JPH10325843A - フェーズドアレイ型ドップラーソーダー - Google Patents

フェーズドアレイ型ドップラーソーダー

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Publication number
JPH10325843A
JPH10325843A JP9150397A JP15039797A JPH10325843A JP H10325843 A JPH10325843 A JP H10325843A JP 9150397 A JP9150397 A JP 9150397A JP 15039797 A JP15039797 A JP 15039797A JP H10325843 A JPH10325843 A JP H10325843A
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JP
Japan
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phased array
transmission signal
transducer element
weighting
array type
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Pending
Application number
JP9150397A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kojima
泰史 小島
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Kaijo Corp
Original Assignee
Kaijo Corp
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Filing date
Publication date
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  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 観測の信頼性を向上させることができるフェ
ーズドアレイ型ドップラーソーダーを提供すること。 【解決手段】 コントローラ1にはCPU4が具備さ
れ、CPU4は方形配列された複数のトランスデューサ
素子より成るフェーズドアレイ・アンテナ3に対して送
信信号を供給するように制御する。CPU4は前記各ト
ランスデューサ素子に対して加える送信信号が短パルス
である場合には、各トランスデューサ素子に対して重み
付けをして送信信号を供給し、また各トランスデューサ
素子に対して加える送信信号が長パルスである場合に
は、各トランスデューサ素子に対して重み付けを与えず
に送信信号を供給する。これにより、短パルスによる近
距離観測用の指向性はサイドローブが抑制され、近隣の
ビルや他の障害物などの影響を比較的受けず、S/Nを
良好に保つことができる。また、長パルスによる遠距離
測定に対して重み付けによるパワーの低下がないため、
高々度までの観測が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気拡散の調査な
どを目的として上空の風向や風速を測定するのに利用さ
れる風速測定用ドップラー探査装置に関し、特に上空の
風向風速を地上からリモートセンシングするフェーズド
アレイ型ドップラーソーダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】風速測定用のドップラー探査装置は、音
波を上空の大気中に向けて放射し、気温躍層や気温変動
領域に起因する密度の不連続や揺らぎなど大気の音響特
性の不連続又は変動箇所で発生する微弱な反射波を受信
する。この受信された反射波に含まれる周波数のドップ
ラーシフト量からこの反射波を生じさせた密度変動領域
の移動速度、すなわちその箇所の風速・風向を検出す
る。
【0003】図5(a)及び(b)には、従来の5ビー
ム法によるフェーズドアレイ型ドップラーソーダーが示
されている。
【0004】図5に示す従来の装置では、音響源として
の数Mが、その行および列を5×5=25個とした音響
変換素子としてのトランスデューサ素子が用いられてい
る。
【0005】このトランスデューサ素子がX−Y平面内
にアレイ状、すなわち方形配列されてなり、各トランス
デューサ素子が東西南北の4方向に所定量の位相差をも
って励振される。
【0006】各励振方向に位相面が揃つた4本の超音波
ビームがX−Y平面に立てた法線(天頂方向)と所定の
チルト角θをなす方向に順次放射される。位相差を持た
せない状態では、X−Y平面に立てた法線の方向、すな
わち紙面に垂直方向に超音波ビームが放射される。
【0007】また、図6に示すように前記トランスデュ
ーサ素子の数Mが増えればビーム幅が小さくなり、指向
性が増すことが知られている。これは等しく音波を放射
する例えば16×16=256個からなる音響源の特性
は、実線で示しており、また前記した5×5=25個か
らなるものの特性は破線で示している。実線で示した1
6×16=256個からなる音響源によるものの方が、
破線で示した5×5=25個からなるものよりも幅の狭
いビームが形成され指向性が鋭くなっている。
【0008】図7(a)は、音響源としての数Mが16
×16=256個の場合でシェーディング技法を用いた
場合と用いない場合での指向性関数R(θ)の関係を示
すものである。
【0009】ここで、指向性関数R(θ)は、次式であ
らわすことができる。
【0010】
【数1】
【0011】図8に示すようにX=πのとき、サイドロ
ーブの大きさはメインローブと等しくなる。従って、図
7(a)にも示すようにX<πとなるような範囲で設定
されている。
【0012】図7(a)において、破線で示したものが
シェーディング技法を用いない場合(Unshade
d)を示しており、実線がシェーディング技法を用いた
場合(Shaded)を示している。
【0013】シェーディング技法を用いた場合には、サ
イドローブのレベルがかなり抑制されていることが確認
できる。
【0014】図7(b)は、前記シェーディング技法を
行う場合の一例を示すものである。即ち、フェーズドア
レイ・アンテナの送受信が方形配列の中心出力及び感度
が大きくなるように8段階で制御する場合の重み付けを
示すものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の図5に示す5ビ
ーム法においても上空の風速・風向を比較的高精度に検
出することができるが、風速の乱流量(2次モーメン
ト)などを検出する必要性やビームの指向性の向上を図
る上では音響源の数Mを増やす方がよい。そこで、図6
乃至図8に示す音響源の数Mが16×16=256個の
ほうがすぐれている。
【0016】図9はフェーズドアレイ型ドップラーソー
ダーを例えばビルの屋上などに設置した状態で音波を上
空の大気中に向けて放射して観測する状態を示してい
る。図9において、B1はドップラーソーダーがその屋
上に設置されたビルを示し、B2乃至B5はその近隣に
存在するビルを示している。
【0017】ところで、図9に示したような状態で観測
を行った場合、図7(a)に示すようにシェーディング
技法を用いない場合には、サイドローブのレベルが高い
ので近隣のビルや他の障害物などの存在により、放射さ
れた音波の反射波の影響を多く受けてS/N(sign
al to noise)が低下するという問題が生ず
る。
【0018】このような影響を抑制するために図7
(b)に示すように重み付けによるシェーディング技法
を用いフェーズドアレイ・アンテナの送受信が、方形配
列の中心出力及び感度が大きくなるように8段階で制御
することによってサイドローブのレベルを低く抑え、近
隣のビルや障害物などからの反射波による影響を抑える
ようにして前記問題を解決している。
【0019】しかしながら、図7(a)に示すようにシ
ェーディング技法を用いる場合と用いない場合とでは、
メインローブの指向性がシェーディング技法を用いた場
合に比べて低下する。また、図7(a)では、シェーデ
ィング技法を用いた場合と用いない場合とでメインロー
ブの指向性関数R(θ)は等しく図示されているが、実
際にはエネルギー量は一定であるからシェーディング技
法を用いた場合には面積が膨らんだ二点鎖線で示すよう
に低下する。
【0020】即ち、この低下は大気中に音波を放射した
場合に同じ出力のもとでは例えば地上から約100mま
でというように遠くまで飛ばないため、遠くを観測する
ことができないという問題がある。
【0021】この種のフェーズドアレイ型ドップラーソ
ーダーは例えば一度ビルの屋上等に設置した場合には同
じ観測条件の下で複数の観測を行うためシェーディング
をかけて出力の設定をやり直したりすることは観測条件
の変更等を伴ってしまうため好ましくはないという課題
がある。
【0022】また、上空の近いところから遠いところま
での範囲を観測可能とするために観測位置の選定、出力
の設定並びにシェーディング技法の重み付けの仕方等を
決定することは作業性からみても好ましいものではな
い。
【0023】そこで、本発明は従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、上空の近いところから遠いところ
までを同じ設定条件の下で観測することができるフェー
ズドアレイ型ドップラーソーダーを提供することを目的
とするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフェーズド
アレイ型ドップラーソーダーは、大気中に音波を放射
し、その反射信号を受信して周波数のドップラーシフト
量から上空の風速成分とその標準偏差を測定するフェー
ズドアレイ型ドップラーソーダーであって、方形配列さ
れた複数のトランスデューサ素子より成るフェーズドア
レイ・アンテナの前記各トランスデューサ素子に対して
加える送信信号が短パルスである場合には、各トランス
デューサ素子に対して重み付けをして送信信号を供給
し、また前記各トランスデューサ素子に対して加える送
信信号が長パルスである場合には、各トランスデューサ
素子に対して重み付けを与えずに送信信号を供給する構
成としたものである。
【0025】この場合、前記各トランスデューサ素子に
は、複数のパワーアンプから重み付けの異なる送信信号
が供給されて増幅度を制御する構成としたものである。
【0026】そして、前記各トランスデューサ素子に対
して重み付けをして送信信号を供給するに際し、望まし
くはフェーズドアレイ・アンテナを構成する各トランス
デューサ素子の行方向または列方向においてより中央部
に位置するトランスデューサ素子に対して送信信号の電
力を増大させるように構成される。
【0027】また、好ましい実施の形態においては、前
記フェーズドアレイ・アンテナは、その行および列が1
6×16=256個のトランスデューサ素子で構成され
る。
【0028】また、好ましい実施の形態においては、前
記フェーズドアレイ・アンテナの全体の大きさは、略1
50×150cm以内となるように構成される。
【0029】さらに、好ましい実施の形態においては、
前記フェーズドアレイ・アンテナの各素子のホーンの直
径は略90mmで構成され、各素子間の離間距離dは、
駆動周波数2100Hzで約0.6λ(波長)で構成さ
れる。
【0030】以上のように構成されたフェーズドアレイ
型ドップラーソーダーによると、短パルス波送出時には
フェーズドアレイ・アンテナを構成する各トランスデュ
ーサ素子に対して重み付けが成された送信信号が供給さ
れる。従って近距離観測用の指向性はサイドローブが抑
制され、近隣のビルや他の障害物などの影響を比較的受
けず、S/Nを良好に保つことができる。
【0031】また長パルス波送出時にはフェーズドアレ
イ・アンテナを構成する各トランスデューサ素子に対し
ては重み付けが成されない状態で送信信号が供給され
る。従って遠距離測定に対して重み付けによるパワーの
低下がないため、高々度まで観測が可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフェーズドアレイ
型ドップラーソーダーについて、図に示す実施の形態に
基づいて説明する。図1は、そのシステム全体の構成を
ブロック図によって示したものである。
【0033】図1に示す1はコントローラ、2は送受信
回路、3は行および列が16×16=256個から成る
音響変換素子としてのトランスデューサ素子(31〜3
n)を方形配列したフェーズドアレイ・アンテナであ
る。
【0034】コントローラ1は、演算制御手段としての
CPU4、記憶手段としてのROM/RAM5、デバイ
ス入出力回路(D・I/O)6、A/D変換回路7、入
力インターフェース回路8、及び出力インターフェース
回路9で構成されている。
【0035】送受信回路2は、増幅手段としてのパワー
アンプ10、コントロールロジック回路11、送受信切
替スイッチ12、プリアンプ13、乗算器14、バンド
パスフィルタ15、可変利得増幅器16及び検波器17
で構成されている。
【0036】まず、送受信切替スイッチ12は、16×
16=256個の音響変換素子としてのトランスデュー
サ素子(31〜3n)の16列の送信信号が出力されるよ
うに切り替えられる。この送信された信号が空中に放射
されて帰ってきた受信信号は送受信切替スイッチ12に
より切り替えられて16列の受信信号が得られる。
【0037】この受信信号をプリアンプ13で増幅した
後、乗算器14で掛け算して1つの信号とする。この信
号をバンドパスフィルタ15を通して可変利得増幅器1
6に入力する。
【0038】次に、可変利得増幅器16に入力された信
号は、検波器17、入カインターフェース回路8を通し
てA/D変換回路7によりA/D変換してサンプリング
する。
【0039】このサンプリングされた信号をスペクトル
分析してこの入力された周波数を検出する。このとき、
駆動周波数は2100Hzであるから、Δf/f0×c
/2=Vrの関係より風速Vrが求められる。ここで、Δ
fは検出された周波数、f0は2100Hz、cは音速
である。これを合成して風速・風向を求める。
【0040】また、記憶手段としてのROM/RAM5
には必要なデータが予め入力されており、演算制御手段
としてのCPU4で前記風向・風速等の必要な演算処理
を行う。また、コントロールロジック回路11へは、測
定高度やハードウェアをコントロールするための初期設
定、パルスの間隔やビームの傾き等の情報がデバイス入
出力回路(D・I/O)6より与えられる。
【0041】前記図1に示すフェーズドアレイ・アンテ
ナ3は、256個のトランスデューサ素子を用い、各素
子のホーンの直径は略90mmで構成され、各素子間の
離間距離dは、駆動周波数2100Hzで約0.6λ
(波長)で構成されている。また、アンテナの全体の大
きさは、略150×150cm以内となるように構成さ
れている。
【0042】本発明に係るフェーズドアレイ型ドップラ
ーソーダーは、図1に示す装置を用いてフェーズドアレ
イ・アンテナ3から放射される音波に短パルス波と長パ
ルス波の混合パルスを用いることによって上空の近いと
ころから遠いところまでを同じ設定条件の下で観測する
ことができるものである。
【0043】図2は、送受信回路2内のコントロールロ
ジック回路11と、パワーアンプ10と、プリアンプ1
3と、送受信切替スイッチ12と、フェーズドアレイ・
アンテナ3の詳細を示す図である。
【0044】図2に示すようにコントロールロジック回
路11は、その内部の記憶手段としてのメモリ、即ちR
OM/RAM30内に図7(b)に示すような重み付け
有データ(weighing factor)が記憶さ
れているメモリ30aと重み付けがされていない重み付
け無しデータが記憶されているメモリ30bと、演算制
御手段としてのCPU31と、重み付け信号発生部20
を少なくとも備えている。
【0045】入力手段としての図示せぬキーボードなど
を介してコントローラ1内のCPU4に必要なパラメー
タが設定されると、CPU4はこの設定されたパラメー
タにしたがった制御信号をデバイス入出力回路(D・I
/O)6を通してコントロールロジック回路11内のC
PU31に入力する。このCPU31は、前記ROM/
RAM30の重み付け有りデータ30a又は重み付け無
しデータ30bの書き込み若しくは読み出しを行う。
【0046】CPU31は、重み付け有りデータメモリ
30a又は重み付け無しデータメモリ30bを適宜読み
出して重み付け信号発生部20に出力する。
【0047】重み付け信号発生部20は、前記メモリ3
0a又は30bからのデータを増幅手段としてのパワー
アンプ10に出力する。このパワーアンプ10は、本発
明では16個分備えている。即ち10a1乃至10an
まで順次増幅出力する。
【0048】パワーアンプ10により出力された信号
は、送受信切替スイッチ12に送信されて行又は列毎に
切り替えられてフェーズドアレイ・アンテナ3に送出さ
れる。
【0049】しかして、重み付け無しデータメモリ30
bを用いて比較的近距離の測定を行う場合には、近隣の
ビルや障害物などの反射波による影響がでる。これを防
ぐため、近距離の場合には短パルス波を用いかつ重み付
け有りデータを用いて測定を行い、遠距離の場合には長
パルス波を用いかつ重み付け無しデータを用いて測定を
行う。けだし、長パルス波は、短パルス波に比較して同
じ出力条件の下であっても遠距離まで測定を行うことが
でき、しかも遠距離の場合にはサイドローブを抑制しな
くても反射波による影響を受けることが無くしかもメイ
ンローブの指向性を損なうことなく測定を行うことがで
きるからである。
【0050】ここで、本発明に係る短パルス波は、約1
0ms〜100msまでのものを用いており、測定範囲
は、測定位置から地上約10m〜100mまでの範囲で
測定を行うように設定される。また、長パルス波は、約
100ms〜500msまでのものを用いており、測定
範囲は、測定位置から地上約100m〜1000mまで
の範囲で測定を行うように設定される。
【0051】また、短パルス波と長パルス波の切替は、
本発明ではCPU31内のクロックを用いて時間管理を
行うことにより切替を行っているが、距離データにより
切替を行うようにしてもよい。
【0052】次に、本発明に係るフェーズドアレイ型ド
ップラーソーダーの送信動作について図3に示すフロー
チャートを用いて説明する。
【0053】図3に示すように図示せぬキーボードなど
の入力手段を用いてコントローラ1内のCPU4及びデ
バイス入出力回路(D・I/O)6を通してコントロー
ルロジック回路11内のCPU31に必要なパラメータ
の設定をキー入力により行う(ステップS1)がこのキ
ー入力の際にまず重み付けがあるか無いかのキー(図示
せず)を任意に選択して入力する(ステップS2)。
【0054】次に、ステップS2で重み付け有りを選択
した場合には、各トランスデューサ素子3毎の各チャン
ネル分について図7(b)に示すような重み付けのパラ
メータ(デジタルデータ)を設定して記憶手段としての
メモリ30a内に記憶させる(ステップS3)。また、
ステップS2で重み付けの無しを選択した場合には、各
トランスデューサ素子3毎の各チャンネル分は一定量で
あるから、これを重み付け無しのパラメータを設定して
記憶手段としてのメモリ30b内に記憶させる(ステッ
プS3)。
【0055】前記設定がなされると、送信準備に入る
(ステップS4)。そしてステップS5において、重み
付け有りが選択されたか否かを判定する。
【0056】前記ステップS2およびステップS5にお
いて重み付け有りではない、即ち重み付け無しであると
判定された場合には、図4に示すフローに移行する。
【0057】図4は、短パルスおよび長パルスを混合し
て送出する混合パルス方式を示したものである。
【0058】ステップS21で短パルス送信動作が設定
されると、ステップS22では各チャンネルが一定量の
A/D変換レートが設定される。そして、ステップS2
3においてフェーズドアレイ・アンテナ3は短パルスの
送信信号を空中に送信する。
【0059】次に、ステップS24において、長パルス
送信動作が設定され、ステップS25において各チャン
ネルが一定量のA/D変換レートが設定される。そし
て、ステップS26においてフェーズドアレイ・アンテ
ナ3は長パルスの送信信号を空中に送信する。
【0060】この混合パルス方式では、図9に示すよう
な障害物がなければこのフローにより音波を放射すれば
よい。また、短パルスの次に長パルスが放射されるよう
な方式を用いているが、逆に長パルスの次に短パルスを
放射するようにしてもよい。
【0061】前記ステップS2およびステップS5にお
いて、重み付け有りを選択した場合には、ステップS6
に移行する。このステップS6以下のフローでも混合パ
ルス方式が用いられる。但し、近距離だけの場合には短
パルスのみを放射し、遠距離のみの場合には長パルスの
みを放射するようにすることもできる。このような設定
は、ステップS1のキー入力操作により設定する。
【0062】ステップS6は、CPU31によって制御
される次の出力パルス波が短パルスであるか否かを判断
する。
【0063】ステップS6において次の出力パルス波が
短パルスであると判断した場合には、シェーディング有
のモード(ステップS7)が選択され、CPU31はス
テップS8において重み付け有データを読み込み、重み
付け信号発生部20にデータを転送する。重み付け信号
発生部20は、前記重み付け有データに基づいて各パワ
ーアンプ10a1乃至10anに対して個々の増幅度を
設定する。
【0064】またステップS9は、図7(b)に示すよ
うなA/D変換回路7により重み付けチャンネル分をA
/D変換する。
【0065】以上のステップが終了後、短パルスを各送
信電力部、即ち各パワーアンプ10a1乃至10anに
対して出力する。フェーズドアレイ・アンテナ3はこれ
を受けて重み付けされた送信信号を空中に送信する(ス
テップS11)。
【0066】一方、前記ステップS6において次の出力
パルス波が短パルスではない(即ち、長パルスである)
と判断した場合には、シェーディング無しのモード(ス
テップS12)が選択され、CPU31はステップS1
3において重み付け無しのデータを読み込む。この場合
には、重み付け信号発生部20は各パワーアンプ10a
1乃至10anに対して同一の増幅度を設定する。また
ステップS14において各チャンネルが一定量のA/D
変換レートを設定する。
【0067】そして、ステップS10において長パルス
を各送信電力部、即ち各パワーアンプ10a1乃至10
anに対して出力する。フェーズドアレイ・アンテナ3
はこれを受けて重み付けのない送信信号を空中に送信す
る(ステップS11)。
【0068】以上のように、図3に示すフローでは、ス
テップS6において短パルスか長パルスかを判定する
が、混合パルスが用いられる場合には、ステップS6か
らステップS10とステップS12からステップS10
とが繰り返して行われる。この混合パルス方式は、図示
せぬ操作手段によりステップS1のキー入力操作により
行われるが、この混合パルスの繰り返しが1回若しくは
複数回行われるかは、予め設定して行われる。上空の風
向風速を地上からリモートセンシングするフェーズドア
レイ型ドップラーソーダーは、同一条件下で複数のデー
タを観測する必要があるからである。
【0069】なお、本発明の実施の形態においては、ト
ランスデューサ素子を16×16の方形配列としたが、
この16×16以外の数により構成するようにしてもよ
い。また、図7(b)に示す重み付けは、8段階で示し
ているが、これに限るものではなく、適宜設定すること
ができる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、本発明に
係るフェーズドアレイ型ドップラーソーダーによれば、
短パルス波送出時にはフェーズドアレイ・アンテナを構
成する各トランスデューサ素子に対して重み付けが成さ
れた送信信号が供給され、また長パルス波送出時にはフ
ェーズドアレイ・アンテナを構成する各トランスデュー
サ素子に対しては重み付けが成されない状態で送信信号
が供給されるので、近距離観測用の指向性はサイドロー
ブが抑制され、近隣のビルや他の障害物などの影響を比
較的受けず、S/Nを良好に保つことができる。
【0071】また、遠距離測定に対して重み付けによる
パワーの低下がないため、高々度までの観測が可能とな
り、この種のドップラーソーダーによる観測の信頼性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフェーズドアレイ型ドップラーソ
ーダーのシステム全体の構成を示したブロック図であ
る。
【図2】図1に示すドップラーソーダーにおける一部の
詳細な構成を示したブロック図である。
【図3】図1および図2に示すドップラーソーダーの作
用を示すフローチャートである。
【図4】図1および図2に示すドップラーソーダーの作
用を示すフローチャートである。
【図5】5列×5行のトランスデューサ素子を用いたフ
ェーズドアレイ・アンテナの構成および作用を説明する
模式図である。
【図6】トランスデューサ素子の数が異なる場合のフェ
ーズドアレイ・アンテナの指向特性を示した特性図であ
る。
【図7】出力に重み付けを施した場合と施さない場合の
特性および重み付け状態を示す図である。
【図8】トランスデューサ素子の数に対応するサイドロ
ーブとメインローブの大きさの関係を示した特性図であ
る。
【図9】ドップラーソーダーを設置した状態の放射状況
を示した模式図である。
【符号の説明】
1 コントローラ 2 送受信回路 3 フェーズドアレイ・アンテナ 4 CPU 5 ROM/RAM 6 デバイス入出力回路 7 A/D変換回路 8 入力インターフェース回路 9 出力インターフェース回路 10 パワーアンプ 11 コントロールロジック回路 12 送受信切替スイッチ 13 プリアンプ 14 乗算器 15 バンドパスフィルタ 16 可変利得増幅器 17 検波器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01W 1/00 G01W 1/00 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気中に音波を放射し、その反射信号を
    受信して周波数のドップラーシフト量から上空の風速成
    分とその標準偏差を測定するフェーズドアレイ型ドップ
    ラーソーダーであって、 方形配列された複数のトランスデューサ素子より成るフ
    ェーズドアレイ・アンテナの前記各トランスデューサ素
    子に対して加える送信信号が短パルスである場合には、
    各トランスデューサ素子に対して重み付けをして送信信
    号を供給し、また前記各トランスデューサ素子に対して
    加える送信信号が長パルスである場合には、各トランス
    デューサ素子に対して重み付けを与えずに送信信号を供
    給する構成としたことを特徴とするフェーズドアレイ型
    ドップラーソーダー。
  2. 【請求項2】 前記各トランスデューサ素子には、複数
    のパワーアンプから重み付けの異なる送信信号が供給さ
    れて増幅度を制御する構成としたことを特徴とする請求
    項1に記載のフェーズドアレイ型ドップラーソーダー。
  3. 【請求項3】 前記各トランスデューサ素子に対して重
    み付けをして送信信号を供給するに際し、フェーズドア
    レイ・アンテナを構成する各トランスデューサ素子の行
    方向または列方向においてより中央部に位置するトラン
    スデューサ素子に対して送信信号の電力を増大させる構
    成としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のフェーズドアレイ型ドップラーソーダー。
  4. 【請求項4】 前記フェーズドアレイ・アンテナは、そ
    の行および列が16×16=256個のトランスデュー
    サ素子で構成するようにしたことを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれか1に記載のフェーズドアレイ型
    ドップラーソーダー。
  5. 【請求項5】 前記フェーズドアレイ・アンテナの全体
    の大きさは、略150×150cm以内となるように構
    成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れか1に記載のフェーズドアレイ型ドップラーソーダ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記フェーズドアレイ・アンテナの各素
    子のホーンの直径は略90mmで構成され、各素子間の
    離間距離dは、駆動周波数2100Hzで約0.6λ
    (波長)で構成されてなることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれか1に記載のフェーズドアレイ型ド
    ップラーソーダー。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001174554A (ja) * 1999-12-21 2001-06-29 Mitsubishi Electric Corp 風観測システム
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