JPH10324608A - シロアリ防除用ベイト及びその製造方法 - Google Patents
シロアリ防除用ベイト及びその製造方法Info
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- JPH10324608A JPH10324608A JP17510097A JP17510097A JPH10324608A JP H10324608 A JPH10324608 A JP H10324608A JP 17510097 A JP17510097 A JP 17510097A JP 17510097 A JP17510097 A JP 17510097A JP H10324608 A JPH10324608 A JP H10324608A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 遅効性防蟻成分の流亡や溶脱の恐れが少な
く、高いシロアリ防除効果を示し、しかも製造がより簡
便なシロアリ防除用ベイト、及びその製造方法の提供。 【課題の解決手段】 シロアリの好喫食性植物粉末又は
植物繊維と、遅効性防蟻成分と、シロアリ非忌避性の熱
硬化性樹脂とを組成分として含有し、加熱加圧条件下で
成型してなるシロアリ防除用ベイト、及びシロアリの好
喫食性植物粉末又は植物繊維に、遅効性防蟻成分とシロ
アリ非忌避性の熱硬化性樹脂からなるエマルジョンを添
加するか、もしくはシロアリの好喫食性植物粉末又は植
物繊維と遅効性防蟻成分との混合物にシロアリ非忌避性
の熱硬化性樹脂を添加し、加熱加圧条件下で成型する前
記シロアリ防除用ベイトの製造方法。
く、高いシロアリ防除効果を示し、しかも製造がより簡
便なシロアリ防除用ベイト、及びその製造方法の提供。 【課題の解決手段】 シロアリの好喫食性植物粉末又は
植物繊維と、遅効性防蟻成分と、シロアリ非忌避性の熱
硬化性樹脂とを組成分として含有し、加熱加圧条件下で
成型してなるシロアリ防除用ベイト、及びシロアリの好
喫食性植物粉末又は植物繊維に、遅効性防蟻成分とシロ
アリ非忌避性の熱硬化性樹脂からなるエマルジョンを添
加するか、もしくはシロアリの好喫食性植物粉末又は植
物繊維と遅効性防蟻成分との混合物にシロアリ非忌避性
の熱硬化性樹脂を添加し、加熱加圧条件下で成型する前
記シロアリ防除用ベイトの製造方法。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、遅効性防蟻成分、特に
モリブデン酸及びタングステン酸の水溶性塩を含有する
シロアリ防除用ベイト、及びその製造方法の改良に関す
るものである。
モリブデン酸及びタングステン酸の水溶性塩を含有する
シロアリ防除用ベイト、及びその製造方法の改良に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、建築物や樹木を食害したり、堤防
やダムを破壊するシロアリ類の被害が問題となってお
り、特にツチシロアリによる堤防やダム、あるいは亜熱
帯地域における樹木の被害は重大である。これまでシロ
アリ防除の目的で、あらかじめ用材や周辺土壌に防蟻剤
処理を施したり、ベイトを設置する手段がとられてき
た。後者は、遅効性のベイトを職蟻に摂食させ、ついで
巣に運搬させてシロアリのコロニーを完全に駆除しよう
とするもので、防蟻成分としてはマイレックス等の有機
塩素系防蟻剤が今なお使われているところもある。マイ
レックスは安価であるが、毒性が高く環境汚染などの点
で問題があり、その改善が急務となっている。
やダムを破壊するシロアリ類の被害が問題となってお
り、特にツチシロアリによる堤防やダム、あるいは亜熱
帯地域における樹木の被害は重大である。これまでシロ
アリ防除の目的で、あらかじめ用材や周辺土壌に防蟻剤
処理を施したり、ベイトを設置する手段がとられてき
た。後者は、遅効性のベイトを職蟻に摂食させ、ついで
巣に運搬させてシロアリのコロニーを完全に駆除しよう
とするもので、防蟻成分としてはマイレックス等の有機
塩素系防蟻剤が今なお使われているところもある。マイ
レックスは安価であるが、毒性が高く環境汚染などの点
で問題があり、その改善が急務となっている。
【０００３】一方、低毒性でかつシロアリ防除効果の高
いベイト用防蟻成分の開発も進められ、例えばモリブデ
ン化合物、タングステン化合物、低濃度のシラフルオフ
ェン等が知られている。モリブデン及びタングステン
は、シロアリに対して選択的に殺蟻効力を示し、しかも
クロム等の金属に比べて安全性が高いことから木材用防
蟻剤として有用である。しかしながら、水溶性のモリブ
デン及びタングステン化合物単独で使用した場合、有効
成分の流亡のため実用場面での防蟻効果は必ずしも十分
とはいえないものであった。そこで、本発明者らは先
に、水溶性のモリブデン酸及びタングステン酸のアルカ
リ金属塩に無機塩の水溶液を加え、基材中に水難溶性の
モリブデン酸及びタングステン酸の無機塩を生成させて
なるシロアリ防除用ベイトを開発し、特許を出願した
（特開平２−６４０２，特開平４−３６２０６）。この
ものは、屋外使用でも有効成分が流亡せず極めて有用で
あったが、製造工程上の手間が免れえず改良の余地を残
していた。
いベイト用防蟻成分の開発も進められ、例えばモリブデ
ン化合物、タングステン化合物、低濃度のシラフルオフ
ェン等が知られている。モリブデン及びタングステン
は、シロアリに対して選択的に殺蟻効力を示し、しかも
クロム等の金属に比べて安全性が高いことから木材用防
蟻剤として有用である。しかしながら、水溶性のモリブ
デン及びタングステン化合物単独で使用した場合、有効
成分の流亡のため実用場面での防蟻効果は必ずしも十分
とはいえないものであった。そこで、本発明者らは先
に、水溶性のモリブデン酸及びタングステン酸のアルカ
リ金属塩に無機塩の水溶液を加え、基材中に水難溶性の
モリブデン酸及びタングステン酸の無機塩を生成させて
なるシロアリ防除用ベイトを開発し、特許を出願した
（特開平２−６４０２，特開平４−３６２０６）。この
ものは、屋外使用でも有効成分が流亡せず極めて有用で
あったが、製造工程上の手間が免れえず改良の余地を残
していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下記の条
件、 野外での使用に際しベイトが降雨によっても崩壊せ
ず、土中で原形を保持すること。 防蟻成分の溶脱がないこと。 シロアリが忌避せず摂食すること。 遅効性ながらベイトを摂食したシロアリが確実に致死
し、しかも巣の全滅に至ること。 を満足するシロアリ防除用ベイト、及びその製造方法を
提供することを目的とする。
件、 野外での使用に際しベイトが降雨によっても崩壊せ
ず、土中で原形を保持すること。 防蟻成分の溶脱がないこと。 シロアリが忌避せず摂食すること。 遅効性ながらベイトを摂食したシロアリが確実に致死
し、しかも巣の全滅に至ること。 を満足するシロアリ防除用ベイト、及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段ならびに作用】この目的達
成のため、本発明は、シロアリの好喫食性植物粉末又は
植物繊維と、遅効性防蟻成分と、シロアリ非忌避性の熱
硬化性樹脂とを組成分として含有し、加熱加圧条件下で
成型してなるシロアリ防除用ベイト、およびその製造方
法に係る。
成のため、本発明は、シロアリの好喫食性植物粉末又は
植物繊維と、遅効性防蟻成分と、シロアリ非忌避性の熱
硬化性樹脂とを組成分として含有し、加熱加圧条件下で
成型してなるシロアリ防除用ベイト、およびその製造方
法に係る。
【０００６】本発明の有効成分としては遅効性防蟻成分
が用いられ、例えば、モリブデン化合物、タングステン
化合物、マイレックス、あるいは低濃度のシラフルオフ
ェン等があげられる。モリブデン化合物やタングステン
化合物は前述のとおり有用な防蟻成分であるが、その水
溶性塩の野外での使用は有効成分が流亡することから実
用性には問題があった。しかるに、本発明は、非忌避性
の熱硬化性樹脂を用いてベイトを固めることによって、
製造性及び速効性の点で有利な水溶性塩の適用を可能と
したものである。特に好適な水溶性のモリブデン酸ナト
リウム、タングステン酸ナトリウムの化学式、ならびに
文献による水溶解度（ｇ／１００ｍｌ）を下記に示す。 モリブデン酸ナトリウム 〔Ｎａ２ＭｏＯ４２Ｈ２Ｏ；３９．４（２８℃）〕 タングステン酸ナトリウム 〔Ｎａ２ＷＯ４２Ｈ２Ｏ；５７．６（０℃）〕 ベイト中のモリブデン酸ナトリウム及びタングステン酸
ナトリウムの配合量は特に限定されないが、それぞれモ
リブデン、タングステンとして１〜８重量％程度配合す
るのが適当である。また、モリブデン酸ナトリウムとタ
ングステン酸ナトリウムの組成比は、両者の相乗効果を
期待できる点で、モリブデン、タングステンとして７５
〜１５：２５〜８５の範囲が好ましい。
が用いられ、例えば、モリブデン化合物、タングステン
化合物、マイレックス、あるいは低濃度のシラフルオフ
ェン等があげられる。モリブデン化合物やタングステン
化合物は前述のとおり有用な防蟻成分であるが、その水
溶性塩の野外での使用は有効成分が流亡することから実
用性には問題があった。しかるに、本発明は、非忌避性
の熱硬化性樹脂を用いてベイトを固めることによって、
製造性及び速効性の点で有利な水溶性塩の適用を可能と
したものである。特に好適な水溶性のモリブデン酸ナト
リウム、タングステン酸ナトリウムの化学式、ならびに
文献による水溶解度（ｇ／１００ｍｌ）を下記に示す。 モリブデン酸ナトリウム 〔Ｎａ２ＭｏＯ４２Ｈ２Ｏ；３９．４（２８℃）〕 タングステン酸ナトリウム 〔Ｎａ２ＷＯ４２Ｈ２Ｏ；５７．６（０℃）〕 ベイト中のモリブデン酸ナトリウム及びタングステン酸
ナトリウムの配合量は特に限定されないが、それぞれモ
リブデン、タングステンとして１〜８重量％程度配合す
るのが適当である。また、モリブデン酸ナトリウムとタ
ングステン酸ナトリウムの組成比は、両者の相乗効果を
期待できる点で、モリブデン、タングステンとして７５
〜１５：２５〜８５の範囲が好ましい。
【０００７】マイレックスは、ベイト中に約２重量％程
度配合して用いられているが、有機塩素系防蟻剤のため
環境汚染への危惧が免れ得ない。本発明は、非忌避性の
熱硬化性樹脂を用いて加熱加圧条件下でベイトを成型し
有効成分の流亡を抑えたので、環境汚染の拡散防止に寄
与するものである。本発明におけるベイト中のマイレッ
クス配合量は、設置目的、設置数、樹脂添加量等とも関
連するが、０．２〜１０重量％の範囲で適宜選択するこ
とができる。一方、シラフルオフェンはシロアリ類に対
して高い殺蟻効果を示し、シロアリ防除用散布剤として
は、有効成分濃度が０．０５〜０．２重量％程度で広く
使用されている。しかし、この濃度でベイトに適用する
とシロアリがベイトを巣に持ち帰るまでに死亡してしま
うため、本発明のベイトでは、０．０００１〜０．０１
重量％の低濃度で使用するのが適当である。
度配合して用いられているが、有機塩素系防蟻剤のため
環境汚染への危惧が免れ得ない。本発明は、非忌避性の
熱硬化性樹脂を用いて加熱加圧条件下でベイトを成型し
有効成分の流亡を抑えたので、環境汚染の拡散防止に寄
与するものである。本発明におけるベイト中のマイレッ
クス配合量は、設置目的、設置数、樹脂添加量等とも関
連するが、０．２〜１０重量％の範囲で適宜選択するこ
とができる。一方、シラフルオフェンはシロアリ類に対
して高い殺蟻効果を示し、シロアリ防除用散布剤として
は、有効成分濃度が０．０５〜０．２重量％程度で広く
使用されている。しかし、この濃度でベイトに適用する
とシロアリがベイトを巣に持ち帰るまでに死亡してしま
うため、本発明のベイトでは、０．０００１〜０．０１
重量％の低濃度で使用するのが適当である。
【０００８】本発明では、シロアリの好喫食性植物粉末
又は植物繊維として種々のものを用いることができ、例
えばユーカリ樹皮、バガス、アカマツ等の木粉、小麦
粉、とうもろこし粉等の各種でんぷんがあげられる。特
に、ユーカリ樹皮、バガス及びアカマツから選ばれた少
なくとも１種を含むのが好ましく、なかでもツチシロア
リが好んで喫食するユーカリ樹皮及びツチシロアリとヤ
マトシロアリに好まれるバガスを共に含む混合物が好適
である。
又は植物繊維として種々のものを用いることができ、例
えばユーカリ樹皮、バガス、アカマツ等の木粉、小麦
粉、とうもろこし粉等の各種でんぷんがあげられる。特
に、ユーカリ樹皮、バガス及びアカマツから選ばれた少
なくとも１種を含むのが好ましく、なかでもツチシロア
リが好んで喫食するユーカリ樹皮及びツチシロアリとヤ
マトシロアリに好まれるバガスを共に含む混合物が好適
である。
【０００９】本発明のシロアリ防除用ベイトは、上記シ
ロアリの好喫食性植物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成
分と、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂とを含み、好ま
しくはベイト全体量に対して４〜３０重量％の該熱硬化
性樹脂を用いて加熱加圧条件下で成型したことに特徴を
有する。とりわけ、イソシアネート系樹脂は、シロアリ
に対して忌避性を示さない上、強度や耐水性にも優れて
いるので本目的に最適である。配合量としては、有効成
分が流亡しないように４重量％以上が好ましいが、３０
重量％を超えて配合しても相応のメリットはない。一
方、ユリア系、フェノール系等の樹脂はシロアリに対し
て忌避性を有するので、本発明のシロアリ防除用ベイト
には適合しない。
ロアリの好喫食性植物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成
分と、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂とを含み、好ま
しくはベイト全体量に対して４〜３０重量％の該熱硬化
性樹脂を用いて加熱加圧条件下で成型したことに特徴を
有する。とりわけ、イソシアネート系樹脂は、シロアリ
に対して忌避性を示さない上、強度や耐水性にも優れて
いるので本目的に最適である。配合量としては、有効成
分が流亡しないように４重量％以上が好ましいが、３０
重量％を超えて配合しても相応のメリットはない。一
方、ユリア系、フェノール系等の樹脂はシロアリに対し
て忌避性を有するので、本発明のシロアリ防除用ベイト
には適合しない。
【００１０】本発明のベイトは、補助剤として固体担
体、液体担体、又は有機質原料を適宜配合することがで
き、例えば熱硬化性樹脂を溶解、あるいはエマルジョン
化させるための水、アセトン、アルコール、エステル等
の液体担体、乳化剤、分散剤等が必要に応じて使用され
る。更に、本発明のベイトには、殺蟻効果を効率的に発
揮させるために、シロアリ誘引剤を配合してもよいし、
他の殺虫剤、防腐剤、防黴剤、色素等を適宜混合して有
用な多目的組成物を得ることもできる。
体、液体担体、又は有機質原料を適宜配合することがで
き、例えば熱硬化性樹脂を溶解、あるいはエマルジョン
化させるための水、アセトン、アルコール、エステル等
の液体担体、乳化剤、分散剤等が必要に応じて使用され
る。更に、本発明のベイトには、殺蟻効果を効率的に発
揮させるために、シロアリ誘引剤を配合してもよいし、
他の殺虫剤、防腐剤、防黴剤、色素等を適宜混合して有
用な多目的組成物を得ることもできる。
【００１１】本発明のベイトは、シロアリの好喫食性植
物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成分を、好ましくはベ
イト全体量に対して４〜３０重量％のシロアリ非忌避性
の熱硬化性樹脂を用いて加熱加圧条件下で成型すること
によって調製しえる。具体的には、シロアリの好喫食性
植物粉末又は植物繊維に、遅効性防蟻成分とシロアリ非
忌避性の熱硬化性樹脂からなるエマルジョンを添加する
方法と、好喫食性植物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成
分からなる混合物に、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂
を添加する方法がある。前者の場合、エマルジョンを植
物粉末又は植物繊維に添加するだけで処理できるのに対
し、後者においては、植物粉末又は植物繊維と遅効性防
蟻成分からなる混合物を水分量１０％以下に乾燥させた
後、例えば溶剤で薄めた非忌避性の熱硬化性樹脂を添加
する必要がある。従って、製造性の手間を簡略化できる
点で、前者の方法が好ましい。更に、前者の一部改変法
として、遅効性防蟻成分の一部があらかじめ植物粉末又
は植物繊維と粉体混合されていてもよい。いずれの方法
であっても、熱硬化性樹脂を加えた後加熱加圧条件下
で、好ましくはスチームプレス方式により成型し、必要
ならば風乾処理を施して本発明のシロアリ防除用ベイト
を得ることができる。成型時の温度や圧力の設定条件に
ついては特に制限されないが、成型ベイトが見掛け比重
０．４〜０．９程度の固さに調製されるのが好ましい。
なお、スチームプレス処理により、基材のヘミセルロー
スの分解が促進され、その結果シロアリの摂食を促すこ
とが報告されており、防蟻効果の増強を期待できるもの
である。
物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成分を、好ましくはベ
イト全体量に対して４〜３０重量％のシロアリ非忌避性
の熱硬化性樹脂を用いて加熱加圧条件下で成型すること
によって調製しえる。具体的には、シロアリの好喫食性
植物粉末又は植物繊維に、遅効性防蟻成分とシロアリ非
忌避性の熱硬化性樹脂からなるエマルジョンを添加する
方法と、好喫食性植物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成
分からなる混合物に、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂
を添加する方法がある。前者の場合、エマルジョンを植
物粉末又は植物繊維に添加するだけで処理できるのに対
し、後者においては、植物粉末又は植物繊維と遅効性防
蟻成分からなる混合物を水分量１０％以下に乾燥させた
後、例えば溶剤で薄めた非忌避性の熱硬化性樹脂を添加
する必要がある。従って、製造性の手間を簡略化できる
点で、前者の方法が好ましい。更に、前者の一部改変法
として、遅効性防蟻成分の一部があらかじめ植物粉末又
は植物繊維と粉体混合されていてもよい。いずれの方法
であっても、熱硬化性樹脂を加えた後加熱加圧条件下
で、好ましくはスチームプレス方式により成型し、必要
ならば風乾処理を施して本発明のシロアリ防除用ベイト
を得ることができる。成型時の温度や圧力の設定条件に
ついては特に制限されないが、成型ベイトが見掛け比重
０．４〜０．９程度の固さに調製されるのが好ましい。
なお、スチームプレス処理により、基材のヘミセルロー
スの分解が促進され、その結果シロアリの摂食を促すこ
とが報告されており、防蟻効果の増強を期待できるもの
である。
【００１２】こうして得られたベイトは、シロアリに対
する防蟻効果に優れることはもちろん、熱硬化性樹脂で
成型したことにより、屋外使用時に崩壊せず、また有効
成分の溶脱も防ぐことができるので、モリブデン化合物
やタングステン化合物のなかの、例えば水溶性のモリブ
デン酸ナトリウムやタングステン酸ナトリウムを用いて
も十分実用に堪えうるものである。また、マイレックス
のような防蟻成分に本方法を適用した場合でも、有効成
分の流亡がなく、環境汚染を拡散しないことから実用上
のメリツトが大きい。本発明のシロアリ防除用ベイトの
形状は、ブロック状、杭状、板状等、適用場所に応じて
任意に選択することができ、家屋の床下や周囲の土壌に
載置、あるいは埋設させてイエシロアリ、ツチシロア
リ、ヤマトシロアリ等の防除に用いたり、森林地域や堤
防、土手あるいはダム等に埋設してツチシロアリ等によ
る被害を未然に防止することができる。
する防蟻効果に優れることはもちろん、熱硬化性樹脂で
成型したことにより、屋外使用時に崩壊せず、また有効
成分の溶脱も防ぐことができるので、モリブデン化合物
やタングステン化合物のなかの、例えば水溶性のモリブ
デン酸ナトリウムやタングステン酸ナトリウムを用いて
も十分実用に堪えうるものである。また、マイレックス
のような防蟻成分に本方法を適用した場合でも、有効成
分の流亡がなく、環境汚染を拡散しないことから実用上
のメリツトが大きい。本発明のシロアリ防除用ベイトの
形状は、ブロック状、杭状、板状等、適用場所に応じて
任意に選択することができ、家屋の床下や周囲の土壌に
載置、あるいは埋設させてイエシロアリ、ツチシロア
リ、ヤマトシロアリ等の防除に用いたり、森林地域や堤
防、土手あるいはダム等に埋設してツチシロアリ等によ
る被害を未然に防止することができる。
【００１３】モリブデン化合物やタングステン化合物、
マイレックス、あるいは低濃度のシラフルオフェンの如
き遅効性防蟻成分のシロアリに対する効果は、一般の殺
虫剤と比べると忌避性がないうえ効果の発現が遅く、従
って本発明シロアリ防除用ベイトは摂食したシロアリの
グルーミング現象、食物交換あるいは共食い現象を利用
して巣全体を撲滅しうるものである。
マイレックス、あるいは低濃度のシラフルオフェンの如
き遅効性防蟻成分のシロアリに対する効果は、一般の殺
虫剤と比べると忌避性がないうえ効果の発現が遅く、従
って本発明シロアリ防除用ベイトは摂食したシロアリの
グルーミング現象、食物交換あるいは共食い現象を利用
して巣全体を撲滅しうるものである。
【００１４】
【実施例】本発明によって提供されるシロアリ防除用ベ
イトが優れたものであることをより明らかにするため次
に実施例及び効果の試験成績を示す。
イトが優れたものであることをより明らかにするため次
に実施例及び効果の試験成績を示す。
【００１５】実施例１．イソシアネート系樹脂１４ｇ、
乳化剤３ｇ及び水５ｇからなるエマルジョン型熱硬化性
樹脂を調製した。これに、 を水１０ｍｌに溶かした水溶液を加えてよく混和し、エ
マルジョン約４０ｍｌを調合した。下記のチップ状基材 バガス ２９ｇ ユーカリ樹皮 ３６ｇ 小麦粉 ９．５ｇ に前記エマルジョンを添加しよく混和した。十分乾燥
後、正方状の枠を用いて仮成型し、１８０℃で５分間ス
チームプレス処理を行った。更に約３日間キュアリング
して、見掛け比重が約０．７で固状の本発明のシロアリ
防除用ベイトを得た。
乳化剤３ｇ及び水５ｇからなるエマルジョン型熱硬化性
樹脂を調製した。これに、 を水１０ｍｌに溶かした水溶液を加えてよく混和し、エ
マルジョン約４０ｍｌを調合した。下記のチップ状基材 バガス ２９ｇ ユーカリ樹皮 ３６ｇ 小麦粉 ９．５ｇ に前記エマルジョンを添加しよく混和した。十分乾燥
後、正方状の枠を用いて仮成型し、１８０℃で５分間ス
チームプレス処理を行った。更に約３日間キュアリング
して、見掛け比重が約０．７で固状の本発明のシロアリ
防除用ベイトを得た。
【００１６】実施例２．下記の処方にてベイトを調製し
た。 調製法としては、まず、所定のモリブデン酸ナトリウム
及びタングステン酸ナトリウムを１００ｍｌの水に溶か
した水溶液を調製した。これを、粗砕したバガス、ユー
カリ樹皮及びアカマツ粉からなる基材に噴霧し、均一に
含浸させた後、温風で乾燥した。所定量のイソシアネー
ト系樹脂をアセトン２０ｍｌに溶かした液を前記混合物
に噴霧し、仮成型した。更に、１８０℃で加圧下にプレ
ス処理を施して成型し、本発明のシロアリ防除用ベイト
を得た。
た。 調製法としては、まず、所定のモリブデン酸ナトリウム
及びタングステン酸ナトリウムを１００ｍｌの水に溶か
した水溶液を調製した。これを、粗砕したバガス、ユー
カリ樹皮及びアカマツ粉からなる基材に噴霧し、均一に
含浸させた後、温風で乾燥した。所定量のイソシアネー
ト系樹脂をアセトン２０ｍｌに溶かした液を前記混合物
に噴霧し、仮成型した。更に、１８０℃で加圧下にプレ
ス処理を施して成型し、本発明のシロアリ防除用ベイト
を得た。
【００１７】実施例３．実施例１の防蟻成分（モリブデ
ン酸ナトリウム５．３ｇ及びタングステン酸ナトリウム
３．２ｇ）に替えてマイレックス２．０ｇを用いた。こ
れを少量の溶剤に溶かした後エマルジョン型熱硬化性樹
脂に加え、水で希釈してエマルジョン約３５ｍｌを調合
した。下記のチップ状基材 バガス １５ｇ ユーカリ樹皮 ２６ｇ アカマツ粉 ４０ｇ に前記エマルジョンを添加しよく混和した。乾燥後仮成
型し、更に加熱加圧下で杭状に成型して本発明のシロア
リ防除用ベイトを得た。
ン酸ナトリウム５．３ｇ及びタングステン酸ナトリウム
３．２ｇ）に替えてマイレックス２．０ｇを用いた。こ
れを少量の溶剤に溶かした後エマルジョン型熱硬化性樹
脂に加え、水で希釈してエマルジョン約３５ｍｌを調合
した。下記のチップ状基材 バガス １５ｇ ユーカリ樹皮 ２６ｇ アカマツ粉 ４０ｇ に前記エマルジョンを添加しよく混和した。乾燥後仮成
型し、更に加熱加圧下で杭状に成型して本発明のシロア
リ防除用ベイトを得た。
【００１８】試験例．実施例１ならびに実施例２に準
じ、下表に示す処方にて調製したシロアリ防除用ベイト
を用い、シロアリに対する効力試験、ならびに溶脱試験
を行った。 （１）効力試験：石こうで底面を埋めたプラスチック製
円筒容器（内径８ｃｍ×高さ７ｃｍ）の中央部に、供試
ベイト（２ｃｍ立方）１個を置き、シロアリ５０頭を入
れた。脱脂綿で水分を補給しながら、１週後、２週後、
５週後の死虫率を観察した。 （２）溶脱試験：３００ｍｌのビーカーの中に水を入
れ、ベイト片をたこ糸でくくって上方から水中に５時間
吊るした。処理後軽く水を切り、るつぼに入れ、ガスバ
ーナーを用いて強熱残分（無機物含量）を測定した。溶
脱率は、下式に従って算出した。
じ、下表に示す処方にて調製したシロアリ防除用ベイト
を用い、シロアリに対する効力試験、ならびに溶脱試験
を行った。 （１）効力試験：石こうで底面を埋めたプラスチック製
円筒容器（内径８ｃｍ×高さ７ｃｍ）の中央部に、供試
ベイト（２ｃｍ立方）１個を置き、シロアリ５０頭を入
れた。脱脂綿で水分を補給しながら、１週後、２週後、
５週後の死虫率を観察した。 （２）溶脱試験：３００ｍｌのビーカーの中に水を入
れ、ベイト片をたこ糸でくくって上方から水中に５時間
吊るした。処理後軽く水を切り、るつぼに入れ、ガスバ
ーナーを用いて強熱残分（無機物含量）を測定した。溶
脱率は、下式に従って算出した。
【００１９】
【表１】
【００２０】試験の結果、本発明ベイト１〜４はいずれ
もシロアリに対して高い殺蟻効力を示すことが認められ
た。また、ベイトが崩壊しにくいため有効成分の流亡が
抑えられ、防蟻成分が水溶性のモリブデン、タングステ
ン化合物の場合でもその溶脱率はわずかであった。これ
に対し、熱硬化性樹脂としてシロアリに忌避性を有する
フェノール系のものを用いた場合（対照ベイト１）には
殺蟻効力が劣り、また熱硬化性樹脂の替わりに甘しょで
んぷんを用いて固めた対照ベイト２では、ベイトが水分
を含んで崩壊すると共に吸湿性が大きいため、水溶性の
モリブデン、タングステンの溶脱が著しかった。従っ
て、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂を用いた本発明シ
ロアリ防除用ベイトの有用性が明らかとなり、特にエマ
ルジョン型熱硬化性樹脂の使用は、製造工程が簡便で製
造上有利であった。
もシロアリに対して高い殺蟻効力を示すことが認められ
た。また、ベイトが崩壊しにくいため有効成分の流亡が
抑えられ、防蟻成分が水溶性のモリブデン、タングステ
ン化合物の場合でもその溶脱率はわずかであった。これ
に対し、熱硬化性樹脂としてシロアリに忌避性を有する
フェノール系のものを用いた場合（対照ベイト１）には
殺蟻効力が劣り、また熱硬化性樹脂の替わりに甘しょで
んぷんを用いて固めた対照ベイト２では、ベイトが水分
を含んで崩壊すると共に吸湿性が大きいため、水溶性の
モリブデン、タングステンの溶脱が著しかった。従っ
て、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂を用いた本発明シ
ロアリ防除用ベイトの有用性が明らかとなり、特にエマ
ルジョン型熱硬化性樹脂の使用は、製造工程が簡便で製
造上有利であった。
【００２１】
【発明の効果】シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂を用い
た本発明のシロアリ防除用ベイトは、屋外で使用しても
遅効性防蟻成分の流亡の恐れが少なく、例えば遅効性防
蟻成分が水溶性のモリブデン化合物やタングステン化合
物の場合でも有効成分の溶脱はわずかである。しかもシ
ロアリに対して特異的に高い防蟻効果を示すので、建
物、堤防、樹木等におけるシロアリの被害防止に極めて
有用である。また、エマルジョン型熱硬化性樹脂を用い
た場合には、加えて製造上のメリットが大きい。
た本発明のシロアリ防除用ベイトは、屋外で使用しても
遅効性防蟻成分の流亡の恐れが少なく、例えば遅効性防
蟻成分が水溶性のモリブデン化合物やタングステン化合
物の場合でも有効成分の溶脱はわずかである。しかもシ
ロアリに対して特異的に高い防蟻効果を示すので、建
物、堤防、樹木等におけるシロアリの被害防止に極めて
有用である。また、エマルジョン型熱硬化性樹脂を用い
た場合には、加えて製造上のメリットが大きい。
Claims (8)
- 【請求項１】 シロアリの好喫食性植物粉末又は植物繊
維と、遅効性防蟻成分と、シロアリ非忌避性の熱硬化性
樹脂とを組成分として含有し、加熱加圧条件下で成型し
てなることを特徴とするシロアリ防除用ベイト。 - 【請求項２】 シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂含有量
がベイト全体量に対して４〜３０重量％であることを特
徴とする請求項１に記載のシロアリ防除用ベイト。 - 【請求項３】 シロアリの好喫食性植物粉末又は植物繊
維として、ユーカリ樹皮及びバガスの一方又は双方を用
い、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂がイソシアネート
系樹脂であることを特徴とする請求項１又は２に記載の
シロアリ防除用ベイト。 - 【請求項４】 遅効性防蟻成分が、モリブデン化合物、
タングステン化合物、マイレックス及び低濃度のシラフ
ルオフェンから選ばれた１種又は２種以上であることを
特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載のシロア
リ防除用ベイト。 - 【請求項５】 遅効性防蟻成分が、モリブデン酸ナトリ
ウム及びタングステン酸ナトリウムであり、かつモリブ
デン、タングステンとして７５〜１５：２５〜８５の組
成比で含有されることを特徴とする請求項４に記載のシ
ロアリ防除用ベイト。 - 【請求項６】 シロアリの好喫食性植物粉末又は植物繊
維に、遅効性防蟻成分とシロアリ非忌避性の熱硬化性樹
脂からなるエマルジョンを添加するか、もしくはシロア
リの好喫食性植物粉末又は植物繊維と遅効性防蟻成分と
の混合物に、シロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂を添加
し、加熱加圧条件下で成型することを特徴とするシロア
リ防除用ベイトの製造方法。 - 【請求項７】 遅効性防蟻成分の一部が含まれてもよい
シロアリの好喫食性植物粉末又は植物繊維に、前記遅効
性防蟻成分の残部とベイト全体量に対して４〜３０重量
％のシロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂からなるエマルジ
ョンを添加し、加熱加圧条件下で成型することを特徴と
する請求項６に記載のシロアリ防除用ベイトの製造方
法。 - 【請求項８】 遅効性防蟻成分が、モリブデン酸ナトリ
ウム及びタングステン酸ナトリウムで、かつモリブデ
ン、タングステンとして７５〜１５：２５〜８５の組成
比であり、更にシロアリ非忌避性の熱硬化性樹脂として
イソシアネート系樹脂を添加して加熱加圧条件下で成型
することを特徴とする請求項７に記載のシロアリ防除用
ベイトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17510097A JPH10324608A (ja) | 1997-03-24 | 1997-05-26 | シロアリ防除用ベイト及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11170697 | 1997-03-24 | ||
| JP9-111706 | 1997-03-24 | ||
| JP17510097A JPH10324608A (ja) | 1997-03-24 | 1997-05-26 | シロアリ防除用ベイト及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10324608A true JPH10324608A (ja) | 1998-12-08 |
Family
ID=26451042
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17510097A Pending JPH10324608A (ja) | 1997-03-24 | 1997-05-26 | シロアリ防除用ベイト及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10324608A (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1107446C (zh) * | 2000-01-11 | 2003-05-07 | 孙耘芹 | 白蚁防治诱饵剂 |
| US6716421B2 (en) | 2001-03-05 | 2004-04-06 | University Of Florida Research Foundation, Inc. | Devices and methods for eliminating termite colonies |
| US6969512B2 (en) | 2001-03-05 | 2005-11-29 | The University Of Florida Research Foundation, Inc. | Devices and methods for eliminating termite colonies |
| US7030156B2 (en) | 2001-03-05 | 2006-04-18 | University Of Florida Research Foundation, Inc | Devices and methods for eliminating termite colonies |
| WO2007079535A1 (en) * | 2006-01-12 | 2007-07-19 | Fmc Australasia Pty Ltd | Granules for providing a barrier |
| JP2007530704A (ja) * | 2004-03-29 | 2007-11-01 | ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー | 殺虫剤組成物 |
| CN114568407A (zh) * | 2022-01-17 | 2022-06-03 | 黄河水利水电开发集团有限公司 | 一种利用灯光诱杀形成光波屏障的白蚁防治方法 |
| CN114868774A (zh) * | 2022-06-07 | 2022-08-09 | 广西蓝盾有害生物防治有限公司 | 一种生物防治用白蚁防治诱饵剂 |
| CN115299467A (zh) * | 2022-08-09 | 2022-11-08 | 广西蓝盾有害生物防治有限公司 | 一种防治白蚁组合物的制备工艺 |
| CN115349531A (zh) * | 2022-08-10 | 2022-11-18 | 珠海市东信白蚁虫鼠防治有限公司 | 新型白蚁防治db型诱饵 |
| CN117296859A (zh) * | 2023-11-23 | 2023-12-29 | 四川金堰白蚁防治有限公司 | 一种用于防治白蚁的诱杀条及其制备方法 |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP17510097A patent/JPH10324608A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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