JPH10316891A - 粉体塗料の製造方法 - Google Patents

粉体塗料の製造方法

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JPH10316891A
JPH10316891A JP12975797A JP12975797A JPH10316891A JP H10316891 A JPH10316891 A JP H10316891A JP 12975797 A JP12975797 A JP 12975797A JP 12975797 A JP12975797 A JP 12975797A JP H10316891 A JPH10316891 A JP H10316891A
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powder
surface modifier
resin
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cyclone
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JP12975797A
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Inventor
Mikio Koshikawa
幹男 越川
Katsuo Ishiwada
勝男 石和田
Takao Amagasaki
孝雄 尼崎
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面改質剤を均一に混合することができ、か
つ表面改質剤の添加量に対するロスが少なく、生産性に
優れた粉体塗料の製造方法を得る。 【解決手段】 原料ペレット11を粉砕機1によって粉
砕し、粉砕後の粉体をサイクロン2で補集する工程と、
サイクロン2から供給された粉体に表面改質剤12を添
加する工程と、表面改質剤12と粉体を振動フルイ機2
0のスクリーン21上で混合した後、該スクリーン21
を通過させる工程とを備えることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料を製造す
る方法に関するものであり、詳細には表面改質剤を混合
した粉体塗料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、有機溶剤を用いないため、
低公害性等の点から評価され、広く用いられるようにな
ってきている。また、粉体塗料においては、塗膜外観を
より優れたものとするため、粉体の凝集を防止し、流動
性を改善する目的で、微粉シリカ等の表面改質剤を添加
する場合が多い。
【0003】このような表面改質剤の添加方法として
は、特開昭58−65770号公報等に開示されている
ように、粉体塗料の原料である樹脂ペレットの粉砕工程
において、樹脂ペレットと微粉シリカ等の表面改質剤と
を同時に微粉砕することにより粉体塗料とし、樹脂粉体
と表面改質剤とを均一に混合する方法が提案され、実施
されている。
【0004】また、表面改質剤の他の添加方法として
は、特開昭63−186776号公報等に開示されてい
るように、微粉砕後の樹脂粉体と表面改質剤とをヘンシ
ェルミキサー等を用いてドライブレンドする方法が知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原料の
樹脂ペレットと表面改質剤とを同時に微粉砕する上記従
来の方法では、粉砕工程の後に通常設けられている、粉
砕後の粉体を補集するためのサイクロンにおいて、微粉
末である表面改質剤がサイクロンから外部に排出されて
しまい、表面改質剤の添加量にロスを生じるという問題
があった。従って、このような添加量のロスを考慮して
表面改質剤を多く添加しなければならず、経済的に好ま
しくないという問題を生じた。さらに、サイクロンから
排出された表面改質剤はバッグフィルタによって補集さ
れるが、大量の表面改質剤がバッグフィルタに補集され
るため、頻繁にバッグフィルタの目詰まりが生じるとい
う問題もあった。
【0006】また、粉砕後の粉体と表面改質剤とをヘン
シェルミキサー等でドライブレンドする方法では、表面
改質剤の添加混合がバッチ処理となるため生産効率がよ
くなく、高コストになるという問題があった。また、一
度に多量の粉体と表面改質剤を混合しようとすると、均
一に混合することができないという問題もあった。
【0007】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、表面改質剤を均一に混合することができ、か
つ表面改質剤の添加量に対するロスが少なく、生産性に
優れた粉体塗料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、原料を粉砕
し、これによって得られた粉体に表面改質剤を混合して
粉体塗料を製造する方法であり、原料を粉砕機によって
粉砕し、粉砕後の粉体をサイクロンで補集する工程と、
サイクロンから供給された粉体に表面改質剤を添加する
工程と、表面改質剤と粉体を振動フルイ機のスクリーン
上で混合した後、該スクリーンを通過させる工程とを備
える粉体塗料の製造方法である。
【0009】本発明によれば、サイクロンから供給され
た粉体に表面改質剤を添加する。従って、サイクロンに
供給されるのは、粉砕後の粉体のみであり、表面改質剤
がサイクロンによって外部に排出されることがない。従
って、表面改質剤の添加量に対するロスを著しく低減す
ることができる。また、サイクロンに接続されているバ
ッグフィルタの目詰まりを防止することができる。
【0010】また、本発明によれば、表面改質剤が添加
された粉体は、振動フルイ機のスクリーン上に供給さ
れ、スクリーン上で表面改質剤と粉体とが混合される。
従って、表面改質剤と粉体とを均一に混合することがで
きる。また、本発明によれば、粉砕された粉体に対し、
連続的に表面改質剤を添加することができるので、生産
性よく粉体塗料を製造することができる。
【0011】本発明に従う好ましい実施形態の一つにお
いては、圧縮空気導入口、吸引口、及び吐出口を有する
供給機を用いて、サイクロンから供給された粉体に表面
改質剤を添加する。この供給機によれば、圧縮空気導入
口から圧縮空気を導入し、これによって生じる圧力差で
吸引口から表面改質剤を吸引し、該表面改質剤を吐出口
から吐出して表面改質剤を粉体に添加することができ
る。本発明において、表面改質剤は、振動フルイ機に供
給される前の粉体に添加してもよいし、振動フルイ機に
供給された粉体に添加してもよい。
【0012】以下、本発明の構成についてさらに詳細に
説明する。粉体塗料用樹脂 本発明において、粉砕機によって原料を粉砕することに
より得られる樹脂粉体は、膜形成性樹脂を主要成分とす
る粉体である。膜形成性樹脂としては、静電塗装法に適
した樹脂、すなわち熱硬化性樹脂が一般に用いられる。
熱硬化性樹脂としては、室温で固体のものが好ましく用
いられ、具体的には、エポキシ系樹脂、エポキシ−ポリ
エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、アクリル−ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂など
を例示することができる。このうち、本発明の粉砕塗料
により耐候性の良好な塗膜を形成する必要がある場合に
はアクリル系樹脂が、耐衝撃性などの塗膜物性が良好な
塗膜を形成する必要がある場合にはポリエステル系樹脂
が、さらに、耐食性の良好な塗膜を形成する必要がある
場合にはエポキシ系樹脂がそれぞれ好ましく用いられ
る。
【0013】ここで、アクリル系樹脂としては、例え
ば、スチレン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso
−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、2−メチルグ
リシジルメタクリレートなどのモノマーを常法に従って
重合させたものが用いられる。
【0014】また、ポリエステル系樹脂としては、例え
ば、エチレングリコール、プロパンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どの多価アルコールと、マレイン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、セバチン酸、β−オキシプロピオン酸などのカル
ボン酸とを常法に従って重合させたものが用いられる。
【0015】さらに、エポキシ系樹脂としては、例え
ば、分子内に2個以上のオキシラン基を有する化合物が
好ましく用いられ、具体的には、グリシジルエステル樹
脂、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合反
応物やビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの縮合
反応物などのグリシジルエーテル型樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、綿状脂肪族エポキシ樹脂、含ブロムエポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂などが用いられる。
【0016】上述の膜形成性樹脂として熱硬化性樹脂を
用いる場合は、硬化剤が併用される。硬化剤としては、
利用する熱硬化性樹脂が有する官能基に応じて公知の種
々のものを用いることができ、具体的には、ブロックイ
ソシアネート、セバチン酸などの脂肪族多価カルボン
酸、脂肪族酸無水物、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシアネート、ポリアミド系硬化
剤、ヒドロキシアルキルアミド(例えば、ロームアンド
ハース社製の商品名「プリミドXL552」)、グリコ
ウリル硬化剤(例えば、サイテック社製の商品名「パウ
ダーリンク1174」)、アミン系硬化剤、トリグリシ
ジルイソシアヌレート、ジシアンジアミド、フェノール
樹脂、イミダゾール類及びイミダゾリン類などを例示す
ることができる。
【0017】なお、膜形成性樹脂としては、必要に応じ
て、通常は流動浸漬法において主として用いられる熱可
塑性樹脂が用いられてもよい。このような熱可塑性樹脂
としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、変性ポリ
オレフィン系樹脂を挙げることができる。上述の各種膜
形成性樹脂は、2種以上のものが併用されてもよい。
【0018】また、本発明の樹脂粉体中には、上述の膜
形成性樹脂以外に、必要に応じて二酸化チタン、ベンガ
ラ、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、ア
ゾ系顔料などの着色顔料、タルク、シリカ、炭酸カルシ
ウム、沈降性硫酸バリウムなどの体質顔料、ジメチルシ
リコーンやメチルシリコーンなどのシリコーン類及びア
クリルオリゴマーなどの表面調整剤、ベンゾインやベン
ゾインに1〜3種の官能基が付加したベンゾイン誘導体
などのベンゾイン類に代表される発泡防止剤、硬化促進
剤(または硬化触媒)、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、顔料分散剤、難燃剤、流動性付与剤
などの各種添加剤を含んでもよい。
【0019】表面改質剤 本発明において用いる表面改質剤は、原料を粉砕して得
られる樹脂粉体の流動性、帯電性等を改質するために樹
脂粉体に添加混合されるものである。このような表面改
質剤は、樹脂粉体に添加混合されることにより、一般に
樹脂粉体の表面に付着し、樹脂粉体の表面性質を変える
ことができるものである。表面改質剤としては、一般に
固体粒子が用いられ、最大粒径が20μm以下のものが
好ましく用いられる。表面改質剤として、具体的には、
微粉シリカ、微粉アルミニウムオキサイド等からなる無
機微粒子や、アクリル樹脂などの樹脂からなる有機微粒
子等が用いられる。
【0020】このような表面改質剤の市販品としては、
例えば、塩野義製薬社製のカープレックスFPS−1
(最大粒径6μm以下)、カープレックスFPS−2
(最大粒径10μm以下)、カープレックスFPS−3
(最大粒径6μm以下)、日本アエロジル社製のアルミ
ニュームオキサイド−C(一次粒子15nm)、日本ペ
イント社製のアクリル樹脂系有機微粒子(一次粒子10
0nm)などがある。
【0021】表面改質剤の添加量としては、粉体に対し
て0.01〜10重量%であることが好ましい。すなわ
ち、粉体100重量部に対し、表面改質剤の添加量が
0.01〜10重量部であることが好ましい。表面改質
剤の添加量が0.01重量%未満である場合には、表面
改質剤の添加による効果が十分に得られず、流動性や粉
体塗料の表面性質において所望の効果が得られない場合
がある。また表面改質剤の添加量が10重量%を超える
と、得られる塗膜の物性、特に塗膜外観が悪くなる傾向
にある。表面改質剤のさらに好ましい添加量としては、
粉体に対し0.05〜5重量%である。
【0022】振動フルイ機 本発明において用いる振動フルイ機は、スクリーン上で
表面改質剤と粉体とを混合し得るものであれば特に限定
されるものではない。スクリーンとしては、60〜16
6メッシュ(メッシュの穴の径:250μm〜90μ
m)が好ましい。振動フルイ機の振動数としては、15
00〜1800回/分、振動巾としては、2〜3mmが
好ましい。振動フルイ機の市販品としては、例えば、ダ
ルトン社製のダルトン振動フルイ、徳寿工作所社製のT
M型円型振動フルイ機、興和工業所社製のR型振動フル
イ機、晃栄産業社製の振動フルイ機などがある。
【0023】圧縮空気による供給機 本発明に従う好ましい実施形態の一つにおいては、上述
のように、表面改質剤を粉体に添加する際、圧縮空気導
入口、吸引口、及び吐出口を有する供給機を用い、圧縮
空気導入口から圧縮空気を導入し、これによって生じる
圧力差で吸引口から表面改質剤を吸引し、該表面改質剤
を吐出口から吐出して供給する。このような供給機とし
ては、一般にインジェクター、またはエジェクターと呼
ばれる装置が挙げられる。これらの装置は、3つの出入
口を有するパイプ形状の装置であり、圧縮空気導入口か
ら圧縮空気が導入され、これによって吸引口側で圧力が
減少し、吸引口に接続された表面改質剤の貯蔵部から表
面改質剤が吸引され、吸引された表面改質剤が他方の吐
出口から圧縮空気と共に吐出する。従って、この吐出口
を、表面改質剤を供給したい箇所に接続しておくことに
より、表面改質剤を供給することができる。このような
インジェクターやエジェクターを用いた場合の圧縮空気
の圧力は、2〜5kg/cm2 程度が一般的である。こ
のような供給機の市販品としては、例えば、オオサワカ
ンパニー社製のワンダーガンなどがある。
【0024】本実施形態では、このような供給機を用い
て圧力差で表面改質剤を吸引し他方に吐出して供給す
る。表面改質剤は、このような供給機を通り供給される
際、空気による応力で解砕され、分散し易い状態で粉体
に供給される。従って、その後の振動フルイ機のスクリ
ーン上での混合により、より均一に表面改質剤を混合す
ることができる。
【0025】粉砕機 本発明において原料を粉砕する粉砕機は、気流式粉砕
機、衝撃式粉砕機などの、粉体塗料の粉砕において一般
的に用いられている粉砕機を用いることができる。この
ような粉砕機の市販品としては、例えば、ターボ工業社
製のターボミル、ホソカワミクロン社製のACMパルベ
ライザー、ダルトン社製のエックサンプルミルなどがあ
る。
【0026】サイクロン 本発明において用いるサイクロンは、粉砕後の粉体を補
集するためのものであり、粉体塗料の製造等において一
般的に用いられているサイクロンを用いることができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の製造方法を実施
するのに用いられる製造装置の一例を示す概略構成図で
ある。
【0028】図1に示すように、粉砕機1に、粉体塗料
の原料ペレット11を供給し、粉砕する。粉砕された粉
体は、粉体塗料補集用サイクロン2の粉体導入口2aに
送られる。サイクロン2では、粉砕された粉体がその重
量により下方に沈降し、空気及び微粉塵が2bからバッ
グフィルタ4に送られる。バッグフィルタ4には、ブロ
ア6が接続されており、このブロア6により粉砕機1で
粉砕された粉体が吸引されサイクロン2に送られてい
る。
【0029】サイクロン2において、粉砕された樹脂粉
体は、排出口2cに送られる。排出口2cの下にはロー
タリーバルブ3が設けられている。ロータリーバルブ3
の下方には、表面改質剤導入口7が設けられており、こ
の表面改質剤導入口7から表面改質剤が供給される。表
面改質剤導入口7には、インジェクター10の吐出口1
0cが接続されている。またインジェクター10の吸引
口10bには、ホッパー9が接続されており、このホッ
パー9に、定量供給機8から表面改質剤12が定量的に
供給されている。インジェクター10の圧縮空気導入口
10aには、図示しないコンプレッサーが接続されてお
り、圧縮空気が供給される。
【0030】図2は、インジェクター10を示す拡大断
面図である。図2に示すように、インジェクター10の
内部には、吸引口10bから吐出口10cに向かう方向
に、径が細くなる箇所10e及び10fが設けられてい
る。径が細くなる箇所10eには、圧縮空気をノズル内
に導入するための圧縮空気噴出口10dが設けられてい
る。圧縮空気噴出口は合計で3つ設けられており、図示
されない箇所にも2箇所設けられている。これらの圧縮
空気噴出口は120度ピッチで等間隔に径が細くなる箇
所10eの周囲に設けられている。圧縮空気導入口10
aからインジェクター10内に導入された空気は、イン
ジェクター10の内部で3つに分岐され、それぞれ圧縮
空気噴出口10dに送られ、圧縮空気噴出口10dから
ノズル内に噴出される。圧縮空気噴出口10dから噴出
された圧縮空気が、径の細い箇所10fを通ると、さら
に速度が速くなり、ノズル内部に圧力差を生じ、この圧
力差によって、吸引口10bから表面改質剤が吸引され
る。インジェクター10内に吸引された表面改質剤は、
インジェクター10内を通過する際、空気による応力を
受けて解砕され、吐出口10cに送られる。従って、こ
のようなインジェクターは、表面改質剤を供給すると共
に、表面改質剤をその内部で粉砕する作用を有してい
る。
【0031】図1を再び参照して、このようにしてイン
ジェクター10により供給される表面改質剤12は、表
面改質剤導入口7から導入され、サイクロン2によって
補集された粉体に添加される。粉体と表面改質剤は、次
に振動フルイ機20内のスクリーン21上に供給され
る。スクリーン21は、一定の条件で振動しており、こ
のスクリーン21の振動により、樹脂粉体と表面改質剤
が均一に混合される。このような混合工程によって、表
面改質剤が樹脂粉体の表面に均一に付着した状態とな
り、表面改質剤が表面に付着した樹脂粉体は、次にスク
リーン21を通過し、振動フルイ機20の排出口22か
ら粉体塗料製品として排出される。スクリーン21を通
過しない粗粒は排出口23から排出される。
【0032】図1に示す装置では、粉砕機1として、ホ
ソカワミクロン社製のACMパルペライザーACM−1
0を用いている。また、粉体塗料補集用サイクロン2と
しては、直径350cmのものを用いている。また、イ
ンジェクター10としては、オオサワカンパニー社製の
ワンダーガンミニタイプNW501を用いている。ま
た、振動フルイ機20としては、100メッシュのスク
リーンを有するダルトン社製の1001型を用いてい
る。また、定量供給機8としては、粉研パウテックス社
製のFS−J2−Sを用いている。
【0033】以下、図1に示す装置を用いて粉体塗料を
製造した実施例及び比較例について説明する。なお、以
下、部は全て重量部を示す。実施例1 ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名
「ファインデックM−8020」)60.0部、ブロッ
クイソシアネート(フュルス社製、商品名「アダクトB
−1530」)9.7部、エポキシ樹脂(油化シェル社
製、商品名「エピコート1004」)3.0部、表面調
整剤(東芝シリコン社製、商品名「YF−3919」)
0.3部、酸化チタン(デュポン社製、商品名「チタン
R−960」)27.0部を乾式混合機(三井鉱山社
製、ヘンシェルミキサー)にて2分間乾式混合し、次
に、溶融混練機(ブス社製、ブス・コ・ニーダー、PR
−46)にて溶融混練した後、プレスローラー(日本ス
チールコンベア社製)にて圧延冷却した後、粗粉砕し
て、体積平均粒径5mm、厚み1mm程度の白色ペレッ
トを得た。
【0034】このようにして得られた白色ペレットを図
1に示す装置を用いて粉砕した。サイクロン2で補集し
た粉体は、ロータリーバルブ3により、150kg/時
間となるように振動フルイ機20に供給した。表面改質
剤12としては、微粉シリカ(塩野義製薬社製、商品名
「カープレックスFPS−1」)を0.3kg/時間と
なるように定量供給機8及びインジェクター10を調整
して表面改質剤導入口7から供給した。なお、インジェ
クター10からの排出圧力は、3.0kg/cm2 とし
た。以上のようにして、体積平均粒径35μmの流動性
の良好な白色ポリエステル樹脂系粉体塗料を得た。
【0035】実施例2 ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、商品名「ユピカコ
ートGV−230」)35.0部、エポキシ樹脂(油化
シェル社製、商品名「エピコート1004」)35.0
部、触媒(四国化成工業社製、商品名「キュアゾールC
−17Z」)0.15部、表面調整剤(バスフ社製、商
品名「アクロナール4F」)0.85部、酸化チタン
(デュポン社製、商品名「チタンR−960」)29.
0部を実施例1と同じ乾式混合機を用いて2分間乾式混
合し、次いで実施例1と同じ溶融混練機を用いて溶融混
練した後、実施例1と同じプレスローラーを用いて圧延
冷却した後、粗粉砕して、体積平均粒径5mm、厚み1
mm程度の白色ペレットを得た。
【0036】粉体塗料の原料ペレットとして、上記白色
ペレットを用い、表面改質剤12としての微粉シリカの
供給量を0.15kg/時間と実施例1に比べ半分にす
る以外は、上記実施例1と同様にして粉体塗料を製造し
た。その結果、体積平均粒径35μmの流動性の良好な
白色エポキシ・ポリエステル樹脂系粉体塗料を得た。
【0037】実施例3 表面改質剤としてアクリル樹脂系有機微粒子(日本ペイ
ント社製、商品名「ファインスフェアN−3000」、
体積平均粒径0.1μm)を用い、樹脂粉体の供給量1
50kg/時間に対し、表面改質剤の供給量1.5kg
/時間とする以外は、上記実施例1と同様にして粉体塗
料を製造した。この結果、体積平均粒径35μmの流動
性の良好な白色ポリエステル樹脂系粉体塗料を得た。
【0038】比較例1 表面改質剤を表面改質剤導入口7から添加しないこと以
外は、上記実施例1と同様にして粉体塗料を製造した。
その結果、体積平均粒径35μmの白色ポリエステル樹
脂系粉体塗料を得た。
【0039】比較例2 実施例1で得られたペレットを原料ペレットとして用
い、表面改質剤として実施例1で用いた微粉シリカを用
い、この微粉シリカを製造工程途中の表面改質剤導入口
7から供給するのではなく、粉砕する際に原料ペレット
と混合し同時に粉砕させることにより、粉体塗料を製造
した。なお微粉シリカの添加量は、粉体に対し0.2重
量%とした。この結果、体積平均粒径35μmの白色ポ
リエステル樹脂系粉体塗料を得た。
【0040】塗膜評価 以上のようにして得られた実施例1〜3及び比較例1〜
2の粉体塗料を、日本パーカライジング社製粉体塗装機
GX−508型を用いて、リン酸亜鉛処理剤(日本ペイ
ント社製、商品名「サーフダインセレクト1000」)
で処理した鋼板(0.8×70×150mm)に塗装膜
厚40〜50μmとなるように塗装し、180℃で20
分間焼き付けて試験片を得た。得られた試験片の塗膜に
ついて塗膜外観、碁盤目テスト、耐衝撃性、エリクセン
を評価し、評価結果を表1に示した。なお、各試験方法
は以下の通りである。
【0041】塗膜外観:目視により判定した。 碁盤目テスト:NTカッターで1mm2 ×100目の素
地に達する碁盤目を作り、セロテープにて剥がし、剥が
れなかった碁盤目の数を数えた。 耐衝撃性:JIS K 5400の6.13.3Bに準
拠して測定した。 エリクセン:JIS K 7729の試験機を用いて、
JIS K 2247の方法に準拠して測定した。
【0042】粉体塗料の粉体物性の評価 以上のようにして得られた実施例1〜3及び比較例1〜
2の粉体塗料について、フルイ通過性、貯蔵安定性、集
塵機差圧を測定し、測定結果を表1に示した。また、実
施例1及び比較例2については、蛍光X線分析から、付
着した表面改質剤である微粉シリカの量を測定した。こ
れらの測定結果を表1に示す。なお、フルイ通過性、貯
蔵安定性、集塵機差圧については以下のようにして測定
した。
【0043】フルイ通過性:ホソカワミクロン社製パウ
ダーテスターを用いて、60メッシュ金網を振幅1mm
の強さで振動させ、100gのサンプルを投入し、20
秒間に通過する量を測定した。なお、結果の数値は、得
られた数値を3倍し、g/分の単位で表示した。
【0044】貯蔵安定性:50mlのガラスビン中に塗
料を約20g入れ、35℃の恒温室に1週間放置した後
の塗料状態を評価した。なお評価は目視により行った。 集塵機差圧:粉砕工程のバッグフィルタにおける目詰ま
り具合を差圧で判定した。なお差圧は、粉体を2トン製
造した後の差圧であり、差圧が150〜200mmAq
であるものを○印、200mmAq以上のものを×印と
して示した。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1〜3の粉体塗料は、表面改質剤を混合する
ことにより表面改質しているので、表面改質剤を用いて
いない比較例1に比べ貯蔵安定性に優れている。また、
表面改質剤により均一に処理されているので、実施例1
〜3の粉体塗料のフルイ通過性は、比較例2に比べ良好
である。また実施例1と比較例2における表面改質剤の
付着量の比較からも明らかなように、本発明に従うこと
により、表面改質剤の添加量に対するロスを少なくする
ことができ、生産性を高めることができる。また、比較
例2においては、バッグフィルタに目詰まりを生じてい
るのに対し、本発明に従う実施例1〜3ではバッグフィ
ルタの目詰まりが生じ難いことがわかる。
【0047】上記実施例では、サイクロン2と振動フル
イ機20との間に設けられた表面改質剤導入口7から表
面改質剤を供給しているが、図1にAで示すように、表
面改質剤を直接振動フルイ機20に供給し、振動フルイ
機20内の粉体に対して表面改質剤を添加し、スクリー
ン21上で粉体と表面改質剤とを混合してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、表面改質剤を均一に混
合することができ、かつ表面改質剤の添加量に対するロ
スを少なくし、生産効率よく粉体塗料を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に従う製造装置の一例を示す
概略構成図。
【図2】図1に示す製造装置において用いられているイ
ンジェクターを示す拡大断面図。
【符号の説明】
1…粉砕機 2…粉体塗料補集用サイクロン 3…ロータリーバルブ 4…バッグフィルタ 5…圧力計 6…ブロア 7…表面改質剤導入口 8…定量供給機 9…ホッパー 10…供給機としてのインジェクター 11…粉体塗料原料ペレット 12…表面改質剤 20…振動フルイ機 21…振動フルイ機のスクリーン 22…振動フルイ機の排出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を粉砕し、これによって得られた粉
    体に表面改質剤を混合して粉体塗料を製造する方法であ
    って、 前記原料を粉砕機によって粉砕し、粉砕後の粉体をサイ
    クロンで補集する工程と、 前記サイクロンから供給された粉体に表面改質剤を添加
    する工程と、 前記表面改質剤と前記粉体を振動フルイ機のスクリーン
    上で混合した後、該スクリーンを通過させる工程とを備
    える粉体塗料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記表面改質剤を添加する工程が、圧縮
    空気導入口、吸引口、及び吐出口を有する供給機を用
    い、圧縮空気導入口から圧縮空気を導入し、これによっ
    て生じる圧力差で吸引口から表面改質剤を吸引し、該表
    面改質剤を吐出口から吐出して供給することにより前記
    粉体に添加する工程であることを特徴とする請求項1に
    記載の粉体塗料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記表面改質剤が、前記振動フルイ機に
    供給される前の前記粉体に添加されることを特徴とする
    請求項1または2に記載の粉体塗料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記表面改質剤が、前記振動フルイ機に
    供給された前記粉体に添加されることを特徴とする請求
    項1または2に記載の粉体塗料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記表面改質剤の添加量が、前記粉体に
    対して0.01〜10重量%であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体塗料の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102054859B1 (ko) * 2019-09-17 2019-12-13 주식회사 그래핀 코어 폐 폴리에틸렌 테레프탈레이트 미립자 제조장치, 이를 이용한 폐 폴리에틸렌 테레프탈레이트와 폐 연마재 복합 도료의 제조방법, 및 그 방법에 의해 제조된 도료

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