JPH10324869A - プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物

Info

Publication number
JPH10324869A
JPH10324869A JP14995897A JP14995897A JPH10324869A JP H10324869 A JPH10324869 A JP H10324869A JP 14995897 A JP14995897 A JP 14995897A JP 14995897 A JP14995897 A JP 14995897A JP H10324869 A JPH10324869 A JP H10324869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
weight
methacrylate
plasma display
display panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14995897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3688852B2 (ja
Inventor
Yasuo Oguri
康生 小栗
Norio Miura
典夫 三浦
Atsushi Toda
淳 遠田
Takashi Chokai
傑 鳥海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kasei Optonix Ltd, Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Kasei Optonix Ltd
Priority to JP14995897A priority Critical patent/JP3688852B2/ja
Publication of JPH10324869A publication Critical patent/JPH10324869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3688852B2 publication Critical patent/JP3688852B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のメタクリル酸エステル系共重合体をバ
インダーとすることにより、蛍光体との分散性に優れ、
従来より低い温度で焼成でき、しかも輝度低下の少ない
PDP用蛍光体用ペースト組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも下記(A)、(B)及び
(C)を含有することからなるプラズマディスプレイパ
ネル用蛍光体ペースト組成物。 (A) 少なくともメタクリル酸イソブチル60〜99
重量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル1〜39重量
%及びβ位或いはω位に水酸基を有するメタクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステル1〜15重量%を構成成分と
するメタクリル酸エステル系共重合体 100重量部、
(B) プラズマディスプレイパネル用蛍光体(例え
ば、ユーロピウム又はマンガン付活アルミン酸塩) 5
00重量部以上2000重量部以下、及び(C) 沸点
が170℃以上の有機溶剤(例えば、ポリアルキレング
リコールアルキルエーテル)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマディスプレ
イパネル(以下PDPという)用蛍光体ペースト組成物
に関するものであり,本発明の該組成物は、蛍光体との
混合化後の均一性や取り扱い性に優れ、低い温度で熱分
解することができる上に、蛍光体そのものの輝度の低下
を惹起しないPDP用蛍光体ペースト組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年30インチを越える大画面陰極線管
(CRT=Cathode Ray Tube)がテレビ受像器として採
用され各家庭に行き渡っているが、大画面になるほど電
子銃と画面との距離が必要となるため、受像器の奥行き
が長かったり画面の湾曲が大きいといった製品形態にな
る。その結果、設置場所が限られたり画面周辺部では歪
むといった問題が出てきている。また、TFT(Thin Fi
lm Transistor)に代表される液晶表示パネルはCRTと
はその発光機構が異なっているので、極めて薄い構造が
可能となり、近年はノート型パソコンに広く採用されて
いる。しかし、TFT等液晶表示パネルは一般的に視野
角が狭く正面から良く見えても少し視線の角度をずらす
と見難いといった問題がある。
【0003】一方、PDP(Plasma Display Panel)
は希ガスの放電により生じる紫外線による蛍光体の発光
現象で表示させるので、CRTの様に奥行きは要らず薄
くかつ平坦な画面を持った構造となり、また発光現象を
利用しているので液晶パネルに比べて視野角が広い。し
かも大画面が容易に得られる工業上の利点がある。PD
Pでは小型セルが集積一体化されており、その一つ一つ
が仕切られたセルの壁面及び底面に蛍光体が存し、両端
の電極によりガスに放電して発生した紫外線をその蛍光
体が吸収して発光する。PDPの製造に当たり、こうし
た蛍光体のセル内面への塗布は、まず蛍光体をバインダ
ーで分散したペーストを製造し、これをセル内の所定の
位置にスクリーン印刷法により行うのが一般的である。
そして、最終的に発光させる際、セル中の蛍光体に有機
物の痕跡があると明瞭な表示の妨げとなるので、ガス封
入前のペーストの焼成工程で有機物は完全に消失させて
おく事が肝要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】CRTの場合、バイン
ダーを使った蛍光体組成物をフェースプレートに塗布
後、乾燥、焼成してバインダーを消失させ、フェースプ
レートに赤、緑、青、黒のパターンが形成されている。
PDPの場合も、バインダーを含む蛍光体組成物をセル
内の所定の位置に塗布・充填後、400から550℃の
温度で焼成してバインダーを消失させているが、酸素の
存在下高温で焼成すると、蛍光体の種類によっては焼成
時に生ずるバインダーの酸化或いは構造変化による影響
が蛍光体にまで及んで蛍光体の輝度が低下したり色調が
ずれたりする恐れがある。
【0005】PDP用蛍光体としては、CRT用蛍光体
と異なり波長147nm、172nmの紫外光で発光す
ることが必要であるために青発光蛍光体はCRTと全く
異なる2価のユーロピウム付活化アルミン酸バリウム・
マグネシウム等のアルミン酸塩蛍光体が使用されている
が、このPDP用蛍光体は高温、酸素の雰囲気下で処理
すると輝度の低下が著く、特にこれまでのCRT用に使
用されてきたバインダーと共に用いると輝度の低下が避
けられない。その結果、パネル全体の輝度が低下し、特
に青の劣化が激しいので、赤味、黄味を帯びた表示とな
り色再現性、精彩性に欠ける事態が生ずる。そこで、P
DP用蛍光体の塗布のために使用するバインダーとして
はポリビニルアルコール、エチルセルロース等が使用さ
れているが、その熱分解性は良好とは言い難い。
【0006】また、アクリルポリマーは熱分解性の良い
ことが知られており、例えば特公平7−96679号公
報に、特定のアクリルポリマー、蛍光体、有機溶剤から
なるペーストがCRT用として優れていることが記載さ
れている。しかしながら、このペーストが蛍光体それ自
体の輝度に及ぼす影響については勿論、アクリルポリマ
ーの具体的な組成についての詳細につき何等言及すると
ころはない。まして、CRTに用いられる蛍光体と構造
や組成を異にし、真空紫外領域の紫外線により蛍光体が
励起されて発光するPDP用の蛍光体とバインダーとし
てのアクリルポリマーとの関係について一切開示してい
ない。また、アクリルポリマーの熱分解性が比較的良い
としても、アクリルポリマーの主構成成分としてアクリ
ル酸等の不飽和カルボン酸を使うと焼成性が格段に低下
し残炭しやすくなり、その結果蛍光体を汚染しやすくな
ることもあるので、アクリルポリマーのすべてが適用可
能とは限らないのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこうしたP
DP用蛍光体とバインダー樹脂との間の特有の問題点を
解決すべく鋭意検討した結果,複数のメタクリル酸エス
テルからなる特定の成分を所定割合で構成したメタクリ
ル酸エステル系共重合体をバインダーとする蛍光体ペー
スト組成物は、蛍光体との分散性に優れ、従来より低い
温度で焼成でき、しかも輝度低下も非常に僅かであるこ
とを見いだし本発明に到達した。
【0008】即ち,本願発明の要旨は、少なくとも下記
(A)、(B)及び(C)を含有することからなるプラ
ズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物に存す
る。 (A) 少なくともメタクリル酸イソブチル60〜99
重量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル1〜39重量
%及びβ位或いはω位に水酸基を有するメタクリル酸ヒ
ドロキシアルキルエステル1〜15重量%を構成成分と
するメタクリル酸エステル系共重合体 100重量部、
(B) プラズマディスプレイパネル用蛍光体 500
重量部以上2000重量部以下、及び(C) 沸点が1
70℃以上の有機溶剤。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明の蛍光体ペースト組成物
に含まれる(A)成分であるメタクリル酸エステル系共
重合体は、少なくともメタクリル酸イソブチル60〜9
9重量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル1〜39重
量%及びβ位或いはω位に水酸基を有するメタクリル酸
ヒドロキシアルキルエステル1〜15重量%を構成成分
とする共重合体である。なお、ここに言う重量%は、共
重合単量体の全重量に対する割合(%)を意味する。メ
タクリル酸イソブチルの使用量が60重量%に満たない
場合、またメタクリル酸2−エチルヘキシルの使用量が
39重量%を越える場合には得られた共重合体の熱分解
性が悪くなり好ましくない。それ故、メタクリル酸イソ
ブチルは63重量%以上、99重量%以下で使用するの
が好ましく、又メタクリル酸2−エチルヘキシルの使用
量は1重量%以上、30重量%以下が適当である。
【0010】β位或いはω位に水酸基を有するメタクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステルのアルキル基は、通常
炭素数1〜4の低級アルキル基である。これらのエステ
ル中、β位に水酸基を有するメタクリル酸エステルとし
ては、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシブチルなどが挙げられ、ω位に水酸
基を有するメタクリル酸エステルとしてはメタクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙げ
られる。これらの水酸基を有するエステルを共重合した
共重合体をバインダー樹脂とすると、ペーストの分散
性、耐水性が改善される。バインダーの有機溶剤との相
溶性、蛍光体の分散性の観点から、β位或いはω位に水
酸基を有するメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
の使用量は1〜15重量%が適当であり、さらに5〜1
0重量%が好ましい。ω位に水酸基を有するメタクリル
酸エステルとしてメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを
使用した場合、得られる共重合体はその主成分であるメ
タクリル酸イソブチルのホモポリマーが有する熱分解性
にほぼ匹敵する熱分解性を示すので特に好ましい。
【0011】本願発明のメタクリル酸エステル系共重合
体を製造するに当たり、上記モノマーと共重合が可能な
他のモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチルなどのアクリル酸アルキルエステル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸tert-ア
ミル、メタクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸シク
ロヘキシルメチルなどのメタクリル酸エステル、スチレ
ン、α−メチルスチレンなどが挙げられ、これらは必要
により2種類以上併用できる。これらの共重合成分モノ
マーの中でも熱分解性、スラリー安定性からメタクリル
酸エステル、α−メチルスチレンが適当であり、さらに
主成分であるメタクリル酸イソブチルとの重合性、熱分
解性を考慮するとアルコール部分のβ−位にアルキル基
を有するメタクリル酸分岐アルキルエステルがより好ま
しい。これらの共重合成分モノマーは、メタクリル酸エ
ステル系共重合体の熱分解性、分散安定性を損なわない
範囲で使用され、通常、モノマー全量に対し20重量%
までとするのが良い。
【0012】又アクリル酸やメタクリル酸などの有機酸
はあまり入れすぎると熱分解性が低下するので他のモノ
マー100重量%に対し2重量%以下が好ましい。更に
ジメタクリル酸エステルなどの多官能モノマーを添加す
ることもできる。しかしながら、過多に添加すると、熱
分解性が低下するので、他のモノマー100重量%に対
し0.5重量%以下が好ましい。ジメタクリル酸エステ
ルとしてはジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタ
クリル酸プロピレングリコールなどが好ましい。
【0013】メタクリル酸エステル系共重合体として
は、その分子量が重量平均分子量(MW)で1万から1
50万程度のものまで使用可能であるが、スラリーの低
粘性、スラリー中の溶剤量の低減などを重視する場合は
分子量が低い方が適当であり、他方蛍光体の沈降をゆっ
くり進める場合には分子量が高い方が適当であるため、
重量平均分子量(MW)では15万から100万の範
囲、又数平均分子量(MN)では5万から25万の範囲
のものがより好ましい。またこのメタクリル酸エステル
系重合体の重量平均分子量(MW)と数平均分子量(M
N)の比MW/MNは4.0〜11.0が好ましい。こ
れより小さいと蛍光体組成物のセルへの塗布、乾燥時に
蛍光体の沈降が起きてセルの壁に残らず輝度が低下し、
またこれより大きいと乾燥時に表面が先に乾いて内部に
泡を残し易くなり同様に輝度の低下が起こるので好まし
くない。
【0014】本願発明のメタクリル酸エステル系重合体
の重合方法は特に制限されず、従来より行われているこ
の種ビニル化合物の重合技術を適宜適用することがで
き、一般的には過酸化物やアゾ化合物などのラジカル開
始剤を触媒とし、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、溶融
重合などの重合法で、所定温度、所定時間反応させれば
よい。
【0015】本願発明の(B)成分であるPDP用蛍光
体としては、波長が200nm以下の真空紫外線励起下
で高効率に発光し得る蛍光体であれば特に制限はなく、
具体的には、赤は3価のユーロピウム付活酸化イットリ
ウム、3価のユーロピウム付活ホウ酸イットリウム等が
使用され、また緑はマンガン付活ケイ酸亜鉛、マンガン
付活アルミン酸バリウム・マグネシウム等が使用され、
青は2価のユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグ
ネシウム等が使用される。これらの蛍光体は、通常、有
機バインダー樹脂と有機溶剤と共に混練する事によりペ
ースト組成物となし、これを印刷法によりセルの所定の
位置に塗布し、乾燥、焼成して有機物を完全に除去して
蛍光体層を形成するが、この焼成の工程で有機物の分解
が蛍光体の構造を化学的に損傷させ、結果的に輝度が著
しく低下する。特にこの現象はアルミン酸塩、とりわけ
青色ないし緑色発光蛍光体である2価のユーロピウム及
び/又はマンガン付活アルミン酸バリウム・マグネシウ
ム蛍光体の場合の輝度低下が著しく、この蛍光体は単独
でも高温かつ酸素の存在下で輝度の劣化を起こし、ペー
ストにするために使用した有機バインダーの存在下では
なお一層輝度の低下が著しく、できあがったPDP全体
の輝度が低下する。
【0016】本願発明では、有機バインダー樹脂として
特定のメタクリル酸エステル系共重合体を使用すること
により、焼成工程での有機物の分解による蛍光体の構造
変化を抑制し、輝度低下を防止することができるので、
PDP用蛍光体としては特に輝度劣化を生じ易いアルミ
ン酸塩に対し効果的である。この様なアルミン酸塩とし
てはBaMgAlab:Eu2+、BaMgAlab:M
nで表現され、アルミン酸塩が2価のユーロピウムまた
はマンガンで付活された蛍光体が特に好ましい。代表的
な蛍光体としてKX−501A(BaMgAl1017
Eu2+化成オプトニクス社製)、KX−503A((B
a、Sr、Mg)O、aAl23:Mn化成オプトニク
ス社製)が知られている。
【0017】(B)成分の蛍光体としては、パネルのコ
ントラストを高める目的で蛍光体表面に顔料成分を付
着、被着させたものを使用することも出来る。この場合
の顔料の付着、被着の方法は問わないが、一般的にはア
クリルエマルジョン、ポリビニルアルコール等が使用さ
れる。(B)成分の添加量は(A)成分100重量部に
対して500重量部以上2000重量部以下である。5
00重量に満たない場合はセルの隔壁に十分な量を堆積
することが出来ずに輝度が低下する。また、2000重
量部を越える場合は必要以上に隔壁に蛍光体が堆積する
ため表面の蛍光体では発光しても下敷きになった蛍光体
は発光せず、発光効率が低下する。
【0018】(C)成分である沸点が170℃以上の有
機溶剤はペースト組成物をプラズマディスプレイの背面
パネルに塗布する際に独立したセルの中に完全に充填す
るために必要とされるものであり、これを用いてペース
トの粘度、蛍光体の充填量を制御する。基本的には、
(A)成分と分離しない有機溶剤であればよく、種類と
してはアルコール類、エーテル類、エステル類が好まし
い。具体的な溶剤として、α−テルピネオール(沸点2
17−218℃);ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル(沸点231℃)、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル(沸点245℃)、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル(沸点216℃)、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル(沸点213℃)、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点262
℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
(沸点245℃)、トリプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル(沸点276℃)等のポリアルキレングリコ
ールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールエチル
エーテルアセテート(沸点218−219℃)等を挙げ
ることが出来る。
【0019】(C)成分の添加量は(A)成分100重
量部に対して500重量部以上5000重量部以下が好
ましい。500重量に満たない場合はペースト粘度が高
く十分に塗布することが出来ず作業性が下がる。また、
5000重量部を越える場合は乾燥に時間がかかり製造
の利点が低下する。有機溶剤として(C)成分の沸点が
170℃以上の溶媒に加えて沸点が170℃に満たない
有機溶剤を併用することが出来る。しかし、その使用量
が多過ぎると塗布前にペーストが乾燥し増粘して、糸を
引くようになり作業性が低下するので、その添加量は
(C)成分100重量部に対して20重量部以下が好ま
しい。
【0020】本願発明の(A),(B)及び(C)成分
からなるペースト組成物を製造する方法は特に制限され
ないが、例えば(A)成分を(C)成分で予め溶解、分
散させた後、この溶液に(B)成分を加え、更にそれを
ボールミル、サンドミル、3本ロールミル等で分散、撹
拌させて得ることが出来る。
【0021】このようにして調製したペースト組成物
は、透明電極が印刷されたガラス基板(裏面)上にスク
リーン印刷で所定の位置に塗布することが出来るが、P
DPの場合はガラスの隔壁の上にスクリーンを置いて必
要な部分にだけ特定の色の蛍光体を分散させたペースト
組成物を塗布し、乾燥、焼成工程を経て、ガスを封入し
てガラス基板(表面)を接合してPDPを作ることが出
来る。
【0022】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するため、以下
実施例を上げて説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、これら実施例に限定されるものではない。
【0023】実施例 1.製造例 メタクリル酸エステル系共重合物の製造 製造例1〜3(実施例)、製造例4〜7(比較例) 撹拌装置、温度計、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを
備えたセパラブルフラスコに、表1に記載の組成のモノ
マー混合物100重量部とトルエン100重量部をい
れ、窒素を吹き込みフラスコ内を窒素置換する。一方滴
下ロートには重合開始剤アゾイソブチロニトリル0.2
重量部をトルエン10重量部溶かした溶液を仕込んでお
く。ついでフラスコを72℃に昇温し、滴下ロートから
重合開始剤のトルエン溶液を5分間で滴下する。滴下開
始から4時間後に、さらに同量の重合開始剤溶液を同様
にして5分間で滴下し、さらに1時間で80℃に昇温
し、その後3時間撹拌し反応させた。反応終了後、それ
ぞれ表1に記載の製造例1〜7の共重合体を得た。得ら
れた各共重合体はゲルパーミエイションクロマトグラフ
ィー(GPC)を用いて重量平均分子量(MW)及び数
平均分子量(MN)を測定し、表1に記載した。
【0024】
【表1】
【0025】表1中、略語は以下の化合物を意味する。 iBMA メタクリル酸イソブチル nBMA メタクリル酸ノルマルブチル 2EHMA メタクリル酸2−エチルヘキシル 2HEMA メタクリル酸2−ヒドロキシエチル MAA メタクリル酸 MMA メタクリル酸メチル
【0026】2.ペースト組成物の調製 実施例1〜3、比較例1〜5 上記製造例で製造した表1に記載の共重合体及びエチル
セルロースの各々100重量部、プラズマディスプレイ
用青色蛍光体KX−501A(化成オプトニクス社製)
300重量部にジプロピレングリコールモノブチルエー
テル600重量部加えて混合、分散し蛍光体ペースト組
成物を調製した。このペースト組成物を乾燥膜厚が50
μmになる様にガラス基板に塗布した。塗布蛍光膜の乾
燥は120℃で15分行った。その後、乾燥蛍光膜を4
50℃で60分焼成を行った。焼成した蛍光膜を真空紫
外線(147nm)で励起させ、その時の輝度を測定
し、比較例5の輝度(標準)を100として表示した。
結果を表2に示す。また、実施例1〜3のペーストは一
週間以上、保存安定性が良好であったが、比較例1は分
散性が悪く層分離し、比較例3〜4では励起輝度の低下
が見られた。尚、比較例2では乾燥後に蛍光体がガラス
基板から剥離し輝度を測定することが出来なかった。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本願発明によるプラズマディスプレイパ
ネル用蛍光体ペースト組成物は、ペーストの安定性に優
れ、乾燥性と焼成性に優れ、得られた蛍光体は輝度の高
いものであり、プラズマディスプレイの輝度の向上に大
いに貢献するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠田 淳 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 鳥海 傑 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記(A)、(B)及び(C)
    を含有することを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル用蛍光体ペースト組成物。 (A)少なくともメタクリル酸イソブチル60〜99重
    量%、メタクリル酸2−エチルヘキシル1〜39重量%
    及びβ位或いはω位に水酸基を有するメタクリル酸ヒド
    ロキシアルキルエステル1〜15重量%を構成成分とす
    るメタクリル酸エステル系共重合体 100重量部、 (B)プラズマディスプレイパネル用蛍光体 500重
    量部以上2000重量部以下、及び (C)沸点が170℃以上の有機溶剤。
  2. 【請求項2】β位或いはω位に水酸基を有するメタクリ
    ル酸ヒドロキシアルキルエステルがメタクリル酸2−ヒ
    ドロキシエチルであることを特徴とする請求項1記載の
    プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物。
  3. 【請求項3】(B)のプラズマディスプレイパネル用蛍
    光体がアルミン酸塩であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載のプラズマディスプレイパネル用蛍光体ペー
    スト組成物。
  4. 【請求項4】アルミン酸塩が2価のユーロピウム及び/
    またはマンガンで付活されている蛍光体であることを特
    徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル
    用蛍光体ペースト組成物。
JP14995897A 1997-05-26 1997-05-26 プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物 Expired - Fee Related JP3688852B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14995897A JP3688852B2 (ja) 1997-05-26 1997-05-26 プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14995897A JP3688852B2 (ja) 1997-05-26 1997-05-26 プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10324869A true JPH10324869A (ja) 1998-12-08
JP3688852B2 JP3688852B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=15486327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14995897A Expired - Fee Related JP3688852B2 (ja) 1997-05-26 1997-05-26 プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3688852B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329256A (ja) * 2000-05-23 2001-11-27 Toray Ind Inc 蛍光体ペースト並びにそれから得られるpdp背面板用部材及びプラズマディスプレイパネル
KR100372764B1 (ko) * 2000-05-22 2003-02-17 서성호 축광도료 조성물, 그 제조방법
JP2008255274A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Sekisui Chem Co Ltd 蛍光体ペースト組成物
JP2019194580A (ja) * 2018-04-27 2019-11-07 東レ株式会社 シンチレータパネル

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100372764B1 (ko) * 2000-05-22 2003-02-17 서성호 축광도료 조성물, 그 제조방법
JP2001329256A (ja) * 2000-05-23 2001-11-27 Toray Ind Inc 蛍光体ペースト並びにそれから得られるpdp背面板用部材及びプラズマディスプレイパネル
JP4540799B2 (ja) * 2000-05-23 2010-09-08 パナソニック株式会社 蛍光体ペーストおよびプラズマディスプレイ背面板用部材の製造方法
JP2008255274A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Sekisui Chem Co Ltd 蛍光体ペースト組成物
JP2019194580A (ja) * 2018-04-27 2019-11-07 東レ株式会社 シンチレータパネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3688852B2 (ja) 2005-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0333162B1 (en) Phosphor paste compositions and phosphor coatings obtained therefrom
KR100742453B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 장치
WO2006109759A1 (ja) 蛍光体、蛍光体ペースト及び発光素子
JP2006188705A (ja) リン酸系分散剤を含む蛍光体ペースト組成物およびこれを用いてなる表示装置
JP3688852B2 (ja) プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物
JP4208822B2 (ja) プラズマディスプレイパネル用緑色蛍光体
JP2000104055A (ja) プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物
JP2008075083A (ja) プラズマディスプレイパネル用緑色蛍光体及びそれを利用したプラズマディスプレイパネル
KR101107130B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널용 페이스트 조성물, 플라즈마 디스플레이 패널 기판의 제조 방법 및 플라즈마 디스플레이 패널
JP2001279239A (ja) 発光素子用蛍光体の製造方法および蛍光体ペースト
JP2000104053A (ja) プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物
CN100403481C (zh) 用于等离子体显示面板的绿色磷光体和包括它的等离子体显示面板
JP2000144124A (ja) 蛍光体ペースト組成物
JP2005166647A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100573617B1 (ko) 금속산화물이 첨가된 플라즈마 디스플레이 패널용 형광체페이스트 및 그의 제조방법
JP4867117B2 (ja) 蛍光体ペーストおよびそれを用いたディスプレイパネル用部材の製造方法
KR100734813B1 (ko) 형광체 페이스트 조성물 및 그것을 사용한 형광막
JP4258075B2 (ja) ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ
JP3457288B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP2000104054A (ja) プラズマディスプレイパネル用蛍光体ペースト組成物
JPH0796679B2 (ja) 陰極線管用蛍光体ペースト組成物
JP2004292538A (ja) 蛍光体ペーストおよびそれを用いたディスプレイパネル用部材の製造方法
KR100542263B1 (ko) 저온소성이 가능한 플라즈마디스플레이 패널용 형광체페이스트 조성물
KR20060111320A (ko) 형광체 페이스트 조성물, 그로부터 제조된 형광체층, 이를포함하는 플라즈마 디스플레이 패널, 및 그 제조방법
KR100728161B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널용 녹색 형광체 조성물 및 이를포함하는 플라즈마 디스플레이 패널

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050609

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080617

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees