JPH10319772A - 画像定着装置 - Google Patents

画像定着装置

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JPH10319772A
JPH10319772A JP9133893A JP13389397A JPH10319772A JP H10319772 A JPH10319772 A JP H10319772A JP 9133893 A JP9133893 A JP 9133893A JP 13389397 A JP13389397 A JP 13389397A JP H10319772 A JPH10319772 A JP H10319772A
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fixing belt
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱ロール1とこれに圧接する無端状の定着ベ
ルト2との間に記録シート6を挿通させてトナー像5の
定着を行うと共に、所謂セルフストリッピング作用によ
って定着後の記録シート6が自ずと加熱ロール1から剥
離するように構成した画像定着装置において、表面に塗
工層を有する所謂コート紙を記録シート6として用いた
場合であっても、画像ずれのない高品位な定着画像を得
ることが可能とする。 【解決手段】上記定着ベルト2を介して加圧ロール3及
び補助加圧パッド4を加熱ロール1に圧接させると共
に、上記加熱ロール1と定着ベルト2との間に挟み込ま
れた記録シート6の搬送速度が、上記加圧ロール3と補
助加圧パッド4との間における加熱ロール1の表面速度
と略同一の速度となるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録シート上に転
写された未定着トナー像を加熱及び加圧し、かかるトナ
ー像を記録シートに定着させる画像定着装置に係り、詳
細には、発熱手段が内蔵された加熱ロールとこれに圧接
する無端状の定着ベルトとの間に記録シートを挿通させ
て定着を行う画像定着装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の画像定着装置としては、
特開平5−150679号公報に開示されたものが知ら
れている。かかる装置は、図3に示すように、ヒータと
してのハロゲンランプ100が内蔵された加熱ロール1
01と、複数のロールによって張架されると共に上記加
熱ロール101の周面の一部に対して巻き付くように配
設された無端状の定着ベルト102とを備えており、未
定着トナー像103を担持した記録シート104をこれ
ら加熱ロール101と定着ベルト102との間に挿通さ
せることによって、上記加熱ロール101の表面温度に
よって軟化したトナーが記録シート104の繊維間に浸
透し、かかる未定着トナー像103が記録シート104
に対して強固に定着されるようになっている。
【0003】特に、この画像定着装置では加熱ロール1
01の周面の一部に対して定着ベルト102を巻き付
け、記録シート104がこれら加熱ロール101と定着
ベルト102との間に挟み込まれている領域(以下、か
かる領域を「ニップ領域」と記す)を比較的長く形成し
ていることから、記録シート104に対して熱と圧力を
長時間作用させることが可能であり、カラー画像の如く
未定着トナーの量が多い場合や、定着装置を通過する記
録シート104の搬送速度が速い場合であっても、かか
る未定着トナー像103を記録シート104に対して良
好に定着することができた。
【0004】また、この画像定着装置では、かかるニッ
プ領域を通過した記録シート104が溶融トナーの粘着
力によって加熱ロール101に貼り付いてしまうのを防
止するため、上記加熱ロール101の周面を所定厚さ以
上の弾性体105で被覆すると共に、上記定着ベルト1
02を介して加熱ロール101に圧接する加圧ロール1
06を上記ニップ領域の終端部に設け、加熱ロール10
1を被覆する弾性体層105に歪みを生じさせることに
よって、何らの剥離装置を用いずとも、記録シート10
4自らが加熱ロール101から剥離する作用を促進して
いる。
【0005】すなわち、上記弾性体層105に歪みを生
じさせると、加熱ロール101は一定の角速度で回転し
ていることから、図4に示すように、かかる歪みを生じ
た部分のニップ領域における加熱ロール101の表面ス
ピードV1 は局所的に大きくなるが、記録シート104
は加圧ロール106が圧接した領域以外のニップ領域に
おける加熱ロール101の表面周速V0 (以下、この速
度を「加熱ロールの基準周速」という)よりもやや大き
い程度の速度VP で搬送されているので、上記加圧ロー
ル106の圧接領域においてはトナーが定着された記録
シート104の表面と加熱ロール101の表面との間に
微小なスリップが発生する。その結果、この画像定着装
置では溶融したトナーが加熱ロール101に付着する現
象を防止することができ、例えばカラー画像の如く多量
のトナーが記録シート104に定着される場合や、薄紙
の如く腰の弱い記録シート104に対して画像定着を行
う場合であっても、ニップ領域を通過した記録シート1
04を加熱ロール101から自ずと剥離させることがで
きた(以下、このような記録シートの剥離作用を「セル
フストリッピング作用」という)。
【0006】一方、このセルフストリッピング作用を確
実に発揮させるためには、加熱ロール101を被覆する
弾性体層105に対してある程度の大きさの歪みを発生
させなければならず、そのためには加圧ロール106を
より大きな力で加熱ロール101に圧接させる必要があ
る。しかし、このことは記録シート104と加熱ロール
101との間に作用する摩擦力を増大させる結果となる
ので、余りに圧接力を大きく設定すると、図5に示すよ
うに、ニップ領域における記録シート104の搬送速度
P が加圧ロール106の圧接領域における加熱ロール
101の表面速度V1 と略同一になってしまい、今度は
加圧ロール106が当接していないニップ領域の始端部
近傍において、記録シート104の搬送速度VP と加熱
ロール101の基準周速V0 との間に差が生じてしま
う。
【0007】ニップ領域の始端部近傍ではトナー103
が未だ十分には記録シート104の繊維間に浸透してい
ないことから、このように記録シート104の搬送速度
と加熱ロール101の基準周速との間に大きなずれが生
じると、トナー像が記録シート104上で擦られてしま
うので、前述したセルフストリッピング作用を効果的に
発揮させようとして加圧ロール16の圧接力を大きめに
設定するした場合、定着された記録画像が記録シート1
04の搬送方向に沿って画像ずれを生じてしまうといっ
た問題点もあった。
【0008】このため、かかる特開平5−150697
号公報に開示される画像定着装置では、図6に示すよう
に、定着ベルト102を介して加熱ロール101に圧接
する補助加圧ロール107を上記加圧ロール106より
もニップ領域の始端部側に配設し、かかる配設位置にお
いて記録シート104と加熱ロール101との間に大き
な摩擦力を発生させることで、ニップ領域における記録
シート104の搬送速度VP を加熱ロール101の基準
周速V0 に近づけ、前述した画像ずれの発生を防止して
いる。
【0009】また、特開平6−250560号公報に開
示される画像定着装置では、定着ベルトの回転に対して
所定の負荷トルクを与えて記録シートの搬送速度VP
意図的に抑え、かかる搬送速度VP を加熱ロールの基準
周速V0 に近づけることで前述した画像ずれの発生を防
止している。
【0010】一方、この種の画像定着装置では、未定着
トナー103の付着した記録シート104を加熱ロール
101と定着ベルト102との間に挿通して加熱する
と、かかる記録シート104に含まれていた水分が蒸発
して水蒸気が発生し、あるいは記録シート104の繊維
間やトナー粒子間に存在していた空気が熱膨張すること
から、加熱ロール101に対する定着ベルト102の圧
接力が弱い場合には両者の間に数十μm程度の間隙が発
生してしまい、定着したトナー像に滲み、ずれ等の画像
不良が発生するといった現象も確認されている。
【0011】そこで、特開平9−34291号公報に開
示される画像定着装置では、上記加熱ロール101に対
する定着ベルト102の圧接力の向上を図るべく、図7
に示すように、かかる定着ベルト102の裏面側に摺接
する押圧面を備えた補助加圧パッド108を前述のニッ
プ領域内に設け、この補助加圧パッド108を付勢する
ことによって定着ベルト102を加熱ロール101に対
して強固に圧接させている。
【0012】図8はこのときの加熱ロール101の表面
速度の分布を示すものであり、補助加圧パッド108が
加熱ロール101に圧接すると該加熱ロール101に歪
みが生じることから、かかる圧接領域における加熱ロー
ル101の表面速度は基準周速V0 よりも速いV2 とな
り、記録シート104の搬送速度VP はこのV2 に略等
しくなっている。このように補助加圧パッド108を圧
接させた場合には記録シート104の搬送速度VP が加
熱ロール101の基準周速V0 と合致しないが、定着画
像には何ら画像ずれが発生しなかった。これは、トナー
像の記録シート104に対する浸透が補助加圧パッド1
08の圧接領域内において殆ど完了しているためと考え
られる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる補助加
圧パッド108を用いた場合、記録シート104として
普通紙を用いた際には何ら問題のない高品位な定着画像
を得ることができるのであるが、記録シート104とし
て表面に塗工層を有する所謂コート紙を用いた際には、
何らかの原因により、定着画像が本来の定着位置よりも
僅かに記録シートの搬送方向へずれてしまい、高品位な
定着画像を得ることができないといった新たな問題点が
発生した。
【0014】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、表面に塗工層を
有する所謂コート紙を記録シートとして用いた場合であ
っても、画像ずれのない高品位な定着画像を得ることが
可能な画像定着装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下に示す二つの技術的手段を提供する
ものである。
【0016】すなわち、第1の技術的手段は、弾性体層
を有すると共に発熱手段を有し、所定の角速度で回転駆
動される加熱ロールと、複数のロールによって張架され
ると共に上記加熱ロールの周面の一部に対して巻き付く
ように配設され、搬送されてきた記録シートを上記加熱
ロールと相俟って挟み込むためのニップ領域を形成する
無端状の定着ベルトと、かかるニップ領域の終端部で上
記定着ベルトを介して加熱ロールに圧接し、該加熱ロー
ルの弾性体層を変形させる加圧部材と、この加圧部材よ
りも上記ニップ領域の始端部側で定着ベルトを介して加
熱ロールに圧接する補助加圧部材とから構成され、上記
加熱ロールと定着ベルトとの間に挟み込まれた記録シー
トの搬送速度が、上記加圧部材と補助加圧部材との間に
おける加熱ロールの表面速度と略同一の速度であること
を特徴とするものである。
【0017】かかる技術的手段はコート紙を用いた場合
に画像ずれが発生する原因を以下の如く解明した結果と
して導き出されたものである。
【0018】先ず、未定着トナーが付着したコート紙表
面の塗工層は普通紙に比べて通気性が悪いため、前述の
如く記録シートを加熱した結果として生じる水蒸気や加
熱空気は、コート紙を用いた場合の方が普通紙を用いた
場合よりも記録シートの表面とトナーとの間に溜まり易
い。従って、コート紙にトナー像を定着する場合にはト
ナーの記録シートに対する付着力が大きく低下し、前述
の補助加圧パッドを加熱ロールに圧接させた領域におい
て、トナーはコート紙の表面よりも加熱ロールの表面に
強く付着している。
【0019】一方、加熱ロールの周面の形状を細かく観
察した場合、前述の加圧ロールや補助加圧パッドの圧接
位置において加熱ロールの周面は内径へ向けて変形して
いるが、これら加圧ロールと補助加圧パッドとの間の位
置においては、加圧ロール等の圧接の影響から、加熱ロ
ールの周面は外径に向けて僅かに突出している。従っ
て、図9に示すように、加圧ロールの圧接位置と補助加
圧パッドの圧接位置との間の領域(以下、この領域を
「低圧接領域」という)における加熱ロールの表面スピ
ードは基準周速V0 よりも遅いV3 となっている。
【0020】そして、これら事実からすれば、記録シー
トの搬送速度VP と低圧接領域における加熱ロールの表
面速度V3 との間に速度差が存在すると、補助加圧パッ
ドの圧接領域において加熱ロール側に強く付着したトナ
ーは上記低圧接領域において本来定着されるべき記録シ
ート上の位置から移動してしまい、この後に加圧ロール
の圧接力によって加熱ロールの表面から記録シート側へ
押し付けられて該記録シートの上に定着される。
【0021】すなわち、コート紙を用いた場合に発生す
るトナー像の画像ずれは、上記低圧接領域においてトナ
ー像が記録シート上を移動するために生じており、かか
る画像ずれの発生を防止するためには、図2に示すよう
に、記録シートの搬送速度V P を上記低圧接領域におけ
る加熱ロールの表面速度V3 と略等しくすれば良いもの
と結論することができる。
【0022】ここで、記録シートの搬送速度VP と低圧
接領域における加熱ロールの表面速度V3 とが略同一と
は、これら速度が完全に同一であることを意味するもの
ではない。補助加圧部材の圧接領域において溶融したト
ナーは加熱ロール及び記録シートの双方に付着している
ことから、記録シートの搬送速度VP と加熱ロールの表
面速度V3 との間に一定以上の速度差が存在しない限
り、トナーが記録シートとの付着力に打ち勝って該記録
シート上を移動してしまうことはなく、これら速度の間
に一定以上の速度差が存在する場合にのみ問題としてい
るコート紙上の画像ずれが発生する。従って、記録シー
トの搬送速度VP と加熱ロールの表面速度V3 との間に
速度差が存在したとしても、記録シートに一旦付着した
トナーが該記録シートから剥離してしまわないような速
度差は本発明にいう「略同一」の範囲に含まれる。
【0023】一方、上記目的を達成する第2の技術的手
段は、弾性体層を有すると共に発熱手段を有し、所定の
角速度で回転駆動される加熱ロールと、複数のロールに
よって張架されると共に上記加熱ロールの周面の一部に
対して巻き付くように配設され、搬送されてきた記録シ
ートを上記加熱ロールと相俟って挟み込むためのニップ
領域を形成する無端状の定着ベルトと、かかるニップ領
域の終端部で上記定着ベルトを介して加熱ロールに圧接
し、該加熱ロールの弾性体層を変形させる加圧部材と、
この加圧部材よりも上記ニップ領域の始端部側で定着ベ
ルトを介して加熱ロールに圧接する補助加圧部材とから
構成され、上記加熱ロールと定着ベルトとの間に挟み込
まれた記録シートの搬送速度をVP 、上記角速度によっ
て決定される加熱ロールの基準周速をV0 としたとき、
これらの速度比a=VP /V0 が0.990≦a≦1.
000の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0024】本願発明者らが実際に加熱ロールの基準周
速V0 に対して記録シートの搬送速度VP を種々変化さ
せて画像ずれの発生状況を確認する実験を実施したとこ
ろ、これらの速度比aが上記範囲内にあるときに画像ず
れのない良好な定着画像を得ることができた。かかる実
験の結果については後述する。
【0025】また、これら第1及び第2の技術的手段に
おいて、上記補助加圧手段としては弾性体を周面に有す
るロール、すなわち特開平5−150697号公報に開
示される補助加圧ロールを用いることができるが、定着
ベルトの回転に対してより効果的に負荷トルクを与え
て、かかる定着ベルトの回転速度の制御を容易にすると
いった観点からすれば、上記補助加圧手段は加熱ロール
の周面に沿った押圧面を備えて上記定着ベルトに摺接す
る補助加圧パッドであることが好ましい。
【0026】更に、これら第1及び第2の技術的手段を
具体的に実施するに当たっては記録シートの搬送速度V
P を任意の速度に制御することが必要であるが、かかる
制御は定着ベルトの回転速度を制御することにより実現
することができ、より具体的には定着ベルトと補助加圧
部材との摺接抵抗を増減させ、あるいは定着ベルトを架
け回しているロールの回転に対して任意の負荷トルクを
与えることにより実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の画像定着装置を詳細に説明する。図1は本発明を適用
可能な画像定着装置の実施例を示すものである。同図に
示されるように、この画像定着装置は、ヒータとしての
ハロゲンランプ11を内蔵した加熱ロール1と、この加
熱ロール1の周面の一部に巻き付くようにして圧接さ
れ、かかる加熱ロール1と相俟って記録シート6のニッ
プ領域を形成する無端状の定着ベルトと、かかるニップ
領域の終端部において上記定着ベルトの内側から加熱ロ
ール1に圧接する加圧ロール3と、やはり上記ニップ領
域内において加熱ロール1に圧接し、未定着トナー像5
の記録シート6に対する定着を促進する補助加圧パッド
とから構成され、未定着トナー像5を担持した記録シー
ト6が上記加熱ロール1と定着ベルト2の間に挿通され
るようになっている。
【0028】先ず、上記加熱ロール1は金属製コア12
の周囲を弾性体層13で被覆すると共に、かかるコア1
2の内部に出力850Wのハロゲンランプ11を収容し
たものであり、上記コア12としては外径47mm、内
径42mmのアルミニウム製円筒体が用いられている。
上記弾性体層13は耐熱性を備えた下地層13aと溶融
したトナーの付着を防止するためのトップコート層13
bとからなり、下地層13aには厚さ1.5mm、ゴム
硬度55°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムが、
トップコート層13bには厚さ50μmのRTVリコー
ンゴムが夫々用いられ、下地層13aに対してトップコ
ート層13bをディップコートすることで加熱ロール1
の周面を鏡面に近い表面状態に保たれている。また、こ
の加熱ロールには図示外の駆動モータが接続されてお
り、所定の角速度で回転駆動されるようになっている。
【0029】この加熱ロール1の表面温度は常に温度セ
ンサ7によって検出されており、かかる検出温度に基づ
いて上記ハロゲンランプ11の点灯を制御することで、
加熱ロール1の表面温度を常に約150℃に維持し得る
ようになっている。また、加熱ロール1の周面にはオイ
ル供給装置8によって粘度300cstのジメチルシリ
コンオイル9が均一に塗布されるようになっており、上
記ニップ領域において加熱され溶融したトナー5の加熱
ロール1への付着を可及的に防止し得るようになってい
る。
【0030】一方、上記定着ベルト2は厚さ75μm、
幅300mm、周長188mmのポリイミドフィルムで
あり、上記加圧ロール3を含む3本のアルミニウム製ロ
ール3,21,22に対して40Nの張力で架け回され
ると共に、加熱ロール1の回動に連れ回されて自在に回
転するように構成されている。各ロールは中央部の外径
が両端部の外径よりも僅かに大きな樽型に形成されてお
り、加圧ロール3の最大外径は23mm、その他のロー
ル21,22の最大外径は夫々18mmである。このよ
うに各ロール3,21,22を樽型に形成すると、定着
ベルト2の張力によって各ロールに撓みが生じても、か
かる定着ベルト2の周面は波打つことなく平坦となり、
該定着ベルト2を円滑に走行させることが可能となる。
【0031】この定着ベルト2は加熱ロール1の中心角
度45°に相当する長さだけ該加熱ロール1に対して巻
き付いており、このときの記録シート6の搬送方向に沿
ったニップ領域の長さを実測したところ約20mmであ
った。
【0032】また、上記ニップ領域を通過した記録シー
ト6が加熱ロール1から自ずと剥離するセルフストリッ
ピング作用を発揮させるため、上記定着ベルトが架け回
された加圧ロール3はコイルスプリング31によって加
熱ロール1の中心へ向け付勢されている。上記コイルス
プリング31の付勢力は約360Nに設定されており、
これによって加圧ロールが当接した加熱ロールの弾性体
層にはその内径に向かう歪みが生じている。
【0033】一方、上記補助加圧パッド4は加圧ロール
3よりもニップ領域の始端部側に隣接配設され、定着ベ
ルト2の加熱ロール1に対する圧接力を向上させるべ
く、かかる定着ベルト2の裏面側から加熱ロール1に圧
接している。この補助加圧パッド4はステンレス製の基
材41の上に厚さ3mm、ゴム硬度20°(JIS−
A)のシリコンゴムからなる弾性層42を設けたもので
あり、やはりコイルスプリング43によって加熱ロール
1の中心に向け約400Nの力で付勢されている。ま
た、補助加圧パッド4の弾性層42が定着ベルト2との
摺接によって摩耗するのを防止するため、かかる補助加
圧パッドの摺接面はテフロンシート等、摩擦係数の低い
樹脂シート44によって被覆されている。
【0034】また、この補助加圧パッド4はその側面が
隣接する加圧ロール3に対して摺接するように配置され
ており、加圧ロール3の回転に対して所定の負荷トルク
を与えることで、加熱ロール1に連れ回されて回転する
定着ベルト2の回転速度、ひいてはこの定着ベルト2と
加熱ロール1との間に挿通される記録シート6の搬送速
度を制御し得るようになっている。尚、加圧ロール3と
摺接する補助加圧パッド4の側面も摩擦係数の低い樹脂
シート44によって被覆されている。
【0035】そして、以上のように構成された本実施例
の画像定着装置においては、上記加熱ロール1と定着ベ
ルト2との圧接によって形成されたニップ領域に対して
記録シート6を挿通させると、かかる記録シート6に担
持されていた未定着トナー像5が加熱・加圧されて記録
シート6に定着され、更にかかるニップ領域の終端部で
上記加圧ロール3を加熱ロール1に圧接させたことによ
るセルフストリッピング作用の発揮により、剥離爪等の
強制的な剥離手段を用いることなく、ニップ領域を通過
した記録シート6を加熱ロール1から自然と剥離させる
ことができるものである。
【0036】本願発明者らはこの画像定着装置を用いて
実際にトナー像5を記録シート6に対して定着させ、か
かる記録シート6として普通紙及びコート紙の夫々を用
いた場合に、記録シート6の搬送速度VP が定着画像の
画質に及ぼす影響について調査した。また、補助加圧パ
ッド4の有無が定着画像に及ぼす影響についても確認す
るため、補助加圧パッド4を省略した場合と、配設した
場合の双方について定着画像の画質を調べた。
【0037】以下の表1はその調査結果を示すものであ
り、表中の数値aは記録シート6の搬送速度VP と加熱
ロール1の基準周速V0 との比(VP /V0 )を表して
おり、a=1.000は記録シート6が加熱ロール1の
基準周速V0 と等速で搬送された場合を示している。こ
こで、加熱ロール1の基準周速は260mm/secに
設定し、記録シートの搬送速度VP は加圧ロール3に対
して与える負荷トルクを変更することにより調整した。
また、普通紙としては富士ゼロックス社製のJ紙を用
い、コート紙としては日本加工製紙株式会社製のNKハ
イコート紙(坪量127.9gsm)を使用した。
【0038】尚、記録シート6の搬送速度VP は加熱ロ
ール1の1回転に伴う記録シート6の搬送距離DP を測
定することにより行った。具体的には、水性インクや鉛
筆等で任意の測定マークを付した記録シート6を定着装
置に挿通させ、加熱ロール1の1回転によって記録シー
ト6にオフセット転写された測定マークと元の測定マー
クとの距離から記録シート6の搬送距離DP を測定した
後、加熱ロール1の基準周速V0 とその周長πD0
り、VP =V0 ×DP /(πD0 )の式を用いて計算し
た。加熱ロール1の基準周速V0 は加熱ロール1を定着
温度である約150℃に加熱した際の外径D0 と回転数
から算出した。
【0039】
【表1】
【0040】この表1から明らかなように、補助加圧パ
ッド4を加熱ロール1に圧接させ、且つ、記録シートの
搬送速度VP と加熱ロール1の基準周速V0 との比aが
0.990≦a≦1.000の範囲内にあれば、普通紙
のみならずコート紙を用いた場合であっても、画像ずれ
のない良好な定着画像を得ることができた。すなわち、
本実施例の画像定着装置では記録シート6の搬送速度V
P が加熱ロール1の基準周速以下であれば、画像ずれの
ない高品位な定着画像を得られることとなる。
【0041】図2を用いて説明したように、加圧ロール
3と補助加圧パッド4との間における低圧接領域では、
加熱ロール1の表面速度V3 は基準周速V0 よりも遅く
なっており、表1に示す実験結果からすれば、記録シー
ト6の搬送速度VP が低圧接領域における加熱ロールの
表面速度V3 と同様、加熱ロール1の基準周速V0 より
も低速となった際に良好な定着画像が得られたことにな
る。
【0042】尚、この実施例では記録シート6の搬送速
度を制御するに当たり、補助加圧パッド4を加圧ロール
3に摺接させ、かかる加圧ロール3の回転に対して任意
の負荷トルクを与えたが、定着ベルトを架け回している
ローラ3,21,22のいずれか一つにトルクリミッタ
を接続し、かかるローラの回転に対して負荷トルクを与
えることで定着ベルト2の回転速度、ひいては記録シー
ト6の搬送速度を制御することも可能である。この場
合、加圧ロール3は定着ベルト2の裏面側に圧接してお
り、かかる加圧ロール3が定着ベルト2に対しスリップ
を生じる懸念は極めて少ないことから、上記トルクリミ
ッタを連結するロールは加圧ロール3とするのが好まし
い。
【0043】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の画像
定着装置によれば、加熱ロールと定着ベルトとの間に挟
み込まれた記録シートの搬送速度を加圧部材と補助加圧
部材との間における加熱ロールの表面速度と略同一の速
度に設定したことにより、記録シートとして普通紙を使
用した場合は勿論のこと、表面に塗工層を有するコート
紙を使用した場合であっても、画像ずれ等の画質欠陥の
ない高品位な定着画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した画像定着装置の実施例を示
す概略図である。
【図2】 本発明の画像定着装置における加熱ロールの
表面速度の分布と記録シートの搬送速度との関係を示す
図である。
【図3】 特開平5−150679号公報に開示される
従来の画像定着装置の一例を示す概略図である。
【図4】 図3に示した従来の画像定着装置における加
熱ロールの表面速度の分布と記録シートの搬送速度との
関係を示す図である。
【図5】 図3に示した従来の画像定着装置において画
像ずれが発生する場合の加熱ロールの表面速度の分布と
記録シートの搬送速度との関係を示す図である。
【図6】 特開平5−150679号公報に開示される
従来の画像定着装置の他の例を示す概略図である。
【図7】 特開平9−34291号公報に開示される従
来の画像定着装置を示す概略図である。
【図8】 図7に示した従来の画像定着装置における加
熱ロールの表面速度の分布と記録シートの搬送速度との
関係を示す図である。
【図9】 本願発明者らの推測に基づく加熱ロールの表
面速度の分布と記録シートの搬送速度との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1…加熱ロール、2…定着ベルト、3…加圧ロール、4
…補助加圧パッド(補助加圧部材)、5…トナー像、6
…記録シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体層を有すると共に発熱手段を有
    し、所定の角速度で回転駆動される加熱ロールと、複数
    のロールによって張架されると共に上記加熱ロールの周
    面の一部に対して巻き付くように配設され、搬送されて
    きた記録シートを上記加熱ロールと相俟って挟み込むた
    めのニップ領域を形成する無端状の定着ベルトと、かか
    るニップ領域の終端部で上記定着ベルトを介して加熱ロ
    ールに圧接し、該加熱ロールの弾性体層を変形させる加
    圧部材と、この加圧部材よりも上記ニップ領域の始端部
    側で定着ベルトを介して加熱ロールに圧接する補助加圧
    部材とから構成され、 上記加熱ロールと定着ベルトとの間に挟み込まれた記録
    シートの搬送速度が、上記加圧部材と補助加圧部材との
    間における加熱ロールの表面速度と略同一の速度である
    ことを特徴とする画像定着装置。
  2. 【請求項2】 弾性体層を有すると共に発熱手段を有
    し、所定の角速度で回転駆動される加熱ロールと、複数
    のロールによって張架されると共に上記加熱ロールの周
    面の一部に対して巻き付くように配設され、搬送されて
    きた記録シートを上記加熱ロールと相俟って挟み込むた
    めのニップ領域を形成する無端状の定着ベルトと、かか
    るニップ領域の終端部で上記定着ベルトを介して加熱ロ
    ールに圧接し、該加熱ロールの弾性体層を変形させる加
    圧部材と、この加圧部材よりも上記ニップ領域の始端部
    側で定着ベルトを介して加熱ロールに圧接する補助加圧
    部材とから構成され、 上記加熱ロールと定着ベルトとの間に挟み込まれた記録
    シートの搬送速度をV P 、上記角速度によって決定され
    る加熱ロールの基準周速をV0 としたとき、これらの速
    度比a=VP /V0 が0.990≦a≦1.000の範
    囲内にあることを特徴とする画像定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の画像定着装置にお
    いて、上記加圧部材は定着ベルトに連れ回されて回転す
    る加圧ロールであり、この加圧ロールの回転に対して所
    定の負荷トルクを与えることによって上記記録シートの
    搬送速度を制御することを特徴とする画像定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の画像定着装置にお
    いて、上記補助加圧部材は加熱ロールの周面に沿った押
    圧面を備えると共に、上記定着ベルトに摺接する補助加
    圧パッドであることを特徴とする画像定着装置。
  5. 【請求項5】 請求項3及び4の構成を備えた画像定着
    装置であって、上記補助加圧パッドを加圧ロールに摺接
    させることによって、かかる加圧ロールの回転に対して
    所定の負荷トルクを与えていることを特徴とする画像定
    着装置。
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