JPH10323322A - 三次元計測内視鏡装置 - Google Patents

三次元計測内視鏡装置

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JPH10323322A
JPH10323322A JP9135551A JP13555197A JPH10323322A JP H10323322 A JPH10323322 A JP H10323322A JP 9135551 A JP9135551 A JP 9135551A JP 13555197 A JP13555197 A JP 13555197A JP H10323322 A JPH10323322 A JP H10323322A
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light
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measuring
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Hideyuki Shoji
秀幸 正治
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に最適な測定光の供給と任意の解像度での
測定を行う。 【解決手段】 測定光伝送用イメージガイド12の出射
端側には測定光調節レンズ系15が設けられており、測
定光調節レンズ系15は駆動部16によって光軸方向に
可動される。また、測定光伝送用イメージガイド12か
らの測定光による測定における3種類の固定倍率での測
定倍率を選択する測定倍率選択部35と、測定倍率選択
部35が選択する倍率に応じた距離算出用の基準データ
が記憶されている第1ないし第3LUT36、3738
と、測定倍率選択部35の選択に基づき1つのLUTを
選択し測定処理回路32にその距離算出用の基準データ
を出力するLUT選択部39とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物の三次元形
状を計測する三次元形状計測装置、更に詳しくは医用内
視鏡に応用して胃壁や大腸壁等の形状を計測したり、工
業用内視鏡に応用して水道管、ガス管等の変形や傷の大
きさを計測する三次元形状計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、測定光を被観察物体に投影して大
きさや凹凸形状、すなわち三次元形状を計測するには、
半導体レーザー等によるスポット光を測定光として光フ
ァイバーによって被観察物体に導いて投影し、被観察物
体上の測定光の位置があらかじめ測定しておいた基準値
とどれだけずれるかを検知することにより算出してい
た。
【0003】また、測定光としてレーザ光をシリンドリ
カルレンズ等によりスリット光に変換した物を用い、被
観察物体に投影されたスリット光の変形によって、スリ
ットが投影された線上の凹凸を算出する光切断法も知ら
れている。
【0004】さらに、被観察物体の面形状を計測する場
合は、例えば特開平4−12724号公報に示されてい
るように、スポット光やスリット光を走査することによ
り行っていた。
【0005】なお、上記従来技術においては、測定光を
投影する光学系は固定焦点、かつ固定倍率であった。
【0006】また、測定光を投影する光学系を内視鏡と
は別体のプローブとして構成し、前記プローブを鉗子チ
ャンネルに挿入するシステムも提案されている。
【0007】さらに、測定光を被写体に照射するには、
内視鏡に備えられているアングル操作を用いて、内視鏡
先端を曲げ、被写体に指向していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被観察
物体が生体であるため、検査中に内視鏡と被観察物体と
の距離を一定に保つ事は非常に困難であり、測定光投影
の光学系が固定焦点であるので距離によって測定光が拡
散し、測定誤差の原因といった問題がある。
【0009】また、測定光投影の光学系が固定倍率であ
ったので、常に一定の面積を一定の解像度で測定を行っ
ており、解像度を落として高速で測定する、もしくは広
い面積を測定したり、高解像度で狭い面積を測定すると
いう使用状況に合わせての選択を行うことができないと
いった問題もある。
【0010】さらに、内視鏡検査を行う場合は、内視鏡
は観察する部位に応じて複雑に曲げられる。測定光を導
く光ファイバーはその構造上、曲がり具合によってクラ
ッド層、コア層の間の屈折率が微妙に変化する。従っ
て、測定光の投影位置が微妙にずれるので測定誤差の原
因となっていた。
【0011】また、測定光を投影する光学系を内視鏡と
は別体のプローブとして構成する場合、プローブの位置
を固定する手段が必要で、例えば特開平2−28731
1号公報に開示されている如く、プローブと鉗子チャン
ネルの内壁をキー溝状にしておき、その嵌合を用いてい
た。この場合、汎用の内視鏡を用いることができず、作
業性が悪かった。
【0012】さらに、測定光を被写体に照射するために
内視鏡のアングル操作を用いる方法は、高解像度を得る
ために測定面積を狭くした場合などは、被測定部位と測
定光の照射範囲を合致させることが難しくなる。また、
測定する部位によっては、ぜん動運動が激しいので測定
位置の固定が困難であったり、任意のアングル操作を無
理に行うと患者に苦痛を生じさせる可能性があった。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、常に最適な測定光の供給と任意の解像度での測
定を行うことのできる三次元計測内視鏡装置を提供する
ことを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の三次元計測内視
鏡装置は、体腔内に挿入部を挿入し測定光を被写体に投
影する内視鏡と、前記内視鏡からの前記測定光の反射光
から前記被写体の形状を計測する三次元計測内視鏡装置
において、前記測定光を投影する測定光投影レンズの倍
率と焦点を調節する倍率・焦点調節手段と、前記倍率・
焦点調節手段の設定値に応じて、前記被写体との距離計
算を行う距離計算手段とを備えて構成される。
【0015】本発明の三次元計測内視鏡装置では、前記
倍率・焦点調節手段が前記測定光を投影する前記測定光
投影レンズの倍率と焦点を調節し、前記距離計算手段が
前記倍率・焦点調節手段の設定値に応じて、前記被写体
との距離計算を行うことで、常に最適な測定光の供給と
任意の解像度での測定を行うことを可能とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について述べる。
【0017】図1ないし図4は本発明の第1の実施の形
態に係わり、図1は三次元計測内視鏡装置の構成を示す
構成図、図2は図1の測定光調節レンズ系の構成を示す
構成図、図3は図2の測定光調節レンズ系の長手方向断
面を示す断面図、図4は図1の三次元計測内視鏡装置の
作用を説明する説明図である。
【0018】(構成)本発明の三次元計測内視鏡装置1
は、図1に示すように、体腔内に挿入する挿入部2を備
え体腔内の観察部位3を撮像すると共に体腔内の三次元
計測を行う内視鏡4と、前記内視鏡4に観察用の照明光
を供給する観察用照明光源5と、半導体レーザ等とシリ
ンドリカルレンズ等の組み合わせによりスリット状の測
定光を発生し前記内視鏡4に供給する測定光投影光源6
と、内視鏡4により撮像された観察部位3の撮像信号を
信号処理することで観察部位3の内視鏡像の映像信号を
生成すると共に体腔内の三次元映像信号を生成する信号
処理装置7とから構成される。
【0019】内視鏡4には観察用照明光源5から供給さ
れる照明光を伝送する観察用ライトガイド8が内挿され
ており、観察用照明光源5のランプ9から発せされた白
色光は、ランプ9と観察用ライトガイド8の入射端面と
の間に配設された、モータ10により回転駆動される、
赤色光透過部、緑色光透過部、青色光透過部及び不透過
部からなる回転フィルタ11を介して、観察用ライトガ
イド8の入射端面に供給されるようになっている。ま
た、内視鏡4には測定光投影光源6から供給される測定
光を伝送する測定光伝送用イメージガイド12も内挿さ
れている。
【0020】内視鏡4の先端部内には、観察用ライトガ
イド8の出射端の前方に観察用照明レンズ13が設けら
れており、観察用ライトガイド8により伝送された照明
光は、観察用ライトガイド8の出射端面より出射し観察
用照明レンズ13を介して体腔内の観察部位3に照射さ
れるようになっている。
【0021】また、内視鏡4の先端部内には、測定光伝
送用イメージガイド12の出射端の前方に測定用照明レ
ンズ14も設けられており、測定光伝送用イメージガイ
ド12により伝送された測定光は、測定光伝送用イメー
ジガイド12の出射端面より出射し測定用投影レンズ1
4を介して体腔内に照射されるようになっている。な
お、測定光伝送用イメージガイド12の出射端側には後
述する測定光調節レンズ系15が設けられており、測定
光調節レンズ系15は駆動部16によって光軸方向に可
動されるようになっている。
【0022】観察部位3の像及び測定光の戻り光は、内
視鏡4の先端部内において、前記駆動部16により駆動
される対物調節レンズ系17を介してCCD等の固体撮
像素子18により撮像され、その撮像信号が信号処理装
置7のプロセス回路19に出力されるようになってい
る。
【0023】前記モータ及び固体撮像素子18は、信号
処理装置7のそれぞれモータ10用の駆動回路20及び
固体撮像素子18用の駆動回路21により駆動され、こ
れらの駆動回路20、21及び前記測定光投影光源6は
同期回路22からの同期信号により制御され、駆動する
ようになっていて、駆動回路20による回転フィルタ1
1の回転駆動及び駆動回路21による測定光投影光源6
の駆動が同期回路22からの同期信号に同期して、体腔
内に順次、赤色光、緑色光、青色光及び測定光が照射さ
れるようになっている。
【0024】信号処理装置7は、固体撮像素子18から
の撮像信号を増幅処理する前記プロセス回路19と、前
記プロセス回路19の出力をデジタル信号に変換するA
/D変換器23と、A/D変換器23の出力を選択的に
後段の4つのメモリに振り分けて出力するマルチプレク
サ24を備えており、R用メモリ25、G用メモリ2
6、B用メモリ27及び計測用メモリ28のそれぞれ
に、回転フィルタ11の回転駆動及び測定光投影光源6
の駆動に同期して赤色光、緑色光、青色光及び測定光に
よる照明に対応する信号がマルチプレクサ24によって
振り分けて入力されるようになっている。
【0025】また、信号処理装置7は、R用メモリ2
5、G用メモリ26及びB用メモリ27に格納された各
信号を入力し内視鏡映像信号を生成する映像信号処理回
路29と、映像信号処理回路29の出力をアナログ信号
に変換し観察モニタとして使用されるディスプレイ30
に出力するD/A変換器31と、計測用メモリ28に格
納された信号から被写体の凹凸形状を計算する測定処理
回路32と、測定処理回路32の計算結果を基づき鳥瞰
図、等高線図等の三次元形状を表すグラフィックを三次
元計測画像表示モニタとして表示されるディスプレイ3
3に描画する三次元映像処理回路34と、3種類の固定
倍率で測定倍率を選択する測定倍率選択部35と、測定
倍率選択部35が選択する倍率に応じた距離算出用の基
準データが記憶されている第1ルックアップテーブル
(以下、LUTと略記する)36、第2LUT37及び
第3LUT38と、測定倍率選択部35の選択に基づき
第1LUT36、第2LUT37及び第3LUT38の
うちの1つを選択し測定処理回路32にその距離算出用
の基準データを出力するLUT選択部39とを備えてい
る。
【0026】なお、測定倍率選択部35の選択信号は、
測定光投影光源6及び駆動部16にも出力されており、
測定光投影光源6及び駆動部16では、この選択信号に
基づき測定範囲に応じた最適な長さのスリット状の測定
光を体腔内に照射するようになっている。
【0027】測定光伝送用イメージガイド12の出射端
側に設けられた測定光調節レンズ系15は、図2に示す
ように、固定部材41の外周に巻かれた駆動部16によ
り駆動される電磁コイル42を備え、さらに、測定光調
節レンズ系15の長手方向断面である図3に示すよう
に、固定部材41の内部には永久磁石等よりなる可動部
材43と、可撓部材43に固定されて共に電磁コイル4
2により可動するレンズ44とを備えて構成されてい
る。
【0028】なお、電磁コイル42は、図2に示したよ
うな内蔵方法ではなく、内視鏡4の挿入部自体の円筒や
鉗子チャンネルの内筒に沿って内蔵しても良いし、駆動
部16を内視鏡4の内部に内蔵する必要もない。
【0029】(作用)次に、このように構成された本実
施の形態の作用について説明する。
【0030】観察用照明光源5から出た照明光は、モー
タ10による回転フィルタ11の回転により順次赤色
光、緑色光、青色光及び不透過に変換されて観察光伝送
用ライトガイド8及び観察用照明レンズ13を介して観
察部位3を照明する。また、回転フィルタ11の不透過
部が光路中に挿入されているとき、同期回路22からの
同期信号に基づき測定光投影光源6が発光して、測定光
伝送用イメージガイド12、測定光調節レンズ系15及
び測定用投影レンズ14を介して観察部位3にスリット
状の測定光を投射する。
【0031】このようにして照明された観察部位3は、
対物調節レンズ系17により固体撮像素子18上に結像
される。固体撮像素子18は、同期回路22からの同期
信号に基づき回転フィルタ11の回転に同期して駆動回
路21により作動され、赤色光、緑色光、青色光及び測
定光による観察部位3の像の信号を順次出力し、この信
号はプロセス回路19で増幅、処理を施される。
【0032】その後、A/D変換器23によりアナログ
信号からディジタル信号に変換され、マルチプレクサ2
4によって各R用メモリ25、G用メモリ26、B用メ
モリ27及び計測用メモリ28に振り分けられる。すな
わち、赤色光による画像信号がR用メモリ25へ、緑色
光による画像信号がG用メモリ26へ、青色光による画
像信号がB用メモリ27へ、測定光による画像信号が計
測用メモリ28へ各々入力され記憶される。
【0033】R用メモリ25、G用メモリ26及びB用
メモリ27に記憶された通常観察用の画像信号は、映像
処理回路29にてガンマ補正、輪郭補正等の各種処理が
施された後、D/A変換器31にてアナログ信号に変換
され、ディスプレイ30上にカラー映像が表示される。
【0034】一方、計測用メモリ28に記憶された測定
光による画像信号は、測定処理回路32にて投射したス
リット状の測定光による反射光の成分のみが抽出され
る。この信号は、スリット状の測定光が被写体に投射さ
れ、被写体の凹凸に応じて形態が変化した信号であるか
ら、LUT選択回路39で選択された第1LUT36、
第2LUT37及び第3LUT38のいずれかに予め測
定、記憶してある基準位置データとの比較により、観察
部位3の凹凸形状が計算され、三次元映像処理回路34
にて三次元形状を表すグラフィックに処理され、ディス
プレイ33上に三次元グラフィック映像が表示される。
【0035】ここで、特に入力方法(マウス、トラック
ボール、etc.)の図示はしていないが、使用者は、
図4に示すように、(2次元表示用)ディスプレイ30
に表示される観察部位3の内視鏡ビデオ画像を見なが
ら、測定倍率選択部35にて三次元形状計測の測定範囲
を、図4(a)〜(c)のように選択する。
【0036】そして、測定倍率選択部35にて測定範囲
を選択すると、選択に応じた制御信号が発生し、駆動部
16及びLUT選択回路39に伝送される。駆動部16
では制御信号に応じた大きさのプラス、もしくはマイナ
スの電流を発生し、測定光調節レンズ系15と対物調節
レンズ系17に伝送する。
【0037】測定光調節レンズ系15内では、図3に示
すように、電磁コイル42に電流が流れ、固定部材41
の間を摺動するようになっている可動部材43に固定さ
れたレンズ44が前後に移動する。なお、対物調節レン
ズ系17の構造は、レンズの光学系データと寸法以外
は、測定光調節レンズ系15と同様の構成と動作を行う
ので説明は省略する。
【0038】従って、上記の測定光調節レンズ系15の
動作により、測定範囲に応じた最適な長さのスリット状
測定光が供給される。また、対物調節レンズ系17の倍
率が各々変化することにより、図4(a)の場合のよう
に広い面積を撮像する場合から、図4(b)及び図4
(c)のように段々と倍率を上げていくと、狭い面積を
同じ画素数の固体撮像素子18で撮像することになるの
で、狭い面積しか測定できないが解像度は高くなる。
【0039】さらに、上記のようにレンズ系の倍率を変
化させるだけでは測定光の撮像面積が変化するだけなの
で、各レンズ倍率毎の観察部位3と内視鏡4の先端部と
の間の各距離のデータが記憶されている第1LUT3
6、第2LUT37及び第3LUT38の内、1つのL
UTをLUT選択回路39にて選択して、観察部位3と
内視鏡4の先端部との距離計算が行うようになってい
る。
【0040】(効果)このように本実施の形態によれ
ば、観察部位3の形状や使用する目的に応じて、測定光
調節レンズ系15の動作により、使用者は任意の範囲の
形状計測を行うことができる共に、常に最適な測定光の
供給ができるので、測定精度を高めることができる。
【0041】なお、本実施の形態では、三次元計測内視
鏡装置1の対物調節レンズ系17及び測定光調節レンズ
系15をコスト等を考慮して3段階の固定倍率としてい
たが、LUTの個数を増加し、その選択手段を適宜備え
れば、任意の倍率による測定が可能となることは自明で
ある。
【0042】また、本実施の形態では、レンズの調節機
構をズームレンズとして利用した例を示したが、これを
焦点調節に応用すれば、観察部位3との距離に関わら
ず、常にボケの無い最適な測定光を発生できるので測定
精度を高めることができる。
【0043】さらに、本実施の形態は、三次元計測内視
鏡装置1の測定光投影レンズに用いるだけでなく、通常
観察に用いられる対物レンズ系にも容易に利用可能であ
る。
【0044】また、実施の形態では、観察部位3と内視
鏡4の先端部との間の距離計算をLUTに予め記憶した
値と比較することにより行っていたが、必ずしもLUT
を用いる必要性はなく、観察部位3と内視鏡4の先端部
との間の距離を変数とした多項近似式に置き換えて表し
ても良い。この場合、固定倍率に応じて多項近似式の係
数を切り替えることにより、上記と同様に効果が得られ
るばかりでなく、係数だけを記憶しているのであるか
ら、LUTより遙かにデータを保存するためのメモリ容
量を減らすことができる。
【0045】図5及び図6は本発明の第2の実施の形態
に係わり、図5は内視鏡先端部内の要部の構成を示す構
成図、図6は図5の制御部の構成を示す構成図である。
【0046】第2の実施の形態は、第1の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0047】(構成)本実施の形態の内視鏡4の先端部
内には、図5に示すように、測定光伝送用イメージガイ
ド12の出射端面の前方に、順次、第1の実施の形態に
おける測定光調節レンズ系15を構成する補助レンズ5
1と、制御電圧によって入射された光を任意の角度に偏
向することができる光偏向器52と、測定光を2方向に
分割する先端ハーフプリズム53と、先端ハーフプリズ
ム53により分割された一方の測定光により光位置を検
知する2次元PSD等からなる光位置検知部54とを備
えており、光偏向器52と先端ハーフプリズム53との
間には第2の補助レンズ55が設けられている。
【0048】そして、制御部56が光位置検知部54か
らの検知信号を入力し、この検知信号に基づいて光偏向
器52が入射された光を任意の角度に偏向するための制
御電圧を発生させる駆動信号発生回路57を制御するよ
うになっている。
【0049】また、前記制御部56は、図6に示すよう
に、測定光の基準出射位置、例えば製造時における測定
光の出射位置のデータを記憶した基準位置記憶部61
と、この基準位置記憶部61が記憶している測定光の基
準出射位置と光位置検知部54によって検知した測定光
の位置を比較する光位置比較部62と、その比較結果に
応じた補正信号を発生する補正信号出力部63とから構
成されている。
【0050】その他の構成は第1の実施の形態と同じで
ある。
【0051】なお、制御部56と駆動信号発生回路57
は必ずしも内視鏡4の先端部中に設けてある必要性はな
い。
【0052】また、特に図示していないが、本実施の形
態では測定光投影光源6は、スリット状測定光だけでな
く、スポット状測定光も出射できるようになっており、
計測時にはスリット状測定光が発生し、非計測時にはス
ポット状測定光が発生するようになっている。これは、
半導体レーザのスポット状測定光をスリット状測定光に
変換するシリンドリカルレンズを計測のタイミングに合
わせて光軸上に抜き差し可能なようにすれば良い。
【0053】(作用)次に、このように構成された本実
施の形態の作用について説明する。
【0054】測定光投影光源6で発生した測定光は、測
定光伝送用イメージガイド12、補助レンズ51、光偏
向器52及び補助レンズ55を介して伝送され、先端ハ
ーフプリズム53に達する。
【0055】先端ハーフプリズム53では、測定光の光
路が2分割され、一方は測定光投影レンズ14を介して
観察部位3に投影され、もう一方は光位置検知部54に
伝送される。光位置検知部54では、非計測時のスポッ
ト状測定光が入射された時に測定光の位置に応じた電圧
が発生し、制御部56内の光位置比較部62に出力され
る。
【0056】光位置比較部62では、基準位置記憶部6
1からのデータと入力された現在の測定光の出射位置の
データとの差を比較して、その結果を補正信号出力部6
3に伝送する。補正信号出力部63では、前記のデータ
の差を打ち消すための補正信号が計算され、駆動信号発
生回路57にてそれが光偏向器52の駆動用信号に変化
される。光偏向器52では、前記の駆動信号に応じて入
射される測定光を偏向して先端ハーフプリズム53に出
射するようになっている。
【0057】説明は省略したが、補助レンズ51は、上
述したように第1の実施の形態における測定光調節レン
ズ系15を構成しており、その作用も第1の実施の形態
と同様であり、その他の作用は第1の実施の形態と同じ
である。
【0058】(効果)このように本実施の形態では、第
1の実施の形態の効果に加え、非計測時を利用して、被
写体に向けて出射される測定光の位置ズレを補正して出
射するようになっているので、経時変化や光ファイバー
の急激な曲げによる測定光のズレに影響を受ける事無
く、より高精度の測定を行うことができる。
【0059】なお、本実施の形態では、測定光の位置ズ
レを検出し、補正して出射する例を示したが、出射位置
を補正する代わりに、距離算出時に位置ズレの分だけデ
ータをシフトするように構成しても良い。
【0060】図7及び図8は本発明の第3の実施の形態
に係わり、図7は計測用プローブ先端部内の要部の構成
を示す構成図、図8は図7の測定光調節レンズ系の断面
を示す断面図である。
【0061】第3の実施の形態は、第1の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0062】(構成)本実施の形態では、測定光を被写
体に投影する部材(測定光調節レンズ系15、測定光伝
送用イメージガイド12、測定光投影用レンズ14等)
は、内視鏡の挿入部に内蔵しているのではなく、図7に
示すように、別体の計測用プローブ71として構成し、
図示はしないが、この計測用プローブ71を通常の内視
鏡に一般的に設けられている鉗子チャンネルに挿入する
ことにより計測を行う構成となっている。
【0063】また、第1の実施の形態の電磁コイル42
のように電磁コイル42の巻き線を測定光調節レンズ系
15(の固定部材41)の円筒外周に沿って設ける代わ
りに、電磁コイル72が測定光調節レンズ系15の円筒
の一部分の巻き線を設けられている。
【0064】さらに、図8に示すように、測定光調節レ
ンズ系15の円筒外周上で前記電磁コイル72を避けた
位置にはバネ部材73が設けられ、バネ部材73は測定
光調節レンズ系15の可動部材43が前後に移動する時
に押し広げられるようになっており、前記バネ部材73
の周囲はゴム被覆74により覆われている。
【0065】その他の構成は第1の実施の形態と同じで
ある。
【0066】(作用)次に、このように構成された本実
施の形態の作用について説明する。
【0067】図8に示すように、可動部材43は、計測
プローブ71の鉗子チャンネル(図示せず)への未挿入
時には、未使用範囲に位置するようになっており、計測
用プローブ71を鉗子チャンネルに挿入し、計測時の基
準位置、例えば、鉗子チャンネルの出口に先端部を合わ
せた後、使用者からの指示入力により使用範囲にまで移
動するようになっている。
【0068】可動部材43が使用範囲に移動すると、バ
ネ部材73の肉厚部分が押し広げられ、ゴム被覆74の
部分が内側から持ち上げられ、計測用プローブ71の直
径より広がる。従って、鉗子チャンネルの内壁にゴム被
覆74が密着し、計測プローブ71の位置が固定され
る。
【0069】また、可動部材43の使用範囲には、マー
ジンが含まれており、このマージン部分を測定光の焦点
調節範囲として使用している。
【0070】その他の作用は第1の実施の形態と同じで
ある。
【0071】(効果)このように本実施の形態では、第
1の実施の形態の効果に加え、キー溝などの特別の固定
手段を設けることなく、汎用の内視鏡の鉗子チャンネル
に計測プローブ71を挿入するだけで測定光の出射位置
と撮像素子との位置関係を正確に固定できるので、安価
でかつ測定精度が向上する。
【0072】また、位置関係の固定だけでなく、焦点調
節と併用されることによって、被写体との距離に関係な
くボケの無い最適の測定光を投影できる。
【0073】図9及び図10は本発明の第4の実施の形
態に係わり、図9は三次元計測内視鏡装置の構成を示す
構成図、図10は図9の三次元計測内視鏡装置の作用を
説明する説明図である。
【0074】本実施の形態の三次元計測内視鏡装置10
1は、図9に示すように、管腔内に挿通される挿入部1
06を備えた内視鏡102と、この内視鏡102に可視
光による照明光を供給する光源ユニット103と、内視
鏡102に計測光を供給すると共に、この計測光の被写
体での反射光を受光して三次元計測を行う三次元計測ユ
ニット104と、三次元計測された被写体像を表示する
ディスプレイ105とを有する。
【0075】内視鏡102は、管腔内に挿通される可撓
性を有する前記挿入部106と、この挿入部106の後
端に設けられた操作部107と、この操作部107の後
端に設けられた接眼部108と、操作部107から延出
されたユニバーサルケーブル109とを有し、このユニ
バーサルケーブル109の端部には、光源ユニット10
3に着脱自在の第1のコネクタと、三次元計測ユニット
104に着脱自在の第2のコネクタとが設けてある。
【0076】光源ユニット103内には、ランプ駆動回
路(図示せず)により発光駆動されるランプ114が内
蔵され、このランプ114で発光された白色光は集光レ
ンズ115で集光されて照明光伝送用ライトガイド11
6の光入射端に供給される。この白色光は、ユニバーサ
ルケーブル109、操作部107、挿入部106を挿通
された照明光伝送用ライトガイド116により伝送さ
れ、挿入部106の先端部に固定された先端面からさら
に観察照明用レンズ118を介して拡開して出射され、
体腔内の患部等の被写体側を照明する。
【0077】挿入部106の先端部には、観察照明用レ
ンズ118が取り付けられた照明窓に隣接して観察窓が
設けられ、この観察窓には観察用対物レンズ119が取
り付けてあり、その結像位置に照明された被写体の光学
像を結ぶ。この結像位置には、観察用イメージガイド1
21の先端面が配置され、この観察用イメージガイド1
21によって光学像はその後端面に伝送される。
【0078】この後端面に対向する接眼部108には、
接眼レンズ122が設けてあり、この接眼レンズ122
を介して観察用イメージガイド121によって伝送され
た光学像を肉眼で観察することができる。
【0079】また、この内視鏡102には、照明光伝送
用ライトガイド116と同様に挿入部106、操作部1
07、ユニバーサルケーブル109内には測定光伝送用
イメージガイド131及び形状測定用イメージガイド1
32とが挿通され、ユニバーサルケーブル109の端部
の光入射端と光出射端とが三次元計測ユニット104に
接続される。
【0080】三次元計測ユニット104は、レーザ光を
走査するレーザ光走査手段130を有し、このレーザ光
走査手段130は、レーザ制御回路133により発光駆
動される半導体レーザ(以下、レーザと略記)134を
有し、このレーザ134のレーザ光は、ポリゴン駆動モ
ータ135により回転駆動されるポリゴンミラー136
で反射され、この反射光はさらにガルバノミラー制御回
路137によって回動されるガルバノミラー138で反
射された後、レンズ139を経て測定光伝送用イメージ
ガイド131の光入射端に入射される。
【0081】ポリゴンミラー136は、ポリゴン駆動モ
ータ135の回転軸と平行な側面を正多面体にして多数
のミラー面を有し、ポリゴン駆動モータ135により回
転されることにより、レーザ光を水平面内で測定光伝送
用イメージガイド131の端面の水平方向の幅に対応す
る角度走査する。なお、ポリゴン駆動モータ135はポ
リゴン制御回路140により制御される。
【0082】また、ガルバノミラー138は、ガルバノ
ミラー制御回路137によって例えば3角波状或いは階
段波等の駆動信号が印加されることによって所定角度の
範囲で往復的に回動する。この場合、ガルバノミラー1
38は水平面と平行な面に含まれる軸の回りで回動され
る。
【0083】そして、このガルバノミラー138に入射
される光を反射すると共に、その反射方向を垂直方向に
走査する。このようにして水平方向及び垂直方向に走査
されたレーザ光は集光レンズ139により測定光伝送用
イメージガイド131の光入射面を水平方向及び垂直方
向に走査するようにして入射される。
【0084】この場合、ポリゴンミラー136により、
その1つのミラー面で測定光伝送用イメージガイド13
1の直径を通るファイバの数以上を水平方向にレーザス
ポットがライン状に走査し、その走査の間に垂直方向の
ファイバピッチだけガルバノミラー138により垂直方
向に移動する。
【0085】そして、水平方向及び垂直方向に測定光伝
送用イメージガイド131の光入射面の全域を走査した
後に、ガルバノミラー138は反対方向に回動されるよ
うになり、水平方向には一方向に走査するが、垂直方向
には逆に走査する(往復するように走査する)。
【0086】測定光伝送用イメージガイド131の先端
面は挿入部106の先端部に取り付けられ、この先端面
に対向して測定光投光レンズ145が設けてあり、この
測定光投光レンズ145により伝送されたレーザスポッ
トが被写体側に投影され、この投影スポットの走査は光
入射端での走査に対応したものとなる。
【0087】つまり、光入射端での水平方向の走査に対
応して被写体側では、ある方向に走査する。説明を簡単
にするために光入射端での水平方向の走査により、被写
体側にも水平方向に走査されるとする。
【0088】挿入部106の先端部には、この測定光投
光レンズ145に隣接して形状測定用対物レンズ146
が設けてあり、この形状測定用対物レンズ146は測定
光投光レンズ145により被写体面に投影されたレーザ
スポットの位置をその結像位置に配置された形状測定用
イメージガイド132の先端面に結像させるものであ
る。
【0089】そして、この形状測定用イメージガイド1
32によりその後端面の光出射端に伝送される。この光
出射端に対向して結像調節レンズ系147が配置され、
この結像調節レンズ系147によってその結像面の位置
にその端面が配置されたテープ状ファイバ束アレイ14
8に結像される。
【0090】このテープ状ファイバ束アレイ148は、
n個のテープ状ファイバ束148(1)〜148(n)
を積層にしたアレイ構造で、各テープ状ファイバ束14
8(i)(i=1〜n)は例えば測定光伝送用イメージ
ガイド131(或いは形状測定用イメージガイド13
2)の直径を通るファイバの本数以上の本数のファイバ
の一方の端部をテープ状に固め、他端側は丸く束ねた形
状にしている。
【0091】光入射端となる一方の端部では、これらの
テープ状ファイバ束148(1)〜148(n)は積層
に配置した構造で、例えば正方形状の端面となり、光出
射端となる他端側はそれぞれ丸く束ねてそれぞれ分離し
て配置し、丸く束ねた各端面に対向してn個の受光素子
149(i)(i=1〜n)をアレイ状にそれぞれ配置
し、各端面から出射される光をそれぞれ検出する。
【0092】三角測量の距離測定の原理により被写体各
部の距離を計測するもので、本実施の形態では1つの方
向に沿っての反射光の位置検出を行えば、その検出に対
応する被写体の位置に対する距離を算出できる構成に
し、このように1つの方向に垂直な方向に光検出の機能
を備えたテープ状ファイバ束アレイ148を用いる。本
実施の形態ではポリゴンミラー136の回転により測定
光投光レンズ145を介して走査されるレーザスポット
が例えば水平方向であると、そのレーザスポットを形状
測定用イメージガイド132における前記水平方向と平
行な方向にのみ光検出の機能を有するようにその光入射
端がテープ状に広がるようにファイバを配列した各テー
プ状ファイバ束148(i)(i=1〜n)を前記水平
方向に垂直な方向に積層して、垂直な方向に対する位置
検出を行うようにしている。
【0093】受光素子149(i)(i=1〜n)の出
力は、それぞれ増幅器151(i)(i=1〜n)で増
幅された後、比較器153でn個のチャンネルを持ち各
増幅器151(i)(i=1〜n)の出力の比較を行
う。そして、比較器153の比較結果に基づくスポット
測定光の出射位置からレーザスポット検知回路154で
測定光を特定し、高さ情報計算回路155内に設けられ
ているLUT(図示せず)に予め測定済みである被写体
との距離に応じたスポット測定光の基準位置データを参
照することにより、各反射光における高さを計算する。
計算した高さ情報はフレームメモリ156にまとめて記
憶され、ディスプレイ105に表示される。
【0094】また、レーザ制御回路133、ガルバノミ
ラー制御回路137、ポリゴンミラー制御回路140を
制御することにより、スポット測定光の水平走査間隔・
位置と垂直走査間隔・位置を任意に変更する測定倍率・
位置選択部157が設けられている。また、測定倍率・
位置選択部157は、結像調節レンズ系147を駆動制
御する結像調節レンズ制御回路158も制御しており、
結像調節レンズ制御回路158により結像調節レンズ系
147は、第1の実施の形態の測定光調節レンズ系15
と同様に駆動される。
【0095】(作用)次に、このように構成された本実
施の形態の作用について説明する。
【0096】上記の構成によって、レーザ光走査手段1
30内のスポット状の測定光がレーザ134で発生す
る。なお、レーザ134の発光のON/OFFと発光出
力はレーザ制御回路133で制御される。
【0097】スポット状の測定光は、ポリゴンミラー1
36がポリゴンミラー駆動モータ135により回転する
ことにより、水平方向に走査される。なお、ポリゴンミ
ラー駆動モータ135の回転数と回転角度の制御は、ポ
リゴンミラー制御回路140にて行われる。
【0098】従って、レーザ134の発光のON・OF
Fとポリゴンミラー136の回転を組み合わせて制御す
ることにより、任意の水平方向位置に任意の水平走査速
度の測定光を得ることができる。
【0099】水平走査された測定光は、ガルバノミラー
138により垂直方向の走査を加えられる。なお、ガル
バノミラー138の回転速度と回転角度の制御は、ガル
バノミラー制御回路137にて行われる。
【0100】従って、ガルバノミラー138の回転を制
御する事により、任意の垂直位置に任意の垂直走査速度
の測定光を得ることができる。
【0101】そして後述するように、前記の任意の位置
(水平・垂直)と任意の走査(水平・垂直)速度で走査
可能な測定光は、測定倍率・位置選択部157により、
レーザ制御回路133、ガルバノミラー制御回路13
7、ポリゴンミラー制御回路140が相互に関連して制
御されることにより得る事が出来る。
【0102】この測定光は、レンズ139により、測定
光伝送用イメージガイド131に投影され、測定光伝送
用イメージガイド131により内視鏡先端の測定投光レ
ンズ145まで導かれて、被写体に投影される。
【0103】そして、被写体に照射された測定光の反射
光は、被写体の形状に応じて基準の位置とずれて、形状
測定用対物レンズ146にて検知され、形状測定用イメ
ージガイド132により結像調節レンズ147まで導か
れる。
【0104】結像調節レンズ147は、結像調節レンズ
制御回路158の指示に基づいて焦点位置が変わるよう
になっていて、n組のテープ状ファイバ148束(1)
〜148(n)の入射側へ任意の拡大率で反射光を結像
させることができる。なお、この拡大率も測定倍率・位
置選択部157からの制御を受ける。
【0105】テープ状ファイバ148束(1)〜148
(n)の入射側へ結像された反射光は、出射側で集光さ
れ、n個の受光素子149(1)〜149(n)に導か
れる。各受光素子149(1)〜149(n)で受けた
微弱な反射光は、各テープ状ファイバや各受光素子のば
らつきを補正して同一特性になるように、増幅回路15
1(1)〜151(n)で増幅され、n個のチャンネル
を持つ比較器153で各増幅回路の出力の比較を行うこ
とにより、どの受光素子が反射光を検知したのかが特定
される。
【0106】比較器153からのデータ及び前記のポリ
ゴンミラー136とガルバノミラー138の回転角度と
回転速度が既知であることから求められるスポット測定
光の出射位置からレーザスポット検知回路154で測定
光を特定し、高さ情報計算回路155内に設けられてい
るLUTに予め測定済みである被写体との距離に応じた
スポット測定光の基準位置データを参照することによ
り、各反射光における高さを計算する。なお、LUTの
参照を用いる代わりに、被写体さの距離関係を事前に係
数としてもっておき、多項近似式による計算を用いても
良い。
【0107】そして、計算した高さ情報はフレームメモ
リ156にまとめて記憶され、ディスプレイ105に表
示される。
【0108】ディスプレイ105には、図10に示すよ
うに、計測できる範囲が、測定範囲指示枠161として
通常の2次元画像中にマーキングされている。
【0109】測定倍率・位置選択部157では、特に具
体的な入力方法(マウス等)は図示していないが、ユー
ザが選択した測定倍率・位置に応じて、前記のレーザ制
御回路133、ガルバノミラー制御回路137、ポリゴ
ンミラー制御回路140を制御することにより、スポッ
ト測定光の水平走査間隔・位置と垂直走査間隔・位置が
任意に変更される。
【0110】また、測定倍率・位置選択部157に連動
して、結像調節レンズ147からの出射光が常にテープ
状ファイバ束148(i)(i=1〜n)の全面を使用
するように結像調節レンズ制御回路158も制御され
る。
【0111】(効果)例えば、縦256×横256回の
スポット測定光走査を行うこととし、この場合、当然、
テープ状ファイバ束アレイ148の画素数も256×2
56に対応していることとする。
【0112】被写体全面を計測する場合にも被写体の一
部分を計測する場合にも、同じ回数の測定光が走査され
ると共にテープ状ファイバ束アレイ148の全面を使用
するように結像調節レンズ147が働くので、計測面積
が小さい程、単位面積当たりの分析能が向上することと
なる。
【0113】従って、ユーザが測定倍率・位置選択部1
57にて、倍率を選択すると、図10(a)の場合には
低解像度であるが、被写体の全面を測定することができ
る。
【0114】ところが、図10(b)の場合には高解像
度であるが、被写体中心の一部分をしか測定できないこ
とになる。しかしながら、スポット測定光の走査位置が
図10(c)のようにシフトすることができるので、内
視鏡にアングル走査などをかけて強引に測定範囲内に被
写体を入れることをしなくても良いので、どんな部位で
も測定ができるし、患者に苦痛を与えることが少なくな
る。
【0115】なお、本実施の形態では、三次元計測内視
鏡装置101の測定範囲を選択することにより自動的に
解像度が定まっていたが、例えば測定範囲と解像度を固
定として、スポット測定光の発生個数を減らせば、単位
時間当たりの反射光の入射時間が増えるので、被写体ま
での距離が遠くて反射光が弱い場合の検知も容易となる
し、解像度のこだわりなければ、計測時間を早くでき
る。
【0116】図11及び図12は本発明の第5の実施の
形態に係わり、図11は三次元計測内視鏡装置の構成を
示す構成図、図12は図11の三次元計測内視鏡装置の
作用を説明する説明図である。
【0117】第5の実施の形態は、第4の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0118】(構成)本実施の形態では、図11に示す
ように、第4の実施の形態の構成に加えて、フレームメ
モリ156に記憶されている画像を認識する画像認識部
171と、画像認識部171からのデータを保持する測
定位置保持部172と、測定位置保持部172に保持さ
れているデータと画像認識部171から送られてくるデ
ータを比較し両者が合致するように測定位置・倍率選択
部157を制御する測定位置追従部173が追加された
構成となっている。
【0119】その他の構成は第4の実施の形態と同じで
ある。
【0120】(作用)次に、このように構成された本実
施の形態の作用について説明する。
【0121】本実施の形態においては、画像認識部17
1では、フレームメモリ156に記憶されている画像か
ら粘膜や病変部の特徴を抽出し、測定位置保持部172
及び測定位置追従部173にその抽出データを送る。
【0122】測定位置保持部172では、図12(a)
に示すように、ユーザが測定したい場所を指示すると測
定範囲指示枠181を2重枠で示すと共に、その時の画
像認識部171から送られてくる抽出データを保持す
る。もちろん、測定範囲指示枠181は、2重枠でな
く、例えば枠の色が変わるようになっていても良い。
【0123】測定位置追従部173では、測定位置保持
部172に保持されている抽出データと画像認識部17
1から送られてくる画像の特徴である新たな抽出データ
とを比較し両者が合致するように、図12(b)に示す
ように、測定位置・倍率選択部157に測定位置をシフ
トするような指示を行うようになっている。
【0124】なお、本実施の形態の場合は、求めた3次
元形状から特徴を抽出するようになっているが、これに
限定するわけでなく、通常の2次元画像から特徴を抽出
しても良い、更に色の変化の具合から特徴を抽出するこ
とを加えても良い。
【0125】その他の作用は第4の実施の形態と同じで
ある。
【0126】(効果)このように本実施の形態では、第
4の実施の形態の効果に加え、一度計測する場所の指示
を行うと、計測場所が被写体の動きに追従して自動的に
移動するので、動きが早くて同じ位置を測りにくい場合
にも対応できる。
【0127】なお、測定位置保持部172において、保
持する被写体の抽出データに、患者のID.NOや測定
場所等のインデックスデータを付加して複数保持して選
択することにより、病変部の経過観察を行うときに指示
が簡単になるし、病変部の変化の具合も一目瞭然とな
り、非常に有効である。
【0128】[付記] (付記項1) 体腔内に挿入部を挿入し測定光を被写体
に投影する内視鏡と、前記内視鏡からの前記測定光の反
射光から前記被写体の形状を計測する三次元計測内視鏡
装置において、前記測定光を投影する測定光投影レンズ
の倍率と焦点を調節する倍率・焦点調節手段と、前記倍
率・焦点調節手段の設定値に応じて、前記被写体との距
離計算を行う距離計算手段とを備えたことを特徴とする
三次元計測内視鏡装置。
【0129】(付記項2) 前記距離計算手段は、複数
のルックアップテーブルを切り替えることにより計算を
行うことを特徴とする付記項1に記載の三次元計測内視
鏡装置。
【0130】(付記項3) 前記距離計算手段は、多項
近似式の複数の係数を切り替えることにより計算を行う
ことを特徴とする付記項1に記載の三次元計測内視鏡装
置。
【0131】(付記項4) 前記距離計算手段は、測定
する面積に応じて解像度を切り換えることを特徴とする
付記項1に記載の三次元計測内視鏡装置。
【0132】(付記項5) 前記距離計算手段は、解像
度に応じて計測時間を切り換ることを特徴とする付記項
1に記載の三次元計測内視鏡装置。
【0133】(付記項6) 前記倍率・焦点調節手段
は、前記挿入部内の筒に沿って設けた電子コイル手段で
あることを特徴とする付記項1に記載の三次元計測内視
鏡装置。
【0134】(付記項7) 前記倍率・焦点調節手段に
よる前記測定光投影レンズの倍率に応じた測定光の投影
範囲を画面上に表示する表示手段を備えたことを特徴と
する付記項1に記載の三次元計測内視鏡装置。
【0135】(付記項8) 前記測定光投影レンズの倍
率に応じて、前記測定光の投影範囲を任意に移動させる
投影範囲移動手段を備えたことを特徴とする付記項1に
記載の三次元計測内視鏡装置。
【0136】(付記項9) 前記投影範囲手段により前
記任意に移動させた前記測定光の投影範囲内にある前記
被写体を指定する指定手段と、前記被写体の形状もしく
は色調を認識する認識手段と、指定した被写体を追従す
るように前記測定光の投影範囲を移動する追従手段とを
備えたことを特徴とする付記項8に記載の三次元計測内
視鏡装置。
【0137】(付記項10) 前記指定手段は、指定さ
れたデータを複数保持すると共に、前記前記データに前
記データを識別するインデックスデータを付加し前記デ
ータを識別して選択することを特徴とする付記項9に記
載の三次元計測内視鏡装置。
【0138】(付記項11) 体腔内に挿入部を挿入し
測定光を被写体に投影する内視鏡と、前記内視鏡からの
前記測定光の反射光から前記被写体の形状を計測する三
次元計測内視鏡装置において、前記測定光の出射角度を
検知する検知手段と、前記測定光の出射角度の補正を行
う補正手段とを備えたことを特徴とする三次元計測内視
鏡装置。
【0139】(付記項12) 体腔内に挿入部を挿入す
る内視鏡と、前記内視鏡の鉗子チャンネルに挿入され測
定光を被写体に投影する測定光投影用プローブと、前記
測定光投影用プローブからの前記測定光の反射光から前
記被写体の形状を計測する三次元計測内視鏡装置におい
て、前記測定光投影用プローブに前記内視鏡の前記鉗子
チャンネル内壁を押さえつける部材を設けたことを特徴
とする三次元計測内視鏡装置。
【0140】(付記項13) 前記測定光を投影する測
定光投影レンズの倍率と焦点を調節する電子コイル手段
を備え、前記部材は、前記電子コイル手段による前記測
定光投影レンズの駆動と兼用して前記鉗子チャンネル内
壁を押さえつけることを特徴とする付記項12に記載の
三次元計測内視鏡装置。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように本発明の三次元計測
内視鏡装置によれば、倍率・焦点調節手段が測定光を投
影するレンズの倍率と焦点を調節し、距離計算手段が倍
率・焦点調節手段の設定値に応じて、被写体との距離計
算を行うので、常に最適な測定光の供給と任意の解像度
での測定を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る三次元計測内
視鏡装置の構成を示す構成図
【図2】図1の測定光調節レンズ系の構成を示す構成図
【図3】図2の測定光調節レンズ系の長手方向断面を示
す断面図
【図4】図1の三次元計測内視鏡装置の作用を説明する
説明図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡先端部
内の要部の構成を示す構成図
【図6】図5の制御部の構成を示す構成図
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る計測用プロー
ブ先端部内の要部の構成を示す構成図
【図8】図7の測定光調節レンズ系の断面を示す断面図
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る三次元計測内
視鏡装置の構成を示す構成図
【図10】図9の三次元計測内視鏡装置の作用を説明す
る説明図
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る三次元計測
内視鏡装置の構成を示す構成図
【図12】図11の三次元計測内視鏡装置の作用を説明
する説明図
【符号の説明】
1…三次元計測内視鏡装置 2…挿入部 3…観察部位 4…内視鏡 5…観察用照明光源 6…測定光投影光源 7…信号処理装置 8…観察用ライトガイド 9…ランプ 10…モータ 11…回転フィルタ 12…測定光伝送用イメージガイド 13…観察用照明レンズ 14…測定用照明レンズ 15…測定光調節レンズ系 16…駆動部 17…対物調節レンズ系 18…固体撮像素子 19…プロセス回路 20、21…駆動回路 22…同期回路 23…A/D変換器 24…マルチプレクサ 25…R用メモリ 26…G用メモリ 27…B用メモリ 28…計測用メモリ 29…映像信号処理回路 30、33…ディスプレイ 31…D/A変換器 32…測定処理回路 34…三次元映像処理回路 35…測定倍率選択部 36…第1LUT 37…第2LUT 38…第3LUT 39…LUT選択部 41…固定部材 42…電磁コイル 43…可動部材 44…レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 23/24 G02B 23/24 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入部を挿入し測定光を被写体
    に投影する内視鏡と、前記内視鏡からの前記測定光の反
    射光から前記被写体の形状を計測する三次元計測内視鏡
    装置において、 前記測定光を投影する測定光投影レンズの倍率と焦点を
    調節する倍率・焦点調節手段と、 前記倍率・焦点調節手段の設定値に応じて、前記被写体
    との距離計算を行う距離計算手段とを備えたことを特徴
    とする三次元計測内視鏡装置。
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