JPH10333250A - 映写用スクリーン - Google Patents

映写用スクリーン

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Publication number
JPH10333250A
JPH10333250A JP9146627A JP14662797A JPH10333250A JP H10333250 A JPH10333250 A JP H10333250A JP 9146627 A JP9146627 A JP 9146627A JP 14662797 A JP14662797 A JP 14662797A JP H10333250 A JPH10333250 A JP H10333250A
Authority
JP
Japan
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projection screen
reflectance
porous sheet
light
sheet
Prior art date
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Pending
Application number
JP9146627A
Other languages
English (en)
Inventor
Taro Ichikawa
太郎 市川
Fumio Oshino
富美雄 押野
Toshiyuki Ishii
利幸 石井
Katsumi Senba
克己 仙波
Takayuki Kajiwara
梶原  孝之
Shigeru Yano
滋 矢野
Tsutomu Izeki
勉 伊関
Toshiyuki Enomoto
敏行 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP9146627A priority Critical patent/JPH10333250A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像が明るく、広い視野角を有する映写用ス
クリーンを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂25〜65重量%
及び無機充填剤75〜35重量%を含み、少なくとも一
軸方向に延伸された、厚み50〜500μmの多孔性シ
ートを映写面とする映写用スクリーンであって、波長5
50nmの光線反射率が92%以上、受光角度40°に
おける拡散反射率が120%以上であることを特徴とす
る映写用スクリーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は映写用スクリーンに
関する。詳しくは、オーバーヘッドプロジェクター、ス
ライドプロジェクター、マイクロフィルムリーダー、プ
ロジェクションテレビジョン、映写機等から投影される
映像を映写するための映写用スクリーンであって、従来
のものよりも明るく、しかも広い視野角を有し、鮮明な
映像を与える反射型映写用スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】反射型映写用スクリーンとして、オーバ
ーヘッドプロジェクター、スライドプロジェクター、映
写機等に用いられるものが例示できる。さらに、これら
は、使用目的に応じて大きく分けて無指向性映写用スク
リーンと指向性映写用スクリーンの2つがある。
【0003】指向性映写用スクリーンの中で、スクリー
ン生地上に小径のガラスビーズを最密充填させたビーズ
スクリーンが知られている(特開平3−53232号公
報、特開平3−263022号公報、特開平4−960
41号公報)。ビーズスクリーンは、ガラスビーズの光
の入射方向に光を反射する性質のため、入射光路付近の
観客には非常に明るい映像を提供するが、周辺部の観客
には著しく明るさの減じた映像しか与えない。すなわ
ち、視野角の狭い観察条件でのスクリーンとしては適当
なものであるが、広い視野角での観察には実用に供し難
いものである。また、その構造上、ビーズが脱落しやす
く、特に巻き上げ式の映写用スクリーンとして使用する
と、何度も巻き広げしているうちにビーズが徐々に脱落
していくという問題もある。
【0004】上記問題点を解決した映写用スクリーンと
して、視野角の広い無指向性スクリーンが提供されてい
る。なかでも白色塩化ビニール等を使用したホワイトス
クリーンがよく知られている(特開平4−338937
号公報、特開平3−119334号公報、特開平4−3
38937号公報)。しかしながら、これら無指向性ス
クリーンは、入射した光を拡散反射させるため、どの角
度からも映像を見ることはできるが、どの視野角におい
ても画像の明るさが不足するという欠点を有している。
【0005】このように、反射型スクリーンとしては、
画像の明るいこと、すなわち光線反射率が高いこと、お
よび視野角の広いこと、すなわち拡散反射性が高いこと
が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、本発明の目
的は、従来のものよりも画像が明るく、しかも広い視野
角を有する映写用スクリーンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定量のポリオレフィン系樹脂と特定量の無
機充填剤を含むシートを少なくとも一軸方向に延伸する
ことにより得られる多孔性シートは、極めて広い視野角
範囲に渡って高い光線反射率を示し、映写用スクリーン
の映写面として有用であることを見出し、遂に本発明に
到達した。
【0008】すなわち、本発明により、ポリオレフィン
系樹脂25〜65重量%及び無機充填剤75〜35重量
%を含み、少なくとも一軸方向に延伸された、厚み50
〜500μmの多孔性シートを映写面とする映写用スク
リーンであって、波長550nmの光線反射率が92%
以上、受光角度40°における拡散反射率が120%以
上であることを特徴とする映写用スクリーンが提供され
る。
【0009】本発明により提供される映写用スクリーン
の特徴は、特定量のポリオレフィン系樹脂と無機充填剤
を含む多孔性シートを映写面として用いる点にある。映
写面を多孔性シートで形成するために、シート表面およ
び内部に樹脂、無機充填剤、空気層といった多数の微細
な凸凹の反射層を有し、従来のものよりも光線反射率が
高く、しかも拡散反射されるので広い視野角を有する。
そのため、オーバーヘッドプロジェクター、スライドプ
ロジェクター、マイクロフィルムリーダー、プロジェク
ションテレビジョン、映写機等の映写用スクリーンとし
て好適に使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の映写用スクリーンは、多孔性シートを映
写面とする。映写面は、多孔性シート一層で形成しても
よいし、二層以上を積層して形成してもよい。映写面の
反対面(以下、裏面という)には、基材層を積層しても
よい。
【0011】本発明の映写用スクリーンに用いる多孔性
シートは、特定量のポリオレフィン系樹脂と無機充填剤
を含む樹脂組成物を溶融成形してシートとなし、該シー
トを少なくとも一軸方向に延伸することにより製造する
ことができる。
【0012】多孔性シートに使用されるポリオレフィン
系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のモ
ノオレフィン重合体、及びそれらの共重合体を主成分と
するものである。具体的には、低密度ポリエチレン、線
型低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重
合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−ポリ
プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4
−メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0013】これらのポリオレフィン系樹脂は、ツィー
グラー触媒の如きマルチサイト触媒を用いて製造された
樹脂であっても、また、メタロセン触媒の如きシングル
サイト触媒を用いて製造された樹脂であってもよい。こ
れらの内、シートへの成形性、得られたシートの耐熱性
および延伸性等を総合的に勘案すると、エチレン−α−
オレフィン共重合体である線型低密度ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、及びエチレン−プロピレン共
重合体が特に好ましい。
【0014】上記樹脂は、単独で用いても、2種以上を
混合して用いてもよい。また、シートの成形性、延伸性
等を考慮すると、メルトインデックスは、ポリエチレン
系樹脂の場合、0.2〜7g/10min程度(190
℃、荷重2.16kg)、ポリプロピレン系樹脂の場
合、1〜10g/10min程度(230℃、荷重2.
16kg)、ポリ4−メチルペンテン系樹脂の場合、1
0〜70g/10min程度(260℃、荷重5.0k
g)であることが好ましい。ここで、本発明におけるメ
ルトインデックスは、ASTM D−1238に規定さ
れる方法により上記条件で測定したものである。
【0015】本発明の映写用スクリーンに用いる多孔性
シートは、上記ポリオレフィン系樹脂と無機充填剤を含
む。無機充填剤として、例えば、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化チタン、シリカ、タルク等が挙げられる。
これらの内、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び酸化チ
タンが好ましい。
【0016】上記無機充填剤の平均粒径は、得られる多
孔性シートの構造に影響を及ぼす。粒子径が大きすぎる
と、延伸性に劣るとともに得られた多孔性シートの光線
反射率が低下するので好ましくない。また、粒子径が小
さすぎると、樹脂中への分散性やシートの延伸性に劣り
好ましくない。従って、好ましくは0.05〜5μm、
更に好ましくは0.1〜3μmの範囲を満足するような
ものであれば好適に使用できる。
【0017】また、これらの無機充填剤は、ポリオレフ
ィン系樹脂との分散性を向上させるため、また樹脂との
界面剥離を促進させるため、さらには外部からの水分の
吸収を防ぐために表面処理が施されたものでもよい。表
面処理剤としては、無機充填剤の表面を被覆することに
より、その表面を疎水化できるものが好ましく、例え
ば、ステアリン酸、ラウリル酸等の高級脂肪酸、または
それらの金属塩等を挙げることができる。
【0018】ポリオレフィン系樹脂と無機充填剤との組
成比は、シートの成形性、延伸性、得られる多孔性シー
トの光線反射率等に影響を及ぼす。無機充填剤の添加量
が35重量%を下回ると、ポリオレフィン樹脂と無機充
填剤との界面剥離によって得られる反射層が少なくなる
結果、光線反射率が低下するので好ましくない。また、
無機充填剤の量が75重量%を超えると、シートの強度
が低下するほか、シート成形する場合に延伸切れ等の成
形不良を生じたり、延伸性が低下して充分な延伸が行え
なくなるので好ましくない。かかる観点から、ポリオレ
フィン系樹脂と無機充填剤との組成比は、ポリオレフィ
ン系樹脂が25〜65重量%、無機充填剤が75〜35
重量%であることが好ましい。更に好ましくは、ポリオ
レフィン系樹脂が30〜60重量%、無機充填剤が70
〜40重量%である。
【0019】本発明の映写用スクリーンに用いる多孔性
シートには、本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エス
テル等の延伸助剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、光安
定剤、難燃剤、帯電防止剤、消臭剤、抗菌剤等の他の添
加剤を添加してもよい。
【0020】これらの添加剤の内、光安定性や難燃性を
発揮するものを添加することが望ましい。光安定剤とし
て、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外
線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
難燃剤として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ムや燐酸エステル等が挙げられる。各々の添加量は多す
ぎるとシートの生産性が低下し、少なすぎると十分な効
果が得られないので、ポリオレフィン系樹脂及び無機充
填剤を含む樹脂組成物100重量部に対し0.005〜
1重量%が好ましい。
【0021】ポリオレフィン系樹脂と無機充填剤、必要
に応じてその他の添加剤とを混合し、樹脂組成物を製造
後、多孔性シートを成形する方法には特に制限はない。
例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スー
パーミキサー、タンブラーミキサー等を用いて混合した
後、一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて混練し
てペレット化する。次いで、そのペレットをポリオレフ
ィン系樹脂の融点以上、好ましくは融点+20℃以上、
分解温度未満の温度において、Tダイ等が装着された押
出成形機、円形ダイが装着されたインフレーション成形
機等の公知の成形機を用いて溶融、製膜する。場合によ
ってはペレット化せず直接成形機で製膜することもでき
る。
【0022】製膜されたシートは、ロール法、テンター
法等の公知の方法により、室温以上樹脂の軟化点(JI
S K−6760に規定される方法により測定した値)
未満において、少なくとも一軸方向に延伸を行い、ポリ
オレフィン系樹脂と無機充填剤との界面剥離を起こさせ
ることにより多孔性シートを製造する。延伸は、一段で
行ってもよいし、多段階に分けて行ってもよい。延伸倍
率は、延伸の均一性、延伸破れ、得られるシートの光線
反射率、強度等に関係するので、倍率が高すぎても低す
ぎても好ましくない。かかる観点から、延伸倍率は1軸
延伸の場合には、3〜8倍程度であることが好ましい。
2軸延伸する場合は、1軸方向に2〜7倍、その方向と
直角方向に1.1〜4倍程度であることが好ましい。ま
た、延伸した後、必要に応じて得られた開孔の形態を安
定させるために熱固定処理を行ってもよい。熱固定処理
としては、樹脂の軟化点以上、融点未満の温度におい
て、0.05〜100秒間熱処理する方法が挙げられ
る。
【0023】多孔性シートの光線反射率は、シートの厚
みが薄くなるほど低下する傾向にある。シートの厚みが
50μm未満では強度だけでなく、光線反射率も低下し
好ましくない。逆に、シート厚みが500μmを超える
と、生産性が低下するとともに、映写用スクリーンとし
て使用する際に重量が増え取り扱い上問題を生じる。従
って、映写用スクリーンとして用いる多孔性シートの厚
みは50〜500μmであることが好ましい。
【0024】上記組成および製造条件で得られる多孔性
シートは、30%以上の開孔率を有する。多孔性シート
を映写用スクリーンとして用いるためには、高い光線反
射率と高い拡散反射性を有することが望まれる。多孔性
シートは、樹脂、無機充填剤、空気層といった界面が緻
密に構成されているため、光線がこれら界面により反射
され、非常に高い光線反射率を有するものである。ま
た、樹脂と空気層界面や無機充填剤表面が微細な凸凹を
有するため、拡散反射性が高いものである。多孔性シー
トの開孔率が30%未満であると、樹脂、無機充填剤、
空気層といった反射層が少ないため光線反射率が低下
し、且つ樹脂と空気層界面の凸凹が荒くなるため拡散反
射性が低下する。開孔率が高過ぎると、マトリックスで
ある樹脂組成物層に対し空気層の割合が大きくなり、光
線が透過し易くなる。また、延伸破れが起こり易くなり
生産性も低下する。かかる点を考慮すると、多孔性シー
トを映写用スクリーンとして用いるためには、30〜7
0%の開孔率を有する事が好ましい。
【0025】また、上記組成および製造条件で得られる
多孔性シートには、顕微鏡観察によれば、平均孔径が
0.05〜5μmの細孔が形成されている。孔径が光の
波長よりも小さいと拡散反射率が低下する。孔径が大き
過ぎると光がシートを透過し反射率が低下する。かかる
点を考慮すると、多孔性シートを映写用スクリーンとし
て使用するためには、その平均孔径が0.05〜5μm
の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは0.1
〜3μmである。
【0026】映写用スクリーンの映写面を形成する多孔
性シートは、波長550nmの光線反射率が92%以
上、受光角度40°における拡散反射率が120%以上
であることが好ましい。かかる特性を有する多孔性シー
トで映写面を形成すると、広い視野角に亘って明るい映
像を得ることが出来る。したがって、より多くの観客に
対して明るい映像を提供することが可能である。波長5
50nmの光線反射率が90%程度であると、映像の明
るさが不足しがちであるが、裏面に後述する光線反射率
の高い白色樹脂シート、金属箔シート等を積層すること
により光線反射性を改善することができる。また、受光
角度40°における拡散反射率が110%%程度である
場合にも、光線反射率の高い白色樹脂シート、金属箔シ
ート等を積層することにより視野角の低下を改善するこ
とができる。
【0027】本発明の映写用スクリーンは、上記のよう
にして得られた多孔性シートを映写面として用いる。映
写面は、多孔性シート1枚で構成しても良いし、また、
2枚以上で構成しても良い。映写面の裏面には、基材層
を積層することが好ましい。映写面の裏面に基材層を積
層することにより主として次の3種の作用、効果が得ら
れる。すなわち、第1として、多孔性シート層を透過し
た光線の反射層として機能するため、映像がさらに明る
くなり、鮮明な映像が得られる。第2として、補強層と
して機能するため、映写用スクリーン全体の強度を上げ
る。第3として、巻き上げ式映写用スクリーンの場合に
は、剛性を補うことができ、巻き癖が残らない利点があ
る。
【0028】このような基材層としては、例えば、映写
用スクリーン全体の強度を補う場合には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエステ
ル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポ
リアミド、ポリ塩化ビニール等の樹脂シートを裏面に積
層する方法が挙げられる。これら樹脂シートは無色でも
良いし、着色しても良い。多孔性シートの反射性を補う
場合には、上記樹脂に酸化チタン、硫酸バリウム等の白
色顔料を添加、混合した樹脂シートを用いることが好ま
しい。これら樹脂シートの厚みは、約50〜500μm
程度である。反射率を向上させる方法として、上記樹脂
シートの表面に銀、アルミニウム、その他の金属を蒸
着、スパッタリング等の方法でコートさせてもよい。
【0029】本発明の映写用スクリーンは、巻き上げ式
スクリーンと固定式スクリーンのいずれにも適用でき
る。巻き上げ式スクリーンとする場合には、巻き癖の残
らないような基材を積層する。例えば、ガラス繊維織
布、または不織布、あるいはその複合体、ポリエチレン
テレフタレート、セルロースアセテート等のシートが挙
げられる。これらの厚みは、約0.01〜3mm程度で
ある。固定式スクリーンとする場合には、剛性のある材
料を積層するのが好ましい。例えば、金属板、木質板、
プラスチック板等が好適に使用できる。これらの厚み
は、約0.1〜10mm程度である。
【0030】スクリーンの裏面に窓からの光等が照射さ
れる場合には、スクリーンの映写面に裏面から光が浸透
するので、裏面に光吸収用のシートを積層すると良い。
これは、暗色、例えばアニリンブラック、カーボンブラ
ック、べんがら等の黒色系の顔料を練り込んだシート等
を積層することが好ましい。シート等の厚みは、約0.
05〜1mm程度である。上記いずれの基材と積層する
場合も、その積層方法としては、各種接着剤を用いる方
法、熱接着する方法等が挙げられる。
【0031】上記の如くして製造される本発明の映写用
スクリーンは、波長550nmの光線反射率が92%以
上、受光角度40°における拡散反射率が120%以上
である。光線反射率が高く、拡散反射率も高いため、従
来の映写用スクリーンに比べ映像が明るく、視野角が広
い。したがって、より多くの観客に対して明るい映像を
提供することが可能である。映像の明るさと視野角の広
さを更に向上するためには、映写用スクリーンの波長5
50nmの光線反射率が95%以上、受光角度40°に
おける拡散反射率が125%以上であることが好まし
い。
【0032】本発明の映写用スクリーンの大きさには特
に制限はない。通常、一辺の長さが10cm〜10m程
度の正方形または長方形の映写用スクリーンである。大
型スクリーンを製造する場合には、多孔性シートを縦方
向横方向それぞれに繋ぎ併せることにより容易に製造で
きる。小型スクリーンを製造する場合には、多孔性シー
トを適宜所望の寸法に切断することにより容易に小型化
できる。
【0033】かかる特性を有する本発明の映写用スクリ
ーンは、オーバーヘッドプロジェクター、スライドプロ
ジェクター、マイクロフィルムリーダー、プロジェクシ
ョンテレビジョン、映写機等から投影される映像を映写
するための映写用スクリーンに用いられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明について更に具体的に説明する
ため、以下に実施例を示す。尚、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。実施例に示したメルトイ
ンデックス(以下、MIという)、開孔率、光線反射
率、拡散反射率、及びシート厚みは、下記方法により測
定した値である。
【0035】(1)メルトインデックス(g/10mi
n) ASTM D−1238−57T(E)に規定される方
法により、温度190℃、荷重2160gの条件下で測
定する。
【0036】(2)開孔率(%) 用いた樹脂組成物の真比重(A)と得られた多孔性シー
トの嵩比重(B)から数式(1)に従い、開孔率(C)
を算出する。 C(%)=(1−B/A)×100 ・・(1)
【0037】(3)光線反射率(%) JIS−K7105の測定法Bに準拠して、分光光度計
〔(株)日立製作所製、形式:U−3400〕を用いて
550nmの波長光で多孔性シート及びスクリーンの映
写面の光線反射率を測定する。尚、標準反射板として酸
化アルミニウムを用いた時の光線反射率を100とした
時の相対値で示す。
【0038】(4)拡散反射率(%) 霞度計〔日本電色工業製、型式:VGS−300A〕を
用い、多孔性シート及びスクリーンの映写面に対して垂
直に入射した白色光の反射光を受光角度を変えて測定し
た反射率とする。ここで、入射面に対して垂直な位置、
すなわち光源と同じ位置を0°受光角度とし、泉(株)
製コスモスクリーンの40°受光角度の反射率を100
としたときの相対値で示す。
【0039】(5)厚み(μm) 多孔性シートもしくは映写用スクリーンから試料〔機械
方向(以下、MDという):101cm、機械方向と直
角をなす方向(以下、TDという):5cm〕を3枚採
取し、MDに1cm間隔で合計300箇所の測定点につ
いて、厚み測定機(PEACOCK社製、UPRIGH
T DIAL GUAGE NO.25)を用いて厚み
を測定し、平均値で示す。
【0040】実施例1 線型低密度ポリエチレン〔三井石油化学工業(株)製、
商品名:ウルトゼックス2021L、密度:0.920
g/cm3、MI:2.1g/10min、表1では線
型低密度ポリエチレンをLLDPEと記す〕30重量%
に対し、硫酸バリウム〔バライト工業(株)製、商品
名:HD、平均粒径0.9μm〕70重量%、ステアリ
ン酸カルシウム1重量%をタンブラーミキサーにて混合
した後、タンデム型押出機を用いて230℃において均
一に混練しペレット状に加工した。このペレットをTダ
イが装着された押出成形機を用いて、230℃において
溶融押出して未延伸シートを得た。得られた未延伸シー
トを85℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で
6.5倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸し、厚み20
0μmの多孔性シートを得た。この多孔性シートを映写
用スクリーン1とした。開孔率、光線反射率、拡散反射
率及び厚みを上記方法により測定し、その結果を〔表
1〕に示す。映写用スクリーン1は、反射率、拡散反射
率共に良好であった。
【0041】実施例2 実施例1と同様にして製造した多孔性シートの片面に厚
み75μmの白色ポリエチレンテレフタレートシートを
接着剤を用いてロール間でラミネートを施し積層体を得
た。この積層体の白色ポリエチレンテレフタレートシー
ト側に厚み100μmの黒色塩化ビニールシートとガラ
ス繊維布との複合体を接着剤でラミネートし、多孔性シ
ートを映写面とする映写用スクリーン2を得た。開孔
率、光線反射率、拡散反射率及び厚みを上記方法により
測定し、その結果を〔表1〕に示す。映写用スクリーン
2は、反射率、拡散反射率共に良好であった。
【0042】実施例3〜4 多孔性シートの厚みをそれぞれ〔表1〕に示す値とした
以外、実施例1と同様にして多孔性シートを製造し、実
施例2と同様にして映写用スクリーン3及び4を得た。
開孔率、光線反射率、拡散反射率及び厚みを上記方法に
より測定し、その結果を〔表1〕に示す。映写用スクリ
ーン3及び4は、反射率、拡散反射率共に良好であっ
た。
【0043】実施例5 線型低密度ポリエチレンと硫酸バリウムの配合比率をそ
れぞれ〔表1〕に示す割合とした以外、実施例1と同様
にして多孔性シートを製造し、実施例2と同様にして映
写用スクリーン5を得た。開孔率、光線反射率、拡散反
射率及び厚みを上記方法により測定し、その結果を〔表
1〕に示す。映写用スクリーン5は、反射率、拡散反射
率共に良好であった。
【0044】実施例6 無機充填剤として、炭酸カルシウム〔丸尾カルシウム
(株)製、商品名:カルテックス5、平均粒径0.9μ
m〕を用いた以外、実施例1と同様にして多孔性シート
を製造し、実施例2と同様にして映写用スクリーン6を
得た。開孔率、光線反射率、拡散反射率及び厚みを上記
方法により測定し、その結果を〔表1〕に示す。映写用
スクリーン6は、反射率、拡散反射率共に良好であっ
た。
【0045】実施例7 プロピレンホモポリマー〔三井東圧化学(株)製、商品
名:ノーブレン FO−200H、密度0.900g/
cm3、MI:2.0g/10min、表1ではプロピ
レンホモポリマーをPPと記す〕を用いた以外、実施例
1と同様にして多孔性シートを製造し、実施例2と同様
にして映写用スクリーン7を得た。開孔率、光線反射
率、拡散反射率及び厚みを上記方法により測定し、その
結果を〔表1〕に示す。映写用スクリーン7は、反射
率、拡散反射率共に良好であった。
【0046】実施例8 エチレン−プロピレンコポリマー〔三井東圧化学(株)
製、商品名:ノーブレン MJS−G、密度0.900
g/cm3、MI:2.0g/10min、表1ではエ
チレン−プロピレンコポリマーをEPと記す〕を用いた
以外、実施例1と同様にして多孔性シートを製造し、実
施例2と同様にして映写用スクリーン8を得た。開孔
率、光線反射率、拡散反射率及び厚みを上記方法により
測定し、その結果を〔表1〕に示す。映写用スクリーン
8は、反射率、拡散反射率共に良好であった。
【0047】比較例1 ビーズスクリーンとして、泉(株)製、商品名:コスモ
スクリーンを映写用スクリーン9とした。光線反射率、
拡散反射率及び厚みを上記方法により評価し、得られた
結果を〔表1〕に示す。映写用スクリーン9は光線反射
率、拡散反射率共に低かった。
【0048】比較例2 ホワイトスクリーンとして、Stewart社製、商品
名:Videomatte2000を映写用スクリーン
10とした。光線反射率、拡散反射率及び厚みを上記方
法により評価し、得られた結果を〔表1〕に示す。映写
用スクリーン10は、高視野角での拡散反射率の低下は
少ないが、光線反射率が不足した。
【0049】比較例3 多孔性シートの厚みを40μmにした以外、実施例1と
同様にして多孔性シートを製造し、実施例2と同様にし
て映写用スクリーン11を得た。開孔率、光線反射率、
拡散反射率及び厚みを上記方法により測定し、その結果
を〔表1〕に示す。映写用スクリーン11は多孔性シー
トの厚みが薄く、反射層が少ないために、反射率が低か
った。
【0050】比較例4〜5 線型低密度ポリエチレンと硫酸バリウムの配合比率をそ
れぞれ〔表1〕に示す割合とした以外、実施例1と同様
にして多孔性シートを製造し、実施例2と同様にして映
写用スクリーン12及び13を得た。開孔率、光線反射
率、拡散反射率及び厚みを上記方法により測定し、その
結果を〔表1〕に示す。映写用スクリーン12は、多孔
性シートの無機充填剤の添加量が過剰であるために、未
延伸シートを延伸する際に延伸切れを起こし、多孔性シ
ートを得ることができなかった。映写用スクリーン13
は、多孔性シートの無機充填剤の添加量が少なすぎるた
めに反射層が少なく、反射面の凸凹が緻密でないため
に、光線反射率、拡散反射率共に低かった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の映写用スクリーンは、映写面を
多孔性シートで形成するために、映写面の表面および内
部に樹脂、無機充填剤、空気層といった多数の微細な凸
凹の反射層を有し、従来のものよりも光線反射率が高く
明るい映像が得られ、しかも広い視野角を有する。その
ため、オーバーヘッドプロジェクター、スライドプロジ
ェクター、マイクロフィルムリーダー、プロジェクショ
ンテレビジョン、映写機等用スクリーンとして好適に使
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仙波 克己 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 梶原 孝之 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 矢野 滋 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 伊関 勉 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 榎本 敏行 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂25〜65重量%
    及び無機充填剤75〜35重量%を含み、少なくとも一
    軸方向に延伸された、厚み50〜500μmの多孔性シ
    ートを映写面とする映写用スクリーンであって、波長5
    50nmの光線反射率が92%以上、受光角度40°に
    おける拡散反射率が120%以上であることを特徴とす
    る映写用スクリーン。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリエ
    チレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
    ン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共
    重合体から選ばれた少なくとも1種の樹脂であり、且
    つ、無機充填剤が、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸
    化チタンから選ばれた少なくとも1種の化合物である請
    求項1記載の映写用スクリーン。
  3. 【請求項3】 多孔性シートの波長550nmの光線反
    射率が92%以上、受光角度40°における拡散反射率
    が120%以上であることを特徴とする請求項1記載の
    映写用スクリーン。
  4. 【請求項4】 多孔性シートの開孔率が30〜70%で
    あることを特徴とする請求項1記載の映写用スクリー
    ン。
  5. 【請求項5】 映写用スクリーンの波長550nmの光
    線反射率が95%以上、受光角度40°における拡散反
    射率が125%以上であることを特徴とする請求項1記
    載の映写用スクリーン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003262923A (ja) * 2002-03-11 2003-09-19 Toppan Printing Co Ltd 反射型スクリーン
JP2005084310A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Yupo Corp スクリーン
JP2009175522A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 投影用スクリーン

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