JP3772411B2 - 球面アレイからの送波制御方法、並びに球面アレイ送波器 - Google Patents

球面アレイからの送波制御方法、並びに球面アレイ送波器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーナーや超音波診断装置等から送波が行われる際での送波制御方法に係わり、特に球面アレイ送波器から、任意の送波ビーム幅を以て、しかも所望の送波中心方向を以て送波が行われるようにした球面アレイからの送波制御方法、更には、その球面アレイ送波器自体の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばソーナー装置に送波器として球面アレイ送波器が具備されている場合に、そのソーナー装置から送出されるの送波信号に対し所望の指向性を付与するに際しては、整相処理が基本的に利用されているのが実情である。ここにいう球面アレイ送波器とは、図9に示すように、球半径がRとされた球面上に多数所定に配列されている送波素子群101のうちから、水平開口角θM および垂直開口角φN の範囲内に含まれている水平方向M個、垂直方向N個の送波素子群102が整相対象として任意に選択可とされた送波器として定義される。また、整相処理とは、図10に示すように、そのように選択された送波素子群102からの送波状態が、M×N個の送波素子からなる平面アレイ送波器201からの送波状態と恰も等価(音波の伝幡行程差が存在しない状態)となるべく、送波素子群102内に含まれている送波素子各々に対し、その位置に応じた整相量τmnを遅延量として付与するための処理として定義される。より具体的に説明すれば、送波素子群102内に含まれている送波素子各々への送信信号に対しては、送波素子がその中央部に位置している程に大きな遅延量が、また、外周端部側に位置している程に小さな遅延量が与えられることによって、平面アレイ送波器201からの送波状態と等価な送波状態が実現されているものである。
【0003】
ところで、送波素子群102に対し整相処理が行われる際での送波ビーム幅は以下の数式1として近似され得る。
【0004】
【数1】
Figure 0003772411
【0005】
送波ビーム幅BW は送信信号(送波信号)波長λに比例している一方、送波開口長Lに反比例していることが知られているわけである。ここで、水平開口長、垂直開口長はそれぞれ2Rsin(θM /2)、2Rsin(φN /2)として算出され得ることから、送波ビーム幅BW は送波開口角θM ,φN に依存するものであることが判る。
【0006】
一方、整相処理が行われない場合、球面アレイ送波器からの送波ビーム幅は送信信号波長λおよび送波開口角θM ,φN に比例することが知られている。結局、整相処理が行われるか否かに拘らず、球面アレイ送波器からの送波ビーム幅は送波開口角に依存しているものである。
【0007】
送波ビーム幅が以上のような状況にあるのに対し、球面アレイ送波器から送出される送波信号レベルは送波面積、即ち、球半径および送波開口長に比例したものとなっている。
【0008】
なお、この種送波技術に関するものとしては、特開昭64−15682号公報や特開平4−326082号公報が挙げられる。前者公報による場合、送受波器としての音響アレー素子配列は、その構成要素としての送受波素子各々が送波素子と受波素子とに特殊パターン配列として分割されることによって、素子数の減少が図られつつも、必要とされる分解能が維持されたものとなっている。また、後者公報による場合には、個々の配列素子からの受波信号を複数本束ねて、複数群に分割する際に、1つの素子の受波信号を任意の1個以上の群に属させることによって、結果として、複数ビーム同時形成が行われるに際し、大きなサイドローブの発生が抑制されたものとなっている。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】
以上のような事情から、これまで、球面アレイ送波器から送波が行われるに際しては、送信信号波長・球半径R・送波開口角は送波ビーム幅と送波信号レベルとの妥協点として設定される必要があったものである。その際、送信信号波長・球半径等にはその値に一般に物理的制約があり、これがために、送波ビーム幅、送波信号レベル両者を任意に設定することは困難となっているのが実情である。また、そのような不具合に加え、球面アレイ送波器においては、図11に示すように、整相対象範囲301,302各々に応じて送波中心方向303,304が整相範囲中心方向として一義的に定められており、したがって、送波中心方向は整相対象範囲の選択的切替えにより一義的に設定可能であるにしても、送波中心方向をステップ状にしか選択し得ないものとなっている。換言すれば、ある整相対象範囲が固定的に選択された状態では、その整相対象範囲に応じた送波中心方向を中心として、その近傍にある大きさの立体角の範囲内で方向が任意にずれた送波中心方向を設定し得なかったものである。更に、これまでにあっては、送波指向性を改善するには、各送波素子出力に重み付けを行うシェーディングが用いられていたが、このシェーディングにより送波信号レベルの損失が生じていたのが実情である。これは、送波に際しシェーディングを用いた場合、重み付けに応じて送波素子各々の出力を小さく押える必要があり、したがって、ハミングシェーディングのように、内側に位置している送波素子に大きな重み付けを行い、送波素子が外側に位置している程にその送波素子に小さな重み付けが行われるようなシェーディングでは、最も外側に位置している送波素子各々が送波に寄与することは、殆ど期待され得ないというものである。
【0010】
本発明の第1の目的は、球面アレイ送波器における基本パラメータとしての送信信号波長・球半径・送波開口角が固定的に設定された状態で、整相対象範囲内に含まれている送波素子各々への遅延量が所望に制御されることによって、所望の送波ビーム幅および送波中心方向としての送波指向性を以て、球面アレイ送波器から合成球面音波の送波が行われ得る球面アレイからの送波制御方法、更には、そのような送波制御が可とされた球面アレイ送受波器を供するにある。
本発明の第2の目的はまた、球面アレイ送波器における基本パラメータとしての送信信号波長・球半径・送波開口角が固定的に設定された状態で、整相対象範囲内に含まれている送波素子各々への遅延量が所望に制御されることによって、所望の送波ビーム幅および送波中心方向としての送波指向性を以て、しかも送波信号レベルの損失少なくして、球面アレイ送波器からの送波が行われ得る球面アレイからの送波制御方法、更には、そのような送波制御が可とされた球面アレイ送受波器を供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、基本的には、球半径がRとされた実球面上に多数配列されている送波素子群のうちから、整相対象として任意に一部選択された、水平開口角θM および垂直開口角φN の範囲内に含まれている水平方向M個、垂直方向N個の送波素子群から、送波ビーム幅、送波中心方向各々が所望に設定された状態として合成球面音波の送波が行われるに際して、水平/垂直開口長が同一として、外部から仮想球半径R′(≠R)と整相範囲中心方向に対する送波中心方向の相対水平/垂直方向ずれ角度とが任意に設定される度に、実球面上での整相対象送波素子各々の位置座標が予め知れているものとして、整相対象送波素子各々から整相範囲中心方向に延ばされた延長線の仮想球面との交点位置が該整相対象送波素子に対応する仮想送波素子の位置座標として求められた後、実球面上での整相対象送波素子各々に対応する遅延量が、該整相対象送波素子から、整相範囲中心方向に延ばされた延長線上での、整相範囲中心方向と直交し、かつ実球中心を含む整相基準面までの直線距離と、該整相対象送波素子に対応する仮想送波素子から、上記ずれ方向/角度に応じて傾斜された状態の整相基準面に直交すべく延ばされた延長線上での該整相基準面までの直線距離との差にもとづき求められた上、整相対象送波素子各々への送信信号は、該整相対象送波素子対応に求められている遅延量分だけ遅延されつつ、該整相対象送波素子対応に予め計算記憶されているシェーディング係数により重み付けされた状態として、該整相対象送波素子から音波として送波されることで達成される。
【0012】
また、球面アレイ送波器自体の構成としては、外部から任意に設定される仮想球半径R′(≠R)と整相範囲中心方向に対する送波中心方向の相対水平/垂直方向ずれ角度とにもとづき、予め知れている実球面上での整相対象送波素子各々の位置座標が参照されつつ、実球面上での整相対象送波素子各々に対応する遅延量を計算する遅延量計算回路と、該遅延量計算回路からの遅延量にもとづき、整相対象送波素子各々への送信信号波形を遅延制御された状態として生成する波形生成器と、該波形生成器からの送信信号波形を整相対象送波素子対応に記憶する遅延波形記憶器と、整相対象送波素子対応にシェーディング係数が予め計算記憶されているシェーディング係数テーブルと、送信同期信号に同期して上記遅延波形記憶器から一斉に読み出される送信信号波形に対し、上記シェーディング係数テーブルからのシェーディング係数により整相対象送波素子対応に重み付けを行う乗算器と、該乗算器からの、重み付け後の送信信号波形を整相対象送波素子対応にアナログ変換するD/A変換器と、該D/A変換器からのアナログ化送信信号波形を整相対象送波素子対応に電力増幅した上、該整相対象送波素子に印加する電力増幅器とを少なくとも含むべく構成されることで達成される。
【0013】
更に、整相対象送波素子各々から送波が行われるに際して、整相対象送波素子群の外周囲に仮想送波素子が恰も付加され、それら仮想送波素子各々に対するシェーディング係数が併せて計算されるものとして、整相対象送波素子対応にシェーディング係数が予め計算記憶されている場合は、送波信号レベルの損失少なくして、球面アレイ送波器からの送波が行われ得るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図8により説明する。
先ず本発明を具体的に説明するに先立って、その理論的背景について説明すれば、図2は球面アレイ送波器における整相対象送波素子群と外部から任意に設定される仮想球面との関係を示したものである。図示のように、球面アレイ送波器401の実球面(球半径(既知)=R)上における整相対象送波素子408各々への送信信号が適当に遅延制御された状態で、それら整相対象送波素子408各々に印加される場合は、仮想球面407の形成、したがって、仮想球半径(=R′≠R)405・送波器開口角406を様々に変化させることが可能となり、所望の送波ビーム幅の球面音波が合成され得るというものである。これは、球面アレイ送波器401、即ち、球半径402および送波開口角403で規定される実球面上に整相対象送波素子408群が配列されているものとして、その際での整相範囲送波開口長404と等しくなるべく、仮想球半径405および仮想送波開口角406を持つ仮想球面407を想定した上、整相対象送波素子408群がその仮想球面407上の仮想送波素子409群と等価な送波状態を形成するよう、整相対象送波素子408各々に対する遅延量410が予め算出された上、それら整相対象送波素子408各々への送信信号がその遅延量41分遅延された状態で、整相対象送波素子408各々に印加されることによって、仮想球面407から送出された球面音波を形成し得ることによるものである。
【0015】
なお、送波水平開口角(既知)403、送波垂直開口角(既知)403がそれぞれθM /2、φN /2である場合に、仮想球半径(=R′)405と送波水平開口角(=θ′M /2)406および送波垂直開口角(=φ′N /2)406は、以下の関係式を以て関係付けらる。
【0016】
【数2】
Figure 0003772411
【0017】
即ち、仮想球半径405、または送波水平開口角406および送波垂直開口角406の何れか一方が外部から任意に設定されることで、仮想球面407はそれに応じて一義的に設定され得るものである。
【0018】
また、図3に示すように、整相範囲中心方向503からある方向に角度505分だけずれた状態として、送波中心方向504が所望に設定される必要がある場合には、整相範囲中心方向503に対するその送波中心方向504の相対水平/垂直方向ずれ角度が外部から設定された上、整相基準面501がその送波中心方向504と直交すべく傾斜され、これを新たな整相基準面502として、整相対象送波素子各々について、距離△ymn,Δy′mn間の差が音波伝幡上での遅延量τmnとして算出された上、送信信号がその遅延量τmnだけ遅延された状態で該当送波素子に印加されることによって、所望とする送波中心方向504に合成球面音波を送波し得るものである。
【0019】
更に、図4に示すように、整相対象送波素子各々から送波が行われるに際して、整相対象送波素子群601の外周囲に仮想送波素子群602が恰も付加されているものとして、それら仮想送波素子群602に対するシェーディング係数が併せて計算されるものとして、整相対象送波素子対応にシェーディング係数が予め計算記憶されている場合は、整相対象送波素子各々に対するシェーディング係数は全体的に大として計算記憶される結果として、送波信号のレベル損失少なくして送波が行われ得るものである。
【0020】
さて、本発明を具体的に説明すれば、図1は本発明による球面アレイ送波器の一例での概要構成を示したものである。既述の図9に示した場合と同様に、水平方向M個、垂直方向N個の送波素子(群)706を整相送波素子群として、その構成と動作を簡単ながら説明すれば以下のようである。
即ち、座標メモリ708上には、少なくとも送波素子群706を構成している送波素子各々の3次元位置座標が予め記憶されているものとして、送波制御上、必要とされるパラメータ(後述)は送波制御信号710として外部から任意に設定されるが、遅延量計算回路707では、座標メモリ708からの、送波素子各々の3次元位置座標711が参照されつつ、その送波制御信号710にもとづきそれら送波素子各々に対応する遅延量712が計算されるとともに、シェーディング上、必要とされる(m,n)制御信号713がシェーディング係数テーブル710に対し発生されるものとなっている。波形生成器701ではまた、遅延量計算回路707からの遅延量712にもとづき送波素子各々への送信信号波形714が遅延制御された状態として生成された上、送波素子対応遅延波形記憶器702に記憶されているものである。したがって、送波素子対応遅延波形記憶器702に送信信号波形714が記憶されている状態で、送信同期信号発生回路721から送信同期信号722が発生されれば、その送信同期信号722に同期して遅延波形記憶器702からは送信信号波形715が一斉に読み出されるが、これら送信信号波形715に対しては重み付けが行われるべく、送波素子対応乗算器703では、シェーディング係数テーブル710からのシェーディング係数716との間で乗算が行われているものである。乗算器703各々からの、重み付け後の送信信号波形717は、その後、送波素子対応D/A変換器704によりアナログ化送信信号波形718に変換された後、送波素子対応電力増幅器705を介し電力増幅後送信信号波形719として得られた上、対応送波素子に印加されることによって、電力増幅後送信信号波形719は対応送波素子706での電気―音響変換機能により音波720として外部に送出される結果として、所望の送波中心方向に向けて合成球面音波を送波し得るものである。
【0021】
以上のように、遅延量計算回路707は本発明に直接係るものとされているが、その一例での構成を図5に示す。これによる場合、制御部805からは、シェーディング上、必要とされる(m,n)制御信号713がシェーディング係数テーブル710に対し発生されている他、仮想球半径計算部801では、送波制御信号710として設定されているパラメータより、例えば球半径402や送波開口角403、仮想送波開口角406が抽出された上、既述の数式2により仮想球半径405が計算されたものとなっている。仮想送波素子位置座標計算部802ではまた、パラメータより抽出された球半径402、送波開口角403および仮想送波開口角406と、仮想球半径計算部801からの仮想球半径405と、座標メモリ708からの、送波素子各々の3次元位置座標711とにもとづき、仮想球面407上での仮想送波素子各々の位置座標803が以下の数式により計算されるものとなっている。
【0022】
【数3】
Figure 0003772411
【0023】
更に、遅延量計算部804では、位置座標803および3次元位置座標711の他、パラメータより抽出された相対水平/垂直方向ずれ角度tb,φtbにもとづき、所望の仮想球面波となるべく、送波素子対応に遅延量712が以下の数式により所定に計算された上、波形生成器701に送出されているものである。
【0024】
【数4】
Figure 0003772411
【0025】
ところで、以上の遅延量計算回路707と同様、シェーディング係数テーブル710もまた、本発明に直接係るものとされているが、その一例での構成を図6に示す。これによる場合、シェーディング係数記憶部901からは、(m,n)制御信号713より送波素子対応にシェーディング係数716が外部に読出し可とされているが、その読出しに先立って、シェーディング係数記憶部901には、シェーディング係数計算部902により計算されたシェーディング係数が事前記憶されるものとなっている。そのシェーディング係数計算部902では、例えば窓関数がハミング窓である場合、以下の数式によりシェーディング係数wmnが計算されているものである。
【0026】
【数5】
Figure 0003772411
【0027】
そのシェーディング係数計算の際に、整相対象送波素子群の外周囲に仮想送波素子602が付加されているものとして、整相対象送波素子対応にシェーディング係数が計算記憶されるとすれば、仮想送波素子群602が想定されたことによって、例えばハミング窓のように、中央が大となる窓関数を用いた場合、仮想送波素子群602内側に存在している整相対象送波素子群に対するシェーディング係数は、仮想送波素子群602が想定されていない場合に比し全体的に大として計算され得る結果、送波信号レベルの損失は低減化され得るものである。
【0028】
最後に、本発明に係る送波指向性についての計算機シミュレーション例を図7,図8にそれぞれ示す。本例では、球面アレイ送波器の球半径RはR=0.5m、送信信号波長λはλ=2.38cm、整相送波素子範囲は水平方向がM=54列、垂直方向がN=54行、窓関数はハミング窓とされ、また、仮想送波素子は、既述の仮想送波素子群602のように、整相対象送波素子群の最外周位置に位置している送波素子各々の外側に1素子づつ隣接する状態で配置された場合が想定されたものとなっている。
【0029】
さて、図7には、送波ビーム幅が40°、50°、60°となるべく、遅延量計算回路707で遅延量が計算された場合での送波指向性をそれぞれ実線表示、破線表示、点線表示として示す。これより、送波ビーム幅が遅延量計算回路707により制御可であることが判る。また、図8には、整相範囲中心方向に対し送波中心方向が0°、20°、−20°となるべく、遅延量計算回路707で遅延量が計算された場合での送波指向性をそれぞれ実線表示、破線表示、点線表示として示す。これより、送波中心方向が遅延量計算回路707により制御可であることが判る。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1,2による場合には、球面アレイ送波器における基本パラメータとしての送信信号波長・球半径・送波開口角が固定的に設定された状態で、整相対象範囲内に含まれている送波素子各々への遅延量が所望に制御されることによって、所望の送波ビーム幅および送波中心方向としての送波指向性を以て、球面アレイ送波器から合成球面音波の送波が行われ得る球面アレイからの送波制御方法、更には、そのような送波制御が可とされた球面アレイ送受波器が、また、請求項3,4による場合は、球面アレイ送波器における基本パラメータとしての送信信号波長・球半径・送波開口角が固定的に設定された状態で、整相対象範囲内に含まれている送波素子各々への遅延量が所望に制御されることによって、所望の送波ビーム幅および送波中心方向としての送波指向性を以て、しかも送波信号レベルの損失少なくして、球面アレイ送波器からの送波が行われ得る球面アレイからの送波制御方法、更には、そのような送波制御が可とされた球面アレイ送受波器がそれぞれ得られたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による球面アレイ送波器の一例での概要構成を示す図
【図2】図2は、球面アレイ送波器における整相対象送波素子群と外部から任意に設定される仮想球面との関係を示す図
【図3】図3は、送波中心方向を所望に制御するための方法を示す図
【図4】図4は、整相対象送波素子群の外周囲に仮想送波素子群を付加することによって、送波信号レベルの損失を低減化する方法を説明するための図
【図5】図5は、本発明による球面アレイ送波器の1構成要素としての遅延量計算回路の一例での構成を示す図
【図6】図6は、本発明による球面アレイ送波器の1構成要素としてのシェーディング係数テーブルの一例での構成を示す図
【図7】図7は、本発明に係る送波指向性についての計算機シミュレーション例を示す図(その1)
【図8】図8は、同じく本発明に係る送波指向性についての計算機シミュレーション例を示す図(その2)
【図9】図9は、球面アレイ送波器一般の構成を説明するための図
【図10】図10は、球面アレイ送波器から送波が行われる際での整相処理を説明するための図
【図11】図11は、球面アレイ送波器上に整相対象範囲が設定される度に、整相範囲中心方向が一義的に定まることを説明するための図
【符号の説明】
701…波形生成器、702…遅延波形記憶器、703…乗算器、704…D/A変換器、705…電力増幅器、706…送波素子(群)、707…遅延量計算回路、708…座標メモリ、710…シェーディング係数テーブル

Claims (2)

  1. 球半径がRとされた実球面上に多数配列されている送波素子群のうちから、整相対象として任意に一部選択された、水平開口角θM および垂直開口角φN の範囲内に含まれている水平方向M個、垂直方向N個の送波素子群から、送波ビーム幅、送波中心方向各々が所望に設定された状態として合成球面音波の送波が行われるようにした球面アレイからの送波制御方法であって、水平/垂直開口長が同一として、外部から仮想球半径R′(≠R)と整相範囲中心方向に対する送波中心方向の相対水平/垂直方向ずれ角度とが任意に設定される度に、実球面上での整相対象送波素子各々の位置座標が予め知れているものとして、整相対象送波素子各々から整相範囲中心方向に延ばされた延長線の仮想球面との交点位置が該整相対象送波素子に対応する仮想送波素子の位置座標として求められた後、実球面上での整相対象送波素子各々に対応する遅延量が、該整相対象送波素子から、整相範囲中心方向に延ばされた延長線上での、整相範囲中心方向と直交し、かつ実球中心を含む整相基準面までの直線距離と、該整相対象送波素子に対応する仮想送波素子から、上記相対水平/垂直方向ずれ角度に応じて傾斜された状態の整相基準面に直交すべく延ばされた延長線上での該整相基準面までの直線距離との差にもとづき求められた上、整相対象送波素子各々への送信信号は、該整相対象送波素子対応に求められている遅延量分だけ遅延されつつ、整相対象送波素子群の外周囲に仮想送波素子が付加されているものとして整相対象送波素子対応に予め計算記憶されているシェーディング係数により重み付けされた状態として、該整相対象送波素子から音波として送波されるようにした球面アレイからの送波制御方法。
  2. 球半径がRとされた実球面上に多数配列されている送波素子群のうちから、整相対象として任意に一部選択された、水平開口角θM および垂直開口角φN の範囲内に含まれている水平方向M個、垂直方向N個の送波素子群から、送波ビーム幅、送波中心方向各々が所望に設定された状態として合成球面音波の送波が行われるべく構成された球面アレイ送波器であって、水平/垂直開口長が同一として、外部から任意に設定される仮想球半径R′(≠R)と整相範囲中心方向に対する送波中心方向の相対水平/垂直方向ずれ角度とにもとづき、予め知れている実球面上での整相対象送波素子各々の位置座標が参照されつつ、実球面上での整相対象送波素子各々に対応する遅延量を、該整相対象送波素子から、整相範囲中心方向に延ばされた延長線上での、整相範囲中心方向と直交し、かつ実球中心を含む整相基準面までの直線距離と、該整相対象送波素子に対応する仮想送波素子から、上記相対水平/垂直方向ずれ角度に応じて傾斜された状態の整相基準面に直交すべく延ばされた延長線上での該整相基準面までの直線距離との差にもとづき計算する遅延量計算回路と、該遅延量計算回路からの遅延量にもとづき、整相対象送波素子各々への送信信号波形を遅延制御された状態として生成する波形生成器と、該波形生成器からの送信信号波形を整相対象送波素子対応に記憶する遅延波形記憶器と、整相対象送波素子群の外周囲に仮想送波素子が付加されているものとして整相対象送波素子対応にシェーディング係数が予め計算記憶されているシェーディング係数テーブルと、送信同期信号に同期して上記遅延波形記憶器から一斉に読み出される送信信号波形に対し、上記シェーディング係数テーブルからのシェーディング係数により整相対象送波素子対応に重み付けを行う乗算器と、該乗算器からの、重み付け後の送信信号波形を整相対象送波素子対応にアナログ変換するD/A変換器と、該D/A変換器からのアナログ化送信信号波形を整相対象送波素子対応に電力増幅した上、該整相対象送波素子に印加する電力増幅器と、を少なくとも含む構成の球面アレイ送波器。
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