JPH10321058A - 交流用超電導導体 - Google Patents

交流用超電導導体

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JPH10321058A
JPH10321058A JP9289578A JP28957897A JPH10321058A JP H10321058 A JPH10321058 A JP H10321058A JP 9289578 A JP9289578 A JP 9289578A JP 28957897 A JP28957897 A JP 28957897A JP H10321058 A JPH10321058 A JP H10321058A
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JP
Japan
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superconducting
conductor
wire
copper
alternating current
Prior art date
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Withdrawn
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JP9289578A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Yumura
洋康 湯村
Kenichi Takahashi
謙一 高橋
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流臨界電流値に対する交流臨界電流値の低
下を抑制することができ、直流臨界電流値とほぼ同等の
高い交流臨界電流値を有し、交流損失を抑制することが
可能な交流用超電導導体を提供する。 【解決手段】 超電導素線1は、高抵抗層2と、安定化
銅配置領域3、4と、NbTiフィラメント配置領域5
とを備える。NbTiフィラメント配置領域5には、N
bTiフィラメントが銅合金のマトリックス中に埋込ま
れている。安定化銅配置領域は、NbTiフィラメント
配置領域5と高抵抗層2の間に配置された外周部安定化
銅配置領域3と、素線の横断面中央部に配置された中央
部安定化銅配置領域4の2つの領域を含む。超電導素線
1において安定化銅3、4の体積含有率がNbTi合金
の体積含有率に対して1以上2以下である。複数本の超
電導素線1を常電導線8の周囲に撚り合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流用超電導導
体に関し、特に、超電導変圧器、超電導発電機、超電導
限流器等の電力応用分野で使用される超電導線材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液体ヘリウム中で用いる合金系の交流用
超電導線材として、超電導フィラメントの直径を1μm
以下に細径化し、銅合金からなる常電導マトリックス中
に超電導フィラメントが複数本埋込まれた交流用NbT
i(ニオブチタン)超電導素線や交流用Nb3 Sn超電
導素線が開発されつつある。
【0003】一般に、超電導線材を商用周波数の50/
60Hzで用いるためには、印加される交流磁界下での
交流損失を低減する必要がある。交流損失は、超電導フ
ィラメントに発生するヒステリシス損失と、フィラメン
ト間に誘起される結合電流による結合損失と、常電導マ
トリックスに発生する渦電流損失とに分けることができ
る。ヒステリシス損失は超電導フィラメントの径に比例
するため、超電導フィラメントを細径化することにより
低減することができる。一般に商用周波数にて使用する
場合には、超電導フィラメントをサブミクロンのオーダ
まで細径化する。結合損失は超電導フィラメントのツイ
ストピッチの2乗に比例するため、結合損失を低減する
ためにツイストピッチを短くする必要がある。ツイスト
ピッチは素線径に依存するため、素線の直径を小さくす
る必要がある。一般に商用周波数で使用することを目的
とした交流用超電導素線の直径は、0.3〜0.1mm
程度となっている。また、常電導マトリックスに高抵抗
の銅合金を使用することにより、結合損失と渦電流損失
の低減を図っている。
【0004】このように商用周波数で用いるために交流
損失を低減した超電導素線では、その素線の直径が上記
のようにできるだけ小さくされているので、超電導素線
1本に流すことができる電流値は限られている。しか
し、交流電力用ではkA級の電流容量の超電導導体が必
要とされており、交流電力用の大電流容量導体を得るた
めには、上述のように細径化された超電導素線を複数本
束ねて撚線化する方法が用いられている。
【0005】たとえば、超電導分路リアクトルや超電導
変圧器等に用いられる1kA級の交流超電導導体では、
0.1〜0.3mmの線径の超電導素線6本を常電導金
属の中心線の周りに撚り合わせて一次撚線を作製し、さ
らにこの一次撚線6本を常電導金属の中心線の周りに撚
り合わせた二次撚線導体の構造が採用されている。さら
に上記の二次撚線導体6本を常電導金属の中心線の周り
に撚り合わせた三次撚線導体の構造を採用することによ
り、電流容量が数kA級の大電流容量導体を作製するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大電流
容量の導体を得るために複数本の超電導素線を撚り合わ
せた構造を採用することによって、導体の交流臨界電流
値が、超電導素線自体の直流臨界電流値の撚線本数倍を
大きく下回るという問題が生じた。特に、電流容量が数
kA級の大容量導体を目指した二次撚線以上の高次の撚
線構造を採用すると、この傾向が顕著であった。
【0007】たとえば、NbTi線材の場合、素線のマ
トリックスとして高抵抗銅合金を使用することにより、
フィラメント径の低減とともに交流損失は数十kW/m
3 (±0.5T、50Hz)のレベルまで低減できる
が、この素線を撚り合わせた撚線導体の交流臨界電流値
は、直流臨界電流値に比べて大きく低下する。特に、交
流損失を低減するために、素線の常電導マトリックスと
して高抵抗の銅合金を使用し、安定化銅のNbTiに対
する比率(以下、安定化銅比率と称する)が小さい、あ
るいは安定化銅を全く含んでいない超電導素線を用いた
導体では、撚線導体の交流臨界電流値が直流臨界電流値
に比べて大きく低下する傾向が顕著である。たとえば、
外部磁界が1T以下の低磁界では、交流臨界電流値は直
流臨界電流値の50%以下に低下する。この原因は以下
のように考えられる。
【0008】素線の常電導マトリックスとして熱電導の
良好な銅を使用すれば、交流損失によって生じた熱が銅
を介して冷媒である液体ヘリウムに拡散されるため、導
体内部の温度上昇を抑制することができ、交流通電電流
の低下を抑制することができる。これに対して、上述の
ように素線の常電導マトリックスとして高抵抗の銅合金
を用いた超電導導体では、一般に高抵抗の銅合金の熱電
導率が銅に比べて1/1000と小さいため、交流損失
により生じた熱は超電導導体の外部に拡散される効果は
小さく、したがって冷却効率が悪く、温度が上昇し、臨
界電流値自体が低下するためと考えられる。
【0009】一般に素線中において安定化銅は、その加
工性の容易さから素線の横断面の中央部に配置される。
また、上述の交流電流値の低下を抑制するために素線の
横断面の中央部に配置された安定化銅比率を増加させる
ことにより、超電導導体の交流臨界電流値を直流臨界電
流値の80%程度まで向上させることができることは特
開平8−315649号公報に開示されている。
【0010】しかしながら、上記の公報に開示された超
電導導体の構成によっても交流臨界電流値の低下を完全
に抑制することはできないという問題点があった。ま
た、安定化銅比率のみを増加させることは交流損失を増
大させる要因となるという問題があった。
【0011】さらに、上記のような特性を備えた超電導
導体を用いて、超電導コイル等の素子を、ある一定の規
格電流値を有するように設計する場合に、それぞれの素
線に加わる負荷をより低く設定する必要が生じる。この
ために導体を構成する素線の本数が増加し、さらに撚線
の次数も増加する。このことは、導体の断面積を増加さ
せ、交流損失の増大を招き、超電導機器のコンパクト化
をも阻害することとなる。
【0012】一方、交流用超電導導体を限流器や変圧器
等の電力機器に適用するために、kA級の電流容量を有
し、交流損失が100kW/m3 (±0.5T、50H
z)以下、好ましくは数十kW/m3 (±0.5T、5
0Hz)のレベルに抑えられた交流用超電導導体を開発
することが必須となっている。このためには、超電導素
線中のフィラメントの直径を0.2μm以下にし、かつ
この素線を用いて交流臨界電流値の低下が小さい超電導
導体を構成することが望まれている。
【0013】そこで、この発明の目的は、上述のような
問題点を解決し、直流臨界電流値に対する交流臨界電流
値の低下を抑制することができ、直流臨界電流値とほぼ
同等の高い交流臨界電流値を有し、交流損失が数十kW
/m3 (±0.5T、50Hz)のレベル以下に抑制さ
れた交流用超電導導体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の1つの局面に
従った交流用超電導導体は、銅および銅合金からなる群
より選ばれた常電導体からなるマトリックス中に超電導
導体からなるフィラメントが複数本埋込まれ、外周部に
高抵抗層を有する極細多芯超電導素線を複数本撚り合わ
せた撚線を含む。その超電導素線の横断面の中央部とフ
ィラメントの配置領域の外周部との両方に安定化銅が配
置されている。
【0015】この発明のもう1つの局面に従った交流用
超電導導体は、上述のように構成された極細多芯超電導
素線を複数本撚り合わせた撚線を含み、その超電導素線
の横断面においてフィラメントの配置領域が安定化銅に
より分割されている。
【0016】さらに、この発明の別の局面に従った交流
用超電導導体は、上述のように構成された極細多芯超電
導素線を複数本撚り合わせた撚線を含み、その超電導素
線の横断面の中央部とフィラメントの配置領域の外周部
との両方に安定化銅が配置され、かつその超電導素線の
横断面においてフィラメントの配置領域が安定化銅によ
り分割されている。
【0017】超電導素線の横断面においてフィラメント
の配置領域が1層以上の安定化銅にり分割されているの
が好ましい。また、超電導素線の横断面においてフィラ
メントの配置領域が層状に配置された安定化銅の領域に
より2以上に分割されているのが好ましい。
【0018】超電導素線におけるフィラメントの配置領
域の外周部に安定化銅が高抵抗部分を介在して連続的に
配置されているのが好ましい。
【0019】超電導素線におけるフィラメントの配置領
域を分割する安定化銅が高抵抗部分を介在して連続的に
配置されているのが好ましい。
【0020】上記のように構成された本発明の交流用超
電導導体において、好ましくは超電導体としてニオブチ
タン合金が用いられる。
【0021】また、本発明の超電導導体においてフィラ
メントの直径は0.2μm以下であるのが好ましい。
【0022】本発明の超電導導体では、撚り合わせられ
る超電導素線において安定化銅の体積含有率が超電導体
の体積含有率に対して1以上2以下であるのが好まし
い。
【0023】超電導素線中に配置される安定化銅は、高
抵抗部分によって10μm以下の外径を有する複数本の
線部分に分割されているのが好ましい。
【0024】超電導素線を複数本撚り合わせることによ
る素線間の結合損失を抑制するために、超電導素線の外
周部の高抵抗層が、Ni、Mn、SiおよびSnからな
る群より選ばれた1種以上の元素を含み、かつ4.2K
の温度において2×10-7Ω・m以上の抵抗値を有する
非磁性銅合金からなることが好ましい。
【0025】さらに、本発明の超電導導体で用いられる
超電導素線の直径を0.3mm以下にし、超電導素線の
ツイストピッチを短尺化することによって結合損失の低
減を図ることができる。なお、超電導素線のツイストピ
ッチとしては、超電導素線の直径の10倍以下、好まし
くは4〜8倍とすることができる。
【0026】好ましくは、本発明の超電導導体は、上述
の超電導素線が常電導体からなる芯材の周囲に所定の本
数配置された撚線構造を備えている。
【0027】また、本発明の超電導導体は、複数本の上
述した超電導素線と非超電導線とを撚り合わせてなる一
次撚線をさらに撚り合わせてなるn次撚線(nは2以上
の整数)であり、1本または複数本の非超電導線からな
る芯材の周りに(n−1)次撚線が撚り合わされた撚線
構造を備えていてもよい。なお、非超電導線と超電導素
線のマトリックスとが同一の組成を有する銅合金からな
ることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明は、超電導素線を撚り合わ
せた交流用超電導導体において、超電導素線中の安定化
銅の配置場所およびその割合、配置方法を規定すること
により、従来問題となっていた導体の直流臨界電流値に
対する交流臨界電流値の大幅な低下を抑制することがで
き、超電導導体の交流臨界電流値が高くなり、ほぼ直流
臨界電流値と同等になるという本願発明者らの知見に基
づくものである。以下、本発明に従った超電導導体の好
ましい具体的な実施の形態について説明する。
【0029】本発明者は、まず、撚線導体を構成する超
電導素線において、素線の横断面の中央部と超電導フィ
ラメントの配置領域の外周部との両方に安定化銅を配置
することにより、直流臨界電流値に対する交流臨界電流
値の低下を抑制することができ、大幅に高い交流臨界電
流値を得ることができることを見出した。これは、電流
通電時と変動磁界とにより生ずる交流損失による発熱が
安定化銅を介して拡散される効果によるものである。特
に、超電導素線の横断面の中央部に配置される安定化銅
は、超電導導体の長手方向への発熱の拡散に寄与する。
これに対して特に、フィラメントの配置領域の外周部に
配置される安定化銅は、冷媒である液体ヘリウムに発熱
を拡散し、また熱伝導の良好な安定化銅を通じて液体ヘ
リウムによりフィラメント配置領域が冷却されるという
効果をもたらす。
【0030】また、本発明者は、撚線導体を構成する超
電導素線の横断面においてフィラメントの配置領域が安
定化銅により分割されることによって、直流臨界電流値
に対する交流臨界電流値の低下を抑制することができ、
高い交流臨界電流値を得ることができることを見出し
た。これは、電流通電時と変動磁界とにより生ずる交流
損失による発熱が、フィラメントの配置領域を分割する
安定化銅を介して拡散される効果によるものである。
【0031】さらに、撚線導体を構成する超電導素線の
横断面の中央部と超電導フィラメントの配置領域の外周
部との両方に安定化銅を配置するとともに、素線の横断
面においてフィラメントの配置領域が安定化銅により分
割されることによって、上記の発熱が安定化銅を介して
より効果的に拡散される。これにより、さらに高い交流
臨界電流値を得ることができる。
【0032】特に、超電導素線の横断面の中央部とフィ
ラメントの配置領域の外周部とに配置される安定化銅の
体積含有率、あるいは超電導素線の横断面の中央部とフ
ィラメントの配置領域の外周部とフィラメント間に配置
される安定化銅の体積含有率を超電導体であるニオブチ
タン合金の体積含有率に対して1以上2以下、好ましく
は1.5以上2.0以下とすることにより、直流臨界電
流値とほぼ同等の交流臨界電流値を有する超電導導体を
実現することができる。超電導体、たとえばニオブチタ
ン合金に対する安定化銅の比率を2より大きくすると、
超電導素線中の超電導体としてのニオブチタン合金の絶
対量が少なくなり、臨界電流値自体が低下するため好ま
しくない。
【0033】さらに、この安定化銅が高抵抗部分によっ
て10μm以下の外径を有する複数本の線部分に分割さ
れることにより、安定化銅の配置による結合損失と渦電
流損失の増大による超電導素線の交流損失の増大を抑制
することができ、交流損失が低減された交流用超電導導
体を実現することができる。
【0034】なお、フィラメント配置領域の外周部に配
置される安定化銅が高抵抗部分を介在して連続的に配置
されることにより、あるいは超電導素線におけるフィラ
メントの配置領域を分割する安定化銅が高抵抗部分を介
在して連続的に配置されることにより、発熱の拡散と液
体ヘリウムからの冷却効果が大きく、超電導導体の交流
臨界電流値を向上させる効果が大きく、大電流容量導体
を得ることができる。
【0035】本発明の超電導導体に用いられる超電導素
線を構成する常電導マトリックスは、結合損失と渦電流
損失を低減させる観点から、高抵抗銅合金から形成され
ることが好ましい。この高抵抗銅合金としては、銅−ニ
ッケル合金、銅−ニッケル−マンガン合金、銅−錫合
金、銅−マンガン合金、銅−シリコン合金等を用いるこ
とができる。
【0036】超電導素線の外周部に配置される高抵抗層
が、Ni、Mn、SiおよびSnからなる群より選ばれ
た1種以上の元素を含む合金、たとえば、銅−ニッケル
合金、銅−ニッケル−マンガン合金、銅−マンガン合
金、銅−シリコン合金等で、かつ4.2Kの温度におい
て2×10-7Ω・m以上の抵抗値を有する非磁性銅合金
から形成されることにより、超電導素線を撚り合わせた
構造の超電導導体で生ずる各素線間の結合損失を低く抑
えることができ、超電導導体の交流損失を低く抑えるこ
とができる。
【0037】また、本発明の超電導導体に用いられる超
電導素線では、交流損失を低く抑えるためにフィラメン
トの直径を0.2μm以下まで極細化するのが好まし
い。さらに、超電導素線の直径を好ましくは0.3mm
以下、さらに好ましくは0.1mm以上0.2mm以下
とする。また、超電導素線のツイストピッチを好ましく
は素線の直径の10倍以下、さらに好ましくは4倍以上
8倍以下とする。このように構成することにより、本質
的にヒステリシス損失と結合損失を低減することがで
き、交流損失が低減された超電導素線と超電導導体を提
供することが可能になる。
【0038】交流電力機器に超電導導体を適用するため
には、導体には最低でも1kA級の電流を常時通電でき
ることが必要である。そのためには、適用される超電導
導体の交流臨界電流値としては2〜3kA級以上の電流
容量が必要である。本発明においては、超電導素線を常
電導体からなる芯材の周囲に多層または多数本配置した
撚線構造、さらにそれらの撚線構造を繰返した高次のn
次撚線構造(nは2以上の整数)とすることにより、2
kA以上の交流臨界電流値、すなわち交流クエンチ電流
値を有する交流用超電導導体を提供することができる。
【0039】また、撚線導体を構成する非超電導線と超
電導素線のマトリックスとが同一の組成を有する銅合金
から形成されることにより、冷媒中での熱収縮率を同等
とすることができ、撚線中の素線の動きを抑制すること
が可能となる。この結果、素線の動きにより生ずる発熱
を抑制することができ、高い交流臨界電流値を有する交
流用超電導導体を提供することができる。
【0040】以上のように、本発明によれば、交流損失
が数十kW/m3 (±0.5T、50Hzの条件下)の
レベル以下で、直流臨界電流値に対する交流臨界電流値
の低下が小さく、2 kA級以上の交流臨界電流値を有す
るコンパクトな実際的な規模の交流用超電導導体を提供
することができる。したがって、本発明は、超電導トラ
ンス、超電導変圧器、超電導発電機、超電導限流器など
の電力用途において、コンパクトな構成で、臨界電流値
が高く、交流損失の低減された、より実用的な超電導導
体を提供するものである。
【0041】
【実施例】
(実施例1)図1は実施例1にて作製した超電導導体の
構成を模式的に示す横断面図である。図1に示すよう
に、超電導素線1は、外周部にCu−30wt%Niか
らなる高抵抗層2と、その内側に安定化銅配置領域3,
4と、NbTiフィラメント配置領域5とを備えてい
る。安定化銅配置領域は、NbTiフィラメント配置領
域5と高抵抗層2との間に配置された外周部安定化銅配
置領域3と、素線の横断面中央部に配置された中央部安
定化銅配置領域4との2つの領域からなる。また、安定
化銅配置領域3,4には、Cu−30wt%Niからな
る高抵抗部分7によって、ほぼ六角形状の横断面を有す
る複数本の線部分に分割された安定化銅6が配置されて
いる。なお、外周部安定化銅配置領域3では、この高抵
抗部分7により分割された安定化銅6がNbTiフィラ
メント配置領域5の周囲を取囲むように連続的に1層配
置されている。この分割されている安定化銅6の外径は
5.3μmである。NbTiフィラメント配置領域5に
は、NbTi(ニオブチタン)合金フィラメントがCu
−30wt%Niのマトリックス中に多数本埋込まれて
いる。なお、NbTiフィラメントの外径は0.11μ
mまで極細化されている。
【0042】上述のように構成された超電導素線1をC
u−30wt%Niからなる常電導線8の周りに6本配
置し、撚り合わせることにより一次撚線導体10を作製
した。さらに、7本の一次撚線導体10をCu−30w
t%Niからなる常電導線9の周りに配置し、撚り合わ
せることにより交流用超電導二次撚線導体11を作製し
た。
【0043】以上のような構成を有し、超電導素線中に
おいて安定化銅のNbTi合金に対する体積含有率の比
率を変えた3種類の素線を用いて、3種類の二次撚線導
体を作製した。この実施例1で作製した超電導素線と撚
線導体の詳細な構成を表1に示す。素線中の安定化銅の
NbTi合金に対する体積含有率の比率、すなわち安定
化銅比率が0.5となる素線を用いて作製した導体を導
体A、安定化銅比率が1.0となる素線を用いて作製し
た導体を導体B、安定化銅比率が1.5となる素線を用
いて作製した導体を導体Cとした。なお、交流損失を低
減するためにNbTiフィラメントの直径は0.11μ
mまで極細化されており、またツイストピッチも素線径
の5倍の1.0mmまで短ピッチ化されている。また、
素線のツイスト方向、一次撚線および二次撚線の撚り方
向はすべて右方向であり、撚りピッチは一次撚線が5m
m、二次撚線が18mmであった。
【0044】(比較例1)比較のため、従来、一般に大
容量化のために採用されてきた構成の超電導導体も作製
した。図2は、比較例1として作製した超電導導体の構
成を模式的に示す横断面図である。図2に示すように、
超電導素線20は、外周部にCu−30wt%Niから
なる高抵抗層21と、その内側にNbTiフィラメント
配置領域22と安定化銅配置領域23とを備えている。
安定化銅配置領域23は、超電導素線の横断面の中央部
に配置されている。また、安定化銅配置領域23には、
Cu−30wt%Niからなる高抵抗部分25によっ
て、ほぼ六角形状の横断面を有する複数本の線部分に分
割された安定化銅24が配置されている。この分割され
ている安定化銅24の外径は、実施例1と同様に5.3
μmである。NbTiフィラメント配置領域22には、
実施例1と同様に、NbTi合金フィラメントがCu−
30wt%Niのマトリックス中に多数本埋込まれてい
る。なお、NbTiフィラメントの外径は、0.11μ
mまで極細化されている。
【0045】また、実施例1で作製した超電導導体と同
様に、上述のように構成された超電導素線20をCu−
30wt%Niからなる常電導線26の周りに6本配置
し、撚り合わせることにより一次撚線導体28を作製し
た。さらに、7本の一次撚線導体28をCu−30wt
%Niからなる常電導線27の周りに配置し、撚り合わ
せることにより交流用超電導二次撚線導体29を作製し
た。このようにして、作製した超電導二次撚線導体を導
体Dとした。
【0046】上記の比較例1で作製した超電導素線と撚
線導体の詳細な構成を表1に示す。超電導素線中の安定
化銅比率は1.5であり、その他の超電導素線および一
次撚線、二次撚線の諸元は、実施例1で作製した導体と
ほぼ同じである。
【0047】
【表1】
【0048】(実験)上記の実施例1と比較例1で作製
した超電導導体について、50Hz交流クエンチ電流
(交流Iq(導体))を測定した。Iqの測定は、張力
を加えて超電導導体のサンプルを測定用治具に取付け、
液体ヘリウム(温度4.2K)中で外部磁界が0〜2T
の条件下で、50Hzの交流電流を徐々に増加させ、常
電導抵抗が発生するまでに通電することができた最大電
流値を測定することによって行なわれた。また、交流損
失特性も測定した。交流損失は、短尺の超電導導体のサ
ンプルに周波数50Hz、±0.5Tの交流横磁界を印
加し、ピックアップコイルを用いた磁化法により測定し
た。
【0049】測定結果を表2と図3に示す。表2におい
ては、素線の直流Icは、磁界が0.5Tの条件下での
直流臨界電流値を示す。したがって、素線の直流Ic×
6×7とは、素線自身の臨界電流値の撚り本数倍の値を
示し、すなわち、超電導導体の直流Icを示している。
また、導体の交流Iqは、自己磁界(Bself)と外
部磁界(Bex)の合計値が0.5T、交流周波数が5
0Hzにおいて交流通電電流のピーク電流値、すなわち
撚線導体の交流クエンチ電流値を示している。
【0050】表2から明らかなように、実施例1の2種
類の導体B、Cの交流Iqは2kAを超えており、また
直流Icに対して80%以上の良好な値を示している。
特に、導体Cでは、その比率が96%と大幅に向上し、
ほぼ直流Icと同等な交流Iqを得ることができた。こ
れに対して、導体Aでは、直流Icに対する交流Iqの
比率は50%と低く、その値も2kA以下に留まってい
る。また、比較例1の導体Dについても、交流Iqは作
製した導体の中で最も低い値であり、直流Icに対する
交流Iqの比率も75%と実施例1の導体B、Cには及
ばないことがわかった。
【0051】また、図3は、実施例1と比較例1で作製
した導体の交流Iqと素線自身の直流Icの撚り本数倍
で表わした導体の直流Icとの比較を行なった結果を示
している。縦軸は電流値(直流はA、交流はApea
k)を示し、横軸は磁束密度B(T)を示す。Bex+
Bselfは外部磁界と自己磁界の合計値を示す。「I
q−50Hz(cable)」の黒四角印は周波数が5
0Hzの交流電流を通電したときの交流Iqを示し、素
線自身の直流Icの撚り本数倍で表わした導体の直流I
cは「Ic(strand)×6×7」の白四角印で示
されている。
【0052】導体に電流が通電される場合には、自己磁
界が発生し、その自己磁界の平均値が導体電流値100
0A当り0.1Tが素線に印加されることから、図3で
は、この自己磁界を考慮して導体の交流Iqと直流Ic
の比較を行なっている。
【0053】図3から明らかなように、素線における安
定化銅が中央部とフィラメント配置領域の外周部との両
方に配置され、かつその安定化銅の体積含有率がNbT
i合金の体積含有率に対して1.0、1.5の導体B、
導体Cの交流Iqが直流Icから大きく低下せず、高い
交流Iqを有することがわかった。
【0054】上述の実験結果によれば、素線の横断面の
中央部とフィラメントの配置領域の外周部との両方に安
定化銅を配置したことによる熱的安定性の向上による効
果が確認され、中央部のみに安定化銅を配置した素線を
用いた比較例の超電導導体よりも、大幅に高い交流I
q、さらには大幅に高い、直流Icに対する交流Iqの
比率を得ることができることが明らかとなった。
【0055】特に、素線の安定化銅比率を1以上とする
ことにより、直流Icに対する交流Iqの比率を80%
以上と非常に高くすることができ、特に安定化銅比率を
1.5近傍にすることにより、直流Icとほぼ同等の交
流Iqを得ることができることが明らかとなった。
【0056】また、交流損失の結果も、実施例1で作製
した導体はいずれも10kW/m3以下と非常に小さ
く、安定化銅をフィラメント配置領域の外周部に配置し
たことによる増大は見られないという結果が得られた。
これは、マトリックスに高抵抗のCu−30wt%Ni
を用い、NbTiフィラメントの外径を0.11μmま
で極細化し、かつツイストピッチを素線径の5倍の1.
0mmまで短ピッチ化した効果によるものである。さら
には、上記の結果は、安定化銅を高抵抗部分によって分
割し、その分割された安定化銅の外径を5.3μmまで
極細化したことによる、結合損失と渦電流損失の低減に
よってもたらされる効果である。
【0057】
【表2】
【0058】表2中において*は自己磁界と外部磁界の
合計値を示す。
【0059】なお、上記実施例1においては、超電導素
線の外周部の高抵抗層、高抵抗部分、常電導線のいずれ
もCu−30wt%Ni合金で形成しているが、本発明
の超電導導体はこれらに限定されるものではない。
【0060】(実施例2)図4は実施例2にて作製した
超電導導体の構成を模式的に示す横断面図である。図4
に示すように、超電導素線30は、外周部にCu−30
wt%Niからなる高抵抗層31と、その内側に安定化
銅配置領域32,33,34と、NbTiフィラメント
配置領域35,36とを備えている。安定化銅配置領域
は、NbTiフィラメント配置領域35と高抵抗層31
との間に配置された外周部安定化銅配置領域32と、N
bTiフィラメント配置領域35と36の間に配置され
たフィラメント領域間安定化銅配置領域33と、素線の
横断面中央部に配置された中央部安定化銅配置領域34
との3つの領域からなる。また、安定化銅配置領域3
2,33,34には、Cu−30wt%Niからなる高
抵抗部分38によって、ほぼ六角形状の横断面を有する
複数本の線部分に分割された安定化銅37が配置されて
いる。なお、外周部安定化銅配置領域32とフィラメン
ト領域間安定化銅配置領域33では、この高抵抗部分3
8により分割された安定化銅37がNbTiフィラメン
ト領域35,36の周囲を取囲むように連続的に1層配
置されている。この分割されている安定化銅37の外径
は上述の実施例1および比較例1で製作した素線と同様
に5.3μmである。また、NbTiフィラメント領域
35,36には、NbTi合金フィラメントがCu−3
0wt%Niマトリックス中に多数本埋込まれている。
なお、NbTiフィラメント径の外径は上述の実施例1
および比較例1と同様に0.11μmまで細径化されて
いる。
【0061】上述のように構成された超電導素線30を
Cu−30wt%Niからなる常電導線39の周りに6
本配置し、撚り合わせることにより一次撚線導体41を
作製した。さらに、12本の一次撚線導体41をCu−
30wt%Niからなる常電導線40の周りに配置し、
撚り合わせることにより交流用超電導二次撚線導体42
を作製した。
【0062】表3に実施例2で作製した超電導素線およ
び撚線導体の詳細な構成を示す。超電導素線中の安定化
銅比率は1.5であり、交流損失を低減するため、Nb
Tiフィラメントの直径は0.11μmまで細径化され
ており、またツイストピッチは素線径の5倍の1.0m
mまで短ピッチ化されている。また、素線のツイスト方
向、一次撚線および二次撚線の撚り方向はすべて右方向
であり、撚りピッチは各々、一次撚線が5mm、二次撚
線が36mmである。このような構成の二次撚線導体を
導体Eとした。
【0063】また、実施例1で最も交流Iqが高かった
導体Cと同一の構成の超電導素線を用いて、導体Eと同
一の撚線構造の二次撚線導体Fを作製した。表3に詳細
な構成を示す。超電導素線中の安定化銅配置領域は、外
周部安定化銅配置領域と中央部安定化銅配置領域との2
つの領域からなる。また、安定化銅比率は、導体Eに使
用した超電導素線と同様に1.5であり、フィラメント
径、ツイストピッチなど、その他の諸元は同一である。
また、二次撚線の諸元も導体Eと全く同一である。
【0064】(比較例2)比較のため、従来使用されて
きた構成の超電導素線を用いた二次撚線導体Gも作製し
た。表3にその詳細な構成を示す。使用した素線は、比
較例1で作製した導体Dと同一の素線であり、素線中に
は中央部安定化銅領域のみが配置され、安定化銅比率は
実施例2で作製した超電導素線と同様に1.5である。
また、フィラメント径など、その他の諸元についても同
一である。二次撚線の構成も実施例2で作製した導体と
全く同一である。
【0065】
【表3】
【0066】(実験)上記の実施例2と比較例2で作製
した二次撚線導体について、50Hz交流クエンチ電流
(交流Iq)を測定した。測定の方法は実施例1で実施
した方法と同一である。測定結果を表4と図5に示す。
表4においては、交流Iqは外部磁界が0Tと0.5T
の条件下での交流Iq値を示している。また、図5に
は、各撚線導体の外部磁場中での交流Iqの測定結果を
グラフ化している。横軸は外部磁界の磁束密度Bex
(T)を示し、縦軸は50Hzの交流Iq値(Apea
k)を示している。
【0067】
【表4】
【0068】表4および図5から明らかなように、交流
用超電導導体が使用される0.5T以下の低磁界領域で
は、導体Eは最も交流Iqが高く、続いて導体Fであ
り、比較例2の導体Gは最も交流Iqが低いという結果
が得られた。
【0069】上述の実験結果によれば、従来構造である
断面中央部のみに安定化銅を配置した超電導素線を用い
た撚線導体に比べ、断面中央部と外周部の2つの部分に
安定化銅を配置した素線を用いた撚線導体の方が高いI
qを有することがわかる。さらには、素線断面の中央
部、フィラメント領域の間および外周部の3つの部分に
安定化銅を配置した素線を用いた実施例2の撚線導体は
さらに高い交流Iqを有することがわかる。
【0070】この結果は、安定化銅を中央部のみに配置
した素線よりも、中央部と外周部に配置した素線の方
が、外部変動磁場に起因する交流損失と導体に電流を通
電したときに生ずる交流損失とによる発熱を拡散する効
果が大きいためであると考えられる。
【0071】特に、断面中央部と外周部の安定化銅配置
領域に加えて、さらにフィラメント領域の中に安定化銅
を配置することにより、さらに熱拡散の効果があること
がわかる。
【0072】なお、実施例2で作製した素線では、フィ
ラメント領域の間に1層の安定化銅を配置しているが、
さらに2層以上の安定化銅を配置することにより、さら
に熱拡散の効果を得ることができ、高い交流Iqを有す
る撚線導体を提供することができるものと考えられる。
【0073】以上に開示された実施の形態および実施例
は、すべての点で例示であって制限的なものではないと
考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の
形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示さ
れ、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべ
ての修正や変形を含むものである。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
直流臨界電流値に対して交流臨界電流値の低下が少な
く、高い交流臨界電流値を有する交流用超電導導体を提
供することができる。特に、本発明は、超電導トラン
ス、超電導変圧器、超電導限流器などの電力用途におい
て、数kA級の電流容量、低交流損失特性を有するコン
パクトな交流用超電導導体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で採用された超電導素線およ
び交流用超電導撚線導体の構造を概略的に示す横断面図
である。
【図2】本発明の比較例1で採用された超電導素線およ
び交流用超電導撚線導体の構造を概略的に示す横断面図
である。
【図3】本発明の実施例1と比較例1で得られた交流用
超電導撚線導体の交流クエンチ電流値Iqを超電導素線
の臨界電流値Icの撚り本数倍の値と比較して示す図で
ある。
【図4】本発明の実施例2で採用された超電導素線およ
び交流用超電導撚線導体の構造を概略的に示す横断面図
である。
【図5】本発明の実施例2と比較例2で得られた交流用
超電導撚線導体の交流クエンチ電流値Iqと外部磁界の
磁束密度Bex(T)との関係を測定結果として示す図
である。
【符号の説明】
1,30 超電導素線 2,31 高抵抗層 3,32 外周部安定化銅配置領域 4,34 中央部安定化銅配置領域 5,35,36 NbTiフィラメント配置領域 6,37 安定化銅 7,38 高抵抗部分 8,39 常電導線 9,40 常電導線 10,41 一次撚線導体 11,42 二次撚線導体 33 フィラメント領域間安定化銅配置領域

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅および銅合金からなる群より選ばれた
    常電導体からなるマトリックス中に超電導体からなるフ
    ィラメントが複数本埋込まれ、外周部に高抵抗層を有す
    る極細多芯超電導素線を複数本撚り合わせた撚線を含む
    交流用超電導導体であって、 前記素線の横断面の中央部と前記フィラメントの配置領
    域の外周部との両方に安定化銅が配置されていることを
    特徴とする、交流用超電導導体。
  2. 【請求項2】 銅および銅合金からなる群より選ばれた
    常電導体からなるマトリックス中に超電導体からなるフ
    ィラメントが複数本埋込まれ、外周部に高抵抗層を有す
    る極細多芯超電導素線を複数本撚り合わせた撚線を含む
    交流用超電導導体であって、 前記素線の横断面において前記フィラメントの配置領域
    が安定化銅により分割されていることを特徴とする、交
    流用超電導導体。
  3. 【請求項3】 銅および銅合金からなる群より選ばれた
    常電導体からなるマトリックス中に超電導体からなるフ
    ィラメントが複数本埋込まれ、外周部に高抵抗層を有す
    る極細多芯超電導素線を複数本撚り合わせた撚線を含む
    交流用超電導導体であって、 前記素線の横断面の中央部と前記フィラメントの配置領
    域の外周部との両方に安定化銅が配置され、かつ前記素
    線の横断面において前記フィラメントの配置領域が安定
    化銅により分割されていることを特徴とする、交流用超
    電導導体。
  4. 【請求項4】 前記素線の横断面において前記フィラメ
    ントの配置領域が1層以上の安定化銅により分割されて
    いる、請求項2または3に記載の交流用超電導導体。
  5. 【請求項5】 前記素線の横断面において前記フィラメ
    ントの配置領域が層状に配置された安定化銅の領域によ
    り2以上に分割されている、請求項2から4までのいず
    れかに記載の交流用超電導導体。
  6. 【請求項6】 前記超電導素線における前記フィラメン
    トの配置領域の外周部に前記安定化銅が前記高抵抗部分
    を介在して連続的に配置されている、請求項1または3
    に記載の交流用超電導導体。
  7. 【請求項7】 前記超電導素線における前記フィラメン
    トの配置領域を分割する前記安定化銅が前記高抵抗部分
    を介在して連続的に配置されている、請求項2または3
    に記載の交流用超電導導体。
  8. 【請求項8】 前記超電導体は、ニオブチタン合金であ
    る、請求項1から7までのいずれかに記載の交流用超電
    導導体。
  9. 【請求項9】 前記フィラメントは、0.2μm以下の
    直径を有する、請求項1から8までのいずれかに記載の
    交流用超電導導体。
  10. 【請求項10】 前記超電導素線において前記安定化銅
    の体積含有率が前記超電導体の体積含有率に対して1以
    上2以下である、請求項1から9までのいずれかに記載
    の交流用超電導導体。
  11. 【請求項11】 前記安定化銅は、高抵抗部分によって
    10μm以下の外径を有する複数本の線部分に分割され
    ている、請求項1から10までのいずれかに記載の交流
    用超電導導体。
  12. 【請求項12】 前記超電導素線の外周部の前記高抵抗
    層が、Ni、Mn、SiおよびSnからなる群より選ば
    れた1種以上の元素を含み、かつ4.2Kの温度におい
    て2×10-7Ω・m以上の抵抗値を有する非磁性銅合金
    からなる、請求項1から11までのいずれかに記載の交
    流用超電導導体。
  13. 【請求項13】 前記超電導素線の直径が0.3mm以
    下である、請求項1から12までのいずれかに記載の交
    流用超電導導体。
  14. 【請求項14】 前記超電導素線のツイストピッチが前
    記超電導素線の直径の10倍以下である、請求項1から
    13までのいずれかに記載の交流用超電導導体。
  15. 【請求項15】 常電導体からなる芯材の周囲に所定の
    本数の前記超電導素線が配置された撚線構造を備えてい
    る、請求項1から14までのいずれかに記載の交流用超
    電導導体。
  16. 【請求項16】 複数本の前記超電導素線と非超電導線
    とを撚り合わせてなる一次撚線をさらに撚り合わせてな
    るn次撚線(nは2以上の整数)であり、1本または複
    数本の前記非超電導線からなる芯材の周りに(n−1)
    次撚線が撚り合わされた撚線構造を有する、請求項15
    に記載の交流用超電導導体。
  17. 【請求項17】 前記非超電導線と前記超電導素線のマ
    トリックスとが同一の組成を有する銅合金からなる、請
    求項16に記載の交流用超電導導体。
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