JPH10331002A - くつ下 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指袋にかがり部がなく袋体を滑らかな円筒状
にして、指先を入れやすく且つはき心地を良くすると共
に、生産時には高速化ができてコストの大幅な低減を図
ることができるくつ下を提供することである。 【解決手段】 つま先部５に複数の指袋６、６を設ける
と共に、このつま先部付近にできた編み口を閉じ、前記
指袋６を目減り編目８と目増し編目９とから形成し、両
編目の各ウエール１０をコーナ１１で屈曲し連続せしめ
て編成したのである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、複数の指袋を備
えたくつ下に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のくつ下として、図５に示
すように、横編み機を用い、つま先部２１の先端に複数
の指袋２２、２２、２２、２２、２２を編成したものが
普及している。

【０００３】ところが、このくつ下では、横編み機特有
の編目構成上、指袋の指先の左右側縁に編糸が交錯した
かがり縁２３、２３が、また指股にも編糸が交錯したか
がり目２４がそれぞれ発生しており、これらのかがり部
にはごつごつした感触があり、袋体が偏平体であるのと
相まって、着用時指先が入れにくくかつはき心地が悪い
等の欠点がある。

【０００４】さらに、横編み機では、平形針床を用い往
復運動により編み地が形成されるようになるため、編立
速度に限界があり、生産性が低くコスト高となる問題点
がある。

【０００５】一方、丸編くつ下編み機は効率よくくつ下
を編成できるが、図６に示すように、一般に普及してい
る丸編くつ下編み機で編成したくつ下には、つま先部２
５に指袋を備えたものは存在していない。

【０００６】

【発明の課題】そこで、この発明の課題は、指袋にかが
り部がなく袋体を滑らかな円筒状にして、指先を入れや
すく且つはき心地を良くすると共に、生産時には高速化
ができてコストの大幅な低減を図ることができるくつ下
を提供することである。

【０００７】

【課題の解決手段】上記の課題を解決するために、この
発明においては、複数の指袋を目減り編目と目増し編目
とから形成し、両編目の各ウエールをコーナで屈曲し連
続せしめて編成し、つま先部側縁の編み口を閉じた複数
の指袋を設けたのである。

【０００８】

【作用】前記くつ下の指袋は、編立て順に例えば甲面の
目減り編目面と、底面の目増し編目面とが円滑に連続し
て円筒状になっており、ごつごつした感触がなく指が入
れやすくはき心地が良い。また編み立てに用いる丸編み
機は、円形針床による回転運動で編み地が形成されるた
め高速生産が可能となる。

【０００９】

【実施の形態】以下、この発明の実施形態を図１乃至図
４に基づいて説明する。

【００１０】図１及び図２に示すように、くつ下Ｓは、
綿糸を主体にナイロン等の合成繊維糸及びスパンデック
ス等の弾性糸を合せたものを編糸とし、エレクトロニク
ス制御の自動成形丸編くつ下編み機を用いて、口ゴム部
１、脚部２、かかと部３、足部４及びつま先部５が連続
して編み立てられ、前記つま先部５の先端に２本の指袋
６、６が設けられている。このつま先部５の付け根付近
の底面の編み口１２（図４参照）は、縫合閉鎖され横一
文字状リンキングコース７を形成している。

【００１１】前記指袋６は、図３及び図４に示すよう
に、甲面から編み立てた目減り編目８と、これに対面す
る底面の目増し編目９とから滑らかな山形状突起面に形
成され、両編目の各ウエール１０、１０、１０がコーナ
１１で所要の角度αに屈曲し連続して成形編成されてい
る。

【００１２】前記目減り編目８と目増し編目９とは、連
続編成されているため、縦につらなったループの列即ち
ウエール１０は両編目のコーナ１１の屈曲点を介して連
なっており、この屈曲点の連れ線がゴアラインで滑らか
な曲面を呈するようになる。

【００１３】この目減り編目８及び目増し編目９におけ
るコーナ１１の側縁は、１編目毎に増減させるほか、指
袋の形状に対応して複数目増減させることもでき、増減
編目の数によってゴアラインの形状が適宜選択できる。

【００１４】前記目減り編目及び目増し編目らかなる指
袋６は、針下げ針上げを行ない、円形針床を所要量半回
転運動せしめることにより容易にかつ迅速に編成するこ
とができる。

【００１５】前記リンキングコース７は、筒形くつ下を
編成する際編み終りにできる楕円形状編み口１２（図４
参照）を閉じて形成されたものであって先かがり装置に
よって容易に施される。

【００１６】なお、前記指袋６は、上述のように、２本
に形成するほか、用途に対応して５本に形成する等その
個数及び指挿入の深さ寸法等を適宜選択することができ
る。

【００１７】この発明のくつ下は、丸編み機の特徴を生
かしたものであって、指袋６が円筒状を呈し且つ滑らか
な曲面を有する指先及び指股からなり、従来例のような
ごつごつした感触のするかがり縁やかがり目が存在しな
いため、指先が入れやすくはき心地が良い。

【００１８】さらに、丸編くつ下編み機は、円形針床を
用い回転運動で編み立てられるため超高速生産が可能と
なる。

【００１９】前記くつ下は、指袋を備えているため、厚
地にして足袋感覚ではく老人用として好まれ、また歩行
時足指が指袋で固定できバランスがとりやすく踏ん張り
が効くため各種スポーツ用及び地下足袋のインナー用と
して好適であり、さらに、足指が分離するため蒸れにく
く抗菌性編糸を用いた水虫予防用としても適している。

【００２０】なお、前記くつ下は、用途に対応して編糸
の素材の種類及び太さや、目減り数目増し数等の編目組
織、柄等を適宜選択することができ、上述のような脚部
の短いソックス形のほか、脚部の長いハイ・ソックス形
等他の各種のものにも適用される。

【００２１】

【発明の効果】この発明によれば、以上のように、丸編
くつ下編み機によって編成されているため、指袋構成上
重要な指先や指股に編糸が交錯したごつごつした感触の
するかがり縁やかがり目が存在せずかつ指袋が滑らかな
円筒状を呈しているため、指先が入れやすくはき心地が
良い。

【００２２】また製造時には、円形針床による回転運動
で編み立てられるため超高速生産が可能でありコストの
大幅な低減を図ることかできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のくつ下の一実施例を示す平面図

【図２】同上の側面図

【図３】同上の指袋の成形編成を示す部分拡大図

【図４】同上の指袋の編幅を示す展開図

【図５】一従来例を示す平面図

【図６】他の従来例を示す平面図

【符号の説明】

Ｓ くつ下 １ 口ゴム部 ２ 脚部 ３ かかと部 ４ 足部 ５、２１、２５ つま先部 ６、２２ 指袋 ７ リンキングコース ８ 目減り編目 ９ 目増し編目 １０ ウエール １１ コーナ １２ 編み口 ２３ かがり縁 ２４ かがり目 α 角度

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の指袋を目減り編目と目増し編目と
   から形成し、両編目の各ウエールをコーナで屈曲し連続
   せしめて編成し、つま先部側縁の編み口を閉じた複数の
   円筒状指袋を設けたくつ下。