JPH10321899A - 光集積素子、及び、その光集積素子における信号検出方法、並びに、光学式情報読み取り装置 - Google Patents

光集積素子、及び、その光集積素子における信号検出方法、並びに、光学式情報読み取り装置

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JPH10321899A
JPH10321899A JP13348497A JP13348497A JPH10321899A JP H10321899 A JPH10321899 A JP H10321899A JP 13348497 A JP13348497 A JP 13348497A JP 13348497 A JP13348497 A JP 13348497A JP H10321899 A JPH10321899 A JP H10321899A
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optical
diffraction grating
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beam splitter
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Kazuhiko Nemoto
和彦 根本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレーナ型のレーザーカプラーを用いた光ピッ
クアップにおいて、スリービーム法によるトラッキング
制御を可能とする。 【解決手段】レーザーカプラーBのフラットパッケージ
8の透明カバーガラス9にスポット分離用のグレーティ
ング(回折格子)11を設け、レーザー光の往路、復路
ともこのグレーティング11を通す。復路において更に
分離されたスリービーム法用の各スポットを、フォトダ
イオード4a、4bで検出して、信号処理により、トラ
ッキングエラー信号TE、信号ピットからの情報読み取
り信号RF等を夫々得る。 【効果】プッシュプル法のようなオフセットキャンセル
用の電気的な補正回路が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光ピック
アップ用のレーザーカプラーと呼ばれる光集積素子及び
その光集積素子における信号検出方法並びにその光集積
素子を用いた光学式情報読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CD(コンパクトディスク)やL
VD(レーザービジョンディスク)等の光ディスク用の
光ピックアップとして、図15及び図16に示すような
ディスクリート型のものが一般に用いられてきた。
【0003】即ち、図15及び図16に示すように、レ
ーザーダイオードで構成された発光素子101から出射
させたレーザー光を、回折格子(グレーティング)10
2で主ビームと2つの副ビームに分離した後、夫々のビ
ームを、ビームスプリッター103によりほぼ直角方向
に反射させ、対物レンズ104を介して、光ディスク1
00の信号記録面に導く。夫々のビームが光ディスク1
00の信号記録面で反射した反射光は、ビームスプリッ
ター103を透過して、フォトダイオードからなる光検
出器105に導かれる。
【0004】図17に、光検出器105の検出面の構成
を示すが、この例では、後述するスリービーム法により
トラッキング制御を行うために、光検出器105の検出
面が3つの領域105a、105b、105cに分割さ
れており、また、非点収差法によりフォーカス制御を行
うために、中央の領域105bが、更に4つの小領域に
分割されている。
【0005】一方、近年、図18及び図19に示すよう
なレーザーカプラーと呼ばれる光集積素子が開発され、
実用化されている。
【0006】図18及び図19に示すように、レーザー
カプラーAは、表面領域に光検出用のフォトダイオード
204a、204bが設けられた1個のシリコンチップ
201上に、発光源であるレーザーダイオード202と
プリズム203が取り付けられたレーザーカプラーチッ
プ200を、例えば、フラットパッケージ208内に収
容して構成されている。
【0007】レーザーダイオード202は、通常、表面
領域にPINフォトダイオード205が設けられたシリ
コンチップ(以下、「pin−PDチップ」と称す
る。)206を介してシリコンチップ201に取り付け
られる。このpin−PDチップ206に設けられたP
INフォトダイオード205は、レーザーダイオード2
02の出力を制御する目的で、そのレーザーダイオード
202の後面から出射するレーザー光207をモニター
するためのものである。
【0008】図18及び図19に示すように、レーザー
ダイオード202の前面から出射したレーザー光は、プ
リズム203の傾斜端面203aでほぼ直角方向に反射
され、フラットパッケージ208上面の透明カバーガラ
ス209を通して、図20に示すように、対物レンズ2
10から光ディスク100の信号記録面に導かれる。一
方、光ディスク100の信号記録面で反射した光は、図
18及び図19に示すように、プリズム203の傾斜端
面203aを透過した光がプリズム203内を通ってフ
ォトダイオード204a、204bにより検出される。
【0009】図22及び図23を参照して、このレーザ
ーカプラーAの組み立て方法を説明する。
【0010】まず、図22(a)及び(b)に示すよう
に、シリコンウェハ211のスクライブライン211a
で囲まれ且つ光検出部であるフォトダイオード204
a、204bが形成された各チップ部分201に、レー
ザーダイオード202を搭載したpin−PDチップ2
06とプリズム203を、夫々、接着等により固着す
る。この状態で、シリコンウェハ211をスクライブラ
イン211aに沿ってダイシングし、図22(c)に示
すように、シリコンチップ201を個々に分離する。こ
れにより、1個のシリコンチップ201に、発光部であ
るレーザーダイオード202、プリズム203、及び、
光検出部であるフォトダイオード204a、204b等
が搭載されたレーザーカプラーチップ200が得られ
る。
【0011】次に、図23(a)に示すように、レーザ
ーカプラーチップ200を、パッケージ基板212の個
々のパッケージ208のパッケージ穴213内にマウン
トし、ワイヤボンディング等により配線を接続する。更
に、パッケージ穴213を透明カバーガラス209でシ
ールした後、図23(b)に示すように、パッケージ基
板212を個々のパッケージ208に分割し、レーザー
カプラーAを得る。
【0012】このようなレーザーカプラーAによれば、
光ピックアップの実質的に対物レンズ以外の光学要素を
一体化できて、光ピックアップ全体の組み立てコストを
低減できるとともに、部品点数の削減による低コスト化
及び高信頼性化が達成でき、更に、光ピックアップ全体
の小型化、薄型化及び軽量化も可能となる。
【0013】例えば、図23(b)に示すようなフラッ
トパッケージ208の場合、縦横が約7.5mm×約
6.5mm、薄さ約1.8mmの素子が得られる。
【0014】図21に、レーザーカプラーチップ200
のシリコンチップ201表面に設けられたフォトダイオ
ード204a、204bのパターンを示す。
【0015】図示の如く、フォトダイオード204a、
204bは、夫々、互いに並行配置された4つの領域
i、j、k、l、並びに、m、n、o、pに分割されて
いる。
【0016】まず、これらのフォトダイオード204
a、204bを用いたフォーカス制御の方法を説明す
る。
【0017】図18及び図19に示すように、このレー
ザーカプラーチップ200を組み込んだ光ピックアップ
は、レーザー光が光ディスクの信号記録面にジャストフ
ォーカスした時、その光ディスクの信号記録面から反射
してきた光が、プリズム203の傾斜端面203aを透
過し、更に、プリズム203の下面で反射した後、プリ
ズム203の上面の位置で丁度焦点を結ぶように予め設
計されている。従って、この時、フォトダイオード20
4a、204bで検出されるレーザー光のビームスポッ
ト220(図21参照)の径は互いに等しくなる。
【0018】これに対し、光ディスクが近すぎる場合、
光ディスクの信号記録面から反射してきて、プリズム2
03の傾斜端面203aを透過した光は、プリズム20
3の下面で反射した後、プリズム203の上面で更に反
射した後、焦点を結ぶ。この結果、フォトダイオード2
04aで検出されるビームスポット径の方が、フォトダ
イオード204bで検出されるビームスポット径よりも
大きくなる。
【0019】一方、光ディスクが遠すぎる場合には、光
ディスクの信号記録面から反射してきて、プリズム20
3の傾斜端面203aを透過した光は、プリズム203
の下面で反射した後、プリズム203の上面で反射され
る前に焦点を結ぶ。この結果、フォトダイオード204
aで検出されるビームスポット径の方が、フォトダイオ
ード204bで検出されるビームスポット径よりも小さ
くなる。
【0020】そこで、図21に示すフォトダイオード2
04a、204bによる検出信号(フォーカスエラー信
号)として、 FE={(i+l)−(j+k)}−{(m+p)−(n+o)} …(1) を用いれば、フォトダイオード204a、204bで検
出されるビームスポット径の差を知ることができる。即
ち、このフォーカスエラー信号FEが0の時がジャスト
フォーカスの状態で、フォーカスエラー信号FEが正の
時は、光ディスクが近すぎる状態、フォーカスエラー信
号FEが負の時は、光ディスクが遠すぎる状態である。
従って、このフォーカスエラー信号FEを用いて、光ピ
ックアップのフォーカス制御を行うことができる。
【0021】次に、トラッキング制御の方法を説明す
る。
【0022】この従来のレーザーカプラーチップ200
では、いわゆるプッシュプル法によるトラッキングエラ
ー検出を行う。このプッシュプル法は、光ディスクの信
号記録面に照射されるレーザービームスポットが正規の
トラックから外れると、光ディスクの信号記録面に設け
られた案内溝(プリグルーブ)や信号ピット等から反射
又は回折されて戻ってくる光の強度がレンズ瞳上で非対
称になることを利用した検出法である。
【0023】即ち、図21に示すフォトダイオード20
4a、204bにおいて、左右の領域i、jとk、l並
びにm、nとo、pで夫々検出されるレーザー光のビー
ムスポット220の光量がいずれも等しければ、光ディ
スクの信号記録面におけるレーザービームスポットは正
規のトラックを走査しており、左右の領域i、jとk、
l並びにm、nとo、pの間の検出光量に差が有れば、
光ディスクの信号記録面におけるレーザービームスポッ
トは正規のトラックから外れている。
【0024】そこで、検出信号(トラッキングエラー信
号)として、 TE={(i+j)−(k+l)}+{(o+p)−(m+n)} …(2) を用いると、このトラッキングエラー信号TEが0の時
には、光ディスクの信号記録面におけるレーザービーム
スポットが正規のトラックを走査しており、一方、この
トラッキングエラー信号TEが0でない時には、その符
号により、光ディスクの信号記録面におけるレーザービ
ームスポットが正規のトラックを外れた方向を知ること
ができる。従って、このトラッキングエラー信号TEを
用いて、光ピックアップのトラッキング制御を行うこと
ができる。
【0025】このプッシュプル法によれば、既述したス
リービーム法のような回折格子(グレーティング)を用
いなくてもトラッキングエラーの検出ができるという利
点が有る。
【0026】なお、光ディスクの信号記録面に記録され
た情報を読み取るための読み取り信号RF(Radio Freq
uency)には、フォトダイオード204a、204bの全
ての検出信号を用いる。即ち、 RF=i+j+k+l+m+n+o+p …(3) である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のレーザーカプラーを用いた光ピックアップでは、回折
格子(グレーティング)を用いないで、プッシュプル法
によりトラッキングエラー検出を行う。
【0028】しかし、プッシュプル法では、トラッキン
グに伴う対物レンズのレンズシフトや、スキューと呼ば
れるピックアップとディスクとの間の傾き等により、ト
ラッキングエラー信号TEに大きなDCオフセットが発
生する。そこで、通常、電気的な補正を行って、そのレ
ンズシフトやスキュー等によるDCオフセットをキャン
セルしている。
【0029】しかし、例えば、記録層の相変化を利用し
た反射率の小さいCD−RW(書き換え可能なCD)等
では、信号強度の違いから、通常の音楽用CDやCD−
ROM用の電気的な補正回路をそのまま使うことができ
ない場合も生じ、その場合には、補正回路に設計変更が
必要であった。
【0030】また、プッシュプル法によるトラッキング
エラー信号TEは、矩形溝の場合、溝の深さdがλ/8
(λ:レーザー光の波長)の時、最大となり、d=λ/
4の時には0になる。一方、情報の読み取り信号RF
は、通常、ピット深さがd=λ/4の時に最大となる。
従って、情報読み取り用ピット列を用いてプッシュプル
法によるトラッキング制御を行う場合、情報の読み取り
信号RFを大きくするために、情報読み取り用ピット列
のピット深さをd=λ/4にすると、トラッキングエラ
ー信号TEが得られなくなってしまうという問題が有っ
た。
【0031】そこで、レーザーカプラーのような光集積
素子を用いた光ピックアップにおいても、既述したスリ
ービーム法によるトラッキング制御を行うことが検討さ
れている。
【0032】しかし、スリービーム法における回折格子
(グレーティング)は、例えば、ディスク上や受光素子
上におけるサイドスポット位置と対物レンズの視野及び
倍率との関係から来る制約により、発光素子から或る程
度距離を置いた位置に設ける必要が有る。また、従来
は、信号処理の煩雑さを避けるために、レーザー光の復
路が回折格子(グレーティング)に掛からないようにす
る必要が有ると考えられていた。そして、これらの理由
から、例えば、図18及び図19に示すようなレーザー
カプラーでは、スリービーム法用の回折格子(グレーテ
ィング)を設けることが困難であると考えられていた。
【0033】図24に、スリービーム法を採用した従来
の光集積素子の例を示す。
【0034】図24(a)に示すように、この素子30
0では、レーザーダイオード301から出射した光を、
通常の回折格子302で3スポットに分離した後、ホロ
グラム303を介して、図外の光ディスク面に導く。一
方、光ディスク面で反射してきた光は、ホログラム30
3により斜め方向に導かれ、回折格子302を通らず
に、フォトダイオード304で検出される。
【0035】この構成では、図24(b)に示すよう
に、発光方向に比較的縦長の構造とならざるを得ず、図
18及び図19に示すようなプレーナ型のものと比較し
て、その組み立てが面倒になる。また、部品点数も多く
なって、調整箇所が増えるので、製造歩留りが低下する
虞も有る。
【0036】そこで、本発明の目的は、例えば、プレー
ナ型のレーザーカプラーのような光集積素子において、
スリービーム法によるトラッキング制御を可能とした光
集積素子及びその光集積素子における信号検出方法並び
にその光集積素子を用いた光学式情報読み取り装置を提
供することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
本発明の光集積素子は、少なくとも3つの領域に分割さ
れた光検出部が表面に設けられた基板と、前記基板の表
面上に取り付けられた発光素子と、前記基板の表面上に
取り付けられた、ビームスプリット面を有するビームス
プリッターと、前記発光素子及び前記ビームスプリッタ
ーを搭載した前記基板を収容するパッケージと、前記パ
ッケージのケーシングの少なくとも一部に設けられた透
明カバー部と、前記透明カバー部に設けられた回折格子
と、を夫々有する。
【0038】また、本発明の信号検出方法では、発光素
子から出射した光を、回折格子において、少なくとも主
ビームと2つの副ビームに分離した後、それらの主ビー
ム及び副ビームを情報担体の情報記録面に導き、それら
の主ビーム及び副ビームの前記情報記録面からの反射光
を、前記回折格子を通した後、光検出部の3つの領域に
夫々導くように構成し、前記3つの領域のうちの両端の
領域における検出信号の差を、前記情報担体の前記情報
記録面における前記主ビーム及び副ビームの位置制御に
用いるとともに、前記3つの領域のうちの中央の領域に
おける検出信号から、前記両端の領域における検出信号
の和に所定の係数を掛けた値を減じた値を、前記情報記
録面からの情報読み取り信号として用いる。
【0039】更に、本発明の光学式情報読み取り装置
は、少なくとも3つの領域に分割された光検出部が表面
に設けられた基板と、前記基板の表面上に取り付けられ
た発光素子と、前記基板の表面上に取り付けられた、ビ
ームスプリット面を有するビームスプリッターと、前記
発光素子及び前記ビームスプリッターを搭載した前記基
板を収容するパッケージと、前記パッケージのケーシン
グの少なくとも一部に設けられた透明カバー部と、前記
透明カバー部に設けられた回折格子と、を夫々有する光
集積素子を備えた光ピックアップにより、情報担体の情
報記録面に記録された情報を光学的に読み取る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施の形
態に従い説明する。
【0041】〔第1の実施の形態〕図1に、本発明の第
1の実施の形態によるレーザーカプラーを示す。
【0042】図示の如く、この第1の実施の形態による
レーザーカプラーチップ10では、発光源であるレーザ
ーダイオード2が、その後面から出射するレーザー光7
をモニターしてレーザーダイオード2の出力を制御する
ためのPINフォトダイオード(不図示)が表面領域に
設けられたpin−PDチップ6を介して、シリコンチ
ップ1に取り付けられている。シリコンチップ1には、
傾斜端面3aを有するプリズム3が取り付けられてお
り、そのプリズム3の下のシリコンチップ1の表面領域
に、光検出用のフォトダイオード4a、4bが夫々設け
られている。
【0043】レーザーカプラーチップ10は、フラット
パッケージ8内にマウントされており、本実施の形態の
レーザーカプラーBでは、その透明カバーガラス9の表
面領域にスポット分離用のグレーティング(回折格子)
11が設けられている。
【0044】この構成において、レーザーダイオード2
から出射したレーザー光は、プリズム3の傾斜端面3a
でほぼ直角方向に反射された光が、透明カバーガラス9
のグレーティング11により主ビームと2つの副ビーム
に分離され、図外の光ディスクの信号記録面に導かれ
る。そして、その信号記録面で反射した各ビームの反射
光は、再び透明カバーガラス9のグレーティング11を
通って、プリズム3の傾斜端面3aに導かれ、その傾斜
端面3aを透過した成分が、図示の如く、シリコンチッ
プ1表面のフォトダイオード4a、4bにより検出され
る。
【0045】図3に、フォトダイオード4a、4bの構
成例、グレーティング11のグレーティングの並ぶ向
き、及び、光ディスクの信号記録面におけるトラックの
向きの間の関係を示す。
【0046】図3(a)に示すように、フォトダイオー
ド4aは、その長手方向に並行した3つの領域i、j、
kに分割され、フォトダイオード4bは、その長手方向
において3つの領域l、m、nに分割されている。ま
た、フォトダイオード4bの中央の領域mは、フォトダ
イオード4bの長手方向に並行した更に3つの領域
1、m2 、m3 に分割されている。
【0047】図3(b)に示すように、グレーティング
11のグレーティングの並ぶ向きは、フォトダイオード
4a、4bの長手方向と同じ方向であり、これは、図3
(c)に示す光ディスクの信号トラックの方向に対し約
1度(副ビームのディスク上での位置により決まる角
度)傾けられている。
【0048】ここで、スリービーム法によるトラッキン
グエラー検出の原理を説明すると、グレーティング11
で分離された主ビーム(0次光)によるメインスポット
12が正規のトラック上に有る時、2つの副ビーム(±
1次光)によるスポット13と信号ピット14との位置
関係は図3(c)に示すようになる。即ち、2つの副ビ
ームによるスポット13が夫々信号ピット14に掛かる
割合が等しくなり、従って、それらのスポット13から
得られる反射光の光量差は0になる。一方、メインスポ
ット12が正規のトラックから、図中、上又は下にずれ
た場合には、2つの副ビームによるスポット13が信号
ピット14に掛かる割合が等しくなくなり、従って、そ
れらのスポット13から得られる反射光に光量差が生じ
る。
【0049】そこで、図3(a)に示すフォトダイオー
ド4bにおいて、2つの副ビームによるスポット13の
反射光スポット13′を夫々検出する領域lとnの検出
信号の差をとれば、その符号により、メインスポット1
2が正規のトラックから外れた方向を知ることができ、
これに基づいてトラッキング制御を行うことができる。
なお、12′は、メインスポット12の反射光スポット
である。
【0050】このスリービーム法では、レンズシフトや
ディスクスキュー(径方向)が有っても、検出信号にオ
フセットは殆ど生じない。従って、プッシュプル法のよ
うなオフセットキャンセル用の電気的な補正回路は必要
無い。
【0051】ところで、本実施の形態によるレーザーカ
プラーBでは、図1に示すように、レーザー光が、その
往路及び復路とも、グレーティング11を通る。従っ
て、往路においてグレーティング11で分離された光
が、ディスク面で反射した後、復路においてもグレーテ
ィング11で更に分離され、それらが互いに重なってフ
ォトダイオード4bにより検出されることになる。
【0052】そこで、本実施の形態では、次のようにし
て信号処理を行う。
【0053】まず、図2に示すように、回折光の位相変
化が実質上殆ど無くて、単純にパワーの足し合わせが可
能であり、且つ、2次以上の回折光が無視できるような
グレーティング11を考える。このグレーティング11
により、強度Aのレーザー光が、強度(1−2r)Aの
0次光(主ビーム)と強度rAの±1次光(副ビーム)
に分離されるとすると(r:正の実数)、復路におい
て、ディスク面で反射してきた強度X0 の0次光は、グ
レーティング11により、更に、強度rX0 、(1−2
r)X0 、rX0 の0次光及び±1次光に分離されて、
夫々、フォトダイオード4bの領域l、m、nに入射す
る。また、強度X-1の−1次光は、グレーティング11
により、強度rX-1、(1−2r)X-1、rX-1の0次
光及び±1次光に分離され、前2者が、フォトダイオー
ド4bの領域m、nに夫々入射する。更に、強度X+1
+1次光は、グレーティング11により、強度rX+1
(1−2r)X+1、rX+1の0次光及び±1次光に分離
され、後2者が、フォトダイオード4bの領域l、mに
入射する。
【0054】この結果、フォトダイオード4bの領域l
では、rX0 +(1−2r)X+1の光が、領域mでは、
(1−2r)X0 +rX-1+rX+1の光が、領域nで
は、rX0 +(1−2r)X-1の光が夫々検出されるこ
とになる。
【0055】そこで、フォトダイオード4bの両端の領
域lとnの検出信号の差をとると、 l−n=(1−2r)(X+1−X-1) …(4) となり、副ビーム同士の差の信号が得られるので、これ
をトラッキングエラー信号TEとして用いることができ
る。
【0056】一方、情報の読み取り信号RFを考える
と、フォトダイオード4bの中央の領域mの検出信号に
は、目的の信号ピット以外の信号ピットからの情報を載
せたrX-1とrX+1の成分が含まれている。従って、こ
の中央の領域mの検出信号をそのまま読み取り信号RF
として用いることはできない。そこで、 m−{r/(1−2r)}(l+n) ={1−2r−r2 /(1−2r)}X0 …(5) とすると、X-1及びX+1の成分が消去され、目的の信号
ピットからの情報のみを載せた信号が得られる。従っ
て、これを、情報の読み取り信号RFとして用いること
ができる。
【0057】以上をまとめると、本実施の形態では、3
つに分割されたフォトダイオード4bの両端の領域lと
nの検出信号の差をトラッキングエラー信号TEとして
用い、両端の領域lとnの検出信号の和に所定の係数α
=r/(1−2r)を乗じた値を中央の領域mの検出信
号から引いたものを読み取り信号RFとして用いる。即
ち、 TE=l−n …(6) RF=m−α(l+n) …(7) 但し、α=r/(1−2r) …(8) である。
【0058】このような信号処理を行うことにより、レ
ーザー光を、往路及び復路ともグレーティング11を通
した場合でも、スリービーム法によるトラッキング制御
及び情報の読み取りを行うことができる。
【0059】図3(a)に示すように、実際のフォトダ
イオード4bでは、フォーカス制御のために、中央の領
域mが、更に3つの領域m1 〜m3 に分割されている。
そして、フォーカスエラー信号FEは、図21で説明し
た従来の場合と同様の原理により、フォトダイオード4
a、4bの信号を用いて、 FE={(i+k)−j}−{(m1 +m3 )−m2 } …(9) で得られる。
【0060】図4に、光ディスクの信号記録面における
トラック方向に対し、レーザービームスポット12、1
3を相対的に45度回転させた構成を示す。
【0061】図3(c)及び図4(c)に示す楕円形の
スポット12、13は、レーザーダイオード2を正面か
ら見た図5において、レーザーダイオード2の基板面
(活性層)2aに対し、水平な方向が長径の方向L、垂
直な方向が短径の方向Sに夫々対応している。これらの
楕円形のスポット12、13は、光ディスクの信号記録
面にジャストフォーカスした時、ほぼ円形になり、信号
記録面が近い時及び遠い時には、いずれも楕円形にな
る。但し、信号記録面が近い時と遠い時とで、楕円形の
長径の方向が互いに90度回転した状態になる。
【0062】このため、図3(c)に示すように、楕円
形の長径の方向をトラックの方向に垂直にすると、この
状態では、副ビームのスポット13が信号ビットに掛か
る部分と掛からない部分との差が大きくなって、大きな
検出信号を得られるが、楕円形の長径の方向が90度回
転した状態になると、副ビームのスポット13が信号ビ
ットに掛かる部分と掛からない部分との差が小さくなっ
て、必要な検出信号が得られなくなる虞が有る。
【0063】そこで、図4(c)に示すように、予め、
楕円形の長径の方向をトラックの方向に対し45度傾け
ておくと、楕円形の長径の方向が90度回転した状態に
なっても、得られる検出信号の大きさは殆ど変わらな
い。
【0064】この図4の構成では、図4(a)に示すよ
うに、フォトダイオード4bの向き及び分割方法が多少
変わるだけで、検出の原理及び信号処理等は、図3の場
合と実質的に同じである。
【0065】以上に説明したように、この第1の実施の
形態では、プレーナ形のレーザーカプラーBに、グレー
ティング11を設けて、スリービーム法によるトラッキ
ング制御を可能としている。従って、従来のプッシュプ
ル法を用いた場合のようなオフセットキャンセル用の電
気的な補正回路が必要無い。このため、例えば、通常の
CDとCD−RWのような反射率の大きく異なるディス
クのトラッキング制御にも簡単に対応することができ
る。また、本実施の形態によるレーザーカプラーBは、
信号ピット深さによる影響が少ないので、プッシュプル
信号が得られない可能性が有る規格の光ディスクシステ
ムにも適用が可能である。更に、本実施の形態によるレ
ーザーカプラーBは、信号ピットを直接検出してトラッ
キング制御を行うピットディスクと、プリグルーブ等の
連続溝を検出してトラッキング制御を行うグルーブディ
スクとの両方のトラッキングエラー信号を検出すること
が可能である。
【0066】また、本実施の形態によるレーザーカプラ
ーBは、従来のレーザーカプラーAと比較して、実質的
に、透明カバーガラス9の構成とフォトダイオード4b
の構成を変更すれば良いだけなので、他に大きな設計変
更を必要とせず、好都合である。
【0067】図14に、上述した第1の実施の形態によ
るレーザーカプラーBを用いた光ピックアップを備えた
光ディスクプレーヤーの概略構成を示す。
【0068】この光ディスクプレーヤーは、ディスク回
転用モーター31、光ピックアップ32及びヘッド送り
機構33等を備えており、更に、光ピックアップ32で
読み取られた信号を再生するための再生回路34や、光
ピックアップ32のフォーカス制御、トラッキング制御
等を行うためのサーボ回路35等を備えている。
【0069】このような光ディスクプレーヤーで再生さ
れる光ディスク100としては、例えば、音楽用CD、
MD、CD−ROM、CD−I、CD−V、LVD、D
VD等が有り、再生回路34で再生された信号は、その
光ディスク100の種類に応じて、ステレオ装置36や
テレビジョン受信機37、ディジタルコンピュータ38
等に送られる。
【0070】〔第2の実施の形態〕図6に、本発明の第
2の実施の形態によるレーザーカプラーを示す。なお、
この第2の実施の形態において、上述した第1の実施の
形態に対応する部位には、上述した第1の実施の形態と
同一の符号を付す。
【0071】図示の如く、この第2の実施の形態のレー
ザーカプラーCでは、透明カバーガラス9に固着された
ガラス板等の他の光学素子15上にグレーティング11
が設けられている。これ以外の構成は、上述した第1の
実施の形態と実質的に同じである。
【0072】この第2の実施の形態のように構成するこ
とで、グレーティング11の位置を、発光点であるレー
ザーダイオード2から離すことができ、この結果、フォ
トダイオード4a、4b上でのスポットの分離が大きく
なって、組み立てトレランス(公差)が大きくなる。
【0073】また、グレーティング11が設けられた光
学素子15は、透明カバーガラス9上に、例えば、瞬間
接着剤やUV硬化樹脂等により、簡単に且つ高精度に取
り付けが可能である。従って、上述した第1の実施の形
態のように透明カバーガラス9自体にグレーティング1
1を設ける場合と比較して、グレーティング11の高精
度の位置合わせを簡単に行うことができる。
【0074】更に、この第2の実施の形態の場合には、
従来のレーザーカプラーAの透明カバーガラス9をその
まま用いることができ、また、その組み立て工程も殆ど
そのまま兼用できるので、大変好都合である。
【0075】図7に、この第2の実施の形態によるフォ
トダイオード4a、4bの構成を示す。
【0076】図7(a)は、図3(a)に示した第1の
実施の形態と同じ構成である。
【0077】図7(b)は、フォトダイオード4aもフ
ォトダイオード4bと同じ構成にしたもので、各検出信
号は、次のようにして得られる。 FE={(j1 +j3 )−j2 }−{(m1 +m3 )−m2 }…(10) TE=(i−k)+(l−n) …(11) RF=j1 +j2 +j3 +m1 +m2 +m3 −α(i+k+l+n) …(12) 但し、α=r/(1−2r) …(8)
【0078】このように、フォトダイオード4aでもス
リービーム法の各スポット12′、13′を検出するこ
とにより、トラッキングエラー信号TEの検出精度が向
上する。
【0079】図7(c)は、図7(b)の構成を、図4
(a)に対応させて、45度傾けた構成であり、各検出
信号は、図7(b)の場合と同じである。
【0080】〔第3の実施の形態〕図8に、本発明の第
3の実施の形態によるレーザーカプラーを示す。なお、
この第3の実施の形態において、上述した第1の実施の
形態に対応する部位には、上述した第1の実施の形態と
同一の符号を付す。
【0081】図示の如く、この第3の実施の形態のレー
ザーカプラーDでは、レーザーダイオード2とプリズム
3との距離を若干離し、ジャストフォーカス時、図外の
光ディスクの信号記録面から戻ってきた反射光が、プリ
ズム3の傾斜端面3aを透過した後、丁度フォトダイオ
ード4bの位置で焦点を結ぶように構成している。そし
て、このフォトダイオード4bの更に外側位置のシリコ
ンチップ1表面に、フォーカス制御用のフォトダイオー
ド4cを設けている。これ以外の構成は、上述した第1
の実施の形態と実質的に同じである。
【0082】図9に、各フォトダイオード4a〜4cの
構成を示すが、図9(a)に示すように、この第3の実
施の形態では、フォトダイオード4bでフォーカスエラ
ー信号FEの検出を行わないので、その中央の領域mは
分割されていない。そして、その代わりに、フォトダイ
オード4aとほぼ同じ構成のフォトダイオード4cが設
けられている。
【0083】この第3の実施の形態における各検出信号
は、次のようにして得られる。 FE={(i+k)−j}−{(o+q)−p} …(13) TE=l−n …(14) RF=m−α(l+n) …(15) 但し、α=r/(1−2r) …(8)
【0084】この第3の実施の形態では、各検出ビーム
12′、13′が、丁度フォトダイオード4bの位置で
焦点を結ぶので、それらのビーム12′、13′の分離
が良くなり、検出精度が向上するとともに、フォトダイ
オード4bの各領域の配置のトレランス(公差)が大き
くなる。
【0085】なお、図9(b)は、図9(a)の構成
を、図4(a)に対応させたもので、スリービーム検出
用のフォトダイオード4bが、45度傾けられている。
各検出信号は、図9(a)の場合と同様にして得られ
る。
【0086】〔第4の実施の形態〕図10に、本発明の
第4の実施の形態によるレーザーカプラーを示す。な
お、この第4の実施の形態において、上述した第1の実
施の形態に対応する部位には、上述した第1の実施の形
態と同一の符号を付す。
【0087】図示の如く、この第4の実施の形態のレー
ザーカプラーEでは、ビームスプリッターとして、プリ
ズム3の代わりに、シリコンチップ1の表面にほぼ垂直
な入射端面16b及び入出射端面16cを持ち、内部
に、シリコンチップ1の表面に対し傾斜したビームスプ
リット(BS)面16aを有するビームスプリッター1
6がシリコンチップ1に取り付けられている。そして、
レーザーダイオード2から出射したレーザー光は、入射
端面16bからビームスプリッター16内に入射し、そ
のビームスプリッター16のBS面16aを透過した光
が、入出射端面16cから、シリコンチップ1の表面に
ほぼ平行な方向に出射して、図外の光ディスクの信号記
録面に導かれる。一方、その光ディスクの信号記録面か
ら反射してきた反射光は、入出射端面16cからビーム
スプリッター16内に入射し、そのビームスプリッター
16のBS面16aで反射した光が、シリコンチップ1
表面のフォトダイオード4a、4bにより検出される。
【0088】従って、このレーザーカプラーチップ10
を収容するフラットパッケージ8は、その上面に加えて
前面側も開放された構造を有しており、断面ほぼL字状
の透明カバーガラス9によりその上面及び前面がシール
されている。そして、その透明カバーガラス9の前面側
に、スリービーム分離用のグレーティング11が設けら
れている。
【0089】各信号検出の原理及び信号処理方法は、上
述した第1の実施の形態と実質的に同じである。
【0090】この第4の実施の形態によれば、レーザー
カプラーチップ10のシリコンチップ1表面にほぼ平行
な方向にレーザー光を出射させることができるので、例
えば、反射ミラーを用いた光路の1回折り曲げにより、
シンプルな構造で且つ極めて薄型の光ピックアップを実
現することができる。
【0091】〔第5の実施の形態〕図11に、本発明の
第5の実施の形態によるレーザーカプラーチップを示
す。なお、この第5の実施の形態において、上述した第
1の実施の形態に対応する部位には、上述した第1の実
施の形態と同一の符号を付す。
【0092】この第5の実施の形態では、上述した第1
の実施の形態のプリズム3の代わりに、KTP(KTi
OPO4 )やLN(LiNbO3 )等の複屈折材料から
なる複屈折プリズム17を用いて、カー効果と呼ばれる
磁気光学現象を利用した光磁気ディスクの再生を可能と
している。
【0093】即ち、図12に示すように、レーザーダイ
オード(LD)2から出射した偏光方向が適正に制御さ
れたレーザー光を、複屈折プリズム17の傾斜端面17
aで反射させて、図外の光磁気ディスク(DISK)の
信号記録面に導き、この光磁気ディスク(DISK)の
信号記録面で反射して来た反射光を、複屈折プリズム1
7の傾斜端面17aから複屈折プリズム17内に入射さ
せると、図示の如く、スネルの法則に従う常光とスネル
の法則に従わない異常光とに分離され、これらの2成分
の光の差から、光磁気信号を得ることができる。
【0094】そこで、この第5の実施の形態では、図示
省略したグレーティングによりレーザー光を3スポット
化して、光磁気ディスクシステムに対してもスリービー
ム法によるトラッキング制御を可能としている。
【0095】図13に、この第5の実施の形態によるフ
ォトダイオード4a、4bの構成例を示す。
【0096】この例は、トラックに対しレーザースポッ
トが45度回転した方向になるように構成した例で、図
4に示したと同様の構成のフォトダイオード4bの各領
域が、更に、常光用の領域(添字Iで示す。)と異常光
用の領域(添字Jで示す。)に夫々分割されている。各
検出光は、次のようにして得られる。 FE={(i+k)−j} −{(mI1+mI3−mI2)+(mJ1+mJ3−mJ2)} …(16) TE=(lI +lJ )−(nI +nJ ) …(17) RFpit =mI1+mI3+mI2+mJ1+mJ3+mJ2 −α(lI +lJ +nI +nJ ) …(18) RFMO=(mI1+mI3+mI2)−(mJ1+mJ3+mJ2) −α{(lI +nI )−(lJ +nJ )} …(19) 但し、α=r/(1−2r) …(8)
【0097】ここで、RFpit は、通常の信号ピットに
よる光ディスクの読み取り信号、RFMOが、光磁気ディ
スクの読み取り信号である。従って、この第5の実施の
形態によるレーザーカプラーを用いた光ピックアップ
は、例えば、ミニディスク(MD)システムのように、
通常のピットディスクと光磁気ディスクの両方に対応し
たシステムに適用することが可能である。
【0098】また、この第5の実施の形態では、図11
に示すように、レーザーダイオード2から出射して複屈
折プリズム17の傾斜端面17aを透過した光を、シリ
コンチップ1表面に設けたフォトダイオード21に導い
て検出するようにしている。
【0099】このフォトダイオード21による検出は、
レーザーダイオード2の出力を制御するために用いられ
る。従って、この第5の実施の形態では、レーザーダイ
オード2の後面から出射するレーザー光の検出は不要に
なる。このため、レーザーダイオード2が搭載されるp
in−PDチップ6は、光検出機能を備えていない単な
るシリコンチップ等で代用することも可能である。
【0100】この第5の実施の形態のように、レーザー
ダイオード2の前面から出射するレーザー光をモニター
して、その出力を制御するようにすると、信号検出に用
いるレーザー光を実質的に直接モニターすることになる
ので、より正確且つ精密な制御が可能となる。また、光
磁気ディスクの書き込み用にも用いる高出力レーザー等
でリアの反射率が極端に大きいために後面からのレーザ
ー出力が殆ど無いようなレーザーダイオード2を用いる
場合には、この第5の実施の形態のようなレーザーダイ
オード2の前面からのレーザー光をモニターする構成が
極めて有効である。
【0101】以上、本発明を、光磁気ディスクを含む光
ディスク用の光ピックアップに用いるレーザーカプラー
に適用した実施の形態を説明したが、本発明は、例え
ば、光テープや光カードのようなディスク以外の情報担
体から光学的に情報を読み取るための光集積素子、信号
検出方法及び光学式情報読み取り装置にも適用が可能で
ある。
【0102】
【発明の効果】本発明の光集積素子では、少なくとも3
つの領域に分割された光検出部が表面に設けられた基板
と、前記基板の前記表面上に取り付けられた発光素子
と、前記基板の前記表面上に取り付けられた、ビームス
プリット面を有するビームスプリッターと、前記発光素
子及び前記ビームスプリッターを搭載した前記基板を収
容するパッケージと、前記パッケージのケーシングの少
なくとも一部に設けられた透明カバー部と、前記透明カ
バー部に設けられた回折格子とを夫々設けて、例えば、
前記発光素子から出射した光が、前記ビームスプリッタ
ーの前記ビームスプリット面で分離された後、その一方
の光が前記透明カバー部の前記回折格子に導かれ、その
光が、前記回折格子において、少なくとも主ビームと2
つの副ビームに分離された後、それらの主ビーム及び副
ビームが情報担体の情報記録面に導かれ、それらの主ビ
ーム及び副ビームの前記情報記録面からの反射光が前記
回折格子を通して前記ビームスプリッターの前記ビーム
スプリット面に導かれ、そのビームスプリット面で分離
された前記主ビーム及び副ビームの夫々の成分が、前記
光検出部の前記3つの領域に導かれるように構成してい
る。
【0103】また、本発明の信号検出方法では、発光素
子から出射した光を、回折格子において、少なくとも主
ビームと2つの副ビームに分離した後、それらの主ビー
ム及び副ビームを情報担体の情報記録面に導き、それら
の主ビーム及び副ビームの前記情報記録面からの反射光
を、前記回折格子を通した後、光検出部の3つの領域に
夫々導くように構成し、前記3つの領域のうちの両端の
領域における検出信号の差を、前記情報担体の前記情報
記録面における前記主ビーム及び副ビームの位置制御に
用いるとともに、前記3つの領域のうちの中央の領域に
おける検出信号から、前記両端の領域における検出信号
の和に所定の係数を掛けた値を減じた値を、前記情報記
録面からの情報読み取り信号として用いる。
【0104】従って、例えば、プレーナ形のレーザーカ
プラーを用いた光ピックアップにおいて、スリービーム
法によるトラッキング制御を行うことが可能となり、プ
ッシュプル法のようなオフセットキャンセル用の電気的
な補正回路が不要となる。この結果、例えば、反射率の
大きく異なる光ディスクのトラッキング制御にも容易に
対応することができ、また、ピット深さに対する依存性
が少ないので、プッシュプル信号が得られないような規
格の光ディスクシステムにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの信号検出の原理を示す概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの光検出部、グレーティングの並ぶ向き、及び、デ
ィスクのトラックの向きの間の関係を示す概略図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの光検出部、グレーティングの並ぶ向き、及び、デ
ィスクのトラックの向きの間の別の関係を示す概略図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施の形態によるレーザーカプ
ラーのレーザーダイオードと出射光のスポット形状との
関係を示す概略図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの構成を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの光検出部の構成を示す概略平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの構成を示す概略断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるレーザーカプ
ラーの光検出部の構成を示す概略平面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態によるレーザーカ
プラーの構成を示す概略断面図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態によるレーザーカ
プラーチップの構成を示す概略斜視図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態のレーザーカプラ
ーによる光磁気信号の読み取りの原理を示す概念図であ
る。
【図13】本発明の第5の実施の形態によるレーザーカ
プラーの光検出部の構成を示す概略平面図である。
【図14】本発明のレーザーカプラーを用いた光ディス
クプレーヤーの主要構成を示す概略図である。
【図15】従来のディスクリート型の光ピックアップの
主要構成を示す概略図である。
【図16】従来のディスクリート型の光ピックアップの
光路を示す概略図である。
【図17】従来のディスクリート型の光ピックアップの
光検出部の構成を示す概略平面図である。
【図18】従来のレーザーカプラーの構成を示す概略断
面図である。
【図19】従来のレーザーカプラーチップの概略斜視図
である。
【図20】従来のレーザーカプラーを用いた光ピックア
ップの光路を示す概略図である。
【図21】従来のレーザーカプラーの光検出部の構成を
示す概略平面図である。
【図22】従来のレーザーカプラーの製造方法を示す概
略斜視図である。
【図23】従来のレーザーカプラーの製造方法を示す概
略斜視図である。
【図24】従来のスリービーム法を用いた光集積素子の
構成を示す概略断面図及び斜視図である。
【符号の説明】
1…シリコンチップ、2…レーザーダイオード、3…プ
リズム、3a…傾斜端面、4a、4b、4c…フォトダ
イオード(光検出部)、6…pin−PDチップ、8…
フラットパッケージ、9…透明カバーガラス、10…レ
ーザーカプラーチップ、11…グレーティング(回折格
子)、14…信号ピット、15…光学素子(ガラス
板)、16…ビームスプリッター、16a…ビームスプ
リット(BS)面、17…複屈折プリズム、17a…傾
斜端面、20…レーザーカプラーチップ、21…フォト
ダイオード(光検出部)、100…光ディスク、A、
B、C、D、E…レーザーカプラー

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3つの領域に分割された光検
    出部が表面に設けられた基板と、 前記基板の表面上に取り付けられた発光素子と、 前記基板の表面上に取り付けられた、ビームスプリット
    面を有するビームスプリッターと、 前記発光素子及び前記ビームスプリッターを搭載した前
    記基板を収容するパッケージと、 前記パッケージのケーシングの少なくとも一部に設けら
    れた透明カバー部と、 前記透明カバー部に設けられた回折格子と、を夫々有す
    る、光集積素子。
  2. 【請求項2】 前記ビームスプリッターが、前記ビーム
    スプリット面として傾斜端面を有するプリズムで構成さ
    れていて、前記レーザーダイオードから出射した光のう
    ち前記傾斜端面で反射した光が前記回折格子に導かれ、
    前記回折格子からの光のうち前記傾斜端面を透過した成
    分が前記光検出部に導かれる、請求項1に記載の光集積
    素子。
  3. 【請求項3】 前記ビームスプリット面が、前記ビーム
    スプリッターの内部に前記基板表面に対し傾斜して設け
    られていて、前記レーザーダイオードから出射した光の
    うち前記ビームスプリット面を透過した光が前記回折格
    子に導かれ、前記回折格子からの光のうち前記ビームス
    プリット面で反射した成分が前記光検出部に導かれる、
    請求項1に記載の光集積素子。
  4. 【請求項4】 前記回折格子が、前記透明カバー部の表
    面領域に設けられている、請求項1に記載の光集積素
    子。
  5. 【請求項5】 前記回折格子が、前記透明カバー部に固
    着された光学素子に設けられている、請求項1に記載の
    光集積素子。
  6. 【請求項6】 前記ビームスプリッターが複屈折材料で
    構成されている、請求項1に記載の光集積素子。
  7. 【請求項7】 前記光検出部の前記3つの領域のうちの
    両端の領域における検出信号が、情報担体の情報記録面
    におけるトラッキング制御に用いられる、請求項1に記
    載の光集積素子。
  8. 【請求項8】 前記光検出部が、前記少なくとも3つの
    領域に分割された第1の光検出部を含む複数の光検出部
    で構成されている、請求項1に記載の光集積素子。
  9. 【請求項9】 前記複数の光検出部における検出信号
    が、情報担体の情報記録面に対するフォーカス制御に用
    いられる、請求項8に記載の光集積素子。
  10. 【請求項10】 前記第1の光検出部が、情報担体の情
    報記録面からの反射光が焦点を結ぶ位置に設けられてい
    る、請求項8に記載の光集積素子。
  11. 【請求項11】 発光素子から出射した光を、回折格子
    において、少なくとも主ビームと2つの副ビームに分離
    した後、それらの主ビーム及び副ビームを情報担体の情
    報記録面に導き、それらの主ビーム及び副ビームの前記
    情報記録面からの反射光を、前記回折格子を通した後、
    光検出部の3つの領域に夫々導くように構成し、 前記3つの領域のうちの両端の領域における検出信号の
    差を、前記情報担体の前記情報記録面における前記主ビ
    ーム及び副ビームの位置制御に用いるとともに、 前記3つの領域のうちの中央の領域における検出信号か
    ら、前記両端の領域における検出信号の和に所定の係数
    を掛けた値を減じた値を、前記情報記録面からの情報読
    み取り信号として用いる、信号検出方法。
  12. 【請求項12】 強度Aの光が、前記回折格子により、
    強度(1−2r)Aの主ビームと、強度rAの2つの副
    ビームに分離される時(但し、r:正の実数)、前記係
    数として、r/(1−2r)を用いる、請求項11に記
    載の信号検出方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも3つの領域に分割された光
    検出部が表面に設けられた基板と、前記基板の表面上に
    取り付けられた発光素子と、前記基板の表面上に取り付
    けられた、ビームスプリット面を有するビームスプリッ
    ターと、前記発光素子及び前記ビームスプリッターを搭
    載した前記基板を収容するパッケージと、前記パッケー
    ジのケーシングの少なくとも一部に設けられた透明カバ
    ー部と、前記透明カバー部に設けられた回折格子と、を
    夫々有する光集積素子を備えた光ピックアップにより、
    情報担体の情報記録面に記録された情報を光学的に読み
    取る、光学式情報読み取り装置。
  14. 【請求項14】 前記ビームスプリッターが、前記ビー
    ムスプリット面として傾斜端面を有するプリズムで構成
    されていて、前記レーザーダイオードから出射した光の
    うち前記傾斜端面で反射した光が前記回折格子に導か
    れ、前記回折格子からの光のうち前記傾斜端面を透過し
    た成分が前記光検出部に導かれる、請求項13に記載の
    光学式情報読み取り装置。
  15. 【請求項15】 前記ビームスプリット面が、前記ビー
    ムスプリッターの内部に前記基板表面に対し傾斜して設
    けられていて、前記レーザーダイオードから出射した光
    のうち前記ビームスプリット面を透過した光が前記回折
    格子に導かれ、前記回折格子からの光のうち前記ビーム
    スプリット面で反射した成分が前記光検出部に導かれ
    る、請求項13に記載の光学式情報読み取り装置。
  16. 【請求項16】 前記回折格子が、前記透明カバー部の
    表面領域に設けられている、請求項13に記載の光学式
    情報読み取り装置。
  17. 【請求項17】 前記回折格子が、前記透明カバー部に
    固着された光学素子に設けられている、請求項13に記
    載の光学式情報読み取り装置。
  18. 【請求項18】 前記ビームスプリッターが複屈折材料
    で構成されている、請求項13に記載の光学式情報読み
    取り装置。
  19. 【請求項19】 前記3つの領域のうちの両端の領域に
    おける検出信号の差を、前記情報担体の前記情報記録面
    におけるトラッキング制御に用いるとともに、前記3つ
    の領域のうちの中央の領域における検出信号から、前記
    両端の領域における検出信号の和に所定の係数を掛けた
    値を減じた値を、前記情報記録面からの情報読み取り信
    号として用いる、請求項13に記載の光学式情報読み取
    り装置。
  20. 【請求項20】 強度Aの光が、前記回折格子により、
    強度(1−2r)Aの主ビームと、強度rAの2つの副
    ビームに分離される時(但し、r:正の実数)、前記係
    数として、r/(1−2r)を用いる、請求項19に記
    載の光学式情報読み取り装置。
  21. 【請求項21】 前記光検出部が、前記少なくとも3つ
    の領域に分割された第1の光検出部を含む複数の光検出
    部で構成されている、請求項13に記載の光学式情報読
    み取り装置。
  22. 【請求項22】 前記複数の光検出部における検出信号
    が、前記情報担体の前記情報記録面に対するフォーカス
    制御に用いられる、請求項21に記載の光学式情報読み
    取り装置。
  23. 【請求項23】 前記第1の光検出部が、前記情報担体
    の前記情報記録面からの反射光が焦点を結ぶ位置に設け
    られている、請求項21に記載の光学式情報読み取り装
    置。
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US12107384B2 (en) 2019-12-05 2024-10-01 Nichia Corporation Light emitting device

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