JPH10325109A - 橋桁のフラッタ防止装置 - Google Patents

橋桁のフラッタ防止装置

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JPH10325109A
JPH10325109A JP13678497A JP13678497A JPH10325109A JP H10325109 A JPH10325109 A JP H10325109A JP 13678497 A JP13678497 A JP 13678497A JP 13678497 A JP13678497 A JP 13678497A JP H10325109 A JPH10325109 A JP H10325109A
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JP
Japan
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bridge girder
flutter
flat plates
center
bridge
Prior art date
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Pending
Application number
JP13678497A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Takeda
勝昭 武田
Takeshi Sato
豪 佐藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視界を遮ることがなく、気流方向の抗力が増
加することもない橋桁のフラッタ防止装置を得る。 【解決手段】 橋桁1の幅方向中央部における床版又は
下面に、該床版又は下面との間に所定の距離を離して前
記床板又は下面と略平行に設置された平板7,9と、平
板7,9に上下振動または回動振動を与える駆動装置1
1とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、広くは構造物の
耐風制振装置に関し、特に橋桁のフラッタ防止装置に関
する。
【0002】
【従来技術】吊橋や斜張橋に代表される長大橋梁の橋桁
には、高風速作用下においてフラッタと呼ばれるねじれ
方向の振動が生じることが知られている。これは、自励
振動と呼ばれる振動現象の一種であり、かつて中央スパ
ン853mの吊橋を破壊させたことのある極めて破壊力
の大きな振動現象である。フラッタは、特に扁平H型断
面の橋桁に生じ易いことが知られている。図6は扁平H
型断面の橋桁においてフラッタ発生のメカニズムを説明
する説明図である。図6(a)は時刻t0 の状態を示し
ており、橋桁の前縁部で剥離渦が発生している。図6
(b)は時刻t0 から時間T/4(Tは橋梁の固有振動
周期)だけ経過した状態を示しており、時刻t0 で発生
した剥離渦が下流側へ進むと共に、橋桁が1/4周期分
だけ振動している。図6(c)は時刻t0 から時間T/
2だけ経過した状態を示しており、時刻t0 で発生した
剥離渦がさらに下流側へ進み橋桁の後縁部に到達すると
共に、橋桁が1/2周期分だけ振動している。
【0003】図6(a)乃至図6(c)に示すように、
フラッタは前縁部で生成された剥離渦が風下側に流下し
ていく間に橋桁のねじれ変形が進み、橋桁の風下部が、
上方に変形しようとするタイミングのときに、流下して
きた剥離渦にさらに上方に引っ張られるという、いわゆ
る自励力が作用することにより生じる。なお、フラッタ
は流線型橋桁にも発生するが、図7はこれを説明する説
明図である。図7(a)は、橋桁が振動していない状態
を示している。この状態では、図に示すように、風が橋
桁に沿って流れ、剥離渦は発生しない。一方、図7
(b)は、橋桁が図中橋桁中央部に記載した矢印の方向
に振動している状態を示している。橋桁が振動すると、
橋桁の振動に伴い橋桁に接近する風に相対速度(風速)
の変化が生じ、この影響で流線型橋桁にも剥離渦が発生
し、このためフラッタが発生するのである。いずれにし
ても、橋桁の前縁部で生じる大きな剥離渦がフラッタ発
生の要因になっている。
【0004】このようなフラッタの発生を防止する装置
としては、例えば特開昭61−216908号公報に示
されたフラッタ振動防止装置の発明があり、実際に実用
化されている。同公報に開示されたフラッタ振動防止装
置は、図8に示すように、偏平箱桁50の中央部に上下
方向の開口部51を設け、この開口部51の中央部を通
って橋面52上方から桁底面53下方に亘る鉛直の偏流
板55を設けたものである。
【0005】上記のような従来のフラッタ振動防止装置
においては、図9に示すように、橋桁の前縁部で発生し
て風下へ流下してきた剥離渦を橋桁中央部に設けた偏流
板55によって攪乱して、剥離渦を弱め、フラッタの発
現風速を向上させ、安全性を高めるというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フラッタ振動防止装置では、路面中央部に設置した壁状
の偏流板55が橋桁上を通行する車の運転者の視界を遮
り見通しを悪くするという問題点がある。また、偏流板
55に風が当たるので気流方向の抗力が増し、設計荷重
が増加し、さらにそのために静的不安定現象であるダイ
バージェンスが起こり易くなるという問題点もあった。
【0007】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、視界を遮ることがなく、気流方向の抗
力が増加することもない橋桁のフラッタ防止装置を得る
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る橋桁のフラ
ッタ防止装置は、橋桁の幅方向中央部における床版又は
下面に、該床版又は下面との間に所定の距離を離して前
記床版又は下面に略平行に設置された平板と、該平板に
上下振動または回動振動を与える駆動手段とを備えたも
のである。
【0009】また、橋桁の変位を測定する変位センサを
備えると共に、前記駆動手段は前記変位センサの測定結
果に応じて、前記平板を上下振動または回動振動させる
ようにしたものである。
【0010】また、平板を、橋桁の床版又は下面の上下
方向に複数段に設置したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の一実施の形態であるフラ
ッタ防止装置の説明図であり、フラッタ防止装置を設置
した橋桁の軸方向に垂直な断面図である。図2は図1に
示した橋桁の軸方向に沿う断面図である。図において、
1は両側の端部を断面三角形状にした橋桁、3は橋桁1
の上面両側部及び中央部に設けられた高欄、5は橋桁1
の中央部に設けられたフラッタ防止装置である。フラッ
タ防止装置5は、橋桁1の中央部に橋桁の床版から所定
の距離を離して橋桁の軸線に沿って水平に配置され、そ
の中央部を中心に軸線に沿って回動可能に設置された平
板7,9と、該平板に回動を与える駆動装置11と、該
駆動装置11にフィルタ13、ランダム波発生器15を
介して制御信号を入力する制御盤17とから構成されて
いる。
【0012】平板7,9は、図2に示すように、橋桁1
の軸線に沿って所定の間隔で立設された支柱21の間に
設置された軸部材に、その中心部を中心に回動可能に設
置されている。駆動装置11はリンク機構を介して平板
7,9に、図1中の拡大図で示すような、ランダムな回
動運動を与えるものである。
【0013】上記のように構成された本実施の形態にお
いては、フラッタ発現風速を越えるような強風が橋桁の
軸直角方向に吹くことが予想されるとき、橋桁の振動状
況を観測し、必要に応じて制御盤17によって駆動装置
11に駆動信号を発信し、平板7,9を回動させ、これ
によってフラッタの発生を防止するものである。図3は
本実施の形態によるフラッタ防止のメカニズムを説明す
る説明図である。図3に示すように、橋桁1の前縁部で
発生した剥離渦が風下側に流下して、橋桁1の中央部に
くると、上下方向に回動する平板7,9(図3中の拡大
図参照)によって剥離渦が攪乱され、剥離渦が弱められ
る。このため、フラッタの発現風速が向上し、通常程度
の風速の風ではフラッタが発生せず、安全性が高められ
る。
【0014】なお、上記の実施の形態1においては、平
板7,9に与える振動としてその中央部を中心として回
動させる例を示したが、本発明はこれに限られるもので
はなく、要するに平板7,9に上下方向の振動を与える
ことができる機構であればよい。また、上記の実施の形
態1においては、平板7,9を二段にした例を示した
が、本発明はこれに限られるものではなく、例えば図4
に示すように、一段でもよいし、あるいは3段以上でも
よい。また、平板を二段以上に設置した場合には、上下
に配置した平板はそれぞれが同じ動きをしてもよいし、
異なる動きをしてもよい。さらに、橋桁1の軸線方向に
複数設置した各平板についても、それぞれ同じ動きをし
てもよいし、異なる動きをしてもよい。なお、これらの
点は、後述の実施の形態2においても同様である。
【0015】実施の形態2.図5は本発明の実施の形態
2の説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部
分には同一の符号が付してある。実施の形態1において
は、駆動装置11によって平板7,9にランダムな回動
振動を与えていたが、本実施の形態2においては橋桁の
振動変位に同期させて平板7,9を振動させるようにし
たものである。図において、31は橋桁1の幅方向の一
端側に設置されて、橋桁の振動を検出する変位センサ、
33は変位センサの出力を入力し、該出力に基づいて駆
動装置11に制御信号を出力するコントローラである。
【0016】上記のように構成された本実施の形態2に
おいては、変位センサ31の出力に基づいてコントロー
ラ33が駆動装置を自動制御する。したがって、観測者
が橋桁の振動状況に応じて制御盤への指示をしなくても
よく、自動運転が可能となる。また、橋桁1の振動状況
に応じて駆動装置の駆動制御を行えば、より高い制振効
果の発揮が期待される。なお、橋桁1の振動状況に応じ
た駆動装置の駆動制御としては、平板7,9の振動の停
止・起動、平板7,9の振幅の増減、平板7,9の振動
周波数の増減、平板7,9の振動のランダム・シンクロ
の切換等種々の態様が考えられる。
【0017】なお、上記の実施の形態1,2の説明で
は、フラッタ防止装置5を橋桁1の上面となる床版に設
けた例を示したが、本発明はこれに限られるものではな
く、フラッタ防止装置5を橋桁1の下面に設けてもよ
い。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明においては、橋桁の
幅方向中央部における床版又は下面に、該床版又は下面
との間に所定の距離を離して前記床版又は下面に略平行
に平板を設置し、該平板に上下振動または回動振動を与
えるようにしたので、橋桁の前縁部で発生した剥離渦を
橋桁中央部で弱めることができ、フラッタを防止するこ
とができる。また、本発明においては平板を水平方向に
設置しているので、橋桁を通行する車の運転席からの視
界の悪化を招くこともない。さらに、気流方向の抗力の
増加がなく、設計荷重の増加を招かず、静的不安定現象
であるダイバージェンス発生の懸念も生じない。
【0019】また、橋桁の変位を測定する変位センサを
備え、前記駆動手段は前記変位センサの測定結果に応じ
て、平板を上下振動または回動振動させるようにしたの
で、橋桁の振動に応じて自動的に平板を振動させること
ができる。
【0020】さらに、平板を床版又は下面の上下方向に
複数段に設置したので、剥離渦の攪乱の効果を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である橋桁のフラッタ
防止装置を設置した橋桁の軸方向に垂直な断面図であ
る。
【図2】 図1に示した橋桁の軸方向に沿う断面図であ
る。
【図3】 図1に示した実施の形態1の作用を説明する
説明図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態である橋桁のフラッ
タ防止装置を設置した橋桁の軸方向に垂直な断面図であ
る。
【図5】 本発明の他の実施の形態である橋桁のフラッ
タ防止装置を設置した橋桁の軸方向に垂直な断面図であ
る。
【図6】 フラッタの発生のメカニズムを説明する説明
図である。
【図7】 フラッタの発生のメカニズムを説明する説明
図である。
【図8】 従来のフラッタ防止装置の説明図である。
【図9】 従来のフラッタ防止装置における作用を説明
する説明図である。
【符号の説明】 1 橋桁 5 フラッタ防止装置 7,9 平板 11 駆動装置 13 フィルタ 15 ランダム波発生器 17 制御盤 31 変位センサ 35 コントローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋桁の幅方向中央部における床版又は下
    面に、該床版又は下面との間に所定の距離を離して前記
    床版又は下面に略平行に設置された平板と、 該平板に上下振動または回動振動を与える駆動手段とを
    備えたことを特徴とする橋桁のフラッタ防止装置。
  2. 【請求項2】 前記橋桁の変位を測定する変位センサを
    備えると共に、前記駆動手段は前記変位センサの測定結
    果に応じて、前記平板を上下振動または回動振動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の橋桁のフラッタ防止装
    置。
  3. 【請求項3】 前記平板を、前記床版又は下面の上下方
    向に複数段に設置したことを特徴とする請求項1又は2
    記載の橋桁のフラッタ防止装置。
JP13678497A 1997-05-27 1997-05-27 橋桁のフラッタ防止装置 Pending JPH10325109A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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