JPH10330083A - スライドシュー - Google Patents
スライドシューInfo
- Publication number
- JPH10330083A JPH10330083A JP14036897A JP14036897A JPH10330083A JP H10330083 A JPH10330083 A JP H10330083A JP 14036897 A JP14036897 A JP 14036897A JP 14036897 A JP14036897 A JP 14036897A JP H10330083 A JPH10330083 A JP H10330083A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slide
- slide shoe
- groove
- sliding
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スティックスリップの発生を防止し、しか
も、メンテナンスフリーを実現する。 【解決手段】 スライドシュー6の摺動面6aに摺動方
向中心線から互いに間隔をおいて交互にその両側に向か
って摺動方向に対して傾斜する溝6dを形成した。
も、メンテナンスフリーを実現する。 【解決手段】 スライドシュー6の摺動面6aに摺動方
向中心線から互いに間隔をおいて交互にその両側に向か
って摺動方向に対して傾斜する溝6dを形成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動部分に配設さ
れるスライドシューに関し、具体的には、建設機械に装
備される伸縮式ブーム等の摺動部分に配設されるスライ
ドシューに関する。
れるスライドシューに関し、具体的には、建設機械に装
備される伸縮式ブーム等の摺動部分に配設されるスライ
ドシューに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、建設機械用クレーンのブームは
クレーン車両等に起伏、旋回自在に装備されるが、揚程
の長いものについては、通常、複数のブームを伸縮自在
に組み合わせてなる伸縮式ブームが用いられている。こ
の種の伸縮式ブームは、非作業時は、伸縮ブームを入れ
子式に第1段(車両側)ブーム内に収納して収縮させ、
作業時は、伸縮ブームを、必要揚程に応じて、順次引き
出して伸長させるものである。スライドシューは、この
ような伸縮式ブームにおいて、ブーム相互間の摺動部分
に介在し、ブームの円滑な伸縮動作を可能にする役割を
もつ。
クレーン車両等に起伏、旋回自在に装備されるが、揚程
の長いものについては、通常、複数のブームを伸縮自在
に組み合わせてなる伸縮式ブームが用いられている。こ
の種の伸縮式ブームは、非作業時は、伸縮ブームを入れ
子式に第1段(車両側)ブーム内に収納して収縮させ、
作業時は、伸縮ブームを、必要揚程に応じて、順次引き
出して伸長させるものである。スライドシューは、この
ような伸縮式ブームにおいて、ブーム相互間の摺動部分
に介在し、ブームの円滑な伸縮動作を可能にする役割を
もつ。
【0003】従来、この種のスライドシューの形状とし
ては、ブームとの摺動面は画一的な平面状のものが使用
されていた。
ては、ブームとの摺動面は画一的な平面状のものが使用
されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような伸縮式ブ
ームの実作業において、ブームを伸縮させると摺動部分
にスティックスリップが発生する場合があった。この摺
動部分のスティックスリップは、前述した従来のスライ
ドシューでは、摺動部分が画一的な平面であるために当
該スライドシューとブームより発生する摩耗粉が外部へ
排出されず、この摩耗粉が後述するように凝集すること
により発生すると考えられ、ブーム伸縮時の異音発生、
ブーム上下動不良の要因となる場合もある。摩耗粉は、
スライドシュー表面に潤滑剤を使用している場合におい
ては、その潤滑剤が接着剤的な働きをして凝集し、一
方、スライドシュー表面に潤滑剤を使用していない場合
においては、摩耗熱により凝集すると考えられる。
ームの実作業において、ブームを伸縮させると摺動部分
にスティックスリップが発生する場合があった。この摺
動部分のスティックスリップは、前述した従来のスライ
ドシューでは、摺動部分が画一的な平面であるために当
該スライドシューとブームより発生する摩耗粉が外部へ
排出されず、この摩耗粉が後述するように凝集すること
により発生すると考えられ、ブーム伸縮時の異音発生、
ブーム上下動不良の要因となる場合もある。摩耗粉は、
スライドシュー表面に潤滑剤を使用している場合におい
ては、その潤滑剤が接着剤的な働きをして凝集し、一
方、スライドシュー表面に潤滑剤を使用していない場合
においては、摩耗熱により凝集すると考えられる。
【0005】そのため、従来、スライドシューを頻繁に
交換することにより摩耗粉の凝集を防いでスティックス
リップの抑制を図っているが、スライドシューを頻繁に
交換するとなると、そのメンテナンス作業に多大な労力
と時間が必要であるとともに、多大な費用負担もかか
り、不経済である。
交換することにより摩耗粉の凝集を防いでスティックス
リップの抑制を図っているが、スライドシューを頻繁に
交換するとなると、そのメンテナンス作業に多大な労力
と時間が必要であるとともに、多大な費用負担もかか
り、不経済である。
【0006】そこで、本発明は、上述したようなスティ
ックスリップの発生を防止し、しかも、メンテナンスフ
リーを実現したスライドシューを提供しようとするもの
である。
ックスリップの発生を防止し、しかも、メンテナンスフ
リーを実現したスライドシューを提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のスライドシュー
は、その摺動面に側壁が摺動方向に対して傾斜し、か
つ、一端が行き止りで他端が側端縁に開放する溝を形成
したものである。
は、その摺動面に側壁が摺動方向に対して傾斜し、か
つ、一端が行き止りで他端が側端縁に開放する溝を形成
したものである。
【0008】また、本発明のスライドシューは、上記溝
が、摺動面の摺動方向中心線から互いに間隔をおいて交
互にその両側に向かって形成されている。
が、摺動面の摺動方向中心線から互いに間隔をおいて交
互にその両側に向かって形成されている。
【0009】また、本発明のスライドシューは、上記溝
の両側壁が、摺動方向に対して相反する方向に傾斜して
形成されている。
の両側壁が、摺動方向に対して相反する方向に傾斜して
形成されている。
【0010】本発明のスライドシューによると、ブーム
の伸縮動作により摺動部分に発生する摩耗粉が摺動面の
溝に入り込み、この溝を通って外部へ排出される。これ
によりスライドシューの摺動面での摩耗粉の凝集が防止
されるため、摺動部分におけるスティックスリップを防
止することができる。
の伸縮動作により摺動部分に発生する摩耗粉が摺動面の
溝に入り込み、この溝を通って外部へ排出される。これ
によりスライドシューの摺動面での摩耗粉の凝集が防止
されるため、摺動部分におけるスティックスリップを防
止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一例である実施形
態について説明する。
態について説明する。
【0012】図1(a)は、伸縮式ブーム1を装備した
建設用クレーン車を例示している。伸縮式ブーム1は、
例えば3つのブーム(車両側から第1段ブーム1a、第
2段ブーム1b、第3段ブーム1c)を入れ子式に伸縮
自在に組み合わせたものである。第1段ブーム1aは車
両2に起伏・旋回自在に装着され、第3段ブーム1cに
はシーブ3が枢着されている。ワイヤロープ4の作動に
よりフック5が吊り上げ・吊り下げ操作される。このよ
うな伸縮式ブーム1において、スライドシューは、各ブ
ーム相互間の摺動部分A、Bに介在し、ブームの円滑な
伸縮動作を可能にする装置に取付けられる。この図から
もわかるように、伸縮式ブームには、吊り上げる重量物
より大きな荷重がかかることが考えられ、従ってスライ
ドシューにも大きな面圧がかかると考えられる。
建設用クレーン車を例示している。伸縮式ブーム1は、
例えば3つのブーム(車両側から第1段ブーム1a、第
2段ブーム1b、第3段ブーム1c)を入れ子式に伸縮
自在に組み合わせたものである。第1段ブーム1aは車
両2に起伏・旋回自在に装着され、第3段ブーム1cに
はシーブ3が枢着されている。ワイヤロープ4の作動に
よりフック5が吊り上げ・吊り下げ操作される。このよ
うな伸縮式ブーム1において、スライドシューは、各ブ
ーム相互間の摺動部分A、Bに介在し、ブームの円滑な
伸縮動作を可能にする装置に取付けられる。この図から
もわかるように、伸縮式ブームには、吊り上げる重量物
より大きな荷重がかかることが考えられ、従ってスライ
ドシューにも大きな面圧がかかると考えられる。
【0013】図1(b)は、伸縮式ブーム1における摺
動部分Aの断面(b−b断面、摺動部分Bも摺動部分A
と同様の構成である。)を示す。第2段ブーム1b(ア
ウター側)の下板1b1 、上板1b2 、両側板1c3 の
先端部内壁面にそれぞれ一対のスライドシュー6が装着
され、スライドシュー6の摺動面6aに第3段ブーム
(インナー側)が摺動自在に挿入されている。
動部分Aの断面(b−b断面、摺動部分Bも摺動部分A
と同様の構成である。)を示す。第2段ブーム1b(ア
ウター側)の下板1b1 、上板1b2 、両側板1c3 の
先端部内壁面にそれぞれ一対のスライドシュー6が装着
され、スライドシュー6の摺動面6aに第3段ブーム
(インナー側)が摺動自在に挿入されている。
【0014】図2に示すように、スライドシュー6は、
フッ素系樹脂を含有するポリアミド系樹脂からなる板状
の樹脂成形体で形成され、第2段ブーム1b(および第
1段ブーム1a)の下板(および上板、両側版)の先端
部内壁面に適宜の手段で固定される。また、スライドシ
ュー6の摺動面6aには、摺動方向に対して傾斜する一
端が行き止りの溝6dが等間隔に削設される。これら溝
6dは、摺動面6aの摺動方向中心線から互いに間隔を
おいて交互にその両側に向かって斜め方向に延びてお
り、その先端が側端縁に開放される。
フッ素系樹脂を含有するポリアミド系樹脂からなる板状
の樹脂成形体で形成され、第2段ブーム1b(および第
1段ブーム1a)の下板(および上板、両側版)の先端
部内壁面に適宜の手段で固定される。また、スライドシ
ュー6の摺動面6aには、摺動方向に対して傾斜する一
端が行き止りの溝6dが等間隔に削設される。これら溝
6dは、摺動面6aの摺動方向中心線から互いに間隔を
おいて交互にその両側に向かって斜め方向に延びてお
り、その先端が側端縁に開放される。
【0015】このスライドシュー6は、ボルト取付面6
bを形成し、例えばボルト7で第2段ブーム1b(およ
び第1段ブーム1a)の下板1b1 (および上板1b2
両側板1b3 )に固定する構成にしてある。ボルト取付
面6bは、ボルト7の頭部の高さよりも摺動面6aから
下がっており、そのため、締付け後、ボルト7の頭部は
摺動面6aから突出することはない。スライドシュー6
の下面6cはボルト7の締付け力により、第2段ブーム
1b(および第1段ブーム1a)の内壁面に密着してい
る。
bを形成し、例えばボルト7で第2段ブーム1b(およ
び第1段ブーム1a)の下板1b1 (および上板1b2
両側板1b3 )に固定する構成にしてある。ボルト取付
面6bは、ボルト7の頭部の高さよりも摺動面6aから
下がっており、そのため、締付け後、ボルト7の頭部は
摺動面6aから突出することはない。スライドシュー6
の下面6cはボルト7の締付け力により、第2段ブーム
1b(および第1段ブーム1a)の内壁面に密着してい
る。
【0016】このスライドシュー6によると、摺動面6
aに摺動方向に対し角度を有する一端が行き止りの溝6
dを形成してあるため、ブームの伸縮動作により第3段
ブーム1c(第2段ブーム1b)とスライドシュー6の
摺動部分A(および摺動部分B)に発生する摩耗粉が摺
動面6aの溝6dに入り込み、この溝6dを通って外部
へ排出される。これによりスライドシュー6の摺動面6
aでの摩耗粉の凝集が防止されるため、第3段ブーム1
c(第2段ブーム1b)とスライドシュー6の摺動部分
A(および摺動部分B)におけるスティックスリップを
防止することができる。
aに摺動方向に対し角度を有する一端が行き止りの溝6
dを形成してあるため、ブームの伸縮動作により第3段
ブーム1c(第2段ブーム1b)とスライドシュー6の
摺動部分A(および摺動部分B)に発生する摩耗粉が摺
動面6aの溝6dに入り込み、この溝6dを通って外部
へ排出される。これによりスライドシュー6の摺動面6
aでの摩耗粉の凝集が防止されるため、第3段ブーム1
c(第2段ブーム1b)とスライドシュー6の摺動部分
A(および摺動部分B)におけるスティックスリップを
防止することができる。
【0017】次に、上記実施例に示す試験片を作製し、
これと比較例として作製した溝なしの試験片について往
復試験機にて比較試験を行い、その結果を図3および図
4に示した。尚、実施例および比較例とも、試験片の寸
法は18×62×6(mm)であり、相手材は鋼板を研
削したものである。尚、鋼板の表面には、錆発生防止の
ための錆止め塗料を塗布してある。試験片の材質は、M
Cナイロン(三菱樹脂社製:MC701SL)を用い
た。
これと比較例として作製した溝なしの試験片について往
復試験機にて比較試験を行い、その結果を図3および図
4に示した。尚、実施例および比較例とも、試験片の寸
法は18×62×6(mm)であり、相手材は鋼板を研
削したものである。尚、鋼板の表面には、錆発生防止の
ための錆止め塗料を塗布してある。試験片の材質は、M
Cナイロン(三菱樹脂社製:MC701SL)を用い
た。
【0018】図3および図4に示す試験結果から明らか
なように、実施例の試験片はグリースの有無、面圧の大
小にかかわらず、スティックスリップの発生が認められ
なかった。
なように、実施例の試験片はグリースの有無、面圧の大
小にかかわらず、スティックスリップの発生が認められ
なかった。
【0019】尚、上記実施例では、スライドシュー6の
摺動面6aに形成した溝6dの両側壁が摺動方向に対し
同じ方向に傾斜しているが、図5に示すように、溝6d
の両側壁を摺動方向に対して相反する方向に末広がりに
傾斜しても良い。
摺動面6aに形成した溝6dの両側壁が摺動方向に対し
同じ方向に傾斜しているが、図5に示すように、溝6d
の両側壁を摺動方向に対して相反する方向に末広がりに
傾斜しても良い。
【0020】また、上記実施例では、溝6dの深さは均
一であるが、摺動面6aの摺動方向中心線から両側端縁
に向かって溝6dの深さを漸次大きくすれば、摩耗粉の
排出が良好である。これらの傾斜角度は、スライドシュ
ーの摺動方向を基準(0°)とした場合、例えば0°を
越え90°未満、好ましくは30〜89°、更に好まし
くは45〜88°、より好ましくは60〜87°であれ
ばよく、少なくとも摺動方向を基準(0°)として45
°以上の傾斜角度であれば、摺動方向に移動する摩耗粉
は良好に溝6d内に入り込むと期待できるので好まし
い。また、溝6dの行き止まりの端部は、図2(a),
図5にも示されているように、摺動面6aを摺動方向か
ら真上に見て、左右交互に刻設された溝6dの両開放端
縁間の略中心部に設けてあるため、交互でありながら対
称型となり、摺動方向に対する左右のブレ等も発生しに
くくなると考えられ、摺動方向性が安定すると考えられ
る。また、摺動面6aを真上から見て、溝6dの総合面
積は摺動面6aのうちの例えば50%以下、好ましくは
2〜40%、更に好ましくは3〜30%、より好ましく
は5〜25%とすればよい。2%未満では、本発明の効
果を充分に発揮できず、また、摩擦抵抗を低減し難く、
50%を越える広い面積では、面圧が上昇し、摩耗の原
因となることが考えられる。尚、仕様・条件によって
は、溝6dの総合面積は、上記数値範囲内のものでなく
てもよい。
一であるが、摺動面6aの摺動方向中心線から両側端縁
に向かって溝6dの深さを漸次大きくすれば、摩耗粉の
排出が良好である。これらの傾斜角度は、スライドシュ
ーの摺動方向を基準(0°)とした場合、例えば0°を
越え90°未満、好ましくは30〜89°、更に好まし
くは45〜88°、より好ましくは60〜87°であれ
ばよく、少なくとも摺動方向を基準(0°)として45
°以上の傾斜角度であれば、摺動方向に移動する摩耗粉
は良好に溝6d内に入り込むと期待できるので好まし
い。また、溝6dの行き止まりの端部は、図2(a),
図5にも示されているように、摺動面6aを摺動方向か
ら真上に見て、左右交互に刻設された溝6dの両開放端
縁間の略中心部に設けてあるため、交互でありながら対
称型となり、摺動方向に対する左右のブレ等も発生しに
くくなると考えられ、摺動方向性が安定すると考えられ
る。また、摺動面6aを真上から見て、溝6dの総合面
積は摺動面6aのうちの例えば50%以下、好ましくは
2〜40%、更に好ましくは3〜30%、より好ましく
は5〜25%とすればよい。2%未満では、本発明の効
果を充分に発揮できず、また、摩擦抵抗を低減し難く、
50%を越える広い面積では、面圧が上昇し、摩耗の原
因となることが考えられる。尚、仕様・条件によって
は、溝6dの総合面積は、上記数値範囲内のものでなく
てもよい。
【0021】更に、上記実施例では、溝6dの断面形状
が主に矩形断面に近似する形状であるが、本発明では、
矩形断面形状の詳細部分を説明すると、図6(f)に示
されるように、摺動面6aの溝開口部分における角部
は、図2,図5ともC面取り形状である。その他の断面
形状を紹介してみれば、例えば図6(a)〜(h)に示
すように、種々の断面形状とすることができる。即ち、
図6(a)はV型断面、図6(b)は台形断面、図6
(c)は円弧状断面、図6(d)は縦方向の楕円弧状断
面、図6(e)は横方向の楕円弧状断面、図6(f)は
先にも説明したとおりの溝開口部に面取り部を有する矩
形断面、図6(g)は溝開口部に面取り部を有する円弧
状断面、図6(h)は溝開口部に面取り部を有する縦方
向の楕円弧状断面である。
が主に矩形断面に近似する形状であるが、本発明では、
矩形断面形状の詳細部分を説明すると、図6(f)に示
されるように、摺動面6aの溝開口部分における角部
は、図2,図5ともC面取り形状である。その他の断面
形状を紹介してみれば、例えば図6(a)〜(h)に示
すように、種々の断面形状とすることができる。即ち、
図6(a)はV型断面、図6(b)は台形断面、図6
(c)は円弧状断面、図6(d)は縦方向の楕円弧状断
面、図6(e)は横方向の楕円弧状断面、図6(f)は
先にも説明したとおりの溝開口部に面取り部を有する矩
形断面、図6(g)は溝開口部に面取り部を有する円弧
状断面、図6(h)は溝開口部に面取り部を有する縦方
向の楕円弧状断面である。
【0022】このような面取り部は、溝6dの幅、深さ
のうちの少なくともいずれか一方の1〜30%、好まし
くは2〜20%、更に好ましくは5〜15%程度に設定
すれば、角部は直角でなくなるので、角部によるスティ
ックスリップの発生を妨げるものと考えられる。このよ
うな面取りの角部は、摺動面6aを基準面(0°)とし
た場合、例えば0°を越えて90°未満(1〜89
°)、好ましくは2〜60°、更に好ましくは3〜45
°とすればよい。この角度が小さすぎると、ほとんど平
面な形状に近くなるため、実質的に面取りを設ける効果
が発揮できず、大きすぎると直角に近づくのでスティッ
クスリップの原因となることも予想される。また、角部
をなるべく丸くするために成形体にタンブリング処理
(たる研磨)を施せば、角部全体が例えば約R0.3m
m以下や、また、約R0.1mm以下の微少な曲率を有
することになり好ましい。この場合、上記のような面取
り角度が設けてあれば、たる研磨用の粒状砥石の形状や
大きさ(例えば平均粒径)等にもよるが、粒状砥石が溝
6dにつまりにくいことも期待できる。
のうちの少なくともいずれか一方の1〜30%、好まし
くは2〜20%、更に好ましくは5〜15%程度に設定
すれば、角部は直角でなくなるので、角部によるスティ
ックスリップの発生を妨げるものと考えられる。このよ
うな面取りの角部は、摺動面6aを基準面(0°)とし
た場合、例えば0°を越えて90°未満(1〜89
°)、好ましくは2〜60°、更に好ましくは3〜45
°とすればよい。この角度が小さすぎると、ほとんど平
面な形状に近くなるため、実質的に面取りを設ける効果
が発揮できず、大きすぎると直角に近づくのでスティッ
クスリップの原因となることも予想される。また、角部
をなるべく丸くするために成形体にタンブリング処理
(たる研磨)を施せば、角部全体が例えば約R0.3m
m以下や、また、約R0.1mm以下の微少な曲率を有
することになり好ましい。この場合、上記のような面取
り角度が設けてあれば、たる研磨用の粒状砥石の形状や
大きさ(例えば平均粒径)等にもよるが、粒状砥石が溝
6dにつまりにくいことも期待できる。
【0023】ちなみに、上記実施例でスライドシュー6
は、射出成形可能な合成樹脂を主成分とする組成物が好
ましい。具体的に説明すると、フッ素系樹脂を含有する
ポリアミド系樹脂で形成したのは、前述したように、ス
ライドシュー6には良好な摺動特性、耐荷重性、耐侯性
とが同時に要求されるためである。ベース樹脂となるポ
リアミド系樹脂の特性としては、機械的特性に優れ、
特に耐衝撃性が良好であること、表面硬度が大きく耐
摩耗性に優れていること、自己潤滑性があること、
易成形性に優れていること等を挙げることができ、ま
た、フッ素系樹脂の特性としては、特に、低摩耗係数
であること、優れた非粘着性を有すること、吸水性
が低いこと、耐侯性が良いこと等を挙げることができ
る。フッ素系樹脂を含有するポリアミド系樹脂は、上記
のようなポリアミド系樹脂の有する優れた耐荷重性、耐
衝撃性、耐摩耗性と、フッ素系樹脂の有する優れた摺動
特性、耐侯性とを兼ね備えた合成樹脂であり、これを用
いて形成されるスライドシュー6は、上記の要求特性に
充分対応し得るものとなる。また、吸水性の低いフッ素
系樹脂を含有させることにより、ポリアミド系樹脂の吸
水性が改善されるので、スライドシュー6は寸法安定性
にも優れている。
は、射出成形可能な合成樹脂を主成分とする組成物が好
ましい。具体的に説明すると、フッ素系樹脂を含有する
ポリアミド系樹脂で形成したのは、前述したように、ス
ライドシュー6には良好な摺動特性、耐荷重性、耐侯性
とが同時に要求されるためである。ベース樹脂となるポ
リアミド系樹脂の特性としては、機械的特性に優れ、
特に耐衝撃性が良好であること、表面硬度が大きく耐
摩耗性に優れていること、自己潤滑性があること、
易成形性に優れていること等を挙げることができ、ま
た、フッ素系樹脂の特性としては、特に、低摩耗係数
であること、優れた非粘着性を有すること、吸水性
が低いこと、耐侯性が良いこと等を挙げることができ
る。フッ素系樹脂を含有するポリアミド系樹脂は、上記
のようなポリアミド系樹脂の有する優れた耐荷重性、耐
衝撃性、耐摩耗性と、フッ素系樹脂の有する優れた摺動
特性、耐侯性とを兼ね備えた合成樹脂であり、これを用
いて形成されるスライドシュー6は、上記の要求特性に
充分対応し得るものとなる。また、吸水性の低いフッ素
系樹脂を含有させることにより、ポリアミド系樹脂の吸
水性が改善されるので、スライドシュー6は寸法安定性
にも優れている。
【0024】ポリアミド(PA:ナイロン)系樹脂とし
ては、例えばポリアミド6樹脂、ポリアミド6−6樹
脂、ポリアミド4−6樹脂、ポリアミド6−10樹脂、
ポリアミド6−12樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリア
ミド12樹脂、芳香族系ポリアミド(パラ系芳香族ポリ
アミド、メタ系芳香族ポリアミド)樹脂等を用いること
ができる。その中でも、ポリアミド12樹脂、ポリアミ
ド4−6樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂が望ましい。こ
のような射出成形可能な合成樹脂組成物は、溶融粘度が
せん断速度1×(102 〜104 )sec-1、好ましく
は1×103 sec-1にて1×(102 〜105 )ポイ
ズ、好ましくは1×(103 〜104 )ポイズのもので
あれば、射出成形性に優れる。また、結晶性樹脂のも
の、例えば最大結晶化度が少なくとも20%以上、好ま
しくは30〜80%の主に結晶性を有する樹脂材であれ
ば、機械的強度にも優れ好ましい。このような摺動性合
成樹脂材は、例えば30重量%以上、好ましくは50重
量%〜90重量%成形体中に含有されていれば、機械的
強度、成形性とも良好なため好ましい。
ては、例えばポリアミド6樹脂、ポリアミド6−6樹
脂、ポリアミド4−6樹脂、ポリアミド6−10樹脂、
ポリアミド6−12樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリア
ミド12樹脂、芳香族系ポリアミド(パラ系芳香族ポリ
アミド、メタ系芳香族ポリアミド)樹脂等を用いること
ができる。その中でも、ポリアミド12樹脂、ポリアミ
ド4−6樹脂、芳香族系ポリアミド樹脂が望ましい。こ
のような射出成形可能な合成樹脂組成物は、溶融粘度が
せん断速度1×(102 〜104 )sec-1、好ましく
は1×103 sec-1にて1×(102 〜105 )ポイ
ズ、好ましくは1×(103 〜104 )ポイズのもので
あれば、射出成形性に優れる。また、結晶性樹脂のも
の、例えば最大結晶化度が少なくとも20%以上、好ま
しくは30〜80%の主に結晶性を有する樹脂材であれ
ば、機械的強度にも優れ好ましい。このような摺動性合
成樹脂材は、例えば30重量%以上、好ましくは50重
量%〜90重量%成形体中に含有されていれば、機械的
強度、成形性とも良好なため好ましい。
【0025】フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフ
ロロエチレン樹脂(PCTFE)、ポリビニルフルオラ
イド樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂が挙げられる。そ
の中でも、テトラフルオロエチレン系樹脂は、分子構造
中に −(CF2 −CF2 )− を有し、摺動性、耐熱性に優れており、例えばポリテト
ラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(EPE)等の樹脂が挙
げられ、その中でも、PTFE、PFA、FEP、ET
FEが望ましく、特に格骨である炭素の周囲を全て、或
いは、少量の酸素等を介在させてフッ素を囲んだ構造を
有するパーフルオロ系のテトラフルオロエチレン樹脂
(PTFE、PFA、FEP)が望ましい。そして仕様
・条件によっては、上記フッ素系樹脂を主成分とするス
ライドシューであってもよい。これらに炭素繊維、ガラ
ス繊維、金属酸化物、黒鉛類等を併用して一種以上添加
されていることが好ましく、繊維類で補強し、金属酸化
物等は摺動時の異音の発生を低減させるために配合する
ことが好ましい。伸縮式ブーム用のスライドシューに
は、大きな荷重がかかることは先にも説明したが、その
ような荷重に対して耐クリープ性等の機械的特性を向上
させるためにも、上記繊維類を例えば1〜40重量%、
好ましくは5〜30重量%程度、より好ましくは10〜
20重量%含有せしめることは有効な手段である。しか
し、仕様・条件等によっては上記充填材等は配合されな
くてもよい。
フルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフ
ロロエチレン樹脂(PCTFE)、ポリビニルフルオラ
イド樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂が挙げられる。そ
の中でも、テトラフルオロエチレン系樹脂は、分子構造
中に −(CF2 −CF2 )− を有し、摺動性、耐熱性に優れており、例えばポリテト
ラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(EPE)等の樹脂が挙
げられ、その中でも、PTFE、PFA、FEP、ET
FEが望ましく、特に格骨である炭素の周囲を全て、或
いは、少量の酸素等を介在させてフッ素を囲んだ構造を
有するパーフルオロ系のテトラフルオロエチレン樹脂
(PTFE、PFA、FEP)が望ましい。そして仕様
・条件によっては、上記フッ素系樹脂を主成分とするス
ライドシューであってもよい。これらに炭素繊維、ガラ
ス繊維、金属酸化物、黒鉛類等を併用して一種以上添加
されていることが好ましく、繊維類で補強し、金属酸化
物等は摺動時の異音の発生を低減させるために配合する
ことが好ましい。伸縮式ブーム用のスライドシューに
は、大きな荷重がかかることは先にも説明したが、その
ような荷重に対して耐クリープ性等の機械的特性を向上
させるためにも、上記繊維類を例えば1〜40重量%、
好ましくは5〜30重量%程度、より好ましくは10〜
20重量%含有せしめることは有効な手段である。しか
し、仕様・条件等によっては上記充填材等は配合されな
くてもよい。
【0026】ポリアミド系樹脂とPTFE等のフッ素系
樹脂との混合物を作る方法としては、例えばポリアミド
樹脂はじめ上記フッ素系樹脂、金属酸化物、黒鉛、繊維
類等を粉砕機によるか、または製造工程中に直接もしく
は間接的に例えば300〜800μm以下や、70〜8
0μm以下程度、特に10〜80μm以下の大きさの粒
子状に細かく粉砕し、その後、これを0.1〜50μm
程度、特に0.3〜30μmの大きさに粉砕し、PTF
E樹脂等と混ぜ合わす方法が一例として挙げられる。ま
た、他の混合方法としては、ポリアミド樹脂をPTFE
樹脂の懸濁液に添加し、それを掻き回して均等に分散さ
せ、その後、アセトンのような非水成溶剤を添加して固
形物を沈殿させ、濾過、水洗および乾燥させて均等な混
合物を得る方法がある。尚、上記とは逆に、ポリアミド
樹脂を分散させ、これに粒状のPTFE樹脂を添加して
も良い。また、ポリアミド樹脂とPTFE等とを湿式混
合し、次に溶融混合して造粒し、ペレットを製造しても
よい。これらの粒状、繊維状、りん片状の各種充填材
は、少なくとも一種以上が1〜50重量%、種類により
2〜40重量%配合されていればよい。
樹脂との混合物を作る方法としては、例えばポリアミド
樹脂はじめ上記フッ素系樹脂、金属酸化物、黒鉛、繊維
類等を粉砕機によるか、または製造工程中に直接もしく
は間接的に例えば300〜800μm以下や、70〜8
0μm以下程度、特に10〜80μm以下の大きさの粒
子状に細かく粉砕し、その後、これを0.1〜50μm
程度、特に0.3〜30μmの大きさに粉砕し、PTF
E樹脂等と混ぜ合わす方法が一例として挙げられる。ま
た、他の混合方法としては、ポリアミド樹脂をPTFE
樹脂の懸濁液に添加し、それを掻き回して均等に分散さ
せ、その後、アセトンのような非水成溶剤を添加して固
形物を沈殿させ、濾過、水洗および乾燥させて均等な混
合物を得る方法がある。尚、上記とは逆に、ポリアミド
樹脂を分散させ、これに粒状のPTFE樹脂を添加して
も良い。また、ポリアミド樹脂とPTFE等とを湿式混
合し、次に溶融混合して造粒し、ペレットを製造しても
よい。これらの粒状、繊維状、りん片状の各種充填材
は、少なくとも一種以上が1〜50重量%、種類により
2〜40重量%配合されていればよい。
【0027】上記ポリアミド系樹脂の成形方法として
は、射出成形、押出成形、加熱加圧圧縮成形等の溶融成
形や、モノマー注型成形、圧縮成形、粉末成形等の種々
の成形方法を採用することができる。前記溝形状を効率
よく形成し、また適度な面粗さを有するスライドシュー
を生産性よく製造するには、射出成形による成形方法を
採用すればよい。また、射出成形後の成形体角部のバリ
等は、タンブリング処理(たる研磨)等で除去すれば効
率よく容易に溝6dの角部に微少な曲率を形成すること
ができる。また、成形後に、例えばガラス転移点以上、
融点未満の温度、例えば組成物材料にもよるが、約80
〜340℃、好ましくは140〜260℃の適宜な温度
で0.1〜24時間程度の熱処理を施せば、結晶化度が
向上して機械的圧縮特性等を向上でき、また成形体内部
のひずみを取り去ることができ、寸法精度の安定性の良
好なスライドシューを提供することができる。ここで、
組成物材料によっては、熱処理工程中にスライドシュー
にソリ等の熱変形が発生し、スライドシューの寸法精度
を維持することが困難となることも考えられる。しか
し、その場合には、スライドシューの摺動面6aおよび
下面6cとの両面を、例えば焼入れ後、研磨された炭素
鋼のような板材、すなわち、スライドシュー材の硬度よ
りも硬度が高く、また、スライドシューの耐熱温度より
も高い耐熱性を有する硬質耐熱材でもってスライドシュ
ーの上記両面を挟持・保持せしめて加熱処理を施せば上
記熱処理工程による寸法精度の低下を防ぐこともできる
と考えられる。但し、材料、仕様・条件によっては、必
ずしも熱処理やタンブリング研磨を行わなくてもよい。
は、射出成形、押出成形、加熱加圧圧縮成形等の溶融成
形や、モノマー注型成形、圧縮成形、粉末成形等の種々
の成形方法を採用することができる。前記溝形状を効率
よく形成し、また適度な面粗さを有するスライドシュー
を生産性よく製造するには、射出成形による成形方法を
採用すればよい。また、射出成形後の成形体角部のバリ
等は、タンブリング処理(たる研磨)等で除去すれば効
率よく容易に溝6dの角部に微少な曲率を形成すること
ができる。また、成形後に、例えばガラス転移点以上、
融点未満の温度、例えば組成物材料にもよるが、約80
〜340℃、好ましくは140〜260℃の適宜な温度
で0.1〜24時間程度の熱処理を施せば、結晶化度が
向上して機械的圧縮特性等を向上でき、また成形体内部
のひずみを取り去ることができ、寸法精度の安定性の良
好なスライドシューを提供することができる。ここで、
組成物材料によっては、熱処理工程中にスライドシュー
にソリ等の熱変形が発生し、スライドシューの寸法精度
を維持することが困難となることも考えられる。しか
し、その場合には、スライドシューの摺動面6aおよび
下面6cとの両面を、例えば焼入れ後、研磨された炭素
鋼のような板材、すなわち、スライドシュー材の硬度よ
りも硬度が高く、また、スライドシューの耐熱温度より
も高い耐熱性を有する硬質耐熱材でもってスライドシュ
ーの上記両面を挟持・保持せしめて加熱処理を施せば上
記熱処理工程による寸法精度の低下を防ぐこともできる
と考えられる。但し、材料、仕様・条件によっては、必
ずしも熱処理やタンブリング研磨を行わなくてもよい。
【0028】また、上記は好ましい材料群、製造方法等
を例示したが、スライドシューの仕様・条件によって
は、銅系合金、冶金系金属等の摺動性合金類、アルミナ
等のセラミックス系材料等のいかなる材料群であっても
よく、また、いかなる製造方法を採用してもよい。
を例示したが、スライドシューの仕様・条件によって
は、銅系合金、冶金系金属等の摺動性合金類、アルミナ
等のセラミックス系材料等のいかなる材料群であっても
よく、また、いかなる製造方法を採用してもよい。
【0029】また、少なくとも摺動部分6aの表面形状
・粗さは、最大粗さ(Rmax)、算術平均粗さ(R
a)、十点平均粗さ(Rz)等のJIS定義等にて評価
できる。例えばRaにて25μm以下、好ましくは8μ
m以下、更に好ましくは3.2μm以下としてもよい。
表面形状・粗さが大きすぎると摩耗抵抗の増大やスティ
ッククリップの発生原因、また摩耗の要因になると考え
られる。表面形状・粗さの下限値は、加工時の効率も考
慮して、0.1μm好ましくは1μmであればよい。表
面形状・粗さは小さい程よいと考えられるが、その加工
作業に非常に時間を費やすことになり、仕様・条件によ
っては特に有意差がなければ、表面形状・粗さを3〜1
0μm程度としてもよい。なお、仕様・条件によって
は、上記表面形状・粗さを必ず満足するものでなくても
よい。
・粗さは、最大粗さ(Rmax)、算術平均粗さ(R
a)、十点平均粗さ(Rz)等のJIS定義等にて評価
できる。例えばRaにて25μm以下、好ましくは8μ
m以下、更に好ましくは3.2μm以下としてもよい。
表面形状・粗さが大きすぎると摩耗抵抗の増大やスティ
ッククリップの発生原因、また摩耗の要因になると考え
られる。表面形状・粗さの下限値は、加工時の効率も考
慮して、0.1μm好ましくは1μmであればよい。表
面形状・粗さは小さい程よいと考えられるが、その加工
作業に非常に時間を費やすことになり、仕様・条件によ
っては特に有意差がなければ、表面形状・粗さを3〜1
0μm程度としてもよい。なお、仕様・条件によって
は、上記表面形状・粗さを必ず満足するものでなくても
よい。
【0030】更に、本発明は、グリース等の油性分含有
の潤滑性付与剤を併用することを排除するものではな
く、以上に例示したスライドシューと相手材との摺動部
分にグリースを塗布してもよい(本実施例では、昭和シ
ェル石油社製「サンライトMB2」を用いて試験もした
が、特に問題はなかった。)。グリースは初期時にのみ
塗布し、その後の補給は行わなくてもよいし、また、よ
り一層の長寿命化のため、グリース補給を行う場合であ
っても、メンテナンス(グリース補給)の間隔は従来に
比べて格段に長くなる。使用するグリースは特定されな
いが、石けんまたは非石けんで増稠したグリースとし
て、リチウム石けん−ジエステル系、リチウム石けん−
ポリαオレフィン系、リチウム石けん−鉱油系、ナトリ
ウム石けん−鉱油系、非石けん−ジエステル系、非石け
ん−鉱油系等のグリースが挙げられる。このような基油
と増稠剤とからなる潤滑性付与剤は。例えば基油の粘度
指数が−200〜500、好ましくは0〜200のもの
で、このような潤滑油に例えば増稠剤が1〜40重量
%、好ましくは5〜20重量%を含有したグリース状の
ものが摺動面に長時間付着し、潤滑補助剤の役割を果た
すので好ましい。しかし、仕様・条件によっては、必ず
しも上記潤滑性付与剤でなくてもよく、また、このよう
な潤滑性を介在させないような乾燥状態で使用してもよ
い。
の潤滑性付与剤を併用することを排除するものではな
く、以上に例示したスライドシューと相手材との摺動部
分にグリースを塗布してもよい(本実施例では、昭和シ
ェル石油社製「サンライトMB2」を用いて試験もした
が、特に問題はなかった。)。グリースは初期時にのみ
塗布し、その後の補給は行わなくてもよいし、また、よ
り一層の長寿命化のため、グリース補給を行う場合であ
っても、メンテナンス(グリース補給)の間隔は従来に
比べて格段に長くなる。使用するグリースは特定されな
いが、石けんまたは非石けんで増稠したグリースとし
て、リチウム石けん−ジエステル系、リチウム石けん−
ポリαオレフィン系、リチウム石けん−鉱油系、ナトリ
ウム石けん−鉱油系、非石けん−ジエステル系、非石け
ん−鉱油系等のグリースが挙げられる。このような基油
と増稠剤とからなる潤滑性付与剤は。例えば基油の粘度
指数が−200〜500、好ましくは0〜200のもの
で、このような潤滑油に例えば増稠剤が1〜40重量
%、好ましくは5〜20重量%を含有したグリース状の
ものが摺動面に長時間付着し、潤滑補助剤の役割を果た
すので好ましい。しかし、仕様・条件によっては、必ず
しも上記潤滑性付与剤でなくてもよく、また、このよう
な潤滑性を介在させないような乾燥状態で使用してもよ
い。
【0031】尚、本発明のスライドシューは、好ましく
は平面型の形状であるが、スライドシュー本体が例えば
円弧状のものや、また円環状のもの、その他変形球状的
なものであってもよく、またいかなる用途、形状物に使
用してもよい。また、上記の主に繰り返し往復動するよ
うな建設機械用クレーン車の伸縮式ブームに限らず、各
種高所作業車に装備される伸縮式ブーム、消防用自動車
に装備される伸縮式ブーム等、さらには屋外で運転され
る伸縮式ブーム一般に適用することができる。
は平面型の形状であるが、スライドシュー本体が例えば
円弧状のものや、また円環状のもの、その他変形球状的
なものであってもよく、またいかなる用途、形状物に使
用してもよい。また、上記の主に繰り返し往復動するよ
うな建設機械用クレーン車の伸縮式ブームに限らず、各
種高所作業車に装備される伸縮式ブーム、消防用自動車
に装備される伸縮式ブーム等、さらには屋外で運転され
る伸縮式ブーム一般に適用することができる。
【0032】また、以上に示した数値範囲の下限値以
上、上限値以下、或いは下限値を越え上限値未満の範囲
において、用途、仕様・条件等に応じて最適な数値を任
意に選定することにより、最も最適な物性を有するスラ
イドシューを得ることができる。
上、上限値以下、或いは下限値を越え上限値未満の範囲
において、用途、仕様・条件等に応じて最適な数値を任
意に選定することにより、最も最適な物性を有するスラ
イドシューを得ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明のスライドシューは、摺動面に摩
耗粉を排出させるための溝を形成したので、摺動面での
摩耗粉の凝集を防止することができる。従って、これを
伸縮式ブームの摺動部分に配設することにより、摺動部
分におけるスティックスリップの発生を効果的に防止す
ることができる。
耗粉を排出させるための溝を形成したので、摺動面での
摩耗粉の凝集を防止することができる。従って、これを
伸縮式ブームの摺動部分に配設することにより、摺動部
分におけるスティックスリップの発生を効果的に防止す
ることができる。
【0034】また、長期的にもスティックスリップの発
生を防止することができるため、スライドシューの交換
が不必要となり、摺動部分のメンテナンスフリーを実現
できる。
生を防止することができるため、スライドシューの交換
が不必要となり、摺動部分のメンテナンスフリーを実現
できる。
【図1】(a)は建設用クレーン車を示す側面図、
(b)は(a)におけるb−b断面図である。
(b)は(a)におけるb−b断面図である。
【図2】(a)は本発明のスライドシューを示す斜視
図、(b)は(a)におけるb−b断面図である。
図、(b)は(a)におけるb−b断面図である。
【図3】比較試験の結果を示す図である。
【図4】比較試験の結果を示す図である。
【図5】溝の変形例を示す図である。
【図6】溝の断面形状の他の例を示す図である。
1 伸縮式ブーム 6 スライドシュー 6d 溝
Claims (4)
- 【請求項1】 摺動部分に配設されるスライドシューに
おいて、その摺動面に側壁が摺動方向に対して傾斜し、
かつ、一端が行き止りで他端が側端縁に開放する溝を形
成したことを特徴とするスライドシュー。 - 【請求項2】 上記溝が、摺動面の摺動方向中心線から
互いに間隔をおいて交互にその両側に向かって形成され
たことを特徴とする請求項1記載のスライドシュー。 - 【請求項3】 上記溝の両側壁が、摺動方向に対して相
反する方向に傾斜して形成されたことを特徴とする請求
項1または2記載のスライドシュー。 - 【請求項4】 上記スライドシューは、伸縮式ブーム用
スライドシューであることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか記載の伸縮式ブーム用スライドシュー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14036897A JPH10330083A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | スライドシュー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14036897A JPH10330083A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | スライドシュー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330083A true JPH10330083A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15267208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14036897A Withdrawn JPH10330083A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | スライドシュー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330083A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1515056A1 (de) * | 2003-09-01 | 2005-03-16 | Palfinger AG | Gleitelement |
JP2006240882A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Grove Us Llc | 伸縮自在クレーン・ジブ用の適合可能なスライド・ベアリング、スライド・ベアリング部品および伸縮自在部品−スライド・ベアリング配置 |
JP2010242934A (ja) * | 2009-04-09 | 2010-10-28 | Takasago Electric Inc | スライド式バルブ |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP14036897A patent/JPH10330083A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1515056A1 (de) * | 2003-09-01 | 2005-03-16 | Palfinger AG | Gleitelement |
JP2006240882A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Grove Us Llc | 伸縮自在クレーン・ジブ用の適合可能なスライド・ベアリング、スライド・ベアリング部品および伸縮自在部品−スライド・ベアリング配置 |
JP2010242934A (ja) * | 2009-04-09 | 2010-10-28 | Takasago Electric Inc | スライド式バルブ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040803 |