JPH10325520A - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 煙突から大気中に放出される煙の量を、零ま
たは大幅に低減させることができるようにする。 【解決手段】 焼却炉本体２の頂部に、筒状の燃焼排気
排出部３を設ける。煙突４の下端部に太径部１１を設
け、この太径部１１を燃焼排気排出部３の外周側に装着
する。これにより、燃焼排気排出部３と太径部１１との
間に、外気を煙突４内に導くための外気取入部１２が形
成される。燃焼排気排出部３上に、金属製の網材をなす
再燃部材１３を設置する。焼却炉本体２内で可燃物を燃
焼させると、その燃焼熱により再燃部材１３が加熱され
る。この再燃部材１３の周りには、外気取入部１２を介
して空気が供給されているので、焼却炉本体２からの燃
焼排気は、再燃部材１３を通過する際に再燃焼される。
このため、煙突４から大気中に放出される煙の量を、零
または大幅に低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は焼却炉に係り、特に
完全燃焼を図って煙の発生を抑えることができる焼却炉
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、焚き口を有する焼却炉本体
と、焼却炉本体に設けられた燃焼排気排出部と、燃焼排
気排出部に接続される煙突とを具備する焼却炉は一般に
知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の焼却炉にお
いては、焼却炉本体内での燃焼により発生した燃焼排気
が、そのまま煙突を介して大気に放出されるため、焼却
炉本体内で不完全燃焼が生じた際には、その燃焼排気が
そのまま大気中に放出されることになり、煙突から多く
の煙が放出されるという問題がある。

【０００４】本発明は、かかる現況に鑑みてなされたも
ので、焼却炉本体内での燃焼が不完全燃焼であっても、
煙突から大気中に放出される煙の量を大幅に低減させる
ことができる焼却炉を提供することを目的とする。

【０００５】本発明の他の目的は、燃焼排気が外気取入
部から直接大気中に漏れ出すおそれがなく、しかも再燃
部材による燃焼排気の再燃焼効率を向上させることがで
きる焼却炉を提供するにある。

【０００６】本発明のさらに他の目的は、再燃部材を安
価に製造することができる焼却炉を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、焚き口を有する焼却炉本体と、焼却炉本体に
設けられた燃焼排気排出部と、燃焼排気排出部に接続さ
れる煙突とを具備する焼却炉において、前記燃焼排気排
出部に、焼却炉本体からの燃焼熱により加熱されて燃焼
排気を再燃焼させる多孔板状の再燃部材および再燃焼時
に再燃部材に空気を供給する外気取入部を設けるように
したことを特徴とする。そして、外気取入部から取入ら
れた空気を用いて、再燃部材で燃焼排気を再燃焼させる
ことにより、焼却炉本体内での燃焼が不完全燃焼であっ
ても、煙突から大気中に放出される煙の量を零または大
幅に低減させることが可能となる。

【０００８】本発明はまた、煙突の下端部を燃焼排気排
出部の外周側に装着するとともに、煙突下端部と燃焼排
気排出部との間に外気取入部を形成し、かつ燃焼排気排
出部の上端部に再燃部材を配置するようにしたことを特
徴とする。そしてこれにより、外気取入部が燃焼排気排
出部の外周部に上下方向に長い通路として形成されるこ
とになり、燃焼排気が外気取入部から直接大気中に漏れ
出すのを防止することが可能となる。また空気は、外気
取入部の煙突効果により積極的に燃焼排気排出部に引入
れられるとともに、外気取入部内を通過する間に加熱さ
れ、これにより再燃部材による燃焼排気の再燃焼効率を
向上させることが可能となる。

【０００９】本発明はさらに、再燃部材を金属製の網材
で形成するようにしたことを特徴とする。そしてこれに
より、安価な再燃部材を得ることが可能となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。

【００１１】図１は、本発明の実施の一形態に係る焼却
炉を示すもので、この焼却炉１は、焼却炉本体２と、こ
の焼却炉本体２にボルト手段または差し込み手段を介し
て着脱自在に設けられた燃焼排気排出部３と、この燃焼
排気排出部３に接続される煙突４とを備えており、煙突
４の上端部には、例えばスレート製の傘体５が止金具６
を介して取付けられている。

【００１２】前記焼却炉本体２は、図１および図２に示
すように、変形八角形の角錐状をなしており、その内面
には、モルタル７を介し耐火レンガ８が配設され、また
前面には、焚き口９および灰掻出し口１０がそれぞれ設
けられ、さらに頂部には、円筒状をなす燃焼排気排出部
３が設けられている。そして、焼却炉本体２内での燃焼
により生じた燃焼排気は、前記燃焼排気排出部３を介し
煙突４に導かれ、その上端開口部から大気中に放出され
るようになっている。

【００１３】前記煙突４は、図１に示すように、燃焼排
気排出部３とほぼ同一径の円筒状に形成されており、そ
の下端部には、燃焼排気排出部３の外周側に装着するた
めの太径部１１が形成され、この太径部１１には、図３
に示すように、周方向に間隔を置いて例えば４個の絞り
部１１ａが設けられている。そして、これら各絞り部１
１ａは、太径部１１を燃焼排気排出部３の外周側に装着
した際に燃焼排気排出部３の外面に接触し、隣位する絞
り部１１ａの間には、上下方向に長い通路状の外気取入
部１２がそれぞれ形成されるようになっている。

【００１４】一方、前記燃焼排気排出部３の上端部に
は、図１に示すように、焼却炉本体２側から燃焼熱によ
り加熱される多孔板状の再燃部材１３が着脱交換可能に
配設されており、この再燃部材１３は、不完全燃焼の燃
焼排気を前記外気取入部１２を介し供給される空気を用
いて再燃焼させ、完全燃焼させることができるようにな
っている。

【００１５】この再燃部材１３としては、例えばハニカ
ム状のセラミックス担体に燃焼触媒を担持させたもの等
も用いることができるが、焼却炉本体２からの燃焼排気
は、一定以上の温度と適量の酸素とがあればほぼ完全燃
焼させることができるので、通常は金属細線を網状に編
成して形成される金属製の網材が用いられるようになっ
ている。

【００１６】なお、必要に応じて燃焼排気排出部３の下
端に再加熱部材を着脱自在に設けることもできる。

【００１７】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。

【００１８】焼却炉本体２内でゴミ等の可燃物を燃焼さ
せると、その燃焼排気は、燃焼排気排出部３から煙突４
に導かれ、煙突４の上端開口部から大気中に放出され
る。

【００１９】ところで、焼却炉本体２内での燃焼が完全
でない場合には、燃焼排気に未燃焼物が含まれることに
なり、これが煙として煙突４から大気中に放出されるこ
とになる。

【００２０】ところが、本実施の形態においては、燃焼
排気排出部３に再燃部材１３および外気取入部１２を設
けるようにしているので、燃焼排気中の未燃焼物を再燃
部材１３で再燃焼させ、煙突４から大気中に放出される
煙の量を零または大幅に低減させることができる。

【００２１】すなわち、再燃部材１３は、焼却炉本体２
内での燃焼に伴なう燃焼熱により加熱され、一方この再
燃部材１３周りには、外気取入部１２を介して外気が供
給される。この外気は、外気取入部１２が上下方向に長
い通路状をなしていてその上端部が煙突４内に開口して
おり、煙突４内には上昇流が形成されているので、その
煙突効果により煙突４内に吸引され、また外気取入部１
２を通過する間に燃焼排気排出部３により加熱されて外
気自体に上昇力が支えられるので、未燃焼物の再燃焼に
必要な充分の量が再燃部材１３周りに取込まれることに
なる。このため、燃焼排気中の未燃焼物は再燃部材１３
を通過する際に再燃焼され、未燃焼物をほぼ完全に完全
燃焼させることができる。

【００２２】しかして、燃焼排気排出部３に再燃部材１
３を配置するとともに、外気取入部１２を形成するよう
にしているので、焼却炉本体２からの燃焼排気中に未燃
焼物が含まれている場合であっても、これをほぼ完全に
再燃焼させ、煙突４から大気中に放出される煙の量を零
または大幅に低減することができる。

【００２３】なお、前記実施の形態においては、燃焼排
気排出部３が焼却炉本体２の頂部中央に配される場合に
ついて説明したが、再燃部材１３が焼却炉本体２からの
燃焼熱により充分に加熱されるのであれば、燃焼排気排
出部３を他の箇所に設けるようにしてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、燃焼排気
排出部に再燃部材および外気取入部を設け、外気取入部
から取入れられた空気を用いて、再燃部材で燃焼排気を
再燃焼させるようにしているので、焼却炉本体内での燃
焼が不完全燃焼であっても、煙突から大気中に放出され
る煙の量を零または大幅に低減させることができる。

【００２５】本発明はまた、煙突の下端部を燃焼排気排
出部の外周側に装着するとともに、煙突下端部と燃焼排
気排出部との間に外気取入部を形成し、かつ燃焼排気排
出部の上端部に再燃部材を配置するようにしているの
で、外気取入部が燃焼排気排出部の外周部に上下方向に
長い通路として形成されることになり、煙突からの燃焼
排気が逆流して外気取入部から直接大気中に漏れ出すの
を防止することができる。また空気は、外気取入部の煙
突効果により積極的に燃焼排気排出部に引入れられると
ともに、外気取入部内を通過する間に加熱され、再燃部
材１３の温度を低下させるおそれが少ない。このため、
再燃部材による燃焼排気の再燃焼効率を向上させること
ができる、本発明はさらに、再燃部材を金属製の網材で
形成するようにしているので、安価な再燃部材を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る焼却炉を示す部分
断面図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【図３】図１のIII −III 線端面図である。

【符号の説明】

１ 焼却炉 ２ 焼却炉本体 ３ 燃焼排気排出部 ４ 煙突 ９焚き口 １０ 灰掻出し口 １１ 太径部 １１ａ 絞り部 １２ 外気取入部 １３ 再燃部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】焚き口を有する焼却炉本体と、焼却炉本体
   に設けられた燃焼排気排出部と、燃焼排気排出部に接続
   される煙突とを具備する焼却炉において、前記燃焼排気
   排出部に、焼却炉本体からの燃焼熱により加熱されて燃
   焼排気を再燃焼させる多孔板状の再燃部材および再燃焼
   時に再燃部材に空気を供給する外気取入部を設けたこと
   を特徴とする焼却炉。
2. 【請求項２】煙突は、その下端部が燃焼排気排出部の外
   周側に装着されるとともに、煙突下端部と燃焼排気排出
   部との間に外気取入部が形成され、かつ燃焼排気排出部
   の上端部に再燃部材が配置されることを特徴とする請求
   項１記載の焼却炉。
3. 【請求項３】再燃部材は、金属製の網材で形成されてい
   ることを特徴とする請求項１または２記載の焼却炉。