JPH10320957A - テープカセット - Google Patents
テープカセットInfo
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- JPH10320957A JPH10320957A JP12604997A JP12604997A JPH10320957A JP H10320957 A JPH10320957 A JP H10320957A JP 12604997 A JP12604997 A JP 12604997A JP 12604997 A JP12604997 A JP 12604997A JP H10320957 A JPH10320957 A JP H10320957A
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- Japan
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- tape
- cassette
- reel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 デジタルテープカセットにおいて、保存時の
テープ変形を抑制し、長期間保管においても記録信号の
劣化を防止する。 【解決手段】 テープ厚みの上限が8μmであり、記録
トラック幅が5μm超17μm以下のデジタルフォーマ
ットで使用する磁気テープ3をテークアップ側リール4
Aとサプライ側リール4B間に巻装して内蔵してテープ
カセット1を構成し、カセット筐体2内に開口部21を
挟んで形成されるテープガイド5A,5Bと磁気テープ
3との間の最大摩擦係数を、温度45℃、湿度85%環
境において0.45以下とする。
テープ変形を抑制し、長期間保管においても記録信号の
劣化を防止する。 【解決手段】 テープ厚みの上限が8μmであり、記録
トラック幅が5μm超17μm以下のデジタルフォーマ
ットで使用する磁気テープ3をテークアップ側リール4
Aとサプライ側リール4B間に巻装して内蔵してテープ
カセット1を構成し、カセット筐体2内に開口部21を
挟んで形成されるテープガイド5A,5Bと磁気テープ
3との間の最大摩擦係数を、温度45℃、湿度85%環
境において0.45以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所謂デジタル信号
の記録に使用するテープカセットに関する。
の記録に使用するテープカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダー(VT
R)等の分野においては、高画質化を図るために、高密
度記録化が一層強く要求されており、高密度化の手法と
して、記録波長を短くすること、テープの全厚みを薄く
すること、記録時のトラックピッチを狭くする方法がと
られている。これは、ビデオテープレコーダー用テープ
のみならず、コンピュータのテープバックアップに使用
するテープにおいても同じ手法が取られている。
R)等の分野においては、高画質化を図るために、高密
度記録化が一層強く要求されており、高密度化の手法と
して、記録波長を短くすること、テープの全厚みを薄く
すること、記録時のトラックピッチを狭くする方法がと
られている。これは、ビデオテープレコーダー用テープ
のみならず、コンピュータのテープバックアップに使用
するテープにおいても同じ手法が取られている。
【0003】従って、最近のデジタル記録を行うシステ
ムに使用する磁気テープにおいては、最短記録波長0.
5μm以下、テープ厚みの上限を8μm、トラック幅の
上限を15μmとする記録フォーマットが実用化されて
いる。
ムに使用する磁気テープにおいては、最短記録波長0.
5μm以下、テープ厚みの上限を8μm、トラック幅の
上限を15μmとする記録フォーマットが実用化されて
いる。
【0004】このような記録フォーマットで使用する磁
気テープにおいては、トラック幅が狭いことと、テープ
の厚みが薄いことから保存変形により当初記録した記録
パターンと異なった形に変形してしまう可能性が高い。
気テープにおいては、トラック幅が狭いことと、テープ
の厚みが薄いことから保存変形により当初記録した記録
パターンと異なった形に変形してしまう可能性が高い。
【0005】すなわち、デジタル信号をテープカセット
に内蔵する磁気テープに記録して保存する際、テープカ
セットを記録再生装置からイジェクトする際、テープが
カセットに引き込まれた後、リールロックを動作させ、
リールが不用意に回転しないようにしながらテープがイ
ジェクトされる。この時、カセット内のリールの動きは
テープがローディングされている時はメカデッキ内の基
準面に合わせてリールの高さを決めるために、カセット
テープ内では若干(約0.5mm程度:セットにより多
少の差有り)浮いた状態になっている。この状態で、テ
ープを引き込むため、テープはメカデッキの基準面に合
った状態でカセットに引き込まれる。ところが、この後
カセットがイジェクトされると、リールがカセットの基
準面の高さに揃うため、リッド部に出ているテープの高
さと、リールの高さに差がでてしまう。この状態で保存
するとリッド部とリールの高さに0.5mmもの高低差
が出てしまい、テープが曲がってしまう。
に内蔵する磁気テープに記録して保存する際、テープカ
セットを記録再生装置からイジェクトする際、テープが
カセットに引き込まれた後、リールロックを動作させ、
リールが不用意に回転しないようにしながらテープがイ
ジェクトされる。この時、カセット内のリールの動きは
テープがローディングされている時はメカデッキ内の基
準面に合わせてリールの高さを決めるために、カセット
テープ内では若干(約0.5mm程度:セットにより多
少の差有り)浮いた状態になっている。この状態で、テ
ープを引き込むため、テープはメカデッキの基準面に合
った状態でカセットに引き込まれる。ところが、この後
カセットがイジェクトされると、リールがカセットの基
準面の高さに揃うため、リッド部に出ているテープの高
さと、リールの高さに差がでてしまう。この状態で保存
するとリッド部とリールの高さに0.5mmもの高低差
が出てしまい、テープが曲がってしまう。
【0006】したしながら、従来のトラック幅が20μ
mであり、テープ厚みが8μm以上のテープの場合は実
害として現れることは希であった。
mであり、テープ厚みが8μm以上のテープの場合は実
害として現れることは希であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在市販され
ているトラック幅15μmで使用するデジタルフォーマ
ット用磁気テープのバック面とカセット内テープガイド
の最大静止摩擦係数は、高温多湿環境である温度40
℃、湿度80%環境で測定すると0.55を越えてお
り、温度45℃、湿度80%環境に保管した際、実害が
発生することが確認されている。
ているトラック幅15μmで使用するデジタルフォーマ
ット用磁気テープのバック面とカセット内テープガイド
の最大静止摩擦係数は、高温多湿環境である温度40
℃、湿度80%環境で測定すると0.55を越えてお
り、温度45℃、湿度80%環境に保管した際、実害が
発生することが確認されている。
【0008】従って、従来のフォーマットであるトラッ
ク幅20μm以上、テープ厚み10μm以上の磁気テー
プであれば問題とならなかった保存変形量が、トラック
幅の上限が15μmでありテープ厚みの上限が7.3μ
mのフォーマットでは記録パターンの保存変化量が問題
になってくる。
ク幅20μm以上、テープ厚み10μm以上の磁気テー
プであれば問題とならなかった保存変形量が、トラック
幅の上限が15μmでありテープ厚みの上限が7.3μ
mのフォーマットでは記録パターンの保存変化量が問題
になってくる。
【0009】ところが、従来のテープカセットとして
は、保存により特性が劣化することを制御出来ないた
め、例えば記録後の磁気テープはテープトップまで巻き
戻して立てて保存するようにという注意書きを同封して
注意を促している。
は、保存により特性が劣化することを制御出来ないた
め、例えば記録後の磁気テープはテープトップまで巻き
戻して立てて保存するようにという注意書きを同封して
注意を促している。
【0010】このように従来は根本的な問題点が分から
なかったことと相俟って、原因を解決することが困難で
あったため、記録後のテープを途中で止めておくと、デ
ータを読み出せなくなる可能性が大きかった。
なかったことと相俟って、原因を解決することが困難で
あったため、記録後のテープを途中で止めておくと、デ
ータを読み出せなくなる可能性が大きかった。
【0011】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、本発明者は、トラック幅が5μm超17μm以下、
テープ厚みの上限を8μmとするデジタル記録に使用す
る磁気テープにおいて、保存時変形の発生するメカニズ
ムを解明し、記録後のテープが変形するプロセスにおい
て、テープのバック面とカセット内テープガイドの最大
静止摩擦係数がテープ変形を表す湾曲と大きな関連があ
ることを見出したことにより、保存変形を少なく抑える
ことが可能となる条件を見出し、本発明を完成するに至
ったものである。
で、本発明者は、トラック幅が5μm超17μm以下、
テープ厚みの上限を8μmとするデジタル記録に使用す
る磁気テープにおいて、保存時変形の発生するメカニズ
ムを解明し、記録後のテープが変形するプロセスにおい
て、テープのバック面とカセット内テープガイドの最大
静止摩擦係数がテープ変形を表す湾曲と大きな関連があ
ることを見出したことにより、保存変形を少なく抑える
ことが可能となる条件を見出し、本発明を完成するに至
ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、テープ厚みの
上限が8μmであり、記録トラック幅が5μm超17μ
m以下のデジタルフォーマットで使用する磁気テープを
リールに巻装して内蔵して成るテープカセットであっ
て、高温多湿環境である温度45℃、湿度85%環境に
おけるカセット筐体内のテープガイドと磁気テープとの
間の最大静止摩擦係数を0.45以下とするものであ
る。
上限が8μmであり、記録トラック幅が5μm超17μ
m以下のデジタルフォーマットで使用する磁気テープを
リールに巻装して内蔵して成るテープカセットであっ
て、高温多湿環境である温度45℃、湿度85%環境に
おけるカセット筐体内のテープガイドと磁気テープとの
間の最大静止摩擦係数を0.45以下とするものであ
る。
【0013】また、本発明は、テープ厚みの上限が7.
3μmであり、記録トラック幅の上限が15μmのデジ
タルフォーマットで使用する磁気テープをリールに巻装
して内蔵して成るテープカセットであって、高温多湿環
境である温度45℃、湿度85%環境におけるカセット
筐体内のテープガイドと磁気テープとの間の最大静止摩
擦係数を0.45以下とするものである。
3μmであり、記録トラック幅の上限が15μmのデジ
タルフォーマットで使用する磁気テープをリールに巻装
して内蔵して成るテープカセットであって、高温多湿環
境である温度45℃、湿度85%環境におけるカセット
筐体内のテープガイドと磁気テープとの間の最大静止摩
擦係数を0.45以下とするものである。
【0014】また、本発明は、テープ厚みの上限が7.
3μmであり、記録トラック幅の上限が10μmのデジ
タルフォーマットで使用する磁気テープをリールに巻装
して内蔵して成るテープカセットであって、高温多湿環
境である温度45℃、湿度85%環境におけるカセット
筐体内のテープガイドと磁気テープとの間の最大摩擦係
数を0.42以下とするものである。
3μmであり、記録トラック幅の上限が10μmのデジ
タルフォーマットで使用する磁気テープをリールに巻装
して内蔵して成るテープカセットであって、高温多湿環
境である温度45℃、湿度85%環境におけるカセット
筐体内のテープガイドと磁気テープとの間の最大摩擦係
数を0.42以下とするものである。
【0015】また、本発明は、テープ厚みの上限が7.
3μmであり、記録トラック幅の上限が6.67μmの
デジタルフォーマットで使用する磁気テープをリールに
巻装して内蔵して成るテープカセットであって、高温多
湿環境である温度45℃、湿度85%におけるカセット
筐体内のテープガイドと磁気テープとの間の最大摩擦係
数を0.41以下とするものである。
3μmであり、記録トラック幅の上限が6.67μmの
デジタルフォーマットで使用する磁気テープをリールに
巻装して内蔵して成るテープカセットであって、高温多
湿環境である温度45℃、湿度85%におけるカセット
筐体内のテープガイドと磁気テープとの間の最大摩擦係
数を0.41以下とするものである。
【0016】このように、本発明に係るテープカセット
の磁気テープは、テープ厚みの上限が8μmであり、記
録トラック幅が5μm超15μm以下のデジタルフォー
マットで使用し、この磁気テープとカセット筐体内のテ
ープガイドとの間の静止摩擦係数を0.45以下にした
ことにより、この磁気テープは、巻装されるリールの高
さとカセット筐体内のテープガイド間において開口部す
なわち、リッド部に表出する部分の高さに差が生じても
テープガイドに対して移動が可能になり、磁気テープの
曲がりが抑制されることになる。
の磁気テープは、テープ厚みの上限が8μmであり、記
録トラック幅が5μm超15μm以下のデジタルフォー
マットで使用し、この磁気テープとカセット筐体内のテ
ープガイドとの間の静止摩擦係数を0.45以下にした
ことにより、この磁気テープは、巻装されるリールの高
さとカセット筐体内のテープガイド間において開口部す
なわち、リッド部に表出する部分の高さに差が生じても
テープガイドに対して移動が可能になり、磁気テープの
曲がりが抑制されることになる。
【0017】従って、本発明に係るテープカセットは、
保存時のテープ変形を抑制することが可能になり、長期
間の保管でも記録信号の劣化が少なく、画質劣化の少な
いビデオテープカセットを実現できる。
保存時のテープ変形を抑制することが可能になり、長期
間の保管でも記録信号の劣化が少なく、画質劣化の少な
いビデオテープカセットを実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0019】この実施の形態は、本発明に係るテープカ
セットを、テープ厚みが薄く、微細な記録トラック幅で
記録される磁気テープを内蔵したデジタル信号の記録に
使用するテープカセットとして構成したものである。
セットを、テープ厚みが薄く、微細な記録トラック幅で
記録される磁気テープを内蔵したデジタル信号の記録に
使用するテープカセットとして構成したものである。
【0020】このテープカセットは図1及び図2に示す
ように構成され、この図示のテープカセットはデジタル
ビデオテープカセット(以下、DVカセットという)で
ある。
ように構成され、この図示のテープカセットはデジタル
ビデオテープカセット(以下、DVカセットという)で
ある。
【0021】このDVカセット1は、図1に示すよう
に、上シェル2Aと下シェル2Bとを組み合せて構成さ
れるカセット筐体2内の下シェル2B上に磁気テープ3
を巻装させた一対のテープリール、すなわち、テークア
ップ側リール4A及びサプライ側リール4Bが回転可能
に収納されている。
に、上シェル2Aと下シェル2Bとを組み合せて構成さ
れるカセット筐体2内の下シェル2B上に磁気テープ3
を巻装させた一対のテープリール、すなわち、テークア
ップ側リール4A及びサプライ側リール4Bが回転可能
に収納されている。
【0022】磁気テープ3は、テークアップ側リール4
A及びサプライ側リール4Bに対して両端末部を止着し
た状態で巻回されており、サプライ側リール4Bから導
出された磁気テープ3が、カセット筐体内に前部の開口
部21の両側に位置して下シェル2Bに立上げ形成され
たテープガイド5A,5Bのサプライ側のテープガイド
5Bを経由して開口部21を通り、テークアップ側のテ
ープガイド5Aを経由してテークアップ側リー4Aに巻
き取られるようにカセット筐体2内で走行経路が形成さ
れている。
A及びサプライ側リール4Bに対して両端末部を止着し
た状態で巻回されており、サプライ側リール4Bから導
出された磁気テープ3が、カセット筐体内に前部の開口
部21の両側に位置して下シェル2Bに立上げ形成され
たテープガイド5A,5Bのサプライ側のテープガイド
5Bを経由して開口部21を通り、テークアップ側のテ
ープガイド5Aを経由してテークアップ側リー4Aに巻
き取られるようにカセット筐体2内で走行経路が形成さ
れている。
【0023】また、テークアップ側リール4A及びサプ
ライ側リール4Bは、上シェル2Aの内面2a1 に基端
部において片持ち状に固定されたリール押えばね6A及
び6Bにより、上側フランジ4a1 及び4b1 の上面中
心部において所要弾性力で押圧されて下側フランジ4a
2 及び4b2 の下面側が下シェル2Bの内面2b1 に押
し付けられた状態で位置決め保持される。
ライ側リール4Bは、上シェル2Aの内面2a1 に基端
部において片持ち状に固定されたリール押えばね6A及
び6Bにより、上側フランジ4a1 及び4b1 の上面中
心部において所要弾性力で押圧されて下側フランジ4a
2 及び4b2 の下面側が下シェル2Bの内面2b1 に押
し付けられた状態で位置決め保持される。
【0024】そして、カセット筐体2の前面側には蓋体
7が上方へ開放回動可能に備えられている。この蓋体7
は、カセット筐体2の前面両側の開放部と前述した開口
部21の前面側を覆う前蓋7Aと開放部と開口部21の
上面側を覆う上蓋7Bと閉蓋時に開口部21の内側に位
置し、前蓋7Aの内面側に磁気テープ3を挟んで対応す
る裏蓋7C(図2参照)とから構成されている。
7が上方へ開放回動可能に備えられている。この蓋体7
は、カセット筐体2の前面両側の開放部と前述した開口
部21の前面側を覆う前蓋7Aと開放部と開口部21の
上面側を覆う上蓋7Bと閉蓋時に開口部21の内側に位
置し、前蓋7Aの内面側に磁気テープ3を挟んで対応す
る裏蓋7C(図2参照)とから構成されている。
【0025】また、カセット筐体2内の後部には、テー
クアップ側リール4Aとサプライ側リール4Bの間に位
置して、テープカセット1の不使用時に両リール4A,
4Bを回転不能にロックし、磁気テープ3のたるみを防
止するためのリールロック機構10が設けられている。
クアップ側リール4Aとサプライ側リール4Bの間に位
置して、テープカセット1の不使用時に両リール4A,
4Bを回転不能にロックし、磁気テープ3のたるみを防
止するためのリールロック機構10が設けられている。
【0026】このリールロック機構10は、下シェル2
Bの内面2b1 の後部中央に前後方向に形成されたガイ
ド用リブ8に沿って前後方向にスライド可能なリールロ
ック本体11と、このリールロック本体11に設けられ
た左右の軸部11A,11Bに回動可能に取り付けら
れ、両リール4A,4Bの下側フランジ4a2 ,4b2
の周縁に全周にわたって設けられた係合歯15A,15
Bと係合する爪部13a1 ,13b1 を先端に有するリ
ールロック片13A,13Bと、リールロック本体11
をリールロック方向即ち前方に付勢させるスライド用板
バネ17と、リールロック片13A,13Bをリールロ
ック方向即ち爪部13a1 ,13b1 が夫々両リール4
A,4Bの係合歯15A,15Bに係合する方向に回動
付勢させるリールロック用バネ16と、により構成され
ている。
Bの内面2b1 の後部中央に前後方向に形成されたガイ
ド用リブ8に沿って前後方向にスライド可能なリールロ
ック本体11と、このリールロック本体11に設けられ
た左右の軸部11A,11Bに回動可能に取り付けら
れ、両リール4A,4Bの下側フランジ4a2 ,4b2
の周縁に全周にわたって設けられた係合歯15A,15
Bと係合する爪部13a1 ,13b1 を先端に有するリ
ールロック片13A,13Bと、リールロック本体11
をリールロック方向即ち前方に付勢させるスライド用板
バネ17と、リールロック片13A,13Bをリールロ
ック方向即ち爪部13a1 ,13b1 が夫々両リール4
A,4Bの係合歯15A,15Bに係合する方向に回動
付勢させるリールロック用バネ16と、により構成され
ている。
【0027】なお、下シェル2Bの内面2b1 にはガイ
ド用リブ8の左右両側に並行してリールロック片のガイ
ド用リブが形成され、この前端部分は外側に向って傾斜
した傾斜ガイド部となさこれている。
ド用リブ8の左右両側に並行してリールロック片のガイ
ド用リブが形成され、この前端部分は外側に向って傾斜
した傾斜ガイド部となさこれている。
【0028】このように構成されるリールロック機構1
0は、テープカセット1の不使用時にはリールロック本
体11がスライド用板バネ17の弾性力で前方へ付勢さ
れていると共に、リールロック片13A,13Bがリー
ルロック用バネ16の弾性力で夫々両リール4A,4B
の係合歯15A,15Bに係合されていることにより、
両リール4A,4Bの回転が防止された状態、つまりリ
ールロック状態にある。従って、この状態では磁気テー
プ3にたるみが生じることはない。
0は、テープカセット1の不使用時にはリールロック本
体11がスライド用板バネ17の弾性力で前方へ付勢さ
れていると共に、リールロック片13A,13Bがリー
ルロック用バネ16の弾性力で夫々両リール4A,4B
の係合歯15A,15Bに係合されていることにより、
両リール4A,4Bの回転が防止された状態、つまりリ
ールロック状態にある。従って、この状態では磁気テー
プ3にたるみが生じることはない。
【0029】そしてテープカセット1をカセットデッキ
(図示せず)に装着した際には、カセットデッキ側のリ
ールロック解除部材によってリールロック本体11がス
ライド用板バネ17の弾性力に抗して後方へスライドさ
れ、これに伴ってリールロック片13A,13Bは、そ
の接縁部が夫々リールロック片ガイド用リブの傾斜ガイ
ド部に沿ってガイドされることにより、リールロック用
バネ16の弾性力に抗して両リール4A,4Bから離れ
る方向に回動される。その結果、リールロック片13
A,13Bの爪部13a1 ,13b1 が夫々両リール4
A,4Bの係合歯15A,15Bから外れ、これによっ
て両リール4A,4Bの回転が可能となり、即ちリール
ロックが解除される。
(図示せず)に装着した際には、カセットデッキ側のリ
ールロック解除部材によってリールロック本体11がス
ライド用板バネ17の弾性力に抗して後方へスライドさ
れ、これに伴ってリールロック片13A,13Bは、そ
の接縁部が夫々リールロック片ガイド用リブの傾斜ガイ
ド部に沿ってガイドされることにより、リールロック用
バネ16の弾性力に抗して両リール4A,4Bから離れ
る方向に回動される。その結果、リールロック片13
A,13Bの爪部13a1 ,13b1 が夫々両リール4
A,4Bの係合歯15A,15Bから外れ、これによっ
て両リール4A,4Bの回転が可能となり、即ちリール
ロックが解除される。
【0030】このように構成されるテープカセット1の
カセット筐体2の上シェル2A及び下シェル2Bは、ア
クリルニトリル・ブタジエン・スチレン三元重合帯(A
BS)樹脂を使用して形成されている。
カセット筐体2の上シェル2A及び下シェル2Bは、ア
クリルニトリル・ブタジエン・スチレン三元重合帯(A
BS)樹脂を使用して形成されている。
【0031】そして、カセット筐体2内のテープガイド
5A及び5Bは下シェル2B内に同一樹脂により一体に
形成されており、この樹脂により形成したテープガイド
5A及び5Bは成形された状態では面粗度1.5Sであ
る。このテープガイド5A及び5Bは下シェル2Bとは
別組成の樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリオキシ
メチレンアセタール樹脂を用いて二色成形方法により形
成することとも可能である。
5A及び5Bは下シェル2B内に同一樹脂により一体に
形成されており、この樹脂により形成したテープガイド
5A及び5Bは成形された状態では面粗度1.5Sであ
る。このテープガイド5A及び5Bは下シェル2Bとは
別組成の樹脂、例えば、ポリカーボネート、ポリオキシ
メチレンアセタール樹脂を用いて二色成形方法により形
成することとも可能である。
【0032】また、テープガイド5A及び5Bの面粗度
については、下シェル2B成形後、テープガイド5A及
び5Bのみ別途加工し摩擦係数との対応を確認している
が、磁気テープ3のバックの構成と材料、テープガイド
5A及び5Bの材料と面粗度については特に制限を設け
ず、摩擦係数により規制するが、成形のし易さから、基
本的には下シェル2Bの成形樹脂材料を使用することに
なる。
については、下シェル2B成形後、テープガイド5A及
び5Bのみ別途加工し摩擦係数との対応を確認している
が、磁気テープ3のバックの構成と材料、テープガイド
5A及び5Bの材料と面粗度については特に制限を設け
ず、摩擦係数により規制するが、成形のし易さから、基
本的には下シェル2Bの成形樹脂材料を使用することに
なる。
【0033】以上のように構成されるカセット筐体2内
に両リール4A,4Bに巻装されて収納内蔵される磁気
テープ3は図3及び図4に示すように構成されている。
に両リール4A,4Bに巻装されて収納内蔵される磁気
テープ3は図3及び図4に示すように構成されている。
【0034】本例の磁気テープ3は蒸着テープであっ
て、この磁気テープ3の構成は図3に示すように約5.
5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製ベー
スフィルム31に0.2μmの真空蒸着法により形成さ
れた磁性層及び保護膜層32、0.5μmのバックコー
ティング33で構成されている。テープのバック層の組
成はカーボンを主体とし、ポリカーボネートとポリウレ
タンをバインダーとしたバックコーティングを使用して
いる。カーボンは摩擦を低減させるため、300nmの
大粒径カーボン粒子34と10nm微小粒径カーボン粒
子35を5対95で混合しており、図4に示す構造にな
っている。
て、この磁気テープ3の構成は図3に示すように約5.
5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製ベー
スフィルム31に0.2μmの真空蒸着法により形成さ
れた磁性層及び保護膜層32、0.5μmのバックコー
ティング33で構成されている。テープのバック層の組
成はカーボンを主体とし、ポリカーボネートとポリウレ
タンをバインダーとしたバックコーティングを使用して
いる。カーボンは摩擦を低減させるため、300nmの
大粒径カーボン粒子34と10nm微小粒径カーボン粒
子35を5対95で混合しており、図4に示す構造にな
っている。
【0035】この条件で、面粗度はRa=30nm程度
にしてテープのバック層を作成した。
にしてテープのバック層を作成した。
【0036】以上のように形成したカセット筐体2と磁
気テープ3とを組合せて構成したテープカセット1のエ
ラーレートを測定した。
気テープ3とを組合せて構成したテープカセット1のエ
ラーレートを測定した。
【0037】先ず、このエラーレート測定器具として、
テープの湾曲を測定した器具は、トプコン(株)製工具
顕微鏡TUM−200を使用し、図5に示す支持台を使
用し、テープを保持しつつ50mm長に対する湾曲を測
定した。支持台101は、多孔質セラミック102(孔
径0.05μm程度)を0.1Sに加工したものであ
り、保持台103により保持される。この保持台103
にはエアーコンプレッサー104を接続し、テープを支
持する時はセラミック102から吸引するようにする。
また、テープをセットする時は、セラミック102から
エアーを吹き出すようにコンプレッサーの働きを切り替
える。このテープの湾曲の定義については、図6に示す
通り、テープ50mm長について、テープ下端の両端を
結び、両端テープ下エッジから隙間のできる方向をプラ
ス、逆に飛び出す方向をマイナスと定義した。
テープの湾曲を測定した器具は、トプコン(株)製工具
顕微鏡TUM−200を使用し、図5に示す支持台を使
用し、テープを保持しつつ50mm長に対する湾曲を測
定した。支持台101は、多孔質セラミック102(孔
径0.05μm程度)を0.1Sに加工したものであ
り、保持台103により保持される。この保持台103
にはエアーコンプレッサー104を接続し、テープを支
持する時はセラミック102から吸引するようにする。
また、テープをセットする時は、セラミック102から
エアーを吹き出すようにコンプレッサーの働きを切り替
える。このテープの湾曲の定義については、図6に示す
通り、テープ50mm長について、テープ下端の両端を
結び、両端テープ下エッジから隙間のできる方向をプラ
ス、逆に飛び出す方向をマイナスと定義した。
【0038】また、摩擦の測定には図7に示すFTM
(Friction Test Module):摩擦測定機を使用する。測
定器は測定物を移動させる駆動装置105と駆動装置に
取り付け引っ張り力を検出することのできる検出機10
6とテープ等を移動させる被測定物107とガイド等を
固定して設置される被測定物108と重り9と検出機1
06の信号を増幅するアンプ110と測定結果を出力す
る出力装置111で構成される。検出部は市販の圧電素
子を利用した力センサーを使用した。具体的には新光製
作所製のU−GAGE UT−500を使用した。また
増幅アンプは市販のストレインアンプを使用しておりミ
ネベア株式会社製DSA−601を使用した。測定結果
を出力する装置は市販のペンレコーダーを使用してい
る。
(Friction Test Module):摩擦測定機を使用する。測
定器は測定物を移動させる駆動装置105と駆動装置に
取り付け引っ張り力を検出することのできる検出機10
6とテープ等を移動させる被測定物107とガイド等を
固定して設置される被測定物108と重り9と検出機1
06の信号を増幅するアンプ110と測定結果を出力す
る出力装置111で構成される。検出部は市販の圧電素
子を利用した力センサーを使用した。具体的には新光製
作所製のU−GAGE UT−500を使用した。また
増幅アンプは市販のストレインアンプを使用しておりミ
ネベア株式会社製DSA−601を使用した。測定結果
を出力する装置は市販のペンレコーダーを使用してい
る。
【0039】基本的な動作原理はオイラー法による測定
が行われている。即ち、図7のシステムにおいて exp(μθ)=T1/T2 ・・・(式1) の関係で示される。 μ:摩擦係数・・・求める係数 θ:ラップ角・・・テープの巻き付き角(測定機により
一定:通常90度) T1:引っ張り力・・・測定値 T2:バックテンション・・・一定加重(測定機により
一定)
が行われている。即ち、図7のシステムにおいて exp(μθ)=T1/T2 ・・・(式1) の関係で示される。 μ:摩擦係数・・・求める係数 θ:ラップ角・・・テープの巻き付き角(測定機により
一定:通常90度) T1:引っ張り力・・・測定値 T2:バックテンション・・・一定加重(測定機により
一定)
【0040】最大静止摩擦の測定は、図7の測定機の移
動させる被測定物107と検出機106の間にスプリン
グバネ112を挿入することにより、最大静止摩擦係数
を測定することが可能になる。摩擦の測定は、恒温槽に
入れておき、各環境になじんでから行っている。
動させる被測定物107と検出機106の間にスプリン
グバネ112を挿入することにより、最大静止摩擦係数
を測定することが可能になる。摩擦の測定は、恒温槽に
入れておき、各環境になじんでから行っている。
【0041】以上の条件を有する湾曲測定器具と摩擦測
定機を用いて前述したテープカセット1を、温度20
℃、湿度50%環境で記録後、温度45℃、湿度80%
の環境に144時間保管した後24時間、温度20℃、
湿度50%環境になじませてエラーレートを測定した。
この測定テープのテープバック−カセット内テープガイ
ドの最大静止摩擦係数とエラーレートとの関連を図8に
示す。エラーレートはカセット筐体2aの開口部21、
すなわち、リッド部に出ている部分を前後15秒ずつ計
30秒測定している。また、エラーレートの数値は、3
0秒間の間に飛び出しが発生するために各1.6秒毎の
最大値を採用している。
定機を用いて前述したテープカセット1を、温度20
℃、湿度50%環境で記録後、温度45℃、湿度80%
の環境に144時間保管した後24時間、温度20℃、
湿度50%環境になじませてエラーレートを測定した。
この測定テープのテープバック−カセット内テープガイ
ドの最大静止摩擦係数とエラーレートとの関連を図8に
示す。エラーレートはカセット筐体2aの開口部21、
すなわち、リッド部に出ている部分を前後15秒ずつ計
30秒測定している。また、エラーレートの数値は、3
0秒間の間に飛び出しが発生するために各1.6秒毎の
最大値を採用している。
【0042】図8を見て分かる通り、エラーレートは最
大静止摩擦係数と関連があり、最大静止摩擦係数が0.
35を越えるあたりからエラーレートが悪化していくこ
とがわかる。また、一応の目安とするエラーレートは1
0-4以下をOK/NGの判断点とすると、最大静止摩擦
係数が0.42程度まで使用可能であるという結論に達
した。また、エラーレートが10-3になると音飛びが発
生しており、マージンを含めて考えると、エラーレート
10-4で判定するのは妥当であることが分かる。
大静止摩擦係数と関連があり、最大静止摩擦係数が0.
35を越えるあたりからエラーレートが悪化していくこ
とがわかる。また、一応の目安とするエラーレートは1
0-4以下をOK/NGの判断点とすると、最大静止摩擦
係数が0.42程度まで使用可能であるという結論に達
した。また、エラーレートが10-3になると音飛びが発
生しており、マージンを含めて考えると、エラーレート
10-4で判定するのは妥当であることが分かる。
【0043】また、エラーレートの劣化のしかたが不連
続であることから、さらに解析を行った結果、エラーレ
ートが悪化しているテープについては、トラックの曲が
りが20μm以上になっていることが観測された。この
トラック曲がりの現象をテープの物理特性との対応を取
った結果、湾曲が重要な原因になっていることがわかっ
た。
続であることから、さらに解析を行った結果、エラーレ
ートが悪化しているテープについては、トラックの曲が
りが20μm以上になっていることが観測された。この
トラック曲がりの現象をテープの物理特性との対応を取
った結果、湾曲が重要な原因になっていることがわかっ
た。
【0044】従って、10μmフォーマットでの解析で
は、エラーレートが急激に悪化する前の状態でも湾曲が
徐々に悪化しており、エラーレートが急激に悪化し限界
に達するのが、18μm以上になった時からであること
がわかった。この関係を図9に示す。この関係は、トラ
ックピッチが10μmの場合であり、15μmフォーマ
ットを使用した時は27μmがこの限界点に達する量で
あることが判明した。また、6.67μmフォーマット
の場合は17μmであることが判明した。
は、エラーレートが急激に悪化する前の状態でも湾曲が
徐々に悪化しており、エラーレートが急激に悪化し限界
に達するのが、18μm以上になった時からであること
がわかった。この関係を図9に示す。この関係は、トラ
ックピッチが10μmの場合であり、15μmフォーマ
ットを使用した時は27μmがこの限界点に達する量で
あることが判明した。また、6.67μmフォーマット
の場合は17μmであることが判明した。
【0045】この量は、DVCあるいはDVCAMのフ
ォーマットから予想される数値と一致している。すなわ
ち、 50/Ls×Tw(μm) ・・・ (式2) Ls/トラック長さ(mm)DVCで32.9mm Tw:再生ヘッド幅(μm)15μmフォーマットで1
8μm、10μmフォーマットで13μm、6.67μ
mフォーマットで12μm 50:湾曲測定長(mm) で与えられる数値とほぼ一致している。厳密には、Tw
の測定を行っていないため、若干のずれが生じる可能性
があるが、Twは10μmフォーマットの場合12μ
m、15μmフォーマットの場合18μmとして計算す
ると一致する。この数値は記録後のテープをフェリコロ
イド溶液にて現像して測定した消し残し部分でのトラッ
ク幅と一致していた。
ォーマットから予想される数値と一致している。すなわ
ち、 50/Ls×Tw(μm) ・・・ (式2) Ls/トラック長さ(mm)DVCで32.9mm Tw:再生ヘッド幅(μm)15μmフォーマットで1
8μm、10μmフォーマットで13μm、6.67μ
mフォーマットで12μm 50:湾曲測定長(mm) で与えられる数値とほぼ一致している。厳密には、Tw
の測定を行っていないため、若干のずれが生じる可能性
があるが、Twは10μmフォーマットの場合12μ
m、15μmフォーマットの場合18μmとして計算す
ると一致する。この数値は記録後のテープをフェリコロ
イド溶液にて現像して測定した消し残し部分でのトラッ
ク幅と一致していた。
【0046】従って、実用特性上はエラーレートが重要
な項目であることは代わらないが、実害発生を推定する
ためには、テープの湾曲がリッド部分でどの程度変化す
るかを確認すれば良い事がわかる。その結果、トラック
幅15μmフォーマットの場合、温度45℃、湿度80
%環境にて測定した最大静止摩擦係数と湾曲の関係は図
10に示すようにほぼリニアな特性が得られ、エラーレ
ートが急激に悪化すると推定される27μm以上に達す
るのは最大静止摩擦係数は0.45以上であることが分
かった。この結果を確認するために15μmフォーマッ
トでエラーレートが10-4を越える湾曲量を調べたとこ
ろ、図11に示す通り、予測通り28μmからであるこ
とが確認できた。また、6.67μmフォーマットで
は、Twが殆ど10μmフォーマットと変わらないため
17μmが限界点であることが確認できた。
な項目であることは代わらないが、実害発生を推定する
ためには、テープの湾曲がリッド部分でどの程度変化す
るかを確認すれば良い事がわかる。その結果、トラック
幅15μmフォーマットの場合、温度45℃、湿度80
%環境にて測定した最大静止摩擦係数と湾曲の関係は図
10に示すようにほぼリニアな特性が得られ、エラーレ
ートが急激に悪化すると推定される27μm以上に達す
るのは最大静止摩擦係数は0.45以上であることが分
かった。この結果を確認するために15μmフォーマッ
トでエラーレートが10-4を越える湾曲量を調べたとこ
ろ、図11に示す通り、予測通り28μmからであるこ
とが確認できた。また、6.67μmフォーマットで
は、Twが殆ど10μmフォーマットと変わらないため
17μmが限界点であることが確認できた。
【0047】従って、湾曲量とエラーレートの関連の証
明ができるとともに、湾曲量をコントロールするために
は、磁気テープとカセット内テープガイドの最大静止摩
擦係数が重要なパラメータであることが確認できた。
明ができるとともに、湾曲量をコントロールするために
は、磁気テープとカセット内テープガイドの最大静止摩
擦係数が重要なパラメータであることが確認できた。
【0048】また、この保存による湾曲量は、テープ厚
みにも依存するため、磁気テープのバック面とカセット
内テープガイドの最大静止摩擦係数が0.45のもので
ありながら、テープ厚みの異なるテープを作成しテープ
厚みと湾曲量の関係を調べた。その結果を図12に示
す。テープ厚みと湾曲量には相関がとれ、6.5μmの
テープ厚のもので、30μmであるが、7.3μmのテ
ープ厚にすると、26μmになることがわかる。
みにも依存するため、磁気テープのバック面とカセット
内テープガイドの最大静止摩擦係数が0.45のもので
ありながら、テープ厚みの異なるテープを作成しテープ
厚みと湾曲量の関係を調べた。その結果を図12に示
す。テープ厚みと湾曲量には相関がとれ、6.5μmの
テープ厚のもので、30μmであるが、7.3μmのテ
ープ厚にすると、26μmになることがわかる。
【0049】図13に保存環境と変形量の関係を示す。
この結果を見ると、温度45℃、湿度80%環境におい
ては、ほぼ72時間で変形量が飽和していることが分か
る。また、温度60℃、湿度80%環境での保存は約6
時間で変形量が飽和するが、最終的な変形量は同一であ
ることが分かる。この到達点を20℃に外挿してみると
約5年に相当することがわかる。従って、湾曲の保存変
形量は温度45℃、湿度80%環境に144時間保管す
れば飽和するため、温度45℃、湿度80%環境に14
4時間保管することで評価を行っても問題ない。
この結果を見ると、温度45℃、湿度80%環境におい
ては、ほぼ72時間で変形量が飽和していることが分か
る。また、温度60℃、湿度80%環境での保存は約6
時間で変形量が飽和するが、最終的な変形量は同一であ
ることが分かる。この到達点を20℃に外挿してみると
約5年に相当することがわかる。従って、湾曲の保存変
形量は温度45℃、湿度80%環境に144時間保管す
れば飽和するため、温度45℃、湿度80%環境に14
4時間保管することで評価を行っても問題ない。
【0050】この結果を元に、トラック幅が15μm以
下のデジタルフォーマットにおいて、温度45℃、湿度
80%環境での保存を行っても、カセットのリッド部で
のエラーレート劣化の無いテープカセットを実現するた
めにはテープ厚7.3μm以下、トラック幅15μm以
下のデジタルフォーマットであれば、テープバック面と
カセット内テープガイドの最大静止摩擦係数が0.45
以下にしなければならないことが分かる。
下のデジタルフォーマットにおいて、温度45℃、湿度
80%環境での保存を行っても、カセットのリッド部で
のエラーレート劣化の無いテープカセットを実現するた
めにはテープ厚7.3μm以下、トラック幅15μm以
下のデジタルフォーマットであれば、テープバック面と
カセット内テープガイドの最大静止摩擦係数が0.45
以下にしなければならないことが分かる。
【0051】また、トラック幅10μm以下、テープ厚
み7.3μm以下のデジタル記録に使用するテープにお
いて、カセットのリッド部に出しておいた部分近辺のテ
ープ変形を抑制するためにはテープバック面とカセット
に使用しているカセット内テープガイドとの間の最大静
止摩擦係数を0.42以下、トラック幅6.67μm以
下、テープ厚み7.3μm以下のデジタル記録に使用す
るテープにおいて、リッド部に出しておいた部分近辺の
テープ変形を抑制するためにはテープバック面とカセッ
ト内テープガイドとの間の最大静止摩擦係数を0.41
以下とすれば良いことが分かる。
み7.3μm以下のデジタル記録に使用するテープにお
いて、カセットのリッド部に出しておいた部分近辺のテ
ープ変形を抑制するためにはテープバック面とカセット
に使用しているカセット内テープガイドとの間の最大静
止摩擦係数を0.42以下、トラック幅6.67μm以
下、テープ厚み7.3μm以下のデジタル記録に使用す
るテープにおいて、リッド部に出しておいた部分近辺の
テープ変形を抑制するためにはテープバック面とカセッ
ト内テープガイドとの間の最大静止摩擦係数を0.41
以下とすれば良いことが分かる。
【0052】この関係を一般化すれば、LsとTpの関
係式で表すことができ 50/Ls×Tw<Tp ・・・ (式3) Ls:トラック長さ(mm) Tw:再生ヘッド幅(μm) 50:湾曲測定長(mm) Tp:フォーマットのトラック幅 を実現するテープバック面とカセット内ガイドの最大静
止摩擦係数であれば良く、この量を図14の関係に沿っ
たものとすれば良い事が分かる。
係式で表すことができ 50/Ls×Tw<Tp ・・・ (式3) Ls:トラック長さ(mm) Tw:再生ヘッド幅(μm) 50:湾曲測定長(mm) Tp:フォーマットのトラック幅 を実現するテープバック面とカセット内ガイドの最大静
止摩擦係数であれば良く、この量を図14の関係に沿っ
たものとすれば良い事が分かる。
【0053】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるも
ので、例えばテープカセットは図示のものに限定される
ものではなく、他の形態のテープカセットも適用できる
ものである。
本発明は、この実施の形態例に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるも
ので、例えばテープカセットは図示のものに限定される
ものではなく、他の形態のテープカセットも適用できる
ものである。
【0054】また、前述した各エラーレートの測定に用
いる測定器具としても、前述した測定と同様の測定が行
えるものであれば他の測定器具を用いることができるも
のである。
いる測定器具としても、前述した測定と同様の測定が行
えるものであれば他の測定器具を用いることができるも
のである。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明は、テープ厚みの上
限が8μmであり、記録トラック幅が5μm超17μm
以下のデジタルフォーマットで使用する磁気テープを内
蔵して成るテープカセットであって、高温多湿環境にお
けるカセット筐体内のテープガイドと磁気テープとの間
の最大静止摩擦係数を0.45以下としたことにより、
磁気テープは、巻装されるリールの高さとカセット筐体
の開口部に表出する部分の高さに差が生じても、テープ
ガイドに対して移動が可能になり、テープカセットの保
存時のテープ変形を抑制することができて、長期間の保
管でも記録信号劣化が少なく、信頼性が著しく向上す
る。特に、本発明は、長期保管においても画像劣化の少
ないビデオテープカセットを実現できるものである。
限が8μmであり、記録トラック幅が5μm超17μm
以下のデジタルフォーマットで使用する磁気テープを内
蔵して成るテープカセットであって、高温多湿環境にお
けるカセット筐体内のテープガイドと磁気テープとの間
の最大静止摩擦係数を0.45以下としたことにより、
磁気テープは、巻装されるリールの高さとカセット筐体
の開口部に表出する部分の高さに差が生じても、テープ
ガイドに対して移動が可能になり、テープカセットの保
存時のテープ変形を抑制することができて、長期間の保
管でも記録信号劣化が少なく、信頼性が著しく向上す
る。特に、本発明は、長期保管においても画像劣化の少
ないビデオテープカセットを実現できるものである。
【0056】そして、現在実用化されているビデオテー
プカセットにおいて、テープ厚みの上限が7.3μmで
あり、記録トラック幅の上限が15μmのデジタルフォ
ーマットで使用する磁気テープでは、温度45℃、湿度
80%環境におけるカセット筐体内のテープガイドとの
間の最大静止摩擦係数を0.45以下とし、テープ厚み
の上限が7.3μmであり、記録トラック幅の上限が1
0μmのデジタルフォーマットで使用する磁気テープで
は、上記環境におけるテープガイドとの間の最大静止摩
擦係数を0.42以下とし、また、テープ厚みの上限が
7.3μmであり、記録トラック幅の上限が6.67μ
mのデジタルフォーマットで使用する磁気テープでは上
記環境におけるテープガイドとの間の最大静止摩擦係数
を0.41以下にすることにより良好な保存特性を実現
することができ、保存時でもテープ変形を低減し、記録
信号の劣化を防止することが可能になる。
プカセットにおいて、テープ厚みの上限が7.3μmで
あり、記録トラック幅の上限が15μmのデジタルフォ
ーマットで使用する磁気テープでは、温度45℃、湿度
80%環境におけるカセット筐体内のテープガイドとの
間の最大静止摩擦係数を0.45以下とし、テープ厚み
の上限が7.3μmであり、記録トラック幅の上限が1
0μmのデジタルフォーマットで使用する磁気テープで
は、上記環境におけるテープガイドとの間の最大静止摩
擦係数を0.42以下とし、また、テープ厚みの上限が
7.3μmであり、記録トラック幅の上限が6.67μ
mのデジタルフォーマットで使用する磁気テープでは上
記環境におけるテープガイドとの間の最大静止摩擦係数
を0.41以下にすることにより良好な保存特性を実現
することができ、保存時でもテープ変形を低減し、記録
信号の劣化を防止することが可能になる。
【図1】本発明によるテープカセットの一例の分解斜視
図である。
図である。
【図2】図1に示すテープカセットの組立てた状態の縦
断側面図である。
断側面図である。
【図3】本発明に適用する磁気テープの構成例を示す断
面図である。
面図である。
【図4】図3に示す磁気テープのバックの構造を示す概
念図である。
念図である。
【図5】テープの湾曲を測定するための支持台を示す図
である。
である。
【図6】テープの湾曲の概念を示す図である。
【図7】摩擦測定機を示す図である。
【図8】最大静止摩擦係数とエラーレートの関係を示す
特性図である。
特性図である。
【図9】エラーレートと湾曲の関係を示す特性図であ
る。
る。
【図10】最大静止摩擦係数と湾曲の関係を示す特性図
である。
である。
【図11】15μmフォーマットにおける湾曲量とエラ
ーレートの関係を示す特性図である。
ーレートの関係を示す特性図である。
【図12】テープ厚と湾曲の量を示す特性図である。
【図13】保存時間とテープ湾曲量の関係を示す特性図
である。
である。
【図14】最大静止摩擦係数と湾曲量の関係を示す特性
図である。
図である。
1‥‥テープカセット、2‥‥カセット筐体、2A‥‥
上シェル、2B‥‥下シェル、21‥‥開口部、3‥‥
磁気テープ、31‥‥ベースフィルム、32‥‥磁性層
及び保護層、33‥‥バックコーティング層、34‥‥
大粒径カーボン粒子、35‥‥小粒径カーボン粒子、4
A‥‥テークアップ側リール、4B‥‥サプライ側リー
ル、5A,5B‥‥テープガイド、6A,6B‥‥リー
ル押えばね、7‥‥蓋体、101‥‥湾曲測定用の支持
台、102‥‥多孔質セラミックプレート、103‥‥
セラミック保持台、104‥‥エアーコンプレッサー、
105‥‥駆動装置、106‥‥検出機、107‥‥移
動する被測定物、108‥‥固定して設置される被測定
物、109‥‥重り、110‥‥増幅アンプ、111‥
‥記録装置、112‥‥スプリングばね
上シェル、2B‥‥下シェル、21‥‥開口部、3‥‥
磁気テープ、31‥‥ベースフィルム、32‥‥磁性層
及び保護層、33‥‥バックコーティング層、34‥‥
大粒径カーボン粒子、35‥‥小粒径カーボン粒子、4
A‥‥テークアップ側リール、4B‥‥サプライ側リー
ル、5A,5B‥‥テープガイド、6A,6B‥‥リー
ル押えばね、7‥‥蓋体、101‥‥湾曲測定用の支持
台、102‥‥多孔質セラミックプレート、103‥‥
セラミック保持台、104‥‥エアーコンプレッサー、
105‥‥駆動装置、106‥‥検出機、107‥‥移
動する被測定物、108‥‥固定して設置される被測定
物、109‥‥重り、110‥‥増幅アンプ、111‥
‥記録装置、112‥‥スプリングばね
Claims (5)
- 【請求項1】 テープ厚みの上限が8μmであり、記録
トラック幅が5μm超17μm以下のデジタルフォーマ
ットで使用する磁気テープをリールに巻装して内蔵して
成るテープカセットであって、高温多湿環境におけるカ
セット筺体内のテープガイドと上記磁気テープとの間の
最大静止摩擦係数が0.45以下であることを特徴とす
るテープカセット。 - 【請求項2】 上記テープ厚みは上限が7.3μmであ
り、上記デジタルフォーマットの記録トラック幅は上限
が15μmであり、上記静止摩擦係数は最大値が0.4
5以下であることを特徴とする請求項1に記載のテープ
カセット。 - 【請求項3】 上記テープ厚みの上限が7.3μmであ
り、上記デジタルフォーマットの記録トラック幅は上限
が10μmであり、上記静止摩擦係数は最大値が0.4
2以下であることを特徴とする請求項1に記載のテープ
カセット。 - 【請求項4】 上記テープ厚みの上限が7.3μmであ
り、上記デジタルフォーマットの記録トラック幅は上限
が6.67μmであり、上記静止摩擦係数は最大値が
0.41以下であることを特徴とする請求項1に記載の
テープカセット。 - 【請求項5】 上記高温多湿環境は温度45℃、湿度8
0%環境であることを特徴とする請求項1に記載のテー
プカセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12604997A JPH10320957A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | テープカセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12604997A JPH10320957A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | テープカセット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10320957A true JPH10320957A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=14925392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12604997A Withdrawn JPH10320957A (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | テープカセット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10320957A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023100876A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
WO2023100877A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
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1997
- 1997-05-15 JP JP12604997A patent/JPH10320957A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023100876A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
WO2023100877A1 (ja) * | 2021-12-02 | 2023-06-08 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置 |
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