JPH1033523A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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Publication number
JPH1033523A
JPH1033523A JP8212124A JP21212496A JPH1033523A JP H1033523 A JPH1033523 A JP H1033523A JP 8212124 A JP8212124 A JP 8212124A JP 21212496 A JP21212496 A JP 21212496A JP H1033523 A JPH1033523 A JP H1033523A
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JP
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ray
value
contrast
slice thickness
subject
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JP8212124A
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English (en)
Inventor
Koichi Hirokawa
浩一 廣川
Yusuke Shimizu
祐介 清水
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】X線CT装置において、無効被曝を生ずること
なく、CT値コントラストのスライス厚さ依存性を低減
し、CT値による定量的な診断を可能とする。 【解決手段】X線CT装置のX線検出器5からの検出信
号を数値化した計測データを用いて画像処理を行う画像
処理装置14内にて、画像データを作成する逆投影器1
9の後段に、X線管電圧v、スライス厚さt、被検体サ
イズsに応じて画素値のコントラスト及びレベルの補正
を行うCT値コントラスト・レベル補正器24を設け
た。これにより、CT値コントラストのスライス厚さ依
存性を効果的に実用レベルにまで低減し、X線管電圧、
スライス厚さ、被検体サイズに関わらず、適切な画素値
のコントラスト及びレベルを保つことができ、もって、
画素値を正しいCT値と見なして行う、いわゆる、CT
値による定量的な診断が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線により断層画
像を得るX線CT装置に関し、特に、CT値を用いた定
量的な診断を可能にしたX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】診断のためにX線により被検体である人
体などの断層画像を得るX線CT装置では、一般に、計
測位置の被検体を中心にして対向配置されたX線管球と
X線検出器とを備え、これらを上記被検体の周りに回転
すると共に、上記X線管球から被検体にX線を放射し、
その透過X線をX線検出器で検出し、この検出信号を計
測回路などにより増幅及び数値化し、その数値化された
計測データを画像処理装置によって画像化することによ
り、診断部位の断層画像を提供する。
【0003】従来のこの種のX線CT装置は、図5に示
すように、被検体2を寝載する天板1と、上記天板1上
に被検体2を寝載して該被検体2を計測位置へ移動させ
る被検体テーブル3と、スキャナ9と、画像処理装置1
4と、操作卓15などを有して成っていた。なお、上記
スキャナ9においては、上記計測位置の被検体2を中心
にしてX線管球4とX線検出器5とが対向配置されると
共に、上記被検体2の周りに回転されるX線管球4から
は、被検体2に対してX線コリメータ6によって適切な
スライス厚さに制限されたX線ビーム7を放射し、被検
体2を透過したX線をX線検出器5によって検出し、計
測回路8によって増幅及び数値化する。
【0004】また、X線CT装置は、上記スキャナ9を
回転させるスキャナ駆動装置10を備え、さらに、上記
スキャナ駆動装置10と上記X線コリメータ6と上記被
検体テーブル3とを制御するスキャナ・テーブル制御装
置11と、上記X線管球4に高電圧を印加する高電圧発
生装置12と、上記X線管球4からのX線の放射を制御
するX線制御装置13とを有している。また、上記画像
処理装置14は、上記計測回路8の出力を用いて画像処
理を行い、所望の断層画像データを作成する。上記操作
卓15では、上記画像処理装置14からの画像データを
実際に画像として表示すると共に、操作指令や計測条件
を入力する。
【0005】なお、上記画像処理装置14は、上記計測
回路8からの出力データに対して対数変換を施す対数変
換器16と、この対数変換器16からの出力データに対
し、上記X線管球4で発生したX線の変動や、上記X線
検出器5(一般的には多チャンネル形)及び計測回路8
(一般的には多チャンネル形)におけるチャンネル間の
感度の不均一(いわゆる、ばらつき)等を補正する前処
理器17と、この前処理器17からの出力データに対
し、いわゆる、ぼけを補正するためのフィルタリングを
行うフィルタリング器18と、このフィルタリング器1
8からの出力データを逆投影して画像データ化する逆投
影器19と、この逆投影器19からの画像データに対し
てCT値のレベル補正を行うCT値レベル補正器20と
から成る。また、符号21は、CT値レベル補正後の画
像データを格納しておく画像ファイル装置、符号22
は、上記操作卓15に設置されたテレビモニタなどの画
像表示装置を示している。
【0006】次に、上記図5に示した従来のX線CT装
置における断層画像の計測方法について、図6に示すフ
ローチャートを参照して説明する。まず、操作者は、図
5に示した操作卓15を用いて、被検体2の断層画像の
計測に必要な種々の操作指令や計測条件を入力する(ス
テップA)。次に、これら入力された操作指令や計測条
件から、必要な制御信号を、画像処理装置14を介して
スキャナ・テーブル制御装置11とX線制御装置13に
送り、計測準備動作をする(ステップB)。次に、上記
スキャナ・テーブル制御装置11とX線制御装置13か
ら、スキャナ駆動装置10、X線コリメータ6、被検体
テーブル3、並びに、高電圧発生装置12などに制御信
号を送り、所定条件で断層画像の計測が行えるよう一連
の制御を行って、計測開始の判断ステップ、いわゆる、
計測開始の命令待ちの状態になる(ステップC)。そし
て、操作者が操作卓15を用いて計測開始命令を入力す
ると、上記ステップCでは、「YES」と判定され、そ
の結果処理が進んでステップDに入り、被検体2の断層
画像の計測を開始する。
【0007】これにより、上記図5においては、X線管
球4から放射されたX線は、X線コリメータ6により所
望のスライス厚さに制御された後、被検体2を透過す
る。この透過X線をX線検出器5によって検出し、X線
検出器5は検出信号を計測回路8へ送る。この計測回路
8は、スキャナ9が被検体2を中心にして回転する間
に、多数の方向(角度サンプリング点)において、多チ
ャンネル形X線検出器5の各チャンネルからの出力を増
幅し、これをA/D変換して数値データ化した上で、上
記画像処理装置14へ送る(ステップE)。
【0008】上記画像処理装置14内では、計測回路8
の出力データに対して対数変換器16で対数変換を行い
(ステップF)、次に、前処理器17でX線の変動や、
X線検出器5及び計測回路8のチャンネル間感度のばら
つき等を補正する(ステップG)。さらに、フィルタリ
ング器18では、ぼけ補正のためのフィルタリングを行
い(ステップH)、逆投影器19ではフィルタリング器
18からの出力データを逆投影して画像データ化し(ス
テップI)、さらに、CT値レベル補正器20では、画
像データの各画素値(理想的にはCT値を表わす)に対
してレベル補正を行い、これにより、水に対する画像デ
ータの画素値が0になるようにする(ステップJ)。な
お、このCT値レベル補正後の画像データは、その後に
おいても再度あらためて観察できるよう、上記画像ファ
イル装置21内に格納されると共に、操作卓15に設置
された画像表示装置22上に表示される(ステップ
K)。
【0009】ここで、上記のCT値レベル補正は、次の
式のように表わされる。
【数1】 ただし、この数式において、P(i,j)は、上記逆投
影器19で作成された画像データにおける画素、すなわ
ち、X座標=i、Y座標=jにおける画素の値を示す。
また、C0(v,t,s)は、水に対する画素値が0に
なるように定めたレベル補正値であり、X線管電圧vと
スライス厚さtと被検体サイズsの関数である。P’
(i,j)は、CT値レベル補正後の画像データのX座
標=i、Y座標=jにおける画素の値を示す。
【0010】また、上記の式〔数1〕における被検体サ
イズsは、例えば次の式のように表わされる。
【数2】 ただし、ここで、R(k,m)は検出器5のチャネル番
号=k、角度サンプリング点の番号=mに対応する、前
処理済みデータ(前処理器17の出力データ)である。
そして、上記〔数2〕式における右辺は、全てのk,m
についてのR(k,m)の和をとることを意味する。
【0011】次のステップLでは、被検体2について、
スライス方向の所定の範囲の分だけ断層画像を計測し終
えたかどうか、すなわち、必要な枚数の断層画像を計測
し終えたかどうかを判断している。このステップLにお
いて、画像処理装置14が必要な枚数の断層画像を計測
し終えていないと判断すると、上記ステップは「NO」
側へ進みステップMへ移行する。このステップMでは、
上記スキャナ・テーブル制御装置11からの制御信号を
受けて、被検体テーブル3により天板1を移動させ、次
の断層画像を計測するための位置に設定し、上記ステッ
プEからの処理を順次実行して次の断層画像の計測を行
う。一方、画像処理装置14が、必要な枚数の断層画像
を計測し終えたと判断すると、上記ステップLでは「Y
ES」側へ進み、最終的に断層画像の計測を終了する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述したような従来の
X線CT装置で得られる断層画像においては、通常よく
用いられる5mm、あるいは10mm程度のスライス厚
さでは、水に対する画素値と空気に対する画素値との差
(CT値コントラスト)は1000±5程度であるが、
しかしながら、上記のスライス厚さより薄いスライス厚
さ、例えば2mm程度のスライス厚さでは、CT値コン
トラストが1〜2%程度減少する。このCT値コントラ
ストに関するこの程度のスライス厚さへの依存性は、従
来のように断層画像による形態診断やCT値差の有無を
判別する程度の診断を行う場合には特に障害となる問題
ではないが、しかしながら、CT値そのものを用いた定
量的な診断を意図する場合には、診断の可能・不可能を
左右する重大な問題となる。
【0013】そこで、本発明は、上記の従来技術におけ
る問題点に鑑み、CT値コントラストのスライス厚さ依
存性を効果的に実用レベルにまで低減し、CT値による
定量的な診断を可能とするX線CT装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像データの
CT値レベルに加え、画像データのCT値コントラスト
を、CTスキャナのX線管球に対するX線管電圧、該ス
キャナのX線コリメータによるスライス厚さ、あるい
は、被検体のサイズを含む要素に応じて補正することを
特徴とするX線CT装置を開示する。
【0015】すなわち、本発明によれば、X線CT装置
において、上記画像処理装置内にて逆投影器からの画像
データに対してCT値のレベル補正を行う従来のCT値
レベル補正手段に代えて、画像データのCT値レベル、
及び、CT値コントラストを、X線管電圧やスライス厚
さや被検体サイズに応じて補正するものである。
【0016】ここで、まず、CT値コントラストがスラ
イス厚さ依存性を持つ原因について、添付の図3を参照
しながら説明する。この図3において、X線コリメータ
6は、2枚1組の金属板と、図示しないコリメータ駆動
装置とから成り、スキャナ・テーブル制御装置11(こ
こでは図示せず)からの制御信号を受け、所望のスライ
ス厚さを得るために、適切な開口幅に設定される。そし
て、X線管球4(ここでは図示せず)内のX線焦点23
で発生されたX線は、このX線コリメータ6により、適
切なスライス厚さに制限されたX線ビーム7となる。こ
こで、上記X線ビーム7の部分7B及び7B’(いわゆ
る半影)は、X線コリメータ6の金属板のエッジ部分で
減衰させられたX線を含んでいる。このような減衰を受
けたX線の平均エネルギーは、減衰されない元のX線の
平均エネルギーより高くなることが知られており、その
ように、X線の減衰と共にX線の平均エネルギーが高く
なる効果は、いわゆる、ビームハードニング効果と呼ば
れているものである。
【0017】そして、図3の(a)及び(b)に示すご
とく、上記のスライス厚さが薄くなる程、X線ビーム7
に占める減衰されたX線を含む部分7B及び7B’の割
合は高くなる。その結果、スライス厚さが薄い程、X線
ビーム7の平均エネルギーは高くなり、これにより、C
T値のコントラストが減少することとなるものである。
【0018】以上に述べたCT値コントラストのスライ
ス厚さ依存性を低減する方法の一つとして、例えば図4
に示すように、被検体2とX線検出器5との間にもう一
つのX線コリメータ6’(ポストペイシェントコリメー
タ、などと呼ばれる)を設け、X線検出器5には、上記
X線ビーム7のうちその一部分7Aのみが入射するよう
にする方法が考えられる。しかしながら、この方法で
は、被検体2を透過したX線のうちに計測に利用できな
い部分を生じる、すなわち無効被曝を生ずることとな
り、被検体に対するX線被曝量の低減という観点から
も、CT値コントラスト補正の方法としては一般的に採
用すべき方法ではない。
【0019】そこで、本発明では、上記のように、上記
画像処理装内にて逆投影器からの画像データに対してC
T値のレベル補正を行うCT値レベル補正手段に代え
て、画像データのCT値コントラスト及びCT値レベル
をX線管電圧やスライス厚さや被検体サイズに応じて補
正する手段を設けることにより、上記のような無効被曝
を生ずることなく、CT値コントラストのスライス厚さ
依存性を効果的に実用レベルにまで低減し、CT値によ
る定量的な診断を可能とするX線CT装置を提供するも
のである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態になる
X線CT装置について、添付の図面に基づいて詳細に説
明する。図1は、本発明によるX線CT装置の実施形態
の一例を示す全体構成のブロック図である。図にも示す
ように、このX線CT装置においても上記従来のX線C
T装置と同様に、計測位置の被検体2を中心にして対向
配置されたX線管球4とX線検出器5とを上記被検体2
の周りに回転すると共に、該X線管球4から被検体2に
X線を放射し、その透過X線をX線検出器5で検出して
診断部位の断層画像を計測して表示するものである。す
なわち、図1に示すように、本発明のX線CT装置で
も、被検体テーブル3と、スキャナ9と、スキャナ駆動
装置10と、スキャナ・テーブル制御装置11と、高電
圧発生装置12と、X線制御装置13と、画像処理装置
14と、そして、操作卓15とを有しており、これら各
部の機能は上記従来のX線CT装置のそれらと同様であ
る。
【0021】まず、上記被検体テーブル3は、天板1上
に被検体2を寝載し、該被検体2を後述するスキャナ9
の計測位置へ移動させるものであり、上記天板1は図中
の矢印P、Qの方向に移動可能である。ここで、スキャ
ナ9は、機能的には、上記天板1上に寝載されて計測位
置へ移動された被検体2に対してX線を放射すると共
に、その透過X線を検出するためのものであり、構造的
には、中心部に被検体2を挿入するための開口部を有
し、X線管球4とX線検出器5とが対向配置され、スキ
ャナ駆動装置10により所定方向に回転されるようにな
っている。これにより、上記X線管球4とX線検出器5
とが被検体2の周りに回転され、この時、X線管球4か
ら放射されたX線は所定の開口幅に設定されたX線コリ
メータ6によってスライス方向に制限されたX線ビーム
7となって被検体2に照射され、この被検体2を透過し
た透過X線が、いわゆる多チャンネル形のX線検出器5
で検出される。
【0022】そして、上記多チャンネル形のX線検出器
5から出力された検出信号は、やはり、計測回路8によ
って増幅されると共にA/D変換され、数値データ化さ
れて出力されるようになっている。なお、スキャナ駆動
装置10、X線コリメータ6、そして、被検体テーブル
3は、スキャナ・テーブル制御装置11から送られる制
御信号により所定の動作を行う。なお、スキャナ・テー
ブル制御装置11は、同様に、画像処理装置14を介し
て計測に必要な制御信号が入力され、そして、スキャナ
9の回転速度や回転回数、X線コリメータ6の開口幅、
上記天板1の設定位置などの制御信号を、上記スキャナ
駆動装置10、X線コリメータ6、及び、被検体テーブ
ル3に送出するようになっている。
【0023】高電圧発生装置12は、上記スキャナ9内
のX線管球4に高電圧を印加するものであり、後述のX
線制御装置13から送られる制御信号により動作し、所
定の電圧値と電流値を所定のタイミングでX線管球4に
印加するようになっている。なお、このX線制御装置1
3は、上記X線管球4からのX線の放射を制御するもの
で、上記画像処理装置14を介して計測に必要な制御信
号が入力され、X線管電圧、X線管電流、及び、X線放
射のタイミングなどの制御信号を、上記高電圧発生装置
12へ送出するようになっている。
【0024】また、上記の画像処理装置14は、やは
り、上記スキャナ9内の計測回路8で数値化した計測デ
ータを用いて画像処理を行うもので、上記計測回路8か
らの出力データに対して対数変換を施すための対数変換
器16と、この対数変換器16からの出力データに対
し、上記X線管球4で発生したX線の変動、X線検出器
5(一般的には多チャンネル形)及び計測回路8(一般
的には多チャンネル形)の各チャンネル間での感度のば
らつき等を補正する前処理器17と、この前処理器17
からの出力データに対してぼけ補正のためのフィルタリ
ングを行うフィルタリング器18と、このフィルタリン
グ器18からの出力データを逆投影して画像データ化す
る逆投影器19と、この逆投影器19からの画像データ
に対してCT値のコントラスト補正及びレベル補正を行
うCT値コントラスト・レベル補正器24と、このCT
値コントラスト・レベル補正後の画像データを格納して
おく画像ファイル装置21とから成ることは、上記と同
様である。
【0025】さらに、操作卓15も、上記画像処理装置
14で作成され出力された画像データを入力して画像と
して表示すると共に、各種の操作指令や計測条件を入力
するもので、一部にテレビモニタなどの画像表示装置2
2を備えている。
【0026】ここで、本発明においては、上記画像処理
装置14内において、従来のX線CT装置のCT値レベ
ル補正器20に代えて、逆投影器19からの画像データ
に対し、X線管電圧、スライス厚さ、あるいは、被検体
サイズに応じて、上記CT値のレベルの補正を行うだけ
ではなく、さらに、上記CT値のコントラストの補正を
も行うための手段である、CT値コントラスト・レベル
補正器24が設けられている。
【0027】次に、このように構成された本発明のX線
CT装置における断層画像の計測方法について、添付の
図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、
本発明のX線CT装置における断層画像の計測方法は、
そのステップJを除いて上記図4に示す従来のX線CT
装置のフローとほぼ同様であるが、但し、上記ステップ
Jに代えて、ステップJ’を設けた点において異なる。
そこで、以下の説明においては、上記図4に示す手順
(ステップA〜I及びステップK〜M)については説明
を省略し、上記ステップJに代えて設けられたステップ
J’を中心に、その内容とこれによる相違点について説
明することとする。
【0028】まず、処理が開始すると、ステップA→B
→C→D→E→F→G→H→Iの順に処理が進み、ステ
ップIでは、逆投影器19で作成された画像データがC
T値コントラスト・レベル補正器24へ送られることは
上記と同様である。そして、CT値コントラスト・レベ
ル補正器24においては、逆投影器19から送られてき
た画像データに対して、例えば後述の式〔数3〕のよう
にして、X線管電圧やスライス厚さや被検体サイズに応
じたCT値のコントラスト補正及びレベル補正が行われ
る(ステップJ’)。
【数3】 ただし、ここで、P(i,j)は逆投影器19で作成さ
れた画像データにおけるX座標=i、Y座標=jの画素
の値を示し、P(i,j)nは、上記P(i,j)のn
乗を示す。なお、この式において、nは最大で1であ
る。また、Cn(v,t,s)は、水に対する画素値が
0に、空気に対する画素値が−1000になるように、
画素値のコントラストとレベルを補正するためのn次の
項の係数であり、X線管電圧vと、スライス厚さtと、
そして、被検体サイズsの関数となっている。また、上
記〔数3〕の右項は、n=0〜1について、(C
n(v,t,s)*P(i,j)n)の和をとることを意
味する。なお、P”(i,j)は、CT値コントラスト
・レベル補正後の画像データにおけるX座標=i、Y座
標=jの画素の値を示す。
【0029】なお、上記〔数3〕における被検体サイズ
sは、例えば、既に述べた〔数2〕のように表わされ
る。また、上記〔数3〕におけるC1(v,t,s)、
及び、C0(v,t,s)は、以下のようにして定めら
れる。
【0030】まず、予め、X線CT装置で各X線管電圧
と各スライス厚さにより、数種類の直径の水ファントム
(アクリル等の比較的X線吸収係数の小さい樹脂製の円
簡容器に水を満たしたもの)について断層画像計測を行
い、ファントム内の水に対応する画素値とファントムの
周囲の空気に対応する画素値との差d、及び、上記〔数
2〕で計算されるサイズ値sを測定する。
【0031】ここで、上記dが、上記の〔数3〕で用い
られているv、t、sの関数により、次式のように表わ
されるとすれば、
【数4】 コントラスト補正係数C1(v,t.s)は、上記D
(v,t,s)の逆関数として下記の式として求められ
る。
【数5】 また、上記のコントラスト補正係数C1(v,t,s)
によって、コントラスト補正を行った後の各水ファント
ムの水に対応する画素値(充分な画素数で平均化した値
とする)qが、次のような関数であるとすれば、
【数6】 レベル補正定数C0(v,t,s)は、下記の式として
求められる。
【数7】
【0032】以上のようにして求められたコントラスト
補正係数C1(v,t,s)、レベル補正定数C0(v,
t,s)を用いて、上記〔数3〕によるCT値コントラ
スト・レベル補正を行った(ステップJ’)後、やは
り、上記図6に示す手順と同様に、ステップK→ステッ
プLと進み、上記ステップLでは、画像処理装置14が
必要な枚数の断層画像を計測し終えていないと判断する
と、「NO」側へ進んでステップM→ステップEへと進
み、次の断層画像を計測する。一方、上記ステップL
で、画像処理装置14が必要な枚数の断層画像を計測し
終えたと判断すると、「YES」側へ進んで、最終的に
断層画像の計測を終了する。
【0033】以上の過程で、ステップKにおいて画像フ
ァイル装置21に格納された画像データ及び操作卓15
に設置された画像表示装置22に表示された画像は、上
記のステップJ’において、X線管電圧(v)、スライ
ス厚さ(t)、被検体サイズ(s)に応じて、CT値コ
ントラスト補正が行われているため、常に、水に対する
画素値と空気に対する画素値との差(CT値コントラス
ト)が1000±5程度になるよう補正されており、そ
のため、CT値を用いた定量的な診断が可能となってい
る。
【0034】なお、本発明の他の実施の形態として、画
素値の基準を水と空気だけでなく、合計N種類の物質に
よって定め、上記の〔数3〕の代わりに、次の〔数8〕
によって画素値を補正するようにしてもよい。
【数8】
【0035】また、上記の実施の形態では、計測された
信号から画像データを作成する逆投影手段である逆投影
器19の後段に、従来のCT値レベル補正器に代えて、
画像データの画素値のレベルだけではなく、画像データ
の画素値のコントラストとそのレベルの両者を、X線管
再圧、スライス厚さ、被検体サイズに応じて、適切に補
正するCT値コントラスト・レベル補正手段を設けてい
るが、これに代え、従来のCT値レベル補正器の前段
に、画像データの画素値のコントラストを、X線管再
圧、スライス厚さ、被検体サイズに応じて、適切に補正
するCT値コントラスト補正手段を設ける構成とするこ
とも可能である。加えて、かかる補正処理は、上記の演
算式に限らず、各種の補正演算を必要により入力して実
行できるように、小型の演算処理装置(CPU、MP
U)を備えた上記画像処理装置14内にて、すなわち、
X線CT装置のX線検出器5からの検出信号を数値化し
た計測データを用いて、ディジタル的に画像処理を行う
ことが、経済性等を含む種々の面からも好ましいであろ
う。
【0036】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明になるX線CT装置によれば、X線検出器か
らの検出信号を数値化した計測データを用いて画像処理
を行う画像処理装置内にて、X線管電圧、スライス厚
さ、被検体サイズに応じて画像データの画素値のコント
ラストを適切に補正する補正手段を設けたことにより、
X線管電圧、スライス厚さ、被検体サイズに関わらず、
適切な画素値のコントラストを保つことができ、これに
より、画素値を正しいCT値と見なして行う、いわゆ
る、CT値による定量的な診断が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線CT装置の実施の形態を示す
全体構成のブロック図である。
【図2】本発明によるX線CT装置における断層画像の
計測方法の手順を示すフローチャート図である。
【図3】X線コリメータの効果を説明する説明図であ
り、X線コリメータの開口幅が比較的広い場合及びX線
コリメータの開口幅が比較的狭い場合の効果を説明す
る。
【図4】ポストペイシェントコリメータの効果を説明す
るための説明図である。
【図5】従来のX線CT装置の全体構成を示すブロック
図である。
【図6】上記従来のX線CT装置における断層画像の計
測方法の手順の代表的な一例を示すフローチャート図で
ある。
【符号の説明】
1 天板 2 被検体 3 被検体テーブル 4 X線管球 5 X線検出器 6 X線コリメータ 6’ ポストペイシェントコリメータ 7 X線ビーム 7A X線ビームの本影 7B X線ビームの半影 7B’ X線ビームの半影 8 計測回路 9 スキャナ 10 スキャナ駆動装置 11 スキャナ・テーブル制御装置 12 高電圧発生装置 13 X線制御装置 14 画像処理装置 15 操作卓 16 対数変換器 17 前処理器 18 フィルタリング器 19 逆投影器 20 CT値レベル補正器 21 画像ファイル装置 22 画像表示装置 23 X線焦点 24 CT値コントラスト・レベル補正器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データのCT値レベルに加え、画像デ
    ータのCT値コントラストを、CTスキャナのX線管球
    に対するX線管電圧、該スキャナのX線コリメータによ
    るスライス厚さ、あるいは、被検体のサイズを含む要素
    に応じて補正することを特徴とするX線CT装置。
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