JPH1032410A - 携帯無線機用アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸長および収納状態で所望の利得を得る携帯
無線機用アンテナにおいて、伸長，収納の両状態で良好
な整合状態を実現する。 【解決手段】 携帯無線機筐体(8) 上に、一端に給電
(6) されたヘリカル素子(2) とその中央を移動するホイ
ップ素子(1) を設け、伸長時はホイップ素子(1) とヘリ
カル素子(2) の所定の箇所(4) が接続すると共に、ヘリ
カル素子(2) 内部にホイップ素子と共に可動するグラン
ド導体(3) が進入する。この結果、伸長，収縮両状態で
良好な整合状態を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は携帯無線機用アンテ
ナ、さらに詳しくはヘリカルアンテナ素子と伸長および
収納が可能なホイップアンテナ素子とを組み合わせた携
帯無線機用アンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯無線機用アンテナには種々の形式の
アンテナが使用されているが、通話時は人体での利得劣
化を軽減して出来るだけ高い利得を得るという観点から
ホイップアンテナが望ましく、待ち受け時には携帯に便
利であるという観点からヘリカルアンテナ等の小型アン
テナが望ましい。従ってヘリカルアンテナ素子と伸縮可
能なホイップアンテナ素子とを組み合わせて、通話時に
はホイップアンテナ素子を伸長してホイップアンテナ素
子を動作させ、待ち受け時にはホイップアンテナ素子を
収縮させてヘリカルアンテナ素子を動作させるような構
成のアンテナが従来から存在する。

【０００３】そして従来のこのタイプのアンテナには、
例えばホイップアンテナ素子の先端にヘリカルアンテナ
素子を設け、伸長時にはホイップアンテナ素子へ、収縮
時にはヘリカルアンテナ素子へ給電されるように構成し
たもの。携帯無線機側にヘリカルアンテナ素子を固定し
てその中に伸縮可能なホイップアンテナ素子を設け、伸
長時には主にホイップアンテナ素子が給電され、収縮時
にはヘリカルアンテナ素子が給電されるように構成とし
たもの等がある。

【０００４】ところで通話時の人体での利得の劣化を軽
減させるためには、ホイップアンテナ素子の長さは、約
λ／ｎ（ｎ＝整数，多くはｎ＝２）程度に設定される必
要があり、またヘリカルアンテナ素子は、所望の比帯域
幅，共振周波数を得るために、その径，ピッチ，長さが
送受信される搬送周波数に対応して決定される。従って
それぞれのアンテナ素子の入力インピーダンスの値は、
通常大きく異なった値となり、このためこの種のアンテ
ナでは伸長時と収縮時との両方で最適な整合状態を実現
することが困難である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のこ
の種のヘリカルアンテナ素子とホイップアンテナ素子と
を組み合わせたアンテナは、その利得や特性を良好にさ
せるために伸長時に動作するホイップアンテナ素子を約
λ／ｎの長さとし、収納時に動作するヘリカルアンテナ
素子を動作時所望の特性が得られる寸法にそれぞれ独立
して決定した場合、伸長時に動作するホイップアンテナ
素子と収縮時に動作するヘリカルアンテナ素子の相違か
ら、伸長時および収縮時の両方で最適な整合状態を満足
させることができないという問題点があった。

【０００６】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、この種のヘリカルアンテナ素子とホ
イップアンテナ素子とを組み合わせたアンテナにおい
て、伸長，収縮の両状態で良好な整合状態を実現できる
携帯無線機用アンテナを提供することを目的としてい
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる携帯無線
機用アンテナは、送受信される搬送周波数の波長をλと
した場合、携帯無線機筐体に設置されるこの搬送周波数
にその径，ピッチ，長さを対応させたヘリカルアンテナ
素子と、λ／ｎ（ｎ＝整数）の長さを有し収縮時に当該
携帯無線機筐体内に完全に収納される前記ヘリカルアン
テナ素子内に設けられるホイップアンテナ素子とが組み
合わされて構成され、前記ホイップアンテナ素子伸長時
にはこのホイップアンテナ素子へ給電が行われ、前記ホ
イップアンテナ素子収納時には前記ヘリカルアンテナ素
子へ給電が行われる携帯無線機用アンテナにおいて、前
記ヘリカルアンテナ素子の下端に設けられるヘリカルア
ンテナ素子給電端子と、このヘリカルアンテナ素子の所
定の位置に設けられこのヘリカルアンテナ素子を介して
前記ホイップアンテナ素子への給電を行うホイップアン
テナ素子給電端子と、前記ホイップアンテナ素子の下端
部に非導体部を挟んで設けられるグランド導体と、前記
ホイップアンテナ素子伸長時に前記グランド導体を接地
するグランド接地端子と、前記ホイップアンテナ素子伸
長時に前記グランド導体が前記ヘリカルアンテナ素子の
前記ホイップアンテナ素子給電端子付近まで突出する手
段とを有し、前記ホイップアンテナ素子給電端子の位置
と、前記ヘリカルアンテナ素子と前記グランド導体との
間の隙間を調整することで、前記ホイップアンテナ素子
伸長時の整合性を適正化することを特徴とする。

【０００８】また、前記ヘリカルアンテナ素子給電端子
に整合回路を接続したことを特徴とする。

【０００９】なお、本発明に関連する先行技術として
は、例えば特開平５−１０２７１７号に棒状アンテナの
下端部に導電層を設けて伸長時の整合を取る構成があ
る。然しながらこの構成では、棒状アンテナへの給電が
常に螺旋状アンテナ先端から行われてしまうこと、及び
携帯時には棒状アンテナが収縮するだけで収納されず、
螺旋状アンテナから完全に切り離すことができないの
で、伸長，収縮の両状態で良好な整合状態を実現させる
ことが容易にできない等の問題が残る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図１は、本発明の携帯無線機用アンテ
ナの一実施形態を説明するための図であり、図１（Ａ）
はホイップアンテナ素子を伸長した状態、図１（Ｂ）は
収納した状態を示す。図において、１は送受信する搬送
波の波長をλとした場合、約λ／ｎ（ｎ＝整数、以下ｎ
＝２とする）の長さのホイップアンテナ素子（以下、ホ
イップ素子と言う）、２は送受信される搬送周波数にそ
の径，ピッチ，長さを対応させたヘリカルアンテナ素子
（以下、ヘリカル素子と言う）、３はホイップ素子の下
側端部に絶縁部分を挟んで取り付けられたグランド導
体、４はヘリカル素子２の所望の位置に設けられたホイ
ップ素子給電端子、５はグランド接続端子、６はヘリカ
ル素子給電端子、７はグランド、８は携帯無線機筐体で
ある。

【００１１】本実施形態の携帯無線機用アンテナは、図
１に示すようにホイップ素子１とヘリカル素子２との組
合せにおいて、携帯無線機筐体８上にヘリカル素子２を
配置し、このヘリカル素子２の一端に給電を行うための
ヘリカル素子給電端子６が設けられると共に、ホイップ
素子１の整合条件で定められるヘリカル素子２の所定の
位置に、ホイップ素子給電端子４が設けられる。一方、
λ／２の長さのホイップ素子１は、ヘリカル素子２の中
央を移動して、伸長，収納されるような構成となってお
り、伸長時にはその下端がホイップ素子給電端子４と接
続されて給電される。また、ホイップ素子２の下端には
非導体部分を挟んでグランド導体３が取り付けられてお
り、このグランド導体３はホイップ素子１と一体となっ
て可動し、ホイップ素子１伸長時にはヘリカル素子２の
内部に突出すると共に、このグランド導体３の一端がグ
ランド接続端子５によりグランド７に接続される。また
ホイップ素子１収納時には、ホイップ素子１およびグラ
ンド導体３がグランド接続端子５と接触しない位置まで
携帯無線機筐体８内に完全に収納されるように構成され
ている。

【００１２】次に入力インピーダンスの整合について説
明する。始めにヘリカル素子２を、所望の共振周波数，
帯域幅，整合特性となるように、ヘリカル素子２の寸法
（径，長さ，ピッチ）を決定して設置する。次にホイッ
プ素子伸長時に所望の特性が得られるように、グランド
導体３とヘリカル素子２の間の隙間（図２（Ｂ）のｗに
示す）、およびホイップ素子給電端子４の位置（図２
（Ａ）のｈに示す）を決定する。

【００１３】従ってホイップ素子１伸長時は、ヘリカル
素子２の給電点とホイップ素子給電点との間からの放射
は、グランド導体３によって妨げられると共に、この部
分が整合回路として動作する。またヘリカル素子２のホ
イップ素子給電端子４より上の部分は、ホイップ素子１
と並列に給電されることになるが、発明者らの実験では
ホイップ素子単体とほぼ同じ特性を示すことが確認され
ている。従ってホイップ素子１伸長時は、ヘリカル素子
２は整合用の素子としてのみ動作し、その受信特性はホ
イップ素子１の長さで決定され、収納時にはヘリカル素
子２全体が、ホイップ素子に影響されることなくアンテ
ナ素子として動作する構成が得られる。

【００１４】図３は、本発明の他の実施形態を説明する
ための図であり、９は整合回路である。上述の図１に示
す実施形態においてもヘリカス素子を小型化した場合に
整合が取れなくなる場合がある。従ってこの実施形態２
では、ヘリカル素子給電端子６に整合回路９を設ける構
成としたものである。このような整合回路９を設ける場
合でも、図２（Ｂ）に示すようにグランド導体３とヘリ
カル素子２の間の隙間（ｗ）および図２（Ａ）に示すよ
うにホイップ素子給電端子４の位置（ｈ）を調整するこ
とで容易に伸長時の整合が取れるようになる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の携帯無線機
用アンテナは、ホイップ素子をヘリカル素子の中央を移
動して携帯無線機筐体に伸長，収縮させ、ヘリカル素子
の適当な位置にホイップ素子給電端子を設けてホイップ
素子伸長時にホイップ素子に給電すると共に、グランド
に接続されたグランド導体をヘリカル素子の内部まで移
動する構成とすることで、ヘリカル素子の構造によら
ず、ホイップ素子給電端子の取り付け位置と、グランド
導体とヘリカル素子との間の隙間を調整することで伸長
時の整合を取ることができ、伸長時に動作するホイップ
素子の長さを約λ／ｎとし、収納時に動作するヘリカル
素子を動作時に所望の特性が得られるようにそれぞれ独
立に寸法を決定しても、伸長，収縮の両状態で最適な整
合状態を容易に満足させることができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を説明するための図であ
る。

【図２】本発明の本実施形態におけるホイップ素子給電
端子の取り付け位置と、グランド導体とヘリカル素子と
の間の隙間の調整を説明するための図である。

【図３】本発明の他の実施形態を説明するための図であ
る。

【符号の説明】

１ ホイップ素子 ２ ヘリカル素子 ３ グランド導体 ４ ホイップ素子給電端子 ５ グランド接続端子 ６ ヘリカル素子給電端子 ７ グランド ８ 携帯無線機筐体 ９ 整合回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送受信される搬送周波数の波長をλとし
   た場合、携帯無線機筐体に設置されるこの搬送周波数に
   その径，ピッチ，長さを対応させたヘリカルアンテナ素
   子と、λ／ｎ（ｎ＝整数）の長さを有し収縮時に当該携
   帯無線機筐体内に完全に収納される前記ヘリカルアンテ
   ナ素子内に設けられるホイップアンテナ素子とが組み合
   わされて構成され、前記ホイップアンテナ素子伸長時に
   はこのホイップアンテナ素子へ給電が行われ、前記ホイ
   ップアンテナ素子収納時には前記ヘリカルアンテナ素子
   へ給電が行われる携帯無線機用アンテナにおいて、 前記ヘリカルアンテナ素子(2) の下端に設けられるヘリ
   カルアンテナ素子給電端子(6) と、 このヘリカルアンテナ素子(2) の所定の位置に設けられ
   このヘリカルアンテナ素子(2) を介して前記ホイップア
   ンテナ素子(1) への給電を行うホイップアンテナ素子給
   電端子(4) と、 前記ホイップアンテナ素子(1) の下端部に非導体部を挟
   んで設けられるグランド導体(3) と、 前記ホイップアンテナ素子(1) 伸長時に前記グランド導
   体(3) を接地するグランド接地端子(5) と、 前記ホイップアンテナ素子(1) 伸長時に前記グランド導
   体(3) が前記ヘリカルアンテナ素子(2) の前記ホイップ
   アンテナ素子給電端子(4) 付近まで突出する手段とを有
   し、 前記ホイップアンテナ素子給電端子(4) の位置（ｈ）
   と、前記ヘリカルアンテナ素子(2) と前記グランド導体
   (3) との間の隙間（ｗ）を調整することで、前記ホイッ
   プアンテナ素子(1) 伸長時の整合性を適正化することを
   特徴とする携帯無線機用アンテナ。
2. 【請求項２】 前記ヘリカルアンテナ素子給電端子(6)
   に整合回路(9) を接続したことを特徴とする請求項第１
   項記載の携帯無線機用アンテナ。