JPH10339894A - 微小信号処理回路及びブレ検出回路 - Google Patents

微小信号処理回路及びブレ検出回路

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JPH10339894A
JPH10339894A JP9168273A JP16827397A JPH10339894A JP H10339894 A JPH10339894 A JP H10339894A JP 9168273 A JP9168273 A JP 9168273A JP 16827397 A JP16827397 A JP 16827397A JP H10339894 A JPH10339894 A JP H10339894A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増幅部の同相入力範囲の制限を受けることな
く、ばらつきの大きい微小信号を処理することができ、
部品点数の少ない実装上有利な微小信号処理回路及びブ
レ検出回路を提供する。 【解決手段】 振動ジャイロ1の出力電圧Vo及びD/
Aコンバータ4の出力電圧VDAは、回路2に入力す
る。CPU3は、回路2の出力電圧Vωがダイナミック
レンジを越えるようなときには、D/Aコンバータ4の
出力電圧VDAを制御する。オペアンプOP1は、反転
入力形式であるために、振動ジャイロ1の出力信号Vo
がばらついても、同相入力範囲による制限を受けない。
この回路2は、オペアンプOP1を複数設けることな
く、ローパスフィルタ、加算器及び増幅器の機能を実現
している。このために、部品点数の削減と実装スペース
の確保を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、ビデオな
どの撮影装置における手ブレなどによる微小信号を検出
し、処理する微小信号処理回路及びブレ検出回路に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開平2−1832
17号公報に開示されているようなブレ補正装置が知ら
れている。このブレ補正装置は、カメラやビデオなどに
生じたブレを角速度センサなどのセンサによって検出
し、検出されたブレの方向と逆方向にブレ補正レンズを
移動しブレを補正している。
【0003】以下に、図8を参照して、従来のブレ補正
装置について説明する。図8は、従来のブレ補正装置の
ブロック図である。カメラボディ101は、カメラボデ
ィ101側及びレンズ鏡筒102側に給電する電池10
3と、カメラボディ側DC/DCコンバータ104と、
カメラボディ側の主要な制御を行うカメラボディ側CP
U105と、カメラの電源スイッチをONするメインス
イッチ112と、レリーズボタンの第1ストローク(半
押し状態)でONする半押しスイッチ111と、レリー
ズボタンの第2ストローク(全押し状態)でONする全
押しスイッチ110と、操作スイッチ113と、半導体
スイッチである給電制御スイッチ130などを備えてい
る。
【0004】レンズ鏡筒102は、カメラボディ101
に着脱自在に取り付けられている。レンズ鏡筒102
は、レンズ鏡筒側の主要な制御を行うレンズ鏡筒側CP
U119と、レンズ鏡筒側DC/DCコンバータ120
と、ブレ補正制御モードを選択するための2bitの設
定スイッチ131,132と、ブレを検出し、そのブレ
量に応じた出力信号を出力するブレ検出部113,11
4と、第1のレンズ群125と、第2のレンズ群126
と、光軸方向に対して垂直な方向又は略垂直な方向に駆
動し、ブレを補正する第3のレンズ群(以下、ブレ補正
レンズという)127と、絞り羽根128と、ブレ補正
レンズ127を駆動するためのモータ123,124
と、このモータ123,124をそれぞれ駆動制御する
制御回路121,122などを備えている。
【0005】従来のブレ補正装置は、平面上に結像する
像面のブレを、例えば、互いに直交するX軸及びY軸の
2軸成分に分解し、ブレの向きを打ち消すようにそれぞ
れの軸方向に沿ってブレ補正機構部を駆動していた。こ
のために、駆動源となるモータ123,124は、ブレ
補正レンズ127を駆動するために2軸分で2個が必要
となるために、ブレ検出部113,114、モータ12
3,124及び制御回路121,122も、それぞれ2
個づつ設けられている。以下において、ブレ検出部11
3を説明する。
【0006】図9は、従来のブレ補正装置におけるブレ
検出回路の一例を示すブロック図である。ブレ検出部1
13は、図9に示すように、角速度センサ(ジャイロ)
1と、この角速度センサ1に接続されたハイパスフィル
タ(以下、HPFという)17と、このHPF17に接
続された増幅器(以下、AMPという)16と、このA
MP16に接続されたローパスフィルタ(以下、LPF
という)15と、このLPF15に接続されたA/Dコ
ンバータ13aとからなるブレ検出回路を備えている。
【0007】角速度センサ1は、ブレ状態を角速度とし
て検出し、この角速度に応じた出力信号を発生するセン
サであり、この出力信号は、次段のHPF17に入力し
ている。
【0008】HPF17は、角速度センサ1の出力信号
から低域周波数成分をカットするフィルタであり、低域
周波数成分がカットされた信号は、次段のAMP16に
入力している。
【0009】AMP16は、HPF17により低域周波
数成分がカットされた信号を増幅し、増幅された信号
は、次段のLPF15に入力している。
【0010】LPF15は、AMP16により増幅され
た信号から高域周波数成分をカットするフィルタであ
り、LPF15により高域周波数成分をカットされた信
号は、次段のA/Dコンバータ13aに入力している。
【0011】A/Dコンバータ13aは、LPF15に
より高域周波数成分をカットされたアナログ信号をデジ
タル信号に変換し出力する。
【0012】上述した一連のアナログ信号処理回路は、
ブレの周波数域の信号に対して増幅するために、処理す
る信号の周波数領域は、数Hzから数10Hzである。
アナログ処理されたデータは、角速度の次元を持ってい
るために、このデータに基づいて、ブレ補正レンズ12
7を駆動するときには、角速度の基準値(検出装置出力
基準値)ω0(以下、オメガゼロという)を算出する必
要がある。このオメガゼロを算出することにより、一定
の速度でパンニングしたときに、ブレている状態とは異
なる状態であることを補正動作に反映することができ
る。ブレ補正レンズ127は、オメガゼロと検出された
角速度の処理データとの差に比例した補正量により駆動
され、オメガゼロは、ω0=(1/T)Σω(t)の式
により算出される。これは、時刻0からTまでの間の各
時刻の角速度ω(t)の和を時間Tで平均したものであ
る。この計算式において使用する角速度データは、角速
度センサ1の出力が安定し、カメラの状態がブレ状態で
はないと判断されるときに検出したデータを用いるのが
理想的である。また、平均する時間(検出時間)Tが長
いほどデータの安定度はよい。
【0013】カメラボディ101とレンズ鏡筒102に
は、図8に示すように、これらを互いに電気的に接続す
るための電気接点115,116,117,118が設
けられている。電気接点115は、電池103から給電
制御スイッチ130を介してレンズ鏡筒102側へ給電
するための接点である。電気接点116は、カメラボデ
ィ側DC/DCコンバータ104の出力をレンズ鏡筒1
02側に給電するための接点である。電気接点117
は、カメラボディ側CPU105とレンズ鏡筒側CPU
119との間の通信を行うための接点である。電気接点
118は、電池103の陰極端子につながるグランド
(GND)ラインを接続するための接点である。
【0014】次に、従来のブレ補正装置の動作を説明す
る。メインスイッチ112がON動作され、半押しスイ
ッチ111がON動作されると、カメラボディ側CPU
105の端子には、“L”レベルの信号が入力される。
そして、全押しスイッチ110がON動作されると、カ
メラボディ側CPU105の端子には、“L”レベルの
信号が入力される。カメラボディ側CPU105は、半
押しスイッチ111のON動作により、カメラボディ側
DC/DCコンバータ104を起動制御し、電気接点1
16を介して、レンズ鏡筒側CPU119に給電する。
【0015】レンズ鏡筒側CPU119は、給電要求信
号を電気接点117を介してカメラボディ側CPU10
5に出力する。カメラボディ側CPU105は、給電制
御スイッチ130をON動作させ、電池103は、レン
ズ鏡筒側DC/DCコンバータ120に電気接点115
を介して給電する。また、レンズ鏡筒側CPU119
は、電気接点116からの給電により、レンズ鏡筒側D
C/DCコンバータ120を起動し、レンズ鏡筒側DC
/DCコンバータ120は、制御回路121,122と
モータ123,124に給電する。
【0016】設定スイッチ132がON動作されたとき
には、レンズ鏡筒側CPU119のD1端子には、
“L”レベルの信号が入力され、設定スイッチ131が
ON動作されたときには、レンズ鏡筒側CPU119の
D2端子には、“L”レベルの信号が入力される。一
方、設定スイッチ132がOFF動作のときには、レン
ズ鏡筒側CPU119のD1端子は、“H”レベルであ
り、設定スイッチ131がOFF動作のときには、レン
ズ鏡筒側CPU119のD2端子は、“H”レベルであ
る。
【0017】D1端子が“L”レベルであり、D2端子
が“H”レベルのときには、ブレ補正制御モードは、
“露光中のみ補正動作を行うモード”に選択される。D
1端子が“H”レベルであり、D2端子が“L”レベル
のときには、ブレ補正制御モードは、“露光中および露
光外に補正動作を行うモード”に選択される。D1端子
が“H”レベルであり、D2端子が“H”レベルのとき
には、ブレ補正制御モードは、“ブレ補正動作を行わな
いモード”に選択される。
【0018】ブレ検出部113,114は、検出したブ
レ量に応じた出力信号をアナログ処理し、その信号をレ
ンズ鏡筒側CPU119に入力する。“露光中および露
光外に補正動作を行うモード”にブレ補正制御モードが
選択されている場合であって、半押しスイッチ111が
ON動作されたときには、レンズ鏡筒側CPU119
は、アナログ処理されたデータに基づいて、ブレ補正レ
ンズ127の駆動量を演算する。ブレ検出部113,1
14は、検出したブレ量に応じた出力信号を電源が印加
された時点から出力しており、レンズ鏡筒側CPU11
9は、ブレ検出部113,114の出力信号が出力され
た時点からオメガゼロの検出処理を始める。オメガゼロ
の検出に要する時間は、検出時間が十分にあるときに
は、およそ2秒間程度であるが、電源投入直後の撮影の
ときなどには2秒間も確保できない。このようなときに
は、オメガゼロの検出は、できるかぎり長い時間をかけ
て行われる。撮影者が撮影を行うときには、レンズ鏡筒
側CPU119は、撮影直前までのオメガゼロの検出デ
ータに基づいて補正量を算出し、この補正量に基づいて
モータ123,124をフィードバック制御する。
【0019】レンズ鏡筒側CPU119は、演算した補
正量に基づいて、モータ123,124の駆動を制御回
路121,122に指示する。モータ123,124の
回転運動は、直線運動に変換され、ブレ補正レンズ12
7を駆動する。なお、“露光中のみ補正動作を行うモー
ド”にブレ補正制御モードが選択されている場合であっ
て、全押しスイッチ110がON動作されたときには、
ブレ補正レンズ127は、露光中のみ駆動される。
【0020】図10は、従来のブレ補正装置におけるブ
レ検出回路の他の例を示すブロック図である。図10に
示すように、このブレ検出回路は、ブレ状態を角速度と
して検出し、この角速度に応じた出力信号を発生する角
速度センサ1と、この角速度センサ1の出力信号が入力
し、この出力信号を増幅するAMP16と、このAMP
16の出力信号が入力し、この出力信号から高域周波数
成分をカットするLPF15と、このLPF15の出力
信号が入力し、この信号をアナログ信号からデジタル信
号に変換し出力するA/Dコンバータ13aとからな
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図10に示すブレ検出
回路は、HPFを備えていないために、低域周波数成分
も情報として処理することができる。しかし、このブレ
検出回路は、HPFを備えていないために、回路自体の
DCオフセット成分による誤差も増幅してしまう。ま
た、角速度センサ1から出力されたブレ量に応じた出力
信号には、周波数の低い信号(長時間に渡るドリフト成
分)が含まれている。図10に示すように、角速度セン
サ1から出力された出力信号を、増幅器16においてそ
のままゲインをかけてしまうと、増幅器16からの出力
信号の成分は、低域周波数成分により飽和し、使用に耐
えないものとなってしまう。このために、このブレ検出
回路をブレ検出に使用することは、困難であった。
【0022】カメラの電子回路では、電池により電源を
作っているために、処理回路などの電源電圧は、一般に
省電などのために低電圧化の傾向にある。一般に、市販
のオペアンプでは、同相入力電圧範囲は、電源電圧が低
いと狭くなる。また、入力する電圧の範囲によっては、
オペアンプ内部のトランジスタが動作しない範囲があ
る。図10に示すブレ検出回路を市販のオペアンプを使
用して構成するときには、入力する電圧の範囲は、規格
により所定の範囲内に定められている。このために、規
格範囲内で処理できるブレ検出回路を構成する必要があ
る。
【0023】一般に、オペアンプでは、負帰還をかける
ことによって、安定性を増し帯域を広げて使用するため
に、出力信号を反転入力端子(−)側にフィードバック
している。この場合に、反転入力端子側と非反転入力端
子(+)側とは、仮想短絡(イマジナリショート)が成
立するために、両端子は、同じ電位に保つように動作す
る。図10に示すブレ検出回路において、オペアンプを
非反転入力形式としたときには、反転入力端子側と非反
転入力端子側の入力信号が変化するとともに、入力電圧
も変化する。オペアンプに入力する信号がばらつく場合
には、規格範囲内で使用したいときであっても、この規
格範囲を越える信号が入力する可能性がある。特に、ブ
レの検出に使用する角速度センサ(圧電振動ジャイロ)
1は、基準電圧に対して出力電圧のばらつきが大きい。
このために、オペアンプの入力範囲を越える出力電圧が
印加したときには、オペアンプの性能によっては、同相
入力範囲を越えてしまう可能性がある。その結果、オペ
アンプの選択の幅も狭くなり、コストアップにつながっ
てしまう。
【0024】本発明の課題は、増幅部の同相入力範囲の
制限を受けることなく、ばらつきの大きい微小信号を処
理することができ、部品点数の少ない実装上有利な微小
信号処理回路及びブレ検出回路を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1の発明は、微小信号(Vo)が入力され
る反転入力端子(−)と、基準電位(Vref)が印加
される非反転入力端子(+)とを有し、この微小信号か
ら高域成分を除去する低域通過フィルタ部(R10,R
20,R30,C10,C20,OP10)と、前記低
域通過フィルタ部の出力信号が入力される増幅部(OP
20)とを含むことを特徴としている微小信号処理回路
である。
【0026】請求項2の発明は、微小信号(Vo)が入
力される反転入力端子(−)と、基準電位(Vref)
が印加される非反転入力端子(+)とを有する増幅部
(OP20)と、前記増幅部の出力信号が入力し、前記
微小信号から高域成分を除去する低域通過フィルタ部
(R10,R20,R30,C10,C20,OP1
0)とを含むことを特徴とする微小信号処理回路であ
る。
【0027】請求項3の発明は、出力信号(VDA)を
発生する出力信号発生部(4)と、微小信号(Vo)が
入力される反転入力端子(−)と、基準電位(Vre
f)が印加される非反転入力端子(+)とを有し、この
微小信号と前記出力信号発生部の出力信号とに基づいて
所定の演算をする演算部(R1,R2,R3,R4,O
P1)と、前記演算部の出力信号から高域成分を除去す
る低域通過フィルタ部(R1,R2,R3,C1,C
2)と、前記低域通過フィルタ部の出力信号が入力され
る増幅部(OP1)と、前記増幅部の出力信号が所定範
囲内にないときには、操作信号を発生する操作信号発生
部(3)とを備え、前記微小信号と前記出力信号発生部
の出力信号とに基づいて、前記増幅部の出力信号(V
ω)を所定範囲内とすることを特徴とする微小信号処理
回路である。
【0028】請求項4の発明は、請求項3に記載の微小
信号処理回路において、前記演算部、前記低域通過フィ
ルタ部及び増幅部は、共通する一つの演算増幅器(OP
1)によって構成されることを特徴とする微小信号処理
回路である。
【0029】請求項5の発明は、ブレを検出し、ブレ検
出信号(Vo)を出力するブレ検出部(1)と、前記ブ
レ検出信号が入力される反転入力端子(−)と、基準電
位(Vref)が印加される非反転入力端子(+)とを
有し、このブレ検出信号から高域成分を除去する低域通
過フィルタ部(R10,R20,R30,C10,C2
0,OP10)と、前記低域通過フィルタ部の出力信号
が入力される増幅部(OP20)とを含むことを特徴と
するブレ検出回路である。
【0030】請求項6の発明は、ブレを検出し、ブレ検
出信号(Vo)を出力するブレ検出部(1)と、前記ブ
レ検出信号が入力される反転入力端子(−)と、基準電
位(Vref)が印加される非反転入力端子(+)とを
有する増幅部(OP20)と、前記増幅部に出力信号が
入力し、前記ブレ検出信号から高域成分を除去する低域
通過フィルタ部(R10,R20,R30,C10,C
20,OP10)とを含むことを特徴とするブレ検出回
路である。
【0031】請求項7の発明は、ブレを検出し、ブレ検
出信号(Vo)を出力するブレ検出部(1)と、出力信
号(VDA)を発生する出力信号発生部(4)と、前記
ブレ検出信号が入力される反転入力端子(−)と、基準
電位(Vref)が印加される非反転入力端子(+)と
を有し、このブレ検出信号と前記出力信号発生部の出力
信号とに基づいて所定の演算をする演算部(R1,R
2,R3,R4,OP1)と、前記演算部の出力信号か
ら高域成分を除去する低域通過フィルタ部(R1,R
2,R3,C1,C2)と、前記低域通過フィルタ部の
出力信号が入力される増幅部(OP1)と、前記増幅部
の出力信号(Vω)が所定範囲内にないときには、操作
信号を発生する操作信号発生部(3)とを備え、前記ブ
レ検出信号と前記出力信号発生部の出力信号とに基づい
て、前記増幅部の出力信号を所定範囲内とすることを特
徴とするブレ検出回路である。
【0032】請求項8の発明は、請求項7に記載のブレ
検出回路において、 前記演算部、前記低域通過フィル
タ部及び増幅部は、共通する一つの演算増幅器(OP
1)によって構成されることを特徴とするブレ検出回路
である。
【0033】請求項9の発明は、請求項8に記載のブレ
検出回路において、前記ブレ検出部は、ブレをn個の軸
成分に分解したときに、各軸方向に沿ったブレを検出す
るために、それぞれn個設けられており、前記演算増幅
器は、前記ブレ検出部に対応して、1軸当たり1個で構
成されていることを特徴としているブレ検出回路であ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】
(基本概念)まず、理解を容易にするために、本発明の
第1実施形態に係るブレ検出回路の基本概念を、DCオ
フセット成分を抑えることができるブレ検出回路のブロ
ック図を挙げて説明する。図4は、DCオフセット成分
を抑えることができるブレ検出回路の一例を示したブロ
ック図である。図4に示すブレ検出回路は、HPFを設
けずに、回路自体のDCオフセット成分を抑えることが
できる回路である。このブレ検出回路は、角速度センサ
1と、この角速度センサ1の出力信号を増幅するAMP
16と、このAMP16の出力信号から高域周波数成分
をカットするLPF15と、このLPF15の出力信号
をアナログ信号からデジタル信号に変換し出力するA/
Dコンバータ3aと、このA/Dコンバータ3aを内蔵
した制御回路(CPU)3と、直流(DC)電圧を発生
する直流電圧出力回路(D/Aコンバータ)4とからな
る。このブレ検出回路は、図10に示すブレ検出回路と
同様に、HPFを備えていないために、DCオフセット
成分により誤差を生ずる。しかし、CPU3は、直流電
圧出力回路4に制御信号を発生し、直流電圧出力回路4
は、この制御信号に基づいて直流電圧を発生する。この
直流電圧は、AMP16の手前側において、DCオフセ
ット成分を引き算するために、このブレ検出回路のDC
オフセット成分を抑えることができる。
【0035】図5は、DCオフセット成分を抑えること
ができるブレ検出回路の他の例を示したブロック図であ
る。図5に示すブレ検出回路は、図4に示すブレ検出回
路のLPF15とAMP16の構成順序を入れ替えると
ともに、LPF15により高域周波数成分をカットした
信号から、直流電圧出力回路4の直流電圧を引き算して
いる。
【0036】図6は、DCオフセット成分を抑えること
ができるブレ検出回路の他の例を示したブロック図であ
る。図6に示すブレ検出回路は、図4に示すブレ検出回
路のLPF15とAMP16の構成順序を入れ替えたも
のである。
【0037】(第1実施形態)つぎに、本発明の第1実
施形態に係るブレ検出回路を具体的に説明する。図1
は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出回路の回路図
である。本発明の第1実施形態に係るブレ検出回路は、
DCオフセット成分を抑えることができる回路である。
このブレ検出回路は、微小な出力信号Voを出力する振
動ジャイロ1と、この出力信号Voから高域周波数成分
を遮断し、増幅する回路(LPF)5と、直流電圧(出
力信号)VDAを発生するD/Aコンバータ4と、LP
F5の出力信号とD/Aコンバータ4の出力信号VDA
とを加算し、増幅する回路(加算器)6と、この加算器
6の出力信号が入力するA/Dコンバータ3aと、CP
U3とから構成されている。このブレ検出回路は、多重
帰還型の2次のLPF5を採用しているために、オペア
ンプOP10は、反転入力形式である。このブレ検出回
路における実際の定数設定は、抵抗R10:47kΩ、
抵抗R20:47kΩ、抵抗R30:47kΩ、抵抗R
40:4.7kΩ、抵抗R50:470kΩ、コンデン
サC10:0.015μF、コンデンサC20:330
0pFである。
【0038】(比較例)つぎに、本発明の第1実施形態
に係るブレ検出回路の比較例を説明する。図7は、DC
オフセット成分を抑えることができるブレ検出回路を比
較例として示した回路図である。なお、以下の説明にお
いて、図1に示したブレ検出回路と同一の回路部分は、
同一の符号を付して説明し、その部分の詳細な説明につ
いては省略する。図7に示すブレ検出回路は、振動ジャ
イロ1と、回路50と、回路60と、CPU3と、A/
Dコンバータ3aと、D/Aコンバータ4とから構成さ
れている。回路50は、抵抗R100,R200、コン
デンサC100,C200及び初段のオペアンプOP1
00からなる2次のLPFである。回路60は、抵抗R
300,R400,R500及び100倍の2段目のオ
ペアンプOP200からなる加算器である。この回路6
0には、オペアンプOP100の入力側に、D/Aコン
バータ4の直流電圧が印加されている。このブレ検出回
路では、入力段回路は、VCVS(voltage c
ontrolled voltage source)
型の2次のLPF50であるために、図1に示すブレ検
出回路と異なり非反転入力形式である。このブレ検出回
路における実際の定数設定は、抵抗R100:47k
Ω、抵抗R200:47kΩ、抵抗R300:4.7k
Ω、抵抗R400:470kΩ、コンデンサC100:
0.01μF、コンデンサC200:4700pFであ
る。
【0039】LPF50は、入力した微小な角速度信号
(出力信号)Voから高域周波数成分を遮断するが、通
過帯における信号の位相が同時に遅れる。この位相遅れ
は、ブレ補正制御の誤差を生じさせるために、位相遅れ
は、ゼロに近いことが望ましい。このために、LPF5
0の遮断周波数は、この位相遅れが無視できる程度にで
きるだけ低く、例えば、500Hz程度に設定されてい
る。そして、高域周波数成分を遮断された波形は、2段
目の加算器60に入力する。
【0040】振動ジャイロ1から出力されたブレ量に応
じた出力信号Voには、周波数の低い信号(長時間に渡
るドリフト成分)がもともと含まれている。図7に示す
ように、振動ジャイロ1から出力された出力信号Voを
オペアンプOP200においてそのままゲインをかけて
しまうと、オペアンプOP200からの出力信号Vω
は、ある値の直流成分(オフセット成分)により飽和
し、使用に耐えないものとなってしまう。このために、
加算器60は、このオフセット成分を差し引き、増幅段
においてオペアンプOP200は、オフセット成分を差
し引いた信号を増幅する。このオペアンプOP200
は、反転増幅器であり、100倍のゲインがかかってい
る。
【0041】振動ジャイロ1の出力信号Voをこのブレ
検出回路によって処理する場合において、振動ジャイロ
1に過大な信号が印加したときには、オペアンプOP2
00は、入力した信号をゲイン倍して出力しようとす
る。ダイナミックレンジは、電源電圧及び出力段の回路
構成により制限されているために、オペアンプOP20
0の出力信号Vωが飽和すると、過大なブレが起きた直
後に、通常のブレ補正ができない可能性がある。
【0042】図7に示すブレ検出回路では、振動ジャイ
ロ1の出力信号VoがLPF50に入力し、所望の帯域
のみの信号がLPF50から出力する。LPF50の出
力信号は、抵抗R300,R400及びオペアンプOP
200により構成される増幅段により、40dBのゲイ
ンがかけられ、CPU3に内蔵されたA/Dコンバータ
3aに入力する。振動ジャイロ1に過大なブレが入力す
る可能性があるときには、CPU3は、モニタしている
A/Dコンバータ3aのA/D値を所定値と比較し、そ
の大小関係が入れ替わる瞬間に、D/Aコンバータ4に
制御信号を出力する。その結果、D/Aコンバータ4の
出力値(出力電圧値)が変更され、D/Aコンバータ4
が出力する直流電圧は、抵抗R400,R500により
決定されるゲインによって、LPF50の出力信号に加
算(負号の場合には減算)される。このために、オペア
ンプOP200の出力信号Vωは、基準点まで引き戻さ
れ、実質的に負帰還をかけたのと同等の効果を生じる。
このように、加算器60は、オペアンプOP200の出
力信号Vωがダイナミックレンジを越えて飽和するのを
避ける機能を担っている。
【0043】図7に示すブレ検出回路において、市販の
オペアンプOP100を5Vで使用すると仮定したとき
には、印加する電圧は、規格により、例えば、2Vから
3Vまでに定められている。このオペアンプOP100
は、非反転入力形式であるために、反転入力端子側と非
反転入力端子側の入力信号が変化するとともに、入力電
圧も変化する。オペアンプOP100に入力する信号が
ばらつく場合には、例えば、2Vから3Vまでの規格範
囲内を越える信号が入力する可能性がある。特に、ブレ
の検出に使用する振動ジャイロ1は、基準電圧Vref
に対して出力電圧Voのばらつきが大きい。このため
に、オペアンプOP100の入力範囲を越える出力電圧
Voが印加したときには、オペアンプの性能によって
は、同相入力範囲を越える可能性がある。
【0044】本発明の第1実施形態では、オペアンプO
P10の非反転入力端子(+)側には、固定された電位
である基準電圧Vrefが印加している。このために、
反転入力端子(−)側と非反転入力端子(+)側とは、
イマジナリショートのために、一定の基準電圧Vref
が印加された状態となり、入力信号Voがばらついても
一定の電位を保つように動作する。その結果、非反転入
力端子の入力電圧のばらつき範囲が規格内であることの
みを確認すれば足り、オペアンプOP10の同相入力範
囲の制限を受けない回路形式とすることができる。ま
た、本発明の第1実施形態では、オペアンプOP10
は、同相入力範囲が狭くて安い汎用のオペアンプを使用
することができる。このために、振動ジャイロ1の出力
電圧範囲の規格を厳しくすることなく、ブレ検出機能を
実現することができるとともに、コストダウンを図るこ
とができる。さらに、振動ジャイロ1、LPF5及び加
算器6は、直流結合されているので、低域周波数成分に
含まれる出力信号Voを有効に利用することができる。
【0045】(第2実施形態)図2は、本発明の第2実
施形態に係るブレ検出回路の回路図である。本発明の第
2実施形態におけるブレ検出回路は、振動ジャイロ1
と、D/Aコンバータ4と、この振動ジャイロ1の出力
信号VoとD/Aコンバータ4の出力信号VDAとが入
力する回路2と、この回路2の出力信号が入力するA/
Dコンバータ3aと、CPU3とから構成されている。
回路2は、抵抗R1,R2,R3,R4及びオペアンプ
OP1から構成される加算器と、抵抗R1,R2,R
3、コンデンサC1,C2及びオペアンプOP1から構
成されるLPFと、反転増幅器であるオペアンプOP1
とからなる。
【0046】このブレ検出回路では、オペアンプOP1
の出力信号は、高域周波数成分を遮断するコンデンサC
2を介して交流的にフィードバックし、このオペアンプ
OP1の反転入力端子側に直流的に入力している。ま
た、オペアンプOP1の出力信号は、抵抗R1と抵抗R
2との間の接点Bに、抵抗R3を介して直流的にフィー
ドバックしている。オペアンプOP1の非反転入力端子
は、基準電圧Vrefにより直流的に短絡されている。
また、接点Bは、コンデンサC1を介して基準電圧Vr
efに交流的に接続されており、この接点Bには、A/
Dコンバータ207の出力信号VDAが、抵抗R4を介
して直流的に加算されている。
【0047】振動ジャイロ1の出力信号Voは、LPF
と、抵抗R1,R2により構成された増幅器とにより、
所望の帯域のみの信号が増幅段でゲインをかけられ、A
/Dコンバータ3aに入力する。振動ジャイロ1が過大
な信号を出力したときには、過大な出力電圧Voを入力
された反転増幅段は、イマジナリショートの点Aに対し
て電流を流し込もうとする。CPU3は、モニタしてい
るA/Dコンバータ3aのA/D値を所定値と比較し、
その大小関係が入れ替わる瞬間に、D/Aコンバータ4
に制御信号を出力する。その結果、D/Aコンバータ4
の出力値(出力電圧値)が所定の値に変更され、D/A
コンバータ4が出力する直流電圧は、抵抗R3,R4に
より決定されるゲインによって、増幅器の入力側から振
動ジャイロ1の出力信号Voに加算(負号の場合には減
算)される。このために、実質上、負帰還をかけたのと
同等の効果が生じる。イマジナリーショートの点Aに流
れ込もうとする電流は、抵抗R3側に接続された回路系
により吸収される。その結果、オペアンプOP1の出力
電圧Vωは、ダイナミックレンジを越えて飽和する前に
レベルシフトされ、振動ジャイロ1の基準電圧Vref
近辺にて、振動ジャイロ1の出力電圧Voを増幅するこ
とができる。なお、D/Aコンバータ4から出力される
出力電圧VDAの値が基準電圧Vrefよりも低いとき
には、イマジナリーショートの点Aに流れ込もうとする
電流を、この出力電圧VDAにより吸収することができ
る。
【0048】本発明の第1実施形態では、LPF5の抵
抗R20,R30のばらつきにより、回路のゲインに影
響を及ぼす可能性がある。例えば、抵抗ばらつき±1%
品を用いて回路を構成したときには、図7に示すブレ検
出回路では、LPF50におけるゲインのばらつきは、
0.02%以下である。一方、図1に示す本発明の第1
実施形態に係るブレ検出回路では、LPF5におけるゲ
インのばらつきは、0.6%余りに達する。LPF5,
50を通過した信号には、反転増幅段においてさらに1
00倍のゲインがかけられるために、抵抗のばらつきに
よりゲインがさらにばらつく。本発明の第1実施形態に
係るブレ検出回路は、図7に示すブレ検出回路と同じ構
成であるために、抵抗ばらつき±1%品により回路を構
成したときには、ゲインのばらつきは、いずれのオペア
ンプOP10,100であっても±6%余りとなる。こ
のために、本発明の第1実施形態に係るブレ検出回路で
は、同じクラスの抵抗を使うかぎり、ゲインのばらつき
の範囲は、図7に示すブレ検出回路には及ばない。
【0049】本発明の第2実施形態に係るブレ検出回路
におけるオペアンプOP1は、反転入力形式であるため
に、振動ジャイロ1の出力信号Voがばらついても、同
相入力範囲による制限を受けない。このために、ゲイン
のばらつきを図7に示すブレ検出回路のレベル程度に抑
えることができる。また、本発明の第2実施形態では、
多重帰還型のLPFの構成によって、ゲインも同時にか
けてしまう定数設定にしたために、LPFとは別に増幅
部を設ける必要がない。このために、このブレ検出回路
では、LPFの機能とゲインを受け持つ機能とが1個の
オペアンプOP1により実現され、LPFと増幅段とが
一体化している。その結果、ばらつきのある抵抗R2,
R3を用いて回路を構成しても、ゲインのばらつきは、
1段分の回路ブロックのみで済み、図7に示すブレ検出
回路によるゲインのばらつきに匹敵するレベルに収める
ことができる。
【0050】本発明の第2実施形態に係るブレ検出回路
は、1段分のオペアンプOP1により構成されているた
めに、オフセット誤差も1段分の回路ブロックのみで済
む。また、D/Aコンバータ4の出力信号VDAに交流
成分(リップル)があっても、回路2のLPFによりこ
の交流成分を除去することができる。さらに、LPF、
増幅器及び加算器を1個のオペアンプOP1により一体
型に構成している。このために、1軸当たり1個のオペ
アンプOP1により、振動ジャイロ1の出力信号Voの
高品位な処理が可能となる。その結果、部品点数が減少
し、実装スペースを確保することができる。
【0051】本発明の第2実施形態におけるブレ検出回
路では、定数設定を以下のように行った。このブレ検出
回路は、反転入力形式であるために、振動ジャイロ1の
出力インピーダンス(数Ω)を考慮して、処理回路側の
入力インピーダンスを決定する抵抗R2は、大きめに設
定した。次に、分解能を担うゲインを100倍に設定す
るために、抵抗R3は、抵抗R2の100倍に設定し
た。そして、残りのパラメータである抵抗R1及びコン
デンサC1,C2は、遮断周波数を500Hz近傍に、
Q値(クオリティーファクター)を0.71近傍に、位
相遅れを0.44ms近傍に調整した。この場合に、各
部品の定格値は、余りに特殊な値にならないように設定
した。以下に、このようにして決定した値の一例を示
す。
【0052】抵抗R1:1.8kΩ、抵抗R2:4.7
kΩ、抵抗R3:470kΩ、コンデンサC1:0.1
5μF、コンデンサC2:680pF
【0053】抵抗R1:100kΩ、抵抗R2:4.7
kΩ、抵抗R3:470kΩ、コンデンサC1:2.3
5μF、コンデンサC2:1000pF
【0054】抵抗R1:2.7kΩ、抵抗R2:6.8
kΩ、抵抗R3:680kΩ、コンデンサC1:0.1
μF、コンデンサC2:470pF
【0055】(第3実施形態)図3は、本発明の第3実
施形態に係るブレ検出回路の回路図である。本発明の第
3実施形態に係るブレ検出回路は、DCオフセット成分
を抑えることができる回路である。このブレ検出回路
は、微小な出力信号Voを出力する振動ジャイロ1と、
直流電圧(出力信号)VDAを発生するD/Aコンバー
タ4と、振動ジャイロ1の出力信号VoとD/Aコンバ
ータ4の出力信号VDAとを加算し、増幅する回路(加
算器)6と、この加算器6の出力信号から高域周波数成
分を遮断し、増幅する回路(LPF)5と、このLPF
5の出力信号が入力するA/Dコンバータ3aと、CP
U3とから構成されている。このブレ検出回路における
実際の定数設定は、抵抗R10:47kΩ、抵抗R2
0:47kΩ、抵抗R30:47kΩ、抵抗R40:
4.7kΩ、抵抗R50:470kΩ、コンデンサC1
0:0.015μF、コンデンサC20:3300pF
である。
【0056】本発明の第3実施形態では、オペアンプO
P20の非反転入力端子(+)側には、固定された電位
である基準電圧Vrefが印加している。その結果、非
反転入力端子の入力電圧のばらつき範囲が規格内である
ことのみを確認すれば足り、オペアンプOP20の同相
入力範囲の制限を受けない回路形式とすることができ
る。また、本発明の第3実施形態では、オペアンプOP
20は、同相入力範囲が狭くて安い汎用のオペアンプを
使用することができる。このために、振動ジャイロ1の
出力電圧範囲の規格を厳しくすることなく、ブレ検出機
能を実現することができるとともに、コストダウンを図
ることができる。さらに、振動ジャイロ1、LPF5及
び加算器6は、直流結合されているので、低域周波数成
分に含まれる出力信号Voを有効に利用することができ
る。
【0057】(他の実施形態)以上説明した実施形態に
限定されることはなく、種々の変形又は変更が可能であ
って、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、
本発明の実施形態におけるブレ検出回路は、振動ジャイ
ロ1と、この振動ジャイロ1のばらつきの大きい出力信
号Voをカバーする処理回路との間における同相入力範
囲の制限を解決するものである。したがって、処理回路
の初段がLPFであるときには、このLPFの入力が反
転入力形式であればよく、処理回路の初段がAMPであ
るときには、このAMPの入力が反転入力形式であれば
よい。このために、本発明の実施形態におけるブレ検出
回路は、微小信号を処理する微小信号処理回路におい
て、初段の増幅部は、この微小信号が入力される反転入
力端子と、基準電位が印加される非反転入力端子とを有
することを特徴とする微小信号処理回路であればよい。
【0058】本発明の実施形態におけるブレ検出回路
は、オーディオ機器において微小信号を処理するDCサ
ーボ回路、カメラの測光回路、カメラのオートフォーカ
ス機構に使用される受光素子(PSD)から出力される
微小信号の処理回路などに適用することもできる。ま
た、抵抗R1,R2,R10,R20などの値は、本発
明の実施形態に示す値に限定されるものではない。さら
に、ブレをx軸、y軸の2軸成分に分解し、各軸方向に
沿ったブレを検出するブレ検出部113,114に限ら
ず、3軸以上の成分に分解したブレを検出するブレ検出
部についても、本発明を適用することができる。この場
合においても、オペアンプOP1は、ブレ検出部に対応
して、1軸当たり1個設ければ足りる。
【0059】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1記
載の発明によれば、微小信号が入力される反転入力端子
と、基準電位が印加される非反転入力端子とを有し、こ
の微小信号から高域成分を除去する低域通過フィルタ部
と、この低域通過フィルタ部の出力信号が入力される増
幅部とを含むので、増幅部の同相入力範囲による制限を
受けない回路形式とすることができる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、微小信号が
入力される反転入力端子と、基準電位が印加される非反
転入力端子とを有する増幅部と、この増幅部の出力信号
が入力し、微小信号から高域成分を除去する低域通過フ
ィルタ部とを含むので、増幅部の同相入力範囲による制
限を受けない回路形式とすることができる。
【0061】請求項3記載の発明によれば、演算部は、
微小信号が入力される反転入力端子と、基準電位が印加
される非反転入力端子とを有し、この微小信号と出力信
号発生部の出力信号とに基づいて所定の演算をし、低域
通過フィルタ部は、この演算部の出力信号から高域成分
を除去し、この低域通過フィルタ部の出力信号は、増幅
部に入力し、操作信号発生部は、増幅部の出力信号が所
定範囲内にないときには、操作信号を発生し、この微小
信号とこの出力信号発生部の出力信号とに基づいて、増
幅部の出力信号を所定範囲内とする。したがって、増幅
部の同相入力範囲による制限を受けない回路形式とする
ことができる。また、オフセット成分を小さく抑えるこ
とができるとともに、増幅部の出力信号を基準電位近傍
に素早く収束することができる。
【0062】請求項4記載の発明によれば、演算部、低
域通過フィルタ部及び増幅部は、共通する一つの演算増
幅器によって構成されるので、部品点数を削減すること
ができ、実装上有利な回路とすることができる。
【0063】請求項5記載の発明によれば、ブレを検出
し、ブレ検出信号を出力するブレ検出部と、ブレ検出信
号が入力される反転入力端子と、基準電圧が印加される
非反転入力端子とを有し、このブレ検出信号から高域成
分を除去する低域通過フィルタ部と、この低域通過フィ
ルタ部の出力信号が入力される増幅部とを含むので、増
幅部の同相入力範囲による制限を受けない回路形式とす
ることができる。
【0064】請求項6記載の発明によれば、ブレを検出
し、ブレ検出信号を出力するブレ検出部と、このブレ検
出信号が入力される反転入力端子と、基準電圧が印加さ
れる非反転入力端子とを有する増幅部と、この増幅部の
出力信号が入力し、ブレ検出信号から高域成分を除去す
る低域通過フィルタ部とを含むので、増幅部の同相入力
範囲による制限を受けない回路形式とすることができ
る。
【0065】請求項7記載の発明によれば、演算部は、
ブレ検出信号が入力される反転入力端子と、基準電位が
印加される非反転入力端子とを有し、このブレ検出信号
と出力信号発生部の出力信号とに基づいて所定の演算を
し、低域通過フィルタ部は、この演算部の出力信号から
高域成分を除去し、この低域通過フィルタ部の出力信号
は、増幅部に入力し、操作信号発生部は、この増幅部の
出力信号が所定範囲内にないときには、操作信号を発生
し、ブレ検出信号と出力信号発生部の出力信号とに基づ
いて、増幅部の出力信号を所定範囲内とする。したがっ
て、増幅部の同相入力範囲による制限を受けない回路形
式とすることができる。また、オフセット成分を小さく
抑えることができるとともに、増幅部の出力信号を基準
電位近傍に素早く収束することができる。
【0066】請求項8記載の発明によれば、演算部、低
域通過フィルタ部及び増幅部は、共通する一つの演算増
幅器によって構成されるので、部品点数を削減すること
ができ、実装上有利な回路とすることができる。
【0067】請求項9記載の発明によれば、ブレ検出部
は、ブレをn個の軸成分に分解したときに、各軸方向に
沿ったブレを検出するために、それぞれn個設けられて
おり、演算増幅器は、ブレ検出部に対応して、1軸当た
り1個で構成されているので、演算増幅器の点数を減ら
すことができるとともに、実装スペースを確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブレ検出回路の回
路図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るブレ検出回路の回
路図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るブレ検出回路の回
路図である。
【図4】DCオフセット成分を抑えることができるブレ
検出回路の一例を示したブロック図である。
【図5】DCオフセット成分を抑えることができるブレ
検出回路の他の例を示したブロック図である。
【図6】DCオフセット成分を抑えることができるブレ
検出回路の他の例を示したブロック図である。
【図7】DCオフセット成分を抑えることができるブレ
検出回路を比較例として示した回路図である。
【図8】従来のブレ補正装置のブロック図である。
【図9】従来のブレ補正装置におけるブレ検出回路の一
例を示すブロック図である。
【図10】従来のブレ補正装置におけるブレ検出回路を
他の例として示すブロック図である。
【符号の説明】
1 角速度センサ(振動ジャイロ) 2 回路 3 CPU 3a A/Dコンバータ 4 D/Aコンバータ(直流電圧出力回路) 5,15,50 LPF 6,60 加算器 113,114 ブレ検出部 121,122 制御回路 123,124 モータ 127 ブレ補正レンズ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小信号が入力される反転入力端子と、
    基準電位が印加される非反転入力端子とを有し、この微
    小信号から高域成分を除去する低域通過フィルタ部と、 前記低域通過フィルタ部の出力信号が入力される増幅部
    と、 を含むことを特徴とする微小信号処理回路。
  2. 【請求項2】 微小信号が入力される反転入力端子と、
    基準電位が印加される非反転入力端子とを有する増幅部
    と、 前記増幅部の出力信号が入力し、前記微小信号から高域
    成分を除去する低域通過フィルタ部と、 を含むことを特徴とする微小信号処理回路。
  3. 【請求項3】 出力信号を発生する出力信号発生部と、 微小信号が入力される反転入力端子と、基準電位が印加
    される非反転入力端子とを有し、この微小信号と前記出
    力信号発生部の出力信号とに基づいて所定の演算をする
    演算部と、 前記演算部の出力信号から高域成分を除去する低域通過
    フィルタ部と、 前記低域通過フィルタ部の出力信号が入力される増幅部
    と、 前記増幅部の出力信号が所定範囲内にないときには、操
    作信号を発生する操作信号発生部とを備え、 前記微小信号と前記出力信号発生部の出力信号とに基づ
    いて、前記増幅部の出力信号を所定範囲内とすること、 を特徴とする微小信号処理回路。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の微小信号処理回路にお
    いて、 前記演算部、前記低域通過フィルタ部及び増幅部は、共
    通する一つの演算増幅器によって構成されること、 を特徴とする微小信号処理回路。
  5. 【請求項5】 ブレを検出し、ブレ検出信号を出力する
    ブレ検出部と、 前記ブレ検出信号が入力される反転入力端子と、基準電
    位が印加される非反転入力端子とを有し、このブレ検出
    信号から高域成分を除去する低域通過フィルタ部と、 前記低域通過フィルタ部の出力信号が入力される増幅部
    と、 を含むことを特徴とするブレ検出回路。
  6. 【請求項6】 ブレを検出し、ブレ検出信号を出力する
    ブレ検出部と、 前記ブレ検出信号が入力される反転入力端子と、基準電
    位が印加される非反転入力端子とを有する増幅部と、 前記増幅部に出力信号が入力し、前記ブレ検出信号から
    高域成分を除去する低域通過フィルタ部と、 を含むことを特徴とするブレ検出回路。
  7. 【請求項7】 ブレを検出し、ブレ検出信号を出力する
    ブレ検出部と、 出力信号を発生する出力信号発生部と、 前記ブレ検出信号が入力される反転入力端子と、基準電
    位が印加される非反転入力端子とを有し、このブレ検出
    信号と前記出力信号発生部の出力信号とに基づいて所定
    の演算をする演算部と、 前記演算部の出力信号から高域成分を除去する低域通過
    フィルタ部と、 前記低域通過フィルタ部の出力信号が入力される増幅部
    と、 前記増幅部の出力信号が所定範囲内にないときには、操
    作信号を発生する操作信号発生部とを備え、 前記ブレ検出信号と前記出力信号発生部の出力信号とに
    基づいて、前記増幅部の出力信号を所定範囲内とするこ
    と、 を特徴とするブレ検出回路。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のブレ検出回路におい
    て、 前記演算部、前記低域通過フィルタ部及び増幅部は、共
    通する一つの演算増幅器によって構成されること、 を特徴とするブレ検出回路。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のブレ検出回路におい
    て、 前記ブレ検出部は、ブレをn個の軸成分に分解したとき
    に、各軸方向に沿ったブレを検出するために、それぞれ
    n個設けられており、 前記演算増幅器は、前記ブレ検出部に対応して、1軸当
    たり1個で構成されていること、 を特徴とするブレ検出回路。
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