JPH10322207A - 歪み低減方法、歪み低減装置並びに情報記録媒体 - Google Patents

歪み低減方法、歪み低減装置並びに情報記録媒体

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JPH10322207A
JPH10322207A JP13927397A JP13927397A JPH10322207A JP H10322207 A JPH10322207 A JP H10322207A JP 13927397 A JP13927397 A JP 13927397A JP 13927397 A JP13927397 A JP 13927397A JP H10322207 A JPH10322207 A JP H10322207A
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JP
Japan
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audio signal
data
digital audio
histogram
digital
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JP13927397A
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English (en)
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Keiji Matsunaga
圭司 松永
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Nippon Columbia Co Ltd
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Nippon Columbia Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、もとのヒストグラム自体が0LS
B近傍の突出が少なくなるようにすることにより、求め
られる正規化したレベル分布データの精度を向上させ、
旧ディジタルオーディオ信号の歪みを低減した新ディジ
タルオーディオ信号を提供することを目的とする。 【解決手段】 ディジタルオーディオ信号の微小変動区
間のサンプルを除去してからヒストグラムデータを求
め、ヒストグラムデータにデータ処理を施して理想ヒス
トグラムデータとして推定し、データ処理前のヒストグ
ラムデータを前記理想ヒストグラムデータで除算し正規
化したレベル分布データから変換テーブルを作成し、前
記変換テーブルにもとづい前記ディジタルオーディオ信
号を変換し新ディジタルオーディオ信号として出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ/ディジ
タル変換(以下A/D変換という。)器を用いてアナロ
グオーディオ信号をディジタルオーディオ信号にA/D
変換した時に発生したディジタルオーディオ信号のA/
D変換器の直線性誤差(以下A/D変換誤差という)に
よる歪み(以下A/D変換歪みという)を低減する歪み
低減方法、歪み低減装置並びに情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルオーディオの創世期の頃、例
えば、13ビットあるいは14ビットという低い量子化
ビット数のA/D変換器(以下旧A/D変換器という)
を使用してディジタルオーディオ信号を生成していた。
この旧A/D変換器を使用して記録したディジタルオー
ディオ信号(以下旧ディジタルオーディオ信号という)
には、歪みが含まれている。
【0003】この歪みは、アナログオーディオ信号から
ディジタルオーディオ信号にA/D変換するA/D変換
器の量子化ビット数によって決まる量子化誤差と、 A
/D変換の直線性誤差に起因するA/D変換誤差であ
る。
【0004】現在のA/D変換器(以下旧A/D変換器
と区別し、A/D変換器という)の量子化ビット数が1
6ビットあるいは20ビットであることと比較しても、
旧ディジタルオーディオ信号を用いてオーディオ再生す
ると量子化ノイズを多く含んでいると感じられる。ま
た、A/D変換器の直線性誤差が向上していることから
も、旧ディジタルオーディオ信号を用いてオーディオ再
生するとA/D変換歪みも多いと感じられる。
【0005】しかし、旧ディジタルオーディオ信号の中
には、クラッシック等における貴重な演奏などがあり、
旧ディジタルオーディオ信号の音質を向上させたいとい
う要請がある。したがって、旧ディジタルオーディオ信
号の音質を向上させるため量子化ノイズの低減とA/D
変換歪みの低減が必要となる。本願発明では特にA/D
変換歪みを低減したディジタルオーディオ信号を得るこ
とを主な目的としている。
【0006】この場合、旧ディジタルオーディオ信号の
記録時に使用した旧A/D変換器の特性を測定し、その
特性に基づいてA/D変換誤差の補正をすることが可能
である。しかし、旧A/D変換器は現存しないことが多
く、旧A/D変換器の特性を検出することはできない。
また、旧A/D変換器が現存したとしても、一般的にA
/D変換器の特性は経時変化するので、旧A/D変換器
の現在の特性と当時の特性は異なる。
【0007】このように、従来では、過去の記録時に用
いられた旧A/D変換器が現存するか否かにかかわら
ず、旧ディジタルオーディオ信号のA/D変換誤差を正
確に検出することは困難であり、A/D変換歪みを低減
することができなかった。
【0008】また、旧ディジタルオーディオ信号からA
/D変換誤差を推定することも困難であった。たとえ
ば、一般に、ディジタルオーディオ信号からA/D変換
誤差を推定する装置として、正弦波ヒストグラム法を用
いる測定装置が一般に知られている。
【0009】しかし、この測定装置では、歪みのない正
弦波を被測定対象のA/D変換器に入力し、ヒストグラ
ムを得て、そのヒストグラムを用いてA/D変換誤差を
測定するものであって、ディジタルオーディオ信号のよ
うな正弦波と相違する信号源の場合、A/D変換誤差を
推定することはできなかった。また、旧A/D変換器が
現存しないか、または、A/D変換特性が経時変化して
いるので正弦ヒストグラム法は有効でなかった。
【0010】そこで、A/D変換歪みを有する旧ディジ
タルオーディオ信号から、旧A/D変換器のA/D変換
誤差を推定し、旧ディジタルオーディオ信号に含まれる
A/D変換歪みを低減するように旧ディジタルオーディ
オ信号を補正する歪み低減方法及び歪み低減装置の開発
が行われている。
【0011】図10は従来の歪み低減装置の構成図であ
る。A/D変換誤差が大きい旧A/D変換器1により変
換された旧ディジタルオーディオ信号が記録媒体2に記
録されている。記録媒体2は、磁気テープや光ディスク
など各種情報記録媒体である。切替手段3は、記録媒体
2から読み出された旧ディジタルオーディオ信号の出力
を切り替え、記憶手段4とデータ置換手段5へ出力す
る。まず、記憶手段4へ旧ディジタルオーディオデータ
を出力する。
【0012】記憶手段4は、固体メモリ、ハードディス
ク等であり、この切替手段3から入力された旧ディジタ
ルオーディオ信号を記憶する。出現度数検出手段7は、
この記憶手段4から旧ディジタルオーディオ信号を読み
出し、旧ディジタルオーディオ信号のレベル分布を、ヒ
ストグラム(以下ヒストグラムという)として検出す
る。
【0013】ヒストグラムは、横軸の変数としてディジ
タルコードを、また、縦軸の変数としてディジタルコー
ドの出現度数をそれぞれ用い、一定期間に出現する全サ
ンプルについてディジタルコードの出現度数を示したも
のである。
【0014】ここで、ディジタルコードについて説明す
る。ディジタルオーディオ信号の量子化レベルは、1と
0の2進法を用い、複数のビットで表現している。ビッ
ト数を多くすることにより、より細かな振幅レベルを表
現することができる。例えば、2進法の13ビットで表
現された振幅レベルを、10進法になおすと、一409
6LSB乃至4095LSBの範囲で表わすことができ
る。ここにLSBとは、(Least Significant Bit)の
略であり、A/D変換器の最も小さな単位ビットの振幅
を示す。
【0015】この振幅レベルを、ディジタルコードとし
て表わしている。0LSBのディジタルコードとは、ア
ナログ信号における振幅レベルが0であることを表わ
し、ディジタルコードの絶対値が大きくなるに従って、
アナログオーディオ信号における振幅レベルが大きいこ
とを表わしている
【0016】図11に旧A/D変換器1により変換され
た旧ディジタルオーディオ信号から作成したヒストグラ
ムを示す。図11に示すヒストグラムにおける出現度数
は、ディジタルコード0LSBを中心として、正方向、
負方向にほぼ対称になっており、ディジタルコード0L
SBのとき出現度数が高く、ディジタルコードが正方向
に大きくなるに従い、また、ディジタルコードが負方向
に小さくなるに従い、出現度数が徐々に低くなる。ま
た、旧A/D変換器のA/D変換誤差によるノイズ成分
も多く含まれている。このようなヒストグラムの特徴
は、入力されたディジタルオーディオ信号それぞれに固
有のものである。ここに突出した部分は旧A/D変換器
のA/D変換誤差によるノイズ成分であることを示して
いる。
【0017】正規化手段8は、前記出現度数検出手段7
で検出されたヒストグラムに対しデータ処理を施す。具
体的にはヒストグラムデータを用いて移動平均によるロ
ーパスフィルタリング処理を行う。このローパスフィル
タリング処理により、ヒストグラムからA/D変換器に
誤差が無い場合のディジタルオーディオ信号から作成し
た理想的なヒストグラム(以下理想ヒストグラムとい
う)に近似され、理想ヒストグラムデータが生成され
る。
【0018】図12に理想ヒストグラムを示す。この理
想ヒストグラムにおいて、急激に出現度数が大きくなる
ディジタルコード、または、急激に出現度数が小さくな
るディジタルコードが、ローパスフィルタリング処理に
より除去されている。そして、正規化手段8は、ローパ
スフィルタリング処理がなされる前のヒストグラムデー
タを前記理想ヒストグラムデータで除算し、正規化した
レベル分布データとして算出する。
【0019】変換テーブル算出手段9は、正規化手段8
で正規化されたレベル分布データからディジタルコード
毎に対する変換テーブルを算出しデータ置換手段5の図
示しないメモリに記憶する。データ置換手段5は、記録
媒体2から読み出された旧ディジタルオーディオ信号の
ディジタルコードから前記変換テーブルにしたがって旧
ディジタルオーディオ信号を置換し、新ディジタルオー
ディオ信号を生成し、データ置換手段5から出力される
というものである。
【0020】しかし、楽曲によっては、ある信号レベル
の区間が連続して現れることがあり、図11のヒストグ
ラムに示すように突出した部分が現れる。例えば、クラ
ッシックにおいてラベルが作曲したボレロなどでは0L
SB近傍の低い信号レベルが連続するため、0LSB近
傍の山が高くなり、また、0LSB近傍に突出部が出現
する。また、0LSB近傍に限らず、楽曲に依存して出
現する信号レベルの変動が少ない区間(以下、微小変動
区間という)があると突出部が出現する。
【0021】このようにヒストグラムに突出部がある場
合、旧A/D変換器のA/D変換誤差による突出部か楽
音に特有の微小変動区間による突出部か区別できず、ロ
ーパスフィルタリング処理がなされる前のヒストグラム
データを前記理想ヒストグラムデータで除算して得た正
規化したレベル分布データが、旧A/D変換器のA/D
変換誤差以外の楽音特有の突出部により影響される。こ
のため正規化したレベル分布データを改善する余地があ
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微小変動区
間に含まれるディジタルコードをヒストグラムに加えず
に楽音特有の微小変動区間による突出部を除去し、A/
D変換誤差による突出部のみを残したヒストグラムを用
いることにより、正規化したレベル分布データが、旧A
/D変換器のA/D変換誤差以外の楽音特有の突出部に
より影響されるのを防止し、旧ディジタルオーディオ信
号の歪みを低減した新ディジタルオーディオ信号を提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の歪み低減方法では、ディジタルオ
ーディオ信号の複数サンプルのディジタルコードの中か
ら最大ディジタルコードと最小ディジタルコードの差分
データを求め、該差分データが予め定められた範囲内に
あるときサンプルが微小変動区間にあると決定し、該微
小変動区間にあるサンプルを前記ディジタルオーディオ
信号から除去して微小変動区間サンプル除去済みディジ
タルオーディオ信号を生成し、該微小変動区間サンプル
除去済みディジタルオーディオ信号を用いてディジタル
コードの出現度数のヒストグラムをヒストグラムデータ
として算出し、該ヒストグラムデータに平滑化処理を施
して変換誤差のないA/D変換器によるディジタルオー
ディオ信号の理想ヒストグラムを理想ヒストグラムデー
タとして算出し、平滑化処理がなされる前のヒストグラ
ムデータを前記理想ヒストグラムデータで除算して正規
化したレベル分布データを作成し、正規化したレベル分
布データに基づいて変換テーブルを作成し、前記変換テ
ーブルに基づいて前記ディジタルオーディオ信号を変換
して出力することを特徴とする。
【0024】また、請求項2に記載の歪み低減装置で
は、ディジタルオーディオ信号の複数サンプルのディジ
タルコードの中から求められた最大ディジタルコードと
最小ディジタルコードの差分データが予め定められた範
囲内にある微小変動区間にあるサンプルを前記ディジタ
ルオーディオ信号から除去して微小変動区間サンプル除
去済みディジタルオーディオ信号を生成する微小変動区
間除去手段と、前記微小変動区間サンプル除去済みディ
ジタルオーディオ信号を用いてディジタルコードの出現
度数のヒストグラムをヒストグラムデータとして算出す
る出現度数検出手段と、前記ヒストグラムデータに平滑
化処理を施して変換誤差のないA/D変換器によるディ
ジタルオーディオ信号の理想ヒストグラムを理想ヒスト
グラムデータとして算出し平滑化処理がなされる前のヒ
ストグラムデータを前記理想的なヒストグラムデータに
より除算して正規化したレベル分布データを作成する正
規化手段と、前記正規化したレベル分布データに基づい
て変換テーブルを算出する変換テーブル算出手段と、前
記変換テーブルに基づいて前記ディジタルオーディオ信
号を変換して出力するデータ置換手段を備えたことを特
徴とする。
【0025】また、請求項3記載の情報記録媒体では、
ディジタルオーディオ信号の複数サンプルのディジタル
コードの中から最大ディジタルコードと最小ディジタル
コードの差分データを求め、該差分データが予め定めら
れた範囲内にあるときサンプルが微小変動区間にあると
決定し、該微小変動区間にあるサンプルを前記ディジタ
ルオーディオ信号から除去して微小変動区間サンプル除
去済みディジタルオーディオ信号を生成し、該微小変動
区間サンプル除去済みディジタルオーディオ信号を用い
てディジタルコードの出現度数のヒストグラムをヒスト
グラムデータとして算出し、該ヒストグラムデータに平
滑化処理を施して変換誤差のないA/D変換器によるデ
ィジタルオーディオ信号の理想ヒストグラムを理想ヒス
トグラムデータとして算出し、平滑化処理がなされる前
のヒストグラムデータを前記理想ヒストグラムデータで
除算して正規化したレベル分布データを作成し、正規化
したレベル分布データに基づいて変換テーブルを作成
し、前記変換テーブルに基づいて前記ディジタルオーデ
ィオ信号を変換して生成したディジタルオーディオ信号
を記録したことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例の歪み
低減装置のブロック図を、図2は、理想的なA/D変換
器の変換特性を示す特性図を、図3は、変換誤差がある
旧A/D変換器の変換特性を示す特性図を、図4は、微
小変動区間にあるサンプルを除去したディジタルオーデ
ィオ信号(以下微小変動区間サンプル除去済みディジタ
ルオーディオ信号という。)を用いて生成したヒストグ
ラムを、図5乃至図7は変換テーブルを説明する図をそ
れぞれ示す。
【0027】図8は、本発明の実施例の歪み低減方法及
び歪み低減装置の微小変動区間除去手段の処理動作を説
明するためのフローチャートを、図9は、微小変動区間
サンプル除去済みディジタルオーディオ信号を用いて生
成した理想ヒストグラムを、それぞれ示す。以下、図1
から図9を用いて本発明の実施例の歪み低減方法、歪み
低減装置並びに情報記録媒体について説明する。また、
従来の技術と同一の構成部は、同じ番号を付し説明を簡
略にする。
【0028】図1は本発明の一実施例の歪み低減装置の
ブロック図である。A/D変換誤差が大きい旧A/D変
換器1により変換された旧ディジタルオーディオ信号が
記録媒体2に記録されている。切替手段3は、記録媒体
2から読み出された旧ディジタルオーディオ信号の出力
を切り替え、記憶手段4とデータ置換手段5へ出力す
る。
【0029】記憶手段4は、この切替手段3から入力さ
れた旧ディジタルオーディオ信号を記憶する。微小変動
区間除去手段6は、記憶手段4から旧ディジタルオーデ
ィオ信号を読み出し、ディジタルオーディオ信号の連続
する複数サンプルにおいてサンプル毎に決定されるディ
ジタルコードの中から最大ディジタルコードと最小ディ
ジタルコードの差分データを求め、該差分データが予め
定められた範囲内にあるときサンプルが微小変動区間に
あると決定し、該微小変動区間にあるサンプルを前記デ
ィジタルオーディオ信号から除去して微小変動区間サン
プル除去済みディジタルオーディオ信号を生成する。こ
の微小変動区間のサンプルの除去については後述する。
【0030】出現度数検出手段7は、この微小変動区間
除去手段6から前記微小変動区間サンプル除去済みディ
ジタルオーディオ信号を読み出し、ヒストグラムデータ
として検出する。正規化手段8は、出現度数検出手段7
で検出されたヒストグラムデータに対しデータ処理を施
す。具体的にはヒストグラムデータを用いて移動平均に
よるローパスフィルタリング処理である。
【0031】このローパスフィルタリング処理は理想ヒ
ストグラムを推定し、理想ヒストグラムデータを生成す
る処理である。そして、正規化手段8は、ディジタルコ
ードが同じ値のヒストグラムデータと理想ヒストグラム
データとを取り出し、ヒストグラムデータを理想ヒスト
グラムデータで除算したものをすべてのディジタルコー
ドについて求め、正規化したレベル分布データとして検
出する。
【0032】変換テーブル算出手段9は、正規化手段8
で正規化されたレベル分布データを用いてディジタルコ
ード毎に対する変換テーブルを作成しデータ置換手段5
の図示しないメモリに記憶する。データ置換手段5は、
記録媒体2から読み出された旧ディジタルオーディオ信
号のディジタルコードを前記変換テーブルにしたがって
置換して生成したディジタルオーディオ信号(以下、旧
ディジタルオーディオ信号と対比するため新ディジタル
オーディオ信号という。)
【0033】次に各ブロックにおいて旧ディジタルオー
ディオ信号から新ディジタルオーディオ信号が生成され
る過程を説明する。まず図2に示すように理想的なA/
D変換特性(入出力特性)とは、入力されるアナログオ
ーディオ信号に対し出力されるディジタルオーディオ信
号の量子化レベルの幅が一定になる特性である。
【0034】しかし、A/D変換器にA/D変換誤差が
ある場合には、A/D変換特性(入出力特性)は、図3
に示すように入力されるアナログオーディオ信号に対し
出力されるディジタルオーディオ信号の量子化レベルの
幅が一定とならない。
【0035】図3において、旧ディジタルオーディオ信
号のディジタルコードがbのとき出現度数が多く、ディ
ジタルコードがcのとき出現度数が少なくなる。このよ
うに出現度数に大小が生じている。旧ディジタルオーデ
ィオ信号はこのようなA/D変換誤差を含む信号であ
る。この旧ディジタルオーディオ信号が記録媒体2、切
替手段3及び記憶手段4を経て微小変動区間除去手段6
へ入力される。
【0036】微小変動区間除去手段6の動作を説明す
る。時間tにおけるあるサンプルのディジタルコードを
i(t)とする。微小変動区間除去手段6には図示しない
メモリが設けられており、M個のサンプルのディジタル
オーディオ信号のディジタルコードi(t+kT)(ただしT
はサンプリング周期、k=0、1、2、・・・、M-1、)と対応する
M個のフラグF(t+kT)(ただしTはサンプリング周期、k
=0、1、2、・・・、M-1、)を記憶する領域をメモリに確保す
る。
【0037】具体的には、i(t)、i(t+T)、・・・、i(t+(M-
1)T)のM個のディジタルコードとM個のフラグF(t)、F
(t+T)、・・・、F(t+(M-1)T)となる。これらM個のサンプル
のディジタルオーディオ信号を記憶手段4から読み込む
と同時にフラグをリセットし、フラグの初期値を全て0
にする。
【0038】次に微少変動区間を求める。微少変動区間
とは、連続するM個のサンプルにわたりディジタルオー
ディオ信号のディジタルコードi(t)の最大ディジタル
コードと最小ディジタルコードの差分が所定の値B以内
にある区間、すなわち、微小な変動が連続する区間であ
る。この値Bは微小な振動と定義される振幅の上限値で
あり、Mは微小変動区間として検出すべき最小の区間で
ある。
【0039】このMサンプルのディジタルオーディオ信
号の最大ディジタルコードimaxと最小ディジタルコー
ドiminを求める。 imax=max(i(t)、i(t+T)、i(t+2T)・・・i(t+(M-1)T)) imin=min(i(t)、i(t+T)、i(t+2T)・・・i(t+(M-1)T)) そして、imax−imin>Bが真ならフラグF(t+T)乃至
F(t+MT)の値は0のままにし、imax−imin>Bが偽な
らフラグF(t+T)乃至F(t+MT)に全て1を代入する。
【0040】ここに、フラグが1のディジタルコードの
サンプルを全て除いた微小変動区間サンプル除去済みデ
ィジタルオーディオ信号を生成する。そして、nをイン
クリメントしてn=n+1とし、微小変動が連続するデ
ィジタルオーディオ信号を除去する動作を繰り返して微
小変動区間サンプル除去済みディジタルオーディオ信号
を生成し、微小変動区間除去手段6から微小変動区間サ
ンプル除去済みディジタルオーディオ信号が出力され
る。
【0041】微小変動区間の検出感度について説明す
る。前記の数値Bが小さくなる、あるいは、前記の数値
Mが大きくなるにしたがって、検出感度が低くなる。ま
た、数値Bが大きくなる、あるいは、数値Mが小さくな
るにしたがって、検出感度が高くなる。しかし、検出感
度を高くしすぎると、ヒストグラムに集計される測定用
のサンプルが減少するためヒストグラムの精度が低下す
る。最適な値は、実験の結果Bは3LSBから20LS
B程度までに設定するのが好ましく、また、Mは約20
サンプル以上80サンプル以下の範囲に入る値に設定す
るのが好ましいことが判っている。
【0042】出現度数検出手段7は、前記微小変動区間
除去手段6から前記微小変動区間サンプル除去済みディ
ジタルオーディオ信号を読み出し、ヒストグラムを作成
する。実際にはデータ処理を行うため、ヒストグラムは
ヒストグラムデータとして生成される。図4に微小変動
区間サンプル除去済みディジタルオーディオ信号を用い
て生成したヒストグラムを示す。図11に示すヒストグ
ラムと比較して、微小変動区間による突出部が除去さ
れ、旧A/D変換器によるA/D変換誤差による突出部
が残ったヒストグラムである。
【0043】図4のヒストグラムにおいて、特に0LS
B近傍の突出部が減少している。これは0LSB近傍に
微小変動区間が出現する確率が大きいことも一因となっ
ている。ここで従来技術において、図12の理想ヒスト
グラムに示したようにローパスフィルタリング処理によ
り0LSB近傍のヒストグラムの山の高さは、図11の
ヒストグラムの山の高さと比較しても著しく低くなり、
理想ヒストグラムは滑らかになり過ぎてしまう。
【0044】このため、正規化手段8が、ローパスフィ
ルタリング処理がなされる前のヒストグラムデータを前
記理想ヒストグラムデータで除算して得た正規化したレ
ベル分布データが、ヒストグラムと理想ヒストグラムと
の0LSB近傍の山の高さの差により0LSB近傍で偏
りが生じるという問題点もある。このため0LSB近傍
の正規化したレベル分布データを改善する必要がある。
【0045】このような正規化したレベル分布データの
0LSB近傍における誤差を減少させ精度を向上させた
いという要請にも、本発明は応えることができる。もと
のヒストグラム自体が楽曲に依存して微小変動区間を多
く含み、0LSB近傍が突出するようなとき、0LSB
近傍に集中するディジタルコードをヒストグラムに加え
ないでヒストグラムを作成し、元のヒストグラム自体の
0LSB近傍に突出する山を低くする。このヒストグラ
ムは、0LSB近傍の山が滑らかなため、ローパスフィ
ルタリング処理を行ってもヒストグラムと理想ヒストグ
ラムの0LSB近傍の山の高さがほぼ同じになり、求め
られる正規化したレベル分布データが0LSB近傍ばど
特定の部分に偏りを生じないようにして精度を向上させ
るという効果も有する。
【0046】出現度数検出手段7におけるヒストグラム
データの算出と実際のデータ構造について説明する。出
現度数検出手段7は、ディジタルコード自体をアドレス
とし、そのアドレスに対応したデータをヒストグラムの
データとして図示しないメモリに記憶している。
【0047】出現度数検出手段7は、記憶手段2から微
小変動区間サンプル除去済みディジタルオーディオ信号
をサンプル毎に読み出し、このサンプルのディジタルコ
ードに基づいてメモリにアクセスし、前記メモリに記憶
してあるデータに1を加算し、1を加算した値を同じア
ドレスのところに書き込む。この処理を予め定められた
サンプル分について繰り返し行なう。これにより、ディ
ジタルコード毎の累積回数、すなわち、出現度数が求め
られ、ヒストグラムデータとしてメモリに蓄積される。
【0048】サンプル数が多いほど、ヒストグラムの精
度が向上する。例えば、比較的レベルの高い部分が連続
した2,500,000サンプルを用いると、良好なヒ
ストグラム分布を得ることができる。このヒストグラム
データの算出する出現度数検出手段7は、ディジタルカ
ウンタ回路、または、プログラムで実現することが可能
である。
【0049】正規化手段8は、出現度数検出手段7で検
出されたヒストグラムデータを用いてローパスフィルタ
リング処理を施す。このローパスフィルタリング処理に
より理想ヒストグラムを推定するとともに理想ヒストグ
ラムデータを生成する。そして、正規化手段8は、ディ
ジタルコードが同じ値のヒストグラムデータと理想ヒス
トグラムデータとを取り出し、ヒストグラムデータを理
想ヒストグラムデータで除算したものをすべてのディジ
タルコードについて求め、正規化したレベル分布データ
として検出する。
【0050】微小変動区間サンプル除去済みディジタル
オーディオ信号のディジタルコードiの出現度数をg
(i)、量子化ビット数をn、移動平均フィルタなどの
ローパスフィルタの平均をとるサンプル数をm(m:奇
数)とすると、正規化手段7は、正規化した値N(i)
を、
【数1】 から算出する。ここで、c(j)は、
【数2】 を満たす窓関数である。
【0051】換言すれば、上記g(i)は、窓関数c
(j)の移動平均フィルタを示している。また、移動平
均法では、平滑化波形の両端部分の計算が不可能なた
め、また、平滑化波形の両端部分は、音楽レベルが大き
い部分であり、実際には、そのような大きなレベルは存
在しないため、無視できるため、上式数2において、平
滑化波形の両端部分のサンプルに相当する(m−1)/
2を、ディジタルコードiの範囲から除外している。
【0052】このように正規化手段8は、微小変動区間
サンプル除去済みディジタルオーディオ信号のディジタ
ルコードiの出現度数g(i)に対して、移動平均フィ
ルタを用い、近傍の値との平均値を計算することによ
り、ディジタルオーディオ信号のディジタルコードiの
出現度数g(i)を理想的な出現度数に近似し、正規化
を行なう。これにより、楽曲の種類による固有の理想ヒ
ストグラムを算出し、正規化したレベル分布データを求
めることができる。
【0053】変換テーブル算出手段9は、具体的には、
正規化手段8で上記のように求めた正規化されレベル分
布データN(i)を、
【数3】 のように積算し、変換テーブルデータT(i)を求め、
これを例えば変換テーブル算出手段9のテーブル変換用
メモリに格納するようになっている。
【0054】前出の図2に示すような理想的なA/D変
換特性(入出力特性)は、入力されるアナログオーディ
オ信号に対し出力されるディジタルオーディオ信号の量
子化レベルの幅が一定になる特性である。しかし、A/
D変換器に変換誤差がある場合には、A/D変換特性
(入出力特性)は、図3に示すように入力されるアナロ
グオーディオ信号に対し出力されるディジタルオーディ
オ信号の量子化レベルの幅が一定でない特性である。
【0055】図3において、レベルbの部分は出現頻度
が多く、レベルcの部分は出現頻度が少なくなる。正規
化したレベル分布データN(i)は、出力ディジタルコ
ードa、出力ディジタルコードb、・・・、出力ディジ
タルコードfにそれぞれ入力レベル幅A、入力レベル幅
B、・・・、入力レベル幅Fが対応していることを示し
ている。
【0056】例えば、出力ディジタルコードbは、入力
レベル幅Bの中央値であり、 N(b)=(A+B)/2 が代表値となる。同様に、出力ディジタルコードcは、 N(c)=(A+B)/2+(B+C)/2 となり、また、出力ディジタルコードdは、 N(d)=(A十B)/2+(B+C)/2+(C+
D)/2 となる。
【0057】数3は、このようなN(i)の積算処理を
表わしている。なお、変換テーブルデータT(i)=N
(i)とした場合は、N(i)の値を積算していないた
め、正しいT(i)の値が求まらない。 つまり、N
(i)は、図5に示すように、階段の横幅に相当し、求
めるT(i)は、図6に示す階段の中央値となる。しか
し、T(i)=N(i)とした場合、N(i)を積算し
ないために、図7に示すようになる。N(i)を積算し
ているため、正しいT(i)が求まる。
【0058】そして、データ置換手段5は、記録媒体2
から読み出された旧ディジタルオーディオ信号のディジ
タルコードiに対応した変換テーブルデータT(i)
を、数4を用いて求めた変換テーブルから割り出し、T
(i)を、歪み補正した新ディジタルオーディオ信号と
して出力する。
【0059】具体的に述べると、変換テーブル算出手段
8によって算出される変換テーブルデータT(i)は、
量子化レベルを表わすディジタルコードi自体をアドレ
スとして、そのアドレスに対応させてテーブル変換用メ
モリに格納されるようになっている。
【0060】この場合、データ置換手段5は、記録媒体
2から読み出された旧ディジタルオーディオ信号のディ
ジタルコードiをアドレスとし、そのアドレス(ディジ
タルコードi)に対応した変換テーブルデータT(i)
をテーブル変換用メモリから読み出して、これを歪み補
正されたディジタルオーディオ信号として出力すること
になる。
【0061】このように、本発明の実施例では、旧ディ
ジタルオーディオ信号のヒストグラムから、旧A/D変
換器のA/D変換誤差を検出し、その検出したA/D変
換誤差から変換テーブルを算出し、旧ディジタルオーデ
ィオ信号に対してテーブル変換処理を行ない、旧A/D
変換器の変換誤差によって発生した歪みを補正する。ま
た、図1の構成例では、例えば、変換テーブルT(i)
のビット長を、入力データのビット長よりも大きくする
ことによって、ビット長の拡張(例えば、13ビットか
ら16ビットへの拡張)を行なうことも可能である。
【0062】具体的に、13ビット信号の取り得る値
を、
【数4】 まで、すなわち、−4096LSB〜+4095LSB
とすると、テーブル変換後の信号は、演算により小数点
以下の値が発生する。例えば、ヒストグラムg(i)
が、 g(0)=100LSB g(1)=150LSB g(2)=50LSB g(3)=100LSB の場合、ローパスフィルタ処理を施した後のヒストグラ
ムデータh(i)を h(0)=h(1)=h(2)=h(3)=100 とする。
【0063】このヒストグラムデータh(i)は、ロー
パスフィルタの公式から
【数5】 のように求められる。
【0064】そして、N(i)=g(1)/h(i)よ
り、 N(0)=100/100=1.0LSB N(1)=150/100=1.5LSB N(2)=50/100=0.5LSB N(3)=100/100=1.0LSB
【0065】そして、数3より、 N(0)=0.0 N(1)=0.0+(1.0+1.5)/2=1.25
LSB N(2)=1.25+(1.5+0.5)/2=2.2
5LSB N(3)=2.25+(0.5+1.0)/2=3.0
LSB となり、テーブル変換により、小数点以下の値が発生す
る。この小数点以下の値が下位ビットであり、どの値ま
で出力するかにより、任意のビット長の信号に変換する
ことができる。
【0066】次に、図1の歪み低減方法及び歪み低減装
置の各種処理動作のうち微小変動区間除去手段の処理動
作を図8のフローチャートを用いて説明する。ステップ
S1は、開始である。ステップS2では、記録媒体2か
ら読み出す旧ディジタルオーディオ信号の測定用のサン
プル数aを初期値として設定する。
【0067】ステップS3では、各サンプル毎に割り振
られた微小変動区間を示すフラグの初期値をすべて0に
する。ステップS4では、旧ディジタルオーディオ信号
の測定用のサンプルを読み出し、記憶手段2に入力す
る。
【0068】ステップS5では、微小変動区間除去手段
6が記憶手段2から一定期間Tに含まれ測定用のサンプ
ルを読み出し、ある一定期間におけるサンプルの最大デ
ィジタルコードと最小ディジタルコードを求める。ステ
ップS6では、最大ディジタルコードと最小ディジタル
コードの差分データから微小変動区間に相当するか否か
を検出する。もし微小変動区間に相当するならばステッ
プS7に進む。相当しないならばステップS8に進む。
【0069】ステップS7では、微小変動区間にあるサ
ンプルのフラグをすべて1に設定する。ステップS8で
は、フラグが1に設定されている旧ディジタルオーディ
オ信号のサンプルを除いた微小変動区間サンプル除去済
みディジタルオーディオ信号を作成する。
【0070】ステップS9では、記録媒体2から出力さ
れた旧ディジタルオーディオ信号の測定用のサンプル数
がaを越えたか否かを判定する。もしaを越えたならば
ステップ10へ進み、aを越えていないならばステップ
S2の先頭にジャンプして戻る。ステップS10では、
微小変動区間サンプル除去済みディジタルオーディオ信
号を出力する。ステップS11は、終了である。
【0071】図9は微小変動区間サンプル除去済みディ
ジタルオーディオ信号を用いて生成した理想ヒストグラ
ムである。図4のヒストグラムと比較しても0LSB近
傍の出現度数の突出が減少し、ほぼ出現頻度が同じにな
っている。
【0072】このように、音楽ソースの記録時に用いた
旧A/D変換器が、現存していない、または、変換特性
が変化している場合、旧記録ソースからA/D変換誤差
がない元の音楽ソースの状態を推定し、入力されたデー
タを正しいと推定されるデータに置換して、A/D変換
誤差が生じた音楽ソースを補正することができる。
【0073】図1乃至図9を用いて説明した本実施例で
は、切替手段1は、記録媒体2からのディジタルオーデ
ィオ信号を変換誤差を検出する処理のために記憶手段4
に出力した後、再度同じディジタルオーディオ信号を記
録媒体2から読み出してデータ置換手段5に出力するも
のとなっている。
【0074】しかし、本発明は、この処理に限定される
ものではない。例えば、旧ディジタルオーディオ信号の
すべてを切替手段3を介して記憶手段4にまず記憶し、
しかる後、切替手段3を介し、記憶手段2からの出力
を、直接、データ置換手段5に与える構成としてもよ
い。
【0075】また、例えば、データ置換手段5の前段に
遅延手段を設け、切替手段3は、記録媒体2から読み出
したディジタルオーディオ信号を記憶手段4と前記遅延
手段とに同時に与え、変換誤差を検出している間、旧デ
ィジタルオーデイオ信号を遅延手段により遅延させ、デ
ータ置換手段5でリアルタイムに補正出力処理ができる
よう構成することもできる。
【0076】また、A/D変換歪みが低減された新ディ
ジタルオーディオ信号をリアルタイムで出力する必要が
なく、他の記憶装置に記憶するような場合には、記憶手
段4としてデータ転送速度の速いハードディスク等を用
い、記憶手段4の出力を切替手段3を介して、直接、デ
ータ置換手段5に入力する構成としてもよい。
【0077】また、上述の例では、記録媒体2に旧ディ
ジタルオーディオ信号が記録されており、記録媒体2か
ら旧ディジタルオーディオ信号を読み出すとしたが、補
正の対象となる旧ディジタルオーディオ信号は、ROM
(Read Only Memory)または、RAM(Random Access
Memory)等の半導体メモリにより構成された記憶装置に
記憶されることも可能である。
【0078】この場合、この記憶装置から旧ディジタル
オーデイオ信号が読み出される。そして、この場合、記
憶装置自体が、記憶手段2の機能をも有するように記憶
装置を制御してもよく、このときには、さらに、記憶装
置からの出力を、直接、微小変動区間除去手段6に入力
することができる。
【0079】換言すれば、本発明において、「記憶手
段」の語は、広義に捉えられるべきであり、記憶手段
は、図1の記憶手段4に限らず、記憶媒体2やROM,
RAMなども用いることができる。
【0080】このようにして歪みを低減して生成した新
ディジタルオーディオ信号を、例えばCD(Compact Di
sc)や磁気テープなどのフォーマットに変換したのちに
情報記録媒体に記録することで、歪みを低減した過去の
貴重な演奏を聴くことができる。
【0081】
【発明の効果】本発明によると、微小変動区間に含まれ
るディジタルコードをヒストグラムに加えずに楽音特有
の微小変動区間による突出部を除去し、A/D変換誤差
による突出部のみを残したヒストグラムを用いることに
より、正規化したレベル分布データが、旧A/D変換器
のA/D変換誤差以外の楽音特有の突出部により影響さ
れるのを防止し、旧ディジタルオーディオ信号の歪みを
低減した新ディジタルオーディオ信号を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の歪み低減装置のブロック
図。
【図2】理想的なA/D変換器の変換特性を示す特性
図。
【図3】変換誤差がある旧A/D変換器の変換特性を示
す特性図。
【図4】微小変動区間サンプル除去済みディジタルオー
ディオ信号を用いて生成したヒストグラム。
【図5】変換テーブルを説明する図。
【図6】変換テーブルを説明する図。
【図7】変換テーブルを説明する図。
【図8】本発明の1実施例の歪み低減方法及び歪み低減
装置の微小変動区間除去手段の処理動作を説明するため
のフローチャート。
【図9】微小変動区間サンプル除去済みディジタルオー
ディオ信号をデータ処理して生成した理想ヒストグラ
ム。
【図10】従来の歪み低減装置の構成図。
【図11】旧A/D変換器1により変換された旧ディジ
タルオーディオ信号から作成したヒストグラム。
【図12】従来の歪み低減装置による理想ヒストグラム
【符号の説明】
1・・・旧A/D変換器 2・・・記録媒体 3・・・切替手段 4・・・記憶手段 5・・・データ置換手段 6・・・微小変動区間除去手段 7・・・出現度数検出手段 8・・・正規化手段 9・・・変換テーブル算出手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディジタルオーディオ信号の複数サンプル
    のディジタルコードの中から最大ディジタルコードと最
    小ディジタルコードの差分データを求め、該差分データ
    が予め定められた範囲内にあるときサンプルが微小変動
    区間にあると決定し、該微小変動区間にあるサンプルを
    前記ディジタルオーディオ信号から除去して微小変動区
    間サンプル除去済みディジタルオーディオ信号を生成
    し、 該微小変動区間サンプル除去済みディジタルオーディオ
    信号を用いてディジタルコードの出現度数のヒストグラ
    ムをヒストグラムデータとして算出し、 該ヒストグラムデータに平滑化処理を施して変換誤差の
    ないA/D変換器によるディジタルオーディオ信号の理
    想ヒストグラムを理想ヒストグラムデータとして算出
    し、 平滑化処理がなされる前のヒストグラムデータを前記理
    想ヒストグラムデータで除算して正規化したレベル分布
    データを作成し、 正規化したレベル分布データに基づいて変換テーブルを
    作成し、 前記変換テーブルに基づいて前記ディジタルオーディオ
    信号を変換して出力することを特徴とする歪み低減方
    法。
  2. 【請求項2】ディジタルオーディオ信号の複数サンプル
    のディジタルコードの中から求められた最大ディジタル
    コードと最小ディジタルコードの差分データが予め定め
    られた範囲内にある微小変動区間にあるサンプルを前記
    ディジタルオーディオ信号から除去して微小変動区間サ
    ンプル除去済みディジタルオーディオ信号を生成する微
    小変動区間除去手段と、 前記微小変動区間サンプル除去済みディジタルオーディ
    オ信号を用いてディジタルコードの出現度数のヒストグ
    ラムをヒストグラムデータとして算出する出現度数検出
    手段と、 前記ヒストグラムデータに平滑化処理を施して変換誤差
    のないA/D変換器によるディジタルオーディオ信号の
    理想ヒストグラムを理想ヒストグラムデータとして算出
    し平滑化処理がなされる前のヒストグラムデータを前記
    理想的なヒストグラムデータにより除算して正規化した
    レベル分布データを作成する正規化手段と、 前記正規化したレベル分布データに基づいて変換テーブ
    ルを算出する変換テーブル算出手段と、 前記変換テーブルに基づいて前記ディジタルオーディオ
    信号を変換して出力するデータ置換手段を備えたことを
    特徴とする歪み低減装置。
  3. 【請求項3】ディジタルオーディオ信号の複数サンプル
    のディジタルコードの中から最大ディジタルコードと最
    小ディジタルコードの差分データを求め、該差分データ
    が予め定められた範囲内にあるときサンプルが微小変動
    区間にあると決定し、該微小変動区間にあるサンプルを
    前記ディジタルオーディオ信号から除去して微小変動区
    間サンプル除去済みディジタルオーディオ信号を生成
    し、 該微小変動区間サンプル除去済みディジタルオーディオ
    信号を用いてディジタルコードの出現度数のヒストグラ
    ムをヒストグラムデータとして算出し、 該ヒストグラムデータに平滑化処理を施して変換誤差の
    ないA/D変換器によるディジタルオーディオ信号の理
    想ヒストグラムを理想ヒストグラムデータとして算出
    し、 平滑化処理がなされる前のヒストグラムデータを前記理
    想ヒストグラムデータで除算して正規化したレベル分布
    データを作成し、 正規化したレベル分布データに基づいて変換テーブルを
    作成し、 前記変換テーブルに基づいて前記ディジタルオーディオ
    信号を変換して生成したディジタルオーディオ信号を記
    録したことを特徴とする情報記録媒体。
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