JPH10318273A - 弾性軸継手 - Google Patents

弾性軸継手

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JPH10318273A
JPH10318273A JP9129785A JP12978597A JPH10318273A JP H10318273 A JPH10318273 A JP H10318273A JP 9129785 A JP9129785 A JP 9129785A JP 12978597 A JP12978597 A JP 12978597A JP H10318273 A JPH10318273 A JP H10318273A
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JP
Japan
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peripheral surface
shaft
inner peripheral
sliding
engaging
Prior art date
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Pending
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JP9129785A
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English (en)
Inventor
Shoji Oka
昭次 岡
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転方向だけでなく、軸方向に亙る大きな変
位をも吸収でき、しかもがたつきのない実用的な構造を
提供する。 【解決手段】 第一ヨーク4aの円筒部14aに外側ス
リーブ13aを内嵌固定し、この外側スリーブ13aの
内周面に弾性部材11aを保持固定する。この弾性部材
11aの内周面には、それぞれの内周面に複数の係合突
条27、27を形成した1対の摺動スリーブ24、24
を、円周方向に亙る配置の位相を互いに異ならせた状態
で保持固定する。一方、シャフト2aの端部には、外周
面に複数の係合溝21、21を形成した摺動部22を設
ける。そして、各摺動スリーブ24、24の円周方向に
亙る配置の位相を、弾性部材11aの弾力に抗して一致
させた状態で、上記各摺動スリーブ24、24に上記摺
動部22を挿通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る弾性軸継手
は、例えば自動車用操舵装置を構成する自在継手に組み
込み、ステアリングホイールの動きをステアリングギヤ
に伝達自在にすると共に、ステアリングギヤ側の振動が
ステアリングホイールに伝わるのを防止する。
【0002】
【従来の技術】自動車用操舵装置は、ステアリングホイ
ールにより回転駆動されるステアリングシャフトの動き
をステアリングギヤに伝達し、前輪に舵角を付与する様
に構成している。上記ステアリングシャフトとステアリ
ングギヤの入力軸とは、同一直線上に配置できないのが
普通である。この為、これらステアリングシャフトと入
力軸との間に自在継手を設けて、上記ステアリングホイ
ールの動きを上記ステアリングギヤに伝達自在としてい
る。又、自動車の走行時に車輪からステアリングギヤに
伝わった振動が、更にステアリングホイールに伝わって
運転者に不快感を与える事を防止する為、上記自在継手
に振動吸収能力を持たせる事も、従来から行なわれてい
る。この様に自在継手に振動吸収能力を持たせる為、こ
の自在継手にゴム等の弾性部材を組み込み、この弾性部
材により振動の伝達を防止する事が、一般的に行なわれ
ている。
【0003】この様な弾性軸継手、或は弾性軸継手を組
み込んだ自在継手として従来から、特開昭56−393
25号公報(=フランス特許公開2464404)、同
60−184716〜8号公報、同60−215122
〜3号公報、同61−201924号公報、実開昭54
−82257号公報、実開平5−83462号公報、同
5−89964号公報、フランス特許公開261498
5等に記載されたものが知られている。図7〜9は、こ
のうちの実開平5−89964号公報に記載された構造
を示している。
【0004】この弾性軸継手を組み込んだ自在継手1
は、図7に示す様に、シャフト2と、このシャフト2の
先端部(図7〜8の左端部)に緩衝筒3を介して外嵌固
定した第一ヨーク4と、第二ヨーク5と、この第二ヨー
ク5と上記第一ヨーク4とを連結する十字軸6とを備え
る。上記シャフト2の先端で上記緩衝筒3の一端縁(図
8の左端縁)から突出した部分には、図8〜9に示す様
に、セレーション軸部7を形成している。そして、この
セレーション軸部7に伝達駒8の中心孔9を、セレーシ
ョン係合させている。従ってこの伝達駒8は、上記シャ
フト2の先端部に固設されて、このシャフト2と共に回
転する。又、この伝達駒8の外周縁で直径方向反対側の
2個所位置には、上記緩衝筒3の外周面よりも直径方向
外方に突出する突片10、10を一体形成している。
【0005】上記弾性軸継手1の構成各部材のうち、上
記緩衝筒3は、ゴム、エラストマー等の弾性部材11を
含んで円筒状に形成している。即ち、この緩衝筒3は、
それぞれが金属製で円筒状に造られた内側スリーブ12
と外側スリーブ13とを、互いに同心に配置している。
そして、上記内側スリーブ12の外周面と上記弾性部材
11の内周面とを焼き付け若しくは接着により結合し、
上記外側スリーブ13の内周面と上記弾性部材11の外
周面とを同様に結合している。そして、上記内側スリー
ブ12を上記シャフト2の先端部に外嵌固定し、上記外
側スリーブ13を上記第一ヨーク4に設けた、次述する
円筒部14に内嵌固定している。
【0006】上記第一ヨーク4は、円筒部14と、この
円筒部14の軸方向(図7〜8の左右方向)一端縁(同
図の左端縁)の直径方向反対位置から軸方向に延びる1
対の第一アーム15、15とを有する。そして、これら
各第一アーム15、15の先端部(図7〜8の左端部)
に、それぞれ第一円孔16、16を、互いに同心に形成
している。又、上記円筒部14の軸方向一端縁の直径方
向反対位置で、上記1対の第一アーム15、15から外
れた部分には、それぞれ切り欠き17、17を形成して
いる。これら各切り欠き17、17の幅寸法Wは、前記
伝達駒8の突片10、10の幅寸法wよりも大きい(W
>w)。そして、上記第一ヨーク4の内側にシャフト2
を組み付けた状態で、上記各突片10、10は、上記各
切り欠き17、17の内側に、隙間をあけて緩く係合す
る。
【0007】又、前記第二ヨーク5は、互いに離隔して
設けられた1対の第二アーム18を有し、別のシャフト
19の端部に結合固定している。上記各第二アーム18
の先端部にはそれぞれ第二円孔20を、互いに同心に形
成している。そして、前記十字軸6の4個所の先端部
は、それぞれ1対ずつ設けた第一、第二両円孔16、2
0の内側に、ラジアルニードル軸受等の軸受を介して、
回転自在に支持している。
【0008】上述の様に構成される弾性軸継手1の作用
は、次の通りである。自動車が直進状態にある場合、或
は、ステアリングホイールからシャフト2に加えられる
回転トルクが小さい場合には、シャフト2の先端部に固
定された伝達駒8の突片10、10が、第一ヨーク4の
円筒部14に形成した切り欠き17、17の内側中立位
置若しくはこの中立位置から少しだけ片寄った位置に存
在する。これら各状態では、上記円筒部14と伝達駒8
とが直接接触する事はない。又、上記小さな回転トルク
は、前記緩衝筒3を介して、上記シャフト2から第一ヨ
ーク4に伝達される。この場合には、車輪からステアリ
ングギヤ、前記別のシャフト19、第二ヨーク5、十字
軸6等を介して第一ヨーク4に伝達された振動が、上記
緩衝筒3を構成する弾性部材11により吸収され、上記
シャフト2までは伝わらない。
【0009】これに対して、前輪に大きな舵角を付与す
る場合等の様に、ステアリングホイールからシャフト2
に加えられる回転トルクが大きい場合には、上記各突片
10、10が上記各切り欠き17、17の内側面と衝合
する。この結果、ステアリングホイールから上記シャフ
ト2に加えられた回転トルクのうちの多くの部分が、上
記伝達駒8を介して上記第一ヨーク4に伝達される。こ
の状態では、上記緩衝筒3を介して伝達される回転トル
クは限られたものとなる。従って、弾性軸継手1を介し
て伝達する回転トルクが大きくなった場合でも、上記緩
衝筒3を構成する弾性部材11には無理な力が作用せ
ず、この弾性部材11が破損する事はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成される従来の弾性軸継手の場合、シャフト2と第一
ヨーク4との間に軸方向に亙る振動が加わった場合に、
この振動を減衰する性能が乏しく、上記軸方向に亙る振
動がステアリングホイールの側に伝わり易い。即ち、上
記第一ヨーク4に軸方向に亙る振動が加わると、緩衝筒
3を構成する内側スリーブ12の外周面と外側スリーブ
13の内周面との間に設けた弾性部材11に、軸方向に
亙る剪断応力が加わり、この弾性部材11が弾性変形す
る。但し、この方向の力に対する上記弾性部材11の剛
性は大きい為、上記振動を吸収する能力は乏しく、上述
の様に上記軸方向に亙る振動が、上記第一のヨーク4か
ら、ステアリングホイールの側であるシャフト2に伝わ
り易い。又、前記各公報に記載された他の構造も、軸方
向に亙る振動を減衰する能力が乏しかったり、或は軸方
向に亙る変位量を大きくしたい場合にもこれに対応する
事ができないものである。
【0011】これに対して、米国特許第4509775
号明細書には、回転方向の振動だけでなく軸方向の振動
も吸収自在な構造が記載されている。但し、この明細書
に記載された構造の場合には、大きなトルクを伝達する
場合には、強度確保の為に金属材同士を摺動させる必要
があり、十分な耐久性を確保する事が難しいと考えられ
る。又、がたつきのない構造を実現する為には、微妙な
隙間管理をする必要があり、部品の寸法精度を要求する
為、コストが嵩むものと考えられる。本発明の弾性軸継
手は、この様な事情に鑑みて発明したもので、比較的安
価に製作できるにも拘らず、十分な耐久性を確保し、し
かも軸方向に亙る大きな変位を吸収できる実用的な構造
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性軸継手は、
ステアリングシャフト等、回転自在なシャフトの端部
と、自在継手を構成するヨークの一部等、このシャフト
の回転に伴って回転する筒状部材とを、軸方向及び回転
方向に亙る若干の変位を吸収自在に連結するものであ
る。この様な本発明の弾性軸継手は、上記シャフトの端
部に設けられた摺動部と、それぞれこの摺動部の外周面
にこの摺動部の軸方向に亙り、円周方向に亙り互いに間
隔をあけて設けられた複数の係合溝若しくは係合突条
と、上記シャフトの端部と上記筒状部材との間に設けら
れ、これらシャフトと筒状部材との軸方向に亙る相対変
位及び円周方向に亙る若干の相対変位を許容する係合部
と、上記摺動部の外周面と上記筒状部材の内周面との間
に設けられた緩衝筒とを備える。又、この緩衝筒は、上
記筒状部材に固定される外側スリーブと、この外側スリ
ーブの内周面に保持固定される弾性部材と、それぞれ上
記弾性部材の内周面に上記外側スリーブと同心に、互い
に軸方向にずらせた状態で保持固定された1対の摺動ス
リーブと、これら各摺動スリーブの内周面にこれら各摺
動スリーブの全長に亙って軸方向に形成され、且つ、円
周方向に亙る位相を上記シャフトの外周面に形成した係
合溝若しくは係合突条と一致させて設けられた複数の係
合突条若しくは係合溝とを備える。そして、上記各摺動
スリーブは、上記シャフトの端部と係合させる以前の状
態では、それぞれの内周面に形成した上記各係合突条若
しくは係合溝の円周方向に亙る位相を互いに少しだけず
らせた状態で上記弾性部材の内周面に保持固定されてお
り、上記シャフトの端部に形成した摺動部は、上記各摺
動スリーブを上記弾性部材の弾力に抗して互いに円周方
向反対側に変位させる事により、それぞれの内周面に形
成した上記各係合突条若しくは係合溝の円周方向に亙る
位相を一致させた状態で、上記摺動部の外周面に形成し
た各係合溝若しくは係合突条と上記各摺動スリーブの内
周面に形成した各係合突条若しくは係合溝とを係合させ
る事により、上記1対の摺動スリーブの内側に軸方向に
亙る摺動自在に挿通されている。
【0013】
【作用】上述の様に構成される本発明の弾性軸継手によ
り、振動の伝達を防止しつつ回転力を伝達する際の作用
は、次の通りである。回転力の伝達を行なう場合でも、
伝達すべき回転力が低トルクの場合には、外側スリーブ
の内周面と1対の摺動スリーブの外周面との間に存在す
る弾性部材に圧縮方向若しくは引っ張り方向の荷重を加
えつつ、この弾性部材を介して回転力の伝達を行なう。
この様に伝達すべき回転力が低トルクの場合、並びに回
転力の伝達が行なわれない場合には、上記弾性部材が、
筒状部材とシャフトとの間での振動伝達を防止する。
又、軸方向の振動及び変位に関しては、上記弾性部材が
軸方向に変位するだけでなく、シャフトの先端部に形成
した摺動部が上記各摺動スリーブの内側で軸方向に摺動
する事により吸収する。この摺動部の外周面と上記各摺
動スリーブの内周面との間の摩擦係数は、上記弾性部材
の存在に関係なく小さくできる。従って、これら摺動部
の外周面と各摺動スリーブの内周面との摺動に基づく、
上記軸方向の振動及び変位の吸収は、効果的に行える。
しかも、上記摺動部の外周面及び各摺動スリーブの内周
面の摩耗を僅少に抑える事ができるので、長期間に亙る
使用によっても、これら両周面の摩耗を少なく抑え、弾
性軸継手の耐久性確保を図れる。
【0014】又、上記伝達すべき回転力のトルクが大き
くなった場合には、シャフトと筒状部材との間に設けた
係合部が係合する。即ち、この状態では、上記シャフト
若しくはこのシャフトに固定した部分と、上記筒状部材
若しくはこの筒状部材に固定した部分とが衝合する事に
より、上記弾性部材により伝達し切れない回転力の伝達
を行なう。従って、上記弾性部材に過大な圧縮応力及び
引っ張り応力が加わる事がなく、この弾性部材の耐久性
を十分に確保できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、ステアリ
ングホイールの操作に基づいて回転するシャフト2aの
端部と、このシャフト2aの回転に伴って回転する筒状
部材である第一ヨーク4aとを、軸方向及び回転方向に
亙る若干の変位を吸収自在に連結する為の構造にある。
その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造と同
様であるから、同等部分に関する図示及び説明は、省略
若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説
明する。ステアリングホイールの操作に基づいて回転す
るシャフト2aの先端寄り(図1〜2の左端寄り)部分
には、摺動部22を設けている。この摺動部22の外周
面には、円周方向に亙り等間隔に、且つ、それぞれこの
摺動部22の全長に亙り形成した複数(図示の例では6
個)の係合溝21、21を設ける事により、この摺動部
22の断面形状を、円周方向に亙って凹凸にしている。
そして、この摺動部22の外周面と上記第一ヨーク4a
を構成する円筒部14aの内周面との間部分に緩衝筒3
aを設ける事により、上記シャフト2aの先端部と上記
第一ヨーク4aとを弾性的に結合している。
【0016】上記緩衝筒3aは、外側スリーブ13a
と、弾性部材11aと、1対の摺動スリーブ24、24
とを備える。このうちの外側スリーブ13aは、鋼板
等、十分な剛性を有する金属板を円筒状に形成したもの
で、円筒部23とこの円筒部23の軸方向両端部を直径
方向内方に折り曲げる事により形成した、内向フランジ
状の鍔部25、25とを有する。このうちの円筒部23
の自由状態での外径は、上記第一ヨーク4aの円筒部1
4aの基端部分の内径よりも少しだけ大きい。この様な
外側スリーブ13aは、一方(図1の左方)の鍔部25
の外面(図1の左面)を上記円筒部14aの中間部内周
面に形成した段部26に突き当て、且つ、この外側スリ
ーブ13aの基端部(図1の右端部)を上記円筒部14
aの基端縁から突出させた状態で、上記円筒部14aの
基半部(図1の右半部)に、締り嵌めにより内嵌固定し
ている。
【0017】又、上記弾性部材11aは、ゴム、エラス
トマー等の弾性材により造られて、上記外側スリーブ1
3aの円筒部23の内周面及び両円輪部25、25の内
面に、焼き付け、接着等により、この外側スリーブ13
aに対する位置関係がずれ動かない様に、保持固定して
いる。そして、この弾性部材11aの内周面に上記1対
の摺動スリーブ24、24を、それぞれ上記外側スリー
ブ13aと同心に保持固定している。これら1対の摺動
スリーブ24、24は、それぞれポリアミド樹脂(ナイ
ロン)、ポリ四弗化エチレン樹脂(PTFE)等の合成
樹脂、或は、含油メタル等の滑り易い材料により円筒状
に構成したもので、上記弾性部材11a軸方向両端部内
周面に、焼き付け、接着等により、この弾性部材11a
に対する位置関係がずれ動かない様に、保持固定してい
る。
【0018】又、上述の様な各摺動スリーブ24、24
は、上記摺動部22の外周面にがたつきなく、若しく
は、ほぼがたつきがなく外嵌自在な内周面を有する。即
ち、上記各摺動スリーブ24、24の内周面には、上記
摺動部22の外周面に形成した係合溝21、21と円周
方向に亙り同位相に、且つ、それぞれ上記各摺動スリー
ブ24、24の全長に亙り形成した複数(図示の例では
6個)の係合突条27、27を、軸方向(図1の左右方
向、図3の表裏方向)に亙って形成している。これら各
摺動スリーブ24、24は、上述の様に弾性部材11a
を介して外側スリーブ13aの内側に支持する際に、そ
れぞれの内周面に形成した各係合突部27、27の円周
方向に亙る配置の位相を、図5に示す様に互いに若干ず
らせた状態で配置している。
【0019】上述の様な構成による緩衝筒3aを介して
上記シャフト2aの先端部と上記第一ヨーク4aとを結
合すべく、上記緩衝筒3aを構成する各摺動スリーブ2
4、24の内側に上記シャフト2aの先端部に形成した
摺動部22を挿通する作業は以下の様にして行なう。先
ず、上記第一ヨーク4aの円筒部14aに上記緩衝筒3
aを内嵌固定したならば、上記摺動部22の基端部(図
1の右端部)を一方(図1の左方)の摺動スリーブ24
の内側に、軸方向の一端(図1の左端)側から挿通す
る。そして、次に、上記シャフト2aを何れかの回転方
向に変位させる事により、上記一方の摺動スリーブ24
を上記弾性部材11aの弾力に抗して少しだけ回転さ
せ、この一方の摺動スリーブ24の内周面に形成した係
合突条27、27と他方(図1の右方)の摺動スリーブ
24の内周面に形成した係合突条27、27との円周方
向に亙る位相を一致させる。この様に、両摺動スリーブ
24、24の内周面の係合突条27、27の位相を互い
に一致させたならば、上記摺動部22の基端部を上記他
方の摺動スリーブ24の内側に進入させ、更に、図1に
示した状態まで上記摺動部22の全体を押し込む。尚、
この様な摺動部22の挿通作業を容易に行なえる様にす
る為、上記摺動部22の基端縁には面取り29を施して
いる。又、上記シャフト2aの先端部(図1の左端部)
には、予め伝達駒8aを、締まり嵌め、かしめ等により
外嵌固定しておく。
【0020】上述の様に上記各摺動スリーブ24、24
の内側に上記摺動部22を挿通した状態で、一方の摺動
スリーブ24の内周面に形成した各係合突条27、27
と、他方の摺動スリーブ24の内周面に形成した各係合
突条27、27とは、上記弾性部材11aの弾力に基づ
き、上記摺動部22の外周面に形成した各係合溝21、
21同士の間部分を挟持する。即ち、一方の摺動スリー
ブ24の係合突条27、27の円周方向片側面と、他方
の摺動スリーブ24の係合突条27、27の円周方向他
側面とは、上記弾性部材11aの弾力に基づき、上記摺
動部22の係合溝21、21の内側面のうち、互いに円
周方向反対側の側面に弾性的に押圧される。従って、上
記摺動部22は、上記各摺動スリーブ24、24の内側
にがたつきなく支持される。
【0021】上述の様に構成される本発明の弾性軸継手
により、振動の伝達を防止しつつ回転力を伝達する際の
作用は、次の通りである。回転力の伝達を行なう場合で
も、伝達すべき回転力が低トルクの場合には、上記弾性
部材11aを介して回転力の伝達を行なう。例えば、シ
ャフト2aから第一ヨーク4aに回転力を伝達する場合
には、上記シャフト2aの回転が1対の摺動スリーブ2
4、24を介して上記弾性部材11aに伝わる。そし
て、この弾性部材11aが、弾性変形しつつ上記回転力
を、上記第一ヨーク4aに伝達する。この様に、伝達す
べき回転力が低トルクの場合、並びに回転力の伝達が行
なわれない場合には、上記弾性部材11aが、上記第一
ヨーク4aとシャフト2aとの間での振動伝達を防止す
る。又、軸方向の振動及び変位に関しては、上記弾性部
材11aが軸方向に変位するだけでなく、上記シャフト
2aの先端部に形成した摺動部22が上記各摺動スリー
ブ24、24の内側で軸方向に摺動する事により吸収す
る。
【0022】上記摺動部22の外周面と上記各摺動スリ
ーブ24、24の外周面との間の摩擦係数は、上記弾性
部材11aの存在に関係なく小さくできる。従って、上
記摺動部22の外周面と上記各摺動スリーブ24、24
の内周面との摺動に基づく、上記軸方向の振動及び変位
の吸収は、効果的に行える。しかも、上記摺動部22の
外周面及び上記各摺動スリーブ24、24の内周面の摩
耗を僅少に抑える事ができるので、長期間に亙る使用に
よっても、これら両周面の摩耗を少なく抑え、弾性軸継
手の耐久性確保を図れる。
【0023】又、上記伝達すべき回転力のトルクが大き
くなった場合には、前述の図7〜9に示した従来の弾性
軸継手と同様、上記シャフト2aの先端部の先端部に固
設した伝達駒8aの突片10、10が、上記第一ヨーク
4aに形成した切り欠き17、17の内側縁に衝合する
事により、上記弾性部材11aにより伝達し切れない回
転力の伝達を行なう。従って、上記弾性部材11aに過
大な圧縮応力及び引っ張り応力が加わる事がなく、この
弾性部材11aの耐久性を十分に確保できる。
【0024】次に、図6は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。上述した第1例の弾性軸継手を構成す
る摺動スリーブ24、24の外周面及び弾性部材11a
の内周面が、何れも単なる円筒面であったのに対し、本
例の場合には、弾性軸継手を構成する1対の摺動スリー
ブ24aの外周面に、円周方向に亙り等間隔に、それぞ
れこれら各摺動スリーブ24aの軸方向の全長に亙り複
数(図示の例では6個)の突条28、28を設けてい
る。そして、弾性部材11aの一部をこれら各突条2
8、28同士の間部分に係合させ、この弾性部材11a
と上記各摺動スリーブ24aとが、円周方向に関してず
れ動く事を、機械的に防止している。従って、上記弾性
部材11aと上記各摺動スリーブ24aとの円周方向に
亙るずれ防止を、より確実に行える。その他の構成及び
作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0025】尚、シャフトと筒状部材との軸方向に亙る
相対変位並びに円周方向に亙る若干の相対変位を許容す
る為の係合部は、必ずしも図示の例の様な、突片と切り
欠きとの係合に基づくものである必要はない。例えば、
ヨーク等の筒状部材に切り欠きに代えて透孔を形成した
り、或はシャフトの端部外周面と筒状部材に固定の部分
の内周面とをそれぞれ非円形にし、これら両面同士を隙
間をあけて対向させる事により、上記係合部とする事も
できる。更には、シャフトの端部に設けた摺動部の外周
面と摺動スリーブの内周面との凹凸係合も、図示の例と
は逆にしても良い。即ち、摺動スリーブの内周面に係合
溝を、摺動部の外周面に係合突条を、それぞれ形成して
も良い。
【0026】
【発明の効果】本発明の弾性軸継手は、以上に述べた通
り構成され作用するので、軸方向に亙る変位及び振動を
効果的に吸収できる。この為、より広範囲に亙って良好
な振動減衰性能を得られる。更に、構成各部材を特に高
精度に仕上げなくても、がたつきの発生を確実に防止で
きるので、製作費が低廉で品質の良い製品を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1の右半部を同図の上方から見た図。
【図3】図1のA−A断面図。
【図4】図1のB−B断面図。
【図5】シャフトを組み付ける以前の状態で示す、図4
と同様の図。
【図6】本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同
様の図。
【図7】従来構造の1例を示す斜視図。
【図8】十字軸と第二ヨークとを省略して示す、図7の
C−C断面図。
【図9】図8の左方から見た図。
【符号の説明】
1 自在継手 2、2a シャフト 3、3a 緩衝筒 4、4a 第一ヨーク 5 第二ヨーク 6 十字軸 7 セレーション軸部 8、8a 伝達駒 9 中心孔 10 突片 11、11a 弾性部材 12 内側スリーブ 13、13a 外側スリーブ 14、14a 円筒部 15 第一アーム 16 第一円孔 17 切り欠き 18 第二アーム 19 別のシャフト 20 第二円孔 21 係合溝 22 摺動部 23 円筒部 24、24a 摺動スリーブ 25 鍔部 26 段部 27 係合突条 28 突条

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在なシャフトの端部とこのシャフ
    トの回転に伴って回転する筒状部材とを、軸方向及び回
    転方向に亙る若干の変位を吸収自在に連結する弾性軸継
    手であって、上記シャフトの端部に設けられた摺動部
    と、それぞれこの摺動部の外周面にこの摺動部の軸方向
    に亙り、円周方向に亙り互いに間隔をあけて設けられた
    複数の係合溝若しくは係合突条と、上記シャフトの端部
    と上記筒状部材との間に設けられ、これらシャフトと筒
    状部材との軸方向に亙る相対変位及び円周方向に亙る若
    干の相対変位を許容する係合部と、上記摺動部の外周面
    と上記筒状部材の内周面との間に設けられた緩衝筒とを
    備え、この緩衝筒は、上記筒状部材に固定される外側ス
    リーブと、この外側スリーブの内周面に保持固定される
    弾性部材と、それぞれ上記弾性部材の内周面に上記外側
    スリーブと同心に、互いに軸方向にずらせた状態で保持
    固定された1対の摺動スリーブと、これら各摺動スリー
    ブの内周面にこれら各摺動スリーブの全長に亙って軸方
    向に形成され、且つ、円周方向に亙る位相を上記シャフ
    トの外周面に形成した係合溝若しくは係合突条と一致さ
    せて設けられた複数の係合突条若しくは係合溝とを備
    え、上記各摺動スリーブは、上記シャフトの端部と係合
    させる以前の状態では、それぞれの内周面に形成した上
    記各係合突条若しくは係合溝の円周方向に亙る位相を互
    いに少しだけずらせた状態で上記弾性部材の内周面に保
    持固定されており、上記シャフトの端部に形成した摺動
    部は、上記各摺動スリーブを上記弾性部材の弾力に抗し
    て互いに円周方向反対側に変位させる事により、それぞ
    れの内周面に形成した各係合突条若しくは係合溝の円周
    方向に亙る位相を一致させた状態で、上記摺動部の外周
    面に形成した各係合溝若しくは係合突条と上記各摺動ス
    リーブの内周面に形成した上記各係合突条若しくは係合
    溝とを係合させる事により、上記1対の摺動スリーブの
    内側に軸方向に亙る摺動自在に挿通されている事を特徴
    とする弾性軸継手。
JP9129785A 1997-05-20 1997-05-20 弾性軸継手 Pending JPH10318273A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1683703A1 (en) * 2005-01-24 2006-07-26 NSK Ltd., Steering apparatus with elastic coupling
JP5233671B2 (ja) * 2007-02-28 2013-07-10 日本精工株式会社 チルト式ステアリング装置
EP2933514A4 (en) * 2012-12-13 2016-10-12 Nitta Corp STRUCTURE FOR A SHAFT, CONNECTOR ELEMENT AND BUSHING ELEMENT

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