JPH10324576A - 溶融金属出湯口用閉塞材 - Google Patents
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Abstract
して、耐摩耗性及び耐食性を向上し、長時間出銑を達成
できると共に開孔難が発生しにくい溶融金属出湯口用閉
塞材を提供することにある。 【解決手段】 本発明の溶融金属出湯口用閉塞材は、耐
火材料65〜92重量%及びバインダー8〜35重量%
からなり、且つ該バインダーが固定炭素32.5重量%
以上の無水コールタールからなることを特徴とする。
Description
用閉塞材、電気炉出湯口用閉塞材等の還元雰囲気下で使
用される溶融金属出湯口用閉塞材に関する。
石、シャモット及び/またはアルミナを主原料とし、炭
化珪素、炭素質原料、窒化珪素鉄等及び粘土を添加し、
更にバインダーとして固定炭素が31.5%以下のコー
ルタールを添加し、混練してなる材料が使用されてき
た。なお、このコールタールは固定炭素27〜31%程
度のもの(60℃での粘性100〜400cp)が従来よ
り市販されているが、31.5%を超える固定炭素量を
有するコールタールは市販されておらず、使用されてい
ない。
には、溶銑、スラグに対する耐摩耗性及び耐食性が重要
であるが、上記のごとき従来の閉塞材は、溶銑、スラグ
に対する耐摩耗性及び耐食性が不十分である。例えば、
特開平1−108170号公報では、アルミナ質原料3
0〜58重量%、マグネシア・アルミナスピネル原料1
0〜30重量%、炭素原料10〜20重量%、結合材と
してフェロシリコンを3〜10重量%、粘土3〜10重
量%にバインダーとして無水タールを10〜20重量%
添加したことを特徴とする高炉出銑口閉塞材を開示して
いる。この閉塞材は耐食性が向上するが、優れた耐摩耗
性を得るための強度が不十分である。
は、コークス40重量%以下、炭化珪素5〜40重量
%、ロー石10〜50重量%、および金属珪素分を75
%以上含有する珪素合金2〜10重量%を混合して無機
組成物とし、該組成物にフェノール樹脂の有機溶液10
〜35重量%を添加し、混練したことを特徴とする高炉
出銑口閉塞用マッドが開示されている。しかし、このマ
ッドは低温強度が十分とは言えず、また、低温側の耐摩
耗性も不十分であり、更に、高温側と低温側の強度差が
大きく、開孔時に亀裂が発生して開孔難になり易い等の
問題がある。
は、溶融金属出湯口用閉塞材として、耐摩耗性及び耐食
性を向上し、長時間出銑を達成できると共に開孔難が発
生しにくい溶融金属出湯口用閉塞材を提供することにあ
る。
ーとして使用するコールタールの固定炭素量が増加する
と溶融金属出湯口用閉塞材のカーボンボンドが強化さ
れ、耐摩耗性が得られることを知見し、本発明を完成し
た。
は、耐火材料65〜92重量%及びバインダー8〜35
重量%からなり、且つ該バインダーが固定炭素32.5
重量%以上の無水コールタールからなることを特徴とす
る。
において、バインダーとして使用される無水コールター
ルは、固定炭素32.5重量%以上、好ましくは34重
量%以上の脱水処理されたものであり、混練性及び充填
作業性を考慮して、60℃の粘性として600〜160
0cp、好ましくは800〜1400cpに調整された
ものが好ましい。無水コールタールの添加量は、充填作
業性とマッドガン能力に基づいて調整されるが、通常8
〜35重量%でその効果は充分である。
使用される耐火材料は、炭素質原料、炭化珪素、窒化珪
素系原料、耐火原料及び粘土から構成される。ここで、
炭素質原料としては、黒鉛、石炭コークス、石油コーク
ス、石炭ピッチ等を例示することができる。炭素質原料
はスラグ浸透及び過焼結抑制を目的として添加されるも
のであり、その添加量は耐火材料中3〜20重量%の範
囲内である。炭素質原料の添加量が3重量%未満である
と、得られる溶融金属出湯口用閉塞材の耐スラグ性が低
下すると共に、過焼結となり、開孔難になり易いために
好ましくない。また、該添加量が20重量%を超えると
著しく強度が低下すると共に、緻密な組織が得られ難く
なるために好ましくない。
て添加されるものであり、その添加量は耐火材料中5〜
50重量%の範囲内である。炭化珪素の添加量が5重量
%未満であると耐食性向上効果が少ないために好ましく
ない。また、該添加量が50重量%を超えると強度が低
下して良好な耐摩耗性が得られ難くなるために好ましく
ない。
として添加されるものであり、その添加量は耐火材料中
5〜45重量%の範囲内である。窒化珪素系原料の添加
量が5重量%未満であると耐食性向上効果が少ないため
に好ましくない。また、該添加量が45重量%を超える
と緻密な組織が得られ難くなり、価格に見合った耐食性
向上効果も得られないために好ましくない。なお、窒化
珪素系原料としては例えば窒化珪素、窒化珪素鉄等を挙
げることができる。
ト、アルミナ、スピネル及びマグネシアからなる群から
選択された1種または2種以上の耐火原料を耐火材料中
3〜75重量%の範囲内で添加する。耐火原料の添加量
が3重量%未満であると低気孔率が得られないために好
ましくない。また、該添加量が75重量%を超えると耐
食性及び耐スラグ浸透性が低下するために好ましくな
い。
保形性や滑り性を付与するために、粘土が添加される。
粘土としては、例えば木節粘土、蛙目粘土、ボルクレー
等を挙げることができる。粘土の添加量は耐火材料中3
〜20重量%の範囲内である。該添加量が3重量%未満
であると充填作業性が悪化するために好ましくない。ま
た、該添加量が20重量%を超えると耐食性が著しく低
下するために好ましくない。
火材料に、バインダーとして固定炭素32.5重量%以
上の無水コールタールを添加するものであるが、使用
時、出湯口周辺の炉の温度により焼成される過程におい
て、該無水コールタールにより、従来より高い固定炭素
が残留し、溶融金属出湯口用閉塞材中のカーボンボンド
を強化することができる。その結果、溶融金属出湯口用
閉塞材の低温側から高温側までの強度を向上することが
できるので、溶銑、スラグに対する耐摩耗性が大幅に向
上すると共に、溶融金属出湯口用閉塞材の組織内に均一
に分布するカーボン量を増加させ、緻密化することがで
きるので、耐食性も向上し、長時間出銑を可能とするも
のである。また、低温側の強度も向上することができる
ので、高温側と低温側の強度差も小さく、開孔時に亀裂
が発生し難く、開孔難も発生し難くなる。
用閉塞材を更に説明する。 実施例1 以下の表1に記載する実施例1の配合に、固定炭素33
%の無水コールタールA(60℃での粘性1100cp)
を添加し、ミキサー中、50℃で混練することにより、
本発明品の溶融金属出湯口用閉塞材を得た。
ルタール(60℃での粘性300cp)を添加し、ミキサ
ー中、50℃で混練することにより、比較品の溶融金属
出湯口用閉塞材を得た。
%の無水コールタールA(60℃での粘性1400cp)
を添加し、ミキサー中、50℃で混練することにより、
本発明品の溶融金属出湯口用閉塞材を得た。
ルタール(60℃での粘性300cp)を添加し、ミキサ
ー中、50℃で混練することにより、比較品の溶融金属
出湯口用閉塞材を得た。
成形圧力4.9MPaで、40×40×160mmのブ
ロックに成形し、800℃または1500℃で3時間還
元焼成することにより得られたものである。また、耐食
性試験は、回転アーク炉侵食試験法により、銑鉄+スラ
グを侵食剤として用い、還元雰囲気下1550℃で10
時間侵食試験を行い、その後、試料を切断し、侵食寸法
を測定した結果である。ここで、溶損指数は、比較例1
で得られた溶融金属出銑口用閉塞材の侵食寸法を100
とした時の指数である。また、実炉使用結果は、比較例
1及び2並びに実施例1及び2で得られた溶融金属出湯
口用閉塞材を、実際の高炉の出湯口用閉塞材として用い
た時の平均出銑時間及び開孔難発生率として表示した。
品は、比較品と比較して低温側から高温側までの強度が
大幅に向上すると共に、組織が緻密化して耐食性も向上
する。その結果、実炉において、出銑時間を延長できる
と共に、開孔難発生率も低下する。
温側と高温側の温度差が小さく、耐摩耗性及び耐食性が
向上することにより、開孔難が少なく、出銑時間を延長
することができ、高炉出銑口用、電気炉出湯口用等の閉
塞材として有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 耐火材料65〜92重量%及びバインダ
ー8〜35重量%からなり、且つ該バインダーが固定炭
素32.5重量%以上の無水コールタールからなること
を特徴とする溶融金属出湯口用閉塞材。 - 【請求項2】 耐火材料が、炭素質原料3〜20重量
%、炭化珪素5〜50重量%、窒化珪素系原料5〜45
重量%、ロー石、シャモット、アルミナ、スピネル及び
マグネシアから選択される1種または2種以上の耐火原
料3〜75重量%及び粘土3〜20重量%からなる、請
求項1記載の溶融金属出湯口用閉塞材。
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