JPH10340440A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10340440A
JPH10340440A JP14745597A JP14745597A JPH10340440A JP H10340440 A JPH10340440 A JP H10340440A JP 14745597 A JP14745597 A JP 14745597A JP 14745597 A JP14745597 A JP 14745597A JP H10340440 A JPH10340440 A JP H10340440A
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lubricant
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JP14745597A
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Noriyuki Kitaori
典之 北折
Hirohide Mizunoya
博英 水野谷
Akira Shiga
章 志賀
Katsumi Endo
克巳 遠藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性に優れ、かつ、走行性、耐久性
に優れた磁気記録媒体を提供することである。 【解決手段】 磁性層と、前記磁性層の上に設けられた
保護層と、前記保護層の上に設けられた潤滑剤の層とを
有する磁気記録媒体において、前記磁性層は、厚さが
0.1μm〜0.2μmであり、中心部が強磁性金属
で、周りが強磁性金属の酸化物であるカラムの構造を有
し、前記カラムの傾斜角は40°〜55°であり、前記
保護層は、ダイヤモンドライクカーボンからなり、前記
潤滑剤は、25℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜3
2の脂肪族アルケニル基を有する含フッ素有機化合物を
含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、斜め蒸着法を用いて磁性層を
形成した金属薄膜型の磁気記録媒体(磁気テープや磁気
ディスク等)が有る。真空中で金属薄膜型の磁性層を形
成する場合、PVD(フィジカルベーパーデポジショ
ン)やCVD(ケミカルベーパーデポジション)による
方法が考えられるが、単に、PVDやCVDを採用した
のみでは大きな保磁力を持つ磁性層は得られない。尚、
これらの方法の中でも斜め蒸着法によって成膜された磁
性層は、磁性層中の粒子の配向性によって、保磁力が比
較的大きいものの、これでも満足できていない。
【0003】そこで、酸素ガスを供給しながら金属磁性
粒子を斜め蒸着させることが提案された。すなわち、金
属磁性粒子を酸化・分離し、斜めに配向している円柱状
の金属磁性粒子群を磁気分離させ、単位体積当たりの磁
性粒子の占有率を低下させることにより、保磁力を向上
させたのである。この分離配向された円柱状の斜め成長
した粒子群をカラムと呼んでいる。そして、特開平8−
203057(特願平7−9447)公報によれば、カ
ラムの傾斜角が40〜50°のものが好ましいと言われ
ている。
【0004】又、磁性層表面に潤滑剤を塗布することに
より、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間での潤滑性及び
走行耐久性の改善を図っている。特に、Co等の金属を
斜め蒸着法により設けた磁性層は高密度記録に有利であ
るものの、磁性層表面は平滑度が高く、この為磁気ヘッ
ドとの間で貼り付きが起き易いことから、走行性が悪
い。
【0005】そこで、パーフルオロアルキル基を含む含
フッ素化合物を潤滑剤として使用することが提案されて
いる。例えば、特開昭62−103838号公報には、
パーフルオロアルキルカルボン酸エステル及びパーフル
オロポリエーテル鎖を含有する潤滑剤層を形成すること
が記載されている。又、特開昭62−219314号公
報には、分子末端に炭素数3以上のフロロアルキル基と
炭素数8以上の脂肪族アルキル基とカルボキシル基とを
各々1個以上有する有機化合物からなる潤滑剤層を形成
することが記載されている。又、特開平4−27101
3号公報には、Rf (CH2 n COOH3 NRで表さ
れるパーフルオロカルボン酸アミン塩化合物を磁気記録
媒体の潤滑剤として用いることが記載されている。更
に、特開平7−220267号公報には、不飽和結合と
炭化水素鎖を含有する特定のフルオロアルキルカルボン
酸エステルを磁気記録媒体の潤滑剤として用いることが
記載されている。
【0006】又、金属薄膜型の磁性層を保護する為、保
護層を設けることが提案されている。例えば、特開昭6
2−103838号公報には、ダイヤモンド結合、若し
くはダイヤモンド結合とグラファイト結合、若しくはダ
イヤモンド結合とグラファイト結合と水素とから構成さ
れた非晶質炭素膜を磁性層上に設けることが記載されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カラムの傾
斜角が40〜50°の斜め蒸着磁性層であっても、単
に、これのみでは、電磁変換特性が期待した程のもので
ないことが判って来た。特に、一つのシステムで使われ
ている最短記録波長が0.5μm以下のような短波長の
場合には、電磁変換特性が期待した程のものでなかっ
た。
【0008】又、金属薄膜型の磁気記録媒体では、ヘッ
ドとのスペーシングが問題となる。そこで、極めて薄く
潤滑剤層を形成できると共に、広い温度、湿度範囲で良
好な潤滑性を有し、かつ、該磁気記録媒体の走行性、耐
久性を向上させる潤滑剤が要求されるが、これまで提案
されて来た潤滑剤では広い温度、湿度範囲で潤滑効果を
発揮して該磁気記録媒体の走行性、耐久性等の実用特性
を満足するには至っていない。
【0009】又、当業界で汎用されているパーフルオロ
ポリエーテル系潤滑剤はフッ素系溶剤にのみ可溶であ
る。一方、該フッ素系溶剤は高価であり、しかもフッ素
系溶剤によるオゾン層の破壊に起因する温暖化作用が懸
念されている。コスト面や環境面を考慮すると、該フッ
素系溶剤は極力使用されない方が好ましいと言える。従
って、本発明が解決しようとする第1の課題は、電磁変
換特性に優れ、かつ、走行性、耐久性に優れた磁気記録
媒体を提供することである。
【0010】又、本発明が解決しようとする他の課題
は、潤滑剤層の形成に際してフッ素系溶剤を用いなくて
も済む磁気記録媒体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、磁性層
と、前記磁性層の上に設けられた保護層と、前記保護層
の上に設けられた潤滑剤の層とを有する磁気記録媒体に
おいて、前記磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2μm
であり、中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属の酸
化物であるカラムの構造を有し、前記カラムの傾斜角は
40°〜55°であり、前記保護層は、ダイヤモンドラ
イクカーボンからなり、前記潤滑剤は、25℃で液体
で、分子末端に炭素数が8〜32の脂肪族アルケニル基
を有する含フッ素有機化合物を含有することを特徴とす
る磁気記録媒体によって達成される。
【0012】特に、支持体と、前記支持体の一面上に設
けられた磁性層と、前記磁性層の上に設けられた保護層
と、前記支持体の他面上に設けられたバック層と、前記
保護層およびバック層の上に設けられた潤滑剤の層とを
有する磁気記録媒体において、前記磁性層は、厚さが
0.10μm〜0.18μmであり、中心部が強磁性金
属で、周りが強磁性金属の酸化物であるカラムの構造を
有し、前記カラムの傾斜角は40°〜55°であり、前
記保護層は、ダイヤモンドライクカーボンからなり、前
記バック層は、厚さが0.09μm〜0.2μmであ
り、金属及び半金属の群の中から選ばれる材料が蒸着さ
れたものであり、前記潤滑剤は、25℃で液体で、分子
末端に炭素数が8〜25の脂肪族アルケニル基を有する
含フッ素有機化合物を含有することを特徴とする磁気記
録媒体によって達成される。
【0013】更には、支持体と、前記支持体の一面上に
設けられた磁性層と、前記磁性層の上に設けられた保護
層と、前記支持体の他面上に設けられたバック層と、前
記保護層およびバック層の上に設けられた潤滑剤の層と
を有する磁気記録媒体において、前記磁性層は、厚さが
0.10μm〜0.18μmであり、中心部が強磁性金
属で、周りが強磁性金属の酸化物であるカラムの構造を
有し、前記カラムの傾斜角は40°〜55°であり、前
記保護層は、ダイヤモンドライクカーボンからなり、前
記バック層は、厚さが0.09μm〜0.2μmであ
り、かつ、前記磁性層の厚さの0.90〜1.2倍であ
り、前記磁性層と同じ金属材料が蒸着されたものであ
り、前記潤滑剤は、25℃で液体で、分子末端に炭素数
が8〜25の脂肪族アルケニル基を有する含フッ素有機
化合物を含有することを特徴とする磁気記録媒体によっ
て達成される。
【0014】上記潤滑剤は、次の一般式〔I〕で表され
るものが好ましい。 一般式〔I〕
【0015】
【化1】
【0016】すなわち、磁性層及び保護層を上記特徴の
構成とし、そして用いる潤滑剤として上記の潤滑剤を用
いた場合、広い温度範囲において動摩擦係数が低くて、
走行性が良く、又、スチル耐久性に優れ、かつ、出力が
高く、特に記録波長が0.5μm以下の短波長領域にお
ける出力は高いものであった。この特長は、磁性層の構
成を本願発明のようにしたのみでは得られず、又、潤滑
剤を本願発明の潤滑剤としたのみでも得られないもので
あった。
【0017】尚、上記磁気記録媒体における保護層は、
厚さが8×10-3μm〜13×10 -3μmであるのが好
ましい。これは、保護層が厚くなり過ぎると、それだけ
ヘッドとのスペーシングロスが大きくなり、逆に、保護
層が薄くなり過ぎると、それだけ保護層としての機能が
低下するからである。又、上記磁気記録媒体における潤
滑剤の層は、厚さが1×10-3μm〜4×10-3μmで
あるのが好ましい。これは、潤滑剤の層が厚くなり過ぎ
ると、それだけヘッドとのスペーシングロスが大きくな
り、逆に、潤滑剤の層が薄くなり過ぎると、それだけ潤
滑機能が低下するからである。
【0018】上記磁気記録媒体の磁性層と反対側の面に
設けられたバック層は、金属(磁性金属、非磁性金属い
ずれでも良い。)、半金属の材料で構成される。特に、
前記材料を蒸着させることによって構成される。中で
も、磁性層を構成する磁性金属と同じ磁性金属を蒸着さ
せることによって構成される。尚、蒸着時に酸素などを
供給することによって、表面酸化がなされても良い。バ
ック層の厚さは0.09μm〜0.2μmであり、か
つ、前記磁性層の厚さの0.9〜1.2倍であるのが好
ましい。これによって、支持体の一面側に設けた磁性層
と、支持体の他面側に設けたバック層との間でのバラン
スが図れ、カール等の変形が起き難く、磁気ヘッドと磁
気記録媒体との間での接触具合(ヘッドタッチ)が良く
なり、電磁変換特性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明になる磁気記録媒体は、磁
性層と、前記磁性層の上に設けられた保護層と、前記保
護層の上に設けられた潤滑剤の層とを有する磁気記録媒
体において、前記磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2
μmであり、中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属
の酸化物であるカラムの構造を有し、前記カラムの傾斜
角は40°〜55°であり、前記保護層は、ダイヤモン
ドライクカーボンからなり、前記潤滑剤は、25℃で液
体で、分子末端に炭素数が8〜32の脂肪族アルケニル
基を有する含フッ素有機化合物を含有する。特に、支持
体と、前記支持体の一面上に設けられた磁性層と、前記
磁性層の上に設けられた保護層と、前記支持体の他面上
に設けられたバック層と、前記保護層およびバック層の
上に設けられた潤滑剤の層とを有する磁気記録媒体にお
いて、前記磁性層は、厚さが0.10μm〜0.18μ
mであり、中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属の
酸化物であるカラムの構造を有し、前記カラムの傾斜角
は40°〜55°であり、前記保護層は、ダイヤモンド
ライクカーボンからなり、前記バック層は、厚さが0.
09μm〜0.2μmであり、金属及び半金属の群の中
から選ばれる材料が蒸着されたものであり、前記潤滑剤
は、25℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜25の脂
肪族アルケニル基を有する含フッ素有機化合物を含有す
る。更には、支持体と、前記支持体の一面上に設けられ
た磁性層と、前記磁性層の上に設けられた保護層と、前
記支持体の他面上に設けられたバック層と、前記保護層
およびバック層の上に設けられた潤滑剤の層とを有する
磁気記録媒体において、前記磁性層は、厚さが0.10
μm〜0.18μmであり、中心部が強磁性金属で、周
りが強磁性金属の酸化物であるカラムの構造を有し、前
記カラムの傾斜角は40°〜55°であり、前記保護層
は、ダイヤモンドライクカーボンからなり、前記バック
層は、厚さが0.09μm〜0.2μmであり、かつ、
前記磁性層の厚さの0.9〜1.2倍であり、前記磁性
層と同じ金属材料が蒸着されたものであり、前記潤滑剤
は、25℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜25の脂
肪族アルケニル基を有する含フッ素有機化合物を含有す
る。潤滑剤は、アルケニル基が脂肪族アルケニル基の前
記一般式〔I〕で表されるものである。保護層は、厚さ
が8×10-3μm〜13×10-3μmである。潤滑剤の
層は、厚さが1×10-3μm〜4×10-3μmである。
【0020】以下、更に詳しく説明する。 〔支持体〕磁性層がその上に設けられる支持体として
は、当該技術分野における公知の支持体を特に制限なく
用いることが出来る。具体的には、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
スルフォン、アラミド、芳香族ポリアミド等の公知の樹
脂、アルミニウムや銅等の金属、紙、セラミックス等を
使用することが出来る。形態は、フィルム、テープ、シ
ート、ディスク、ドラム等のいずれでも良い。上記支持
体には、磁性層を設ける前に、大気中及び/又は真空中
においてその表面に予めコロナ放電処理、プラズマ処
理、易接着処理、熱処理、防塵処理、ボンバード処理な
どを行うことも出来る。上記支持体の厚さは1〜50μ
m、好ましくは2〜6μmである。
【0021】〔磁性層〕磁性層の形成には、公知の金属
薄膜形成手段が利用できるが、特に斜め蒸着法が用いら
れる。すなわち、図1に示す如く、真空斜め蒸着装置が
用いられる。図1中、1は支持体、2は冷却キャンロー
ル、3aは支持体1の供給側ロール、3bは支持体1の
巻取側ロール、4a,4bはイオンボンバード装置、5
はルツボ、6はルツボ5内に充填された強磁性金属、7
は電子銃、8は遮蔽板、9a,9bは酸素ガス供給ノズ
ルである。尚、これらは真空槽内に配置されている。そ
して、磁性層を構成するカラムの傾斜角が40°〜55
°となるように斜め蒸着の条件を設定する。この条件の
設定は一義的に決めることは出来ないが、金属粒子が支
持体に付着する時の入射角が大きく影響する。例えば、
最大入射角を70°〜90°、最小入射角を45°〜7
5°に設定する。又、真空槽内を1×10-4〜1×10
-6Torrに真空排気する。支持体1の走行速度は1〜
100m/分、電子銃7の出力は10〜300kw、酸
素ガス供給ノズル9a,9bからの酸素ガス供給量は2
0〜5000sccmである。これにより、中心部が強
磁性金属で、周りが強磁性金属の酸化物であるカラムの
構造を有し、前記カラムの傾斜角が40°〜55°の磁
性層(金属薄膜型の磁性層)が形成される。
【0022】尚、カラムの傾斜角は、図2に示される通
りである。すなわち、磁性層11におけるカラムCの下
端と上端とを結ぶ直線と支持体1とのなす角度θがカラ
ムの傾斜角であり、磁気記録媒体を支持体の長手方向に
沿って切断し、その切断面を電子顕微鏡によって観察
し、幾つかのカラムCについて傾斜角θを求め、その平
均をとることによってカラムの傾斜角θが得られる。
【0023】金属薄膜型の磁性層を形成する金属として
は、例えば、Fe,Co,Ni等の金属の他に、Co−
Ni系合金、Co−Pt系合金、Co−Ni−Pt系合
金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co
−Ni系合金、Fe−Co−B系合金、Co−Ni−F
e−B系合金、Co−Cr系合金、或いはこれらにAl
等の金属を含有させたもの等が用いられる。又、これら
の酸化物、窒化物、炭化物なども用いられる。
【0024】磁性層は、一層の金属薄膜から構成されて
いても、二層以上の金属薄膜が積層されたものでも良
い。磁性層が二層以上の金属薄膜から構成される場合、
各金属薄膜の材質は同一でも、異なっていても良い。
尚、上記金属薄膜型の磁性層は、その全体の厚さが0.
1μm〜0.2μmである。特に、0.10〜0.18
μmである。
【0025】〔保護層〕上記磁性層11上には保護層1
2が設けられる。保護層としては、例えば炭化ホウ素、
炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸
化クロム、酸化アルミニウム等がある。しかし、本発明
においては、ダイヤモンドライクカーボンによって保護
層を形成する。例えば、ダイヤモンド結合を有するアモ
ルファスカーボンで保護層を形成する。或いは、ダイヤ
モンド結合及びグラファイト結合の両方を有するアモル
ファスカーボンで保護層を形成する。保護層の厚さは8
×10-3μm〜13×10-3μmである。ダイヤモンド
ライクカーボンからなる保護層の形成法としては、CV
D法、或いはPVD法の何れでも良い。CVD法ではE
CR(Electron Cyclotron Res
onance)プラズマCVD法や、高周波(RF)を
用いた方法が特に有効である。例えば、図3に示すEC
RプラズマCVD装置が用いられる。尚、図3中、21
は磁性層11が設けられた支持体、22は冷却キャンロ
ール、23aは支持体21の供給側ロール、23bは支
持体21の巻取6ロール、24は真空槽、25はプラズ
マ反応管、26はマグネット、27は原料供給ノズル、
28はμ波の導波管、29はフィラメントである。CV
D法により上記保護層を形成する場合、原料はガス、液
体及び固体の何れのものを用いても良いが、炭化水素、
中でもCH4 ,C2 6,C3 8 ,C2 4 ,C3
6 ,C2 2 ,C6 6 等の炭化水素を用いるのが好ま
しい。
【0026】〔バック層〕支持体の面における磁性層1
1が形成される面とは反対側の面に、磁気記録媒体の走
行性や耐久性等を向上せしめる為、バック層13が設け
られる。バック層としては、塗布型あるいは金属薄膜型
の何れでも良いが、金属薄膜型のものが好ましい。金属
薄膜型のバック層は、一般に、Al,Cu,Si,F
e,Mo,Mn,Zn等の非磁性の金属、Si,Ge等
の半金属、又は磁性金属、特に、磁性層を構成した磁性
金属と同じ磁性金属、これらの合金若しくは酸化物、窒
化物、炭化物などを蒸着などのPVD手段で成膜するこ
とにより形成される。バック層の厚さは、0.09μm
〜0.2μmが好ましい。特に、厚さが0.09μm〜
0.2μmで、かつ、磁性層の厚さの0.9〜1.2倍
であるのが好ましい。
【0027】〔潤滑剤〕本発明の潤滑剤は、25℃で液
体で、分子末端に炭素数が8〜32の脂肪族アルケニル
基を有する含フッ素化合物である。特に、上記一般式
〔I〕で表される含フッ素有機化合物である。該含フッ
素有機化合物はRf で表されるフルオロアルキル基と、
Rで表される脂肪族アルケニル基とが、極性基Zを有す
るアルキレン基R’で連結されている構造を有すること
を特徴とする。
【0028】一般式〔I〕中のRf としては、炭素数5
〜20の直鎖または分岐鎖のフルオロアルキル基が好ま
しい。尚、このフルオロアルキル基は必ずしもパーフル
オロアルキル基である必要はない。又、分子中にエーテ
ル結合を有していても良い。一般式〔I〕中のRは、炭
素数が8〜32の脂肪族アルケニル基である。好ましく
は、炭素数が8〜25の直鎖または分岐鎖の脂肪族アル
ケニル基である。アルケニル基Rは二重結合を二つ以上
含むものであっても良い。
【0029】尚、Rf の炭素数C1 とRの炭素数C2
がC1 <C2 の関係を満たすことが、有機溶媒との相溶
性などの面から好ましい。又、一般式〔I〕中のR’の
部分のm,nは、各々、0〜30の整数である。好まし
くは0〜10の整数である。更に好ましくは0〜5の整
数である。30を越えると、極性基の効果が弱くなり、
潤滑性が低下する。nとmとの和は、0〜40の整数で
あるのが好ましい。更に好ましくは0〜25の整数であ
る。又、一般式〔I〕中のlは、0〜30の整数であ
る。好ましくは0〜10の整数である。30を越える
と、極性基の効果が弱くなり、潤滑性が低下する。
【0030】又、一般式〔I〕中のXは−O−を一個有
するか、或いは含まない。後者の場合、Rf とR’とが
直接結合することを意味する。一般式〔I〕の潤滑剤
は、極性基Zを必須成分として含有するが、更にアルケ
ニル基Rが極性基Z2 を含有していても良い。極性基Z
2 を有する場合、極性基Zと同一でも異なっていても良
く、その位置はアルケニル基の鎖中でも末端でも良い。
ここで、極性基とは、化学大辞典(東京化学同人出版)
に記載されているように、有機化合物の置換基のうち、
その化合物の極性を発現する要因になっている置換基を
言う。炭素原子と異なる電気陰性度を持つ原子は極性基
となる。極性基Z,Z2 の例示を次に示すが、これに限
定されない。
【0031】−CH2 OH,−CH2 COOH,−CO
OH,−SO3 M,−PO3 2 ,−OPO3 M(但
し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム),−
NCO,−OH,−NH2 ,−NO2 ,−CHO,−C
N,
【0032】
【化2】
【0033】本発明の潤滑剤はトルエン、メタノール、
エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホ
ルム、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルホルム
アミド(DMF)、シクロヘキサノン等の汎用の各種有
機溶媒に可溶である為、コストや用途の面で有利であ
る。本発明の潤滑剤の層は、例えば超音波発振器を備え
た噴霧器を用いた湿式塗布法を用いて形成できる。又、
潤滑剤層形成後、上記磁気記録媒体を溶剤により洗浄し
ても良い。潤滑剤は、使用時に適当な溶剤で希釈した
後、上記の方法で設けられる。
【0034】潤滑剤の付着量(潤滑剤の層厚)は、磁気
記録媒体の形態(テープ、ディスク)等に応じて適宜調
節することが出来る。一般的な範囲としての厚さは、1
×10-3μm〜4×10-3μmである。すなわち、該付
着量が少な過ぎると、磁気記録媒体の十分な潤滑性が得
られず、ヘッドや磁気記録媒体を傷つける場合がある。
逆に、多くなり過ぎると、磁気記録媒体の表面が粘着性
を有し、走行中にガイドピンとの摩擦抵抗が増加し、走
行がストップしたり、ヘッドギャップに磁気記録媒体か
らの脱落物が付着して記録不能となる場合がある。
【0035】本発明において、上記潤滑剤の他に、磁気
記録媒体に通常用いられている潤滑剤を併用しても良
い。例えば、AUSIMONT K.K.製のFOMB
LIN(商品名)や、特開平7−220267号公報、
特開昭62−103838号公報などに記載の潤滑剤を
併用できる。又、必要に応じて、他の添加剤、例えばフ
ェノール類、キノン類、ナフトール類、及び窒素原子、
酸素原子又は硫黄原子を含む複素環化合物等と併用して
も良い。これらの場合、他の潤滑剤や添加剤は、本発明
の潤滑剤100重量部に対して1〜500重量部添加す
ることができる。
【0036】次に、一般式〔I〕で表される潤滑剤の合
成例を説明する。 〔一般式〔I〕で表される潤滑剤(含フッ素化合物)の
合成例1〕下記の反応式に従って含フッ素化合物を製造
した。
【0037】
【化3】
【0038】16gの化合物bを160mlのDMF中
に溶解し、これに1.2当量のNaHを加え、110℃
に加熱した。1.5時間の熟成後、化合物aを徐々に滴
下し、更に110℃で1時間攪拌した。冷却後、希塩酸
で中和してからクロロホルムで抽出し、減圧濃縮して5
3.3gの化合物cを得た(収率86%)。55gの化
合物cを600mlのDiglyme中に溶解し、2.
4当量のNaBH4 を78gと0.4当量のLiBrを
29.8g加え、110℃で2時間加熱した。冷却後、
希塩酸を加えてクロロホルムで抽出し、減圧濃縮して3
8.2gの化合物(A)を得た(収率78%)。
【0039】26.8gの化合物dを270mlのTH
F中に溶解し、これに1.5当量のピリジン11.9g
を加え、0℃において1.5当量のTs−Clを28.
6g徐々に滴下した。1時間後、室温に昇温し、水−ヘ
キサンで抽出し、減圧濃縮して40.5gの化合物
(B)を得た(収率96%)。34.3gの化合物
(A)を350mlのDMF中に溶解し、0℃において
0.5当量のNaHを7.2g加えた。1時間後、1当
量の化合物(B)を25.3g加え、徐々に滴下し、滴
下後ゆっくり室温まで昇温した。水−ヘキサンで抽出
し、減圧濃縮して36.5gの目的化合物(C)を得た
(収率74%)。
【0040】〔一般式〔I〕で表される潤滑剤(含フッ
素化合物)の合成例2〜5〕前記合成例1に準じた。上
記合成例で用いた化合物a,b,dを下記に示す。
【0041】
【化4】
【0042】又、合成例1〜5で得た目的化合物(C)
を下記に示す。
【0043】
【化5】
【0044】尚、反応生成物の確認は赤外吸収分光法
(IR)、核磁気共鳴法(NMR)、及び質量分析法
(MS)により行った処、上記構造式で示されるもので
あることが確認された。 表−1 目的化合物 IR(cm-1) MS(M+H)+ 1 1200〜1390 823 3400 2920 710 2 1200〜1390 795 3400 2920 710 3 1200〜1390 823 3400 2920 710 4 1200〜1390 795 3400 2920 710 5 1210〜1420 795 2500〜3300 2930 1760 710 以下、具体的実施例を挙げて本発明を説明する。
【0045】
【実施例1】図1に示した真空斜め蒸着装置を用いてポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム1上に磁
性層11を形成した。尚、PETフィルム1の厚さは
6.3μm、磁性層11を形成する側の表面粗さRaは
2nm、反対側の表面粗さRaは5nmであった。
【0046】電子銃7の出力は15kw、PETフィル
ム1の走行速度は2m/分、磁性金属6はCo、磁性金
属粒子の最大入射角は90°、最小入射角は60°、真
空槽内の真空度は1×10-5Torr、酸素ガス供給ノ
ズル9a,9bからの酸素ガス供給量(合計量)は50
sccmとして、中心部がCoで、周りがCo−Oであ
るカラムの構造を有する磁性層11を形成した。
【0047】この磁性層11の厚さは0.15μmであ
り、カラムの傾斜角θは47°であった。又、その保磁
力Hcは1600Oe、飽和磁束密度Bsは6200
G、角型比Sqは0.92であった。次に、この磁性層
11が形成されたPETフィルム1を図3に示したEC
RプラズマCVD装置に装填し、磁性層11上に保護層
12を形成した。
【0048】尚、原料供給ノズル27からプラズマ反応
管25内に供給されるのはベンゼンガスであり、その量
は50sccmである。PETフィルム1の走行速度は
8m/分である。フィラメント29はタングステン製の
ものであって、40Aの電流が通電される。μ波の出力
は600wである。このようにして形成された保護層1
2は、図4に示すラマンスペクトルから判る通り、ダイ
ヤモンドライクカーボンからなり、その厚さは11×1
-3μmであった。
【0049】又、磁性層11と反対側の面に、酸素ガス
を流しながらCoを蒸着法により堆積させ、厚さ0.1
5μmのCo−O層(バック層)13を形成した。そし
て、上記合成例1で得た含フッ素化合物をトルエンに
0.01wt%となるように希釈して潤滑剤塗布液を調
整した。そして、これを30kHzの超音波噴霧器を用
いて乾燥後の厚さが2×10-3μm(ESCAにより測
定)となるよう保護層12及びバック層13の上に塗布
し、潤滑剤の層14,15を形成した。
【0050】上記のようにして得た磁気記録媒体の原反
を所定幅に裁断し、磁気テープを得た。
【0051】
【実施例2〜5】実施例1の方法に準じて磁気テープを
得た。但し、実施例1で用いた合成例1の潤滑剤の代わ
りに、実施例2〜5では上記合成例2〜5で得た潤滑剤
を用いた。
【0052】
【実施例6】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、バック層13は、Coを蒸着させる代わりに
Alを蒸着させ、厚さ0.15μmのAl−O層とし
た。
【0053】
【実施例7】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、バック層13は、Coを蒸着させる代わりに
Cuを蒸着させ、厚さ0.15μmのCu−O層とし
た。
【0054】
【実施例8】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、バック層13は、Coを蒸着させる代わりに
Siを蒸着させ、厚さ0.15μmのSi層とした。
【0055】
【比較例1】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、実施例1で用いた合成例1の潤滑剤における
炭素数18のアルケニル基が炭素数18のアルキル基で
ある以外は同じ構造の潤滑剤を用いた。
【0056】
【比較例2】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、磁性層の形成に際して、酸素ガス供給ノズル
9bには酸素ガスを供給せず、そして磁性金属粒子の最
大入射角を88°、最小入射角を41°とした。尚、本
比較例の磁性層は厚さが0.15μmであり、カラムの
傾斜角θは38°であった。
【0057】
【比較例3】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、磁性層の形成に際して、磁性金属粒子の最大
入射角を85°、最小入射角を75°とした。尚、本比
較例の磁性層は厚さが0.15μmであり、カラムの傾
斜角θは60°であった。
【0058】
【比較例4】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、グラファイトをターゲットとし、3×10-3
TorrのAr雰囲気下においてスパッタすることによ
りグラファイト製の保護層を形成し、実施例1における
ダイヤモンドライクカーボン製の保護層を前記グラファ
イト製の保護層で置き換えた。
【0059】
【比較例5】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、磁性層の厚さを0.06μmとした。
【0060】
【比較例6】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、磁性層の厚さを0.26μmとした。
【0061】
【比較例7】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、潤滑剤は脂肪族アルケニル基の炭素数が7の
もので置き換えた。
【0062】
【比較例8】実施例1の方法に準じて磁気テープを得
た。但し、潤滑剤は脂肪族アルケニル基の炭素数が33
のもので置き換えた。
【0063】
【特性】上記各例で得た磁気テープの記録波長が0.3
0μm,0.50μm,1.00μmの場合についての
出力を、市販のDVCカメラを改造した装置を用いて測
定したので、その結果を表−1に示す。又、0℃,20
%RH環境下、25℃,50%RH環境下、50℃,7
0%RH環境下で動摩擦係数を調べたので、その結果を
併せて表−1に示す。
【0064】更に、30分間スチル再生した後、記録波
長が0.50μmの場合についての出力低下の程度を調
べたので、その結果も表−1に示す。 表−1 出力(dB) 動摩擦係数 スチル耐久性 0.30 0.50 1.00(μm) 0℃ 25℃ 50℃ (dB) 実施例1 0 0 0 0.24 0.24 0.20 -0.4 実施例2 -0.3 0 -0.1 0.26 0.24 0.22 -0.8 実施例3 0 0 -0.2 0.25 0.23 0.20 -0.7 実施例4 -0.3 -0.5 -0.5 0.27 0.25 0.25 -1.1 実施例5 -0.2 -0.2 -0.3 0.26 0.25 0.21 -1.0 実施例6 -0.5 -0.1 -0.1 0.28 0.27 0.21 -1.2 実施例7 -1.1 -0.5 -0.2 0.28 0.26 0.26 -1.8 実施例8 -1.2 -0.6 -0.4 0.29 0.27 0.22 -1.9 比較例1 -3.4 -3.1 -0.8 0.51 0.38 0.28 -6.7 比較例2 -5.4 -4.1 -3.7 0.26 0.25 0.21 -0.5 比較例3 -1.5 -1.8 -2.8 0.25 0.24 0.22 -0.7 比較例4 -3.1 -2.4 -2.0 0.24 0.24 0.21 -8.1 比較例5 -0.1 -0.5 -3.1 0.29 0.27 0.24 -2.4 比較例6 -2.2 -0.9 +1.8 0.28 0.26 0.21 -1.2 比較例7 -1.1 -1.0 -0.4 0.41 0.38 0.31 -2.7 比較例8 -0.5 -0.5 -0.3 0.35 0.33 0.34 -4.1 *出力は実施例1を基準(0dB)として表示 これによれば、磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2μ
mの要件、中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属の
酸化物であるカラムの構造を有し、カラムの傾斜角が4
0°〜55°の要件、保護層はダイヤモンドライクカー
ボンの要件、潤滑剤は、25℃で液体で、分子末端に炭
素数が8〜32の脂肪族アルケニル基を有する含フッ素
有機化合物を含有する要件が全て満たされて、始めて、
広い周波数領域にわたって出力が高く、特に、記録波長
が0.5μm以下の短波長領域における出力は高く、
又、広い温度・湿度範囲にわたって動摩擦係数が小さ
く、走行性に優れており、更にはスチル耐久性に優れた
特長を奏する。
【0065】これに対して、実施例1と比較例2,3と
の対比から判る通り、磁性層は、中心部が強磁性金属
で、周りが強磁性金属の酸化物であるカラムの構造を有
し、カラムの傾斜角が40°〜55°の要件が満たされ
ていないと、磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2μm
の要件、保護層はダイヤモンドライクカーボンの要件、
潤滑剤は、25℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜3
2の脂肪族アルケニル基を有する含フッ素有機化合物を
含有する要件が満たされていても、出力が極めて低い。
【0066】又、実施例1と比較例5,6との対比から
判る通り、磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2μmの
要件が満たされていないと、磁性層は、中心部が強磁性
金属で、周りが強磁性金属の酸化物であるカラムの構造
を有し、カラムの傾斜角が40°〜55°の要件、保護
層はダイヤモンドライクカーボンの要件、潤滑剤は、2
5℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜32の脂肪族ア
ルケニル基を有する含フッ素有機化合物を含有する要件
が満たされていても、出力は低く、又、スチル耐久性が
低く、又、摩擦係数もそれ程低くない。
【0067】又、実施例1と比較例1,7,8との対比
から判る通り、潤滑剤が本発明の要件を満たしていない
と、磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2μmの要件、
磁性層は、中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属の
酸化物であるカラムの構造を有し、カラムの傾斜角が4
0°〜55°の要件、保護層はダイヤモンドライクカー
ボンの要件が満たされていても、出力は低く、又、摩擦
係数が大きく、かつ、スチル耐久性も悪い。
【0068】又、実施例1と比較例4との対比から判る
通り、保護層はダイヤモンドライクカーボンの要件を満
たしていないと、磁性層は、厚さが0.1μm〜0.2
μmの要件、磁性層は、中心部が強磁性金属で、周りが
強磁性金属の酸化物であるカラムの構造を有し、カラム
の傾斜角が40°〜55°の要件、潤滑剤は、25℃で
液体で、分子末端に炭素数が8〜32の脂肪族アルケニ
ル基を有する含フッ素有機化合物を含有する要件が満た
されていても、出力は低く、かつ、スチル耐久性も悪
い。
【0069】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、出力が高く、
かつ、広い温度・湿度範囲にわたって動摩擦係数が小さ
く、走行性に優れており、更には耐久性に優れた特長を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空斜め蒸着装置の概略図
【図2】磁気記録媒体の説明図
【図3】ECRプラズマCVD装置の概略図
【図4】保護層のラマンスペクトル
【符号の説明】
1 PETフィルム(支持体) 11 磁性層 12 保護層 13 バック層 14,15 潤滑剤の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 克巳 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層と、前記磁性層の上に設けられた
    保護層と、前記保護層の上に設けられた潤滑剤の層とを
    有する磁気記録媒体において、 前記磁性層は、 厚さが0.1μm〜0.2μmであり、 中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属の酸化物であ
    るカラムの構造を有し、前記カラムの傾斜角は40°〜
    55°であり、 前記保護層は、 ダイヤモンドライクカーボンからなり、 前記潤滑剤は、 25℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜32の脂肪族
    アルケニル基を有する含フッ素有機化合物を含有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体と、前記支持体の一面上に設けら
    れた磁性層と、前記磁性層の上に設けられた保護層と、
    前記支持体の他面上に設けられたバック層と、前記保護
    層およびバック層の上に設けられた潤滑剤の層とを有す
    る磁気記録媒体において、 前記磁性層は、 厚さが0.10μm〜0.18μmであり、 中心部が強磁性金属で、周りが強磁性金属の酸化物であ
    るカラムの構造を有し、前記カラムの傾斜角は40°〜
    55°であり、 前記保護層は、 ダイヤモンドライクカーボンからなり、 前記バック層は、 厚さが0.09μm〜0.2μmであり、 金属及び半金属の群の中から選ばれる材料が蒸着された
    ものであり、 前記潤滑剤は、 25℃で液体で、分子末端に炭素数が8〜25の脂肪族
    アルケニル基を有する含フッ素有機化合物を含有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 保護層は、厚さが8×10-3μm〜13
    ×10-3μmであり、潤滑剤の層は、厚さが1×10-3
    μm〜4×10-3μmであることを特徴とする請求項1
    又は請求項2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 バック層は、磁性層と同じ金属材料を用
    いて構成され、その厚さが磁性層の厚さの0.9〜1.
    2倍であることを特徴とする請求項2の磁気記録媒体。
JP14745597A 1997-06-05 1997-06-05 磁気記録媒体 Pending JPH10340440A (ja)

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