JPH10338671A - 新規なヒドロキシ−ペルオキシド類及びそれらの使用法 - Google Patents

新規なヒドロキシ−ペルオキシド類及びそれらの使用法

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JPH10338671A
JPH10338671A JP10151907A JP15190798A JPH10338671A JP H10338671 A JPH10338671 A JP H10338671A JP 10151907 A JP10151907 A JP 10151907A JP 15190798 A JP15190798 A JP 15190798A JP H10338671 A JPH10338671 A JP H10338671A
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hydroxy
carbon atoms
group
dimethylbutyl
chloride
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JP10151907A
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Jose Sanchez
ジョーゼ・サンチェス
Arthur L Baron
アーサー・ローレンス・バロン
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Atochem North America Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なヒドロキシ−ペルオキシド類及びそれ
らの使用法を提供する。 【解決手段】 このヒドロキシ−ペルオキシド類は、次
の構造A: HO−R11−X−OO−R (A) [式中、−X−は次式: 【化1】 の二価基であり、ここで、−Y−は−O−又は−NR6
−であって、R6 −はH−又は炭素数1〜8個の置換若
しくは非置換アルキル基であり、−R22−は炭素数2〜
3個の置換若しくは非置換アルキレン二価基、又は置換
若しくは非置換1,2−フェニレン二価基であり、R−
は、炭素数4〜12個の置換又は非置換t−アルキル基
であり、−R11−は炭素数2〜8個の置換又は非置換ア
ルキレン二価基でありる)]を有する。不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を硬化させ又はエチレン系不飽和モノマ
ーを重合させるのに使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、85°〜110
℃の10時間半減期温度を有する、構造式A: HO−R11−X−OO−R (A) (式中の、R−、−R11−と−X−は以下の項で定義さ
れる)の新規なヒドロキシ−ペルオキシド類、新規なヒ
ドロキシ−ペルオキシド類の製造方法、及び不飽和ポリ
エステル樹脂を硬化し、エチレン系不飽和モノマーの重
合を開始させる新規なヒドロキシペルオキシドの使用法
に関する。
【0002】本発明に最も類似する従来技術には、次
式:
【化2】 (式中、R−は水素、アシル基、アロイル基又はアルキ
ル基で、特にt−ブチル基、t−アシル基又はヘキシレ
ングリコール残基であり;R' は水素、アシル基、アロ
イル基又はアルキル基である)の構造のヒドロキシ−ペ
ルオキシドを開示する、米国特許第3,236,872
号がある。同特許に具体的に説明されているアシル基又
はアロイル基は、アセチル基とベンゾイル基のみであっ
た。次に類似する従来技術には、約75℃未満の10時
間半減期温度を有するヒドロキシペルオキシエステルを
開示する米国特許第4,525,308号と同第4,6
34,753号がある。この技術は、85℃〜110℃
の10時間半減期温度を有する本発明の組成物を含まな
い。
【0003】米国特許第3,671,651号(第8
欄、1行目と2行目)は、ヒドロキシ−ペルオキシエス
テルであるt−ブチルペルオキシ−(3−ヒドロキシプ
ロピオネート)を開示する。米国特許第4,115,4
55号は、カルボニル基を含有するペルオキシドの接触
水素添加か、或いはカルボニル基を含有するペルオキシ
ドをアルカリアルミニウム水素化物又はアルカリ硼素水
素化物で処理することによる、ヒドロキシ−ジアルキル
ペルオキシドの製法を開示する。米国特許第3,57
6,826号は、t−アルキルヒドロペルオキシドをα
−置換ビニルエーテルエーテルに触媒処理なしの付加に
よって、エーテル−ペルオキシ化合物を製造する工程を
開示する。
【0004】米国特許第4,180,518号は、次
式:
【化3】 (式中、R4 は炭素数4〜10個のt−アルキル、炭素
数9〜16個のt−アラルキル、炭素数6〜12個のt
−シクロアルキル、次式
【化4】 の基であり、Zは、次式
【化5】 の基である)の構造のモノペルオキシカーボネート及び
ペルオキシカルバメートを開示する。米国特許第4,1
80,518号は、Z−はHO−であると開示していな
いので、本発明のヒドロキシ−モノペルオキシカーボネ
ートは、米国特許第4,180,518号によって開示
されていない。
【0005】本発明の新規なヒドロキシ−ペルオキシド
類はペルオキシド官能基に加えて、反応性ヒドロキシ官
能基を持つ。反応性官能基を有するペルオキシドは、文
献に公知であり、いくつかのペルオキシドは市販されて
いる。商業的に生産される反応性官能基を有するペルオ
キシドには、こはく酸ペルオキシド(カルボキシル基)
と、OO−t−ブチルO−ヒドロゲノモノペルオキシマ
レエート(カルボキシル基)が含まれる。さらに最近、
3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
2−エチルヘキサノエート(ヒドロキシル基)と3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチル−ブチルペルオキシネオヘ
プタノエート(ヒドロキシル基)が市販されている。他
の反応性開始剤がこの文献に開示されている。米国特許
第3,236,872号はヒドロキシ−ヒドロペルオキ
シドとヒドロキシ−ジアルキルペルオキシドを開示し、
米国特許第3,991,085号はエポキシ−ペルオキ
シドを開示し、米国特許第3,660,468号、同第
3,671,651号及び同第3,952,041号
は、反応性酸塩化物、クロロホーメート、酸無水物及び
カルボキシル基のすべて或いはそのいずれかを有するペ
ルオキシドを開示する。これらの官能化された開始剤に
よれば、ポリマー製造業者は、これらの反応性ペルオキ
シド開始剤を使用するエチレン系不飽和モノマーのラジ
カル重合又はグラフト反応によりポリマーに反応性基を
付けることによって、ポリマーの実用性と価値を増すこ
とが可能になる。
【0006】したがって、ポリマー化学においては、例
えばエチレン系不飽和モノマーのラジカル重合、ポリマ
ーへのグラフト化、縮合ポリマーの連鎖停止反応、共に
官能化されたポリマーとの反応などの様々な手段によっ
て、反応性で官能化されたポリマー又はペルオキシ−ポ
リマーの生産に使用することができる反応性の官能化さ
れた開始剤(ペルオキシド及びアゾ)に対する要望があ
る。官能化された開始剤の開始基がこれらのプロセスで
分解する時に、官能基を有する(すなわち、鎖の両端又
は側鎖に)ポリマーが生産される。これらのポリマー
は、所望の高性能のポリマーを生ずるように連鎖延長す
ることができる。この技術は、自動車の塗装において、
塗装後に、ヒドロキシル基含有低分子量アクリル系共重
合体が共反応性化合物と連鎖延長/架橋されるような高
固形分アクリル系塗料工業のための基礎となる。反応性
官能性開始剤が縮合重合体の連鎖を停止させ又は共反応
性ポリマーと反応させるために使用される場合には、開
始剤末端基及び/又は側鎖開始剤基をもったポリマーが
製造される。これらのペルオキシポリマー類は、次にブ
ロック共重合体又はグラフト共重合体を生成するために
使用でき、こうしたブロック共重合体又はグラフト共重
合体は不相溶のポリマーから生成されるポリマーブレン
ド及びアロイを相溶化するのに使用できる。ヒドロキシ
ペルオキシド類は上記の用途において実用性を持つ。
【0007】多数のヒドロキシ−ペルオキシド類の技術
に関する記載がある。米国特許第4,525,308号
及び同第4,634,753号に、75℃未満の10時
間半減期温度(すなわち、開始剤の半減期が10時間で
ある温度)を有するヒドロキシ−ペルオキシエーテルが
記載され、開示されている。これらのペルオキシド類
は、塩化ビニルの重合及び共重合に、及びより低温での
エチレンの重合及び共重合に使用される。米国特許第
3,236,872号は、約120℃より高い温度の1
0時間半減期温度を有するヒドロキシ−ヒドロペルオキ
シド及びヒドロキシ−ジアルキルペルオキシドを開示す
る。これらのペルオキシド類は、例えばポリエチレンの
架橋及びポリプロピレンの改質など、より高い温度での
用途に使用される。ポリマー工業界には、後続反応のた
めのヒドロキシル末端基を有するポリスチレン、ポリア
クリル酸エステル及び他のポリマーの製造に使用するた
めに、75℃〜120℃の間の10時間半減期温度を有
するヒドロキシル開始剤に対する要求がある。米国特許
第3,671,651号は、75℃〜120℃の所望の
温度範囲のちようど中間である約100℃の10時間半
減期温度を有すると推定されるヒドロキシ−ペルオキシ
エステルである、t−ブチルペルオキシ−3−ヒドロキ
シプロピオンエートを開示する。しかしながら、この化
合物を製造することは困難であり、その合成で使用され
る基質のβ−プロピオラクトンは、高毒性で、発ガン性
が疑われる原因物質である。これに反して、本発明のヒ
ドロキシ−ペルオキシドは、所望される85℃〜110
℃の温度範囲10時間半減期温度を有し、比較的容易に
製造でき、比較的無毒の出発原料から製造される。ゆえ
に、本発明のヒドロキシ−ペルオキシド類は、重合技術
の要求を満足させ、進歩させる。
【0008】この発明のヒドロキシ−ペルオキシド類の
あるものは、ヒドロキシ−ヒドロペルオキシドと、ある
種の立体障害置換ハロゲン化ベンゾイルを反応させるこ
とにより製造される。この結果は、従来技術、特に米国
特許第3,236,872号の点から見て意外であっ
た。米国特許第3,236,872号の特許請求の範囲
第1項は、ヒドロキシ−ペルオキシエステルを含むヒド
ロキシ−ペルオキシドを広く記載している。米国特許第
3,236,872号の実施例は、塩化ベンゾイル及び
塩化アセチルをヒドロキシ−ヒドロペルオキシド(例え
ば3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペル
オキシド)と反応させるとヒドロペルオキシ基及びヒド
ロキシル基の両方でアシル化が起り、塩化ベンゾイルで
はベンゾエート−ペルオキシベンゾエート(例3)及び
塩化アセチルではアセテート−ペルオキシアセテート
(例6)を生成することを教示する。本発明の例11に
従うと、塩化ベンゾイルと過剰の3−ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドとの反応の結
果、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキ
シベンゾエート(C−1)の生成よりもむしろ3−ベン
ゾイルオキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシベン
ゾエート(C−1a)が生成した。過剰の3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを使用
することにより、C−1の生成の方向に操作条件を外し
ても、C−1の生成は起こらないで、その代わりに、C
−1aが形成された。したがって、米国特許第3,23
6,872号は、当業者に、3−ヒドロキシ−1,1−
ジメチルブチルヒドロペルオキシドと塩化ベンゾイルか
らヒドロキシ−ペルオキシエステルを製造する方法を教
示していない。
【0009】本発明者は、本質的に、本発明の例11で
使用されるのと同じ操作条件下で、立体障害塩化ベンゾ
イル(例えば、塩化2−クロロベンゾイル、塩化2−メ
チルベンゾイル、塩化2−ブロモベンゾイルなど)は、
対応するヒドロキシアルキル置換ペルオキシベンゾエー
ト(組成物I−7、I−8、I−9とI−10、例7、
8、9と10を参照)を生成するという、驚くべきこと
を発見した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、85℃〜1
00℃の10時間半減期温度を有するエチレン系不飽和
モノマーの重合開始剤及びかかる開始剤を用いた重合法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、次の構造A: HO−R11−X−OO−R (A) [式中、−X−は直接結合又は次式:
【化6】 の二価基になることができ、 I.−X−が直接結合の場合には、R−は次の構造:
【化7】 から選択され、ここでR1 −は炭素数1〜4個の低級ア
ルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、フェニル
基、炭素数2〜8個のアシルオキシ基、炭素数5〜9個
のt−アルキルペルオキシカルボニル基、ヒドロキシ
ル、フルオル、クロル又はブロムであり、R'1−は−H
又はR1 −と同じ基から選択され、R'1−はR1 −と同
一か又は異なっていてよく、nは0又は1であり、R2
−は置換若しくは非置換の炭素数1〜18個のアルキル
基(置換基は炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数4〜
8個のt−アルキルペルオキシ基、炭素数1〜6個のア
ルコキシ基、炭素数6〜10個のアリールオキシ基、ヒ
ドロキシル、クロル、ブロム又はシアノの1個以上であ
る)又は置換若しくは非置換の炭素数5〜12個のシク
ロアルキル基(置換基は、炭素数1〜4個の低級アルキ
ル基の1個以上であり、シクロアルカンリング中に1個
以上の酸素原子又は窒素原子を有し得る)であり、或い
は、R2 −は次式:
【化8】 の基になることができ、ここにzは0又は1であり、R
a −、Rb −及びRc −は同一か又は異なり、Ra −、
b −及びRc −はH−又は炭素数1〜8個のアルキル
基であり、但しRa −及びRb −は結合して5〜12個
の炭素原子を含有する置換又は非置換リングを形成する
ことができ(ここに置換される場合の置換基は炭素数1
〜5個のアルキル基又はフェニル基の1個以上であ
る)、−R22−は炭素数2〜3個の置換若しくは非置換
アルキレン二価基(置換基は炭素数1〜4個の低級アル
キル基の1個以上である)、又は置換若しくは非置換
1,2−フェニレン二価基(置換基は炭素数1〜4個の
低級アルキル基、クロル、ブロム、ニトロ又はカルボキ
シルの1個以上である)であり、R3 −は炭素数1〜4
個の低級アルキル基であり、さらに2個の基R3 −は結
合して5〜6個の炭素を含有するリングを形成すること
ができ、R4 −は炭素数1〜4個の低級アルキル基であ
り、二価基−R11−は次の構造:
【化9】 の基であり、ここにR5 −は炭素数1〜4個の低級アル
キル基であり、−R33−は炭素数2〜4個の置換又は非
置換アルキレン二価基であり(置換基は炭素数1〜4個
の低級アルキル基の1個以上である)、 II.−X−が次式:
【化10】 の二価基の場合には、−Y−は−O−又は−NR6 −で
あって、R6 −はH−又は炭素数1〜8個の置換若しく
は非置換アルキル基であり(置換基は炭素数1〜4個の
低級アルキル基又はヒドロキシル基の1個以上であ
る)、−R22−は−X−が直接結合の場合と同様の定義
を有し、R−は、炭素数4〜12個の置換又は非置換t
−アルキル基であり(置換基は炭素数1〜4個の低級ア
ルキル、炭素数4〜8個のt−アルキルペルオキシ基、
炭素数6〜13個のt−シクロアルキル基、炭素数5〜
8個のt−アルキニル基又は炭素数9〜13個のt−ア
ラルキル基である)、−R11−は炭素数2〜8個の置換
又は非置換アルキレン二価基であり、アルキレン鎖中に
任意の1個以上の酸素又は窒素異原子を有し(置換基は
炭素数1〜4個の低級アルキル基、炭素数1〜4個の低
級ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシル基の1個以上
である)]を有する新規なヒドロキシ−ペルオキシド類
であって、10時間半減期温度が85°〜110℃であ
るものを提供する。
【0012】また、本発明は、不飽和ポリエステル樹脂
組成物を、開始量の構造Aの新規なヒドロキシ−ペルオ
キシドの存在下で適当な温度に加熱することにより、不
飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させるための硬化剤
として、構造Aの新規なヒドロキシ−ペルオキシドを使
用する新規な方法も提供する。本発明はさらに、開始量
の構造Aの新規なヒドロキシ−ペルオキシドを適当な温
度で使用することにより、エチレン系不飽和モノマー
(例えばスチレン、エチレンなど)を重合させるための
遊離ラジカル開始剤として、構造Aの新規なヒドロキシ
−ペルオキシドを使用する新規な方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の構造Aの−X−が直接結合
である場合、本発明の新規なヒドロキシ−ペルオキシド
は種々のペルオキシドを含む。これらは、立体障害(h
indered)ヒドロキシ−ペルオキシエステル、即
ち式中でR−が次式:
【化11】 であるもの、OO−ヒドロキシアルキルO−アルキルモ
ノペルオキシジカルボキシレート、即ち式中でR−が次
式:
【化12】 で、nは1であるもの、ヒドロキシ−モノペルオキシカ
ーボネート、即ち式中でR−が次式:
【化13】 で、nが0であるもの、ヒドロキシ−モノペルオキシケ
タール、即ち式中でR−が次式:
【化14】 であるものを含む。
【0014】また、本発明の新規なヒドロキシ−ペルオ
キシドのタイプは、構造Aの−X−が次式:
【化15】 であるときのヒドロキシ−ペルオキシエステルも含む。
【0015】構造Aの新規な立体障害ヒドロキシ−ペル
オキシエステルは、次の構造B:
【化16】 (式中、QはCl−又はBr−である)の酸のハロゲン
化物を次の構造C: HO−R11−OO−H (C) のヒドロキシ−ヒドロペルオキシドと有機塩基又は無機
塩基の存在下で反応させることにより製造することがで
きる。構造Bのハロゲン化物は、塩化2−メチルベンゾ
イル、塩化2−エチルベンゾイル、塩化2−メトキシベ
ンゾイル、塩化2,6−ジメチルベンゾイル、塩化2−
フェニルベンゾイル、塩化2−クロルベンゾイル、塩化
2,4−ジクロルベンゾイル、塩化2−ブロムベンゾイ
ル、臭化2−ブロムベンゾイル、塩化2−フルオルベン
ゾイル、塩化2−アセトキシベンゾイル及び塩化2−
(t−ブチル−ペルオキシカルボニル)ベンゾイルを含
むが、これらに限定されない。構造Cのヒドロキシ−ヒ
ドロペルオキシドは、限定するものではない例として、
3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルプロピルヒドロペル
オキシド、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒ
ドロペルオキシド及び4−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルヒドロペルオキシドを含む。
【0016】本発明の新規な合成工程で有用な無機塩基
は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシ
ウム及び燐酸三ナトリウムを含む。本発明のヒドロキシ
−ペルオキシドを製造するための有用な有機塩基であっ
てこれらに限定するものではない例として、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、
1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリ
ジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルア
ニリン、p−N,N−ジメチルアミノピリジン及びメチ
ル−ピリジンを含む。
【0017】構造Aの新規なOO−ヒドロキシアルキル
O−アルキルモノペルオキシジカルボキシレートは、構
造Dの次式:
【化17】 の酸ハロゲン化物を有機塩基又は無機塩基の存在下で構
造Cのヒドロキシ−ヒドロペルオキシドと反応させるこ
とによって製造することができる。構造Dの酸ハロゲン
化物は、塩化2−メトキシカルボニルベンゾイル、塩化
2−n−ブトキシカルボニルルベンゾイル、塩化2−
(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ベンゾイル、
塩化2−シクロヘキシルオキシカルボニル、塩化2−
(4,4−ジメチル−3,5−ジオキサシクロヘキシル
オキシカルボニル)ベンゾイル、塩化2−[(1,4,
4−トリメチル−3,5−ジオキサシクロヘキシル)メ
トキシカルボニル]ベンゾイル、塩化2−[(3,3−
ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンチル)メトキシ
カルボニル]ベンゾイル、塩化2−[(2,4−ジオキ
サシクロペンチル)メトキシカルボニル]ベンゾイル、
塩化3−メトキシカルボニルプロピオニル、塩化4−ブ
トキシカルボニルブチリル、塩化3−(4,4−ジメチ
ル−3,5−ジオキサシクロヘキシルオキシカルボニ
ル)プロピオニル、塩化3−(3,5−ジオキサシクロ
ヘキシルオキシカルボニル)プロピオニル、塩化4−
[(1,4,4−トリメチチル−3,5−ジオキサシク
ロヘキシル)メトキシカルボニル]ブチリル、塩化3−
[(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンチ
ル)メトキシカルボニル]プロピオニル及び塩化3,
4,5,6−テトラクロル−2−メトキシカルボニルベ
ンゾイルを含む。構造B及びDの酸ハロゲン化物は、対
応するカルボン酸を酸ハロゲン化剤、例えば三塩化燐、
五酸化ホスホリル、五塩化燐、塩化チオニル、臭化チオ
ニル、ホスゲン(ジメチルホルムアミド、DMFの存在
下で)、ベンゾトリクロリドなどで処理することによっ
て製造することができる。
【0018】構造Aの新規なヒドロキシ−モノペルオキ
シカーボネートは、次の構造E:
【化18】 のハロぎ酸アルキルを有機塩基又は無機塩基の存在下で
構造Cのヒドロキシ−ヒドロペルオキシドと反応させる
ことにより製造できる。構造Eのハロぎ酸アルキルは、
クロルぎ酸メチル、クロルぎ酸エチル、クロルぎ酸イソ
プロピル、ブロムぎ酸イソプロピル、クロルぎ酸ブチ
ル、クロルぎ酸2−ブチル、クロルぎ酸ネオペンチル、
クロルぎ酸2−エチルヘキシル、クロルぎ酸2−エチル
ブチル、クロルぎ酸2−ブチルオクチル、クロルぎ酸4
−メチル−2−ペンチル、クロルぎ酸ドデシル、クロル
ぎ酸ヘキサデシル、クロルぎ酸2−クロルエチル、クロ
ルぎ酸2−ブトキシエチル、クロルぎ酸2−フェノキシ
エチル、クロルぎ酸シクロヘキシル、クロルぎ酸4−t
−ブチルシクロヘキシル、クロルぎ酸3,3,5−トリ
メチルシクロヘキシル、クロルぎ酸シクロドデシル、ク
ロルぎ酸2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ニル(及び塩酸塩)、クロルぎ酸1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジニル(及び塩酸塩)、クロ
ルぎ酸(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペ
ンチル)メチル、クロルぎ酸(2,4−ジオキサシクロ
ペンチル)メチル、クロルぎ酸(4,4−ジメチル−
3,5−ジオキサシクロヘキシル)、クロルぎ酸(3,
5−ジオキサシクロヘキシル)、クロルぎ酸(1,4,
4−トリメチル−3,5−ジオキサシクロヘキシル)メ
チル、及びクロルぎ酸1,3−ジメチル−3−(t−ブ
チルペルオキシ)ブチルを含む。構造Eのクロルぎ酸ア
ルキルは、対応するアルコールを過剰のホスゲンと反応
させることにより製造できる。
【0019】本発明の新規なヒドロキシ−モノペルオキ
シケタールは、次の構造F:
【化19】 (式中、R'3−は水素又は炭素数1〜3個のアルキル基
であり、R3 −及びR'3−は互いに結合して炭素数5〜
6個を含むリングを形成し得る)のα−置換ビニルエー
テルを無触媒状態で構造Cのヒドロキシ−ヒドロペルオ
キシドと反応させることによって製造できる。構造Fの
α−置換ビニルエーテルで、限定するものではない例と
して、メチルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロ
ペニルエーテル、n−ブチルイソプロペニルエーテル、
1−メトキシ−1−シクロヘキセン及び1−メトキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキセンを含む。
【0020】構造Aの−X−が次式:
【化20】 の二価基である場合には、構造Aの新規なヒドロキシ−
ペルオキシエステルは、次の構造G:
【化21】 のt−アルキルペルオキシカルボニル置換ハロゲン化ア
シルを次の構造H: HO−R11−Y−H (H) のジ若しくはポリオール又はアミノアルコールと反応さ
せることにより製造できる。構造Gのt−アルキルペル
オキシカルボニル置換ハロゲン化アシルで、これを限定
するものではない例として、塩化2−(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾイル、塩化2−(t−アミル
ペルオキシカルボニル)ベンゾイル、塩化3−(t−ブ
チルペルオキシカルボニル)プロピオニル、塩化3−
(t−アミルペルオキシカルボニル)プロピオニル及び
塩化4−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ブチリル
を含む。
【0021】これらのt−アルキルペルオキシカルボニ
ル置換ハロゲン化アシルは、まずt−アルキルヒドロペ
ルオキシドと環状無水物との反応によりt−アルキルペ
ルオキシカルボニル置換カルボン酸を生成させ、続いて
t−アルキルペルオキシカルボニル置換カルボン酸を酸
塩素化剤、例えば塩化チオニルと反応させることを含む
2段階合成法で製造できる。
【0022】構造Hのジ若しくはポリオール又はアミノ
アルコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,2−及び1,3−プロパンジオール、ジプロ
ピレングリコール、1,2−、1,3−及び1,4−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメ
チル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタジオール、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ソ
ルビット、エタノールアミン、ジエタノール、プロパノ
ールアミン、ジプロパノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン及びN−エチルエタノールアミンを含む。
【0023】新規なヒドロキシペルオキシド 構造Aの−X−が直接結合である場合の本発明の典型的
な立体障害ヒドロキシ−ペルオキシエステルは、3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルプロピルペルオキシ−(2
−クロルベンゾエート)、3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルペルオキシ−(2−メチルベンゾエート)、3−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2,4−ジメチルベンゾエート)、3−ヒドロキシ−
1,1−ジメチルブチルペルオキシ−(2,6−ジメチ
ルベンゾエート)、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルペルオキシ−(2−フルオルベンゾエート)、3
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−クロルベンゾエート)、3−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルブチルペルオキシ−(2−ブロムベンゾエー
ト)、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオ
キシ−(2,4−ジクロルベンゾエート)、3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−(2−フェ
ニルベンゾエート)、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルペルオキシ−(2−メトキシベンゾエート)及
び3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ
−(2−アセトキシベンゾエート)を含む。
【0024】本発明の典型的なOO−ヒドロキシアルキ
ルO−アルキルモノペルオキシカルボキシレートは、O
O−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−
メチルモノペルオキシフタレート、OO−(3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチル)O−n−ブチルモノペ
ルオキシフタレート、OO−(3−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルブチル)O−[(2,4−ジオキサシクロペ
ンチル)メチル]モノペルオキシフタレート(a)、O
O−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−
[(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンチ
ル)メチル]モノペルオキシフタレート(b)、OO−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−
[(4,4−ジメチル−3,5−ジオキサシクロヘキシ
ル)メチル]モノペルオキシスクシネート(c)、OO
−[(1,4,4−トリチル−3,5−ジオキサシクロ
ヘキシル)メチル]モノペルオキシグルタレート
(d)、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブ
チル)O−(2,3−ジヒドロキシプロピル)モノペル
オキシ−フタレート(e)、OO−(3−ヒドロキシ−
1,1−ジメチルブチル)O−(1,3−ヒドロキシ−
2−プロピル)モノペルオキシスクシネート(f)、及
びOO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)
O−(1,3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2
−メチルプロピル)モノペルオキシグルタレート(g)
を含む。化合物(e)、(f)及び(g)は、化合物
(a)[又は(b)]、(c)及び(d)をそれぞれ希
薄無機酸水溶液で処理し、無機塩基で中和し、中和した
塩を分離し、真空中で水を奪うことにより水を取り除く
ことで製造できる。(e)、(f)及び(g)を製造す
るのに有用な無機酸で、これを限定するものではない例
は、塩化水素、臭化水素、硝酸、硫酸、硫酸水素ナトリ
ウム、リン酸などを含む。(e)、(f)及び(g)を
製造するのに有用な無機塩基でそれを限定するものでは
ない例は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウムなどを含む。
【0025】本発明のヒドロキシ−モノペルオキシカー
ボネートは、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルプロピル)O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキ
シカーボネート、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチル)O−イソプロピルモノペルオキシカーボ
ネート、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブ
チル)O−(2−ブチル)モノペルオキシカーボネー
ト、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチ
ル)O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボ
ネート、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブ
チル)O−(2−ブチルオクチル)モノペルオキシカー
ボネート、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチル)O−シクロヘキシルモノペルオキシカーボネー
ト、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチ
ル)O−シクロドデシルモノペルオキシカーボネート、
OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(4−t−ブチルシクロヘキシル)モノペルオキシカ
ーボネート、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチル)O−(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)モノペルオキシカーボネート(及び
塩)、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチ
ル)O−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジニル)モノペルオキシカーボネート(及び塩)、
OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(4,4−ジメチル−3,5−ジオキサシクロヘキシ
ル)モノペルオキシカーボネート(h)、OO−(3−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−(3,5−
ジオキサシクロヘキシル)モノペルオキシカーボネート
(i)、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブ
チル)O−[(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシ
クロペンチル)メチル]モノペルオキシカーボネート
(j)、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブ
チル)O−[(2,4−ジオキサシクロペンチル)メチ
ル]モノペルオキシカーボネート(k)、OO−(3−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−[(1,
4,4−トリチル−3,5−ジオキサシクロヘキシル)
メチル]モノペルオキシカーボネート(l)、OO−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−
(2,3−ジヒドロキシプロピル)モノペルオキシカー
ボネート(m)、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチル)O−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロ
ピル)モノペルオキシカーボネート(n)及びOO−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−(3
−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロ
ピル)モノペルオキシカーボネート(o)を含む。化合
物(m)、(n)及び(o)は、化合物(h)[又は
(i)]、(j)[又は(k)]及び(l)をそれぞれ
前記のように、希薄無機酸溶液で処理し、無機塩基で中
和し、中和した塩を分離することにより化合物(m)、
(n)及び(o)を単離し、真空中で水分を除去するこ
とにより製造できる。
【0026】本発明の典型的なヒドロキシ−モノペルオ
キシケタールは、2−メトキシ−2−(3−ヒドロキシ
−1,1−ジメチルプロピルペルオキシ)プロパン、2
−メトキシ−2−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチルペルオキシ)プロパン及び1−メトキシ−1−
(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキ
シ)シクロヘキサンを含む。
【0027】構造Aの−X−が次式:
【化22】 の二価基である場合には、本発明の新規なヒドロキシ−
ペルオキシドは、OO−t−アミルO−(2−ヒドロキ
シエチル)モノペルオキシフタレート、OO−t−ブチ
ルO−(2−ヒドロキシエチル)モノペルオキシフタレ
ート、OO−t−ブチルO−(2−ヒドロキシプロピ
ル)モノペルオキシフタレート、OO−(1,1−ジメ
チル−2−プロピニル)O−(2−ヒドロキシプロピ
ル)モノペルオキシフタレート、OO−t−ブチルO−
(2−ヒドロキシプロピル)モノペルオキシスクシネー
ト、OO−t−ブチルO−(2−ヒドロキシプロピル)
モノペルオキシグルタレート、OO−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)O−(2−ヒドロキシプロピ
ル)モノペルオキシフタレート、OO−t−ブチルO−
(2,3−ジヒドロキシプロピル)モノペルオキシフタ
レート、OO−t−ブチルO−(2,2−ジ[ヒドロキ
シメチル]プロピル)モノペルオキシフタレート、N−
(2−ヒドロキシエチル)2−(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンズアミド及びN,N−ジ(2−ヒドロ
キシエチル)2−(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンズアミドを含む。
【0028】エチレン系不飽和モノマーの重合 適切な温度と圧力でのエチレン系不飽和モノマーのラジ
カル重合において、本発明における構造Aの新規なヒド
ロキシ−ペルオキシドは、効率のいい開始剤(開始剤の
必要量が減るなど)であることがわかった。エチレン系
不飽和モノマーは、オレフィン類、例えばエチレン、プ
ロピレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、クロルスチレン、ブロムスチレン、塩化ビニ
ルベンゾイル、ビニルピリジン及びジビニルベンゼンな
ど;ジオレフィン類、例えば、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン及びクロロプレンなど;ビニルエステル類、例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル及びジビニルカーボネートなど;不
飽和ニトリル類、例えばアクリロニトリル及びメタクリ
ロニトリルなど;アクリル酸及びメタクリル酸並びにそ
れらの無水物、エステル及びアミド、例えばアクリル酸
無水物、アクリル酸又はメタクリル酸メチル、エチル、
n−ブチル、2−ヒドロキシエチル、ラウリル及び2−
エチルヘキシル、アクリルアミド及びメタクリルアミド
など;無水マレイン酸及び無水イタコン酸;マレイン
酸、イタコン酸及びフマル酸並びにそれらのエステル;
ビニルハロ化合物及びビニリデンジハロ化合物、例えば
塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン
及び弗化ビニリデンなど;ペルハロオレフィン類、例え
ばテトラフルオルエチレン、ヘキサフルオルプロピレン
及びクロルトリフルオルエチレン;ビニルエーテル類、
例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル及
びn−ブチルビニルエーテルなど;アリルエステル類、
例えば酢酸アリル、安息香酸アリル、アリルエチルカー
ボネート、リン酸トリアリル、フタル酸ジアリル、フマ
ル酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリ
ル、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)(すなわち、ADC);アクロ
レイン;メチルビニルケトン;又はこれらの混合物を含
む。
【0029】0℃〜250℃の温度、好ましくは30℃
〜200℃の温度と、モノマーを基準にした重量で、
0.002〜3%のヒドロキシ−ペルオキシド量(純粋
な主成分を基にして)、好ましくは0.002〜1%の
ヒドロキシ−ペルオキシド量とが、慣用のエチレン系不
飽和モノマーの重合及び共重合において通常使用され
る。本発明の新規なヒドロキシ−ペルオキシドは、他の
ラジカル開始剤、例えば、t−ブチルペルオキシピバレ
ート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペル
オキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレ
ート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノ
エート、及びα−クミルペルオキシネオデカノエートな
どを含めてペルオキシエステル類;ジ−n−プロピル、
ジイソプロピル、ジ−(sec−ブチル)、ジ−シクロ
ヘキシル、ジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)、ジ
−(2−フェノキシエチル)及びジヘキサデシルペルオ
キシジカーボネートなどを含めてジアルキルペルオキシ
カーボネート類;アセチルシクロヘキシルスルホニルペ
ルオキシド、アセチルsec−ヘプチルスルホニルペル
オキシドなどを含めてアシルアルキルスルホニルペルオ
キシド類;ジベンゾイルペルオキシド、ジドデシルペル
オキシド、ジイソブチリルペルオキシド、ジ−(2−メ
チルペンタノイル)ペルオキシドなどを含めてジアシル
ペルオキシド類;2,2−ジ−(t−ブチルペルオキ
シ)ブタン、2,2−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘ
プタン、エチル3,3−ジ−(t−ブチルペルオキシ)
−ブチレート、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ
−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−
ジ−(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサンなどを含
めてジペルオキシケタール類;OO−t−ブチルO−イ
ソプロピルモノペルオキシカーボネート、OO−t−ブ
チルO−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボ
ネートなどを含めてモノペルオキシカーボネート類;ジ
アルキルペルオキシド類、例えば2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、アゾ
ビス(イソブチルニトリル)、2−t−ブチルアゾ−2
−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペンタン及び1−
t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサンなどを含め
てアゾ化合物と組み合わせて使用され得る。本発明のヒ
ドロキシ−ペルオキシドをこれらの開始剤と組み合わせ
て使用することは、ポリマー製造業者の方法に融通性を
与え、製造業者が重合プロセスを微調整することを可能
にする。
【0030】不飽和ポリエステル樹脂の硬化 遊離ラジカル硬化剤の存在下に適当な硬化温度で加熱す
ることによって不飽和樹脂組成物を硬化させるにあたっ
て、本発明の構造Aの新規なヒドロキシ−ペルオキシド
は、硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物において高め
られた硬化活性を示す。本発明の新規なヒドロキシ−ペ
ルオキシドにより硬化され得る不飽和ポリエステル樹脂
は、一般に不飽和ポリエステルと1種以上のエチレン系
不飽和モノマーを含む。不飽和ポリエステルは、例え
ば、少なくとも1種のエチレン系不飽和のジカルボン酸
又はポリカルボン酸、酸無水物又は酸ハロゲン化物(例
えばマレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、イタコン
酸、メサコン酸、シトラコン酸、アリルマロン酸、テト
ラヒドロフタル酸など)を飽和及び不飽和のジオール又
はポリオール(例えばエチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブ
チン−1,4−ジオール、2,4,4−トリメチル−
1,3−ペンタジオール、グリセロール、ペンタエリト
リトール、マンニトールなど)でエステル化することに
よって得られるポリエステルである。
【0031】これらのジ酸又はポリ酸の混合物及び/又
はこれらジオール又はポリオールの混合物が使用され得
る。ジカルボン酸又はポリカルボン酸は、部分的に飽和
ジカルボン酸又は飽和ポリカルボン酸(例えばアジピン
酸、こはく酸、セバシン酸など)及び芳香族ジカルボン
酸又は芳香族ポリカルボン酸(例えばフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリト酸、イソフタル酸、テレフタル酸
など)の両方或はそのいずれかにより置換され得る。使
用された酸は、例えばハロゲンのような基によって置換
され得る。これら適切なハロゲン化された酸の例は、テ
トラクロルフタル酸、テトラブロムフタル酸、5,6−
ジカルボキシ−1,2,3,4,7,7−ヘキサクロル
ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンなどである。不
飽和ポリエステル樹脂組成物の他の成分である、重合性
モノマーは、好ましくは該不飽和ポリエステルと共重合
できるエチレン系不飽和モノマー、例えばスチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、ブロムスチレン、塩化ビニルベンゾイル、ジビニル
ベンゼン、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジブチル、リ
ン酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、フタル酸ジア
リル、フマル酸ジアリル、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−
ブチル、アクリル酸エチルなど又はこれらの混合物など
である。
【0032】好ましい不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、不飽和ポリエステル成分として、1,2−プロパン
ジオール(ポリオール)、無水マレイン酸(不飽和ポリ
カルボン酸の無水物)と無水フタル酸(芳香族ジカルボ
ン酸の無水物)のエステル化生成物並びにモノマー成分
のスチレンを含有する。他の種類の不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、硬化触媒として本発明の新規なヒドロキ
シペルオキシドを使用することによって酸化され得る。
これらの樹脂は、不飽和ビニルエステル樹脂と呼ばれ、
ビニルエステル樹脂部分と1種以上の重合性モノマー成
分とから成る。ビニルエステル樹脂部分は、塩基、例え
ば水酸化ナトリウムなどの存在下で、クロルエポキシ
ド、例えばエピクロルヒドリンなどをビスフェノール、
例えばビスフェノールA[2,2−ジ−(4−ヒドロキ
シフェノール)プロパノール]の適切量と反応させるこ
とによって、クロルエポキシドから誘導される末端エポ
キシ基を有する縮合物を生じさせることにより製造され
得る。続いて、酸性触媒又は塩基性触媒の存在下又は不
在下で、縮合物を重合性の不飽和カルボン酸(例えばア
クリル酸及びメタクリル酸)と反応させるとビニルエス
テル樹脂成分が生成する。通常、スチレンは、不飽和ビ
ニルエステル樹脂組成物の製造を完全にするために、重
合性モノマー成分として加えられる。約20℃〜200
℃の温度及び硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物の重
量で、約0.05%〜5%又はそれを越える量のヒドロ
キシ−ペルオキシドが、通常、不飽和ポリエステル樹脂
を硬化するために使用される。上に記載された不飽和ポ
リエステル樹脂組成物は、様々な物質、例えば硫黄、ガ
ラス、炭素及び硼素繊維、カーボンブラック、シリカ、
金属シリケート、クレー、金属カーボネート、酸化防止
剤(AO)、熱安定剤、紫外線(UV)安定剤、光安定
剤、増感剤、染料、顔料、促進剤、酸化亜鉛などの金属
酸化物、発泡剤、核剤などを充填し得る。
【0033】エラストマーの硬化と熱可塑性ポリマーの
架橋 遊離ラジカル基硬化剤及び遊離ラジカル基架橋剤の存在
下で、適切な硬化温度及び架橋温度で加熱することによ
る、エラストマー組成物の硬化及びポリマー組成物の架
橋において、本発明の新規なヒドロキシ−ペルオキシド
は硬化活性及び架橋活性を示す。本発明の新規なヒドロ
キシ−ペルオキシドにより硬化され得るエラストマー樹
脂組成物は、エラストマー、例えばエチレン−プロピレ
ンコポリマー(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー(EPDM)、ポリブタジエン(PB
D)、シリコーンゴム(SR)、ネオプレン、フルオロ
エラストマーとエチレン−ビニルアセテートコポリマー
(EVA)などを含む。
【0034】本発明の新規なヒドロキシ−ペルオキシド
により架橋され得るポリマー組成物は、オレフィン熱可
塑性樹脂、例えば塩素化ポリエチレン(CPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)、長鎖式−低密度ポリエチ
レン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)
などを含む。約80℃〜310℃の温度並びに硬化性エ
ラストマー樹脂組成物又は架橋性オレフィンポリマー組
成物を重量で約0.1%〜10%、好ましくは0.5%
〜5%のヒドロキシ−ペルオキシドが通常使用される。
硬化性エラストマー樹脂組成物又は架橋性ポリマー組成
物は、従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物と使用する
ために、前記で挙げた物質で任意に充填され得る。
【0035】プロピレンホモポリマー及びプロピレンコ
ポリマーの改質 プロピレンホモポリマーと、プロピレンコポリマー(例
えば、ポリマー分子量及びポリマー分子量分布を減らす
ことにより、有益なポリプロピレン(PP)の減成な
ど)を改質するための工程において、本発明の新規なヒ
ドロキシ−ペルオキシドは、ポリプロピレン改質活性を
示す。約140℃〜340℃の温度及び改質し得るポリ
オレフィン又はコポリマーの重量に基いて約0.01%
〜1.0%のヒドロキシペルオキシド量が通常使用され
る。要すれば、分子の重量で1%を超える酸素が改質助
触媒として使用され得る。
【0036】
【実施例】例1 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカーボネート
(I−1)の製造 撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備したジャケット付反
応器に、塩化メチレン40ml、74.9%の3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド2
5.1g(0.14モル)及び20%の水酸化カリウム
水溶液39.2g(0.14モル)が装入され、混合物
は20℃で撹拌された。液相は、分離するために放置さ
れ、下の塩化メチレン層が除去された。次に別の塩化メ
チレン40mlが添加され、混合物は20℃で撹拌さ
れ、液層が沈降分離され、下の塩化メチレン層が除去さ
れた。次に、激しく撹拌された水溶液が45℃まで加熱
され、それに4.5分間で99%のクロルぎ酸2−エチ
ルヘキシル19.3g(0.10モル)がすばやく添加
され、そして生じた混合物が45℃でさらに45分間撹
拌された。生じた激しく撹拌された2相液体混合物は2
0℃まで冷却され、それにペンタン80ml及び水50
mlが添加された。撹拌が停止され、下の水層が除去及
び廃棄された。ペンタン溶液は、次に20℃で10%の
水酸化カリウム水溶液50mlを使用して洗浄し、さら
に水を50ml使用して2回洗浄した。さらにペンタン
溶液は、重量で10%を超える無水硫酸マグネシウムで
乾燥された。使用された乾燥剤を濾過で分離した後に、
ペンタンは真空中で除去され、透明で無色の液体24.
3g(理論の83.8%、未補正)が残された。生成物
の赤外スペクトルは、約3410cm-1で強いOH吸収
帯を、約1750cm-1と1735cm-1で分割されて
いない二重のカルボニル吸収帯を、及び約830cm-1
で弱い−OO−吸収帯を示した。これら赤外スペクトル
吸収帯は所望される構造と一致し、生成物が標記の化合
物であることが確認された。生成物は、4.71%の活
性[O]含有量を有した。所望される標記の化合物に対
して、5.51%の理論活性[O]に基ずくと、純度は
85.5%の及び修正収率は71.6%であった。
【0037】例2 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(2−ブチル)モノペルオキシカーボネート(I−
2)の製造 撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備したジャケット付反
応器に、塩化メチレンを30mlと75.2%の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド
を16.6g(0.093モル)と20%の水酸化カリ
ウム水溶液26.0g(0.093モル)とが装入さ
れ、混合物は20℃で5分間撹拌された。液相は分離す
るために放置され、下の塩化メチレン層が除去された。
次に他の塩化メチレンが30ml添加され、混合物は2
0℃で撹拌され、液層は沈降し、下層の塩化メチレンが
除去された。次に激しく撹拌された水溶液が40℃〜4
5℃まで加熱され、2.0分間で、99%のクロルぎ酸
2−ブチルの5.5g(0.040モル)がすばやく添
加され、そして生じた混合物は40℃〜45℃でさらに
25分間撹拌された。激しく撹拌された2相液体混合物
は20℃〜25℃まで冷却され、それにペンタン50m
lが添加された。撹拌が停止され、下の水層が除去され
そして廃棄された。ペンタン溶液は、次に20℃で、1
0%の水酸化カリウム水溶液を50ml使用して2回洗
浄され、さらに水を70ml使用して3回洗浄される。
次にペンタン溶液は、10重量%の無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥された。濾過により使用された乾燥剤を分離し
た後に、ペンタンは真空中で除去され、透明で無色の液
体3.9g(理論の41.5%、未補正)が残された。
生成物の赤外スペクトルは、約3410cm-1で強いO
H吸収帯を、約1750cm-1と1735cm-1で分割
されていない二重のカルボニル吸収帯を、及び約865
cm-1で−OO−吸収帯を示した。これら赤外スペクト
ル吸収帯は所望される構造と一致し、生成物が標記の化
合物であることが確認された。生成物は、6.05%の
活性[O]含有量を有した。所望される標記の化合物に
対して、6.83%の理論活性[O]に基づくと、純度
は88.6%で修正収率は36.8%であった。
【0038】例3 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−イソプロピルモノペルオキシカーボネート(I−3)
の製造 撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備したジャケット付反
応器に、塩化メチレンを30mlと75%の3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを2
5.0g(0.14モル)と20%の水酸化カリウム水
溶液39.2g(0.14モル)とが装入され、混合物
が約25℃で3分間撹拌された。液相は分離するために
放置され、下の塩化メチレン層が除去された。次に他の
塩化メチレンが洗浄剤として使用され、使用された塩化
メチレン層は沈降し、分離して廃棄された。次に激しく
撹拌された水溶液が、42℃〜48℃まで加熱され、そ
れに約5分間で、98%のクロルぎ酸イソプロピル7.
4g(0.060モル)がすばやく添加され、そして生
じた混合物は、水50mlが添加された後に45℃でさ
らに35分間撹拌された。激しく撹拌された2相液体混
合物は20℃〜25℃まで冷却され、それにペンタン5
0mlが添加された。撹拌が停止され、下の水層が除去
され、そして廃棄された。次にペンタン溶液は、20℃
で10%の水酸化カリウム水溶液を50ml使用して2
回洗浄され、続いて水を100ml使用して約7のpH
になるまで洗浄された。次にペンタン溶液は10重量%
の無水硫酸マグネシウムで乾燥された。使用された乾燥
剤を濾過で分離した後に、ペンタンが真空中で除去さ
れ、液体の生成物が7.4g(理論の56.1%、未補
正)残された。生成物の赤外スペクトルは、約3400
cm-1で強いOH吸収帯を、約1730cm-1で強いカ
ルボニル吸収帯(1780cm-1に肩がある)を、及び
約880cm-1で−OO−吸収帯を示した。これら赤外
スペクトル吸収帯は所望される構造で予期される赤外ス
ペクトルと一致し、生成物が標記の化合物であることが
確認された。生成物は、6.65%の活性[O]含有量
を有した。所望される標記の化合物に対して、7.26
%の理論活性[O]に基ずくと、純度は91.6%で修
正収率は51.4%であった。
【0039】例4 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−シクロヘキシルモノペルオキシカーボネート(I−
4)の製造 例3で使用された装置と手順が、この例で使用された。
使用された反応物質は75%の3−(ヒドロキシ−1,
1−ジメチルブチルヒドロキシペルオキシド(25.0
g;0.14モル)、20%の水酸化カリウム水溶液を
(39.2g;0.14モル)及び97.2%のクロル
ぎ酸シクロヘキシル(10.0g;0.06モル)であ
った。通常の工程が終了後、液体の生成物11.8g
(理論の75.6%、未補正)が得られた。生成物の赤
外スペクトルは、約3400cm-1で強いOH吸収帯
を、約1700cm-1と1720cm-1で分割されてな
い二重のカルボニル吸収帯を、約835cm-1で弱い−
OO−吸収帯を示した。これら赤外スペクトル吸収帯
は、所望される構造と一致し、生成物が標記の化合物で
あることが確認された。生成物は、5.47%の活性
[O]含有量を有した。所望される標記の化合物に対し
て、6.15%の理論活性[O]に基ずくと、純度は8
8.6%で、修正収率は67.0%であった。
【0040】例5 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)モノペルオキシカーボネート(I−5)の製造 三
角フラスコに、45%の水酸化カリウム水溶液14.9
g(0.12モル)と水20mlとが装入された。フラ
スコ内容物は15℃まで冷却され、74.9%の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド
12.4g(0.0694モル)が、ゆっくりと添加さ
れ、5分間撹拌された。次にフラスコ内容物は分液漏斗
に移され、塩化メチレン25mlを使用して(不十分な
分離)とメチルt−ブチルエーテル15mlを使用して
(一層良い分離)洗浄された。水性層は、3口丸底フラ
スコに移され、10℃まで冷却された。次にN,N−ジ
メチルアミノピリジン(DMAP)0.2gが添加さ
れ、溶液が撹拌された。10℃〜15℃でこの激しく撹
拌された溶液に、約30分間で、塩化2,2,6,6−
テトラメチル−4−クロロカルボニルオキシピペリジニ
ウムがゆっくりと添加されたが、後者の反応体は容易に
溶けず、それゆえにテトラヒドロフラン(THF)30
mlが添加された。これは反応を容易にすると思われ
た。反応混合物は10℃〜15℃でさらに30分間撹拌
され、次に20℃〜25℃で120分間撹拌された。次
に塩化メチレン100mlが添加され、撹拌と分離がさ
れた。塩化メチレン50mlを使用して2回目の洗浄が
実行された。次に混合塩化メチレン洗浄剤は、5%の水
酸化ナトリリウム水溶液50mlを使用して1回、水5
0mlを使用して1回、飽和亜鉛酸水素ナトリリウム水
溶液50mlを使用して3回、5%の炭酸水素ナトリリ
ウム水溶液50mlを使用して1回洗浄される。次に塩
化メチレン溶液は、10重量%を超える無水硫酸マグネ
シウムで乾燥された。濾過により使用された乾燥剤を分
離した後に、真空中で溶媒が除去され、m.p.が11
9℃〜127℃の白色結晶7.6g(理論の76%、未
補正)が残された。生成物は、4.47%の活性[O]
含有量及び1.6%の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルヒドロペルオキシド含有量を有した。所望され
る標記の化合物に対して、7.26%の理論活性[O]
及び3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペ
ルオキシドのために活性[O]に対して修正することに
基づくと、生成物の純度は、84.9%で修正収率は6
4.5%であった。
【0041】例6 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(2−フェノキシエチル)モノペルオキシカーボネー
ト(I−5)の製造 例3で使用された装置と手順が、この例で使用された。
使用された反応物質は75%の3−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルブチルヒドロペルオキシド(25.0g;
0.14モル)、20%の水酸化カリウム水溶液(3
9.2g;0.14モル)及び99%のクロルぎ酸2−
フェノキシエチル(12.2g;0.06モル)であっ
た。通常の工程が終了した後、淡黄色の液体生成物1
1.8g(理論の65.9%、未補正)が得られた。生
成物の赤外スペクトルは、約3380cm-1でOH吸収
帯を、約1730cm-1で強いカルボニル吸収帯を、約
890cm-1で弱い−OO−吸収帯を示した。生成物は
活性[O]を2.65%含有した。
【0042】例7 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−メチルベンゾエート)(I−7)の製造 撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備したジャケット付反
応器に、l5℃で74.4%の3−ヒドロキシ−1,1
−ジメチルブチルヒドロペルオキシド19.8g(0.
110モル)と20%の水酸化カリウム水溶液を30.
9g(0.110モル)とが装入された。生じた溶液
が、トルエン40gを使用して2回、ペンタン40ml
を使用して2回洗浄された。次に水ペンタン50mlが
水溶液に添加され、溶液は0℃〜5℃に冷却された。次
に0℃〜5℃で激しく撹拌された反応素材に、5分より
長い時間で、100%の塩化2−メチルベンゾイル7.
7g(0.050モル)とペンタン50mlの溶液が添
加された。生じた混合物は、撹拌停止後、0℃〜5℃で
さらに15分間撹拌され、そして液相を分離するために
放置された。下の水層は除去され廃棄された。次にペン
タン溶液が10℃で10%の水酸化カリウム水溶液40
gを使用して2回洗浄され、さらに飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液20gで2回洗浄された。すべての工程を通じ
て、ペンタンの不溶性の有機層が終始保持された。この
層は塩化メチレン50ml溶解され、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥され、濾過により使用された乾燥剤を分離し
た後に、真空中で、塩化メチレンが除去され、透明で無
色の油状物6.1g(理論で48%、未補正)が残され
た。次に、ペンタン溶液は、10重量%の無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥された。濾過により使用された乾燥剤を
分離した後、ペンタンは真空中で除去され、透明で無色
の液体3.1g(理論で25%、未補正)が残された。
2種類の生成物の赤外スペクトルは、2種類が同一であ
ることを示し、それゆえにそれらは混合された。混合さ
れた生成物の赤外スペクトルは、約3475cm-1で強
いOH吸収帯を、約1740cm-1で非常に強いペルオ
キシエステルカルボニル吸収帯を及び約820cm-1
−OO−吸収帯を示した。約1700cm-1でエステル
吸収帯が認められず、これゆえに、生成物中にエステル
−ペルオキシエステルは存在しなかった。生成物は6.
28%の活性[O]含有量を有した。所望される標記の
化合物について、6.34%の理論活性[O]に基づく
と、純度は99.5%で、修正収率は72.7%であっ
た。α−メチルスチレン(I−7で0.02モル)中で
100℃におけるI−7の半減期は4.05時間である
ことが認められ、それゆえにI−7についての10時間
半減期温度は約94℃であることが推定された。t−ブ
チルペルオキシ−(2−メチルベンゾエート)(I−7
に似ている市販のペルオキシエステル)は、ベンゼン
(0.20モル)中で8.7時間の100℃半減期及び
約99℃の10時間半減期温度を有することが認められ
た。それゆえにI−7は、分解データに基ずくと、t−
ブチルペルオキシ−(2−メチルベンゾエート)よりさ
らに著しく活性であった。
【0043】例8 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−クロルベンゾエート)(I−8)の製造 撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備したジャケット付反
応器に、73.4%の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルヒドロペルオキシド20.1g(0.110モ
ル)と20%の水酸化カリウム水溶液30.9g(0.
110モル)が15℃で装入さた。生じた溶液は、塩化
メチレン40gを使用して2回洗浄され、次に水25g
と塩化メチレン50mlが水溶液に添加され、溶液は0
℃〜5℃まで冷却された。0℃〜5℃で激しく撹拌され
た反応物に、5分間で95%の塩化2−クロロベンゾイ
ル9.2g(0.050モル)と塩化メチレン50ml
の溶液が添加された。生じた混合物は、撹拌を停止した
後、0℃〜5℃でさらに20分間撹拌され、そして反応
物は液層を分離するために放置された。上の水層が除去
され、廃棄された。次に塩化メチレン溶液が10℃で1
0%水酸化カリウム水溶液40gを使用して2回洗浄さ
れ、さらに飽和炭酸水素ナトリウム溶液を使用して2回
洗浄された。次に塩化メチレン溶液は無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥され、濾過により使用された乾燥剤を分離し
た後に、真空中で塩化メチレンが除去され、透明で無色
の液体11.8g(理論で86.7%、未補正)が残さ
れた。生成物の赤外スペクトルは、約3480cm-1
強いOH吸収帯を、約1740cm-1で非常に強いペル
オキシエステルカルボニル吸収帯が示される。約170
0cm-1でエステル吸収帯が認められず、このゆえに、
エステル−ペルオキシエステルは生成物中に存在しなか
った。生成物は、活性[O]を5.23%含有した。所
望される標記の化合物に対して、5.87%の理論活性
[O]に基くと、純度は89.1%で修正収率は77.
2%であった。
【0044】例9 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−ブロムベンゾエート)(I−9)の製造 例8で使用されたのと同様のプロセスと操作手順がこの
例において使用された。15℃で、73.4%の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド
20.1g(0.110モル)、20%の水酸化カリウ
ム水溶液30.9g(0.110モル)と98%の塩化
2−ブロムベンゾイル11.2g(0.050モル)を
反応させた。操作終了後に、透明で無色の液体14.8
g(理論の93.1%、未補正)が得られた。生成物の
赤外スペクトルは、約3480cm-1で強いOH吸収帯
を、約1740cm-1で非常に強いペルオキシエステル
カルボニル吸収帯を示した。約1700cm-1で、エス
テル吸収帯が認められず、このゆえに、エステル−ペル
オキシエステルは生成物中に存在しなかった。生成物
は、4.41%の活性[O]含有量を有した。所望され
る標記の化合物に対して、5.04%の理論活性[O]
に基くと純度は87.5%及び修正収率は81.5%で
あった。
【0045】例10 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルペルオキシ−
(2−アセトオキシベンゾエート)(I−10)の製造 例8で使用されたのと同様のプロセスと操作手順がこの
例において使用された。15℃で、73.4%の3−ヒ
ドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド
20.1g(0.110モル)、10%の水酸化カリウ
ム水溶液65.0g(0.115モル)及び98%の塩
化2−アセトキシベンゾイル10.1g(0.05モ
ル)が反応した。工程終了後に、透明で無色の液体4.
6g(理論の31%、未補正)が得られた。生成物の赤
外スペクトルは、約3400cm-1で強いOH吸収帯
を、約1730cm-1で非常に強いペルオキシエステル
カルボニル吸収帯を、及び約1700cm-1でエステル
カルボニル吸収帯を示した。約1700cm-1で認めら
れるエステル吸収帯は、所望される化合物におけるアセ
トキシ基のためであった。
【0046】例11 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオ
キシドと塩化ベンゾイルとの反応 撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備したジャケット付反
応器に、20℃〜25℃で90.3%の3−ヒドロキシ
−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド29.7
g(0.20モル)及び20%の水酸化ナトリウム水溶
液44.0g(0.22モル)が装填さた。25℃〜3
0℃で激しく撹拌された反応混合物に、20分間で10
0%の塩化ベンゾイル14.1g(0.10モル)の溶
液がゆっくりと添加された。生じた混合物は25℃〜3
0℃でさらに180分間撹拌され、その後水50ml及
び塩化メチレン100ml添加された。撹拌が停止され
て反応混合物は液相に分離するために放置された。下の
水層が除去及び廃棄された。次に有機溶液が水25ml
で1回、亜硫酸ナトリウムの緩衝溶液25ml(すなわ
ち、水22g、酢酸ナトリウム1.5g、酢酸1.0g
及び亜硫酸ナトリウム0.63g)で1回、7.7%の
炭酸水素ナトリウム25mlで1回洗浄された。すべて
の洗浄は20℃〜25℃で実行された。次に塩化メチレ
ン溶液は、10重量%の無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
れた。濾過により使用された乾燥剤を分離した後に、溶
媒は真空中で除去され、液体生成物17.5g(理論で
73.5%、未補正)が残された。生成物は3.76%
のペルオキシエステル活性[O]含有量を有した。この
例において得られた生成物は、3−ベンゾイルオキシ−
1,1−ジメチルブチルペルオキシベンゾエート(C−
1a)であった。C−1aの純度は80.5%であり、
修正収率は82.4%であった。C−1aは、米国特許
第3,236,872号(参照1)の例3において開示
されたベンゾエート−ペルオキシベンゾエートである。
この例は、塩化ベンゾイル及び塩化アセチルを3−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドと
反応させて、エステル−ペルオキシエステルを生成する
ことを教示する。本例において、過剰の3−ヒドロキシ
−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを使用す
ることにより、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチ
ルペルオキシベンゾエート(C−1、ヒドロキシアルキ
ルペルオキシベンゾエート)生成の方向に操作条件を外
しても、C−1の生成は起こらないで、その代わりに、
C−1aが形成された。上記の発見に対して、本質的に
例11において使用されたものと同様の操作条件の基
で、立体障害塩化ベンゾイル、例えば塩化2−クロル−
ベンゾイル、塩化2−メチルベンゾイル、塩化2−ブロ
ムベンゾイル及び塩化2−アセトキシベンゾイルなど
が、対応するヒドロキシアルキル置換ペルオキシベンゾ
エート(組成物I−7、I−8、I−9及びI−10、
例7、8、9及び10を参照)を生成するという驚くべ
きそして思いもよらない発見をした。これらの結果は下
記の表にまとめられた。塩化ベンゾイルと3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドとの反
応からの反応生成物
【0047】
【表1】
【0048】例12 OO−t−ブチルO−(2−ヒドロキシプロピル)モノ
ペルオキシフタレート(I−11)の製造 電磁撹拌機、温度計、冷水冷却器及び添加漏斗を装備し
た300mlの三口丸底フラスコに、メチルt−ブチル
エーテル100ml、91.3%の塩化2−(t−ブチ
ルペルオキシカルビボル)−ベンゾイル16.7g
(0.06モル)及びピリジン5.5g(0.07モ
ル)が装入された。20℃で、この激しく撹拌された溶
液に、20分間で1,2−プロパンジオール22.8g
(0.30モル)が添加された。添加の間、わずかな発
熱があり、沈殿物が形成された。反応素材は25℃まで
暖められ、25℃で240分間撹拌された。濾過により
沈殿物が分離され、白い固体は、メチルt−ブチルエー
テル25mlを用いて洗浄された。メチルt−ブチルエ
ーテル洗液は、濾液と混合され、そして濾液は5%の塩
酸50mlを使用して2回、次に3%の炭酸水素ナトリ
ウム水溶液50mlを使用して2回洗浄された。次にメ
チルt−ブチルエーテル溶液は10重量%の無水硫酸マ
グネシウムで乾燥され、濾過により使用された乾燥剤を
分離した後に、溶液が真空中で除去され、淡黄色の液体
17.4g(理論の98.3%、未補正)が残された。
生成物の赤外スペクトルは約3500cm-1で強いOH
吸収帯を、及び約1720cm-1と1770cm-1で2
個のカルボニル吸収帯を示した。生成物は、5.02%
のペルオキシエステル活性[O]含有量を有した。所望
される標記の化合物に対して、5.40%の理論活性
[O]に基ずくと、純度は93.0%及び修正収率は9
1.4%であった。
【0049】例13 OO−t−ブチルO−(2−ヒドロキシプロピル)モノ
ペルオキシスクシネート(I−12)の製造 電磁撹拌機、温度計、冷水冷却器及び添加漏斗を装備し
た250mlの三口丸底フラスコに、塩化メチレン50
ml、ピリジン4.4g(0.052モル)及び1,2
−プロパンジオール19.0g(0.25モル)が装入
された。生じた激しく撹拌された溶液は10℃まで冷却
され、溶液に20分間で、94%の塩化3−(t−ブチ
ルペルオキシカルボニル)プロピオニル11.5g
(0.050モル)の塩化メチレン溶液10mlが添加
された。反応物は、20℃まで暖められ、20℃で21
0分間撹拌された。反応混合物は、10℃〜15℃で5
%の塩酸50mlを使用して洗浄され、次に5%の炭酸
水素ナトリウム100mlを使用して2回洗浄された。
次に塩化メチレン溶液は、10重量%の無水硫酸マグネ
シウムで乾燥され、濾過により使用された乾燥剤を分離
した後に、溶媒が真空中で除去され、淡黄色の液体1
2.4g(理論の100%、未補正)が残された。生成
物の赤外スペクトルは、強いOH吸収帯、約1720c
-1〜1780cm-1で強くて広いカルボニル吸収帯及
び約850cm-1で強い−OO−吸収帯を示した。生成
物は、6.29%のペルオキシエステル活性[O]含有
量を有した。所望される標記の化合物に対して、6.4
5%の理論活性[O]に基くと、純度は97.5%及び
修正収率は97.5%であった。
【0050】例14 2−メトキシ−2−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルブチルペルオキシ)プロパン(I−13)の製造 電磁撹拌機、温度計、冷水冷却器及び添加漏斗を装備し
た250mlの三口丸底フラスコに、塩化メチレン10
0ml及びメチルイソプロペニルエーテル3.6g
(0.050モル)が装入された。この溶液に、20℃
〜25℃で約30分間で、ゆっくりと乾燥した88.4
%の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペ
ルオキシド8.0g(0.053モル)が添加された。
反応物は、35℃まで暖められ、35℃で150〜18
0分間撹拌された。反応は、水50mlを使用して2回
洗浄された。次に塩化メチレン溶液は、10重量%の無
水硫酸マグネシウムで乾燥され、濾過により使用された
乾燥剤を分離した後に、溶媒が真空中で除去され、液体
生成物9.2g(理論の89.3%、未補正)が残され
た。生成物の赤外スペクトルは、約3500cm-1で強
いOH吸収帯及び約870cm-1で弱い−OO−吸収帯
を示した。生成物は、8.32%の活性[O]含有量を
有した。所望される標記の化合物に対して、7.76%
の理論活性[O]に基くと、純度は100%及び修正収
率は89.3%であった。
【0051】例15 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(2,4−ジオキサシクロペンチル)メチルモノオキ
シカーボネート(I−14)の製造 この例において、グリセリンホルマールのクロルぎ酸エ
ステルは、まずグリセリンホルマール[(2,4−ジオ
キサシクロペンチル)メタノール及び3,5−ジオキサ
シクロヘキサノールの混合物]を過剰のホスゲンで処理
し、ついで生成物[クロルぎ酸(2,4−ジオキサシク
ロペンチル)メチル及びクロルぎ酸3,5−ジオキサシ
クロヘキシルの混合物]を単離することにより製造され
た。簡潔にするために以下ではクロルぎ酸エステル混合
物は、クロルぎ酸(2,4−ジオキサシクロペンチル)
メチルと呼ぶ。続いて水酸化カリウム水溶液の存在下
で、クロルぎ酸(2,4−ジオキサシクロペンチル)メ
チルが、3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒド
ロペルオキシドと反応させられて、その結果、生成物
[OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)
O−(2,4−ジオキサシクロペンチル)メチルモノペ
ルオキシカーボネート及びOO−(3−ヒドロキシ−
1,1−ジメチルブチル)O−(3,5−ジオキサシク
ロヘキシル)モノペルオキシカーボネート(I−14)
の混合物]を生成した。再び、簡潔のために以下ではこ
の例の生成物は、2成分の混合物の名前よりもむしろO
O−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−
(2,4−ジオキサシクロペンチル)メチルモノペルオ
キシカーボネートと呼ぶことにする。撹拌機、温度計及
び添加漏斗を装備したジャケット付反応器に、メチルt
−ブチルエーテル80ml、73.4%の3−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシド47.
8g(0.26モル)及び10%水酸化カリウム水溶液
145g(0.26モル)が装入され、20℃で混合物
が間撹拌された。液相は分離するために放置され、下の
メチルt−ブチルエーテル層が除去された。次に、さら
にメチルt−ブチルエーテル80mlが添加された。2
0℃で混合物が撹拌され、液層は沈降して、下のメチル
t−ブチルエーテル層が除去された。この洗浄液の手順
が3回繰り返された。次に激しく撹拌されたこの水溶液
が、24℃〜28℃まで加熱され、さらに水溶液に45
分間で、98%のクロルぎ酸(2,4−ジオキサシクロ
ペンチル)メチル59.2g(0.30モル)がゆっく
りと添加され、生じた混合物は、25℃〜30℃でさら
に90分間撹拌された。次に、メチルt−ブチルエーテ
ル300mlが添加され、撹拌が停止され、有機相から
下の水性層が分離され廃棄された。次に生成溶液は20
℃で10%水酸化カリウム水溶液100gを使用して2
回洗浄され、次にpHを約7に調整するために、水10
0mlを使用して数回洗浄された。次にメチルt−ブチ
ルエーテル溶液が、10重量%の無水硫酸マグネシウム
で乾燥された。濾過により使用された乾燥剤を分離した
後に、メチルt−ブチルエーテルは真空中で除去され、
淡黄色の液体7.2g(理論の14%、未補正)が残さ
れた。生成物の赤外スペクトルは、約3400cm-1
強いOH吸収帯を、約1790cm-1と1740cm-1
で、分割されてない二重のカルボニル吸収帯を、及び約
840cm-1で弱い−OO−吸収帯を示した。生成物は
1.7%の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒ
ドロペルオキシドを含み、4.99%のモノペルオキシ
カーボネート活性[O]含有量を有した。所望される標
記の化合物の混合物に対して、6.05%の理論活性
[O]に基ずくと、純度は82.5%及び修正収率は1
1.2%であった。
【0052】例16 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンチ
チル)メチルモノペルオキシカーボネート(I−15)
の製造 この例において、まず、ゾルケタール[(3,3−ジメ
チル−2,4−ジオキサシクロペンチル)メタノール及
び4,4−ジメチル−3,5−ジオキサシクロヘキサノ
ールの混合物]を過剰のホスゲンで処理することにより
ゾルケタールのクロルぎ酸エステルが合成され、続いて
生成物[クロルぎ酸(3,3−ジメチル−2,4−ジオ
キサシクロペンチル)メチル及びクロルぎ酸4,4−ジ
メチル−3,5−ジオキサシクロヘキシルの混合物]を
単離した。簡潔にするために以下ではクロルぎ酸エステ
ル混合物は、クロルぎ酸(3,3−ジメチル−2,4−
ジオキサシクロペンチル)メチルと呼ぶ。続いて水酸化
カリウム水溶液の存在下で、クロルぎ酸(3,3−ジメ
チル−2,4−ジオキサシクロペンチル)メチルが、3
−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキ
シドと反応させられ、その結果、生成物[OO−(3−
ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−(3,3−
ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンチル)メチルモ
ノペルオキシカーボネート及びOO−(3−ヒドロキシ
−1,1−ジメチルブチル)O−(4,4−ジメチル−
3,5−ジオキサシクロヘキシルモノペルオキシカーボ
ネート(I−15)の混合物]を生成した。再び、簡潔
にするために以下ではこの例の生成物が、2成分の混合
物の名前の代りにOO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチル)O−(3,3−ジメチル−2,4−ジオ
キサシクロペンチル)メチルモノペルオキシカーボネー
トと呼ばれる。撹拌機、温度計及び添加漏斗を装備した
ジャケット付反応器に、塩化メチレン50ml、73.
4%の3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルヒドロ
ペルオキシド及び12.5%の水酸化カリウム水溶液6
2.7g(0.14モル)が装入され、20℃〜25℃
で混合物が間撹拌された。液相は分離するために放置さ
れ、下の塩化メチレン層が除去された。次に他の塩化メ
チレン50mlが添加され、20℃〜25℃で混合物が
撹拌され、液層は沈降して、下の塩化メチレン層が除去
された。次に激しく撹拌された水溶液は、23℃〜28
℃まで加熱され、次いでこの溶液に20分より長い時間
で98.7%のクロルぎ酸(3,3−ジメチル−2,4
−ジオキサシクロペンチル)メチル19.7g(0.1
0モル)がゆっくりと添加され、生じた混合物は25℃
でさらに90分間撹拌された。次にメチルt−ブチルエ
ーテル100mlが添加され、撹拌が停止され、下の水
性層が有機相から分離され、廃棄された。生成物の溶液
は20℃で10%の水酸化カリウム水溶液50gを使用
して2回洗浄され、次にpHを約7に調整するために水
50mlを使用して数回洗浄をした。次にメチルt−ブ
チルエーテル溶液は、10重量%の無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥された。濾過により使用された乾燥剤を分離し
た後に、メチルt−ブチルエーテルは、真空中で除去さ
れ、無色の液体13.0g(理論の44%、未補正)が
残された。生成物の赤外スペクトルは、約3390cm
-1で強いOH吸収帯を、約1790cm-1並びに174
5cm-1で、分割されてない二重のカルボニル吸収帯
を、及び約835cm-1で弱い−OO−吸収帯を示し
た。生成物は0.2%の3−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルブチルヒドロペルオキシドを含み並びに5.27%
のモノペルオキシカーボネート活性[O]含有量を有し
た。所望される標記の化合物の混合物に対して、5.4
7%の理論活性[O]に基くと、純度は96.3%及び
修正収率は42.7%であった。
【0053】例17 OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O
−(2,3−ジヒドロキシプロピル)モノペルオキシカ
ーボネート(I−16)の製造 この例において、例16の混合生成物、すなわちI−1
5の、OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチ
ル)O−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロ
ペンチル)メチルモノペルオキシカーボネート及びOO
−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)O−
(4,4−ジメチル−3,5−ジオキサシクロヘキシル
モノペルオキシカーボネートの混合物が希釈塩酸溶液に
より処理され、所望される化合物の混合物、I−16
[OO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル)
O−(2,3−ジヒドロキシプロピル)モノペルオキシ
カーボネート及びOO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチル)O−(1,3−ジヒドロキシ−2−プロ
ピル)モノペルオキシカーボネートから成る]を生成し
た。簡潔のために、この例の生成物は以下2成分の混合
物の名前の代りにOO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチル)O−(2,3−ジヒドロキシプロピル)
モノペルオキシカーボネートと呼ぶことにする。電磁撹
拌機及び温度計を装備したフラスコに、20℃〜25℃
で、96.3%のOO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチル)O−(3,3−ジメチル−2,4−ジオ
キサシクロペンチル)メチルモノペルオキシカーボネー
ト(I−15)5.0g(0.0165モル)及び5%
の塩酸溶液5.0g(0.0068モル)が装入され
た。生じた混合物は20℃〜25℃で240分間撹拌さ
れた。次に過剰の固体炭酸ナトリウム(約1.0g)塩
酸を中和するために添加された。アセトン約150ml
が中和された反応物質に添加され、生成された固体ナト
リウム塩(塩化ナトリウム並びに炭酸ナトリウム)が濾
過により分離された。室温において、アセトン及び水は
真空下で除去された。アセトン及び水が除去されている
間に、さらに無機ナトリウム塩が沈殿して、濾過により
除去されなければならなかった。得られた物質は、無色
の液体4.0g(理論の96%、未補正)であった。生
成物の赤外スペクトルは、約3400cm-1で、強くて
広いOH吸収帯を、約1775cm-1と1740cm-1
で分割されてない二重のカルボニル吸収帯及び約830
cm-1で弱い−OO−吸収帯を示した。この例(I−1
6)の生成物について3400cm-1でのOH吸収帯
は、出発材料(I−15)についての3390cm-1
のOH吸収帯よりかなり広く強かった。さらに、出発材
料(I−15)及び生成物(I−16)の赤外スペクト
ルは、700〜1500cm-1のスペクトルの領域にお
いてかなり違っていた。生成物は8.4%の3−ヒドロ
キシ−1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキシドを含
有し、4.74%のモノペルオキシカーボネート活性
[O]含有量を有した。所望される標記の化合物の混合
物について、6.34%の理論活性[O]に基くと、純
度は74.8%及び修正収率は71.9%であった。赤
外スペクトルの資料及び活性[O]の資料で、この例に
おいて得られた生成物は、所望される標記の化合物の混
合物(I−16)であると確認された。
【0054】例18 ヒドロキシ−ペルオキシド類のプラスチック工業協会
(SPI)発熱量 この例において使用した不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、不飽和ポリエステルとスチ ンモノマーの混合物で
あった。 不飽和ポリエステルは次の成分: 成 分 量(モル) 無水マレイン酸 1.0 モル 無水フタル酸 1.0 モル プロピレングリコール 2.2 モル をエステル化することにより作られるアルキッド樹脂で
あった。生じた樹脂に、0.013重量%のヒドロキノ
ン禁止剤が添加された。アルキッド樹脂は45〜50の
酸価を有した。7重量部の上記の不飽和ポリエステルア
ルキッド樹脂が、3重量部のスチレンモノマーにより稀
釈された。生じた不飽和ポリエステル樹脂組成物は、次
の特性: a.粘度[20r.p.mでブルックフィールドNo.
2]:13.0ポアズ(poise) b.比重:1.14 硬化手順 被検された開始剤のゲル化及び硬化特性は、慣用のSP
I発熱曲線手順[「提案されたSPI手順−発熱曲線の
試験を実施するための手順−針状熱電対を使用する、第
24回年次学会(Technical Confere
nce)(1969年)強化プラスチック/複合材料部
会、ソサエティー・オブ・プラスチックス・インダスト
リー・インコーポレーテッド、6ページ」]を使用して
測定された。138℃(280°F)で前記の手順を使
用して、本発明のヒドロキシ−モノペルオキシカーボネ
ートであるOO−(3−ヒドロキシ−1,1−ジメチル
ブチル)O−イソプロピルモノペルオキシカーボネート
(I−3)及び従来技術のモノペルオキシカーボネート
であるOO−t−ブチルO−(2−エチルヘキシル)モ
ノペルオキシカーボネート(A−1)が評価された。結
果は表1に要約され、本発明の組成物(I−3)が、不
飽和ポリエステル樹脂のゲル化及び硬化において活性で
あることが示された。
【0055】
【表2】
【0056】また、本発明のヒドロキシ−ペルオキシエ
ステルであるOO−t−ブチルO−(2−ヒドロキシプ
ロピル)モノペルオキシフタレート(I−11)及び従
来技術のペルオキシエステルであるt−ブチルペルオキ
シベンゾエート(A−2)が、この手順を使用して評価
された。使用された温度は、100℃(212°F)で
あった。結果は表2に要約され、本発明の組成物(I−
11)は、不飽和ポリエステル樹脂のゲル化及び硬化に
おいて活性であることが示された。
【0057】
【表3】
【0058】また、前記の手順を使用して、本発明のヒ
ドロキシ−ペルオキシエステルである3−ヒドロキシ−
ペルオキシエステルである3−ヒドロキシ−1,1−ジ
メチルブチルペルオキシ−(2−メチルベンゾエート)
(I−7)及び従来技術のペルオキシエステルであるt
−ブチルペルオキシ−ベンゾエート(A−2)が評価さ
れた。使用された温度は115℃(239°F)であっ
た。結果は表3に要約され、不飽和ポリエステル樹脂の
ゲル化及び硬化において、本発明の組成物(I−7)は
従来技術のペルオキシエステル(A−2)よりも、驚く
ほど大きい活性があることを示した。
【0059】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アーサー・ローレンス・バロン アメリカ合衆国ニューヨーク州ゲッツビ ル、ランドウッド・ドライブ30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構造A: HO−R11−X−OO−R (A) [式中、−X−は次式: 【化1】 の二価基であり、 ここで、−Y−は−O−又は−NR6 −であって、R6
    −はH−又は炭素数1〜8個の置換若しくは非置換アル
    キル基であり(置換基は炭素数1〜4個の低級アルキル
    基又はヒドロキシル基の1個以上である)、−R22−は
    炭素数2〜3個の置換若しくは非置換アルキレン二価基
    (置換基は炭素数1〜4個の低級アルキル基の1個以上
    である)、又は置換若しくは非置換1,2−フェニレン
    二価基(置換基は炭素数1〜4個の低級アルキル基、ク
    ロル、ブロム、ニトロ又はカルボキシルの1個以上であ
    る)であり、 R−は、炭素数4〜12個の置換又は非置換t−アルキ
    ル基であり(置換基は炭素数1〜4個の低級アルキル、
    炭素数4〜8個のt−アルキルペルオキシ基、炭素数6
    〜13個のt−シクロアルキル基、炭素数5〜8個のt
    −アルキニル基又は炭素数9〜13個のt−アラルキル
    基である)、 −R11−は炭素数2〜8個の置換又は非置換アルキレン
    二価基であり、アルキレン鎖中に任意の1個以上の酸素
    又は窒素異原子を有し(置換基は炭素数1〜4個の低級
    アルキル基、炭素数1〜4個の低級ヒドロキシアルキル
    基又はヒドロキシル基の1個以上である)]を有するヒ
    ドロキシ−ペルオキシド。
  2. 【請求項2】 硬化を開始させるのに有効な量の請求項
    1に記載のヒドロキシペルイキシド類の存在下に不飽和
    ポリエステル樹脂を適当な温度に加熱することによって
    不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させる方法。
  3. 【請求項3】 適当な温度でエチレン系不飽和モノマー
    の反応体に、重合を開始させるのに有効な量の請求項1
    に記載のヒドロキシ−ペルオキシドを添加することから
    なるエチレン系不飽和モノマーを重合させる方法。
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