JPH10328879A - レーザ加工機による加工方法およびレーザ加工機におけるノズル - Google Patents

レーザ加工機による加工方法およびレーザ加工機におけるノズル

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JPH10328879A
JPH10328879A JP9142319A JP14231997A JPH10328879A JP H10328879 A JPH10328879 A JP H10328879A JP 9142319 A JP9142319 A JP 9142319A JP 14231997 A JP14231997 A JP 14231997A JP H10328879 A JPH10328879 A JP H10328879A
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功明 塩地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却媒を噴霧すると共に加工時に発生するス
パッタやドロス等をワークの表面から容易に剥離させる
ことができ且つ倣いセンサとして用いることのできるレ
ーザ加工機による加工方法およびレーザ加工機における
ノズルを提供する。 【解決手段】 アウターノズル27とミドルノズル29
の間に設けられた隙間35から吹付けられた冷却媒やエ
アーはミドルノズル29の外形に沿って広がるので、ワ
ークWの表面の不純物を外側へ除去する。ミドルノズル
29とインナーノズル31の間に設けられている隙間3
9からは加工位置に向かってアシストガス等が噴出され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に厚板のワー
クの切断加工に適するレーザ加工機による加工方法およ
びレーザ加工機におけるノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の多重ノズルは、レーザビームを照
射すると共にレーザガスを噴出させるインナーノズル
と、シールドガスまたは冷却用の流体を噴出させるアウ
ターノズルを備えたものが一般的である。
【0003】また、図9に示されているノズル101よ
うに、インナーノズル103とアウターノズル105を
有しており、さらにアウターノズル105の外側にリン
グ状の倣いセンサーチップ107を取付けたものも使用
されている。あるいは、図示はしないが多重ノズルのう
ちの外側のノズルを静電容量式倣いセンサーとするもの
も使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に示
したような多重ノズルにあっては、冷却効果については
一応の効果があるものの、特に厚板加工についてはその
冷却効果や、スパッタやドロスの処理に関して十分満足
の得られるものではなかった。また、ピアス加工時にお
いて生成されたスパッタやドロスがワークの表面に固着
するので、ピアス加工から通常の切断に移行する際に、
固着物がノズルの障害となって円滑な移行ができなくな
って、甚だしい場合には加工ノズルと干渉または衝突の
原因となっているという問題がある。
【0005】また、倣いセンサーをノズル外部に取付け
たものでは、ノズルの交換等の作業においてはそのたび
ごとにノズルとセンサーチップとの位置関係調整の困難
さや外部に取付けるため倣いセンサー部とワークとの干
渉を回避するため自ら加工領域を制限しなければならな
いという問題がある。あるいは、多重ノズルの外側のノ
ズルを静電容量式倣いセンサーとした場合には、冷却水
を使用する場合にインナーノズルとアウタノズルの隙間
より噴出した冷却水は遠心力によりノズル中心に広がり
ながらワークに噴出するために、ワークとセンサー部の
隙間に冷却水が入り込み、この為、水の比誘電率の影響
を受けて、センサーとして機能を十分に果たせないとい
う問題がある。
【0006】また、厚板の加工におけるピアス加工や通
常加工には、有効な多重ノズルが未だ使用されていない
状況である。
【0007】この発明の目的は、以上のような従来の技
術に着目してなされたものであり、冷却媒を噴霧すると
共に加工時に発生するスパッタやドロス等をワークの表
面から容易に剥離させることができ且つ倣いセンサーと
して用いることのできるレーザ加工機による加工方法お
よびレーザ加工機におけるノズルを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1による発明のレーザ加工機による加工方
法は、多重構造のノズルを構成するアウターノズルとミ
ドルノズルの間に設けられた隙間から冷却効果を有する
不燃性の防錆剤とエアーを混合して回転しながら噴出さ
せることでその遠心力によりワーク表面に外側へ広がる
状態で吹付けることで、ワークの温度を安定させ、さら
にピアス加工又は切断中にワーク表面に生成するスパッ
ター及び溶融金属カス等の不純物を切断経路上より除去
せしめること、を特徴とするものである。
【0009】従って、アウターノズルとミドルノズルの
間に設けられた隙間から冷却効果を有する不燃性の防錆
剤とエアーを混合してワーク表面に外側へ広がる状態で
吹付けることでワークの温度が安定化される。その後、
ミドルノズルとインナーノズルの間に設けられた隙間か
らアシストガスをピアス加工又は切断加工中にワーク表
面に生成するスパッター及び溶融金属カス等の不純物が
除去される。
【0010】請求項2による発明のレーザ加工機による
加工方法は、請求項1のレーザ加工機による加工方法に
おいて、冷却効果を有する不燃性の防錆剤が単なる水又
は防錆水もしくは粉体であること、を特徴とするもので
ある。
【0011】従って、不燃性であると共に冷却効果を有
する。
【0012】請求項3による発明のレーザ加工機におけ
るノズルは、レーザ発振器により発振されたレーザビー
ムをワークに照射してレーザ加工を行うためのレーザ加
工機におけるノズルであって、外側に位置するアウター
ノズルと、このアウターノズルの内側に所定の隙間を有
する状態で位置すると共に先端部がラッパ状に拡大した
ミドルノズルと、で構成されていることを特徴とするも
のである。
【0013】従って、アウターノズルとミドルノズルの
間に設けられた隙間から吹付けられた冷却媒やエアーは
ミドルノズルの外形に沿って広がるので、ワーク表面の
不純物を外側へ除去する。
【0014】請求項4による発明のレーザ加工機におけ
るノズルは、請求項3のレーザ加工機におけるノズルに
おいて、内部に所定の間隔を有する状態で挿入されたイ
ンナーノズルを備えてなることを特徴とするものであ
る。
【0015】したがって、ミドルノズルとインナーノズ
ルの間に設けられている隙間からワークの加工位置へ向
けてアシストガス等が噴出される。
【0016】請求項5による発明のレーザ加工機におけ
るノズルは、請求項3のレーザ加工機におけるノズルに
おいて、ミドルノズル自体が静電容量型倣いセンサーの
電極であり、ワークとの隙間をその先端部にて検出制御
すること、を特徴とするものである。
【0017】従って、アウターノズルとミドルノズルの
間に設けられた隙間から冷却水を吹付ける場合でも、ミ
ドルノズルの外形により冷却水が外側へ吹付けられるの
で、ミドルノズル自体を静電容量型倣いセンサーとして
使用すれば冷却水による比誘電率の不安定性を排除す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図7および図8にはレーザ加工機1の全体
が示されている。このレーザ加工機1はごく一般的なも
のであるので詳細な説明は省略して概略のみ説明する。
このレーザ加工機1は、レーザビームLBを発するレー
ザ発振器3を近傍に有しており、レーザ発振器3により
発せられたレーザビームLBは複数のベンドミラー5を
介してレーザ加工機1に送られる。
【0020】レーザ加工機1は、ベース7と、このベー
ス7の一端部において垂直に固定されているポスト9
と、このポスト9によって前記ベース7の上方に水平片
持ち梁状に支持されている本体フレーム11から成って
いる。前記ベース7の上には、加工されるワークWを水
平に載置する固定テーブル13が設けられている。この
固定テーブル13の前後両側(図8中上下両側)には、
Y軸方向(図8中左右方向)へ移動・位置決め自在の可
動テーブル15が設けられており、前記固定テーブル1
3を跨いで前記可動テーブル15を連結し、可動テーブ
ル15と一体でY軸方向へ移動・位置決めされるキャレ
ッジベース17が設けられている。このキャレッジベー
ス17には、ワークWを把持するワーククランパ19を
間隔調整自在に有するX軸キャレッジ21が、X軸方向
へ移動・位置決め自在に設けられている。
【0021】一方、前記本体フレーム11の先端(図7
中右先端)の下面には、加工ヘッド23が設けられてお
り、この加工ヘッド23の先端には前記レーザ発振器3
からのレーザビームLBをワークWに照射するノズル2
5が装着されている。
【0022】従って、ワークWを把持したX軸キャレッ
ジ21をX軸方向に移動・位置決めすると共に、キャレ
ッジベース17をY軸方向に移動・位置決めしてノズル
25の下方にワークWの加工位置を位置決めし、レーザ
ビームLBをこのワークWに照射してレーザ加工が行わ
れることになる。
【0023】図1および図2には、前述の加工ヘッド2
3の先端に装着されているノズル25が示されている。
このノズル25は多重ノズルであり、最も外側に円形断
面のアウターノズル27を有し、このアウターノズル2
7の内部空間に円形断面のミドルノズル29を有してい
る。さらに、このミドルノズル29の内部には円形断面
のインナーノズル31を有しており、三重構造となって
いる。
【0024】前記ミドルノズル29の外周において、二
ヶ所に平坦部33が設けられているので、アウターノズ
ル27との間に隙間35が二ヶ所に形成されている。前
記インナーノズル31の外周にも平坦部37が設けられ
ているので、ミドルノズル29との間に隙間39が形成
されている。また、最も先端に位置するミドルノズル2
9の先端部41はラッパ状に形成されている。
【0025】従って、インナーノズル31とミドルノズ
ル29との間、およびミドルノズル29とアウターノズ
ル27の間には、液体やガスを噴出するための通路が形
成され、隙間35から噴出されたガス等は外側へ広が
る。また、隙間39からはアシストガスが噴出されるも
のである。
【0026】次に、図3〜図6に基づいて、レーザ切断
加工方法について説明する。
【0027】まず、図3を参照するに、ノズルギャップ
Hを若干大きめ(例えば2.5mm)にとって、アウタ
ーノズル27とミドルノズル29の間に形成されている
隙間35から、防錆水とエアーを混合したものを水噴霧
としてワークWの表面に所定の強度(例えば3.5Kgf/
cm2 )で吹付ける。このとき、防錆水がたとえ蒸発して
もワークWの表面に防錆剤は残るので、スパッタやドロ
スがワークWの表面に直接固着するのを防止することが
できる。
【0028】続いて、図4を参照するに、防錆水を止め
て、同じ大きめのノズルギャップHでエアーのみを前述
と同様にアウターノズル27とミドルノズル29の間に
形成されている隙間35から所定の強度(例えばアシス
トガスを0.4Kgf/cm2 、アウターエアーを1Kgf/c
m2 )でワークWの表面に吹付ける。このエアーにより
スパッタを外側へ吹飛ばしながらピアス加工を行う。こ
の時点で、前述の図3に示されている工程において噴霧
した防錆剤によって、部分的ではあるがワークWの表面
からスパッタを吹飛ばすことができる。
【0029】図5を参照するに、前述の図4に示されて
いるピアス加工の工程においてワークWの表面に付着し
て除去できなかったスパッタやドロスを、前述の図3に
示されている工程を所定の強度(例えばアシストガスを
6Kgf/cm2 、防錆水+アウターエアーを3.5Kgf/c
m2 )で再度実行することにより完全に除去する。
【0030】図6を参照するに、スパッタやドロスが完
全に除去された後、静電容量式倣いセンサーであるミド
ルノズル29の先端部41、ノズルギャップHを最適値
(例えば1.5mm)に修正し確認した後、所定の強度
(例えばアシストガスを0.5Kgf/cm2 、隙間35から
防錆水+アウターエアーを3.5Kgf/cm2 )でエアーや
防錆水を吹付けながら切断加工を開始する。
【0031】以上の結果から、ノズル25から噴出する
冷却媒に防錆水とエアーを混合してワークWの表面に強
く吹付けるので、ワークの温度を安定させて冷却効果を
与えると共に、特に厚板のワークW表面のスパッタやド
ロスを除去すると共に防錆処理を施すことができる。
【0032】また、多重なノズル25を使用することに
より冷却を常時行うことができ、ピアス加工および通常
の切断加工においても適正な加工を行うことができる。
【0033】また、ノズル25の一部として使用するミ
ドルノズル29の先端をラッパ形状としたので、冷却水
を使用する場合でも冷却水をミドルノズル29の先端か
ら追い出すことができ、水の比誘電率の影響を受けるこ
となく倣いを行うことができる。
【0034】なお、この発明は前述の発明の実施の形態
に限定されることなく、適宜な変更を行なうことによ
り、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、
前述の実施の形態において使用した防錆水の代わりに単
なる水や不燃性の油もしくは粉体を用いることもでき
る。
【0035】また、前述の発明の実施の形態において示
した吐出力の数値は一例であり、これに限るものではな
く、状況に応じて適切な値で実施することが望ましい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よるレーザ加工機による加工方法では、アウターノズル
とミドルノズルの間に設けられた隙間から冷却効果を有
する不燃性の防錆剤とエアーを混合して特に厚板のワー
ク表面に外側へ広がる状態で吹付けることでワークの温
度が安定化される。その後、ミドルノズルとインナーノ
ズルの間に設けられた隙間からアシストガスをピアス又
は切断中にワーク表面に生成するスパッター及び溶融金
属カス等の不純物を除去せしめることができる。
【0037】請求項2の発明によるレーザ加工機による
加工方法では、単なる水又は防錆水もしくは粉体を使用
することにより、不燃性であると共に冷却効果を有す
る。
【0038】請求項3の発明によるレーザ加工機におけ
るノズルでは、アウターノズルとミドルノズルの間に設
けられた隙間から吹付けられた冷却媒やエアーはミドル
ノズルの外形に沿って広がるので、特に厚板のワーク表
面の不純物を確実に外側へ除去することができる。これ
により、不純物を巻き込むことがないので、適正な切断
加工を行うことができる。
【0039】請求項4の発明によるレーザ加工機におけ
るノズルでは、ミドルノズルとインナーノズルとの間に
設けられた隙間からワークの加工位置へ向けてアシスト
ガス等を噴射せしめることができ、適正な切断加工を行
うことができる。
【0040】請求項5の発明によるレーザ加工機におけ
るノズルでは、アウターノズルとミドルノズルの間に設
けられた隙間から冷却水を吹付ける場合でも、ミドルノ
ズルの外形により冷却水が外側へ吹付けられるので、ミ
ドルノズル先端を倣いセンサーとして使用すれば冷却水
による比誘電率の不安定性を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るレーザ加工機におけるノズルを
示す断面図である。
【図2】図1中II方向から見た平面図である。
【図3】この発明に係るレーザ加工機による加工方法の
工程を示す断面図である。
【図4】この発明に係るレーザ加工機による加工方法の
工程を示す断面図である。
【図5】この発明に係るレーザ加工機による加工方法の
工程を示す断面図である。
【図6】この発明に係るレーザ加工機による加工方法の
工程を示す断面図である。
【図7】この発明に係るレーザ加工機による加工方法を
適用するレーザ加工機を示す正面図である。
【図8】図7中VIII方向から見た平面図である。
【図9】従来の多重ノズルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ加工機 3 レーザ発振器 25 ノズル 27 アウターノズル 29 ミドルノズル 35 隙間 39 隙間 41 先端部(倣いセンサ) W ワーク LB レーザビーム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重構造のノズルを構成するアウターノ
    ズルとミドルノズルの間に設けられた隙間から冷却効果
    を有する不燃性の防錆剤とエアーを混合して回転しなが
    ら噴出させることでその遠心力によりワーク表面に外側
    へ広がる状態で吹付けることで、ワークの温度を安定さ
    せ、さらにピアス加工又は切断中にワーク表面に生成す
    るスパッター及び溶融金属カス等の不純物を切断経路上
    より除去せしめること、を特徴とするレーザ加工機によ
    る加工方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却効果を有する不燃性の防錆剤が
    単なる水又は防錆水もしくは粉体であること、を特徴と
    する請求項1記載のレーザ加工機による加工方法。
  3. 【請求項3】 レーザ発振器により発振されたレーザビ
    ームをワークに照射してレーザ加工を行うためのレーザ
    加工機におけるノズルであって、外側に位置するアウタ
    ーノズルと、このアウターノズルの内側に所定の隙間を
    有する状態で位置すると共に先端部がラッパ状に拡大し
    たミドルノズルと、で構成されていることを特徴とする
    レーザ加工機におけるノズル。
  4. 【請求項4】 前記ミドルノズルは内部に所定の間隔を
    有する状態で挿入されたインナーノズルを備えてなるこ
    とを特徴とする請求項3記載のレーザ加工機におけるノ
    ズル。
  5. 【請求項5】 前記ミドルノズル自体が静電容量型倣い
    センサーの電極であり、ワークとの隙間をその先端部に
    て検出制御すること、を特徴とする請求項3記載のレー
    ザ加工機におけるノズル。
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