JPH10330930A - スパッタ装置及びこれを用いた磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

スパッタ装置及びこれを用いた磁気ヘッドの製造方法

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JPH10330930A
JPH10330930A JP15439397A JP15439397A JPH10330930A JP H10330930 A JPH10330930 A JP H10330930A JP 15439397 A JP15439397 A JP 15439397A JP 15439397 A JP15439397 A JP 15439397A JP H10330930 A JPH10330930 A JP H10330930A
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Takayuki Izeki
隆之 井関
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Victor Company of Japan Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/14Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
    • H01F41/18Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates by cathode sputtering
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面部分のみならず、斜め溝部分に形成され
る成膜の膜質も向上させることができるスパッタ装置を
提供する。 【解決手段】 真空容器13内に、一対のターゲット1
4,15を平行に向かい合わせて配置し、このターゲッ
トの裏面側に、前記ターゲット間にプラズマ封じ込め用
の磁界を形成する永久磁石16,17を設け、前記ター
ゲット間の下方に配置した基板ホルダ19上に載置され
た基板に成膜を施すスパッタ装置において、前記ターゲ
ットは、鉛直方向に位置ずれさせて配置されており、且
つ前記基板ホルダの載置面は、前記ターゲットの位置ず
れ方向に対して傾斜させている。これにより、平面部の
みならず、斜め溝の壁面部分における成膜の膜質を向上
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜を形成するた
めのスパッタ装置及びこれを用いた例えばMIG型の磁
気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜の形成法には真空蒸着法、ス
パッタリング法があり、これらは一般的に平面の基板上
に膜を形成することを目的としている。従って、例えば
溝を持った基板上にこれらの方法で膜を形成する場合、
平面上には良好な膜が形成されても溝の壁面には質の悪
い例えば、柱状晶の発達したような膜、或いはステップ
カバレジの悪い膜が形成されてしまう。ステップカバレ
ッジが良く、しかも溝の壁面にも均質な膜を成膜する方
法として、CVD(Chemical Vapor D
eposition)法などがある。
【0003】また、軟磁性膜を用いた電子部品、例えば
MIG型の磁気ヘッドなどは、トラック幅規制溝の加工
されたフェライト基板に軟磁性膜を形成し、ギャップを
介して対となるコアをガラス溶着によりボンディングし
てヘッドチップを製造する方法が採られるが、その軟磁
性膜の形成には一般的にスパッタリング法、真空蒸着法
等が用いられる。軟磁性膜の形成にCVD法を用いない
理由は、CVD法では金属膜、特に合金膜を成膜するこ
とが現時点では技術的に困難だからである。
【0004】ここで図16を参照して磁気ヘッドの従来
の製造方法について説明する。図16(A)に示すよう
に例えばフェライトよりなる直方体状の第1及び第2の
2つのハーフコアバー1、2を用意し、それぞれのハー
フコアバー1、2の接合面であるコア接合面3、4にト
ラック幅を規定するためのV字状のトラック幅規定溝
5、6を形成する。また、一方の、ここでは第2のハー
フコアバー2の接合面4には、その長手方向に沿って磁
路形成溝7が形成されている。尚、その磁路形成溝7
は、一方のみならず、両方のハーフコアバーに形成する
ようにしてもよい。
【0005】次に、図16(B)に示すようにスパッタ
装置等を用いて上記第1及び第2のハーフコアバー1、
2のコア接合面3、4、トラック幅規定溝5、6の溝面
及び磁路形成溝7の溝面に一様に軟磁性膜8、9を成膜
する。そして、図16(C)に示すように、両方の、或
いはいずれか一方のハーフコアバーのコア接合面の一
部、図示例においては第2のハーフコアバー2のコア接
合面4の上端、すなわち磁気ギャップを形成する部分
に、SiO2 、Al23等よりなる非磁性材料を成膜
することにより、ギャップ膜10を形成する。
【0006】次に、図16(D)に示すように第1及び
第2のハーフコアバー1、2を、それぞれのコア接合面
3、4側を向き合わせた状態でガラス11により溶着し
てこれらを一体化する。そして、この一体物をトラック
幅規定溝5、6の略中央にて例えば図16(D)中のX
−X線、Y−Y線、Z−Z線に沿って切断することによ
り、図16(E)に示すような一枚毎のコアチップ23
を形成する。このように形成されたコアチップ23の上
面図は図17に示されており、ギャップ膜10の部分が
磁気ギャップ12となる。このようなコアチップ23に
摺動面加工が行われて磁気ヘッドが形成されることにな
る。図18は別形状の磁気ヘッドを示す拡大斜視図であ
り、この場合には両方のハーフコアバーに磁路形成溝7
を形成した構造を示している。
【0007】上述のようにハーフコアバー1、2のコア
接合面3、4に軟磁性膜8、9を形成するには、一般的
にはスパッタリング法や真空蒸着法を用いる。スパッタ
装置としては、基板、すなわちここでは成膜対象物であ
るハーフコアバーとターゲットを対向させて配置してマ
グネトロンを用いてスパッタを行なう平板マグネトロン
スパッタ装置や図19に示すような対向ターゲット型の
スパッタ装置が用いられる。この対向ターゲット型のス
パッタ装置は、真空容器13内に一対のターゲット1
4、15を対向させて配置し、且つ両ターゲット14、
15の裏面側に極性を異ならせた永久磁石16、17を
配置して両ターゲット14、15間に水平方向に平行な
プラズマ封じ込め用の磁界18を生ぜしめている。
【0008】そして、両ターゲット14、15間の下方
に、基板Wを載置する基板ホルダ19を水平に設け、こ
の基板ホルダ19と両ターゲット14、15間に高圧直
流源20から高い直流電圧を印加する。これによって、
グロー放電が生じて発生したプラズマが磁界18に閉じ
込められ、そして、導入された例えばアルゴン等のガス
イオンがターゲット14、15に衝突してそこからスパ
ッタされる粒子が基板W上に堆積して成膜されることに
なる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スパッタ法
や真空蒸着法は成膜される材料がほぼ直進的に基板上に
成膜されるため、平面上に形成される膜質は特性が良好
であるが、例えば溝を有するような基板の溝壁面にはス
パッタ粒子の入射角が強くなり、例えば柱状晶が発達し
たように表面がガサガサに荒れた膜が形成されてしま
う。そのため、例えば、前述したようにMIG型の磁気
ヘッドのハーフコアバーに軟磁性膜を形成する場合、コ
ア接合面3、4の平面部に形成された膜質は良くても、
斜めの溝6、7の溝壁面に形成された膜の磁気特性は大
幅に劣化してしまう。従って、溝6、7の両側の壁面と
も良質な膜を形成することはなおさら困難である。
【0010】溝5、6の壁面に柱状晶の膜を形成させな
い手段として、図20に示すように基板ホルダ19の中
央に位置させた基板Wを自転させたり、或いは図21に
示すように基板ホルダ19の偏心させた位置に基板Wを
設けることによって、これを公転させたりしながら成膜
する方法がある。これによれば、溝の壁面にスパッタ粒
子を色々な角度から入射させることによって膜の成長が
一方向とならず、結果的に溝の壁面の膜が滑らかにな
り、ステップカバレッジも良好になる。しかしながら、
この方法では、膜質がスパッタ粒子の入射角に大きく影
響する材料の場合、良好な特性を得ることが困難とな
り、また基板の自転や公転により、平面上の膜質にも悪
影響を与える場合がある。更に、平面部と溝部との角
(エッジ)が丸みを帯びてしまい、トラック幅の精度が
要求される場合には、非常に不利である。
【0011】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に創案されたものであり、その目的は平面部
分のみならず、斜め溝部分に形成される成膜の膜質も向
上させることができるスパッタ装置及びこれを用いた磁
気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、真空容器内に、一対のターゲットを平
行に向かい合わせて配置し、このターゲットの裏面側
に、前記ターゲット間にプラズマ封じ込め用の磁界を形
成する永久磁石を設け、前記ターゲット間の下方に配置
した基板ホルダ上の基板に成膜を施すスパッタ装置にお
いて、前記ターゲットは、鉛直方向に位置ずれさせて配
置されており、前記基板ホルダの載置面は、前記ターゲ
ットの位置ずれ方向に対して傾斜されるように構成され
たものである。
【0013】これにより、基板ホルダ上に、例えば磁気
ヘッド用のハーフコアバーなどの基板を載置してスパッ
タ成膜を行なうことにより、基板の平面部のみならず、
溝の斜めの壁面に対しても表面が滑らかな膜質の良好な
成膜を行なうことが可能となる。この場合、前記ターゲ
ットは、これらのターゲット面の鉛直方向における長さ
が異なって形成されており、前記基板ホルダの載置面は
前記ターゲット面の小さい方のターゲットに向けて上向
き傾斜されているように構成してもよいし、或いは、前
記ターゲットは、これらのターゲット面が鉛直方向から
所定の角度だけ傾斜させて形成され、前記基板ホルダの
載置面は水平になされるように構成してもよい。
【0014】このように構成されたスパッタ装置を用い
て、基板としてハーフコアバーを採用し、このコア接合
面上とトラック幅規制溝の壁面上に軟磁性膜を成膜する
と、全面に亘って表面が滑らかで、しかも膜質の良好な
軟磁性膜を得ることが可能となる。従って、磁気特性の
良好な磁気ヘッドを得ることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るスパッタ装
置及びこれを用いた磁気ヘッドの製造方法の一実施例を
添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明の第1実施
例のスパッタ装置を示す概略構成図である。尚、図19
に示す構成部分と同一部分については同一符号を付して
説明する。図示するように、このスパッタ装置は、内部
が真空引き可能になされた例えばアルミニウム製の真空
容器13を有しており、この内部の上方には、一対のタ
ーゲット14、15が所定の間隔L1を隔てて対向させ
て配置されている。
【0016】ここで各ターゲット14、15は、ターゲ
ット面14A、15Aが鉛直方向に沿って起立した状態
で配置されるが、図19に示した構成とは異なり、いず
れか一方のターゲット、図1中においては右側のターゲ
ット15を所定の間隔L2だけ上方へ(鉛直方向)位置
ずれさせて配置している。そして、各ターゲット14、
15の裏面側には、極性を異ならせた永久磁石16、1
7を配置して両ターゲット14、15間に斜め方向に向
かうプラズマ封じ込め用の磁界18を形成するようにな
っている。尚、ターゲット14、15のターゲット面1
4A、15Aの形状は、円形や方形状等でよく、その形
状は問わない。
【0017】そして、両ターゲット14、15間の下方
には、スパッタ成膜を行なうための基板Wを載置して保
持するための、加熱ヒータ内蔵の基板ホルダ19が設け
られている。特に、この基板ホルダ19の載置面19A
は、図19に示す構成とは異なってターゲット15の位
置ずれ方向に例えば角度θだけ傾斜させて設けられてい
る。この場合、磁界18の方向に対して載置面19Aの
傾斜方向を平行に設定するとは限らず、角度θを所定の
角度の範囲内の一定値となるように設定する。すなわ
ち、基板Wの傾斜角度θは、実際には膜厚の分布や斜め
溝の壁面への膜形成状態によって所定の角度の範囲内で
ある程度任意に選択できるようにする。一例として、タ
ーゲット14、15間の距離L1を100mm、ターゲ
ット14、15の上下間の位置ずれの距離L2を20m
mとすると、角度θは、24度〜28度の範囲内に設定
するのがよい。また、基板ホルダ19と両ターゲット1
4、15間には、例えば2キロボルト程度の高圧直流源
20が接続されており、これらの間に高い直流電圧を印
加できるようになっている。尚、真空容器13内には、
スパッタガスとして不活性ガス、例えばArガスが導入
される。
【0018】次に、以上のように構成されたスパッタ装
置を用いて、表面に金属膜を成膜する場合について説明
する。図2は表面にV字溝が形成された基板に成膜を形
成する時の状態を示す図、図3はV字溝が形成された基
板を示す断面図である。尚、図2中において基板は断面
状態を示している。
【0019】この基板Wとしては、図16を参照して前
述したような第1及び第2のハーフコアバー1、2が用
いられ、ここでは第1のハーフコアバー1を例にとって
説明する。まず、第1のハーフコアバー1は、図3にも
示すように、一辺の長さL4が例えば25mm程度の直
方体形状に形成されており、そのコア接合面3には、複
数の断面V字形のトラック幅規制溝5が多数形成されて
いる。図3においては一例として3つの溝5が示されて
いる。図示例ではトラック幅規制溝5の壁面5A、5B
の水平方向に対する角度及び壁面5A、5B間の角度は
共に60°程度となるように設定されている。隣接する
トラック幅規制溝5、5間の平面部21がトラック幅L
3に対応し、このトラック幅L3は、例えば14μm程
度に設定されている。
【0020】さて、このように形成されている基板とし
ての第1のハーフコアバー1を、コア接合面3が上に向
けられた状態で図1及び図2に示すように基板ホルダ1
9の載置面19A上に載置する。この際、トラック幅規
制溝5の溝方向(図2及び図3中において紙面垂直方
向)がターゲット面14A、15Aと平行となるように
ハーフコアバー1を方向付けする。このようにハーフコ
アバーを載置した状態でスパッタ成膜処理を開始する。
この時、プラズマは図1及び図2において両ターゲット
14、15間に挟まれた断面平行四辺形の領域に形成さ
れることになる。
【0021】成膜状況は、図4に示すように、トラック
幅規制溝5の両側の壁面5A、5Bの部分にはそれぞれ
向かい合う一方のターゲット14、15から飛来するス
パッタ粒子が主に成膜に寄与する。そして、壁面5A及
び5Bと互いに反対側の位置関係となるターゲット1
5、14からの入射角の強いスパッタ粒子は、平面部2
1がシールドの役目を果たしてほとんど反対側の壁面5
A、5Bに到達せず、成膜に寄与しない。すなわち、膜
の特性劣化が激しくなる様な鋭角で入射するスパッタ粒
子膜は壁面5A、5Bにほとんど付着しなくなる。ま
た、平面部21には、両者のターゲット14、15から
のスパッタ粒子が略同等に堆積して成膜される。そのた
め、本スパッタ装置を用いればステップカバレジのよ
い、また平面部21は勿論のこと、溝5の壁面部分にも
質のよい、すなわち表面が平坦で特性が良好な金属溝膜
を得ることが出来る。
【0022】上記したスパッタ装置を用いて磁気ヘッド
を形成する場合には、先の図16(B)において示した
軟磁性膜8、9を形成する際に、上記したスパッタ装置
を用い、図5に示すように第1及び第2のハーフコアバ
ー1、2を基板ホルダ19の斜めの載置面19A上に載
置してスパッタ成膜を行なう。この場合、前述のように
トラック幅規制溝5、6の溝方向22が両ターゲット面
14A、15Aと平行となるように各ハーフコアバー
1、2を方向付けして配置して、各溝5、6の壁面が対
応するターゲットに対向して向かい合うようにする。
【0023】このようにして軟磁性膜8、9をコア接合
面3、4や溝の壁面等に形成したならば、以後の工程
は、図16(C)〜図16(E)に参照して前述した通
りに行なえばよい。このようにして形成された磁気ヘッ
ドの摺動面は、図6に示すようになる。図中、22は第
2のハーフコアバー2の平面部、6A、6Bは壁面であ
る。これにより、平面部は勿論のこと、壁面部に形成さ
れた膜は柱状晶にならずに滑らかで、且つ特性の良好な
軟磁性膜を得ることができるので、磁気ヘッドの磁気特
性を大幅に向上させて、この性能及び信頼性を改善する
ことができる。このようにして形成されるMIG型の磁
気ヘッドは、図6に示すような形状に限定されず、図7
に示すような、いわゆるTSS型のMIG磁気ヘッド及
び図8に示すような、いわゆるX型のMIG磁気ヘッド
にも適用できるのは勿論である。
【0024】尚、上記実施例においては、同一形状の2
つのターゲット14、15の内、いずれか一方のターゲ
ット、例えば図1中において右側のターゲット15を上
方へ位置ずれさせて斜め方向に磁界18を形成する場合
を例にとって説明したが、これに限定されず、2つのタ
ーゲット14、15の鉛直方向における長さを変えるよ
うにしてもよい。例えば図9においては左側のターゲッ
ト14のサイズを大きくしてターゲット面14Aの鉛直
方向における大きさを拡大している。そして、両ターゲ
ット14、15を、これらの鉛直方向における中心位置
が同一水平レベルに位置するように設置する。そして、
基板ホルダ19の載置面19Aを、サイズの小さい方の
ターゲット15に向けて上向き傾斜させる。このように
載置面19Aが、いずれか一方向に上向き傾斜される点
は、図1に示す構造の場合と同じである。
【0025】このように形成することにより、図2に示
すようにサイズの異なるターゲット面14A、15A間
に、断面台形状のプラズマ封じ込め用磁界18が発生す
ることになり、従って、図1に示した場合と同様に、表
面が滑らかな、膜質の良好な軟磁性膜(金属薄膜)の成
膜を行なうことができる。また、図10に示すように一
対のターゲット14、15の両ターゲット面14A、1
5Aを、鉛直方向からいずれか一方に、図10において
は右側方向に所定の角度θ1だけ傾斜させるようにし、
基板ホルダ19の載置面19Aを傾けることなく水平方
向に設定するようにしてもよい。この場合には、断面平
行四辺形のプラズマ封じ込め用磁界18が形成でき、図
1に示した場合と同様に、表面が滑らかな、膜質の良好
な軟磁性膜(金属薄膜)の成膜を行なうことができる。
【0026】次に、図1に示すスパッタ装置を用いて断
面V字形状の溝を有する基板に実際に成膜した時の実施
例の結果を説明する。尚、従来装置により成膜をした時
の膜形成状態も併せて記す。図11は成膜実験を行なっ
た時のスパッタ装置のパラメータを示す概略図である。
基板には、断面V字状のトラック幅規定溝の加工された
MIG型の磁気ヘッド用フェライトブロックを用いた。
この基板上に軟磁性膜を図1に示すスパッタ装置を用い
て成膜し、ギャップボンディングした後、摺動面部を鏡
面加工して平面部および溝部分の斜めの壁面の膜の形成
状態を観察した。基板の寸法(諸元)、形状は図3に示
した通りである。
【0027】本発明のスパッタ装置による軟磁性膜とし
ては、FeN膜を用いた。その成膜条件の一例を以下に
示す。 ターゲット間距離:L1 100mm 1対のターゲットずれ量:L2 30mm ターゲット大きさ:d 100mmφ ターゲット中心から基板最下端までの距離:h1,h2 80mm及び110mm 基板テーパ角度:θ 25° スパッタガス圧 3mTorr Ar/N2 ガス流量 20ccm/3.2ccm 基板加熱温度 約200℃ 膜厚 2〜3μm ギャップボンディング(熱処理) 550℃ 1時間 N2ガス中保持
【0028】図12乃至図15に各種スパッタ法による
軟磁性膜の形成状態のSEM写真を示す。図12は従来
の平板マグネトロン(基板固定)スパッタ装置による成
膜のSEM写真、図13は従来の平板マグネトロン(基
板公転)スパッタ装置(図21参照)による成膜のSE
M写真、図14は従来の対向ターゲット型のスパッタ装
置(図19参照)による成膜のSEM写真、図15は本
発明のスパッタ装置(図1参照)による成膜のSEM写
真をそれぞれ示す。基板内で膜厚分布や入射角分布があ
るので、基板ブロック内の両端及び中央のV溝部分を観
察した。図12から図15において、各図中の図12
(A)〜図15(A)は、基板左端のV溝部分を、図1
2(B)〜図15(B)は基板中央のV溝部分を、図1
2(C)〜図15(C)は基端右端のV溝部分をそれぞ
れ示す。
【0029】図12に示す従来の平板マグネトロンスパ
ッタ装置、図14に示す従来の対向ターゲット型スパッ
タ装置による膜は、いずれも溝の壁面に形成された膜は
柱状成長して表面に微小な凹凸が発生しており、またそ
の発生状況は基板の場所によりかなり異なっている。図
13に示す従来の平板マグネトロンスパッタ装置による
膜に関しては、溝に形成された膜は、膜質の表面が滑ら
かになっており、柱状成長していない。これは、基板を
公転移動させながら成膜することによって膜の入射角が
連続的に変わって行き、一方向に柱状成長しないためで
ある。しかしながら、この方法では平面部、壁面部があ
るゆる角度から膜(スパッタ粒子)が入射するため、膜
(スパッタ粒子)の入射角依存性が大きい軟磁性膜の場
合は良好な特性を得ることが困難となる。また、トラッ
クエッジが丸みを帯びてしまっているので好ましくな
い。特に、高精度のトラック幅を要求される場合やエッ
ジのだれによる磁束のフリンジングがノイズなどの悪影
響として現れる場合はこの方法を用いることは難しい。
【0030】これに対して、図15に示す本発明のスパ
ッタ装置による膜に関しては、溝に形成された膜は滑ら
かであり、柱状成長していない。また、両側のトラック
エッジの少なくとも一方はシャープに現れており、トラ
ック幅も精度よく確保でき、且つ磁束のフリンジングも
低減できる。勿論、ターゲット−基板間距離などのスパ
ッタ条件の最適値を見いだせば両側のトラックエッジと
もシャープにすることは十分可能である。
【0031】尚、以上の各実施例では、スパッタ装置を
用いて磁気ヘッドの軟磁性膜を形成する場合を例にとっ
て説明したが、これに限定されず、金属薄膜を成膜する
ことが求められる全ての電子部品に対して、本発明のス
パッタ装置を用いることができるのは勿論である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
装置及びこれを用いた磁気ヘッドの製造方法によれば次
のように優れた作用効果を発揮することができる。一対
のターゲットを上下方向に位置ずれさせて配置すると共
に基板ホルダの載置面をターゲットの位置ずれ方向に傾
斜させることにより、断面V字状の溝が形成されている
基板に対しても、ステップカパレジが良好な、しかも、
溝の壁面に対して柱状晶が成長しない表面が滑らかな成
膜を施すことができる。一対のターゲット面の鉛直方向
における長さを異ならせて、且つ基板ホルダの載置面を
ターゲット面が小さい方に上向き傾斜させることによ
り、断面V字状の溝が形成されている基板に対しても、
ステップカパレジが良好な、しかも、溝の壁面に対して
柱状晶が成長しない表面が滑らかな成膜を施すことがで
きる。
【0033】一対のターゲット面を鉛直方向から所定の
角度だけ傾斜させて、且つ基板ホルダの載置面を水平に
することにより、断面V字状の溝が形成されている基板
に対しても、ステップカパレジが良好な、しかも、溝の
壁面に対して柱状晶が成長しない表面が滑らかな成膜を
施すことができる。また、上記した成膜方法を、磁気ヘ
ッドの軟磁性膜の形成に適用することにより、トラック
幅規制溝の壁面にも表面が滑らかな膜質の良好な成膜を
施すことができるので、磁気ヘッドの特性を大幅に向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のスパッタ装置を示す概略
構成図である。
【図2】表面にV字溝が形成された基板に成膜を形成す
る時の状態を示す図である。
【図3】V字溝が形成された基板を示す断面図である。
【図4】トラック幅規制溝の壁面にスパッタ粒子が堆積
する状態を示す図である。
【図5】スパッタ装置によりハーフコアバーに成膜する
状態を示す模式図である。
【図6】磁気ヘッドの摺動面を示す拡大平面図である。
【図7】他の形式の磁気ヘッドの摺動面を示す拡大平面
図である。
【図8】更に他の形式の磁気ヘッドの摺動面を示す拡大
平面図である。
【図9】本発明の第2実施例のスパッタ装置を示す概略
構成図である。
【図10】本発明の第3実施例のスパッタ装置を示す概
略構成図である。
【図11】成膜実験を行なった時のスパッタ装置のパラ
メータを示す概略図である。
【図12】従来の平板マグネトロン(基板固定)スパッ
タ装置による成膜のSEM写真である。
【図13】従来の平板マグネトロン(基板公転)スパッ
タ装置による成膜のSEM写真である。
【図14】従来の対向ターゲット型のスパッタ装置によ
る成膜のSEM写真である。
【図15】本発明のスパッタ装置による成膜のSEM写
真である。
【図16】磁気ヘッドの一般的な製造方法を説明するた
めの工程図である。
【図17】磁気ヘッドの摺動面を示す拡大図である。
【図18】他の形式の磁気ヘッドを示す拡大図である。
【図19】従来のスパッタ装置を示す概略構成図であ
る。
【図20】従来の他のスパッタ装置を示す概略構成図で
ある。
【図21】従来の更に他のスパッタ装置を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1…第1のハーフコアバー、2…第2のハーフコアバ
ー、3,4…コア接合面、5,6…トラック幅規制溝、
5A,5B,6A,6B…壁面、8,9…軟磁性膜、1
0…ギャップ膜、11…ガラス、12…磁気ギャップ、
13…真空容器、14,15…ターゲット、14A,1
5A…ターゲット面、16,17…永久磁石、18…プ
ラズマ封じ込め用磁界、19…基板ホルダ、19A…載
置面、21…平面部、22…溝方向、W…基板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に、一対のターゲットを平行
    に向かい合わせて配置し、このターゲットの裏面側に、
    前記ターゲット間にプラズマ封じ込め用の磁界を形成す
    る永久磁石を設け、前記ターゲット間の下方に配置した
    基板ホルダ上に載置された基板に成膜を施すスパッタ装
    置において、前記ターゲットは、鉛直方向に位置ずれさ
    せて配置されており、且つ前記基板ホルダの載置面は、
    前記ターゲットの位置ずれ方向に対して傾斜されている
    ことを特徴とするスパッタ装置。
  2. 【請求項2】 真空容器内に、一対のターゲットを平行
    に向かい合わせて配置し、このターゲットの裏面側に、
    前記ターゲット間にプラズマ封じ込め用の磁界を形成す
    る永久磁石を設け、前記ターゲット間の下方に配置した
    基板ホルダ上に載置された基板に成膜を施すスパッタ装
    置において、前記ターゲットは、これらのターゲット面
    の鉛直方向における長さが異なって形成されており、前
    記基板ホルダの載置面は前記ターゲット面の小さい方の
    ターゲットに向けて上向き傾斜されていることを特徴と
    するスパッタ装置。
  3. 【請求項3】 真空容器内に、一対のターゲットを平行
    に向かい合わせて配置し、このターゲットの裏面側に、
    前記ターゲット間にプラズマ封じ込め用の磁界を形成す
    る永久磁石を設け、前記ターゲット間の下方に配置した
    基板ホルダ上に載置された基板に成膜を施すスパッタ装
    置において、前記ターゲットは、これらのターゲット面
    が鉛直方向から所定の角度だけ傾斜させて形成され、前
    記基板ホルダの載置面は水平になされていることを特徴
    とするスパッタ装置。
  4. 【請求項4】 第1及び第2のハーフコアバーのコア接
    合面にV字状のトラック幅規制溝を形成する工程と、請
    求項1乃至3に規定されるスパッタ装置の基板ホルダ上
    に、前記トラック幅規制溝の溝方向が前記ターゲット面
    と平行となるように前記第1及び第2のハーフコアバー
    を配置して前記コア接合面上及び前記溝の壁面上に軟磁
    性膜を成膜する工程と、前記コア接合面の軟磁性膜上に
    ギャップ幅相当になる非磁性材料を成膜してギャップ膜
    を形成する工程と、前記第1及び第2のハーフコアバー
    を突き合わせてガラスにて接合する工程と、接合された
    前記第1及び第2のハーフコアバーを1枚毎のコアチッ
    プに切断する工程とよりなることを特徴とする磁気ヘッ
    ドの製造方法。
JP15439397A 1997-05-28 1997-05-28 スパッタ装置及びこれを用いた磁気ヘッドの製造方法 Pending JPH10330930A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007108757A1 (en) * 2006-03-21 2007-09-27 Sandvik Intellectual Property Ab Edge coating in continuous deposition line
JP2008156743A (ja) * 2006-11-30 2008-07-10 Kobe Steel Ltd 対向ターゲットスパッタ装置及び対向ターゲットスパッタ方法
US7875360B2 (en) 2003-12-05 2011-01-25 Sandvik Intellectual Property Ab Steel strip coated with zirconia

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