JPH10321393A - 放電灯装置 - Google Patents

放電灯装置

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JPH10321393A
JPH10321393A JP12768197A JP12768197A JPH10321393A JP H10321393 A JPH10321393 A JP H10321393A JP 12768197 A JP12768197 A JP 12768197A JP 12768197 A JP12768197 A JP 12768197A JP H10321393 A JPH10321393 A JP H10321393A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリッジ用スイッチング素子の駆動を安定し
て行うことを目的とする。 【解決手段】 IC素子43a、43bの各電源端子V
ccは、フライバックトランス29の二次側に接続され
ている。つまり、図6に示すようにフライバックトラン
ス29の二次側には、抵抗95とツェナーダイオード9
7よりなる。第1電源回路96が設けられており、電源
端子Vccへの印加電圧は、第1電源回路96により発
生された所定電圧V2(15V)となる。IC素子43
a、43bは、二次巻線29bにて発生する二次電圧
(上記ランプ電圧)を利用して、上記Hブリッジ制御回
路11にて制御されるようになっている。これにより、
バッテリ電圧VBが低下しても、フライバックトランス
29の二次側から駆動電圧を得ることで、MOSトラン
ジスタ41a〜41dを安定して駆動制御することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧放電灯を点灯
する放電灯装置に関し、特に車両用前照灯に用いると好
適である。
【0002】
【従来の技術】高圧放電灯(以下、放電灯)を車両用前
照灯に用いたものとして、トランスにて1次側のバッテ
リー電圧を2次側で高圧化して放電灯の点灯を行うもの
が知られている。また、放電灯は交流点灯されるが、こ
の交流点灯は4つのMOSトランジスタで構成されたH
型ブリッジ回路(インバータ回路)によって行われてい
る。すなわち、H型ブリッジ回路における対角線上にあ
るMOSトランジスタTRが交互にオン・オフされて交
流点灯が行われている。
【0003】そして、このH型ブリッジ回路におけるM
OSトランジスタTRのオン・オフ用の電源として定電
圧源が必要とされるが、従来では、トランスの1次側に
特別に専用の回路用DC−DCコンバータを設け、これ
を定電圧源として利用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回路用
DC−DCコンバータを設けたことによって部品点数が
増加してコスト高になるため、コスト削減を図るために
は回路用DC−DCコンバータの廃止が要求される。し
かしながら、回路用DC−DCコンバータの廃止によっ
てMOSトランジスタTRのオン・オフ用の定電圧源が
なくなるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、先
ずブリッジ用スイッチング素子の駆動電源を、トランス
の一次側である直流電源から得るものを検討した。しか
しながら、このようにすると、例えば直流電源の電源電
圧が低下すると、ブリッジ用スイッチング素子への駆動
電圧も低下してしまう。これにより、ブリッジ用スイッ
チング素子の駆動が不安定になるという問題がある。
【0006】そこで、本発明者は、トランスの一次側か
らでは無く、高電圧となるトランスの二次側を着目し、
この二次側からブリッジ用半導体素子への駆動電源を得
ることで、ブリッジ用半導体スイッチング素子の駆動を
安定して行うことができるという点に着目した。このよ
うな着目により、請求項1ないし4記載の発明では、ト
ランス(29)の二次側に設けられ、二次側の電圧を所
定電圧(V2)にする定電圧電源回路(96)とを有
し、駆動制御回路(43a、43b)は、前記電源回路
(96)から駆動電源が得られるように構成されている
ことを特徴としている。
【0007】これにより、トランスの二次側に電源回路
を設け、駆動制御回路がこの電源回路から駆動電圧を得
るようになっているので、ブリッジ用スイッチング素子
を安定して駆動制御することができる。なお、ここで言
うトランスは、一次側と二次側が巻線にて構成されたも
のと、一次側のみが巻線にて構成されたリアクターとを
含む。
【0008】また、請求項2記載の発明では、駆動制御
回路(43a、43b)は、電源回路(95、97)か
ら駆動電源が得られるとともに、直流電源(1)側から
も駆動電源が得られるようになっていることを特徴とし
ている。ここで、電源回路に所定電圧より小さい電圧が
発生しているときには、駆動制御回路を駆動が不安定に
なる。そこで、請求項2記載の発明によれば、この場合
は駆動制御回路を直流電源側からの駆動電源にて駆動で
きる。なお、ここでいう所定電圧より小さい電圧とは、
定電圧電源回路に全く電圧が発生していないときを含
む。
【0009】例えば、請求項2において、請求項3記載
の発明では、トランス(29)の一次側に接続され、一
次側を流れる一次電流を制御する一次用スイッチング素
子(19)と、放電灯(2)の放電電圧に相当する電圧
信号(VL)と、放電灯(2)の放電電流(IL)に相
当する電流信号(IL)とに基づいて、一次用スイッチ
ング素子(19)を制御することで、放電灯(2)の電
力を制御する電力制御手段(9、10)とを有するよう
にした。
【0010】このようにすると、放電灯は、電力制御手
段により、上記電圧信号および上記電流信号に基づいて
電力が制御される。そして、例えば一次側に始めて一次
電流が流れた直後には、二次側には電圧は発生していな
い。従って、例えば一次側に始めて一次電流が流れた直
後には、ブリッジ回路は駆動制御できず、最悪の場合制
御遅れや制御が不安定になる可能性がある。
【0011】そこで、請求項3記載の発明によれば、駆
動制御回路は、直流電源(1)側からの駆動電源が得ら
れるようになっているので、上記問題を解決できる。さ
らに請求項2において、請求項3記載の発明では、駆動
制御回路(43a、43b)は、二次側の駆動電源の電
圧が所定電圧より低下する異常状態になると、直流電源
(1)側から駆動電源を得ることで、複数のブリッジ用
半導体スイッチング素子(41a〜41d)の導通を全
て遮断することを特徴としている。
【0012】ここで、本発明者の検討によると、何らか
の原因で放電灯装置が異常状態となり、この異常状態に
対応しようとするために、複数のブリッジ用スイッチン
グ素子の導通を全て遮断することを着想した。しかしな
がら、本発明者の検討によると、このような異常状態に
なったときには、二次側の駆動電源の電圧が所定電圧よ
り低下してしまうため、電源回路による駆動電源も低下
し、複数のブリッジ用スイッチング素子の駆動が不安定
になり、確実に導通を全て遮断することができない可能
性があることが分かった。
【0013】そこで、請求項3記載の発明によれば、駆
動制御回路は、二次側の駆動電源の電圧が所定電圧より
低下する異常状態になると、直流電源側から駆動電源を
得るようにしてあるので、確実に複数のブリッジ用スイ
ッチング素子の導通を全て遮断できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。なお、本実施形態は本発明の放電灯装
置100を車両用前照灯に適用したものである。図1に
本実施形態における放電灯装置100の全体構成図、図
2に本実施形態における放電灯装置100の制御系のブ
ロック図を示す。
【0015】1は車両に搭載された直流電源(以下、バ
ッテリという、定格電圧(バッテリ電圧VB)12V)
であり、1aは電源端子、1bはアース端子、2は車両
前照灯であるメタルハライドランプ等の高圧放電灯(以
下、ランプという)である。SWは、車室内に設けら
れ、使用者の操作により、上記ランプ2の点灯消灯を設
定する点灯スイッチである。50は、放電灯装置100
に過電流が流れたときに溶断するヒューズである。
【0016】放電灯装置100は、図1に示すように逆
接保護回路3、平滑回路4、フライバックトランス29
を有する直流電源回路5、テークオーバー回路6、Hブ
リッジ回路7aを含むインバータ回路7、始動回路8等
の回路機能部を有する。本実施形態では、図2に示すよ
うに上記回路機能部を制御する制御回路として、PWM
(パルス幅変調)制御回路9、後述のランプ電圧VLお
よびランプ電流ILに基づいて、ランプ電力を所望電力
に制御するランプパワー制御回路10、上記Hブリッジ
回路7aを制御するHブリッジ制御回路11等を有す
る。
【0017】また、本実施形態では、上記制御回路とし
てその他に、ランプ電圧VLを所定のタイミングでサン
プリングおよびホールドするサンプルホールド回路1
2、ランプ点灯開始時に、上記始動回路8を制御して、
ランプ2に高電圧を印加させてランプ2を電極間で絶縁
破壊させる高電圧発生制御回路13、放電灯装置100
が後述の異常状態となったときに、上記Hブリッジ制御
回路11を通じてHブリッジ回路7aを制御するフェイ
ルセーフ回路14と、ランプ2のコネクタ35の外れを
検出するコネクタ外れ検出回路15とを有している。
【0018】さらに、各制御回路9〜15の駆動電力は
バッテリ電圧VB等に基づいて行われるが、1次側電圧
が過電圧となった際に、この過電圧から各制御回路9〜
15を保護するための過電圧保護回路16も放電灯装置
100には備えられている。ここで、先ず、放電灯装置
100の点灯動作の概略を説明する。上記点灯スイッチ
SWがオンされると、フライバックトランス29にてバ
ッテリ電圧VBが昇圧され、これにより、Hブリッジ回
路7aを通じて始動回路8のコンデンサ53が充電され
る。そして、コンデンサ53が充電されると、始動回路
8にて充電された電荷が放電されて、トランス47にて
さらに高電圧化された電圧がランプ2に印加され、ラン
プ2が電極間で絶縁破壊し点灯されるようになる。
【0019】その後、ランプ2が点灯すると、Hブリッ
ジ回路7aによりランプ2への放電電圧の極性(放電電
流の向き)を交互に切り換えることで、ランプ2を交流
点灯させる。次に、上記回路機能部および上記制御回路
の構成の概略について簡単に説明する。
【0020】逆接保護回路3は、抵抗17、コンデンサ
19、およびMOSトランジスタ12とからなる。逆接
保護回路3は、後述する電源端子に負極性の高電圧が発
生したときに、MOSトランジスタ21を保護するもの
である。また、バッテリ1を極性が逆にして車両に取り
付けるといった逆接時には、ヒューズ50を溶断しない
ようにするものである。
【0021】平滑回路4は、上記電源端子1aに発生す
る電圧を平滑するものであり、コンデンサ23、25
と、コイル27とからなるコンデンサ入力型平滑回路
(チョーク入力型平滑回路)である。直流電源回路5
は、一次側と二次側とが共に巻線で構成されたフライバ
ックトランス29を有している。フライバックトランス
29は、バッテリ側に配された一次巻線29aと、ラン
プ2側に配された二次巻線29bを有している。また、
フライバックトランス29は、図1に示すように一次巻
線29aと二次巻線29bとは電気的に導通可能となっ
ている。直流電源回路5には、上記PWM回路9により
スイッチング制御されるMOSトランジスタ31が設け
られている。上記一次巻線29aの一次電流は、このM
OSトランジスタ31により制御される。
【0022】つまり、フライバックトランス29は、M
OSトランジスタ31がオンのときには、一次巻線29
aに一次電流が流れることで、一次巻線29aにエネル
ギーが蓄えられるようになっている。そして、フライバ
ックトランス29は、MOSトランジスタ31がオフに
なると、一次巻線29aのエネルギーを二次巻線29b
に供給するようになっている。
【0023】また、直流電源回路5の二次巻線29bに
は、整流用のダイオード33と、平滑用コンデンサ35
が設けられている。テークオーバー回路6は、コンデン
サ37と抵抗39とからなる。コンデンサ37は、上記
点灯スイッチSWがオンされると電荷が充電されるよう
になっている。テークオーバー回路6は、上記始動回路
8によりランプ2を電極間で絶縁破壊させたのち、速や
かにアーク放電に移行させるものである。
【0024】インバータ回路7は、フライバックトラン
ス29の二次巻線29b側に設けられ、バッテリ1から
の電力を交流変換することで、ランプ2を交流点灯させ
るものである。インバータ回路7を構成するHブリッジ
回路7aは、ランプ2の放電電流の向きを交互に反転さ
せるものである。Hブリッジ回路7aは、Hブリッジ状
に配置された複数のブリッジ用半導体スイッチング素子
をなす4つのMOSトランジスタ41a〜41dを有す
る。これら4つのMOSトランジスタ41a〜41d
は、図中43a、43bにて示すブリッジ駆動回路(本
例ではIC素子、以下、IC素子という)によって制御
される。
【0025】ブリッジ制御回路11は、IC素子43
a、43bを制御することで、Hブリッジ回路7aのう
ち対角線上にあるMOSトランジスタ41a、41dが
オフ状態であるときは、対角線上にあるMOSトランジ
スタ41b、41cをオン状態に切換制御し、MOSト
ランジスタ41b、41cがオン状態であるときは、M
OSトランジスタ41aと41dをオフ状態に切換制御
する。この結果、ランプ2の放電電流の向きが交互に切
り換わる、言い換えるとランプ2の印加電圧(放電電
圧)の極性が反転することで、ランプ2は交流点灯す
る。
【0026】Hブリッジ回路7aは、ランプ点灯開始時
には長い一定周期でMOSトランジスタ41a〜41d
をオン・オフさせ、その後は短い一定周期でMOSトラ
ンジスタ41a〜41dをオン・オフさせるようになっ
ている。なお、図中45は、Hブリッジ回路7aを点灯
始動時に発生する高圧パルスから保護する保護用のコン
デンサである。
【0027】始動回路8は、ランプ2を点灯開始させる
ものであって、上記Hブリッジ回路7aの中点電位点
と、アース端子1bとの間に設置されている。始動回路
8は、一次巻線47aと二次巻線47bとからなるトラ
ンス47、ダイオード49、51、コンデンサ53、抵
抗55、および一方向性半導体素子であるサイリスタ5
7とからなる。
【0028】サイリスタ57は、上記点灯スイッチSW
がオンされたときには、オフとなっており、これによ
り、コンデンサ53は充電を開始する。その後、上記高
電圧発生制御回路13によりサイリスタ57がオンとさ
れる。この結果、コンデンサ53は放電を開始する。す
ると、コンデンサ53に蓄えられたエネルギーが、トラ
ンス47を通じて高電圧化されることで、ランプ2に高
電圧が印加される。この結果、ランプ2は、電極間で絶
縁破壊し点灯する。
【0029】PWM制御回路9は、鋸歯状波に対するス
レッショルドレベルを可変にすることで、上記MOSト
ランジスタ31のオン・オフ時間、つまりデューティー
比を制御するものである。ランプパワー制御回路10
は、ランプ電流ILと、上記サンプルホールド回路12
によってサンプルホールドされたランプ電圧VLとに基
づいて、ランプ電力が所望値となるように制御するもの
である。なお、ランプ電流ILは、Hブリッジ回路7a
に設けられた電流検出用抵抗59にて検出される。
【0030】本実施形態におけるランプパワー制御回路
10によるランプパワー制御は、以下のようなものであ
る。ランプパワー制御回路10は、ランプ2の点灯開始
時にランプ2の電極温度が低いと、ランプ2に立ち消え
が生じ易いので、ランプ電力を大きな値(例えば75
W)として電極温度を迅速に高め、電極温度が徐々に高
くなると、ランプ電力を徐々に低下させていき、ランプ
2が安定状態になるとランプ電力を所定値(35W)一
定に制御するものである。
【0031】また、ランプ電圧VLが高電圧(例えば4
00V)となってランプ2の点灯が開始された直後で
は、ランプ電圧VLは最も小さくなり、その後ランプ電
圧VLは徐々に大きくなる。一方、ランプ電流ILは、
ランプ2の点灯が開始された直後には、ランプ電圧VL
に反して徐々に小さくなる。そして、このようなランプ
パワー制御を行うために、上記PWM制御回路9は、上
記ランプパワー制御回路10の指令信号を受けて、上記
MOSトランジスタ31のオン・オフのディーティ比を
可変することで、ランプ電力を制御する。
【0032】上記サンプルホールド回路12は、ランプ
電圧VLのうち、Hブリッジ回路7aの切換時に発生す
る後述の過渡電圧をマスクし、上記ランプパワー制御回
路10による制御を精度良く行うものである。上記フェ
イルセーフ回路14は、放電灯装置100に何らかの異
常が生じたときに、上記PWM制御回路9の制御を停止
するとともに、Hブリッジ回路7aのMOSトランジス
タ41a〜41dの導通を全てオフするものである。
【0033】なお、上記制御回路9〜15は、全て図示
しない集積回路内に設けられている。 〔始動回路8について〕次に、始動回路8の詳細につい
て説明する。始動回路8は、ランプ2を点灯開始させる
ものであって、上記Hブリッジ回路7aの中点電位点
と、アース端子1bとの間に設置されている。
【0034】始動回路8の作動について、図3に示すタ
イムチャートを基に説明する。但し、図3において
(a)はランプ2の両端電圧Vlampであり、(b)
はコンデンサの充電電圧Vcであり、(c)はサイリス
タ57のゲートに出力されるゲート駆動信号であり、
(d)は2次巻線47bに発生する高電圧である。上記
点灯スイッチSWがオンされると、Hブリッジ回路7a
を構成するMOSトランジスタ41a〜41dのオン・
オフが開始される(図3のt1の時点)。MOSトラン
ジスタ41a、41dがオンする時には、ゲート駆動信
号はローレベル信号が出力されて、サイリスタ57はオ
フ状態となる。これにより、コンデンサ53は充電を始
める(図3のt2の時点)。このコンデンサ53の充電
がMOSトランジスタ41a、41dのオン期間中に十
分になされた後、MOSトランジスタ41a、41dが
オフして、MOSトランジスタ41b、41cがオンと
なる(図3のt3の時点)。
【0035】そして、サイリスタ57のゲート駆動信号
がハイレベル信号に変わるとサイリスタ57がオンして
電流が流れ、トランス47の2次巻線47bに高電圧が
発生する(図3のt4の時点)。この高電圧がランプ2
に印加され、ランプ2の電極間で絶縁破壊し、ランプ2
が点灯開始する(図3t5の時点)。さらに、サイリス
タ57に対してダイオード51を並列接続することによ
り、サイリスタ57オン時にコンデンサ53と一次巻線
47aとで、LC共振させている。2次巻線47bから
の高電圧によりランプ2の電極間で絶縁破壊するとラン
プ2の電極間には、火花放電電流が流れ、この火花放電
電流は、上記LC共振により減衰振動電流となる。これ
により、火花放電電流の持続時間はダイオード51を接
続しない場合に比べ、格段に長くすることができる。
【0036】ランプ2で火花放電電流が流れている間の
ランプ電圧は、コンデンサ35、及びコンデンサ37の
充電電圧より低くなり、この時にHブリッジ回路7aを
介してランプ2に流れ込むことにより、ランプ2は点灯
を開始する。従って、ダイオード51を接続することに
より、火花放電電流の持続時間が長くなり、コンデンサ
35、およびコンデンサ37からHブリッジ回路7aを
介して確実にランプ2へ点灯開始するに十分な電流を流
れ込ませることができ、確実にランプ2を点灯させるこ
とができる。すなわちランプ2の点灯性を向上させるこ
とができる。
【0037】また、Hブリッジ回路7aの中点電位点に
てコンデンサ53の充電を行っているため、MOSトラ
ンジスタ41a〜41dのオン・オフ切換え時にコンデ
ンサの高圧側電位が0Vになる。このため、サイリスタ
57を確実にオフさせることができる。つまり、サイリ
スタ57は1度オンすると、所定の条件(例えば、サイ
リスタ57のアノード側電位>カソード側電位)を満た
すまでオフしないが、このような場合にはコンデンサ5
3への充電が再び行えなくなる。このため、仮にMOS
トランジスタ41a〜41dのオン・オフの1周期目で
ランプ2が点灯しなかった場合に、その後ランプ2の点
灯ができなくなってしまうが、Hブリッジ回路7aの中
点電位点によってコンデンサ53の充電を行っているた
め、これを防止でき、ランプ2を確実に点灯させること
ができる。
【0038】さらに、フライバックトランス29の2次
側である中点電位点にてコンデンサ53の充電を行って
いるため、直流電源回路5で高圧変換された電圧によっ
てコンデンサ53の充電が成されることになる。従来で
は、コンデンサ53の両端電圧を高圧にするためのトラ
ンスを直流電源回路5とは別個に設けていたが、このた
めにのみトランスを設ける必要がない。このように、始
動回路8と直流電源回路5とでフライバックトランス2
9を共用しているためトランスを1つにでき、コスト削
減を図ることができる。
【0039】なお、上記ゲート駆動信号は、MOSトラ
ンジスタ41a〜41dの切換えタイミングに同期して
高電圧発生制御回路13から出力されるが、高電圧発生
制御回路13にはHブリッジ制御回路11からMOS4
1a〜41dの切換えタイミングを知らせる信号が入力
されており、この信号に基づいてゲート駆動信号の出力
タイミングが設定されている。
【0040】また、ランプ2が点灯すると始動回路8を
駆動する必要がなくなるため、ゲート駆動信号はローレ
ベル信号が出力される。このランプ点灯は、ランプ電流
ILが所定値以上であるか否かによって判定している。
すなわち、ランプ2が点灯するとHブリッジ回路7aを
介して電流検出用抵抗32にランプ電流ILが流れるた
め、ランプ電流ILが検出されるとゲート駆動信号をロ
ーレベル信号にするようになっている。
【0041】〔IC素子43a、43bの駆動回路につ
いて〕次に、上記IC素子43a、43bの駆動につい
て説明する。図4にIC素子43a、43bを駆動する
回路図を示す。但し、図4は図1中の構成要件を一部削
除してある。IC素子43aは、ハイアンドロードライ
バー回路(International Rectif
ier社製、IR2101)を使用している。なお、I
C素子43a、43bの構成は全く同じである。
【0042】IC素子43a、43bの各電源端子Vc
cは、フライバックトランス29の二次側に接続されて
いる。つまり、フライバックトランス29の二次側に
は、抵抗95とツェナーダイオード97よりなる第1電
源回路96が設けられており、電源端子Vccへの印加
電圧は、第1電源回路96により発生された所定電圧V
2(15V)となる。
【0043】また、IC素子43aの高電圧側入力端子
Hinと、IC素子43bの低電圧側入力端子Linと
が接続されている。そして、これら2つの端子Hinと
Linには、Hブリッジ制御回路11中の端子11aか
らのハイレベル信号、もしくはローレベル信号が同じよ
うに入力される。さらにIC素子43aの低電圧側入力
端子Linと、IC素子43bの高電圧側入力端子Hi
nとが接続されている。そして、これら2つの端子Hi
nとLinとには、Hブリッジ制御回路11の端子11
bからのハイレベル信号、もしくはローレベル信号が同
じように入力される。そして、Hブリッジ制御回路11
の11端子a、bは、互いにハイレベル信号とローレベ
ル信号とが反転するようになっている。
【0044】簡単に作動を説明すると、Hブリッジ制御
回路11の端子11aからハイレベル信号が、端子11
bからローレベル信号が出力されると、MOSトランジ
スタ41a、41dがオンとなり、MOSトランジスタ
41b、41cがオフとなる。また、Hブリッジ制御回
路11の端子11aからローレベル信号が出力され、端
子11bからハイレベル信号が出力されると、MOSト
ランジスタ41b、41cがオンとなり、MOSトラン
ジスタ41a、41dがオフとなる。
【0045】このように本実施形態では、IC素子43
a、43bは、二次巻線29bにて発生する二次電圧
(上記ランプ電圧)を利用して、上記Hブリッジ制御回
路11にて制御されるようになっている。これにより、
バッテリ電圧VBが低下しても、フライバックトランス
29の二次側から駆動電圧を得ることで、MOSトラン
ジスタ41a〜41dを安定して駆動制御することがで
きる。
【0046】ところで、IC素子43a、43bは、ト
ランス29の二次側の電圧の他に、一方向性半導体スイ
ッチング素子であるダイオード99を介して一次側の電
圧(バッテリ電圧VB)にて駆動制御可能になってい
る。このようにした理由は、以下の2つの理由からであ
る。 上述したランプパワー制御回路10により、ランプ
2のランプ電力がランプ2の放電電圧に相当するランプ
電圧VL(電圧信号)、およびランプ2の放電電流に相
当するランプ電流IL(電流信号)に基づいて、所望値
となるようにフィードバック制御が行われる。
【0047】そして、例えば上記点灯スイッチSWがオ
ンされた直後には、二次巻線29b側には電圧は発生し
ていない。従って、点灯スイッチSWがオンされた直後
には、Hブリッジ回路7aは駆動制御できず、最悪の場
合制御遅れやフィードバック制御が不安定になる可能性
がある。そこで、本例では、上記点灯スイッチSWがオ
ンされた直後にでも、Hブリッジ回路7aを駆動制御出
来ようにするため、バッテリ電圧VBによってIC素子
43a、43bを駆動できるようにしている。
【0048】 ランプ電圧VLが上記所定電圧Vr1
より低下してしまう後述の異常状態になると、IC素子
43a、43bの駆動電源が不足し、Hブリッジ回路7
aをオフ(MOSトランジスタ41a〜41dの導通を
全て遮断状態、以下これをHブリッジ回路7aをオフと
いう)できない。そこで、本例ではIC素子43a、4
3bは、上記異常状態となると、バッテリ電圧VBによ
り駆動電源を得るようにした。これにより、上記異常状
態において確実にHブリッジ回路7aをオフすることが
できる。
【0049】なお、上記異常状態のときには、図4中2
42で示す第1異常用回路の2つの出力信号を共にハイ
レベル信号とすることで、IC素子43a、43bを通
じてHブリッジ回路7aをオフする。なお、バッテリ電
圧VBが12Vであるときに、IC素子43a、43b
の各電源端子Vccへの印加電圧は、ツェナーダイオー
ド97により定電圧15Vに制御される。従って、図4
中ダイオード99は逆流防止の機能を果たす。また、1
01は、ノイズ除去用のコンデンサであり、420は電
流制限用の抵抗である。
【0050】〔MOSトランジスタ31の駆動電源につ
いて〕次に上記MOSトランジスタ31の駆動電源の得
方について図5を用いて説明する。トランス29の二次
側には、上記抵抗95と上記ツェナーダイオード97と
によって、二次側に発生する高電圧を所定電圧V2(例
えば15V)に定電圧化する第1電源回路96が設けら
れている。
【0051】バッテリ1側(一次側)には、抵抗105
とコンデンサ107とによって、バッテリ電圧によって
決まる所定電圧V3(第2所定電圧)を得る第2電源回
路110が設けられている。第1電源回路96と第2電
源回路110との間には、第1電源回路96側に抵抗1
20を介して、切換手段をなすダイオード111が設け
られている。
【0052】ダイオード111は、上記所定電圧V3
と、所定電圧V2から抵抗120にて電圧降下した所定
電圧V4(第1所定電圧)とのうち、所定電圧V3の方
が高いときに、電流を流す。なお、本例では、バッテリ
電圧VBがほぼ定格電圧にあるときには、抵抗120に
より所定電圧V3が所定電圧V4より高くなるようにし
てある(以下、これを正常状態)。
【0053】第1電源回路96と第2電源回路110と
の間には、抵抗114を介して上記MOSトランジスタ
31を駆動する駆動回路124を構成するダーリントン
接続された2つのNPNトランジスタ112、113が
接続されている。なお、ダイオード111は、NPNト
ランジスタ112、113の両コレクタ間に設けられて
いる。
【0054】従って、上記正常状態においては所定電圧
V3が所定電圧V4よい高いため、ダイオード111は
電流を流す。このため、トランス29の一次側よりNP
Nトランジスタ112にベース電流が流れて、NPNト
ランジスタ112がオンとなる。すると、NPNトラン
ジスタ112のコレクタ電流がNPNトランジスタ11
3のベース電流となって、トランス29の一次側からN
PNトランジスタ113にコレクタ電流が流れる。
【0055】一方、所定電圧V4が所定電圧V3より高
いとき、例えば、バッテリ電圧が低下したときには、二
次側からNPNトランジスタ112のベース電流が流れ
て、NPNトランジスタ112がオンとなる。すると、
NPNトランジスタ113もオンとなって、トランス2
9の一次側よりNPNトランジスタ113にはコレクタ
電流が流れる。
【0056】この時、所定電圧V4が所定電圧V3より
も高くなっているため、ダイオード111は、電流を流
さない。このため、所定電圧V4が所定電圧V3より高
いという関係が維持される。上記NPNトランジスタ1
12、113の作動は、図5に示すように上記PWM制
御回路9の出力信号を受けて、オン・オフする5つのN
PNトランジスタ115〜119にて制御されるように
なっている。以下、この5つのNPNトランジスタ11
5〜119について説明する。
【0057】NPNトランジスタ115、116は、P
WM制御回路9の出力信号(デューティー信号)に応じ
てオン・オフするようになっている。以下、出力信号の
うち、ハイレベル信号をオン信号、ローレベル信号をオ
フ信号として説明する。例えば、出力信号がオン信号で
あると、NPNトランジスタ115、116がオンとな
り、定電流源121からの定電流がNPNトランジスタ
115のコレクタ電流となる。これにより、NPNトラ
ンジスタ117、118がオフし、NPNトランジスタ
119もオフとなる。
【0058】つまり、デューティー信号がオン信号であ
ると、NPNトランジスタ115、116はオン、NP
Nトランジスタ117〜119はオフとなる。従って、
NPNトランジスタ112のコレクタ電流は、NPNト
ランジスタ113のベースに流れ込んで、NPNトラン
ジスタ113がオンされる。この結果、NPNトランジ
スタ113のコレクタ電流がMOSトランジスタ31の
ゲートに流れ込み、MOSトランジスタ31がオンとな
る。
【0059】一方、上記出力信号がオフ信号であると、
NPNトランジスタ115、116がオフとなるので、
定電流源121によりNPNトランジスタ117がオン
される。これにより、NPNトランジスタ117には定
電流源122からの定電流が流れる。また、この際、定
電流源121によりNPNトランジスタ118もオンと
なる。これにより、NPNトランジスタ112のコレク
タ電流は、NPNトランジスタ118に流れ込む。この
結果、NPNトランジスタ113はオフとなる。
【0060】また、NPNトランジスタ116はオフで
あるので、NPNトランジスタ117を流れたコレクタ
電流がNPNトランジスタ119のベースに流れ込み、
NPNトランジスタ119がオンとなる。これにより、
NPNトランジスタ113のコレクタ電流は、MOSト
ランジスタ31のゲートに流れ込まず、NPNトランジ
スタ119のコレクタ電流となり、MOSトランジスタ
31はオフとなる。
【0061】このように上記オン信号およびオフ信号に
よって、MOSトランジスタ31がオン・オフするよう
になっている。また、図5に示すようにMOSトランジ
スタ31のゲートと、定電流源122との間には、ダイ
オード123が設けられている。このダイオード123
は、MOSトランジスタ31がオンからオフになるとき
のスイッチング速度を高めるものである。つまり、MO
Sトランジスタ31がオンからオフになるときには、M
OSトランジスタ31のゲートに蓄えられた電荷を、ダ
イオード123を通じて引き抜いて、NPNトランジス
タ117のコレクタ電流を増加させる。これにより、N
PNトランジスタ119のベース電流が増加するので、
NPNトランジスタ131が迅速にオフとなる。この結
果、MOSトランジスタ31のスイッチング速度を向上
できる。
【0062】次に、上記図5の回路の作動を詳しく説明
する。 前提としてバッテリ電圧VBがほぼ定格電圧あり、
第2電源回路110が所定電圧V3を発生し、この際、
上記点灯スイッチSWがオンされ、PWM制御回路9の
出力信号がオン信号であったとする。この際、上記点灯
スイッチSWがオンされた直後には、トランス29の二
次側には電圧が発生していない。従って、この場合は、
第2電源回路110の所定電圧V3によりNPNトラン
ジスタ112がオンされ、NPNトランジスタ113も
オンとなる。つまり、NPNトランジスタ112、11
3のベース電流およびコレクタ電流は、第2電源回路1
10により流れる(得られる)。この結果、MOSトラ
ンジスタ31は、フライバックトランス29の一次側、
つまり第2電源回路110から駆動電源を得て、オンと
なる。
【0063】その後、PWM制御回路9がオン・オフ信
号を繰り返すと、二次巻線29bが一次巻線29aのエ
ネルギーを受け取ることで、二次側の電圧は徐々に上昇
していく。これにより、第1電源回路96にて所定電圧
V2が発生し、さらには所定電圧V4が発生する。 次に前提としてランプ点灯中にバッテリ電圧が低下
したために、所定電圧V3も低下して、所定電圧V3が
所定電圧V4より低くなったとする。
【0064】すると、ダイオード111は、NPNトラ
ンジスタ112、113のベース電流をトランス29の
二次側(第1電源回路96)から得るように電流経路を
切換える。つまり、NPNトランジスタ112は、トラ
ンス29の二次側(第1電源回路96)より、駆動電源
を得ることになる。この結果、本実施形態ではバッテリ
1の電源電圧VBが点灯中に低下したときには、トラン
ス29の二次側の第1電源回路96にてNPNトランジ
スタ112、113、およびMOSトランジスタ31を
安定して駆動制御することができる。
【0065】従って、本実施形態では、上記所定電圧V
3が上記所定電圧V4より低くなったときのみに、NP
Nトランジスタ112の駆動電源を第1電源回路96よ
り得る。これにより、以下の効果がある。トランス29
の二次側には、上述したように400Vといった高電圧
が発生する。従って、ツェナーダイオード97を小型で
安価なものとすると、抵抗95は抵抗値が非常に大きな
ものを使用する必要がある。しかしながら、このように
すると、抵抗値の大きな抵抗95にて大きな電力が消費
されるといった問題がある。
【0066】そこで、本例では上記所定電圧V3が上記
所定電圧V4より低くなったときのみに、上記抵抗95
に電流が流れるようにしており、これにより、抵抗95
での消費電力を小さくできる。また、トランス29の二
次側には、上述したように400Vといった高電圧が発
生するが、抵抗95での消費電力は、抵抗値が大きい程
小さくなる。そして、この抵抗95の抵抗値の最大値R
(95)=(VL−V2)/Isという関係がある。
【0067】なお、VLは、トランス29の二次側電圧
(NPNトランジスタ112を正常作動させるに必要な
最低値)であり、Isは第1電源回路96が負荷に供給
する電流である。この様な関係において、上記V2とI
sは回路によって決まる固定値である。よって、抵抗9
5の抵抗値は上記VLの最低値を何ボルトにするかによ
って決まる。従って、本例では上記所定電圧V3が上記
所定電圧V4より低くなったときのみに、NPNトラン
ジスタ112の駆動電源を第1電源回路96より得る。
これにより、抵抗95の抵抗値を大きくすることができ
るので、抵抗95での消費電力を小さくすることができ
る。
【0068】また、本実施形態では、NPNトランジス
タ112とNPNトランジスタ113とをダーリントン
接続したことで、以下の効果がある。但し、上記抵抗1
14での電圧降下を無視して説明する。バッテリ電圧V
Bがほぼ定格電圧であるときには、上述したようにNP
Nトランジスタ112、113の各ベース電流およびコ
レクタ電流は、トランス29の一次側(第2電源回路1
10)から流れる。従って、NPNトランジスタ113
のコレクタ−エミッタ間の電位差は、上記電圧降下分の
和と、コレクタ−エミッタの電位降下分と、ダイオード
111の順方向電圧降下分の和となる。すなわち、本例
ではMOSトランジスタ31のゲートに印加される電圧
は、V3−(VBE112+VBE113)=V3−
1.4(V)となる。
【0069】なお、VBE112は、トランジスタ11
2のエミッタ−ベース間の順方向電圧降下分であり、V
BE113は、トランジスタ113のエミッタ−ベース
間の順方向電圧降下分である。そして、例えば、バッテ
リ電圧VBが定格電圧から徐々に低下していき、所定電
圧V3が所定電圧V4より低くなったとする。この場合
は、上述したようにNPNトランジスタ113は、第1
電源回路96によってオンされ、上記所定電圧V4とN
PNトランジスタ113のエミッタとの間の電位差は、
NPNトランジスタ112、113のベース−エミッタ
間の各電圧降下分の和となる。
【0070】しかしながら、この場合は、ダイオード1
11により第1電源回路96と第2電源回路110とは
分離していると考えられるので、この場合NPNトラン
ジスタ113のエミッタ−コレクタ間の電位差は、エミ
ッタ−コレクタ間の電圧降下分のみとなる。すなわち、
MOSトランジスタ31のゲートに印加される電圧は、
V3−VCE113=V3(V)となる。なお、VCE
は、トランジスタ113のコレクタ−エミッタ間の電圧
降下分=0(V)である。
【0071】従って、バッテリ電圧VBが、MOSトラ
ンジスタ31のスイッチング動作を行うのに必要なゲー
ト電圧に低下するまでは、確実にMOSトランジスタ3
1をオンさせることができる。なお、図5中246はN
PNトランジスタであり、これは後述する異常状態が発
生したときに、PWM制御回路9の制御を停止、つまり
MOSトランジスタ31をオフするために、第2異常用
回路244にてNPNトランジスタ115、116を強
制的に共にオフするものである。
【0072】〔ランプパワー制御回路10について〕次
に、ランプパワー制御回路10の具体的構成を図6に示
す。ランプパワー制御回路は、ランプ2の放電点灯状態
を示す信号であるランプ電圧VLやランプ電流IL等に
応じた出力を発生する誤差増幅回路(積分回路)61が
備えられており、この誤差増幅回路61の出力がPWM
制御回路に入力されようになっている。このランプパワ
ー制御回路10は、最終的に誤差増幅回路(積分回路)
61の出力電圧(出力信号)を上記PWM制御回路9内
で反転させることで、ランプ電力を制御する。
【0073】つまり、PWM制御回路9は、誤差増幅回
路61の出力電位が高くなるほど、鋸歯状波に対するス
レッショルドレベルを小さくして、MOSトランジスタ
31のオン・オフデューティー比が大きくなるように制
御する。これにより、ランプ電力が増加する。一方、P
WM制御回路9は、誤差増幅回路61の出力電位が低く
なるほど、鋸歯状波に対するスレッショルドレベルを大
きくして、MOSトランジスタ31のオン・オフデュー
ティー比が小さくなるように制御する。これにより、ラ
ンプ電力が低下する。
【0074】図6に示すように誤差増幅回路61の非反
転入力端子には、基準電圧Vrefが入力されており、
反転入力端子には、ランプ電力PLを制御するためのパ
ラメータとなる電圧V1が入力されている。これによ
り、誤差増幅回路61は、電圧V1に応じた出力を発生
し、この出力に基づき上記オン・オフデューティー比が
設定される。
【0075】そして、電圧V1が基準電圧Vrefより
高くなると、誤差増幅回路61の出力電圧は低くなり、
電圧V1が基準電圧Vrefより低くなると、誤差増幅
回路61の出力電圧は高くなるように作動する。この電
圧V1は、ランプ電流IL及びランプ電圧VL等の複合
信号、すなわちランプ電流ILと、定電圧V2により流
れる電流i1 と、第1電流設定回路63にて設定される
電流i2と、第2電流設定回路65にて設定される電流
i3に基づいて決定される。
【0076】電圧V1が基準電圧Vrefより高くなる
と、誤差増幅回路61の出力電圧は低くなり、電圧V1
が基準電圧Vrefより低くなると誤差増幅回路61の
出力電圧は高くなるように作動する。なお、ランプ電圧
VLは、上記サンプルホールド回路12からの出力値で
ある。また、電流i1 と電流i2 と電流i3 との和は、
上記ランプ電流ILより十分小さく設定されている。
【0077】ここで、第1電流設定回路63は、図に示
すようにランプ電圧VLが高くなる程、電流i2を大き
く設定するものである。さらに、電流i2は、図に示す
ようにランプ電圧VLが高くなるほど傾きが緩やかにな
る異なる直線を繋げたような関係にて設定されるように
なっている。第2電流設定回路65は、図に示すように
電流i3を時間Tが長くなるほど大きくなるように設定
する。なお、この時間Tは、ランプ2が消灯してからの
経過時間に相当し、上記電極温度の状態を間接的に予測
するものである。
【0078】つまり、ランプ2がある程度の時間継続し
て点灯されると、電極温度は十分温かくなっており、そ
の後短時間ランプ2を消灯させて再度ランプ2を点灯し
たときには、電極温度の温度低下量は少ない。従って、
この場合、ランプ電力は、例えば外気温程度まで電極が
冷えきった状態に比べて小さくて良い。この結果、本実
施形態では、ランプパワー制御回路10により電極温度
を間接的に予測して、電極温度に応じてランプ電力を制
御することができる。
【0079】このように、ランプパワー制御回路10
は、ランプ電流IL及びランプ電圧VLに基づいて制御
を行っているため、これらランプ電流IL及びランプ電
圧VLを正確に検出することが重要となる。本実施形態
では、これらランプ電圧VL及びランプ電流ILを正確
に検出するために、クランプ回路69やサンプルホール
ド回路12が設けられている。以下これらクランプ回路
69とサンプルホールド回路12について説明する。
【0080】クランプ回路69は、誤差増幅回路61の
反転入力端子に入力される電圧V1をクランプするもの
である。図に示すように、クランプ回路69は電圧ホロ
ワ回路を構成している。このクランプ回路69に備えら
れたオペアンプ69aの非反転入力端子には、誤差増幅
回路61の非反転入力端子に入力される所定電圧Vre
fよりも所定電圧低いVref−αの電圧が入力され
る。ただし、クランプ回路69の出力端子にはダイオー
ド69bが接続されており、オペアンプ69aが出力端
子側から電流を引き込めないようになっている。
【0081】このような構成において、電圧V1が所定
電圧Vref−αよりも高い場合には、オペアンプ69
aの非反転入力端子よりも反転入力端子の方が高電圧に
なるため、オペアンプ69aは出力端子側から電流を引
き込もうとする。しかし、出力端子側にはダイオード6
9bが備えられているためにオペアンプ69aは電流を
引き込むことができず、電圧V1は、クランプ回路69
の影響を受けずに誤差増幅回路61に入力される。
【0082】また、電圧V1が所定電圧Vref−αよ
りも低くなると、オペアンプ69aの非反転入力端子の
方が反転入力端子よりも高電圧になるため、オペアンプ
69aは出力端子側へ電流を押し出す。これにより、電
圧V1が所定電圧Vref−α以下にならないように維
持される。このようにクランプ回路69を設けた場合の
電圧V1の変化を図7に示す。図7に示すように、Hブ
リッジ回路7aにおけるMOSトランジスタ41a〜4
1dのオン・オフ切換え時において、ランプ電流ILが
一瞬大きく低下し、電圧V1は瞬間的に変化する。しか
しながら、クランプ回路69によって電圧V1が所定電
圧Vref−α以下にならず、所定電圧Vref−α以
上の電圧に維持される。このため、電圧V1の急激な変
化は生じない。
【0083】これにより、MOSトランジスタ41a〜
41dの切換え時(ランプ2の放電電流の切換え時)に
おける電圧V1の変化を小さくすることができるため、
バッテリ1からの供給電力をフィードバック制御するに
際し、ランプ電流ILの瞬間的な変化による影響を抑制
することができる。また、ランプ電流ILが低下する時
間は、トランス47bのインダクタンスが大きくなれば
なるほど大きくなる。そして、本実施形態においては、
始動回路8と直流電源回路5に必要なトランスをフライ
バックトランス29で共用していることから、トランス
47bのインダクタンスが大きく、ランプ電流ILによ
る影響が大きくなる。しかしながら、このように、クラ
ンプ回路69を設けているため、このような場合でも効
果的にランプ電流ILによるフィードバック制御への影
響を抑制することができる。
【0084】なお、MOSトランジスタ41a〜41d
のスイッチング周波数が高い場合には、フィードバック
制御の遅れによってランプ電流ILの変化によるフィー
ドバク制御への影響が顕著になるが、このようなスイッ
チング周波数が高い場合においても上記影響を抑制でき
るため有効である。また、誤差増幅回路61には積分用
コンデンサ61aが備えられており、このコンデンサ6
1aの容量を大きくすることによりランプ電流ILの影
響を緩和することも可能であるが、このようにコンデン
サ61aの容量を大きくした場合には、誤差増幅回路6
1の応答性が確保できなくなるため、クランプ回路69
を設けることが有効となる。
【0085】図8に、サンプルホールド回路12の回路
構成を示す。サンプルホールド回路12は、二次巻線4
7b及びコンデンサ35によって生じる過渡電圧を排除
するものである。このサンプルホールド回路12は反転
入力端子125と出力端子147が接続されたバッファ
アンプ回路129と、バッファアンプ回路129におけ
る出力を所定期間維持するマスク回路131とを備えて
おり、これらの回路によって過渡電圧を含んだランプ電
圧VLから、過渡電圧を排除している。サンプルホール
ド回路12には、演算増幅器152が備えられており、
この演算増幅器152によって、サンプルホールド回路
12の出力を発生し、最終的にランプパワー制御回路1
0にランプ電圧VLに応じた制御信号を送っている。
【0086】また、図9にサンプルホールド回路12を
介して検出されるランプ電圧VLの模式図を示す。以
下、図8に基づきサンプルホールド回路12の作動につ
いて説明する。サンプルホールド回路12は、デジタル
回路(図示しない)からのタイミング信号に基づきマス
ク回路131におけるNPNトランジスタ133a、1
33bをオン・オフする。そして、サンプルホールド回
路12は、マスク回路131へのタイミング信号(入力
信号)がローレベル信号である場合にはその時のランプ
電圧VLをサンプリングしてランプ電圧VLに応じた出
力を発生し、タイミング信号がハイレベル信号に切り換
わった場合にはその直前にサンプリングしたランプ電圧
VLに応じた出力を維持(ホールド)する。以下、具体
的な作動を、タイミング信号がローレベル信号である場
合とハイレベル信号に切り換わった場合に分けて説明す
る。
【0087】 タイミング信号がローレベル信号であ
る場合 この場合には、NPNトランジスタ133a、133b
がオフであるため、ランプ電圧VLに応じた出力を発生
する。非反転入力端子127に入力されたランプ電圧V
Lが増加すると、反転入力端子125の電圧と非反転入
力端子127の電圧との差電圧が大きくなり、トランジ
スタ135、155、137、139による差動回路の
出力であるトランジスタ141のベース端子の電圧が上
昇し、エミッタフォロア回路を構成するトランジスタ1
41、145により電流増幅し、バッファアンプ回路1
29の出力端子147の電圧は上昇する。この作動によ
り非反転入力端子127の電圧と反転入力端子125の
電圧(バッファアンプ回路129の出力端子147の電
圧)は等しくなるように作動する。
【0088】すなわち、バッファアンプ回路129は、
出力端子147の電圧がランプ電圧VLと同様の電圧に
なるように差動増幅回路としての作動を行う。従って、
リップル平滑用抵抗149を介してコンデンサ151に
流れ込む電流が増加し、コンデンサ151の充電電圧が
増加する。そして、この充電電圧の増加に伴った出力を
演算増幅器152は出力する。
【0089】なお、PNPトランジスタ135に流れる
電流値の減少により、定電流源143からPNPトラン
ジスタ155を流れる電流は増加し、反転入力端子12
5に流れるバイアス電流が増加するが、この電流は極め
て微小であるためコンデンサ151の充電には影響を与
えない。また、非反転入力端子127に入力されたラン
プ電圧VLが減少すると、上述した作動とは逆の作動を
行って、出力端子147の電圧がランプ電圧VLと同様
の電圧になるようにする。
【0090】すなわち、タイミング信号がローレベル信
号である時には、その時のランプ電圧VLに応じた電圧
がコンデンサ151に蓄積されており、サンプルホール
ド回路12はその時のランプ電圧VLをサンプリングす
る。 タイミング信号がハイレベル信号に切り換わった場
合 この場合には、NPNトランジスタ133a、133b
がオンする。このため、定電流源143からの電流がト
ランジスタ133aに流れ込むと共に、定電流源157
からの電流がトランジスタ133bに流れ込み、NPN
トランジスタ145、159、161がオフする。従っ
て、この時はコンデンサ151に電流が流れず、タイミ
ング信号がハイレベル信号に切り換わる直前の充電電圧
をコンデンサ151は保持する。すなわち、タイミング
信号がハイレベルに切り換わった場合には、バッファア
ンプ回路129は差動増幅回路としての作動を行わな
い。
【0091】このように、過渡電圧発生時以外にはバッ
ファアンプ回路129が差動増幅回路としての作動を行
って、過渡電圧発生時にはバッファアンプ回路129が
差動増幅回路としての作動を行わないように過渡電圧部
分をマスクするようにしている。これにより、過渡電圧
発生時にはランプ電圧VLをサンプリングしないように
することができ、過渡電圧発生時以外の通常時における
ランプ電圧VLを検出することができる。従来において
は、チョークコイルを用いてランプ電圧VLを平坦化し
て、これによって通常時におけるランプ電圧VLが検出
できるようにしていたが、このようにサンプルホールド
回路12を設けることにより、チョークコイルを用いな
くても通常時のランプ電圧VLを検出することができ
る。
【0092】なお、上述したデジタル回路が発生するタ
イミング信号は、Hブリッジ回路7aにおけるMOSト
ランジスタ41a〜41dの切換えタイミングと同期し
たものにしており、具体的にはMOSトランジスタ41
a〜41dの切換え後、数十μs〜数百μsの間ハイレ
ベル信号を出力するように構成されている。 〔PWM制御回路9について〕次に、PWM制御回路9
の詳細について説明する。図10にPWM制御回路9の
回路図を示す。
【0093】図10に示すように、PWM制御回路9は
鋸歯状波を形成する鋸歯状波形成回路163と鋸歯状波
におけるスレッショルドレベル(デューティー比)を設
定するスレッショルドレベル設定回路165及び鋸歯状
波とスレッショルドレベルを比較してMOSトランジス
タ31のオン・オフのデューティー比を設定するコンパ
レータ167を備えている。
【0094】鋸歯状波形成回路163について説明す
る。この鋸歯状波形成回路163は、定電流源169か
らダイオード171を介して流れ込む電流Ikや定電圧
源173における電圧に基づき抵抗175を介して流れ
込む電流Itによって充電されるコンデンサ177の充
電電圧を可変することによって鋸歯状波を形成してい
る。すなわち、コンパレータ181の出力に基づいてN
PNトランジスタ183a、183bをオン・オフさ
せ、これによって抵抗179a〜179cによって設定
されるしきい電圧を可変させて鋸歯状波を形成してい
る。以下、鋸歯状波形成回路163の基本作動について
説明する。
【0095】この基本作動によって形成される鋸歯状波
を図11(a)に示す。以下、図10及び図11(a)
に基づき、鋸歯状波の形成について説明する。コンデン
サ177の充電は、定電流源169からダイオード17
1を介して流れ込む電流Ikと、定電圧源173におけ
る電圧に基づき抵抗175を介して流れ込む電流Itに
よって行われる。
【0096】そして、コンデンサ177の充電電圧が抵
抗179b、179cの両端電圧である第1のしきい電
圧Vaになるまでコンデンサ177の充電が続き、この
充電が完了するまでの間、コンデンサ177の充電電圧
は所定の傾きをもって増加する。この後、コンデンサ1
77の充電電圧が電圧Vaになると、コンパレータ18
1はハイレベル信号を出力し、NPNトランジスタ18
3a、183bがオンする。これにより、第1のしきい
電圧Vaが抵抗179bの両端電圧である第2のしきい
電圧Vbに減少すると共に、抵抗201を介してコンデ
ンサ177の放電が行われる。このコンデンサ177の
放電によって、コンデンサ177の充電電圧が急激に低
下する。
【0097】そして、コンデンサ177の充電電圧が第
2のしきい電圧Vbまで低下すると、コンパレータ18
1はローレベル信号を出力し、NPNトランジスタ18
3a、183bがオフする。これにより、第2のしきい
電圧Vbが第1のしきい電圧Vaに戻る。さらに、この
後もコンデンサ177への充電・放電が同様に繰り返さ
れ、比較的周期が短い、すなわち比較的周波数の高い鋸
歯状波が形成される。
【0098】このような作動を行う鋸歯状波形成回路
は、周波数変更回路185を備え、この周波数変更回路
185によって鋸歯状波の周波数を変更させている。周
波数変更回路185は、ランプ2の点灯前・点灯後とで
スイッチング周波数を変更する回路185aとバッテリ
電圧VBに応じてスイッチング周波数を変更する回路1
85bとからなる。
【0099】これら、回路185aと回路185bはそ
れぞれランプ点灯前と点灯後において主に鋸歯状波形成
回路163の作動に影響を与える。以下、回路185a
と回路185bに分けて鋸歯状波形成回路163の作動
説明を行う。まず、回路185aの構成について説明す
る。回路185aは、ランプ電流ILを電圧変換した電
圧VIL(電流検出用抵抗59の高電圧側)と所定電圧
Vsとを比較するコンパレータ187と、このコンパレ
ータ187の出力信号によってオン・オフ制御が成され
るNPNトランジスタ189を備えている。このように
構成された回路185aを備えることによって、鋸歯状
波形成回路163が形成する鋸歯状波の周波数が以下に
示すように変更される。以下、ランプ2の点灯前・点灯
後に分けて鋸歯状波の形成について説明する。
【0100】ランプ2の点灯前 ランプ2の点灯前において形成される鋸歯状波を図11
(b)に示す。ランプ2が点灯する前には電圧VILが
零であるためコンパレータ187はハイレベル信号を出
力し、NPNトランジスタ189はオンする。これによ
り、定電流源169からの電流Ikがコンデンサ177
に流れ込まず、定電圧源173における電圧に基づき抵
抗175を介して流れ込む電流Itのみによってコンデ
ンサ177の充電が成される。従って、図11(b)に
示すように、コンデンサ177の充電時間が長くなって
鋸歯状波の周期が長くなる。
【0101】この後は、上述した基本作動と同様にコン
デンサ177の放電と充電を繰り返して、鋸歯状波形成
回路163が基本作動することによって形成される鋸歯
状波よりも周波数が低下した、比較的周期の長い鋸歯状
波が形成される。 ランプの点灯後 ランプ2の点灯後には、電圧VILが所定の電圧となる
ため、コンパレータ187はローレベル信号を出力し、
NPNトランジスタ189はオフする。このため、鋸歯
状波形成回路163は、回路185aによって影響を受
けることなく鋸歯状波を形成する。
【0102】次に、回路185bの構成について説明す
る。回路185bは、バッテリ電圧VBを分圧する抵抗
191a、191bを備えている。そして、これらによ
って分圧された電圧VB1がオペアンプ193に入力さ
れている。これにより、電圧VB1が定電圧源173に
おける定電圧以上である場合にはトランジスタ197は
オフし、定電圧未満である場合にはトランジスタ197
はバッテリ電圧VBに応じた電流を流すようになってい
る。そして、バッテリ電圧VBが低下した際には、カレ
ントミラー回路199を介して、トランジスタ197に
流れる電流に比例した電流がトランジスタ199aに流
れるようになっている。
【0103】このように構成された回路185aを備え
ることによって、鋸歯状波形成回路163が形成する鋸
歯状波の周波数が以下に示すように変更される。以下、
バッテリ電圧VBが十分な場合とバッテリ電圧VBが低
下した場合に分けて鋸歯状波の形成について説明する。 バッテリ電圧VBが十分にある場合 この場合には、上述したようにトランジスタ197はオ
フしている。このため、コンデンサ177の充電は、定
電流源169からダイオード171を介して流れ込む電
流Ikと、定電圧源173における電圧に基づき抵抗1
75を介して流れ込む電流Itによって行われる。従っ
て、鋸歯状波形成回路163は、上述した基本作動を行
って、図11(a)と同様の鋸歯状波を形成する。
【0104】 バッテリ電圧VBが低下している場合 バッテリ電圧VBが低下している場合において形成され
る鋸歯状波を図11(c)に示す。上述したようにトラ
ンジスタ197はバッテリ電圧VBに比例した電流を流
す。このため、カレントミラー回路199を介して、バ
ッテリ電圧VBに応じた電流がトランジスタ199aに
流れ込む。その結果、バッテリ電圧VBに応じた電流が
定電流源169からの定電流が引き抜かれる。
【0105】このため、定電流源169からの電流Ik
が減少されてコンデンサ177に流れ込む。従って、コ
ンデンサ177の充電は、バッテリ電圧VBの低下分減
少された電流Ikと定電圧源173における電圧に基づ
き抵抗175を介して流れ込む電流Itによって成され
る。これにより、バッテリ電圧VBが十分にある場合に
比べてコンデンサ177の充電時間が長くなって、図1
1(c)に示すように鋸歯状波の周期が長くなる。
【0106】この後、鋸歯状波形成回路163は、上記
と同様にコンデンサ177の放電と充電を繰り返して、
バッテリ電圧VBが十分にあるとともにランプ2が点灯
している時よりも周波数が低下した比較的周期の長い鋸
歯状波を形成する。このように、ランプ2の点灯前にお
いては、上述したように回路185aによって鋸歯状波
の周波数を一律に比較的低いものに変更しており、ラン
プ点灯後においては、回路185bによってバッテリ電
圧VBに応じて鋸歯状波の周波数を変更している。
【0107】次に、スレッショルドレベル設定回路16
5について説明する。スレッショルドレベル設定回路1
65は、ランプパワー制御回路10(誤差増幅回路6
1)からの指令信号に応じたスレッシュルドレベルを設
定すると共にランプが点灯していない状態の時に、ラン
プ電圧VLが所定電圧以上にならないように定電圧制御
(例えば、400V制御)するためのスレッシュルドレ
ベルを設定する。また、スレッシュルドレベル設定回路
165は、ランプパワー制御回路10(誤差増幅回路6
1)からの指令信号を反転する反転回路を有している。
ランプパワー制御回路10による指令信号のレベルは供
給したいランプ電力PLに応じて変化し、供給したいラ
ンプ電力PLが大きいほどデューティー比を低くして電
力供給を大きくする必要があるため、スレッシュルドレ
ベル設定回路165の中に反転回路を設けて指令信号の
レベルとスレッシュルドレベルが反転するようにしてい
る。
【0108】なお、後で詳しく説明するが、スレッシュ
ルドレベル設定回路165はデューティー比の上限値と
なるデューティーリミット値を設定する回路を設けてい
る。続いて、コンパレータ167について説明する。コ
ンパレータ167は、上述した鋸歯状波と、スレッショ
ルドレベルを比較して、MOSトランジスタ31のオン
・オフのデューティー比を設定している。
【0109】また、この時のMOSトランジスタ31の
スイッチング周波数は、上述した鋸歯状波形成回路16
3で形成された鋸歯状波の周波数と同じであるため、
ランプ2が点灯する前にはバッテリ電圧VBの高低に係
わらず比較的低い周波数であり、ランプ2が点灯して
いる時であって、バッテリ電圧VBが十分にある時には
比較的高い周波数であり、ランプ2が点灯している時
であって、バッテリ電圧VBが低下している時にはバッ
テリ電圧VBの低下分に応じた比較的低い周波数であ
る。
【0110】ここで、ランプ2の点灯前におけるランプ
電圧VLの波形を図12に示す。図12の一点鎖線
(a)はバッテリ電圧VBが十分な場合、実線(b)は
バッテリ電圧VBが低下している場合、破線(c)はス
イッチング周波数を低くしない場合を示す。図12
(a)、(b)に示すように、MOSトランジスタ31
のスイッチング周波数を比較的低くした場合には、ラン
プ電圧VLはランプ点灯に必要な所定値に達して所定値
(例えば、上述した400V)に定電圧制御される。ま
た、スイッチング周波数を変化させない場合は、(c)
に示すようにランプ電圧VLはバッテリ電圧VBによっ
て変化し、バッテリ電圧VBが低下するほどランプ電圧
VLも低下する。つまり、スイッチング周波数を低くす
ることによりトランス29の一次巻線29aを流れる一
次電流の遮断電流値を大きくでき、スイッチング周波数
を変化させない場合に比べて直流電源回路5の出力電力
を大きくすることができる。
【0111】また、単位時間当たりに一次巻線29aに
蓄積されるエネルギー総和W(≒直流電源回路5の出力
電力)は、数式1で表される。
【0112】
【数1】W=f×1/2LI2 但し、f:スイッチング周波数、L:1次巻線29aの
インダクタンス、I:1次電流である。 この数式1に表されるように、単位時間当たりに一次巻
線29aに蓄積されるエネルギーの総和Wはスイッチン
グ周波数や電流の二乗に比例して大きくなる。このた
め、MOSトランジスタ31のオン・オフ周期(=1/
スイッチング周波数)を長くすることによって、スイッ
チング周波数が低下しても1次電流が大きくなるため、
単位時間当たりに1次巻線29aに蓄積されるエネルギ
ーの総和Wは大きくなる。
【0113】本実施形態においては、MOSトランジス
タ31のスイッチング周波数を比較的低くしているた
め、上記したように単位時間当たりに1次巻線に蓄積さ
れるエネルギーの総和Wは大きくなる。つまり、直流電
源回路5の出力電力は大きくなり、ランプ点灯に必要な
所定電圧値のランプ電圧VLをバッテリ電圧VBが低下
している場合においても供給することができる。
【0114】このように、回路185aによって、ラン
プ2が点灯していない時にはランプ2が点灯している時
よりもMOSトランジスタ31のスイッチング周波数を
一律に低くすることにより、ランプ2の点灯に必要な電
力を供給することができるため、ランプ2の点灯性を良
好にすることができる。また、ランプ2の点灯後は所定
のスイッチング周波数でランプ2の交流点灯を行うこと
により、ランプ電流のリップルが低くでき、これにより
音響共鳴現象を抑制することができる。
【0115】続いて、ランプ2が点灯している時におい
て、バッテリ電圧VBが十分にある時とバッテリ電圧V
Bが低下した時における1次電流の波形の比較図をそれ
ぞれ図13(a)、(b)に示す。本実施形態において
は、バッテリ電圧低下に応じてMOSトランジスタ31
のスイッチング周波数を低くしているため、図13
(a)、(b)に示されるように、バッテリ電圧VBが
十分にある時だけでなくバッテリ電圧VBが低下してい
る時においても1次電流が十分に大きくなる。このた
め、上述したように、2次巻線29bに供給できる単位
時間当たりのエネルギーの総和Wが大きくなる。また、
周波数が低くなっているため、MOSトランジスタ31
がオフする時間も長くなり、二次巻線29bへのエネル
ギー供給が十分に行えるようになる。
【0116】このように、ランプ2が点灯している時に
おいて、バッテリ電圧VBが十分にある場合にはMOS
トランジスタ31のスイッチング周波数が比較的高い所
定周波数にして、バッテリ電圧VBが低下している場合
にはバッテリ電圧VBの低下分に応じて前記所定周波数
を低くしているため、フライバックトランス29の2次
側へのエネルギー供給が十分に行えるようになってい
る。
【0117】従って、ランプ2が点灯しているときにバ
ッテリ電圧VBが低下した場合などにおいてもエネルギ
ー消費効率を良好にすることができ、例えばランプ2が
点灯している途中で消えてしまったりすることを抑制す
ることができる。 〔スレッショルドレベル設定回路165について〕次
に、上記スレッショルドレベル設定回路165の詳細に
ついて、図14を用いて説明する。
【0118】スレッショルドレベル設定回路165は、
ランプパワー制御回路10(誤差増幅回路61)が出力
する指令信号を反転する反転回路165aと、デューテ
ィー比の上限値となる上記デューティーリミット値(以
下、リミット値)を設定するリミット値設定回路165
bと、ランプ2の点灯前におけるランプ電圧VLを所定
値に定電圧制御する制御65cと、ランプ2の点灯前に
おけるランプ電圧VLを所定値に定電圧制御する制御回
路165cとを有する。
【0119】なお、上記リミット値は、上述のようにフ
ライバックトランス29の二次側に十分エネルギーが供
給されるようにするためのものである。つまり、フライ
バックトランス29の二次側出力は、上記デューティー
比に対して上に凸の関係がある。従って、例えば大幅に
ランプ電力を増加しようとして、ランプパワー制御回路
10がデューティー比を大きくするように機能したとき
に、逆にフライバックトランス29の二次側出力が低下
するのを防止するために設定されている。
【0120】先ず、反転回路165aについて説明す
る。反転回路165aは、定電圧源203より電流が流
れるカレントミラー回路205と、このカレントミラー
回路205を流れる電流iSをベース電流とするNPN
トランジスタ207とからなる。上記誤差増幅回路61
の出力端子は、抵抗209を介して2つのNPNトラン
ジスタ205a、205bよりなる上記カレントミラー
回路205に接続されている。ここで、誤差増幅回路6
1の出力によりランプ電力が制御されているときには、
上記制御回路165cのトランジスタ400はオフ状態
にある。そこで、この場合における反転回路165aの
作動は、以下のようになる。
【0121】ランプ電力を低下させる場合には、誤差増
幅回路61の出力電圧が下がり、抵抗209に流れる電
流isaは増加する。この際、この電流をカレントミラ
ー回路205でミラーした電流isbは、isaとな
る。そして、この電流isbを抵抗210にて電圧に変
換した電圧VMは高くなり、この電圧VMはエミッタフ
ォロア回路をなすトランジスタ207を介してコンパレ
ータ167の反転入力端子の入力電圧VNとなる。従っ
て、入力電圧VNは高くなり、スレッショルドレベルが
高くなって、デューティー比が小さくなる。
【0122】一方、ランプ電力を大きくさせる場合に
は、誤差増幅回路61の出力電圧が上がり、抵抗209
を流れる電流isaは減少する。これにより、この電流
isbを抵抗210にて電圧に変換した電圧VMは低下
する。従って、コンパレータ167の反転入力端子の入
力電圧VNは低下しスレッショルドレベルが低くなっ
て、デューティー比が大きくなる。
【0123】次にリミット値設定回路165bについて
説明する。リミット値設定回路165bは、バッテリ電
圧VBに応じて上記リミット値を可変する第1リミット
値設定回路211と、ランプ2の供給電力を示す(相当
する)情報であるランプ電圧VLに応じて上記リミット
値を可変する第2リミット値設定回路213と、バッテ
リ電圧VBが所定値以下になると、上記リミット値を回
路上設定可能な最大値に設定する第3リミット値設定回
路215とを有する。
【0124】第1リミット値設定回路211は、バッテ
リ1とフライバックトランス29の一次巻線29aとの
間に設けられた上記端子Aからバッテリ電圧VBのみを
検出するようになっている(図1参照)。第1リミット
値設定回路211は、抵抗223〜225で構成されて
いる。これら抵抗223〜225の接続点の電圧V0
は、後述のトランジスタ227がオフ(バッテリ電圧が
十分ある場合)で、ランプ電圧VLが0の場合は抵抗2
23〜225の分圧だけで決まり、バッテリ電圧VBに
応じた値となる。そして、バッテリ電圧VBが低下する
と、電圧V0は低下し、バッテリ電圧VBが高くなる
と、電圧V0は高くなる。
【0125】第2リミット値設定回路213は、抵抗2
22、カレントミラー回路221(NPNトランジスタ
221a,221b)で構成されており、ランプ2の供
給電力を示すランプ電圧VLのみを上記端子Cから検出
するようになっている。第2リミット値設定回路213
は、ランプ電圧VLが大きくなると、これに応じて上記
リミット値を大きく設定するものである。
【0126】つまり、カレントミラー回路221を流れ
る電流は、ランプ電圧VLのみに応じて可変され、ラン
プ電圧が高くなる程大きくなり、ランプ電圧VLが高く
なると、カレントミラー回路221のNPNトランジス
タ221bのコレクタ電流は増加する。従って、電圧V
0はNPNトランジスタ221bのコレクタ電流が増加
した分低下する。一方、ランプ電圧VLが低下すると、
NPNトランジスタ221bのコレクタ電流が減少し、
電圧V0は高くなる。
【0127】すなわち、スレッショルドレベル設定回路
165は、バッテリ電圧VBおよびランプ電圧VLとで
決定される電圧をV0とし、誤差増幅回路61の出力電
圧に相当するNPNトランジスタ207のベース側の電
圧をVMとすると、以下のような機能を果たす。但し、
説明上分かり易くするため、上記NPNトランジスタ2
07とNPNトランジスタ217との各ベース−コレク
タ間の電圧降下を無視する。
【0128】例えば、誤差増幅回路61の出力信号によ
り、ランプ電力を増加させようとして、電圧VMが低く
なったとする。そして、この際、上記電圧VMが上記電
圧V0より高いと、NPNトランジスタ217はオフと
なる。これにより、入力電圧VNは、電圧VMとなり、
誤差増幅回路61の出力信号に応じて、スレッショルド
レベルが設定される。
【0129】一方、誤差増幅回路61の出力信号によ
り、ランプ電力を大幅に増加させようとして、例えば電
圧VMが上記電圧V0より低くなったとする。すると、
NPNトランジスタ207はオフ、NPNトランジスタ
217はオンとなる。これにより、入力電圧VNは、電
圧V0で、この電圧V0が上記リミット値となり、スレ
ッショルドレベルはこれ以上大きくならないように制限
される。
【0130】つまり、第1リミット値設定回路211
は、バッテリ電圧VBのみに応じ、バッテリ電圧VBが
低下すると、上記電圧V0も低下するので、バッテリ電
圧VBが低くなる程、上記リミット値を大きく設定す
る。また、第2リミット値設定回路213は、ランプ電
圧VLのみに応じ、ランプ電圧VLが高くなると上記電
圧V0は低くなるので、ランプ電圧VLが高くなる程、
上記リミット値を大きく設定する。
【0131】このように、本例では、バッテリ電圧VB
のみを検出する手段として、図1に示すように端子Aを
設け、この端子Aより検出されるバッテリ電圧VBに応
じて、上記リミット値を可変するようにした。これによ
り、バッテリ電圧VBに応じて、精度良く上記リミット
値を設定できる。また、上述したランプ電圧VLのみを
検出する手段として、図1に示すように端子Cを設け、
この端子Cより検出されるランプ電圧VLに応じて、上
記リミット値を可変するようにした。これにより、ラン
プ2の負荷であるランプ電圧VLに応じて、精度良く上
記リミット値を設定できる。
【0132】また、上記ランプ2の負荷として、上記ラ
ンプパワー制御回路10で使用する制御信号(VL)を
利用しているので、特別にランプ2の負荷を検出する手
段を設ける必要は無く、コスト低減を図れる。ところ
で、上述した第1、第2リミット値設定回路211、2
13は、例えば抵抗223や225等にて決定される回
路定数によって、上記リミット値を設定している。そし
て、本例では第1リミット値設定回路211は、バッテ
リ電圧VBが定格電圧12Vから約7Vまで低下する間
に、リミット値が精度良く設定できるようにしてある。
【0133】従って、例えばバッテリ電圧VBが大きく
低下して7Vより小さくなると、上記リミット値は適切
で無く、リミット値をさらに大きくする必要がある。つ
まり、バッテリ電圧VBがさらに大幅に低下した場合で
は、フライバックトランス29の二次側出力も大きく低
下するので、これに応じて上記リミット値を大きくしな
いと、二次側の出力が十分得られない。
【0134】そこで、上記第3リミット値設定回路21
5にて、バッテリ電圧VBが7Vより低下したときに、
適切に上記リミット値を設定する。以下、これについて
説明する。なお、この場合のリミット値は、上述したよ
うにデューティー比が高くなった場合に、フライバック
トランス29の二次巻線29bへのエネルギー供給が十
分行える範囲で設定される。
【0135】上記第3リミット値設定回路215は、図
14に示すように抵抗225と並列に接続されたNPN
トランジスタ227と、このNPNトランジスタ227
をオンオフするコンパレータ229とからなる。コンパ
レータ229は、非反転入力端子に所定電圧VK(7
V)が入力されており、反転入力端子に上記端子Aより
バッテリ電圧VBが入力されている。従って、バッテリ
電圧VBが7Vより低下すると、NPNトランジスタ2
27がオンとなる。これにより、上記電圧V0は、抵抗
223と抵抗225との分圧で無く、ほぼ0Vになる。
【0136】この結果、上記リミット値は、デューティ
ー比がほぼ100%にできる値まで低下する。これによ
り、バッテリ電圧VBが7Vより低下した場合にも、最
適なリミット値を設定できる。次に、制御回路165c
について説明する。制御165cは、ランプ2の点灯前
におけるランプ電圧VLを所定値に定電圧化(例えば4
00V)制御する回路である。そして、端子401は、
ランプ電圧VLを検出する端子で図1の端子Cに接続さ
れている。点灯スイッチSWがオンされ、ランプ2が点
灯するまで(ランプ2にランプ電流が流れていない状
態)は、誤差増幅回路61の出力端子の電圧は、最も高
い電圧となり、抵抗209には電流が流れない。すなわ
ち、誤差増幅回路61はランプ2に最大電力を供給する
指令信号を出力する。
【0137】従って、PWM制御回路9は、第2リミッ
ト値設定回路165bにより決まる最大デューティーの
状態で作動する。これにより、直流電源回路5が作動
し、ランプ電圧VLが上昇し、上記所定値に達すると、
制御回路165cにより、ランプ電圧VLを定電圧制御
する。詳しく説明すると、ランプ電圧VLを抵抗40
2、403で分圧した電圧と、基準電圧Vdとをコンパ
レータ230にて比較し、NPNトランジスタ404を
オンオフ制御する。つまり、ランプ電圧VLが所定値以
下ではNPNトランジスタ404はオフし、所定値以上
ではNPNトランジスタ404はオンする。NPNトラ
ンジスタ404がオンとなると、抵抗405で決まる電
流がNPNトランジスタ205aに流れる。そして、こ
の電流と同じ電流がNPNトランジスタ205bに流
れ、電圧VMが上昇し、入力電圧VNが上昇する。
【0138】但し、この際、出力電圧VNは、抵抗40
5の抵抗値の設定にて、コンパレータ167の非反転入
力端子に入力される鋸歯状波のピーク電圧(図11中V
a)より高くなる。従って、コンパレータ167の出力
信号は、ローレベル信号に固定され、MOSトランジス
タ31はオフとなり、ランプ電圧VLの上昇は停止す
る。
【0139】そして、この後、時間の経過とともにラン
プ2以外の箇所による電力消費により、ランプ電圧VL
が、徐々に低下して上記所定値以下となると、NPNト
ランジスタ404は再度スイッチング動作して、ランプ
電圧VLが上昇する。このように、この動作を繰り返し
て、ランプ電圧VLは定電圧制御される。 〔フェイルセーフ回路14について〕次に上記フェイル
セーフ回路14について説明する。先ず、フェイルセー
フ回路14の機能の前提となるランプ2の車両取付構造
について図15に基づき説明する。
【0140】図15に示すように車両前照灯231は、
ランプ2の光を車両前方に向けて反射させるリフレクタ
233を有する。リフレクタ233は、碗状に形成され
ており、内部にランプ2を収納している。ランプ2は、
図15中左側からリフレクタ233内に挿入されてお
り、コネクタ235によりリフレクタ233に取り付け
られている。
【0141】簡単に説明すると、コネクタ235は、脱
着可能なコネクタ部235a、235bとからなり、コ
ネクタ部235aは、図15中左側からリフレクタ23
3内に挿入されており、挿入後に回転させることでリフ
レクタ233に取付られている。この後、コネクタ部2
35bが、235aにはめ込まれると、ランプ2が点灯
可能となる。
【0142】コネクタ235bには、アルミニウム等に
て形成されたシールド部237が覆うようにして取り付
けられている。シールド部237は、図15に示すよう
にアースされるとともに、ランプ2の電気配線部239
を押しつけるようにしてコネクタ部235bに取り付け
られている。ここで、このシールド部237は、ランプ
2の点灯にて発生する電波をランプ2(リフレクタ23
3)の外部に洩れださないようにするためのものであ
る。これにより、電波により自車や他車の電気機器に悪
影響を起こさないようにすることができる。また、この
ような電波発生を防止するために、リフレクタ233の
内面にはアルミニウムが蒸着されており、このアルミニ
ウムはアースされている。さらに、同様な理由により、
図示しないがリフレクタ233内でランプ2の車両前方
側にも、カップ状のシールド部が設けられている。
【0143】このような構成からなる車両全照明灯23
1においては、ランプ2を交換する時などに、ランプ2
の電気配線部239がシールド部237に挟みこまれ
て、ランプ2の電気配線部239がアースされる可能性
がある。この結果、上記一次巻線29aおよび二次巻線
29bを通じて、例えばHブリッジ回路7aに過電流が
流れ、Hブリッジ回路7aにて多大な熱が発生し、最悪
ヒューズ50が溶断するといった問題が起こる。
【0144】そこで、このように異常状態に対処するた
め、上記フェイルセーフ制御回路14にて以下の異常制
御を行う。以下、フェイルセーフ制御回路14の具体的
構成および異常制御の内容を図16にて説明する。な
お、以下の異常制御は、上記点灯スイッチSWがオンに
設定されているときに行われる。図16に示すようにフ
ェイルセーフ制御回路241は、大別して5つの機能ブ
ロック241a〜241eとからなる。
【0145】241aは、コンパレータ243と抵抗2
45とからなる。コンパレータ243は、反転入力端子
には、上記サンプリングホールド回路12から上記ラン
プ電圧VLが入力されており、非反転入力端子には所定
電圧Vr1が入力されている。つまり、241aは、ラ
ンプ電圧VLが所定電圧Vr1(例えば、20V)より
小さい第1状態であるか否かを判定する電圧判定手段を
構成してしている。
【0146】241bは、コンパレータ247とコンデ
ンサ248と抵抗249とからなる。コンパレータ24
7は、反転入力端子に上記ランプ電流IL(電圧換算V
IL)が入力されており、非反転入力端子に所定電圧V
r2が入力されている。つまり、241bは、上記VI
Lと所定電圧Vr2とを比較することにより、ランプ電
流ILが所定電流より小さい第2状態であるか否かを判
定する電流判定手段を構成している。
【0147】241cは、上記コンパレータ243、2
47の出力が共にハイレベル信号になると、ハイレベル
信号を出力するANDゲートである。つまり、ANDゲ
ート241cの出力信号がハイレベル信号になるという
ことは、上述した異常状態を検出したということであ
る。すなわち、ANDゲート241cは、上記電気配線
部239がアースされるといった異常状態を検出する手
段で、ランプ電圧VL(電圧信号)が所定電圧値より低
く、かつランプ電流(電流信号)が所定電流値より低い
ときに異常状態と検出する。
【0148】ここで、簡単にランプ電圧VLとランプ電
流ILとで上記異常判定を行うことができる理由を説明
する。上述したようにランプ2が電力制御されていると
きでは、ランプ電圧VLは例えば20V〜400Vの所
定範囲にある。この際、電気配線部239がアースされ
ると、フライバックトランス29の二次側に過電流が流
れ、ランプ電圧VLは上記20Vより低くなる。従っ
て、この場合は上記電気配線部239がアース接地され
ているおそれがある。
【0149】また、上述したようにランプ2が電力制御
されているときでは、ランプ電流ILは、所定範囲
(0.35〜2.6A)にある。そして、上記電気配線
部239がアースされると、二次巻線29b側からの過
電流は、上記Hブリッジ回路7aを流れずに電気配線部
243からアースに落ちる。これにより、ランプ電流I
Lは、上記所定範囲より小さく、所定電流(例えば、
0.2A)以下になる。従って、この場合電気配線部2
39がアースされているおそれがある。
【0150】このように本例では、異常状態をランプ電
圧VLとランプ電流ILとのAND条件にて検出してい
る。また、本例では、異常状態と検出するのは、上記第
1状態と第2状態とが共に成り立ったときである。この
ような2つの状態を両方とも満足したときに、異常状態
と判定するのは以下の理由がある。
【0151】例えば、何らかの異常が生じてランプ2の
両端が短絡してしまうと、上記ランプ電圧VLは、上記
所定電圧Vr1より小さくなるが、上記ランプ電流IL
は上記所定電流より大きくなる。また、何らかの異常が
生じてランプ2が開放してしまうと、上記ランプ電流I
Lは上記所定電流より小さくなるが、上記ランプ電圧V
Lは、上記所定電圧Vr1より大きくなる。
【0152】従って、一方の条件だけでは、電気配線部
239がアースされたのか、ランプ2が短絡もしくは開
放なのか判定できない。そこで、本例では、電気配線部
239のアースを確実に検出するために、上記第1状態
と第2状態との両方を満足したときに異常状態と判定す
る。これにより、確実に電気配線部239がアースされ
る異常状態を把握でき、精度良く過電流が流れることを
防止できる。
【0153】時間計数回路241dは、D型フリップフ
ロップ251と、NORゲート253と、ANDゲート
255と、JK型フリップフロップ257とからなる。
時間計数回路241dは、上記第1状態および第2状態
の両方を満足する時間が、所定時間T以上経過したか否
かを判定するものである。そして、D型フリップフロッ
プ251およびJK型フリップフロップ257のクロッ
ク端子には、同一のクロック信号CLが入力されるよう
になっている。
【0154】リセット回路241eは、D型フリップフ
ロップにて構成されている。D型フリップフロップリセ
ット回路241eのD入力端子には、定電圧源259が
入力されている。D型フリップフロップリセット回路2
41eの出力端子には、上記Hブリッジ制御回路11が
接続されている。なお、定電圧源259は、上記点灯ス
イッチSWがオンのときに、定電圧(例えば5V)を発
生するようになっている。
【0155】次に上述の回路241a〜リセット回路2
41eまでの作動を図17のタイムチャートにて説明す
る。但し、ANDゲート241cの出力信号をα、JK
型フリップフロップ257の出力信号をβ、D型フリッ
プフロップ241eの出力信号をγとする。また、上記
点灯スイッチSWがオンされると、D型フリップフロッ
プリセット回路241eは、図示しないリセット回路か
らのリセット信号によりリセットされる。また、本実施
形態では、D型フリップフロップリセット回路241e
の出力信号γがハイレベル信号のときに、Hブリッジ制
御回路11によりHブリッジ回路7aをオフとする。
【0156】先ず、点灯スイッチSWがオンとなって、
例えば時間t3になると、再度電気配線部239がアー
スされて出力信号αがローレベル信号からハイレベル信
号になり、この状態が以後続いたとする。そして、出力
信号αがハイレベル信号である状態が、クロックパルス
CLの一周期時間より長く続くと、ANDゲート255
cとNORゲート253を介して、JK型フリップフロ
ップ257の出力信号βは、反転されてハイレベル信号
になる。すると、D型フリップフロップ241eの出力
信号γは、ハイレベル信号となる。これにより、図4に
示すように第1異常用回路242の2つ出力端子から共
にローレベル信号が、IC素子43a、43bに出力さ
れ、上記Hブリッジ回路7aがオフとされる。
【0157】これにより、電気配線部239のアースに
よる過電流が、MOSトランジスタ41a、41cによ
り遮断されることになる。この結果、Hブリッジ回路7
aや、Hブリッジ回路7a以降の電流経路に所定値より
大きい過電流が流れることを防止でき、ヒューズ50の
溶断を防止できるとともに、放電灯装置100での多大
な発熱を防止できる。
【0158】これに加え、この出力信号γがハイレベル
信号になると、上記PWM制御回路9の制御を停止、つ
まりMOSトランジスタ31の導通を遮断する。具体的
には、このような異常状態となると、図5に示すように
第2異常用回路244にてハイレベル信号が出力される
ことで、NPNトランジスタ246がオンとされる。従
って、NPNトランジスタ115、116は、PWM制
御回路9の出力信号に係わらず、オフとなる。これによ
り、MOSトランジスタ31の導通が遮断され、放電灯
装置100への全ての電力供給が停止される。このよう
にした理由を以下に説明する。
【0159】例えば、電気配線部239がアースされた
ときに、電気配線部239とシールド237との間にあ
る接触抵抗があったとする。そして、この接触抵抗によ
りフライバックトランス29の二次側のエネルギー(電
力)が大きく消費されるといった問題が起こったとす
る。すると、ランプパワー制御回路9は、一次巻線29
aに蓄えられるエネルギーを増加させるように、PWM
制御回路9のデューティ比が大きくなるように制御す
る。これにより、フライバックトランス29の一次巻線
29aには過大な電流が流れるといった問題がある。
【0160】そこで、このような場合を考慮して、PW
M制御回路9の制御を停止、つまり、MOSトランジス
タ31の導通を遮断するので、一次電流が過大となるこ
とを防止できる。また、上記した以外にも異常状態には
色々なモードが考えられる、例えば、MOSトランジス
タ31の耐圧が劣化した場合には、点灯を開始するに必
要なランプ電圧(例えば、400V)を発生することが
できず点灯できない。この場合、MOSトランジスタ3
1はPWM制御回路9からデューティー最大の駆動信号
が与えられてスイッチング作動を行うが、耐圧劣化して
いるために一次巻線29aに蓄積したエネルギーのほと
んどをMOSトランジスタ31自信が消費することにな
り、そのまま動作を続けると異常発熱しMOSトランジ
スタ31は短絡破壊する。その結果、ヒューズ50の溶
断等の二次的故障に至る。
【0161】このような異常状態では、Hブリッジ回路
7aをオフさせても前記結果は変わらない。そのため、
このような異常状態の場合はPWM制御回路9の制御を
停止し、MOSトランジスタ31をオフ状態にホールド
するこにより二次的故障を回避できる。このように、各
種異常状態において異常判定した結果によりHブリッジ
回路7aをオフする事が有効な場合と、MOSトランジ
スタ31をオフさせることが有効な場合があり、異常状
態に応じてHブリッジ回路7aをオフするのか、或いは
MOSトランジスタ31をオフさせるかを使い分けるこ
とができる。しかしながら、このように使い分ける場合
には回路が複雑になり規模も大きくなるので得策ではな
い。従って、異常判定した場合には、全てHブリッジ回
路7aをオフすると同時に、MOSトランジスタ31を
オフさせることにより回路は簡単化でき規模も小さくす
ることができる。
【0162】なお、図17に示すように時間t1におい
て、電気配線部239がアースされて出力信号αがロー
レベル信号からハイレベル信号になり、この状態が時間
t2まで続いたとする。この場合は、時間計数回路24
1dへの入力信号である信号αのハイレベル期間がクロ
ックパルスCLの一周期時間より短いので時間計数回路
241dの出力信号βは変化せず前の状態を維持してい
る。従って、信号γも同様に変化しない。すなわち、H
ブリッジ制御回路11は何ら影響を受けない。
【0163】つまり、上述したHブリッジ回路7aをオ
フする条件は、上記第1状態と第2状態とが共に成りた
った時間が、所定時間T経過したときとなる。このよう
にした理由は、以下の通りである。例えば、点灯スイッ
チSWがオンとなっているときに、上記第1状態および
第2状態が始めて成り立った後、短時間にて電気配線部
239のアースが復帰し、電気配線部239が正常とな
ったとする。この場合、夜間の乗員の視認性を確保する
ために、できる限りランプ2は点灯状態を維持する必要
がある。
【0164】そこで、短時間の異常時には直ぐさまHブ
リッジ回路7aをオフしないようにし、上記第1状態と
第2状態とが所定時間T経過したときに、始めてHブリ
ッジ回路7aをオフする。なお、上記所定時間Tとは、
上記ヒューズ50が溶断しない範囲の時間に設定されて
いるので、ヒューズ50の溶断は未然に防止できる。ま
た、上記所定時間Tは以下のように設定されている。本
例では、図15に示すような比較的簡単な回路構成に
て、上記異常状態を検出した。
【0165】しかしながら、上記電気配線部239は、
図2に示すようにランプ2の両端にある配線部239
a、239bを有し、これら2つの配線部239a、2
39bが共にアースされることはほどんど無く、例えば
図1中一方の電気配線部239aのみがアースされるこ
とが多い。従って、例えば上記異常状態が続いていると
きに、Hブリッジ回路7aにてランプ2の放電電圧の極
性が変わると、上記ランプ電圧VLは、所定電圧Vr1
より高くなる。
【0166】従って、異常状態が発生しているにも係わ
らず上記第1状態にならないので、上記ANDゲート2
41cの出力信号は、ハイレベル信号にならず、異常状
態を検出することができない。そこで、本例では上記所
定時間Tは、上記Hブリッジ回路7aの切換周期時間よ
り短くして、この切換周期時間の半分以下(0.8m
s)に設定してある。これにより、簡単な回路構成にて
上記異常状態が確実に検出できる。
【0167】また、上記異常状態を検出するために、上
述したランプパワー制御の制御信号である上記ランプ電
圧VLとランプ電流ILとを使用している。これによ
り、異常を判定するために別個に電圧検出用回路や電流
検出用回路を設ける必要が無い。 〔コネクタ外れ検出回路15について〕次に、コネクタ
外れ検出回路15について図18を用いて説明する。
【0168】上記ランプ2は、破損故障等の際に2つの
コネクタ部235a、235bよりなるコネクタ235
にて脱着可能となっている。従って、ランプ2は、コネ
クタ部235a、235bがはめ込まれると、バッテリ
1と電気的に接続されて点灯可能となる。図18に示す
ようにコネクタ235内には、コネクタ部235aと2
35bとが外れると、内部の電気的導通が遮断されるよ
うに電気配線部261が形成されている。具体的に説明
すると、電気配線部261の一端側は、電源端子1aに
接続されている。また、電気配線部261の他端側はア
ースされている。
【0169】各コネクタ235a、235bの電気配線
部261の接続点261aは、コネクタ235の外れを
検出するコネクタ外れ検出端子となっており、コネクタ
部235a、235bが外れると、コネクタ外れ検出回
路15内に内蔵された外れ検出回路15aのトランジス
タ263がオフからオンとなるようにしてある。また、
外れ検出回路15aは、信号発生回路13aと始動回路
8との間に設けられ、コネクタ235の外れが検出され
たときには、信号発生回路13aからの信号を強制的に
始動回路8の作動を停止させる信号とするものである。
【0170】次に高電圧発生制御回路13について説明
する。高電圧発生制御回路13は、上記サイリスタ57
のゲート駆動信号を発生させ、上述したようにHブリッ
ジ回路7aのオン・オフタイミングに同期して信号を出
力する信号発生回路13aを有する。そして、信号発生
回路13aは、例えば上記始動回路8が起動しても、ラ
ンプ2が点灯せずに消灯していると、ランプ2が点灯す
るまでは、上記信号発生回路13aにてサイリスタ57
のオンオフを繰り返し、ランプ2に高電圧を印加するよ
うになっている。
【0171】上記信号発生回路13aにて、ハイレベル
信号が発生されると、トランジスタ265がオンとな
る。これにより、トランジスタ267はオフとなり、ト
ランジスタ269、275はオンとなる。また、トラン
ジスタ271、273はオフとなる。この結果、サイリ
スタ57のゲート駆動信号はローレベル信号となり、サ
イリスタ57はオフとなる。
【0172】一方、上記信号発生回路13aにて、ロー
レベル信号が発生されると、トランジスタ265がオフ
となる。これにより、トランジスタ267はオンとな
り、トランジスタ269、275はオフとなる。また、
トランジスタ271、273はオンとなる。この結果、
サイリスタ57のゲート駆動信号はハイレベル信号とな
り、サイリスタ57はオンとなる。
【0173】このように信号発生回路13aが発生する
信号が、ハイレベル信号であると、ゲート駆動信号はロ
ーレベル信号となり、サイリスタ57はオフとなる。一
方、信号発生回路13aが発生する信号が、ローレベル
信号であると、ゲート駆動信号はハイレベル信号とな
り、サイリスタ57はオンとなる。そして、本例では、
上記トランジスタ263のオン信号により、サイリスタ
57のゲート駆動信号を強制的にローレベル信号にする
ことができる。つまり、外れ検出回路15aにてコネク
タ235が外れていると検出され、トランジスタ263
がオンすると、上記信号発生回路13aにて、サイリス
タ57をオンとするローレベル信号が発生されても、ト
ランジスタ267はオフとなる。
【0174】従って、トランジスタ269、275はオ
ン、トランジスタ271、273はオフとなって、サイ
リスタ57はオフとなる。この結果、例えば、コネクタ
235が外れてランプ2が消灯したときに、サイリスタ
57による高電圧発生が未然に防止される。ところで、
上述したコネクタ235が外れたと検出されたときに、
例えば電気配線部261の接触不良である場合は、ラン
プ2の点灯機能は正常にある。そして、このような場合
は上記PWM制御回路9の制御を停止して、ランプ2を
消灯する必要は無く、逆にランプ2の点灯を維持するの
が好ましい。
【0175】そこで、コネクタ235の外れ検出と平行
して、フェイルセーフ回路14にて、上記点灯スイッチ
SWがオンに設定されているにも係わらず、ランプ2が
消灯する異常状態を検出する。つまり、コネクタ外れ検
出回路15によりコネクタ235が外れていると検出さ
れたときに、上記電気配線部261の接触不良で無く、
本当にコネクタ235が外されて、ランプ2が消灯して
しまったか否を判定する。
【0176】上記フェイルセーフ回路14を表す論理回
路図を図19に示す。フェイルセーフ回路14は、点灯
検出手段をなすコンパレータ277と、ディレー回路
(タイマー回路)279と、ORゲート281と、D型
フリップフロップ241eからなる。コンパレータ27
7の非反転入力端子には、所定電圧VRが入力されてい
る。一方、コンパレータ277の反転入力端子には、上
記端子Eが接続されている(図1参照)。つまり、コン
パレータ277は、ランプ2が点灯してランプ電流が流
れていると、ローレベル信号を出力し、ランプ電流が所
定値以下となると、ランプ2が消灯しているとしてハイ
レベル信号を出力する。
【0177】ディレー回路279は、上記コンパレータ
277の出力信号がハイレベル信号で、このハイレベル
信号が所定時間Tm継続するとハイレベル信号を出力す
る。つまり、ディレー回路279は、ランプ2が消灯し
た時間が所定時間Tm経過するとハイレベル信号を出力
する。ORゲート281では、ディレー回路279の出
力信号が、ハイレベル信号となると、ハイレベル信号を
出力する。ORゲート281の出力信号がハイレベル信
号になると、D型フリップフロップ241eは、このハ
イレベル信号をクロックパルスとして、ハイレベル信号
を出力する。そして、D型フリップフロップ241eの
出力信号が、ハイレベル信号となると、バッテリ1から
ランプ2への電力を供給する電力制御手段をなす上記P
WM制御回路9の制御を停止(MOSトランジスタ31
をオフ)するとともに、上記第1異常用回路242にて
上記Hブリッジ回路7aをオフとする。
【0178】このようにすることで、ランプ2が点灯し
ている状態から消灯し、この消灯時間が所定時間Tm経
過すると、PWM制御回路9の制御を停止することでラ
ンプ2への電力供給が停止されるようになる。また、ラ
ンプ2が消灯して所定時間Tm経過するまでは、PWM
制御回路9の制御を継続し、ランプ2への電力供給を行
う。
【0179】なお、図19に示すようにORゲート28
1には、上述した電気配線部261がアースされる配線
異常状態となったときに対応するための入力端子や、他
の異常状態に対応するための入力端子が設けられてい
る。つまり、ORゲート281は、図16に示す上記J
K型フリップフロップ257と、D型フリップフロップ
241eとの間に設けられている。
【0180】次に、外れ検出回路15a、高電圧発生制
御回路13、およびフェイルセーフ回路14の作動を図
20のタイムチャートにて説明する。但し、外れ検出回
路15aにて検出される信号をgとし、コネクタ235
が外れているときにはハイレベル信号、コネクタが外れ
ていないときにはローレベル信号とし、サイリスタ57
のゲート駆動信号をf、点灯スイッチSWの信号をaと
して点灯スイッチSWがオンの時にはハイレベル信号、
オフのときにはローレベル信号とする。
【0181】また、信号発生回路13aの出力信号をd
とし、PWM制御回路9の制御信号をcで、PWM制御
回路9が制御を行っているときにはハイレベル信号、制
御が停止しているときにはローレベル信号とし、コンパ
レータ277の出力信号をkとし、ランプ2が消灯して
いるときにはハイレベル信号、ランプ2が点灯している
ときにはローレベル信号とする。さらにD型フリップフ
ロップ241eのC入力信号をnとする。
【0182】先ず、時間t1にて点灯スイッチSWがオ
ンされると、ランプ電圧VLが徐々に増加して、例えば
時間t2となると、サイリスタ57のゲート駆動信号f
がハイレベル信号なる。これにより、ランプ2が点灯し
てランプ電流ILが流れ始める。その後、ランプ2が安
定制御状態(35W)となり、時間t3にて信号gがハ
イレベル信号となり、コネクタ235が外れたと検出さ
れたとする(図20中) そして、時間t3にてランプ電流ILが所定値より小さ
く、例えば0となり、ランプ2が消灯する、つまり、電
気配線部261の接触不良では無くてコネクタ235が
本当に外れた場合には、信号kはハイレベル信号とな
る。しかし、この際、ディレー回路279によって信号
nはローレベル信号のままであり、PWM制御回路9の
制御も継続される。
【0183】これにより、ランプ2が消灯してしまう
と、図20に示すように時間t4では、信号発生回路1
3aの信号dは、サイリスタ57をオフからオンとし
て、ランプ2を再度点灯させるようにハイレベル信号か
らローレベル信号に切り換わる。しかしながら、本例で
は、ランプ2の点灯に係わらずコネクタ外れを検出する
と、信号gがハイレベル信号になることで、信号fはロ
ーレベル信号となる。従って、コネクタ235の外れが
検出されたときに、始動回路8によるコンデンサン53
の放電が停止され、コネクタ235での高電圧の発生が
防止できる。
【0184】そして、時間t5にて、ランプ2が消灯し
た継続時間が、所定時間Tm経過したならば、信号nが
ハイレベル信号となって、PWM制御回路9の制御を停
止するとともに、Hブリッジ回路7aをオフとする。つ
まり、コネクタ235が外れてランプ2が消灯する場合
には、サイリスタ57をオフとして、所定時間Tm経過
後、PWM制御回路9の制御を停止して、ランプ2への
電力供給を停止する。
【0185】これにより、上記ランプ2の電気配線部2
61が、短時間接触不良を起こしたときには、ランプ2
への電力供給を維持してランプ2の点灯が維持できると
ともに、ランプ2が所定時間Tm継続して消灯している
ときには、速やかにランプ2への電力供給を停止でき
る。次に、上記の状態、つまリコネクタ235が実際
に外れている状態から、一旦時間t6で点灯スイッチS
Wをオフとして、時間t7にて再度オンしたとする。
(図20中) すると、ランプ電圧VLが徐々に増加して、時間t8に
なると、信号発生回路13aの信号dは、サイリスタ5
7をオフからオンとして、ランプ2を点灯させるように
ハイレベル信号からローレベル信号に切り換わる。しか
し、上述したようにランプ2の点灯に係わらずコネクタ
外れを検出すると、信号gがハイレベル信号になること
で、信号fはローレベル信号となる。従って、コネクタ
235が外れたときに、始動回路8によってコネクタ2
35での高電圧発生を防止できる。
【0186】その後、時間t9にて、コネクタ235が
外れたと検出された継続時間が所定時間Tm経過する
と、信号nがハイレベル信号となって、PWM制御回路
9の制御を停止するとともに、Hブリッジ回路7aをオ
フとする。次に、上記の状態、つまリコネクタ235
が実際に外れているた状態から、一旦時間t10で点灯
スイッチSWをオフとして、コネクタ235をはめ直
し、、時間t11にて再度オンしたとする。(図20中
) すると、時間t12では、上述のように信号gがローレ
ベル信号になることで、信号fはハイレベル信号とな
り、始動回路8にてランプ2が点灯される。その後、例
えば、時間t13にて電気配線部261が接触不良にな
ったとする。この場合は、ランプ2は点灯しており、ラ
ンプ電流が所定値より大きくなっているので、信号kは
ローレベル信号である。
【0187】従って、電気配線部261が接触不良を起
こしたときに、ランプ2が点灯していると、ランプ2へ
の電力供給が維持される。この結果、電気配線部261
の接触不良を起こしても、ランプ2の点灯機能に異常が
無い場合には、ランプ2の点灯を維持できる。 〔逆接保護回路3について〕次に、逆接保護回路3につ
いて図21を用いて説明する。なお、図21は図1に車
両用電気機器であるオルタネータ等の電気負荷125を
加えたものである。
【0188】逆接保護回路3は、バッテリ1と、ランプ
2との間に設けられている。MOSトランジスタ21の
ゲート(G)は、抵抗17を介してバッテリの正極側
(電源端子1a)に接地されている。MOSトランジス
タ21のソース(S)およびドレイン(D)は、アース
端子1b側に接続され、放電灯装置100を流れた電流
がソースからドレインに向かって流れるようになってい
る。
【0189】上記点灯スイッチSWをオンすると、バッ
テリ1からゲート(G)にゲート電圧を与えられ、MO
Sトランジスタ21は導通状態となり、バッテリ1の電
力が放電灯装置100に供給される。これにより、放電
灯装置100が作動する。MOSトランジスタ21のゲ
ート−ソース間には、導通手段であるコンデンサ19が
並列に接続されている。上記抵抗17は、電源端子1a
とMOSトランジスタ21のゲートとの間で、MOS型
トランジスタ21とコンデンサ19との並列接続と直列
に接続されている。
【0190】そして、上記点灯スイッチSWがオンされ
ると、抵抗17を介してコンデンサ19が充電される。
コンデンサ19の充電電流経路は、バッテリ1の正極側
から抵抗17、コンデンサ19、MOSトランジスタ2
1のソース−ドレイン間の寄生ダイオードを介して、バ
ッテリ1の負極側に流れる。そして、コンデンサ19の
充電電圧が所定値に達すると、MOSトランジスタ21
はオンとなる。また、MOSトランジスタ21がオンす
るまでは、放電灯装置100を流れる電流は、MOSト
ランジスタ21のソース−ドレイン間の寄生ダイオード
を通じて流れる。
【0191】上記MOSトランジスタ21は、以下のよ
うなときに放電灯装置100に逆電圧が印加されないよ
うに保護する保護機能を有する。例えば、バッテリ1の
交換時に、誤ってバッテリ1の極性が逆に取り付けられ
て、この状態で乗員の操作により上記点灯スイッチSW
がオンされたとする。この場合は、放電灯装置100に
印加される逆電圧は、バッテり電圧VB(第1逆電圧)
である。
【0192】そして、このように放電灯装置100にバ
ッテリ1の極性が逆に取り付けられたときには、MOS
トランジスタ21のドレインーソース間の耐圧にて放電
灯装置100への逆電圧印加を遮断し、放電灯装置10
0を保護する。これにより、従来のようにツェナーダイ
オードを通じてヒューズ50に過電流が流れるといった
ことが無く、ヒューズ50の溶断を未然に防止できる。
【0193】上記オルタネータ71は、バッテリ1に対
して上記放電灯装置100と並列に接続されている。オ
ルタネータ71は、図示しない界磁コイル等のリアクタ
ンス成分を有する誘導性負荷(車両用電気機器)であ
り、車両の走行駆動源を起動する手段であるイグニッシ
ョンスイッチIGがオンされると、発電を開始する。そ
して、上記イグニッションスイッチIGがオンで点灯ス
イッチSWがオンの状態から、イグニッションスイッチ
IGがオフされると、オルタネータ71に流れていた電
流が遮断されることで、電源端子1aに負極性の大きな
パルス電圧が発生する。このため、放電灯装置100に
は、上記バッテリ1の逆接時より大きな逆電圧が印加さ
れることになる。
【0194】しかし、この際、コンデンサ19に充電さ
れた電荷は、コンデンサ19と抵抗17とで決まる時定
数にて放電される。これにより、MOSトランジスタ2
1のゲートには所定時間、ゲート電圧が印加されるの
で、MOSトランジスタ21は所定時間導通状態が維持
される。なお、電源端子1aとアース端子1bとの間
に、大きなパルス電圧が一瞬発生したときには、オンし
ているMOSトランジスタ21を介してMOSトランジ
スタ31のソース−ドレイン間の寄生ダイオード、フラ
イバックトランス29の一次巻線29a、コイル27と
いった電流経路でパルス電流を流すことにより、負極性
パルスのエネルギーを消費する。
【0195】このように、電源端子1aとアース端子1
bとの間に、大きな逆電圧が発生したときには、コンデ
ンサ19によりMOSトランジスタ21が強制的に導通
状態に維持されるので、MOSトランジスタ21の上記
耐圧を全く考慮せずに済む。つまり、この耐圧は、上記
バッテリ1の逆接時に、放電灯装置100に逆電圧が印
加されない程度(例えば12V強)であれば良い。
【0196】従って、MOSトランジスタ21の上記耐
圧を非常に小さくすることができ、これにより、MOS
トランジスタ21の駆動抵抗を小さくでき、MOSトラ
ンジスタ21での電力損失が小さくできる。ひいては、
MOSトランジスタ21のチップサイズを小さくするこ
とができ、安価なMOSトランジスタ21を使用でき
る。
【0197】また、上述したようにコンデンサ19に
て、MOSトランジスタ21は強制的に導通状態となる
が、コンデンサ19と抵抗17が時定数回路を構成して
いるので、抵抗17によってコンデンサ19の放電時間
が延長される。この結果、MOSトランジスタ21の導
通時間を長くできるので、確実にMOSトランジスタ2
1の破壊破損を防止できる。なお、本発明者の検討によ
ると、上記時定数回路の時定数は、0.01秒以上とす
ると、上記パルス電圧が発生している間、確実にMOS
トランジスタ21をオン状態にすることができ、確実に
放電灯装置100を保護できる。
【0198】〔過電圧保護回路16について〕図22
に、図2に示す過電圧保護回路16の回路構成図を示
す。以下、図22に基づき過電圧保護回路16について
説明する。過電圧保護回路16は、集積回路73に備え
られた各制御回路9〜15を過電圧から保護するもので
ある。この過電圧保護回路16は、1次側電圧が所定の
しきい値電圧になると過電圧検出を行う過電圧検出回路
77と、1次側電圧がしきい値電圧になったときに1次
側電圧を分圧する分圧回路79とを備えている。そし
て、この過電圧保護回路16を介して印加された1次側
電圧がこの定電圧回路75で定電圧化され、各制御回路
9〜15の駆動電圧に使用される。
【0199】過電圧検出回路77は、比較的抵抗値が大
きな抵抗81とツェナーダイオード83及び抵抗85で
構成されている。このツェナーダイオード83のツェナ
ーダイ電圧によって上記しきい値電圧が設定されてい
る。また、抵抗81は電流I制限用としてツェナーダイ
オード83に直列に設けられており、これによってツェ
ナーダイオード83の耐圧を低くする事ができる。な
お、抵抗85はリーク防止のための逆バイアス抵抗であ
る。
【0200】また、分圧回路79は、抵抗87、89及
びダーリントン接続されたNPNトランジスタ91、9
3で構成されている。次に、このように構成された過電
圧保護回路16の作動について説明する。1次側電圧が
所定のしきい値電圧未満の時には、ツェナーダイオード
83は電流を流さないため、ダーリントン接続されたN
PNトランジスタ91、93がオンしない。このため、
集積回路73内の定電圧回路75に印加される電圧VI
Cは、1次側電圧から抵抗87での電圧降下を差し引い
た電圧となる。
【0201】そして、1次側電圧が所定電圧以上に上昇
すると、ツェナーダイオード83がツェナー降伏によっ
て電流を流し、NPNトランジスタ91、93がオンす
る。このため、集積回路73内の定電圧回路75に印加
される電圧VICは、1次側電圧が抵抗87及び抵抗8
9で分圧された電圧となる。なお、このとき分圧された
電圧が各制御回路9〜15の耐圧以下になるように、抵
抗87及び抵抗89の抵抗値を設定する必要がある。
【0202】なお、集積回路73の中に定電圧回路75
や各制御回路9〜15等を形成したものを示したが、ツ
ェナーダイオード83、抵抗85及びNPNトランジス
タ91、93等の過電圧保護回路16の構成要素も集積
回路73の中に形成しても良い。この場合には、これら
の各構成要素を集積回路の他の部分と共に形成すれば良
いため、よりコスト削減を図ることができる。
【0203】このように、分圧回路79にて過電圧を分
圧しているため、集積回路73に過電圧が印加されない
ようにすることができる。これにより、比較的高耐圧の
パワーツェナーダイオードを用いなくても、集積回路7
3の中の各制御回路9〜15を過電圧から保護すること
ができ、コスト削減を図ることができる。また、過電圧
検出回路77における抵抗81には、過電圧が発生した
とき以外には電流がほとんど流れないようになっている
ため、過電圧が発生していないときにおける抵抗81の
電力消費を防止することができる。
【0204】〔放電灯装置の検査について〕次に、放電
灯装置100を車両に取り付ける前の検査について、図
23に示すコネクタ15内の回路構成等と、図24に示
すクロック回路285の回路構成図に基づいて説明す
る。検査時においてクロック回路285が発生する信号
の周波数を擬似的に短くする為に、図23及び図24に
示すように、クロック切替え検出回路286、287が
放電灯装置には備えられている。このクロック切替え検
出回路286、287について説明する。
【0205】クロック切替え検出回路286、287
は、検査時であることを検出してクロック切替え検出信
号を出力する検査時検出回路286と、クロック切替え
検出信号に基づきクロック回路285が数える時間を擬
似的に速くするための時間短縮回路287とを備えてい
る。検査時検出回路286には、上記コネクタ外れ検出
端子261に印加されているバッテリ電圧VBが同様に
印加される。上述したように、コネクタ外れ検出はバッ
テリ電圧VBによって行われるため、コネクタ外れ検出
端子261aにはバッテリ電圧VB以上の電圧が印加さ
れることがない。これを利用して、コネクタ外れ検出端
子261aにバッテリ電圧VB+α未満の電圧しか印加
されていない時には、検出時ではないとして検査時検出
回路286はハイレベル信号を出力し、コネクタ外れ検
出端子261aにバッテリ電圧VB+α以上の電圧が印
加されると検査時検出回路286はクロック切替え検出
信号となるローレベル信号を出力するようになってい
る。これにより、コネクタ外れ検出端子261aを検査
用及びコネクタ外れ検出用の端子として共用している。
【0206】時間短縮回路287は図24に示すように
クロック回路285に内蔵されている。クロック回路2
85は、連続的に並べられた複数のD型フリップフロッ
プ289a〜289jを備えており、これらのD型フリ
ップフロップ289a〜289jによって時間が数えら
れている。すなわち、図示しない変換器が出力するクロ
ック信号CLがD型フリップフロップ289aに入力さ
れると、D型フリップフロップ289aはこのクロック
信号の2倍の周期となる信号を出力し、次のD型フリッ
プフロップ289bでさらに2倍の周期の信号となって
出力される。各D型フリップフロップ289a〜289
jでこの動作を繰り返して、クロック信号の周期が倍々
される。そして、各制御回路は、各D型フリップフロッ
プ401a〜401jが出力する信号のうちから適合す
るものを選択し、各制御を行う際の時間に用いている。
例えば、ランプパワー制御回路10においては、D型フ
リップフロップ289iの出力信号の周波数に基づいて
制御時間を設定している。
【0207】このように並べられた複数のD型フリップ
フロップの間に時間短縮回路287が配置されている。
以下、クロック回路285及びクロック切替え検出回路
287a、287における作動を実際にランプ2を使用
する時と検査時に分けて説明する。 実際にランプ2を使用する時 この時には、コネクタ35にランプ2が接続されている
ため、クロック切替え検出回路287a、287はアー
ス状態となる。この場合には、コネクタ外れ検出接続端
子261aにバッテリ電圧VB+α以上の電圧が印加さ
れないため、検査時検出回路286はハイレベル信号を
出力する。
【0208】この時には、D型フリップフロップ289
gのクロックCには、D型フリップフロップ289fの
出力信号が入力される。すなわち、時間短縮回路287
における処理によって、変換器が出力しているクロック
信号が無視され、D型フリップフロップ289fの出力
信号がD型フリップフロップ289gのクロック信号と
してクロックCに入力される。従って、検査時以外に
は、D型フリップフロップ289a〜289fを介して
変換器からのクロック信号CLの周期が倍々され、倍々
された周期の信号がD型フリップフロップ289gのク
ロック信号となる。このため、ランプパワー制御回路1
0は通常の時間でランプパワー制御を行う。
【0209】なお、ランプ2がコネクタ35から外れた
場合においてもクロック切替え検出回路287a、28
7にはバッテリ電圧VBが印加されるだけであるから、
検査時検出回路286はハイレベル信号を出力し、クロ
ック回路285及びクロック切替え検出回路287a、
287は上記と同様の作動を行う。 検査をする時 この時には、コネクタ外れ検出端子261aを検査用及
びコネクタ外れ検出用の端子として共用する。そして、
所定電源を用いて、バッテリ接続部分にバッテリ電圧と
同様の電圧を印加する。これにより、コネクタ外れ検出
端子261aにはバッテリ電圧VBが印加される。この
段階では、検査時検出回路286はハイレベル信号を出
力している。
【0210】そして、コネクタ外れ検出端子261aに
バッテリ電圧VB+α以上の電圧を印加する。これによ
り、検査時検出回路286はクロック切替え検出信号と
してローレベル信号を出力する。この時には、D型フリ
ップフロップ289gのクロックCには、変換器からの
クロック信号が直接入力される。すなわち、時間短縮回
路287における処理によって、D型フリップフロップ
289fが出力している信号が無視され、変換器からの
クロック信号がD型フリップフロップ289gのクロッ
クとして入力される。従って、検査時には、D型フリッ
プフロップ289a〜289fを介さずに変換器からの
クロック信号がそのままD型フリップフロップ289g
のクロック信号となる。このため、D型フリップフロッ
プ289gは変換器からのクロック信号を倍の周期の信
号にして出力する。
【0211】従って、時間短縮回路287以降のD型フ
リップフロップ289g〜289jにおける出力信号の
周期、すなわち各制御回路9〜15が基準にする時間が
擬似的に短縮され、各制御回路9〜15は短縮された時
間に基づいてランプパワー制御を行う。このため、ラン
プパワー制御時間が短縮化される。このように、コネク
タ外れ検出端子261aに、コネクタ外れ検出に用いる
電圧以上の電圧VBが印加された場合に、検査時検出回
路286が検査時であると検出するようにし、この場合
には時間短縮回路287によって短縮された時間に基づ
いて各制御回路9〜15が各制御を行うようにしてい
る。
【0212】これにより、各制御回路9〜15が行う制
御時間を短縮することができ、検査時間を短縮すること
ができる。また、クロック切替え信号を時間短縮回路2
87に入力するための端子をコネクタ外れ検出端子26
1aで行っているため、クロック切替え信号を入力する
ためのみに端子を形成する必要がない。なお、コネクタ
外れ検出端子261aはランプ2が接続されているとき
にはランプで覆われるため、錆防止のための特別な処理
も必要ない。
【0213】(他の実施形態)上記実施形態では、Hブ
リッジ回路7aを駆動するブリッジ駆動回路として、I
C素子43a、43bを使用したが、例えば絶縁型バイ
ポーラトランジスタ等を使用しても良い。また、上記各
実施形態では放電灯装置を車両用前照灯に適用したが、
本発明は船舶用や定置用等の放電灯装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における放電灯装置100の
全体構成図である。
【図2】図1に示す放電灯装置100の制御系を示すブ
ロック図である。
【図3】上記実施形態における始動回路の各地点の波形
を表すタイムチャートである。
【図4】上記実施形態におけるブリッジ駆動回路の構成
図である。
【図5】上記実施形態におけるMOSトランジスタ31
の駆動回路の構成図である。
【図6】上記実施形態におけるランプパワー制御回路の
構成図である。
【図7】上記図6における電圧V1の波形を示すタイム
チャートである。
【図8】上記実施形態におけるサンプルホールド回路1
2の構成図である。
【図9】図8におけるランプ電圧VLの波形を示す説明
図である。
【図10】上記実施形態におけるPWM制御回路9にお
ける鋸歯状波形成回路の構成図である。
【図11】図10における鋸歯状波形成回路が形成する
鋸歯状波を示す図である。
【図12】図11における鋸歯状波に応じて現れる一次
電流の波形を示す図である。
【図13】図11における鋸歯状波に応じて現れる一次
電流の波形を示す図である。
【図14】上記実施形態におけるスレッショルドレベル
設定回路165の構成図である。
【図15】上記実施形態におけるランプ2の取付構造図
である。
【図16】上記実施形態における放電灯装置の異常状態
を検出する回路構成図である。
【図17】図16に示す回路における異常検出を表すタ
イムチャートである。
【図18】上記実施形態におけるコネクタの外れを検出
する回路構成図である。
【図19】上記実施形態におけるコネクタが外れる異常
状態を検出する回路構成図である。
【図20】図18、19におけるコネクタ外れの検出を
表すタイムチャートである。
【図21】上記実施形態における逆接保護回路の構成図
である。
【図22】上記実施形態における過電圧保護回路の構成
図である。
【図23】上記実施形態におけるコネクタ外れ検出回路
の要部詳細図である。
【図24】上記実施形態における放電灯装置の検査時に
使用するクロック回路の説明図である。
【符号の説明】
1…直流電源、2…放電灯、7…インバータ回路、7a
…Hブリッジ回路、18…トランス、18a…一次巻
線、18b…二次巻線、22a〜22d…MOSトラン
ジスタ、43a、43b…IC素子。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源(1)からの電力をインバータ
    回路(7)にて交流変換することで、放電灯(2)を交
    流点灯する放電灯装置であって、 前記直流電源(1)側に設けられた一次側、および前記
    放電灯(2)側に設けられ、前記直流電源の電源電圧
    (VB)を高電圧化する二次側を有するトランス(2
    9)と、 前記インバータ回路(7)を構成し、前記トランス(2
    9)の二次側に設けられ、Hブリッジ状に配置された複
    数のブリッジ用スイッチング素子(41a〜41d)
    と、 前記複数のブリッジ用スイッチング素子(41a〜41
    d)を駆動制御することで、前記放電灯(2)の放電電
    流を交互に反転させて前記放電灯(2)を交流点灯させ
    る駆動制御回路(43a、43b)と、 前記トランス(29)の二次側に設けられ、二次側の電
    圧を所定電圧(V2)にする電源回路(96)とを有
    し、 前記駆動制御回路(43a、43b)は、前記電源回路
    (95、97)から駆動電源が得られるように構成され
    ていることを特徴とする放電灯装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動制御回路(43a、43b)
    は、前記電源回路(96)から駆動電源が得られるとと
    もに、前記直流電源(1)側からも駆動電源が得られる
    ようになっていることを特徴とする請求項1記載の放電
    灯装置。
  3. 【請求項3】 前記トランス(29)の一次側に接続さ
    れ、前記一次側を流れる一次電流を制御する一次用スイ
    ッチング素子(31)と、 前記放電灯(2)の放電電圧に相当する電圧信号(V
    L)と、前記放電灯(2)の放電電流に相当する電流信
    号(IL)とに基づいて、前記一次用スイッチング素子
    (19)を制御することで、前記放電灯(2)の電力を
    制御する電力制御手段(9、10)とを有することを特
    徴とする請求項2記載の放電灯装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動制御回路(43a、43b)
    は、前記トランス(29)の二次側の電圧が所定電圧
    (Vr1)より低下する異常状態になると、前記直流電
    源(1)側から駆動電源を得ることで、前記複数のブリ
    ッジ用スイッチング素子(41a〜41d)の導通を全
    て遮断することを特徴とする請求項2記載の放電灯装
    置。
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