JPH10327862A - 生物的材料の生産方法 - Google Patents

生物的材料の生産方法

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JPH10327862A
JPH10327862A JP10156716A JP15671698A JPH10327862A JP H10327862 A JPH10327862 A JP H10327862A JP 10156716 A JP10156716 A JP 10156716A JP 15671698 A JP15671698 A JP 15671698A JP H10327862 A JPH10327862 A JP H10327862A
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cells
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ダワイエ,ジャン−ミッシェル
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リューシエン セキンジエ,フィリップ
Gonzalo J Mazzei
ジョゼ マーゼイ,ゴンザーロ
Alan R Shaw
リード ショー,アラン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明のIL−1 INHの情報を断片およ
びペプチドの設計に使用して、本発明の免疫抑制または
抗炎症組成物および方法へのIL−1 INHとしての
使用方法を提供する。 【解決手段】 本発明の方法は、(a) 精製したIL−1
INHのアミノ酸配列を決定し、(b) 工程(a) のアミ
ノ酸配列を基礎とするオリゴヌクレオチドプローブのプ
ールを作成し、(c) DNAまたはcDNAライブラリー
のスクリーニングを行い、(d) 通常の条件下でプローブ
にハイブリダイズするクローンを選択し、(e) 配列決定
又は発現により選択クローンを分析し、それらがIL−
1 INHをコードするDNA配列を含有するか否かを
決定する工程からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターロイキン
1活性を選択的に阻害するインターロイキン1阻害剤
(IL−1 INH)に関する。また、本発明は、尿か
らこの種のIL−1INHを精製する方法、およびこの
阻害剤をコードするDNA配列からなる組換えDNA分
子で形質転換された宿主によってこの種のIL−1 I
NHを生産する方法に関し、この種のIL−1INHを
特徴とする処置方法および組成物に関する。これらの方
法および薬剤は、免疫抑制および抗炎症の用途および治
療に有用である。
【0002】
【従来の技術】インターロイキン1(IL−1)は、主
としてマクロファージ/単球系統の細胞によって生産さ
れる蛋白質サイトカインである。IL−1ポリペプチド
をコードし得る2つの別個のIL−1遺伝子が存在する
−−IL−1αおよびIL−1βである[ピー・オーロ
ンら、「ヒト単球インターロイキン−1前駆体cDNA
のヌクレオチド配列」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
81, p. 7909 (1984)、シー・マーチら、「2つの別個の
ヒトインターロイキン1全DNAαおよびβのクローン
化、配列並びに発現」、Nature, 315, p. 641 (198
5)]。組換えIL−1αおよびβを使用するこれらそれ
ぞれの生物活性の研究により、果たして、双方の形態の
IL−1は多様な生物活性を分け合うことが示された。
【0003】IL−1は幾種かの独特の生物活性を有す
る。これらの1つの活性−−リンパ球活性化因子(LA
F)−−は、結果的にIL−1に対し、免疫応答メディ
エータたるを与え、かくして、IL−1は、多くの細胞
型の成熟化、分化並びに成長を刺激する。例えば、未成
熟TおよびBリンパ球[ピー・オーロンら、Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA, 81, 上記]である。他のIL−1
の活性−−単核細胞因子(MCF)活性−−は、結果的
にIL−1に対し、逆行的炎症応答の制御における中心
的役割を演ずることを与え[シー・ディナレロ、「ヒト
インターロイキン1の今日」、J. Clin. Immun., 5, p.
287(1985)]ると共に、かくして、IL−1は、例えば
繊維芽細胞および軟骨細胞のような幾種かの細胞を刺激
し、それぞれプロスタグランジンE2 (PGE2 )およ
びコラーゲナーゼを生産する。これらの応答は、リュー
マチ性関節炎のような併発疾患または組織の崩壊に随伴
する疾患の病因に包含される[ジェイ・ダイヤー、「リ
ューマチ性関節炎におけるサイトカインおよび他のメデ
ィエータ」、Spring Semin. Immunopath, 7, p. 387(19
84)]。更に、IL−1は、IL−2の生産を誘導する
ことが知られており[ジェイ・ダブリュ・ロエンサール
ら、「胸腺腫細胞によるIL−2分泌およびIL−2レ
セプタ発現双方のIL−1依存性誘導」、J. Imm., 13
7, pp. 1226-1231 (1986) ]、これはT−細胞の増殖に
関する。最後に、IL−1は、内皮細胞上の分子を刺激
して白血球細胞を捕獲することも知られている[ジェイ
・オッペンハイムら、「1つ以上のインターロイキン1
が存在する」、Immun. Today, 7,p. 45 (1986) ]。
【0004】したがって、抗原特異的T−細胞およびB
−細胞増殖を抑制すると共に繊維芽細胞によるプロスタ
グランジンおよびコラーゲナーゼ合成を抑制するIL−
1阻害剤を同定し単離することは興味深い。この種の化
合物は、免疫および炎症応答に関する疾患の処置に有用
たり得る。なお、更に、IL−1媒介IL−2生産を抑
制し得るIL−1阻害剤を単離することが望ましい。他
の蛋白質を同時に阻害することなくIL−1の活性を選
択的に阻害する化合物の同定には更に興味がある。例え
ば、TNF−αのような腫瘍壊死因子であり、これは、
IL−1の幾種かの生物的特性を分け合う。すなわち、
ヒト皮膚繊維芽細胞によるPGE2 およびコラーゲナー
ゼ生産[ジェイ・ダイヤーら、「カケクチン/腫瘍壊死
因子は、ヒト滑液細胞および皮膚繊維芽細胞によるコラ
ーゲナーゼおよびプロスタグランジンE2 生産を刺激す
る」、J. Exp. Med., 162, p. 2163 (1985) ]または繊
維芽細胞増殖の誘導[ピー・セッキンガら、「インター
ロイキン1活性の尿の阻害剤は、インターロイキン1α
およびβの双方に影響を与えるが、腫瘍壊死因子αには
影響を与えない」、J. Immun. 139, p. 1541 (1987) ]
である。
【0005】現在では、プロスタグランジンのようなI
L−1に対して阻害効果を示すとして報告されている化
合物は、主として非選択的阻害剤として作用する。熱性
患者の尿は、IL−1の20〜30kDの選択的阻害剤を含有
することも報告されている[ゼット・リアオら、「熱性
患者の尿中の特異的インターロイキン1阻害剤の同
定」、J. Exp. Med., 159, p. 126 (1984)]。リアオ
は、この化合物が極めて粗製の形態以外にあるか、また
は、これがIL−1のMCF活性を阻害するか、標的細
胞のレセプタへのIL−1の結合を阻害するか、IL−
1の存在下で繊維芽細胞の増殖を阻害するかについては
示唆していない。IL−1阻害効果を有すると報告され
た第二の化合物[ダブリュ・アレンドら、「ヒト単球に
よるインターロイキンまたはインターロイキン1阻害剤
の生産に対する免疫複合体の効果」、J.Immun., 134,
p. 3868 (1985)]は、付着免疫複合体上で培養されたヒ
ト単球によって生産される。しかしながら、アレンドの
報告は、この化合物がIL−1のLAFおよびMCF活
性の双方を阻害するか否かの点で不明瞭である(第3874
頁を参照するとよい)。いずれにしろ、アレンドによる
報文は、この化合物が実質的に純粋か否か、これがIL
−1の標的細胞レセプタへの結合を遮断するか、又はI
L−1の存在下で繊維芽細胞の増殖を阻害するか否かに
ついては報告していない。IL−1阻害効果を有すると
報告された第三の化合物[ジェイ−エフ・バラボイン
ら、「繊維芽細胞および滑液細胞によるプロスタグラン
ジンE2 およびコラーゲナーゼ生産は、尿より誘導され
たヒトインターロイキン1および阻害剤によって制御さ
れる」、J. Clin.Invest. 78, p. 1120 (1986)]は、極
めて粗製の形態であることが示唆され、その作用様式は
記述されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、実質的に純
粋なIL−1阻害剤(「IL−1 INH」)を提供す
ることにより前記した問題を解決する。これは、IL−
1 LAFおよびIL−1 MCF活性を選択的に阻害
し、IL−2のIL−1媒介生産を阻害し、IL−1媒
介繊維芽細胞増殖を阻害し、標的細胞上でIL−1レセ
プタに結合し、免疫抑制または抗炎症組成物、方法並び
に治療に使用する。本発明によるIL−1INHは、標
的細胞におけるPGE2 およびコラーゲナーゼのTNF
α媒介生産を阻害しない。よって、本発明のIL−1
INHは、免疫抑制および抗炎症用途のための種々の組
成物および方法に有用である。本発明のIL−1 IN
Hは、SDS/PAGE上で約25kDの分子量とクロマト
フォーカシングによって決定された4.7 の等電点とを有
するポリペプチドであることを特徴とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらのIL−1 IN
Hを生産する本発明の方法の1つの態様は、天然起源か
らの精製である。この種の精製は、熱性患者の粗製尿を
濃縮し、尿から粗製IL−1 INHを沈澱させ、1ま
たはそれ以上のイオン交換クロマトグラフ、疎水性クロ
マトグラフ、ゲル濾過並びに免疫吸着によりこの沈澱物
の他の蛋白質からIL−1 INHを分画する工程から
なる。
【0008】これらのIL−1 INHを生産する本発
明の方法の第二のおよび好適な態様は、この種の阻害剤
の組換えによる生産である。この種の方法では、本発明
のIL−1 INHをコードするDNA配列、これらの
配列を特徴とする組換えDNA分子並びにこれらのDN
Aにより形質転換された単細胞宿主および分子を用い
て、(付加的なN-末端メチオニンを用いるか、用いるこ
となく)本発明のIL−1 INHまたはその一部を形
質転換された宿主の醗酵により生産する。IL−1 I
NH活性を示す本発明によるIL−1 INHポリペプ
チドは、IL−1INHのアミノ酸配列に対する種々の
他のアミノ酸置換、付加または欠失を包含し得ることを
理解すべきである。
【0009】本発明の他の目的は、本発明のIL−1
INHを用いて活性IL−1 INH部位の分子構造お
よび配置を決定し、その情報を断片およびペプチドの設
計に使用して、本発明の免疫抑制または抗炎症組成物お
よび方法へのIL−1 INHとしての使用を図ること
である。
【0010】
【発明の実施の形態】ここに記載する発明が十分に理解
されるべく、以下の詳細な説明を記載する。
【0011】説明では、以下の用語を用いる:MCF −−「単核細胞因子」。IL−1の「MCF活
性」が、例えば繊維芽細胞、滑液細胞のような種々の標
的細胞におけるプロスタグランジンEおよびコラーゲナ
ーゼ生産を刺激するその能力を規定する。LAF −−「リンパ球活性化因子」。IL−1の「LA
F」活性が、TおよびBリンパ球の増殖および分化を刺
激するその能力を規定する。 CTLL−−「細胞毒性T−リンパ球細胞ライン」。C
TLL細胞をEL−4細胞と共にインキュベートし、E
L−4細胞によるIL−2の生産に対するIL−1の刺
激効果をアッセイするのに使用した。その後IL−2
は、CTLLXE細胞の増殖を刺激するが、これは測定
可能である。
【0012】本発明は、実質的に純粋なIL−1 IN
Hに関する。本発明により規定される「実質的に純粋
な」IL−1 INHは、主要な共存物質、特にアポリ
ポ蛋白質A1およびレチノール結合蛋白質を実質的に含
有せず、SDS/PAGE上で単一バンドとして移動す
る。
【0013】本発明のIL−1 INHは、IL−1
LAFおよびIL−1 MCF活性を選択的に阻害し、
EL−4細胞によるIL−1媒介IL−2生産を阻害
し、IL−1媒介繊維芽細胞増殖を阻害し、標的細胞上
のIL−1レセプタに結合する。この種の選択的阻害
は、IL−1媒介活性をブロックする能力を有するとし
て定義されるが、IL−1に類似する幾種かの活性を有
する他の化合物をブロックする能力を欠く。例えば、ヒ
ト組換えTNFα(hrTNFα)があるが、これはP
EG2 およびコラーゲナーゼ生産のメディエータであ
る。この特異性は、免疫系の他のメディエータの必要な
活性を妨害することなくIL−1を選択的にブロックす
るのに重要な因子である。本IL−1 INHのこの特
異性を、IL−1の活性に対する本発明のIL−1 I
NHの効果をhrTNFαと比較することにより示し、
IL−1/MCFおよび繊維芽細胞増殖アッセイを使用
する。
【0014】最も好適には、本発明のIL−1 INH
はSDS−PAGE上で約25kDの分子量を有し、クロマ
トフォーカシングによる測定として4.7 の等電点を有す
る。
【0015】本発明のIL−1 INHは、LAFアッ
セイ、MCFアッセイ、EL−4/細胞毒性T−リンパ
球アッセイ(「EL−4/CTLL」)並びに繊維芽細
胞増殖アッセイにおいてIL−1媒介応答を阻害し得
る。IL−1/LAFアッセイにおいては、IL−1α
またはβ誘導T−細胞増殖の阻害を、種々に希釈した本
発明のIL−1 INHの存在下で[H3 ]チミジンの
取り込みのレベルの減少を検出することにより測定す
る。IL−1/MCFアッセイにおいては、IL−1媒
介PGE2 生産の阻害を、種々に希釈した本発明のIL
−1 INHの存在下でPGE2 に対する抗血清を使用
する二重抗体ラジオイムノアッセイにより測定する。ラ
ジオイムノアッセイにより検出される培地へのPGE2
の減少は、IL−1 INH活性を示す。EL−4/C
TLLアッセイにおいては、IL−1媒介IL−2生産
の阻害を、種々に希釈した本発明のIL−1 INHの
存在下で測定する。阻害は、CTLL細胞の増殖の測定
として使用する[H3 ]チミジン([H3 ]−TdR)
の取り込みのレベルの減少として観察する。増殖は、投
与−応答様式でIL−2を誘導するIL−1の存在下で
のみ生起する。繊維芽細胞増殖アッセイにおいては、I
L−1誘導繊維芽細胞による[H3 ]−TdRの取り込
みの阻害を、種々に希釈した本発明のIL−1 INH
の存在下で測定する。
【0016】前記したように、本発明のIL−1 IN
Hは、標的細胞上でIL−1レセプタに特異的に結合す
る。この結合は、一連のIL−1結合アッセイを使用す
ることにより示される。第一に、ラベルしたIL−1の
結合に際し、標的細胞上のレセプタに対するIL−1
INHの増加する濃度の効果を測定した。高濃度のIL
−1 INHは、結合したラベル IL−1の量を減少
させることを認めた。次に、過剰の非ラベルのIL−1
INHを添加し、標的細胞に結合したラベルしたIL
−1に対するその過剰の効果を観察した。このアッセイ
は、過剰のIL−1 INHは、標的細胞の表面に結合
したラベルしたIL−1と成功裡に競合し置換すること
を示した。更に、過剰のレチノール結合蛋白質を添加
し、これが、標的細胞に対するIL−1 INHの結合
を妨害しないことを観察した。このアッセイは、本IL
−1 INHがIL−1と特異的に競合して標的細胞上
でIL−1レセプタに結合することを示した。
【0017】本発明は、天然起源(例えば高度熱性患者
または日和見感染に罹患したAIDS患者)から本発明
のIL−1 INHを単離する精製方法にも関する。こ
の方法は幾種かの工程からなる。一般に、これらの工程
の概要は、(1) 尿を濃縮し、(2) 濃縮した尿から粗製I
L−1 INHを沈澱させると共に、少くともイオン交
換クロマトグラフ、疎水性クロマトグラフ、ゲル濾過な
らびに免疫吸着の1つによりこの沈澱物の他の蛋白質か
らIL−1 INHを分画するものである。
【0018】この方法の好適な態様では、標準的手順、
例えば限外濾過を使用して熱性患者から粗製尿をまず濃
縮する。次に、硫酸アンモニウムを使用してこの濃縮し
た尿のプールからIL−1 INHを含有する粗製画分
を沈澱させた。透析により硫酸アンモニウムを除去した
後、イオン交換クロマトグラフを使用して他の蛋白質か
らIL−1 INH活性を含有する画分を分離する。特
に、この最も好適な態様では、2つの陰イオン交換樹脂
−−ジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)アミノエチ
ルセファロース((QAE)−セファロースカラム)お
よびジエチルアミノエチル−セファロースカラム((D
EAE)−セファロースカラム)−−を単独または組合
せて用いるが、好ましくはDEAEセファロースカラム
をQAEセファロースカラムの後とする。種々の画分の
活性を監視すべく、LAFおよびレセプタ結合アッセイ
を用いた。本発明のこの態様では、IL−1 INH活
性画分を次に、ゲル濾過を使用する分子量に基いて分画
し(最も好ましくはAcA54ゲルによる)、前記した
ようにして再度活性画分を選択する。選択された画分
は、約25kDの分子量および少くとも90%の蛋白質含量を
示すことを特徴とする。主要な共存物は、アポリポ蛋白
質A1およびレチノール結合蛋白質である。これらの共
存物は種々の方法によって除去し得るにも拘らず、好ま
しくは、免疫吸着の方法により、アポリポ蛋白質および
レチノール結合蛋白質に対して与えられたモノクローナ
ルまたはポリクローナル抗体を用いる。
【0019】前記IL−1 INH活性画分を、フェニ
ル−セファロースカラム(これは蛋白質をその疎水性に
よって分画する)上での疎水性クロマトグフによって更
に精製する。例えば、アポリポ蛋白質A1およびレチノ
ール結合蛋白質は、本発明の蛋白質より疎水性であり、
したがってカラム上に保持される。
【0020】前記説明した好適な方法を使用し、本発明
のIL−1INHの比活性、すなわち、最大の半分の阻
害を与えるのに必要なIL−1 INHの量は、それぞ
れの精製工程の後に増加した。図9を参照するとよい。
IL−1レセプタ結合アッセイ、LAFアッセイ、EL
−4/CTLLアッセイ並びにMCFアッセイを使用し
てこの比活性を測定した。しかしながら、幾種かの他の
アッセイも同様に使用し得る。
【0021】前記方法または好適な方法で精製したIL
−1 INHは、本発明の免疫抑制および抗炎症組成物
並びに方法に直接使用し得る。しかしながら、寧ろこの
種の精製蛋白質をアミノ酸配列データの供給源として使
用してDNAプローブの設計を可能とし、本発明のIL
−1 INHをコードするDNA配列の単離および選択
への使用を図った。その後、この種のDNA配列、これ
らを含む組換えDNA分子、並びにこれらにより形質転
換された単細胞宿主を用いて、実質的に他のヒト蛋白質
を含有しない本発明のIL−1 INHを大量に生産
し、本発明の組成物および治療への使用を図った。
【0022】更に詳しくは、精製したIL−1 INH
の種々の蛋白質および断片のアミノ酸配列を決定した。
その後、これらの配列およびこれらをコードするとして
推論されたDNA配列を使用し、本発明のIL−1 I
NHをコードするDNA配列の種々のDNAライブラリ
をスクリーニングするのに潜在的に有用な一連のDNA
プローブを設計する。この種のライブラリには、染色体
遺伝子バンクおよびDNAまたは本発明のIL−1 I
NHを生産することが示される組織または細胞ラインか
ら調製されたcDNAライブラリが包含され、この種の
細胞ラインには、当業界でよく知られた単球細胞が包含
される。
【0023】cDNAを調製し、最終的にIL−1 I
NHポリペプチドをクローン化し発現させる手段とし
て、IL−1 INH生産細胞供給源からポリA+ mR
NAを単離する。例えば、刺激されたマクロファージで
ある。従来の手順を使用するが、例えば、次に記載され
たものとする。ランドら、「真核mRNAの5−末端配
列は高い効率でクローン化し得る」、Nucleic Acid Res
earch, 9, pp. 2251-66(1981)、オカヨマとベルグ、
「全長さcDNAの高効率クローン化」、Mol. andCel
l. Biol., 2, pp. 161-70 (1982)、並びにマニアティス
ら、「Molecular Cloning 」中(コールド・スプリング
・ハーバ・ラボラトリ編、コールド・スプリング・ハー
バ、ニューヨーク)、pp. 229-46 (1982) 。次に、前記
単離されたポリA+ mRNAからcDNAライブラリを
構成する。従来の手順を使用するが、例えば次に記載さ
れたものとする。ウィケンスら、「リゾチーム、オボム
コイド並びにオーバルヒューマンmRNAに相補的な二
本鎖DNAの合成」、J. Biol.Chem., 253, pp. 2483-9
5 (1978) 、マニアティスら、「Molecular Cloning 」
中(コールド・スプリング・ハーバ・ラボラトリ編、コ
ールド・スプリング・ハーバ、ニューヨーク)、pp. 22
9-46 (1982) 、並びにブイ・グブラら、「cDNAライ
ブラリを作製する単純かつ極めて効率的な方法」、Gen
e, 25, pp. 263-69(1983) 。
【0024】特定の組換えDNA分子を含有するもの、
すなわち、IL−1 INH挿入物を含有するもののク
ローンのライブラリをスクリーニングする幾種かのアプ
ローチが存在する。例えば、本精製IL−1 INHの
部分アミノ酸配列を基礎とし、本発明のIL−1 IN
Hの選択部分をコードする一連の合成DNA断片からな
るDNAプローブを構成することができる。アミノ酸配
列を決定する技術は、当業界でよく知られている。IL
−1 INHの種々の領域のアミノ酸配列を決定したな
らば、縮退IL−1 INHプローブのプールを化学的
に合成し得るが、従来のホスホアミドDNA合成技術を
使用し、種々のDNAライブラリのスクリーニングへの
使用を図り、ハイブリダイゼーションにより関連するD
NA配列を選択する。その後、32P−ATPおよびT4
ポリヌクレオチドキナーゼを使用して32PによるDNA
プローブの5′エンドラベルを行う。主として、エー・
エム・マキサムとダブリュ・ギルバート、「DNA配列
決定の新しい方法」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 7
4, pp. 560-64 (1977) によって記載されている。その
後、これらのDNAプローブを使用し、cDNAまたは
染色体ライブラリのスクリーニングを行う。例えば、単
球白血病細胞ラインU937、THP−I並びにHL60であ
り、従来の方法を使用し、本発明のIL−1 INHを
コードするDNA配列について行う。その後、これらの
選択された配列を加工して、これらにより形質転換され
た原核および真核宿主におけるIL−1 INHの発現
を図るが、当業界でよく知られた技術による。また、こ
れらは、哺乳動物IL−1 INHをコードする他の関
連するDNA配列を選択するスクリーニングのプローブ
としても有用である。
【0025】本発明のDNA配列およびDNA分子は、
広範な宿主/ベクタの組合せを使用して発現し得る。例
えば、有用なベクタは染色体、非染色体並びに合成DN
A配列の断片よりなり、例えば、SV40の種々の公知誘
導体および公知細菌プラスミド、例えば、colE1、
pCR1、pBR322、pMB9並びにRP4;ファ
ージDNA、例えば、ファージの種々の誘導体、例え
ば、NM989、および他のDNAファージ、例えば、
M13、および他の線状一本鎖DNAファージ;2μプ
ラスミドのような酵母に有用なベクタ;真核細胞に有用
なベクタ、例えば、動物細胞に有用なベクタ、例えば、
SV−40アデノウィルスを含有するものおよびレトロ
ウィルス誘導DNA配列並びにプラスミドおよびファー
ジのDNAの組合せから誘導されたベクタ、例えば、フ
ァージDNAまたはその誘導体を用いるよう改変された
プラスミドである。
【0026】この種の発現ベクタも、少くとも1つの発
現調節配列を特徴とし、ベクタに挿入されたIL−1
INH DNA配列に機能的に連結され、そのクローン
化DNA配列の発現の調節および制御を図る。有用な発
現調節配列の例には、lac系、trp系、tac系、
trc系、ファージλの主要オペレータおよびプロモー
タ領域、fdコート蛋白質の調節領域、酵母の解糖系プ
ロモータ、例えば、3−ホスホグリセレートキナーゼの
プロモータ、酵母酸性ホスファターゼのプロモータ、例
えば、Pho5、酵母α−交配因子のプロモータ、並び
にポリオーマ、アデノウィルス、レトロウィルス、並び
にシミアンウィルスから誘導されたプロモータ、例え
ば、初期および後期プロモータまたはSV40、並びに
原核および真核細胞の遺伝子の発現を調節することが知
られている他の配列並びにそれらのウィルスまたはそれ
らの組合せがある。
【0027】この種の有用な発現ベクタの内、真核宿主
でのクローン化IL−1 INHDNA配列の発現を可
能とするベクタが存する。例えば、動物およびヒト細胞
[例えば、サザーンとピー・ベルグ、J. Mol. Appl. Ge
net., 1, pp. 327-41 (1982)、エス・サブラマニら、Mo
l. Cell. Biol., 1, pp. 854-64 (1981)、アール・ジェ
イ・カウフマンとピー・エー・シャープ、「モジュラ・
ジヒドロ葉酸レダクターゼ相補的DNA遺伝子により共
感染された配列の増幅および発現」、J. Mol. Biol., 1
59, pp. 601-21 (1982) 、アール・ジェイ・カウフマン
とピー・エー・シャープ、Mol. Cell. Biol., 159, pp.
601-64 (1982)、エス・アイ・スカヒルら、「チャイニ
ーズ・ハムスター・オバリー細胞におけるヒト免疫イン
ターフェロンDNA遺伝子の産物の発現と特徴」Proc.
Natl. Acad. Sci. USA., 80, pp. 4654-59 (1983) 、ジ
ー・ウルラウブとエル・エー・チャシン、Proc. Natl.A
cad. Sci. USA., 77, pp. 4216-20 (1980) ]である。
【0028】更に、それぞれの特定の発現ベクタ内に
て、本発明のIL−1 INH DNA配列を挿入する
種々の部位を選択し得る。これらの部位は、これらを切
断する制限エンドヌクレアーゼにより通常は設計され
る。これらは、当業者によってよく認識されている。本
発明に有用な発現ベクタは、選択されたDNA断片を挿
入する制限エンドヌクレアーゼ部位を有する必要はない
ことを理解すべきである。その代りに、このベクタは、
他の手段によって断片に連結し得る。この発現ベクタ、
および特にその中で選択されたDNA断片の挿入のため
に選択される部位並びにその中の発現調節配列への機能
的連結は、種々の因子により決定される。例えば、特定
の制限酵素に感受性の部位の数、発現すべき蛋白質の大
きさ、宿主細胞酵素による蛋白質分解に対する所望の蛋
白質の感受性、精製の途中で除去するのが困難な宿主細
胞蛋白質による共存または発現すべき蛋白質への結合、
発現特性、例えば、ベクタ配列に関しての開始および停
止コドンの位置、並びに当業者によって認識される他の
因子である。ベクタおよびDNA配列の挿入部位の選択
は、これらの因子のバランスによって決定され、必ずし
も全ての選択が、与えられた場合に対して等しく有効で
はない。
【0029】有用な発現宿主には、周知の真核および原
核宿主が包含される。例えば、イー・コリの種、例え
ば、イー・コリSG−936、イー・コリHB101、
イー・コリW3110、イー・コリX1776、イー・
コリX2282、イー・コリDHI、並びにイー・コリ
MRC1、シュードモナス、枯草菌、例えば、バシラス
・サティリス(Bacillus subtilis )、ストレプトミセ
ス、酵母並びに他の真菌類、動物、例えば、COS細胞
およびCHO細胞、並びにヒト細胞並びに組織培養にお
ける植物細胞である。
【0030】勿論、必ずしも全ての宿主/発現ベクタの
組合せが、本発明のDNA配列の発現に際し、または本
発明のIL−1 INH様ポリペプチドの生産に際し、
等しい効率で機能するものではない。しかしながら、宿
主/発現ベクタの組合せの特定の選択は、本発明の範囲
を逸脱することなくここに記載した原理をすべからく熟
考した後に当業者によって為され得る。例えば、選択
は、多数の因子のバランスに基くべきである。これらに
は、例えば、宿主とベクタとの和合性、DNA配列によ
ってコードされる蛋白質の宿主に対する毒性、所望の蛋
白質の回収の容易性、DNA配列およびこれらに機能的
に連結された発現調節配列の発現特性、生物的安全性、
コスト並びに折り畳み、形態または他の全ゆる必要な所
望の蛋白質の発現後改変が包含される。
【0031】その後、本発明のDNA配列により形質転
換された原核または真核宿主の醗酵によって生産される
IL−1 INHを、本発明の免疫抑制および抗炎症組
成物並びに方法に用いることができる。
【0032】また、本発明のIL−1 INHを分析し
てIL−1 INHの活性を有する合成ペプチドが包含
される断片またはペプチドを生産するこれらの活性部位
を決定することもできる。この種の活性部位を決定する
公知の方法の中には、X線結晶解析、核磁気共鳴、円偏
光二色性、UV分光分析並びに部位特異的突然変異があ
る。よって、これらの断片およびペプチドも本発明の一
部であり、その免疫抑制または抗炎症標的並びに方法に
用いることができる。
【0033】本発明のIL−1 INHポリペプチド、
またはこれらから誘導または合成されるか、またはこれ
らのアミノ酸配列を使用するペプチド、またはこれらの
塩または薬学的に許容し得るこれらの誘導体の投与は、
免疫抑制または抗炎症活性を示す薬剤の投与について従
来受け入れられた全ゆる方法を介して行うことができ
る。これらには、経口、非経口、皮下、静脈内、病巣内
または局所投与が包含される。局所、病巣内または静脈
内投与が好適である。
【0034】これらの治療に使用される組成物も、種々
の形態とし得る。これらには、例えば、固体、準固体並
びに液体投与形態が包含され、例えば、タブレット、ピ
ル、粉末、液体溶液または懸濁液、座薬、注射および注
入溶液がある。好適な形態は、意図する投与の様式並び
に治療用途に依存する。また、この組成物は、好ましく
は、従来の薬学的に許容し得るキャリヤを包含し、他の
治療薬剤、キャリヤ、アジュバント、賦形剤等、例え
ば、ヒト血清アルブミンまたは血漿調製物を包含し得
る。好ましくは、本発明の組成物は、単位投与の形態と
し、通常は1日に1回以上投与する。
【0035】ここに記載した本発明がより十分に理解さ
れるべく、以下の実施例を記載する。これらの実施例は
説明の目的のためのみであり、如何なる様式において
も、ここに記載する特定の態様に本発明を限定すると解
釈すべきでないことを理解すべきである。
【0036】
【実施例】
実施例1:IL−1 INHの精製 a)ヒト尿由来の蛋白質の濃縮 4℃にて、100 リットルのプールした尿(尿感染症を有
さない高度熱性患者(>38.5℃)由来)を用い、アミコ
ン限外濾過ホロー・ファイバ装置により2リットルに濃
縮した。得られた溶液は、実施例2で記載するIL−1
レセプタアッセイによる測定で12U/mg蛋白質、実施例
3で記載するLAFアッセイによる測定で166 U/mg蛋
白質、実施例4で記載するEL−4/CTLLアッセイ
による測定で32U/mg蛋白質、実施例5で記載するMC
Fアッセイによる測定で125 U/mg蛋白質の比活性を有
していた。「U」または単位は、それぞれのバイオアッ
セイで最大の半分の阻害を与えるIL−1 INH(μ
g )の量として定義する。図9を参照するとよい。
【0037】b)ヒト尿由来の蛋白質の沈澱 まず、固体硫酸アンモニウムを用いて、濃縮した尿のプ
ールを飽和させた。一定に撹拌しつつ4℃にて硫酸アン
モニウム飽和40%に達するまで硫酸アンモニウムを徐々
に添加することによった。次に、溶液から沈澱物を除去
したが、ソルバールRC−5B(イー・アイ・デュ・ポ
ン、ニュー・タウン、コーン)中での遠心分離により、
10,000rpm で1時間固定角GSAロータを使用した。次
に、ペレットを除去し、上澄を80%飽和硫酸アンモニウ
ムに調整し、10,000rpm で1時間遠心分離を行った。そ
の後、得られたペレットを、150 mMのNaCl(650 m
l)を用い20mMのリン酸ナトリウム(pH7.2 )中に再懸
濁した。その後、この溶液を、10mMTris・HCl (pH
8)、2mMEDTA並びに5mMベンザミジンHClに対
して24時間透析し、硫酸アンモニウムを除去した。
【0038】c)イオン交換クロマトグラフ 次に、この合せた画分中のIL−1 INH活性を他の
蛋白質から分離したが、2つの異なる陰イオン交換樹脂
に対するIL−1 INHの強い結合親和力の使用を図
ることによった。それぞれの陰イオン交換樹脂を、単独
または組合せて用いたが、DEAEセファロースカラム
は、好ましくはQAEセファロースカラムの後とした。
【0039】1)ジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)
アミノエチル (QAE)セファロースカラム 多数の陰イオン交換クロマトグラフ系が当業者によく知
られているが、最初にQAE−セファロースカラムの使
用を選択した。直径5cm×45cm(ファルマシア・ファイ
ン・ケミカルズ、ピスカタウェイ、ニュー・ジャージ
ー)である。前記透析した溶液を装填した後、未結合蛋
白質が溶出されるまでカラムを洗浄した(280 nmの光学
密度)。結合した蛋白質を溶出させた。カラムの4倍容
量の塩勾配を用い、平衡化緩衝液に溶解した0〜0.8 M
NaClとした。カラムの流速は、120 ml/時間とし
た。種々の画分の活性をモニタしたが、LAFおよびレ
セプタ結合アッセイ(後記)を使用した。図1を参照す
るとよい。IL−1 INHの生物活性を示す画分は、
150 mMNaCl付近に溶出された。合せた活性画分は、
実施例2に記載するIL−1レセプタ結合アッセイによ
る測定として33U/mg蛋白質、実施例3に記載するLA
Fアッセイによる測定として63U/mg蛋白質、実施例4
に記載するEL−4/CTLLアッセイによる測定とし
て27U/mg蛋白質、実施例5に記載するMCFアッセイ
による測定として200 U/mg蛋白質の比活性を有してい
た。図9を参照するとよい。
【0040】2)ジエチルアミノエチル(DEAE)セフ
ァロースカラム 活性なプールを10mMTris・HCl (pH7)に対して透析
し、DEAE−セルロース高流速カラム、2.5 cm×30cm
(ファルマシア・ファインケミカルス、ピスカタウェ
イ、ニュー・ジャージー)上に装填した。活性なプール
を装填したカラムを平衡化緩衝液(10mMTris・HCl 、pH
7)により洗浄し、光学密度(280 nMにおける)をほぼ
0とした。その後、平衡化緩衝液に溶解した0〜0.2 M
NaCl勾配により結合した蛋白質を溶出した。勾配
は、カラムの容量の10倍とした。カラムの流速は78ml/
時間とした。また、前記したように、種々の画分の活性
をモニタした。この溶出は、90mMNaCl洗浄工程の終
りにIL−1 INH活性を含有する画分の溶出を与え
た。図2は、DEAEセファロース上での尿のIL−1
阻害剤の活性プロフィールを示す。図中、阻害活性は、
(A) IL−1/LAFアッセイおよび(B) IL−1レセ
プタ結合アッセイ(下記)に従った。
【0041】次に、YM−10膜を使用するアミコン限外
濾過装置により活性プールを6mlに濃縮した。得られた
溶液は、IL−1レセプタ結合アッセイ(下記)による
測定として50U/mg蛋白質、LAFアッセイ(下記)に
よる測定として125 U/mg蛋白質、EL−4/CTLL
アッセイ(下記)による測定として40U/mg蛋白質、M
CFアッセイ(下記)による測定として500 U/mg蛋白
質の比活性を有していた。図9を参照するとよい。
【0042】勿論、本発明の範囲を逸脱することなく、
他の陰イオン交換カラムも選択し得ることを理解すべき
である。
【0043】d)ウルトロゲルAcA54 次に、前記したように調製した濃縮物を2回分画した
が、ゲル濾過を使用する分子量によるものとした。多数
の適切なゲル濾過系が当業者によく知られているが、分
画範囲6000−70,000ダルトンを有するAcA54ゲル
(LKB、スウェーデン)の使用を選択した。また、前
記したように、画分の活性をモニタした。図3を参照す
るとよい。得られた活性画分のプールは、IL−1レセ
プタ結合アッセイ(下記)による測定として1666U/mg
蛋白質、LAFアッセイ(下記)による測定として526
U/mg蛋白質、EL−4/CTLLアッセイ(下記)に
よる測定として333 U/mg蛋白質、MCFアッセイ(下
記)による測定として1110U/mg蛋白質の比活性を有し
(図9を参照するとよい)、約25kDの分子量を有してい
た。また、他の濾過系も使用し得ることを理解すべきで
ある。
【0044】図4は、(A) IL−1/LAFアッセイお
よび(B) 後期するIL−1/レセプタ結合アッセイによ
る種々の尿IL−1 INHプールの投与−応答(dose
-responce )を示す。それぞれの精製工程の後、すなわ
ち、尿の濃縮、QAE−セファロース、DEAE−セフ
ァロース、並びにAcA54(2回)の後、阻害を達成
するのに必要なIL−1 INHの濃度(μg /ml)は
減少し、より純粋な蛋白質となることを示した。
【0045】e)ネガティブ免疫吸着 アミノ酸配列決定によりゲル濾過からの活性プールを分
析した。自動エドマン分解の従来の方法を使用し、少く
とも90%の蛋白質含量を示す2つの主要な共存物が、ア
ポリポ蛋白質AIおよびレチノール結合蛋白質であるこ
とを認めた。これらの蛋白質を除去するには種々の方法
が利用可能であるが、免疫吸着および疎水性クロマトグ
ラフを選択した。
【0046】よって、次に、主要な共存物をIL−1
INHのAcA54活性プールから免疫吸着によって分
離した。レチノール結合蛋白質およびアポリポ蛋白質A
Iに対するモノクローナルおよびポリクローナル抗体
は、免疫化の標準的な方法を使用して作製した。その
後、イムノグロブリンGs(IgGs)を40%流酸アン
モニウム飽和を用いる沈澱により部分精製した。IgG
ペレットを0.2 Mのリン酸ナトリウムに再懸濁し、同じ
緩衝液に対して透析した。次に、このIgGプールをビ
ニルスルホン活性化アガロースと共役させた。製造者
(KEM−EN−TEC、バイオテクノロジー・コー
プ、デンマーク)により記載されたように行った。免疫
吸着体を平衡化した後、リン酸塩緩衝塩類溶液を用い、
IL−1 INHプールからの共存物を吸着させた。こ
のプールに何回か免疫吸着体を通過させ、全ゆるレチノ
ール結合蛋白質およびアポリポ蛋白質AIが完全に吸着
されるまで行うことにより、測定として、ナトリウム・
ドデシル硫酸−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SD
S−PAGE)によった。得られた溶液は、IL−1レ
セプタ結合アッセイ(下記)による測定として3334U/
mg蛋白質、LAFアッセイ(下記)による測定として25
00U/mg蛋白質、EL−4/CTLLアッセイ(下記)
による測定として1250U/mg蛋白質、MCFアッセイ
(下記)による測定として2160U/mg蛋白質の比活性を
有し(図9を参照するとよい)、SDS/PAGE上で
単一のピークを示した。
【0047】f)フェニル−セファロース 免疫吸着したIL−1阻害剤プールを1MNaClに調
整し(10mMTris・HClpH7に溶解した1容の2MNaC
lを添加することによった)、フェニルセファロース
(0.5 ×5cm、この樹脂はファルマシア・ファイン・ケ
ミカルス・スウェーデンから得た)に装填した。樹脂は
予め0.21MNaClを含有する10mMTris・HCl 、pH7
(平衡化緩衝液)を用いて平衡化させた。装填後、3カ
ラム容量の平衡を用いてカラムを洗浄し、全ての未結合
蛋白質を溶出させ、10mMTris・HCl 、pH7に溶解した0.
2 MNaCl〜0Mの勾配により結合して蛋白質を溶出
させた。全勾配は、カラム容量の50倍とした。カラムの
流速は30ml/時間とした。IL−1阻害剤活性は、0.16
0 MNaCl付近で溶出され、25Kda M.W.の蛋白質を与
え、4.7 のPIを有していた。得られた溶液は、実施例
2に記載するIL−1レセプタ結合アッセイによる測定
として38461 U/mg蛋白質、実施例3に記載するLAF
アッセイによる測定として2,500 U/mg蛋白質、実施例
4に記載するEL−4/CTLLアッセイによる測定と
して35,020U/mg蛋白質、実施例5に記載するMCFア
ッセイによる測定として30,303U/mg蛋白質の比活性を
有し(図9を参照するとよい)、SDS/PAGE上で
単一のピークを示した。
【0048】実施例2:IL−1 INHのレセプタ結
合能力 EL−4−6.1標的細胞上のIL−1レセプタに対す
る本IL−1 INHの結合特性を決定すべく、まず、
標的細胞に対する[125 I]−IL−1の結合によりI
L−1 INHが妨害されるか否かを見るべく試験を行
った。125 Iを用いてIL−1をラベルした。クロラミ
ンT方法[ロウェンサルら、「T細胞によるインターロ
イキン−1の結合および内面化」、J. Exp. Med., 164,
p. 1060]によった。これを、過剰の非ラベルIL−1
INHと共にインキュベートし、その後、油勾配上で
洗浄した。ガンマ・カウンタを使用し、次に、細胞によ
り保持された物質を測定し、IL−1 INHの濃度の
増加により、標的細胞の表面に結合される[125 I]−
IL−1の量が減少することを認めた。
【0049】更に試験を行い、IL−1 INHが、標
的細胞への[125 I]−IL−1INHの結合を妨害す
るか否か、[125 I]−IL−1 INHの結合が、非
ラベルIL−1によって競合され得るか否か、標的細胞
に対する[125 I]−IL−1 INHの結合が、レチ
ノール結合蛋白質またはアポリポ蛋白質AIによって競
合され得るか否かを見た。[125 I]を用い、ボルトン
とフンタの方法によってIL−1 INHをラベルした
[ボルトンとフンタ、「125 I含有アシル化剤との共役
による蛋白質の高特異的放射能活性ラベル化」、Bioche
m. J., 133,p. 529 (1973) ]。この材料とEL−4−
6.1標的細胞とのインキュベートを行った後、油勾配
上で洗浄し、SDS PAGE上での分析を行い、約25
kDの分子種がEL−4細胞に結合することを認めた。過
剰の非ラベルIL−1 INHと共に[125 I]−IL
−1 INHをインキュベートすると、ラベルした25kD
分子種の結合が妨害されることを認めた。また、[125
I]−IL−1−INHを50ナノグラムの非ラベルIL
−1βと共にインキュベートし、これにより、ラベルし
た25kD分子種の結合が妨害されることを認めた。また、
[125 I]−IL−1 INHを1μg の免疫精製レチ
ノール結合蛋白質および1μg の組換えアポリポ蛋白質
AIと共にインキュベートし、これにより、ラベルした
25kD分子種の結合が妨害されないことを認めた。よっ
て、ラベルしたIL−1 INH調製物中に存在する25
kD分子種は、インタクトのEL−1−6.1細胞の表面
に結合し、この結合は、非ラベルの阻害剤により、ま
た、IL−1により競合されるが、レチノール結合蛋白
質またはアポリポ蛋白質AIによっては競合されない。
【0050】実施例3:IL−1/LAFアッセイ C3 H/HeJマウスにおけるチモサイト(T−細胞)
増殖による測定として、IL−1/LAFアッセイにお
けるIL−1 INHの阻害活性を示した[ジェイ・エ
ム・ダイヤら、「ヒト組換えIL−1は、ヒト滑液細胞
によるコラーゲナーゼおよびプロスタグランジンE2 の
生産を刺激する」、J. Clin Invest., 77, p. 645 (198
6)]。PHA(1μg /ml)を用いて72時間に渡りチモ
サイト(thymocyte )細胞を共に刺激した。hrIL−
1α[ピー・ウィングフィールドら、「イー・コリ中で
発現したヒトインターロイキン−1の精製および特
徴」、Eur. J. Biochem, 165, p. 537 (1987) ]または
IL−1β[ピー・ウィングフィールドら、「イー・コ
リ中で発現したヒトインターロイキン−1βの精製およ
び特徴」、Eur. J. Biochem, 160, p. 491 (1986) ]の
存在下で、異なる終濃度(20pg/ml〜2,000 pg/mlの範
囲)のhrIL−1とした。これを図5に示す。細胞に
対し実施例1(e) に由来するIL−1 INH画分を添
加した場合、共に刺激したhIL−1αまたはhIL−
1βチモサイトの増殖の完全な阻害を得た。阻害活性
は、IL−1 INHの3つの希釈、1/20、1/40並
びに1/80でモニタした。
【0051】hrIL−1非存在下でのPHA刺激細胞
へのIL−1 INHの添加は[H3 ]−TdRの取り
込みに影響を与えないため、阻害は、細胞毒性または非
特異的効果によるものではなく、IL−1の生物活性の
阻害によるものであると決定した。
【0052】実施例4:EL−4/CTLLアッセイ IL−1 INHの阻害活性を決定した。EL−4細胞
中でIL−2の生産を誘導するIL−1αまたはIL−
1βの能力が阻害されるか否かを観察することによった
[例えば、エー・ジェイ・エッチ・ギヤリングら、「10
3 U/mlのIL−2に応答しないIL−1についての単
純な高感度バイオアッセイ」、J. Immun. Met., 99, p.
7 (1987) を参照するとよい]。これは、周囲の培地か
らチミジンを取り込むことのできないEL−4細胞のサ
ブクローンをCTLL−2細胞と共に培養し、CTLL
−2細胞が増殖するか否かを観察することにより測定し
た。
【0053】EL−4.6.1c10細胞およびCTL
L−2細胞を共に培養し、マイクロタイタの穴(96穴プ
レート)当り104 のそれぞれの種類の細胞濃度とし、約
1ピコグラム/mlのIL−1αまたはIL−1βの存在
下とし、実施例1(e) に由来するIL−1 INHを共
存させた。共存培養の18時間後に1ミクロキューリの
[H3 ]−TdRを添加し、湿潤雰囲気下にて37℃で6
時間更にインキュベートした。MASH細胞回収装置に
よりガラス・ファイバ・ストリップ上に細胞を回収し、
乾燥し、シンチレーション・カクテルを用いて調製し、
ベータ・カウンタ中でのカウントを図った。1/20、1
/40並びに1/80のIL−1 INHの希釈で、[H3
]−TdR取り込みの完全な阻害を得た。
【0054】実施例5:IL−1/MCFアッセイ 更に、IL−1/MCFアッセイにおけるIL−1 I
NHの阻害活性を示した。ヒト幼児包皮から得られた繊
維芽細胞により測定した[ジェイ・ダイヤら、「リュウ
マチ性滑液細胞によるコラーゲナーゼおよびプロスタグ
ランジン放出を刺激する因子の生産におけるマクロファ
ージおよびリンパ球の関与」、J. Clin.Invest., 64,
p. 1386 (1976)、ジェイ・ダイヤら、「リウマチ性滑液
細胞におけるコラーゲナーゼおよびプロスタグランジン
E2 刺激活性により測定したヒトインターロイキン−1
mRNAの誘導」、Eur. J. Immunol., 14, p. 898 (19
84) ]。IL−1/LAFアッセイと同様の濃度でhr
IL−1αまたはhrIL−1βを用いて繊維芽細胞を
刺激し、IL−1/LAFアッセイと同様の最終希釈で
阻害活性をモニタした。72時間細胞を培養した後、二重
抗体ラジオイムノアッセイより繊維芽細胞上澄における
プロスタグランジンE2 生産を測定し[ジェイ・ダイヤ
(1979)、上記]、プロスタグランジンE2 に対する抗血
清を使用した。図6に示すように、hrIL−1αまた
はhrIL−1βのいずれによっても、100 pg/mlの濃
度までプロスタグランジンE2 生産の投与応答を認め
た。実施例1(e) に由来するIL−1 INH画分を添
加することによりこの生物活性を阻害することができ
た。IL−1 INHは、hrIL−1αおよびhrI
L−1βに対して同様に有効であると決定した。
【0055】その後、hrIL−1をhrTNFα[エ
ー・マーメノウトら、「TNFの分子クローン化および
発現並びにマウスのTNFとの比較」、Eur. J. Bioche
m, 152, pp. 515-22 (1985) ]と置換して前記アッセイ
を行った。TNFαも、プロスタグランジンE2 および
コラーゲナーゼ生産のメディエータだからである。図7
に示すように、hrTNF誘導プロスタグランジンE2
生産は、本IL−1INHの添加によって顕著な影響を
受けず、本IL−1 INHの特異性を示した。
【0056】実施例6:繊維芽細胞増殖アッセイ 更に、[H3 ]TdRの取り込みにより測定する繊維芽
細胞増殖アッセイを使用し、実施例1(e) に由来するI
L−1INHの存在下でIL−1の生物活性をアッセイ
した。10mMHEPES、ペニシリン100 U/ml、ストレ
プトマイシン100 μg /ml、1%グルタミン、1%非必
須アミノ酸並びに2%FCSを補填したイーグルのME
M中にて、ヒト包皮繊維芽細胞を培養後、細胞を96穴プ
レート(2000細胞/穴)に接種し、5%CO2 インキュ
ベータ中にて37℃で24時間培養した。培地を除去した
後、hrIL−1αまたはhrIL−1βを添加するこ
とにより繊維芽細胞を刺激し、前記アッセイと同様の希
釈でIL−1 INHを添加した。48時間待機し、更に
16時間[H3 ]TdRにより細胞をパルスした。細胞か
ら培地を除去し、その後これをPBSを用いて洗浄し、
更に15分37℃にてトリプシン処理を行った。細胞回収装
置(スカトロン、リエル、ノルーウェイ)を用い、ガラ
ス・フィルタ(スカトロン、インコ、ステーリング、バ
ージニア、U.S.A.)上に細胞を集め、水で洗浄し、風乾
し、シンチレーション・カウンタを使用してcpm 取り込
みを決定した。図8に示すように、繊維芽細胞の増殖
は、hrIL−1αおよびhrIL−1βについて投与
依存性であった。250 pg/mlのhrIL−1αまたはβ
を用いて最大の[H3 ]TdRの取り込みを得た。Ac
A54阻害画分の添加により、hrIL−1誘導増殖の
完全な減少が得られた。また、IL−1濃度を増加させ
ることにより、またはIL−1 INHを希釈すること
により阻害の完全な逆行を達成した。
【0057】また、hrTNFαを用いて繊維芽細胞を
刺激することによりこの阻害の特異性を決定したが、こ
れは、250 pg/mlの濃度まで投与依存性の様式で繊維芽
細胞増殖を誘導した。AcA54阻害画分の添加によっ
ては、hrTNFαの生物活性の阻害は得られなかっ
た。これにより、IL−1 INHの特異性が確認され
た。
【0058】実施例7:等電点の決定 実施例1(e) から溶出された蛋白質のプールを使用し、
予め25mMのイミダゾール(pH7.5 )で平衡化したPBE
クロマトフォーカシング(ファルマシア・ファイン・ケ
ミカル、スウェーデン)カラム(2.5 ×10cm)に装填し
た。ポリバッファ74HCl、pH4を添加した。これは結
合蛋白質の溶出を与えるが、その等電点に依存する。I
L−1 INHのpIは4.7 であると決定した。
【0059】本発明の多数の態様を前記したが、この基
本的な構成を改変して本発明の方法および組成物を利用
する他の態様を提供し得ることは明らかである。
【0060】したがって、本発明の範囲は、ここに記載
する請求の範囲によって規定され、例として示した特定
の態様によらないことを銘記すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】QAEセファロース工程により得られた尿のI
L−1 INHの活性プロフィールを示す説明図であ
る。
【図2】DEAEセファロース工程により得られた尿の
IL−1 INHの活性プロフィールを示す説明図であ
る。
【図3】AcA54濾過画分の尿のIL−1 INHの
活性プロフィールを示す説明図である。
【図4】それぞれの精製工程後の尿のIL−1 INH
プールの投与−応答を示す説明図であって、IL−1/
LAFおよびIL−1/レセプタ結合アッセイにて測定
したものである。
【図5】IL−1/LAFアッセイにて測定したIL−
1 INH活性を示す説明図である。
【図6】IL−1/MCFアッセイにて測定したIL−
1 INH活性を示す説明図である。
【図7】IL−1 INHがhrTNFα−誘導PGE
2 生産に影響を与えないことを示す説明図である。
【図8】IL−1/繊維芽細胞増殖アッセイにて測定し
たIL−1 INH活性を示す説明図である。
【図9】それぞれの精製工程後のIL−1レセプタ結合
アッセイ、LAFアッセイ、EL−4/CTLLアッセ
イ並びにMCFアッセイにて測定したIL−1 INH
比活性を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーゼイ,ゴンザーロ ジョゼ スイス国、1201 ジュネーブ、リュー ネ カール 11 (72)発明者 ショー,アラン リード スイス国、1227 ジュネーブ、ケ デュ シュバル ブラン 19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IL−1 INHをコードするDNA配
    列を特徴とする組換えDNA分子を生産する方法であっ
    て、前記IL−1 INHがヒト由来であり、SDS/
    PAGEにおいて単一バンドとして泳動されかつアポリ
    ポ蛋白質Aおよびレチノール結合蛋白質を実質的に含ま
    ないことを特徴とし、前記方法は、(a) 精製したIL−
    1 INHのアミノ酸配列を決定し、(b) 工程(a) のア
    ミノ酸配列を基礎とするオリゴヌクレオチドプローブの
    プールを作成し、(c) DNAまたはcDNAライブラリ
    ーのスクリーニングを行い、(d) 通常の条件下でプロー
    ブにハイブリダイズするクローンを選択し、(e) 配列決
    定又は発現により選択クローンを分析し、それらがIL
    −1 INHをコードするDNA配列を含有するか否か
    を決定する工程からなることを特徴とする組換DNA分
    子の生産方法。
  2. 【請求項2】 IL−1 INHがヒト由来であり、S
    DS/PAGEにおいて単一バンドとして泳動されかつ
    アポリポ蛋白質Aおよびレチノール結合蛋白質を実質的
    に含まないことを特徴とする、前記IL−1 INHを
    発現に際してコードするDNA配列からなる組換えDN
    A分子。
  3. 【請求項3】 発現調節配列を更に含み、前記発現調節
    配列がDNA分子中にてIL−1 INHをコードする
    DNA配列に機能的に連結されていることを特徴とする
    請求項2記載の組換えDNA分子。
  4. 【請求項4】 発現調節配列が、lac系、trp系、
    tac系、trc系、ファージの主要オペレータおよび
    プロモータ領域、fdコート蛋白質の調節領域、SV4
    0の初期および後期プロモータ、ポリオーマ、アデノウ
    ィルスおよびサルのウィルスに由来するプロモータ、3
    −ホスホグリセレートキナーゼのプロモータ、酵母酸性
    ホスファターゼのプロモータ、酵母α−交配因子のプロ
    モータ並びにこれらの組合せよりなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項3記載の組換えDNA分子。
  5. 【請求項5】 IL−1 INHを生産する方法であっ
    て、前記IL−1INHがヒト由来であり、SDS/P
    AGEにおいて単一バンドとして泳動されかつアポリポ
    蛋白質Aおよびレチノール結合蛋白質を実質的に含まな
    いことを特徴とし、前記方法は、請求項3または4に記
    載の組換えDNA分子により形質転換された単一細胞性
    宿主を培養する工程からなるIL−1 INHの生産方
    法。
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