JPH10332663A - 多塩素付加クロロベンゼン類の分析方法 - Google Patents

多塩素付加クロロベンゼン類の分析方法

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JPH10332663A
JPH10332663A JP13974997A JP13974997A JPH10332663A JP H10332663 A JPH10332663 A JP H10332663A JP 13974997 A JP13974997 A JP 13974997A JP 13974997 A JP13974997 A JP 13974997A JP H10332663 A JPH10332663 A JP H10332663A
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chlorobenzenes
gas
concentrator
temperature
gas chromatograph
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Kunio Miyazawa
邦夫 宮澤
Hideki Nagano
英樹 永野
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の塩素が付加している多塩素付加クロロ
ベンゼン類、即ち多塩素付加ベンゼンおよび多塩素付加
フェノールに対して、高精度の分析が可能な分析方法を
提供する。 【解決手段】 濃縮器3と、コールドトラップインジェ
クタ4と、ガスクロマトグラフ装置5とを備えた自動分
析装置を用いて多塩素付加クロロベンゼン類の分析を行
う際、濃縮器3の吸着剤として樹脂吸着剤を用い、濃縮
器3の温度を15〜60℃の範囲内に制御してクロロベ
ンゼン類を吸着させて濃縮し、コールドトラップインジ
ェクタ4で再濃縮した後、ガスクロマトグラフ装置5に
導入することを特徴とする多塩素付加クロロベンゼン類
の分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物および
産業廃棄物を焼却した燃焼排ガス、あるいは金属精錬プ
ロセスから排出されるガスなどに含まれるクロロベンゼ
ン類の分析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の廃棄物を焼却する際に焼
却炉から極めて猛毒のダイオキシン類が発生することが
ある。これら排ガス中に含まれるダイオキシン類の濃度
は、ダイオキシンおよびその同族体、ならびにジベンゾ
フランおよびその同族体をすべて合わせても、1ng/
Nm3 程度以下であるため、現在の技術では直接測定す
ることは不可能である。
【0003】そこで、大気汚染学会誌第28巻第5号2
74頁(1993年)に記載されているように、クロロ
ベンゼン類はダイオキシン類と高度の相関があるため、
クロロベンゼン類を測定し、相関関係のあるダイオキシ
ン類の濃度を計算して求めるという方法がある。したが
って、排ガス中のクロロベンゼン類あるいはクロロフェ
ノール類を正確に求めることは極めて重要である。
【0004】排ガス中のクロロベンゼン類・クロロフェ
ノール類(以下クロロベンゼン類と総称する)の自動分
析技術としては、横浜国大環境研紀要第18巻1〜8頁
(1992年)、特開平5−312796号公報に記載
されているものがある。
【0005】これらの技術は、排ガス中に含まれている
水蒸気を除去するためのガラス製のトラップ、樹脂吸着
剤を充填した濃縮管とこれを加熱できるヒータ、および
ガスクロマトグラフ装置を基本とするものである。
【0006】これらの技術によると、まず、排ガスは濃
縮管の下流にあるポンプで引かれてガラス製トラップに
よって水蒸気を取り除かれ、濃縮管を通過する。このと
き、濃縮管はとくに昇温していないので、排ガス中のク
ロロベンゼン類は樹脂吸着剤に吸着する。
【0007】次に、濃縮管を270℃に昇温すると同時
にラインを切り替えて、ガスクロマトグラフ装置のキャ
リアガスを濃縮管に通すようにしてガスクロマトグラフ
装置に送り込むようにする。これにより、吸着したクロ
ロベンゼン類は脱着して、ガスクロマトグラフ装置によ
って定量される。
【0008】ちなみに、このときの排ガス中のクロロベ
ンゼン類の濃度は、モノクロロベンゼンで4〜34μg
/Nm3 、1,4−ジクロロベンゼンで4〜65μg/
Nm 3 、ヘキサクロロベンゼンで3〜10μg/N
3 、2,4−ジクロロフェノールで27〜186μg
/Nm3 、2,3,4,6−テトラクロロフェノールで
4〜45μg/Nm3 と報告されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近の新鋭のごみ焼却
炉排ガスは全体的にはクロロベンゼン類の濃度が少なく
なってきているため、測定装置に多量の排ガスを吸引し
て濃縮する必要がある。ここで、クロロベンゼン類の濃
縮は、濃縮管に吸着剤を充填して吸着させることにより
行う。
【0010】このように低濃度のクロロベンゼン類から
ダイオキシンの濃度を推定するには、クロロベンゼン類
の中でもできるだけ相関性の高い物質が、確実に分析で
きることが望ましい。反応機構の観点からは、クロロベ
ンゼン類の中でもとりわけ多塩素付加ベンゼンおよび多
塩素付加フェノールが、ダイオキシンに近い物質であり
相関性も高い。これらの物質は、複数の塩素が付加され
ていることから多塩素付加クロロベンゼン類とよばれ、
ダイオキシンの前駆物質として、高精度な分析が望まれ
る。
【0011】しかしながら、多塩素付加ベンゼンおよび
多塩素付加フェノールの量は、クロロベンゼン類の中で
はごく僅かであり、大部分を占めるモノクロロベンゼン
に対して、1/100程度に過ぎない。そのため、ガス
クロマトグラフ装置により検出されるこれらの物質のピ
ークの中では、モノクロロベンゼンのピークが圧倒的に
大きい。多塩素付加ベンゼンおよび多塩素付加フェノー
ルのピークは、モノクロロベンゼンのピークのテーリン
グした部分(裾野)と重なっている。そのため、多塩素
付加クロロベンゼン類分析値の定量精度が低いという問
題があった。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたもので、複数の塩素が付加している多塩素付
加クロロベンゼン類、即ち多塩素付加ベンゼンおよび多
塩素付加フェノールに対して、高精度の分析が可能な自
動分析方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、濃縮器と、
コールドトラップインジェクタと、ガスクロマトグラフ
装置とを備えた自動分析装置を用いて多塩素付加クロロ
ベンゼン類の分析を行う際、濃縮器の吸着剤として樹脂
吸着剤を用い、濃縮器の温度を15〜60℃の範囲内に
制御してクロロベンゼン類を吸着させて濃縮し、コール
ドトラップインジェクタで再濃縮した後、ガスクロマト
グラフ装置に導入することを特徴とする多塩素付加クロ
ロベンゼン類の分析方法である。
【0014】この発明は、モノクロロベンゼンの影響を
除去する方法について、鋭意検討を行う中でなされたも
のである。その過程で、樹脂吸着剤を用いた濃縮器にお
いては、モノクロロベンゼンの吸着の挙動が他のクロロ
ベンゼン類とは異なることを見いだした。それは、濃縮
器の温度が0℃程度であれば、モノクロロベンゼンは樹
脂吸着剤にほぼ完全に吸着するが、10℃を超えると破
過、即ち吸着した物質が逃げるという現象が発生し始め
るということである。
【0015】これに対して、多塩素付加ベンゼンおよび
多塩素付加フェノールについては、この程度の温度では
破過が起こらないということも確認された。従って、樹
脂吸着剤における破過の現象を利用すれば、モノクロロ
ベンゼンのみについて、破過を促進することにより樹脂
吸着剤への吸着を抑制することが可能となる。濃縮器の
上限温度についても検討した結果、80℃を超えると分
析対象の多塩素付加ベンゼンおよび多塩素付加フェノー
ルも破過し始めることがわかった。
【0016】以上より、この発明では、樹脂吸着剤を用
いた濃縮器の温度を15℃以上80℃以下に制御する。
この温度範囲では、モノクロロベンゼンの影響を除去し
つつ、多塩素付加ベンゼンおよび多塩素付加フェノール
のピーク、即ち多塩素付加クロロベンゼン類のピークを
得ることが可能となる。
【0017】なお、モノクロロフェノールについては、
モノクロロベンゼンとは異なり、この温度範囲では破過
は起こらないことがわかった。従って、この発明によ
り、モノクロロフェノールについても、モノクロロベン
ゼンの影響を受けないピークが得られる。
【0018】この発明に用いるクロロベンゼン類の自動
分析装置については、少なくとも、濃縮器と、コールド
トラップインジェクタと、ガスクロマトグラフ装置とを
備えている必要がある。
【0019】まず、濃縮器は、前述のように、測定対象
のガスからクロロベンゼン類を吸着剤に吸着させて濃縮
する装置であり、通常の樹脂吸着剤を用いる形式のもの
でよい。
【0020】コールドトラップインジェクタは、キャピ
ラリ管を有する形式の装置でよく、冷却媒体により測定
対象のクロロベンゼン類を冷却して、管の内部に凝縮・
内面付着させて再濃縮を行う。
【0021】ガスクロマトグラフ装置は、通常の装置で
よく、昇温装置が付いたものを用いることができる。検
出器には、ガスクロマトグラフ装置等が備えている通常
の検出装置を用いればよい。
【0022】
【発明の実施の形態】この発明の実施にあたっては、必
要に応じ排ガス等の測定対象のガスについて除塵器と除
湿器により前処理を行う。まず、排ガス中にダストやミ
ストが含まれていると、測定阻害を惹き起こしたり測定
装置を汚したりするので、除塵器を設けて測定装置に供
給する排ガスからダストやミストを除去する。この除塵
器には、一般的な除塵フィルタを用いればよいが、クロ
ロベンゼン類が吸着しないように温度管理する必要があ
る。つまり、除塵器全体を恒温槽に入れる、あるいはヒ
ータを巻くなどして100〜300℃、好ましくは12
0〜160℃になるようにする。
【0023】ただし、都市ごみ焼却プロセスのバグフィ
ルタの下流側の配管など、排ガス中のダスト・ミストが
非常に少ない、すなわち十分綺麗な排ガスの測定のとき
は除塵器を省略することができる。
【0024】除湿器(本体)は、ガラス製容器(トラッ
プ)、セラミック製容器、金属製容器、あるいは炭素・
グラファイト製容器など、排ガス中の成分により損傷を
受けるものでなければいずれの材質の物を用いても構わ
ない。また、温度制御、すなわち冷却を行うと一層除湿
効率が向上し、安定した除湿が図れる。
【0025】この除湿器についても、排ガス中の水分が
極めて少ないとき、あるいは排ガスの濃縮量が極めて少
ないときなど、ガスクロマトグラフ装置に導入される水
分が非常に少なくて、分離カラムを損傷する心配がない
場合は、省略することができる。
【0026】濃縮器は、2,6−ジフェニル−p−フェ
ニレンオキシド(商品名テナックス)等の樹脂吸着剤を
充填したガラス製または金属製の管(濃縮管)と、濃縮
管を300℃程度まで昇温可能なヒータなどの装置を備
えている。その他、上述の除塵・除湿後の排ガスを吸引
できるポンプとガス流量計、ならびに分離装置として用
いるガスクロマトグラフ装置用のキャリアガスを、濃縮
管を通過させてガスクロマトグラフ装置に送り込める機
構を有していればよい。
【0027】なお、濃縮管に低温空気、炭酸ガスなどを
吹き付ける機構も保持させ、排ガス中成分(クロロベン
ゼン類)の吸着操作のとき、厳密な温度制御をできる機
能を有しているとさらに好ましい。
【0028】濃縮器とガスクロマトグラフ装置の間に設
けるコールドトラップインジェクタは、0.5mm程度
の径のキャピラリ管を有し、その冷却および急速加熱の
機能を持たせる。冷却および急速加熱は、液化炭酸ガス
などの吹き付けによる−70℃程度の冷却機構と、大容
量ヒータなどによる300℃程度までの急速加熱機構に
より実現できる。
【0029】キャピラリ管の材質は、単なるガラス製で
も良いが、ガスクロマトグラフ装置で使用されているシ
リカキャピラリカラムと同等の物が望ましい。このキャ
ピラリ管の内面に、100%ジメチル−ポリシロキサ
ン、5%フェニル−95%メチル−ポリシロキサン、7
%シアノプロピル−7%フェニル−86%ジメチル−ポ
リシロキサンなどを、液相として付着させておく。ま
た、このキャピラリ管の外面には、キャピラリ管の強度
向上の観点から、ポリイミドをコーティングすることが
望ましい。
【0030】ガスクロマトグラフ装置は、通常のキャピ
ラリカラムを装着でき、300℃程度迄の昇温機能が付
いていればよい。検出器には、電子捕獲型検出器の他、
水素炎イオン化検出器、質量分析計などを用いることが
できる。
【0031】データ処理機能は、検出器から出力された
信号を受け取り、クロロベンゼン類の量に変換する。ク
ロロベンゼン類とダイオキシン類の相関関係を予め求め
てあれば、さらに、ダイオキシン類の量に変換すること
もできる。
【0032】排ガスの自動分析の際、この排ガス自動分
析装置全体の制御は、シーケンサによっても可能である
が、上述のデータ処理装置によって行うことができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)図1は、発明の一実施例として、排ガス中
のクロロベンゼン類を自動的に分析するために用いた排
ガス自動分析装置を示す構成図である。この自動分析装
置の主な構成要素は、フィルタを内蔵する除塵器1、電
子冷却式の除湿器2、樹脂吸着剤を充填したガラス管を
冷却・加熱できるようにした濃縮器3、コールドトラッ
プインジェクタ4、ガスクロマトグラフ装置5、質量分
析計6、分析装置全体を制御するシーケンサ7、および
測定されたクロマトグラムからクロロベンゼン類を計算
するためのデータ処理装置8である。
【0034】除塵器1はジーエルサイエンス(株)製の
サンプルフィルタ33S6型を用い全体を恒温槽に入れ
て140℃に保時した。除湿器2には、コマツエレクト
ロニクス(株)製の電子冷却式除湿器DH−109型を
用いた。
【0035】濃縮器3としては、6mm径のガラス管に
2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキシド樹脂吸着
剤を詰め、ヒータを巻くとともに、炭酸ガスボンベ80
から液化炭酸ガスを吹き付けられるようにして、0〜3
00℃に温度コントロールできるようなものを試作し
た。
【0036】コールドトラップインジェクタ4も、同様
に0.5mm径で内面が5%フェニル−95%メチル−
ポリシロキサンで処理されたキャピラリ管を、ヒータお
よび液化炭酸ガス吹き付けにより、−70〜300℃に
できるものを試作して用いた。またヘリウムガスボンベ
60からのヘリウムガス、すなわちガスクロマトグラフ
装置のキャリアガスをキャピラリ管を通過してガスクロ
マトグラフ装置に送り込めるようにした。
【0037】ガスクロマトグラフ装置5はHP5890
型、質量分析計はHP5970型、またデータ処理装置
はこれら横河ヒューレットパッカード(株)製のガスク
ロマトグラフ−質量分析計専用のものを用いた。また、
カラムはジーエルサイエンス(株)製の微極性カラムを
用いた。
【0038】シーケンサ7は試作したものを、濃縮器を
通して排ガスを吸引するためのポンプ10としてはロー
タリーポンプを、排ガス流量を計測するための流量計1
1としては積算式のものを用いた。さらに、とくに細か
く記述をしてはいないが各機器類を連結する配管に適宜
バルブを取り付け(通常のバルブ、三方バルブ、六方バ
ルブ)、以下の操作ができるようにした。
【0039】自動分析は次の手順(操作)によって行っ
た。ガスクロマトグラフ装置5(質量分析計6を含む)
は、ヘリウムボンベ60からライン63を通してキャリ
アガスのヘリウムを供給してスタンバイ状態とする。ご
み焼却炉の排ガス21をライン31〜33を通して、ポ
ンプ10により吸引した。
【0040】このとき電子冷却式除湿器2は0℃に、濃
縮器3は15℃に保った。そこで、コールドトラップイ
ンジェクタ4を、炭酸ガスボンベ80からライン82を
通しての炭酸ガスの吹き付けにより、−40℃に制御す
ると同時にヘリウムボンベ60からライン62を通して
濃縮器3にヘリウムを送る。濃縮器3の出側はライン3
5、コールドトラップインジェクタ4が接続されてお
り、その後はガスクロマトグラフ装置5に入る。
【0041】濃縮器3をヒータにより280℃迄昇温し
始めると、吸着しているクロロベンゼン類が脱着して、
ライン35を通りコールドトラップインジェクタ4へ行
くと、凝縮・再濃縮される。このとき、ヘリウムガスの
みがガスクロマトグラフ装置に入り、キャリアガスとし
て働く。
【0042】濃縮器3が280℃となった時点で、ライ
ン63を通してヘリウムをコールドトラップインジェク
タ4に送ると同時に、ライン62のヘリウムの供給停
止、およびコールドトラップインジェクタ4の昇温を行
った。昇温は280℃迄行い、これによりクロロベンゼ
ン類がガスクロマトグラフ装置5・質量分析計6に送ら
れる結果、自動的に分析値がデータ処理装置8から出力
される。なお、質量分析計6の検出方法としてはSIM
( Selcted Ion Monitor)法を採用した。
【0043】図2に、ガスクロマトグラフ装置により測
定されたクロロベンゼン類の分析結果を示す。クロロベ
ンゼン類のピークP1〜P4が、明瞭に分離されたガス
クロマトグラムが得られている。
【0044】(実施例2)樹脂吸着剤を充填した濃縮器
3を60℃とした以外は、実施例1と同じ装置を用い
て、同様の試験を実施した。得られたガスクロマトグラ
ムを図3に示す。実施例1と同様、クロロベンゼン類の
ピークP1〜P4が、明瞭に分離されたガスクロマトグ
ラムが得られている。この図では、実施例1(図2、濃
縮器温度15℃)に比べ、モノクロロベンゼンのピーク
P1はさらに低下している。これを除くクロロベンゼン
類のピークP2〜P4は、実施例1とほぼ同様のピーク
高さを保持していることがわかる。
【0045】(比較例)樹脂吸着剤を充填した濃縮器3
を0℃に保持して排ガスの吸着操作を行った以外は、実
施例1、2と同じ装置を用いて、同様の試験を実施し
た。得られたガスクロマトグラムを図4に示す。この場
合、モノクロロベンゼンのピークP1が非常に強くなり
(図ではスケールオーバー)、テーリングしている。そ
のため、モノクロロフェノール(ピークP2)、ジクロ
ロベンゼン(ピークP3)、トリクロロベンゼン(ピー
クP4)の各ピークの定量の際、ベースラインが精度よ
く決められなくなる。従って、このように濃縮器3の温
度が不適切であると、定量精度が悪いことが明らかであ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明によると、濃縮器に樹脂吸着剤を
用いることとその温度を適切に制御することにより、ク
ロロベンゼン類の濃縮において、その大部分を占めるモ
ノクロロベンゼンについてのみ濃縮を抑制することがで
きる。その結果、多塩素付加クロロベンゼン類およびモ
ノクロロフェノールの定量に対して、モノクロロベンゼ
ンによる悪影響が及ぶことを防止できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施例として用いたクロロベンゼン類
の自動分析装置を示す構成図である。
【図2】発明の一実施例として測定されたクロロベンゼ
ン類の分析結果を示す図である。
【図3】発明の別の実施例として測定されたクロロベン
ゼン類の分析結果を示す図である。
【図4】比較として測定されたクロロベンゼン類の分析
結果を示す図である。
【符号の説明】
1 除塵器 2 除湿器 3 濃縮器 4 コールドトラップインジェクタ 5 分離装置(ガスクロマトグラフ) 6 検出器(質量分析計) 7 シーケンサ 8 データ処理装置 10 ポンプ 11 流量計 21 ガス(分析用) 22 ガス(排気) 31〜35 配管(分析ガス用) 60 ボンベ(ヘリウム) 62〜63 配管(ヘリウム用) 80 ボンベ(液化炭酸ガス) 81〜82 配管(液化炭酸ガス用) P1 モノクロロベンゼン P2 モノクロロフェノール P3 ジクロロベンゼン P4 トリクロロベンゼン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃縮器と、コールドトラップインジェク
    タと、ガスクロマトグラフ装置とを備えた自動分析装置
    を用いて多塩素付加クロロベンゼン類の分析を行う際、
    濃縮器の吸着剤として樹脂吸着剤を用い、濃縮器の温度
    を15〜60℃の範囲内に制御してクロロベンゼン類を
    吸着させて濃縮し、コールドトラップインジェクタで再
    濃縮した後、ガスクロマトグラフ装置に導入することを
    特徴とする多塩素付加クロロベンゼン類の分析方法。
JP13974997A 1997-05-29 1997-05-29 多塩素付加クロロベンゼン類の分析方法 Pending JPH10332663A (ja)

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