JPH10324232A - 負圧式ブレーキブースタ - Google Patents

負圧式ブレーキブースタ

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JPH10324232A
JPH10324232A JP9132478A JP13247897A JPH10324232A JP H10324232 A JPH10324232 A JP H10324232A JP 9132478 A JP9132478 A JP 9132478A JP 13247897 A JP13247897 A JP 13247897A JP H10324232 A JPH10324232 A JP H10324232A
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JP
Japan
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brake booster
negative pressure
chamber
chambers
type brake
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9132478A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sunami
一男 角南
Kenji Takeda
武田  憲司
Hiroyuki Shinkai
博之 新海
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキブースタにおいて、アンチロック動
作のために大気圧又は負圧を供給する室を設けても、体
積及び重量が大きくならないようにする。 【解決手段】 ハウジング内の空間がパワーピストン1
0、16によって前後の室11,12,13,14に区
画されており、それらの室が車輪速センサ400等の外
部信号によって切り替え作動をする切替弁200,30
0に接続されることにより、1つのパワーピストンの前
後の室に導入される圧力の高低関係が反復して反転する
ことにより、所謂アンチロック動作をするブレーキブー
スタ100において、それらの室に大気圧又は負圧を導
入するために設けられた第5室15が可撓性の材料から
なるブーツ9によって簡単に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負圧式ブレーキブ
ースタに係り、特に所謂アンチロック機能をも有するこ
の種のブレーキブースタに関する。
【0002】
【従来の技術】負圧式ブレーキブースタの内部の圧力を
一般的な負圧式ブレーキブースタのそれと異なる様式で
変化させることによって簡単にアンチロック効果が得ら
れるようにするための構成は、本出願人等が先に出願し
た特開平8−198095号公報に記載されている。負
圧式ブレーキブースタにおいてアンチロック効果を得る
ためには大気圧を導入するための前置室である第5室を
設ける必要があるので、その第5室を形成するために先
願の負圧式ブレーキブースタにおいては、隔壁を備えた
二重構造の後方シェルを設けている。その結果、先願の
負圧式ブレーキブースタは一般的なブレーキブースタよ
りも体積及び重量が若干大きくなるので、それが自動車
の限られた空間に搭載する際には問題になることがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、アンチロック効果
を得るための構成において必要な大気圧或いは負圧供給
のための室を設けても、体積及び重量が実質的に大きく
ならないような、改良された負圧式ブレーキブースタを
提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載された負圧式ブレーキブースタを提供する。
【0005】即ち、本発明の負圧式ブレーキブースタに
おいては、ハウジング内の空間が少なくとも1つのパワ
ーピストンによって2室以上に区画され、それらの2室
が外部信号によって流路を切り替える切替弁に接続され
ており、2室に導入される圧力の高低関係が切替弁の作
動によって反転することによりアンチロック動作をする
が、それら2室の一方に大気圧又は負圧を導入するため
に設けられた室の少なくとも1つが、可撓性のある材料
からなるブーツによって形成されていることに特徴があ
る。
【0006】本発明の負圧式ブレーキブースタは、基本
的にはパワーピストンが1つで、その前後に2つの室が
形成される形式のものであってよいが、タンデム型と言
われるようにパワーピストンが前後2つ、或いはそれ以
上の数だけ設けられている負圧式ブレーキブースタにつ
いても適用することができる。パワーピストンは一般の
ものと同様に可撓性のダイヤフラムによって構成するの
がよいが、それに限らずダイヤフラムと均等のものを使
用することができる。
【0007】パワーピストンとしてダイヤフラムを使用
する場合に、その周縁部の前後に一対のコンボリューシ
ョン部を設けて、それらによってコンボリューション室
を形成させると、アンチロック動作をする際にダイヤフ
ラムの両側の圧力の高低関係が反転しても、前後のコン
ボリューション部がハウジングの内壁面上を円滑に転動
することによってコンボリューション室が前後方向に自
由に移動することができるので、ダイヤフラムの周縁部
が異常な変形をすることがない。また、切替弁の大気圧
導入口を車室内に連通、開口させておくと、大気圧を与
えるために比較的清浄でダストの少ない車室内の空気が
供給されるので、負圧式ブレーキブースタの作動にトラ
ブルが発生せず、長期間安定に作動させることができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施形態を図面
に基づいて説明する。図示の実施形態は本発明を、それ
ぞれダイヤフラムからなる2つのパワーピストンを有す
るタンデム型ブレーキブースタに実施した場合の例を示
している。
【0009】このブレーキブースタ100のハウジング
は、前方(図1等において左方)に図示していないブレ
ーキを作動させるためのマスタシリンダを取り付ける前
方シェル1と、ハウジングの内部に張設される前方ダイ
ヤフラム2の前方の外周ビード部2aを前方シェル1の
後端に気密的に組み付けるための前方リング3と、この
前方リング3の後端と共に前方ダイヤフラム2の後方の
外周ビード部2bを気密的に組み付ける中央シェル4
と、前方ダイヤフラム2と平行にハウジングの内部に張
設される後方ダイヤフラム5の前方の外周ビード部5a
を中央シェル4の後端に気密的に取り付ける後方リング
6と、この後方リング6の後端と共に後方ダイヤフラム
5の後方の外周ビード部5bを気密的に組み付け、且つ
後方において図示しない自動車のダッシュボードに取り
付けられる後方シェル7とによって構成されている。こ
れらのシェル1,4,7及びリング3,6はボルト4
1,42によって一体的に締結されている。
【0010】前方シェル1、前方リング3、及び中央シ
ェル4によって形成されたハウジングの内部は、そこに
張設された前方ダイヤフラム2と、その両面に接着剤等
によって一体化されたカバー部10aとからなる環状の
前方パワーピストン10によって、前方の第1室11と
後方の第2室12とに区画される。また、中央シェル
4、後方リング6、及び後方シェル7によって形成され
たハウジングの内部は、そこに張設された後方ダイヤフ
ラム5と、その両面に接着剤等によって一体化されたカ
バー部16aとからなる環状の後方パワーピストン16
によって、前方の第3室13と後方の第4室14とに区
画される。
【0011】更に、この負圧式ブレーキブースタ100
にアンチロック機能を持たせるために設けられる第5室
15は、後方シェル7の後端の中央の突出部分に、可撓
性の材料からなるブーツ、この例ではゴム製でベローズ
状のブーツ9を取り付けることによって、その内部に簡
単に形成される。このブーツ9は、一般的なブレーキブ
ースタに用いられるゴム製のブーツと同じ材質のもの
で、形状もほぼ同じものである。相違点は、このブーツ
9は、後方シェル7に対してバンド9aを用いて気密的
に取り付けられることと、入力ロッド29に対してもバ
ンド9bを用いて気密的に取り付けられている点だけで
ある。なお、このブーツ9には、一般的なブレーキブー
スタのブーツのように、直接に大気圧を導入するための
穴は設けられていない。また、図示実施形態では、ブー
ツ9が大気圧と負圧との差圧によって変形しないように
複数個のリング状の補強部材9cを設けている。
【0012】前方シェル1にはマスタシリンダを取り付
けるためのボルト17と、第1切替弁200に接続する
ための第1ポート18が設けられている。第1ポート1
8は第1室11に開口している。また、後方シェル7に
は、このブレーキブースタ100を車体に取り付けるた
めのボルト19と、第2切替弁300に接続するための
第2ポート20が設けられる。第2ポート20はブーツ
9の内部の第5室15に開口している。
【0013】前方ダイヤフラム2と後方ダイヤフラム5
は、それぞれ、前方のコンボリューション部2d及び5
dのみを設けていた一般的なブレーキブースタと異な
り、前述の先願のものと同様に、更に後方のコンボリュ
ーション部2c及び5cをも備えていて、それぞれ対に
なっているコンボリューション部2c,2d及び5c,
5dによって、第1室11、第2室12、第3室13、
及び第4室14から気密的に隔離された袋状空間として
のコンボリューション室2e及び5eを形成している。
図2は前方のコンボリューション室2eの付近の形状、
構造のみを拡大して示しているが、後方のコンボリュー
ション室5eの付近の形状、構造も略同様である。ま
た、コンボリューション室2e及び5eは、それぞれ前
方及び後方のリング3及び6に設けられた第3ポート2
1及び第4ポート22によって、常時ハウジングの外部
の大気に連通して大気圧となっている。
【0014】ブレーキブースタ100の中央に装着され
た段付き円筒状のピストン23は、その前端に前方ダイ
ヤフラム2からなる前方パワーピストン10をボルト4
0等を用いてシール部材43を介して気密的に組み付け
ると共に、段部23aに後方ダイヤフラム5からなる後
方パワーピストン16をシール部材44を介して気密的
に組み付けている。更に、ピストンの小径部23bは、
後方シェル7の内側に設けられたシール部材24を介し
て、後方シェル7の中央開口7aに挿入されており、そ
の内部にはバルブ機構25が組み込まれている。バルブ
機構25はバルブプランジャ27及び筒状バルブ28等
によって構成されている。また、ピストン23の大径部
23cは、中央シェル4の内周に設けられたシール部材
26を介して中央シェル4の中央開口4aに挿入されて
いる。これら2つのシール部材24,26によって、ピ
ストン23はハウジング内部の各室の開口4a,7aを
気密状態を維持しながら前後に摺動することができる。
【0015】ピストン23の前方内部にはリアクション
ディスク35と出力ロッド36が取り付けられている。
出力ロッド36は、図示しないマスタシリンダのピスト
ンと係合するもので、その後端はリアクションディスク
35と共にピストン23内に収容される。また、ピスト
ン23と前方シェル1との間にはスプリング37が設け
られ、このスプリング37によってピストン23が後方
へ付勢されている。
【0016】更に、ピストン23の小径部23bの内部
後方には、入力ロッド29が、バルブプランジャ27の
中心の延長線上においてそれと一体に、或いはそれと衝
合する別体のものとして設けられて、ブーツ9の中央開
口9dに気密的に挿入されることによって支持されてい
る。なお、入力ロッド29の左端は、前述の先願におけ
る実施形態と同様に、図示しないサイドピストンを介し
てバルブプランジャ27の右端と衝合するように構成す
るとか、入力ロッド29を摺動可能に挿通させて支持す
る図示しないリングを、ピストンの小径部23b内の筒
部に挿入して設けてもよい。
【0017】バルブ機構25内のバルブプランジャ27
は、運転者が操作する図示しないブレーキペダルの移動
により、入力ロッド29を介してピストン23内で軸方
向に摺動する。また、ブレーキペダルが操作されていな
いときは、圧縮スプリング38の付勢力と、ピストン2
3の小径部23b内に設けられたスリット23f内に組
み込まれているストッパ30によって、図1に示すよう
な初期位置に止められている。筒状バルブ28は、バル
ブプランジャ27或いは入力ロッド29と同じ軸線上に
おいてピストン23の筒部内に摺動可能に組み付けられ
ると共に、圧縮スプリング31によって前方へ付勢され
ていて、入力ロッド29の軸方向移動に応じて僅かに移
動してバルブプランジャ27のフランジ部27a、或い
はピストン23内の内孔段部23eのいずれかに選択的
に係合するようになっている。
【0018】このバルブ機構25において、図1に示す
状態のように、筒状バルブ28がバルブプランジャ27
のフランジ部27aに係合し、且つ内孔段部23eから
離れているとき(運転者がブレーキペダルを踏んでいな
いとき、及びペダルを戻したとき)には、ピストン23
に設けられた通孔32、ピストン内孔23d、スリット
23f、及び通孔33を通じて、第1室11、第2室1
2、第3室13、及び第4室14が全て連通しており、
第5室15だけがそれら4つの室に対して連通していな
い状態になっている。
【0019】これに対して、運転者がブレーキペダルを
踏み込んだときは、入力ロッド29の移動によってバル
ブプランジャのフランジ部27aが筒状バルブ28から
離れると共に、筒状バルブ28も僅かに前方へ移動して
ピストン23の内孔段部23eに係合するので、通孔3
3、ピストン内孔23d、筒状バルブ28の内孔28
a、スリット23f、及び通孔34を通じて、第2室1
2と第4室14が第5室15に連通する。なお、第1室
11と第3室13は通孔32を通じて常時連通してお
り、また、それらは第1ポート18とも常時連通してい
るが、筒状バルブ28が内孔段部23eに係合している
ため、それらは第2室12、第4室14、及び第5室1
5とは連通していない。
【0020】第1切替弁200は、第1ポート18を介
して第1室11へ、エンジン600の運転状態において
発生する吸気負圧と、別に取り入れた大気圧のいずれか
を切り替えて導入するためのもので、アンチロック動作
をしていない通常の運転状態では図1に示すように負圧
を導入するようになっている。これと反対に、第2切替
弁300は第2ポート20を介して第5室15へ、大気
圧とエンジン600の吸気負圧のいずれかを切り替えて
導入するためのもので、通常は図1に示すように大気圧
を導入するようになっている。なお、図示実施形態の場
合は、第1切替弁200及び第2切替弁300の各大気
圧導入ポートが適当な管路によって自動車の車室内に連
通、開口しており、車室内からダストの少ない空気を導
入するようになっている。
【0021】なお、図示実施形態において使用されてい
るコントローラ500はマイクロプロセッサ等を内蔵す
る電子式制御装置であって、自動車の前後の車軸に取り
付けられた車輪速センサ400が検出する車輪速信号
と、エンジン600の出力回転数の信号を受け入れて、
それらを比較し、自動車の各車輪のブレーキがロック状
態にないかどうかを走行中は絶えず監視しており、ロッ
ク状態にあると判定したときは第1切替弁200と第2
切替弁300によって流路を切り替えて、各室に導入す
る負圧と大気圧を反転させることができるようになって
いる。
【0022】図示実施形態の負圧式ブレーキブースタ1
00はこのような構成を備えているので、アンチロック
動作をしていない通常の運転状態では、図1に示すよう
に、第1切替弁200が負圧を第1ポート18へ導入す
ると共に、第2切替弁300が大気圧を第2ポート20
へ導入するようになっている。従って、運転者がブレー
キペダルを踏み込んでいないときは、前後のパワーピス
トン10及び16の前方室である第1室11及び第3室
13のみならず、後方室である第2室12及び第4室1
4にも負圧が導入されているので、パワーピストン10
及び16の前後の圧力がそれぞれ等しくなって、図1に
示す初期の状態にあり、ブレーキブースタ100が出力
ロッド36に対して何らの出力をも生じることがない。
【0023】図1に示すような初期状態において運転者
がブレーキペダルを踏み込むと、入力ロッド29が前方
(図中で左方)へ移動し、前述のように、ピストン23
内の筒状バルブ28が内孔段部23eに係合すると共に
バルブプランジャ27のフランジ部27aから離れる。
それによって、パワーピストン10及び16の後方の室
である第2室12及び第4室14は第1室11との連通
を遮断され、代わりに第5室15と連通してそれから大
気圧が導入される。その結果、パワーピストン10及び
16の前方は負圧、後方は大気圧となって前後に差圧が
発生するので、パワーピストン10及び16と、それら
に結合しているピストン23は差圧によって前方へ移動
して、マスタシリンダのピストンを押す大きな力が発生
する。この力は、入力ロッド29に加えられた運転者の
ブレーキ操作力に対する助成力となり、これらの合力に
よってマスタシリンダは大きな油圧を発生する。
【0024】このとき、前後のダイヤフラム2及び5の
コンボリューション室2e及び5eには、第3ポート2
1及び第4ポート22を通じて常時大気圧が導入されて
いるために、コンボリューション室2e及び5e内の大
気圧と、第1室11及び第3室13内の負圧との差圧
は、前方のコンボリューション部2d及び5dによって
受けられるので、前方のコンボリューション部2d及び
5dと、後方のコンボリューション部2c及び5cがい
ずれも円滑にハウジングの内壁面上を転動することがで
き、それによって前後のコンボリューション室2e及び
5eが円滑に前後に移動することができる。
【0025】もし、路面の摩擦係数に対してブレーキ操
作力が大きすぎて車輪がロックするという状態になる
と、このブレーキブースタ100は自動的にアンチロッ
ク動作を行う。即ち、車輪速センサ400の信号を処理
することによってコントローラ500が車輪のロック傾
向を検知すると、第1切替弁200を作動させて流路を
切り替えることにより、第1室11とそれに連通してい
る第3室13に大気圧を導入させる。同時に、第2切替
弁300も作動させて流路を切り替えることにより第5
室15と、ブレーキペダルを踏み込んでいる状態ではそ
れに連通している第2室12及び第4室14へ負圧を導
入させる。それによって、パワーピストン10及び16
の前後の圧力状態は前述の通常の運転状態の場合とは逆
になり、パワーピストン10及び16とピストン23
は、入力ロッド29に作用する運転者のブレーキ操作力
とは反対の方向の力を発生するので、マスタシリンダの
ブレーキ油圧が減圧される。
【0026】このときは、第2室12及び第4室14に
導入されている負圧と、前後のダイヤフラム2及び5の
コンボリューション室2e及び5eに常時作用している
大気圧との間に差圧が生じるが、今度はこの差圧が後方
のコンボリューション部2c及び5cによって受けられ
るので、前述の場合と同様に、後方のコンボリューショ
ン部2c及び5cと、前方のコンボリューション部2d
及び5dがいずれも円滑にハウジングの内壁面上を転動
することができ、それによって前後のコンボリューショ
ン室2e及び5eが円滑に前後方向に移動することがで
きる。従って、一般的なブレーキブースタにおいてアン
チロック動作をさせた場合のように、前後のダイヤフラ
ム2及び5が異常な変形をするというような恐れがな
い。
【0027】そして、車輪速センサ400の信号によっ
てコントローラ500が車輪のロック状態の回復を検知
すると、第1切替弁200と第2切替弁300をそれぞ
れ図1に示す状態に戻すので、第1室11と第3室13
には再び負圧が導入されると共に、第2室12と第4室
14には大気圧が導入されて、ブレーキブースタ100
は運転者のブレーキ操作力を助成するようになり、ブレ
ーキ油圧の再増圧が行われる。以上の作動を短時間の周
期で反復することにより、ブレーキブースタ100は自
動的にアンチロック効果を奏することができ、自動車の
安全を確保することができる。
【0028】特に、本発明の実施形態においては、通常
の運転状態では第2室12及び第4室14へ大気圧を導
入するために、またアンチロック動作状態ではそれらの
室へ負圧を導入するために設けられた第5室15が、先
願のブレーキブースタと違って後方シェル7を二重構造
とすることなく、単にピストン23の小径部23bにブ
ーツ9を被せただけの簡単な構造として形成されている
ので、先願のブレーキブースタに比べて体積や重量、更
にはコストを低減させることができる。
【0029】また、図示実施形態においては、第1切替
弁200及び第2切替弁300の大気圧導入口を、エン
ジンルームに対して隔壁700によって仕切られている
車室内に導通、開口させて、車室内から大気圧を導入し
ているので、エンジンルーム内から大気圧を導入する場
合よりもブレーキブースタ100内へのダストの侵入量
が減少し、長期間にわたってブレーキブースタ100が
円滑な作動状態を保持することができる。
【0030】なお、図示実施形態のブレーキブースタ1
00は、前後2つのパワーピストン10及び16を用い
るタンデム型のものとなっているが、本発明をそれ以外
の形式、即ち、シングル型のブレーキブースタ等にも適
用することができることは説明を要しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】ダイヤフラムのコンボリューション室付近を拡
大して示す断面図である。
【図3】大気圧と負圧を切り替えて導入する所謂第5室
を形成するためのブーツの付近を拡大して示す断面図で
ある。
【符号の説明】
2…前方ダイヤフラム 2c,2d…コンボリューション部 2e…コンボリューション室 5…後方ダイヤフラム 5c,5d…コンボリューション部 5e…コンボリューション室 7…後方シェル 9…ブーツ 9c…リング状の補強部材 10…前方パワーピストン 10a…カバー部 11…第1室 12…第2室 13…第3室 14…第4室 15…第5室 16…後方パワーピストン 16a…カバー部 18…第1ポート 20…第2ポート 23…ピストン 23b…ピストンの小径部 23c…ピストンの大径部 23d…ピストン内孔 23e…内孔段部 23f…スリット 25…バルブ機構 27…バルブプランジャ 27a…フランジ部 28…筒状バルブ 29…入力ロッド 36…出力ロッド 100…タンデム型ブレーキブースタ(実施形態) 200…第1切替弁 300…第2切替弁 700…隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新海 博之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内の空間が少なくとも1つの
    パワーピストンによって2室以上に区画されており、前
    記2室が外部信号によって切り替え作動をする切替弁に
    接続されていることによって、前記2室に導入される圧
    力が切り替えられて前記2室の間の圧力の高低関係が反
    転し、それによって運転者のブレーキ操作力に対する助
    成力の作用方向が反転してアンチロック動作をするブレ
    ーキブースタにおいて、前記2室の一方に大気圧又は負
    圧を導入するために設けられた室の少なくとも1つが、
    可撓性の材料からなるブーツによって形成されているこ
    とを特徴とする負圧式ブレーキブースタ。
  2. 【請求項2】 パワーピストンが前後2つ設けられてタ
    ンデム型となっていることを特徴とする請求項1に記載
    された負圧式ブレーキブースタ。
  3. 【請求項3】 前記パワーピストンがダイヤフラムから
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載された負圧
    式ブレーキブースタ。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤフラムが周縁部にコンボリュ
    ーション室を形成する前後一対のコンボリューション部
    を備えていることを特徴とする請求項3に記載された負
    圧式ブレーキブースタ。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの前記切替弁の大気圧導
    入口が車室内に通じていることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載された負圧式ブレーキブース
    タ。
JP9132478A 1997-05-22 1997-05-22 負圧式ブレーキブースタ Withdrawn JPH10324232A (ja)

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