の模式図。
【図3】プロセス工程における原料ガス・冷却用ガスの
供給タイミングを示す図。
【図4】マイクロ波透過窓及び処理テーブルにHeガス
が吹き付けられたときの温度変化を示す図。
【図5】本発明に係わるプロセスプラズマ装置の第2の
実施の形態を示す構成図。
【図6】従来のプロセスプラズマ装置の構成図。
【符号の説明】
1…気密容器、 2…噴出ノズル、 3…原料ガス、 4…マイクロ波発振器、 5…マイクロ波導波管、 6…マイクロ波透過窓、 7…マイクロ波放射機構(スロットアンテナ)、 8…処理テーブル、 9…被処理物、 20…冷却用ガス、 22…ガス切替弁、 24…原料ガスポンプ、 26…冷却ガスポンプ、 27…弁切替部、 28…原料ガス制御部、 29…冷却用ガス制御部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密容器内に原料ガスを供給するととも
    にマイクロ波を導入してプラズマを発生し、このプラズ
    マにより生成される活性種により被処理物をプロセス処
    理するプラズマ処理方法において、 前記プロセス処理の停止時に、前記気密容器内に内部温
    度の冷却用ガスを供給することを特徴とするプラズマ処
    理方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却用ガスは、少なくともHe、N
    e、Arなどの不活性ガスであることを特徴とする請求
    項1記載のプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 前記プロセス処理が停止し前記気密容器
    内への前記被処理物の搬送時に、前記気密容器内に冷却
    用ガスを供給することを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記気密容器を大気開放せずに前記被処
    理物を前記気密容器内に搬送し、複数の前記被処理物に
    対するプロセス処理を間欠かつ連続的に行う場合、前記
    各プロセス処理の各停止期間に、前記気密容器内に冷却
    用ガスを供給することを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマ処理方法。
  5. 【請求項5】 前記気密容器内への前記冷却用ガスの供
    給により少なくとも前記マイクロ波導波管からの前記マ
    イクロ波を前記気密容器内に導入するマイクロ波透過窓
    及び前記被処理物を冷却することを特徴とする請求項1
    記載のプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】 前記マイクロ波導波管からの前記マイク
    ロ波を前記気密容器内に導入するマイクロ波透過窓の前
    記マイクロ波導波管側に冷却用シートを配置し、かつ前
    記マイクロ波透過窓の前記気密容器側から前記冷却用ガ
    スを前記マイクロ波透過窓へ吹き付けて、前記マイクロ
    波透過窓を冷却することを特徴とする請求項1記載のプ
    ラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】 気密容器内に原料ガスを供給するととも
    にマイクロ波を導入してプラズマを発生し、このプラズ
    マにより生成される活性種により被処理物をプロセス処
    理するプロセスプラズマ装置において、 前記プロセス処理の停止時に前記気密容器内に冷却用ガ
    スを供給する冷却用ガス供給手段を備えたことを特徴と
    するプロセスプラズマ装置。
  8. 【請求項8】 前記冷却用ガス供給手段は、前記冷却用
    ガスとして少なくともHe、Ne、Arなどの不活性ガ
    スを供給することを特徴とする請求項7記載のプロセス
    プラズマ装置。
  9. 【請求項9】 前記冷却用ガス供給手段は、前記気密容
    器内を真空若しくは減圧に保ち前記被処理物を前記気密
    容器内に搬送し、複数の前記被処理物に対するプロセス
    処理を間欠かつ連続的に行う場合、前記プロセス処理の
    停止時に、前記原料ガスを前記気密容器内に供給する噴
    出ノズルから前記冷却用ガスを前記気密容器内に噴出す
    ることを特徴とする請求項7記載のプロセスプラズマ装
    置。
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