JPH10332093A - ガス放出防止装置付ガス容器バルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型給湯器を接続した場合のように、主弁を
開披した時にガス放出防止装置の昇降体を作動させるガ
スがガス容器から瞬間的に流れた場合であっても、直ち
にガス流通孔を遮断することがないようにし、また器具
の変形によって機能不能に至らないようにする。 【解決手段】 主弁４と対向する補助弁５と可撓性流量
規制盤７及びピストン１０を下端に備えた昇降体６とそ
れを支える支持装置９から成るガス放出防止装置を流入
口１側に設ける。支持装置９は前記ピストン１０と気密
的に嵌合するシリンダー部１１を備えた収納筒１２と、
その外側に卍状の支持盤１３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、大規模地震や落雪
等でガス容器、例えばＬＰガス容器が転倒したり、配管
や付属器具の破損時に生ずるガスの大量流出を防いで２
次災害を防止する装置を備えたガス容器バルブに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のガス容器バルブとして図
１に示すように、ガス流入口１とガス排出口２間に弁座
３を設け、前記ガス排出口２側に主弁４を設け、且つ前
記ガス流入口１側に前記主弁４と対向する補助弁５を備
えた昇降体６を昇降自在に設けると共に、この昇降体６
にガス通路を規制する数枚の羽根７ａを備えた可撓性流
量規制盤７をフランジ状に設け、且つ前記昇降体６を通
常開披状態に保持するコイルスプリング８を設けると共
に、倒置時に昇降体６の落下を阻止する支持装置９を設
けたガス容器バルブが公知であるが、大型ガス器具（大
型湯沸し器等）を使用したときにガスが急激に流れるこ
とにより瞬時にガス放出防止装置が作動してしまう等の
誤作動が起こることがあった。又、図３のように容器バ
ルブを高圧容器１４のネックリング１５に締め込むと容
器バルブのガスネジ部１６が紋むため容器バルブの内側
に設けてある支持装置９と同体の構造になっているの
で、支持装置９が変形し、ガス放出防止装置の昇降体６
が適正に動作しなくなる欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
のガス放出防止装置付ガス容器バルブと同じ作用、効果
が得られ、容器バルブを容器に取り付けた時に、取り付
けによる容器バルブのガスネジ部の変形によってガス放
出防止装置が適正に作動しなくなるのを防止すると共
に、大型給湯器等の大型ガス器具を接続し、大量にガス
を使用したときに従来のように瞬時にガス放出防止装置
が作動することのない瞬間作動防止装置付ガス放出防止
型容器バルブを提供することを課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、第１の発明は、ガス流入
口とガス排出口間に弁座を設け、前記ガス排出口側に主
弁を設け、且つ前記ガス流入口側に前記主弁と対向する
補助弁を備えた昇降体を昇降自在に設けると共に、この
昇降体にガス通路を規制する数枚の羽根を備えた可撓性
流量規制盤をフランジ状に設け、且つ前記昇降体を通常
開披状態に保持するコイルスプリングを設けると共に、
倒置時に昇降体の落下を阻止する支持装置を設けたガス
容器バルブにおいて、前記昇降体の下端にピストンを設
け、このピストンと極めて気密的に嵌合するシリンダー
部を前記支持装置に設けたことを特徴とするガス放出防
止装置付容器バルブである。

【０００５】また第２の発明は、ガス流入口とガス排出
口間に弁座を設け、前記ガス排出口側に主弁を設け、且
つ前記ガス流入口側に前記主弁と対向する補助弁を備え
た昇降体を昇降自在に設けると共に、この昇降体にガス
通路を規制する数枚の羽根を備えた可撓性流量規制盤を
フランジ状に設け、且つ前記昇降体を通常開披状態に保
持するコイルスプリングを設けると共に、倒置時に昇降
体の落下を阻止する支持装置を設けたガス容器バルブに
おいて、前記支持装置を前記昇降体の収納筒と、この収
納筒に回動自在に取付けた卍状の支持盤とで構成するよ
うにしたことを特徴とするガス放出防止装置付ガス容器
バルブである。

【０００６】

【作用】第１の発明のガス放出装置付ガス容器バルブ
は、昇降体の下部のピストンが支持装置に設けたシリン
ダー部に気密的に嵌合しているので、瞬間的なガスの異
常流出時に昇降体の移動と共にシリンダー内が負圧にな
るためピストンを備えた昇降体は瞬時に作動せず、徐々
に弁の閉鎖方向に作動し始めるが弁を閉鎖する前にガス
流入口側とガス排出口側のガス圧差が無くなるため定常
状態に戻り、誤動作を防止する。

【０００７】第２の発明は、独立した支持盤が卍状に構
成されているので、流入口から入るガスは卍状のアーム
の部分の間を通過することができ、又、容器バルブのガ
スネジ部が変形しても卍状のアームの部分が変形し、収
納筒を変形させることがないため、昇降体の動作には影
響を及ぼすことがない。

【０００８】

【発明の実施の形態】図４は本発明の実施の一例を示す
もので、１７は主弁４を昇降させるハンドル、３はガス
流入口１とガス排出口２間に設けた弁座、１８はガス流
入口１側に設けた安全弁である。

【０００９】６は前記ガス流入口１内に設けられた支持
装置９に昇降自在に装着した昇降体で、上端には前記弁
座３の下側を閉鎖する補助弁５を設け、その下方にガス
通路を規制及び昇降体６にガス流による浮力を与える数
枚の羽根７ａを備えた可撓性流量規制盤７をフランジ状
に設け、下端にはピストン１０が設けられている。そし
てこの昇降体６には下方に弾圧し、通常開披状態に保持
するコイルスプリング８が設けられている。

【００１０】支持装置９は倒置時に昇降体６の落下を阻
止するもので、昇降体６の下端に設けたピストン１０と
極めて気密的に嵌合するシリンダー部１１を備えた収納
筒１２と収納筒１２の外側に同動自在に取付けた卍状の
支持盤１３とで構成されている。

【００１１】１９は、補助弁５に設けたリセット用突棒
で図１のように主弁４に取付けることもできる。

【００１２】図２は前記可撓性流量規制盤７の拡大平面
図で、放射状に切り込みがつけられ数枚の羽根７ａが形
成されている。

【００１３】図５はガス放射防止装置の作動状態を示し
ている。

【００１４】実施例ではピストン１０とシリンダー部１
１の隙間を１／１００ｍｍとすることで気密性を高め、
瞬間的なガス異常流出だけでは昇降体６が動作しないよ
うに形成している。

【００１５】流入口１と流出口２の間を閉鎖した補助弁
５はハンドル１７で主弁４を降下させて、リセット用突
棒１９を下方に押すことにより、弁口を開くと、ガスが
流出してガス容器接続側のガス圧とガス器具接続側のガ
ス圧の差圧が小さくなるため、コイルスプリング８によ
って昇降体６は図４の定常状態に戻る。

【００１６】図６は前記支持盤１３の拡大平面図で、実
施例のものは湾曲した３本のアーム１３ａ，１３ａ，１
３ａが放射状に設けられており、流入口１から流入する
ガスは前記支持盤１３のアームの隙間を通ることが出
来、又、高圧ガス容器にネジ込んだ時流入口１が変形す
ることがあっても支持盤１３のアーム１３ａ，１３ａ，
１３ａが屈曲し、昇降体６には無理な力が加わらないの
で、収納筒１２を変形させることがないため、昇降体５
の動作には影響を及ぼすことがないという実用上の利点
がある。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば大型ガス
器具（大型湯沸し器等）を使用したときにガスが急激に
流れることにより瞬時にガス放出防止装置が作動してし
まう等の誤作動を防止し、またガス容器バルブを高圧容
器のネックリングに締め込んだ時容器バルブのガスネジ
部が紋むことがあっても、容器バルブの内側に設けてあ
る支持装置の支持盤のアームがその変形を吸収し、昇降
体の動作に影響を及ぼすことを防止し、ガス放出防止装
置の昇降体が適正に動作しなくなるという問題点を改善
する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のガス放出防止装置付ガス容器バルブの定
常時における一部截断側面図である。

【図２】可撓性流量規制盤の拡大平面図である。

【図３】ガス容器バルブをガス容器に取付けた場合の問
題点を説明するための図である。

【図４】本発明の一実施例の定常状態における一部截断
側面図である。

【図５】本発明の一実施例の自動閉鎖時の状態を示す一
部截断面図である。

【図６】本発明の一実施例における卍状支持盤の拡大平
面図である。

【符号の説明】

１ ガス流入口 ２ ガス排出口 ３ 弁座 ４ 主弁 ５ 補助弁 ６ 昇降体 ７ 可撓性流量規制盤 ８ コイルスプリング ９ 支持装置 １０ ピストン １１ シリンダー部 １２ 収納筒 １３ 支持盤 １４ 高圧容器 １５ ネックリング １６ ガスネジ部 １７ ハンドル １８ 安全弁 １９ リセット用突棒

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス流入口（１）とガス排出口（２）間
   に弁座（３）を設け、前記ガス排出口（２）側に主弁
   （４）を設け、且つ前記ガス流入口（１）側に前記主弁
   （４）と対向する補助弁（５）を備えた昇降体（６）を
   昇降自在に設けると共に、この昇降体（６）にガス通路
   を規制する数枚の羽根（７ａ）を備えた可撓性流量規制
   盤（７）をフランジ状に設け、且つ前記昇降体（６）を
   通常開披状態に保持するコイルスプリング（８）を設け
   ると共に、倒置時に昇降体（６）の落下を阻止する支持
   装置（９）を設けたガス容器バルブにおいて、前記昇降
   体（６）の下端にピストン（１０）を設け、このピスト
   ン（１０）と極めて気密的に嵌合するシリンダー部（１
   １）を前記支持装置（９）に設けたことを特徴とするガ
   ス放出防止装置付容器バルブ。
2. 【請求項２】 ガス流入口（１）とガス排出口（２）間
   に弁座（３）を設け、前記ガス排出口（２）側に主弁
   （４）を設け、且つ前記ガス流入口（１）側に前記主弁
   （４）と対向する補助弁（５）を備えた昇降体（６）を
   昇降自在に設けると共に、この昇降体（６）にガス通路
   を規制する数枚の羽根（７ａ）を備えた可撓性流量規制
   盤（７）をフランジ状に設け、且つ前記昇降体（６）を
   通常開披状態に保持するコイルスプリング（８）を設け
   ると共に、倒置時に昇降体（６）の落下を阻止する支持
   装置（９）を設けたガス容器バルブにおいて、前記支持
   装置（９）を前記昇降体（６）の収納筒（１２）と、こ
   の収納筒（１２）に回動自在に取付けた卍状の支持盤
   （１３）とで構成するようにしたことを特徴とするガス
   放出防止装置付ガス容器バルブ。